JP4229349B2 - 釣り道具の保持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿や釣りに使用する傘等、釣り道具の保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の釣竿を保持する保持装置では、船の船縁等にクランプするクランプ部と、該クランプ部の上に取付けられる基台と、該基台に取付けられて釣竿を直接保持する竿受けとを有している。通常、クランプ部は縦部と横部の双方に基台を取付けられるように構成しており、船縁に対する2種類のクランプ形態に対して夫々基台の取付けが可能となっている。例えば、特開平7−289134号公報には、縦横双方に取付け可能になっているが、基台をクランプ部の挿入部に挿入した後、回転させて係止ピンを凹溝に係止させる構造が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、基台はクランプ部に挿入し、回転した後に係止されるため、基台とクランプ部との間にクリアランスを設ける必要があり、釣りに際して基台がガタ付く虞が有る。このガタ付きを防止するには相当の精度を要し、コスト高になる。また、係止ピンの固定保持はばね部材により行われるため、ばね部材の金属疲労により基台の固定保持の低下が予見される。
依って本発明は、構造が簡単で低コスト化に寄与し、基台のクランプ部からの抜けが防止されると共にガタ付きが少ない釣り道具の保持装置の提供を目的とする。
また、更に安定性の高い釣り道具の保持装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み、請求項1において、釣り道具を保持する保持部を取付けている基台をクランプ部に装着して釣りを行う保持装置であって、前記クランプ部に複数個所の係合部を設け、前記基台には前記複数個所の係合部に選択的にスライド係合できる基台側係合部を設け、該基台側係合部を前記係合部にスライド係合させた状態において、該基台のスライド方向後方への抜け止めを行うと共に、スライド方向に対する側方から押圧する抜け止め押圧手段を具備し、前記複数の係合部は各係合部端部の一端側が外部に開放されており、他端側が行き止まりであり、前記開放部から挿入できる基台の姿勢状態におけるスライド挿入方向後部に、前記係合部の側面に対して後方程遠ざかる傾斜状部を設け、前記抜け止め押圧手段はねじ部材を有し、該ねじ部材を前記基台のスライド挿入方向に対して側方から螺進させて前記傾斜状部を押圧することを特徴とする釣り道具の保持装置を提供する。傾斜状部とは、直線傾斜部の他、曲面状面取部のような曲面部も含まれる。
【0005】
基台側係合部をクランプ部の係合部にスライド挿入して係合でき、スライド方向以外はこの係合によって基台が拘束されているが、基台の抜け止めを行うと共に、押圧する手段を具備しているため、全ての方向において基台を拘束すると共に、押圧であるため係合同士の隙間ガタが防止される。従って、基台を回転させる必要性が無く、構造が簡単で低コストであり、その分抜け止め押圧手段による押圧以前にもガタを少なくできる。
外部に開放された一端側から基台側係合部を挿入し、行き止まりの他端側に当接させて挿入前方方向には停止し、一方、ねじ部材で係合部の傾斜状部を押圧するため、挿入方向の逆方向(後方)にも抜けない。傾斜状部の存在によって、ねじ部材を螺合する孔位置や方向に製造上のバラツキがあっても、ねじ部材による押圧係止が保証され、基台を確実に安定して抜け止め押圧できる。更には、ばね部材ではなく、ねじ部材の押圧であるためガタ付きがより確実に防止され、ばね部材の金属疲労もなく、基台の固定保持の安定性が向上する。
【0006】
請求項2において、釣り道具を保持する保持部を取付けている基台をクランプ部に装着して釣りを行う保持装置であって、前記クランプ部に複数個所の係合部を設け、前記基台には前記複数個所の係合部に選択的にスライド係合できる基台側係合部を設け、該基台側係合部を前記係合部にスライド係合させた状態において、該基台のスライド方向後方への抜け止めを行うと共に、スライド方向に対する側方から押圧する抜け止め押圧手段を具備し、前記複数の係合部は各係合部端部の一端側が外部に開放されており、他端側が行き止まりであり、前記抜け止め押圧手段はねじ部材を有し、該ねじ部材端部は先細テーパであり、前記開放部から挿入した前記基台のスライド挿入方向後部を、前記基台のスライド挿入方向に対して側方から螺進させた前記ねじ部材のテーパ部によって押圧することを特徴とする釣り道具の保持装置を提供する。
【0007】
基台側係合部をクランプ部の係合部にスライド挿入して係合でき、スライド方向以外はこの係合によって基台が拘束されているが、基台の抜け止めを行うと共に、押圧する手段を具備しているため、全ての方向において基台を拘束すると共に、押圧であるため係合同士の隙間ガタが防止される。従って、基台を回転させる必要性が無く、構造が簡単で低コストであり、その分抜け止め押圧手段による押圧以前にもガタを少なくできる。
外部に開放された一端側から基台側係合部を挿入し、行き止まりの他端側に当接させて挿入前方方向には停止し、一方、ねじ部材端部は先細テーパであり、基台の後部をこのテーパ部で押圧するため、基台は挿入方向の逆方向(後方)にも抜けない。ねじ部材を螺合する孔位置や方向に製造上のバラツキがあっても、テーパ部の存在によってねじ部材による押圧係止が保証され、基台を確実に安定して抜け止め押圧できる。更には、ばね部材ではなく、ねじ部材の押圧であるためガタ付きがより効果的に防止され、ばね部材にみられる金属疲労もなく、基台の固定保持の安定性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態例に基づき、更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る釣りに使用する傘を保持する装置の側面図であり、図2はその正面図、図3は矢視線C−Cによる横断面図である。ねじの力等によって押圧部材20Aが船縁10に押付けられて固定され、側面視がコ字状のクランプ部20の上部には、船縁に取付けられた状態で前後方向に設けた第1の溝20Bと、上下方向に延伸するように設けた第2の溝20Cとを有している。ここでは夫々の溝は、各々の端部が交差して直交しており、また夫々途中20E,20Fで行き止まりに形成されており、当然ながら反対側端部(入口)20Gは外部に開放されている。また、図2に示すように溝20Bは蟻溝状であり、後述の係合部30Aが挿入係合されれば、上下方向には外れない。溝20Cも同様である。
【0009】
上部に、傘保持40の球状基部40Aを保持している基台30の下端には、前記の各溝に係合できるフランジ部を有する係合部30Aが形成されている。該係合部30Aは正方形の各角を面取りしたものであるため、4つの辺の何れの方向からでも溝20B,20Cに挿入できる。これらクランプ部20、基台30、傘保持40、ねじ部材20Dは全てステンレスかアルミニウムで形成されており、海水等に対して腐蝕し難く、錆び難い。
【0010】
図1に示すように開放された入口20Gから溝20B内に係合部30Aをスライド挿入させて前端20Eに当接させる。この状態では、基台は上下方向にも前方にも抜けることはできず、拘束されているが、後方には抜け出ることができる。一方、係合部の各角部は図3に示すように直線状面取部に形成されている。特に、後端角部30Kは、所定の大きさにカットされている。言い換えると、該角部30Kの傍の溝20Bの側面に対して後方程遠ざかる所定の大きさの傾斜状部に形成している。
【0011】
クランプ部20には、その溝20Bの側面からねじ部材20Dを螺進させられる雌ねじを設けた孔20Jが溝20Bの中にまで貫通形成されており、このねじ部材を螺進させ、その先端部を係合部の傾斜状部30Kに押圧当接させる。従って、後述の如く、ねじ部材にテーパ部を設けていなくても、傾斜状部の存在により、溝20Bや係合部30Aの寸法、ねじ孔20Jの寸法や方向等に誤差があっても、これらを許容してねじ部材による基台の(傾斜状部30Kの)押圧係合を可能にさせる。また、この傾斜状部での押圧係合であるため、基台30が後方に抜け出ることもできず、抜け止めがなされている。
【0012】
ねじ部材には、ハンドル20Hが設けられており、これを操作してねじ部材を締め込むことができる。また、この例では、ねじ部材20Dの先端部は先細テーパに形成されており、この円錐台の傾斜部が前記傾斜状部30Kに当接する。従って、傾斜状部を押圧する面積が大きくなって、より安定して押圧抜け止めできる。このようにねじ部材が係合部の傾斜状部30Kを押圧しているため、後方に抜け出ることはなく、また、ねじ部材の押圧であるため、係合部30Aを溝20B内でガタ付かせること無く、固定保持できる。更には、ねじ部材にテーパ部が形成されているため、基台の係合部30Aに傾斜状部を設けなくても抜け止め押圧係合が充分可能となる。
【0013】
上記の孔20Jは、他方の溝20Cに対しても溝内にまで貫通しており、船縁に対してクランプ部の方向を90度変更して、基台の係合部30Aを溝20Cに挿入係合させて使用する場合においても、前記と同じねじ部材20Dを同じ孔20Jに螺進させることで基台を保持固定できる(図1参照)。なお、この形態例では、ねじ部材20Dを各溝の一側からのみ螺進させるが、左右両側から螺進させて両方向から係合部を保持して固定する構造でもよい。基台のガタを充分に押さえるにはねじ部材が適しているが、この他、ばね部材によって基台の係合部を押圧保持することもできる。
【0014】
また、前記傘保持40の球状基部40Aは、基台に対して回動でき、図示しないねじ部材によって所定回動方向に固定できる。本願装置の保持対象には、傘以外に釣竿自体等があり、釣竿を保持する釣竿保持部(竿受け)を基台の上に装着する保持装置にも適用できる。
更には、クランプ部には係合用の溝を設け、基台の係合部はこれに係合可能な凸条であるが、逆に、クランプ部には凸条の係合部を設け、基台にはこれに係合可能な溝を設けてもよい。
【0015】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、構造が簡単でガタ付きが少なく、安定性の高い釣り道具の保持装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る保持装置の側面図である。
【図2】 図2は図1の矢視B方向から見た正面図である。
【図3】 図3は図2の矢視線C−Cによる横断面図である。
【符号の説明】
20 クランプ部
20B,20C 係合溝
20D 抜け止め押圧手段(ねじ部材)
30 基台
30A 係合部
30K 傾斜状部
Claims (2)
- 釣り道具を保持する保持部を取付けている基台をクランプ部に装着して釣りを行う保持装置であって、前記クランプ部に複数個所の係合部を設け、前記基台には前記複数個所の係合部に選択的にスライド係合できる基台側係合部を設け、該基台側係合部を前記係合部にスライド係合させた状態において、該基台のスライド方向後方への抜け止めを行うと共に、スライド方向に対する側方から押圧する抜け止め押圧手段を具備し、前記複数の係合部は各係合部端部の一端側が外部に開放されており、他端側が行き止まりであり、前記開放部から挿入できる基台の姿勢状態におけるスライド挿入方向後部に、前記係合部の側面に対して後方程遠ざかる傾斜状部を設け、前記抜け止め押圧手段はねじ部材を有し、該ねじ部材を前記基台のスライド挿入方向に対して側方から螺進させて前記傾斜状部を押圧することを特徴とする釣り道具の保持装置。
- 釣り道具を保持する保持部を取付けている基台をクランプ部に装着して釣りを行う保持装置であって、前記クランプ部に複数個所の係合部を設け、前記基台には前記複数個所の係合部に選択的にスライド係合できる基台側係合部を設け、該基台側係合部を前記係合部にスライド係合させた状態において、該基台のスライド方向後方への抜け止めを行うと共に、スライド方向に対する側方から押圧する抜け止め押圧手段を具備し、前記複数の係合部は各係合部端部の一端側が外部に開放されており、他端側が行き止まりであり、前記抜け止め押圧手段はねじ部材を有し、該ねじ部材端部は先細テーパであり、前記開放部から挿入した前記基台のスライド挿入方向後部を、前記基台のスライド挿入方向に対して側方から螺進させた前記ねじ部材のテーパ部によって押圧することを特徴とする釣り道具の保持装置。
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JP21027499A JP4229349B2 (ja) | 1999-07-26 | 1999-07-26 | 釣り道具の保持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP21027499A JP4229349B2 (ja) | 1999-07-26 | 1999-07-26 | 釣り道具の保持装置 |
Publications (2)
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JP2001037392A JP2001037392A (ja) | 2001-02-13 |
JP4229349B2 true JP4229349B2 (ja) | 2009-02-25 |
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ID=16586687
Family Applications (1)
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JP21027499A Expired - Fee Related JP4229349B2 (ja) | 1999-07-26 | 1999-07-26 | 釣り道具の保持装置 |
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JP (1) | JP4229349B2 (ja) |
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1999
- 1999-07-26 JP JP21027499A patent/JP4229349B2/ja not_active Expired - Fee Related
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