JP4228453B2 - 膜形成装置、液体測色装置及び液体測色方法 - Google Patents

膜形成装置、液体測色装置及び液体測色方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インキ等の着色液体の光学特性を測定するための膜形成装置、液体測色装置及び液体測色方法に係り、特に、膜厚制御の精度を向上し得る膜形成装置、液体測色装置及び液体測色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、塗料、インキ、プラスチック等の着色液体を扱う分野では、これら着色液体の分光特性に基づいて、所望の色の配合率を得るためのCCM(computer color matching) が広く知られている。
【0003】
このCCMでは、着色液体の製造中、調製中、又は印刷機への供給中にて、着色液体の光学特性を正確に測定する必要がある。
この種の光学特性測定方法としては、着色液体に光を照射し、その透過光又は反射光を分光分析する液体測色装置を用いる方式がある。
【0004】
例えば特開平8−94441号公報に開示された液体測色装置では、着色液体の膜(厚さ約10ミクロン程度)の厚さを液体漕上蓋の位置制御により、1ミクロン単位で上下に調節可能な測色用セルに、インキパンから採取した着色液体を人手により収容する。
【0005】
しかる後、この測色用セルに分析用の光を照射し、測色用セルの透過光を分光分析手段で分析することにより、着色液体の光学特性を測定している。
測定終了後、液排出及び洗浄を行ない、新液の測定が可能となる。なお、新液は、洗浄に使用した溶剤の影響が無くなるまで、一定時間給排液が続けられることが好ましいとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような液体測色装置は、インキパンから採取した着色液体を測色用セルに人手により収容して単発的に測色する構造なので、着色液体の製造又は調製システムあるいは印刷機のインキ供給システム等への組込が困難となっている。
【0007】
また、1回の測定毎に液排出及び洗浄を行なうが、一定時間、新液を給排液する場合、給排液の継続時間によっては、製造中、調製中又は印刷中の着色液体の色変化をリアルタイムに測定することが困難となっている。
【0008】
また、液体漕上蓋の位置を1ミクロン単位で制御することにより、液膜の厚さを制御するため、測色用セル内の相対的な位置関係などが経時変化する場合、膜厚制御に誤差を生じる可能性がある。
【0009】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、着色液体の各種システムに容易に組込できると共に、膜厚制御の精度を向上でき、また所望する膜厚をもつ着色液体を容易に形成できる膜形成装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、測色対象の着色液体を極めて薄い所望の膜厚に形成でき、その薄膜時の光学特性(特には分光透過率)を容易に精度よく能率的に測定し得る膜厚形成装置、液体測色装置及び液体測色方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の他の目的は、さらに、着色液体の光学特性をリアルタイムに測定でき、また所望する膜厚の着色液体の測定を容易に行える液体測色装置及び液体測色方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に対応する発明は、着色液体の光学特性を測定する際に前記着色液体を膜状に形成するための膜形成装置であって、底部としての透明な平面部材と、前記平面部材の周囲上に立設され、前記着色液体の流入口及び吐出口が形成された側壁部材と、前記側壁部材上に設けられ、中央部に第1貫通孔が形成されたハウジング部材と、前記ハウジング部材上に設けられ、中央部に前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔が形成されたシリンダ部材と、前記シリンダ部材の第2貫通孔内を上下方向に摺動自在であり、且つ略中心部に光源からの光を導く第1導光部を有するホルダ部材と、全体が略円柱形状に形成され、略中心部に前記第1導光部と連通する第2導光部を有して前記ホルダ部材に保持され、前記第1貫通孔を貫通して前記平面部材に対向する下端部が下方に凸状で厚さの変化した透明な厚み変化基板を有し、該第2導光部と厚み変化基板とをこの順に介して光源からの光を前記平面部材に照射可能なピストン部材と、前記厚み変化基板及び前記平面部材を互いに離間又は当接させるように、前記ピストン部材を前記ホルダ部材と共に上下方向に進退自在に駆動するための駆動手段とを備えた膜形成装置である。
【0013】
また、請求項2に対応する発明は、請求項1に対応する膜形成装置において、前記厚み変化基板が所定の曲率を有する凸片曲面基板ガラスであり、前記厚み変化基板と前記平面部材とが当接するとき、この当接点からある距離だけ離れた円周上には、前記曲率に関係した一定の隙間が形成される構造を備えた膜形成装置である。ここで、凸片曲面基板ガラスとは、厚み変化基板と平面部材とが当接するとき、当接部が点接触となるものを指す。
【0014】
さらに、請求項3に対応する発明は、請求項1又は請求項2に対応する膜形成装置において、前記厚み変化基板及び前記平面部材としては、互いの当接面が平滑に形成された膜形成装置である。
【0015】
また、請求項4に対応する発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に対応する膜形成装置において、前記厚み変化基板としては、最大の厚みを有する当接点から同心円状に厚みが減少する断面形状を備えた膜形成装置である。
【0016】
なお、以上のような膜形成装置では、前記厚み変化基板及び前記平面部材としては、石英ガラス又はBK7ガラスを材料としてもよい。また、前記側壁部材、前記ピストン部材、前記厚み変化基板及び前記平面部材としては、異なる色の着色液体を測定する際に、従来とは異なり、測色毎の洗浄を容易とする観点から、前記着色液体に接する面にフッ素樹脂の薄膜からなる撥水層を備えてもよい。さらに、例えば製造中、調整中又は印刷機に供給中のインキの薄膜を高精度に形成する観点から、前記着色液体をインキとしてもよい。
【0017】
さらに、請求項5に対応する発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に対応する膜形成装置において、前記駆動手段としては流体圧シリンダを備え、前記流体圧シリンダとしては、前記ピストン部材を駆動するための流体を供給する流体圧源と、前記ホルダ部よりも上方に形成されて内周面と外周面とを連通させる上方連通口及び前記ホルダ部よりも下方に形成されて内周面と外周面とを連通させる下方連通口を有する前記シリンダ部材と、前記流体圧源と前記上方連通口との間を連通又は遮断する上方電磁弁と、前記流体圧源と前記下方連通口との間を連通又は遮断する下方電磁弁とを備えた膜形成装置である。
【0018】
また、請求項6に対応する発明は、請求項5に対応する膜形成装置において、前記シリンダ部材としては、前記ピストン部材の下降限界の位置及び上昇限界の位置を夫々検出するための位置センサを備えた膜形成装置である。
【0019】
さらに、請求項7に対応する発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に対応する膜形成装置を用いた液体測色装置であって、前記平面部材の下方に配置され、前記ピストン部材の上端部に光が導入されたとき、前記ピストン部材下端の厚み変化基板から前記平面部材を透過した透過光を受光する受光素子と、前記透過光を分光測定するための分光測定手段と、前記受光素子及び前記分光測定手段を前記平面部材と平行方向に移動可能に保持する平行移動手段と、予め前記厚み変化基板と前記平面部材との当接部からの距離を示す測定位置データ及び前記受光素子と前記分光測定手段との位置関係データが設定されたデータ設定手段と、前記当接部が検出されると、前記データ設定手段内の両データに基づいて前記平行移動手段を制御し、前記当接部から所定距離だけ離れた測定位置に前記分光測定手段を移動させる移動制御手段と、前記移動制御手段により測定位置に前記分光測定手段が移動されたとき、前記分光測定手段を制御して得られた分光測定結果を保存する測定結果保存手段とを備えた液体測色装置である。
【0020】
また、請求項8に対応する発明は、請求項7に対応する液体測色装置において、前記当接部としては、前記透過光の最大強度を示す位置であり、前記受光素子により検出される液体測色装置である。
【0021】
さらに、請求項9に対応する発明は、請求項7又は請求項8に対応する液体測色装置において、前記平行移動手段としては、前記受光素子及び前記分光測定手段を前記平面部材と平行な方向に移動可能に保持するX−Y移動テーブルと、前記移動制御手段からの制御により、前記X−Y移動テーブルを駆動させるモータ手段とを備えた液体測色装置である。
【0022】
さらに、請求項10に対応する発明は、着色液体を測色するための液体測色方法において、透明な平面部材を底部に有する測定用セルに前記着色液体を導入する液体導入工程と、前記着色液体の導入の後、下方に向いた凸形状を有して厚みの変化した透明な厚み変化基板を上方から前記平面部材に接近させ、この接近の度合に対応して前記着色液体を前記測定用セルから吐出させつつ、前記厚み変化基板を前記平面部材に当接させる部材当接工程と、前記当接の後、前記厚み変化基板と前記平面部材との間の隙間を満たした着色液体に光を照射する光照射工程と、前記光の照射により、前記着色液体を透過した透過光を分光測定する分光測定工程とを含んでいる液体測色方法である。
【0023】
(作用)
従って、請求項1に対応する発明は以上のような手段を講じたことにより、少なくとも平面部材、側壁部材及びピストン部材下端の厚み変化基板により囲まれた空間内に、流入口から着色液体を導入し、着色液体の導入の後、駆動手段がピストン部材を駆動して厚み変化基板を上方から平面部材に好ましくは徐々に接近させ、この接近の度合に対応して着色液体を吐出口から吐出させつつ、厚み変化基板を平面部材に当接させ、厚み変化基板と平面部材との間の隙間を着色液体で満たさせることにより、位置が変わることによって少しずつ膜厚の変化した着色液体の薄膜を容易に且つ一度に形成できる。
【0024】
また、これにより、着色液体の各種システムに容易に組込できると共に、膜厚制御の精度を向上させることができる。なお、厚み変化基板の凸状の形状としては、例えば曲面状をなすもの、錘状をなすもの、あるいはそれらの組合せ等がある。また、測色対象の着色液体を極めて薄い所望の膜厚に形成できるので、測定装置と組合せることにより、着色液体の所望の薄膜時における光学特性(特には分光透過率)を容易に精度よく能率的に測定することができる。
【0025】
また、請求項2に対応する発明は、厚み変化基板が所定の曲率を有する凸片曲面基板ガラスであり、厚み変化基板と平面部材とが当接するとき、この当接点からある距離だけ離れた円周上には、厚み変化基板の曲率に関係した一定の隙間が形成されるので、請求項1に対応する作用を容易且つ確実に奏することができる。
【0026】
さらに、請求項3に対応する発明は、厚み変化基板及び平面部材としては、互いの当接面が平滑に形成されたので、請求項1に対応する作用を容易且つ確実に奏することができる。
【0027】
また、請求項4に対応する発明は、厚み変化基板としては、最大の厚みを有する当接点から同心円状に厚みが減少する断面形状を備えたので、請求項1乃至請求項3のいずれかの作用に加え、例えば凸片曲面形状、円錐形状又は両者の組合せ(凸片曲面形状の一部に円錐等の突起を有する形状)といったように任意の形状の厚み変化基板を用いることができる。
【0028】
さらに、請求項5に対応する発明は、駆動手段が流体圧シリンダを備えたので、請求項1乃至請求項4のいずれかの作用を容易且つ確実に奏することができる。
【0029】
また、請求項6に対応する発明は、シリンダ部材としては、ピストン部材の下降限界の位置及び上昇限界の位置を夫々検出するための位置センサを備えたので、請求項5の作用に加え、操作性の向上を図ることができる。
【0030】
また、請求項7に対応する発明は、ピストン部材の上端部に光が導入されたとき、ピストン部材下端の厚み変化基板から平面部材を透過した透過光を受光する受光素子と、透過光を分光測定するための分光測定手段と、受光素子及び分光測定手段を平面部材と平行方向に移動可能に保持する平行移動手段と、予め厚み変化基板と平面部材との当接部を基準位置としてそこからの距離を示す測定位置データ及び受光素子と分光測定手段との位置関係データが設定されたデータ設定手段とを設け、移動制御手段が、当接部が検出されると、データ設定手段内の両データに基づいて平行移動手段を制御し、当接部から所定距離だけ離れた測定位置に分光測定手段を移動させ、測定結果保存手段が、移動制御手段により測定位置に分光測定手段が移動されたとき、分光測定手段を制御して得られた分光測定結果を保存するので、請求項1乃至請求項7のいずれかに対応する作用に加え、着色液体の各種システムに組込むことにより、着色液体の光学特性をリアルタイムに測定することができる。
【0031】
また、請求項8に対応する発明は、当接部が、透過光の最大強度を示す位置であり、受光素子により検出されるので、請求項7に対応する作用を容易且つ確実に奏することができる。
【0032】
さらに、請求項9に対応する発明は、水平移動手段としては、X−Y移動テーブル及びモータ手段を備えたので、請求項7又は請求項8に対応する作用を容易且つ確実に奏することができる。
【0033】
また、請求項10に対応する発明は、液体導入工程により、透明な平面部材を底部に有する測定用セルに着色液体を導入し、部材当接工程により、着色液体の導入の後、下方に向いた凸形状を有して厚みの変化した透明な厚み変化基板を上方から平面部材に接近させ、この接近の度合に対応して着色液体を測定用セルから吐出させつつ、厚み変化基板を平面部材に当接させ、光照射工程により、当接の後、厚み変化基板と平面部材との間の隙間を満たした着色液体に光を照射し、分光測定工程により、光の照射により、着色液体を透過した透過光を分光測定するので、着色液体の各種システムに容易に組込できると共に、厚み変化基板を平面部材に当接させる構造により、膜厚制御の精度を向上でき、さらに、着色液体の光学特性をリアルタイムに測定することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る膜形成装置を用いた液体測色装置の断面構成を示す模式図であり、図2は膜形成装置及び液体測色装置の概略構成を示す模式図である。
【0035】
膜形成装置は、底部としての平面ガラス部材1と、平面ガラス部材1の周囲上に立設され、着色液体の流入口2a及び吐出口2bが形成された側壁ガラス部材2と、この側壁ガラス部材2上に設けられ、中央部に形成された径φ1の第1貫通孔3aでピストンガラス4の下端側の側壁を進退自在に保持するハウジングガラス部材3と、ハウジングガラス部材3上に設けられ、中央部に形成された径φ2の第2貫通孔(φ2>φ1)5aでピストンガラス4周囲のホルダ部4aを進退自在に保持するシリンダ部材5と、全体が略円柱形状であり、略中央部の側壁周囲が環状のホルダ部4aの挿着孔4b(第1導光部)に保持され、平面ガラス部材1に対向する下端部が凸片曲面基板ガラス6を有するピストンガラス4と、シリンダ部材5上に設けられ、ピストンガラス4の後端側の側壁を進退自在に保持する蓋部材7と、ピストンガラス4を進退自在に駆動するための駆動部とを備えている。
【0036】
ここで、平面ガラス部材1、側壁ガラス部材2、ハウジングガラス部材3、ピストンガラス4及び凸片曲面基板ガラス6は、石英ガラス、合成石英ガラス又はBK7ガラス等の透明な材質から形成されている。なお、少なくとも凸片曲面基板ガラス6及び平面ガラス部材1は、互いに当接するため、透明な性質に加え、充分な硬度をも備えた材質が好ましく、さらに、互いの当接面が平滑に形成されることが望ましい。
【0037】
また、平面ガラス部材1、側壁ガラス部材2、ハウジングガラス部材3、ピストンガラス4及び凸片曲面基板ガラス6は、着色液体に接する内部空間(測定用セル)の表面にフッ素樹脂の薄膜(数nm〜数10nm厚)からなる図示しない撥水層を備えている。
【0038】
流入口2a及び吐出口2bは、各々側壁ガラス部材2の内周部と外周部とを連通させるように形成され、互いに光軸8を介して対向配置されている。
流入口2aには、着色液体としての例えば印刷インキiを導入するための第1導管9aの一端が接続されている。第1導管9aの他端は、着色液体供給源としての、例えば印刷インキiを収容するインキパン10aに連通されている。また、第1導管9aの途中には、インキパン10aから流入口2aに印刷インキiを強制的に流入させるためのポンプ11が接続されている。
【0039】
一方、吐出口2bは第2導管9bの一端が接続されている。第2導管9bの他端は、廃液用インキパン10bに連通されている。
【0040】
ピストンガラス4は、光源ライトガイド(ピストンガラス本体)等を挿着するための挿着孔4bが形成されたホルダ部4aを有し、ホルダ部4aの挿着孔4bに光源ライトガイド等が挿着されている。
ピストンガラス4下端の凸片曲面基板ガラス6は、ピストンガラス4の下降により、平面ガラス部材1に当接し、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との間に着色液体(印刷インキi)の薄膜を生成する隙間が形成される構造となっている。この隙間は、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との当接中心点から離れるに従って同心円状に増加しており、当接中心点からの距離が等しい同一円周上では凸片曲面基板ガラス6の曲率(又は曲率半径などの寸法データ)に関係した一定の値となっている。また、隙間の値は、例えば数ミクロン〜数10ミクロンの間となっており、着色液体の隠蔽性(遮光性)に比例して小さい値となっていて、グラビアインキの場合、5ミクロン〜20ミクロン位になると考えられる。
【0041】
なお、本発明で着色液体は、測定に好適な非常に薄い膜厚に形成される。このため、着色液体の粘性にもよるが、始めに着色液体を満たす隙間を測定に好適な値で保持すると、続いて着色液体をその隙間に流入させることが困難となる。従って、隙間に着色液体を満たす際には、予め隙間を広く空けておき、着色液体を流入させた後に隙間を狭める手法が重要となる。例えば、通常のグラビアインキの場合、予め1mm位の隙間を空けることにより、容易に流入可能となる。
【0042】
駆動部は、ピストンガラス4を上下動させるための流体圧シリンダCが使用されている。流体圧シリンダCは、ピストンガラス4を駆動するための流体を供給する流体圧源12と、ホルダ部4aよりも上方に形成されて内周面と外周面とを連通させる上方連通口5b及びホルダ部4aよりも下方に形成されて内周面と外周面とを連通させる下方連通口5cを有するシリンダ部材5と、流体圧源12と上方連通口5bとの間を連通又は遮断する上方電磁弁13aと、流体圧源12と下方連通口5cとの間を連通又は遮断する下方電磁弁13bとを備えている。
【0043】
すなわち、流体圧シリンダCは、上方電磁弁13aの開により流体圧源12から導入された流体がピストンガラス4をホルダ部4aごと押下げる機能と、同様の下方電磁弁13bの開によりピストンガラス4をホルダ部4aごと押上げる機能とを有している。
【0044】
また、シリンダ部材5は、下降限界に位置したピストンガラス4及び上昇限界に位置したピストンガラス4を夫々検出して後述する計算機に送出するための位置センサ14a,14bを備えている。各位置センサ14a,14bの検出結果により、ピストンガラス4の位置を規制可能としている。
【0045】
次に、このような膜形成装置を用いた液体測色装置の構成について述べる。 この液体測色装置は、膜形成装置のピストンガラス4の上端部に光を導入するための光源部20に対し、膜形成装置の平面ガラス部1の下方に配置され、光源部20にて光を発生するとき、ピストンガラス4下端の凸片曲面基板ガラス6から平面ガラス部材1を透過した透過光を受光する受光素子21と、この透過光を分光分析するための分光光度計22と、これら受光素子21及び分光光度計22を平面方向に移動可能に保持するX−Y移動テーブル23と、X−Y移動テーブル23を制御する一方、受光素子21及び分光光度計22から得られるデータをX−Yの位置情報と共に処理する計算機24とを備えている。
【0046】
光源部20は、白色光を発生するハロゲンランプが使用されるが、発光波長範囲の比較的広いタングステンランプ又はキセノンランプなどに代えてもよく、あるいは超高圧水銀灯に代えてもよい。
【0047】
受光素子21は、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1とが当接したときの最高の光強度をもつ当接(中心)点Poを検知するためのものであり、具体的には、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1とを透過した透過光の光強度を計算機24に送出する機能をもっている。
【0048】
分光光度計22は、図3の底面図に示すように、受光素子21により検出された当接中心点Poから水平方向に離れた測定位置mにおいて、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との隙間にある着色液体を透過した透過光を測色し、測色結果を計算機24に送出するものである。
【0049】
ここで、測定位置mは、当接中心点Poからの距離を示しており、予め凸片曲面基板ガラス6の曲率(又は曲率半径の如き、寸法データ)に基づいて算出されている。なお、具体的には、測定位置mは、凸片曲面基板ガラス6の曲率等の寸法データに加え、必要により凸片曲面基板ガラス6や平面ガラス部材1の材質を変えたときの測定結果を解釈可能とする観点から、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との透過率並びに屈折率をも考慮して算出されている。
【0050】
また、ここでは一例として、約400nm〜700nmの可視光領域を20nm間隔で測定している。
【0051】
X−Y移動テーブル23は、計算機24に制御され、ステッピングモータ又はサーボモータ等からなるモータ部25により、受光素子21及び分光光度計22を水平方向に移動可能に保持するものである。
計算機24は、予め当接中心点Poからの距離を示す測定位置データ及び受光素子21と分光光度計22との位置関係データが図示しない内部メモリ(データ設定手段)に設定されており、受光素子21により当接中心点Poを検出する機能と、測定位置データ及び位置関係データに基づいてX−Y移動テーブル23を移動させ、当接中心点Poから所定距離だけ離れた円周上のいずれかの測定位置mに分光光度計22を位置させる機能と、分光光度計22を制御して得られた光学特性を保存する機能とをもっている。
【0052】
また、計算機24は、省略可能な機能であるが、各位置センサ14a,14bの検出結果に基づいて流体圧シリンダCを制御し、下降位置又は上昇位置を規制しながらピストンガラス4を測色前に下降させて測色完了後に上昇させる機能や、X−Y移動テーブル23の制御により同一円周上の異なる測定位置mにて測色を行い、得られた各光学特性の平均値を図示しないハードディスク等に保存する機能を備えてもよい。
【0053】
なお、ピストンガラス4の下降位置は、実際には凸片曲面基板ガラス6が平面ガラス部材1に当接することにより規制されるので、下降限界に位置したピストンガラス4を検出する方の位置センサ14aは省略してもよく、あるいは下降限界の若干手前で検出信号を送出するように変形してもよい。
【0054】
また、平均値を求める場合のように、単に測定位置を変える際には、個々の測定位置では測色後となるものの全体の測色完了後ではないので、ピストンガラス4の上昇機能を用いず、ピストンガラス4を下降させた状態で保持する。
【0055】
次に、このような膜形成装置の動作並びに液体測色装置による液体測色方法について図4のフローチャートを用いて説明する。
いま、シリンダガラス4は、上昇した状態にあるとする(ST1)。
ポンプ11を駆動し、インキパン10a内の印刷インキiを流入口2aを通して膜形成装置内に流入する(ST2)。膜形成装置内が印刷インキiで充満されたとき、ポンプ11を停止させ、印刷インキの流入を停止させる(ST3)。流体圧シリンダCによりシリンダガラス4を下降させ(ST4)、シリンダガラス4及び凸片曲面基板ガラス6により印刷インキiを押して吐出口2bから吐出させつつ、シリンダガラス4下端の凸片曲面基板ガラス6を平面ガラス部材1に当接させる(ST5)。
【0056】
これにより、膜形成装置では、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との間において、連続的に厚さの変化する印刷インキiの薄膜が形成される(ST6)。
【0057】
続いて、この膜形成装置を用いた液体測色装置では、光源部20により発生した光がシリンダガラス4、凸片曲面基板ガラス6及び平面ガラス部材1を透過した透過光として受光素子21に入射する(ST7)。なお、この透過光は、当接中心点Poにて最大の光強度を有し、当接中心点Poから離れるに従い(隙間の増加に伴う印刷インキiの膜厚の増加によって)光強度が低下している。
【0058】
次に、計算機24は、X−Y移動テーブル23を制御して受光素子21を移動させることにより、最大の光強度をもつ当接中心点Poを検出する(ST8)。しかる後、計算機24は、測定位置データ及び位置関係データに基づいてX−Y移動テーブル23を制御し、当接中心点Poから所定距離だけ離れた円周上のいずれかの測定位置mに分光光度計22を移動させる(ST9;移動制御手段)。
【0059】
また、計算機24は、分光光度計22を制御して、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との間の所定厚さの印刷インキiを透過した透過光に基づいて印刷インキiの光学特性を測定し、得られた光学特性を保存する(ST10;測定結果保存手段)。さらに、計算機24は、X−Y移動テーブル23の制御により同一円周上の異なる測定位置mにて測色を行い、各光学特性の平均値を算出し、算出結果を確定的な光学特性としてハードディスク(図示せず)等に保存する。
【0060】
上述したように本実施形態によれば、膜形成方式としては、平面ガラス部材1、側壁ガラス部材2、ハウジングガラス部材3及びピストンガラス4下端の凸片曲面基板ガラス6により囲まれた空間(測定用セル)内に、流入口2aから着色液体としての印刷インキiを導入し、印刷インキiの導入の後、流体圧シリンダCがピストンガラス4を下方に駆動して凸片曲面基板ガラス6を上方から平面ガラス部材1に接近させ、この接近の度合に対応して印刷インキiを吐出口2bから吐出させつつ、凸片曲面基板ガラス6を平面ガラス部材1に当接させ、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との間の隙間を印刷インキiで満たさせることにより、連続的に膜厚の変化した印刷インキiの薄膜を形成するので、着色液体の各種システムに容易に組込できると共に、膜厚制御の精度を向上させることができる。
【0061】
また、測色対象の着色液体を極めて薄い所望の膜厚に形成できるので、測定装置と組合せることにより、着色液体の所望の薄膜時における光学特性(特には分光透過率)を容易に精度よく能率的に測定することができる。
【0062】
また、ポンプ11により、インキパン10aの印刷インキiを膜形成装置に自動供給できるので、人手を不要として現場サイドで測色を行なうことができ、また人手を不要とすることから、印刷インキiの測色を高精度に安定的に行なうことができる。
【0063】
さらに、所定の曲率を有する凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1とが当接するとき、この当接中心点Poからある距離だけ離れた円周上には、凸片曲面基板ガラス6の曲率に関係した一定の隙間が形成されるので、本実施形態の効果を容易且つ確実に奏することができる。
【0064】
また、凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1とを当接させて一定の隙間を形成することにより、従来とは異なり、測色用セル内の相対的な位置関係などが経時変化する場合であっても膜厚制御に誤差を生じないので、膜厚制御の信頼性を向上させることができる。
【0065】
また、凸片曲面基板ガラス6及び平面ガラス部材1としては、互いの当接面が平滑に形成されたので、本実施形態の効果を容易且つ確実に奏することができる。
【0066】
さらに、凸片曲面基板ガラス6及び平面ガラス部材1としては、石英ガラス又はBK7ガラスが材料であるので、本実施形態の効果を容易且つ確実に奏することができる。
【0067】
また、平面ガラス部材1、側壁ガラス部材2、ピストンガラス4及び凸片曲面基板ガラス6としては、印刷インキiに接する面にフッ素樹脂の薄膜からなる撥水層を備えたので、異なる色の着色液体を測定する際に、従来とは異なり、測色毎の洗浄を容易とすることができる。
【0068】
さらに、着色液体が印刷インキiであることにより、例えば製造中、調整中又は印刷機に供給中の印刷インキの薄膜を高精度に形成することができる。
【0069】
また、駆動手段として流体圧シリンダCを備えたので、本実施形態の効果を容易且つ確実に奏することができる。
【0070】
さらに、シリンダ部材5として、ピストンガラス4の下降限界の位置及び上昇限界の位置を夫々検出するための位置センサ14a,14bを備えた場合、ピストンガラス4の位置が自動的に規制可能となるので、操作性の向上を図ることができる。
【0071】
また、液体測色方式としては、前述した膜形成方式により、互いに1点で当接した凸片曲面基板ガラス6と平面ガラス部材1との間の隙間を満たした印刷インキiに光を照射し、受光素子21により、透過光の最大光強度を示す当接中心点Poを検出し、X−Y移動テーブル23により、当接中心点Poから所定距離だけ離れた測定位置mに分光光度計22を移動させ、分光光度計22により、印刷インキiを透過した透過光を分光測定して結果を保存する方式となっている。
【0072】
従って、着色液体の各種システムに容易に組込できると共に、凸片曲面基板ガラス6を平面ガラス部材1に当接させる構造により、膜厚制御の精度を向上でき、さらに、着色液体の光学特性をリアルタイムに測定でき、また、所望する膜厚の着色液体を容易に測定することができる。
【0073】
例えば、印刷インキiをインキパン10aから膜形成装置内に自動的に供給することができるから、液体測色装置を印刷機の印刷ラインに組込んでインキパン10a内の印刷インキiの光学特性を直接に、かつリアルタイムに測定することができる。
【0074】
また、印刷中のインキの色変化をリアルタイムに測定できるので、リアルタイムな印刷インキiの色補正を図ることができ、印刷ライン毎のインキ色の集中管理が実現可能となる。
【0075】
また、分光光度計22による測定位置mを変えることにより、着色液体の膜厚を幅広く設定できるため、高濃度色から低濃度色までのあらゆる濃度色の測色を行なうことができる。
また、水平移動手段として、周知技術として高い信頼性を有するX−Y移動テーブル23及びモータ部25を用いたので、本実施形態の効果を容易且つ確実に奏することができる。
【0076】
また、所望の隙間に対応する測定位置mの円周上を分光光度計22で全点測定又は数点測定など、測定数を任意に設定できるので、測定数の少なさに比例して測定速度を向上させ、測定数の多さに比例して測定精度の信頼性を向上でき、さらに、両者のトレードオフを考慮することにより、速い測定速度と高い測定精度とを兼ね備えた測色を行なうことができる。
【0077】
なお、上記実施形態では、流体圧シリンダCによる上下往復方式としたが、凸片曲面基板ガラス6を平面ガラス部材1に当接させる構造であればよく、下降時の圧力等にはさほど制限がないので、流体圧シリンダCに限らず、バネ圧力によって下降動作を行なう構成に変形しても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることができる。
【0078】
また、着色液体の当接中心点Poの検出には、受光素子21を用いる場合について説明したが、これに限らず、受光素子21を省略し、分光光度計22を受光素子としても使用する構成にしても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることができ、さらに、受光素子21の省略に対応して構成の簡易化を図ることができる。
【0079】
また、凸片曲面基板ガラス6としては、片凸レンズ形状を用いた場合について説明したが、これに限らず、最大の厚みを有する当接中心点Poから同心円上に厚みが減少する断面形状を備えた構造であればよいので、例えば凸片曲面形状、円錐形状又は両者の組合せ(凸片曲面形状の一部に円錐等の突起を有する形状)といったように凸片曲面基板ガラス6を任意の形状の厚み変化基板に置換しても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることができる。
【0080】
さらに、凸片曲面基板ガラス6としては、当接中心点Poからの距離に応じて所望の隙間を得るような勾配を有する部材であればよいので、片凸曲面や円錐曲面に限らず、平面上のある1点で平面ガラス部材1に点接触し、又は平面上のある1直線上で平面ガラス部材1に線接触し、あるいは平面上のある1平面上で平面ガラス部材1に面接触し、その接触部(Po)からある距離を隔てた測定位置mで、(凸片曲面基板ガラスから置換された)厚み変化基板と平面ガラス部材1との間にて所望の隙間が形成される構造であれば、凸片曲面基板ガラス6を任意の形状の厚み変化基板に置換しても、本発明を同様に実施して同様の効果を得ることができる。
【0081】
また、光を均一化する観点から、光源部20とピストンガラス4との間の入射光軸上、あるいは平面ガラス部材1と受光素子21(又は分光光度計22)との間の透過光軸上に周知技術の積分球(ウルブリヒト球)を介在させた構成としても、本発明を同様に実施して同様の効果を有することができる。
【0082】
その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0083】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、着色液体の各種システムに容易に組込できると共に、膜厚制御の精度を向上でき、また所望する膜厚をもつ着色液体を容易に形成できる膜形成装置を提供できる。
【0084】
また、測色対象の着色液体を極めて薄い所望の膜厚に形成でき、その薄膜時の光学特性(特には分光透過率)を容易に精度よく能率的に測定し得る膜厚形成装置、液体測色装置及び液体測色方法を提供できる。
【0085】
また、これらに加え、着色液体の光学特性をリアルタイムに測定でき、また所望する膜厚の着色液体の測定を容易に行える液体測色装置及び液体測色方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る膜形成装置を用いた液体測色装置の断面構成を示す模式図
【図2】同実施形態における膜形成装置及び液体測色装置の概略構成を示す模式図
【図3】同実施形態における当接中心点と測定位置との関係を示す模式図
【図4】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート
【符号の説明】
1…平面ガラス部材
2…側壁ガラス部材
2a…流入口
2b…吐出口
3…ハウジングガラス部材
3a,5a…貫通孔
5…シリンダ部材
5b,5c…連通口
4…ピストンガラス
4a…ホルダ部
4b…挿着孔
6…凸片曲面基板ガラス
7…蓋部材
8…光軸
9a,9b…導管
10a,10b…インキパン
11…ポンプ
12…流体圧源
13a,13b…電磁弁
14a,14b…位置センサ
20…光源部
21…受光素子
22…分光光度計
23…X−Y移動テーブル
24…計算機
i…印刷インキ
C…流体圧シリンダ
Po…当接中心点
m…測定位置

Claims (10)

  1. 着色液体の光学特性を測定する際に前記着色液体を膜状に形成するための膜形成装置であって、
    底部としての透明な平面部材と、
    前記平面部材の周囲上に立設され、前記着色液体の流入口及び吐出口が形成された側壁部材と、
    前記側壁部材上に設けられ、中央部に第1貫通孔が形成されたハウジング部材と、
    前記ハウジング部材上に設けられ、中央部に前記第1貫通孔よりも大径の第2貫通孔が形成されたシリンダ部材と、
    前記シリンダ部材の第2貫通孔内を上下方向に摺動自在であり、且つ略中心部に光源からの光を導く第1導光部を有するホルダ部材と、
    全体が略円柱形状に形成され、略中心部に前記第1導光部と連通する第2導光部を有して前記ホルダ部材に保持され、前記第1貫通孔を貫通して前記平面部材に対向する下端部が下方に凸状で厚さの変化した透明な厚み変化基板を有し、該第2導光部と厚み変化基板とをこの順に介して光源からの光を前記平面部材に照射可能なピストン部材と、
    前記厚み変化基板及び前記平面部材を互いに離間又は当接させるように、前記ピストン部材を前記ホルダ部材と共に上下方向に進退自在に駆動するための駆動手段と
    を備えたことを特徴とする膜形成装置。
  2. 請求項1に記載の膜形成装置において、
    前記厚み変化基板が所定の曲率を有する凸片曲面基板ガラスであり、前記厚み変化基板と前記平面部材とが当接するとき、この当接点からある距離だけ離れた円周上には、前記曲率に関係した一定の隙間が形成される構造を備えたことを特徴とする膜形成装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の膜形成装置において、
    前記厚み変化基板及び前記平面部材は、互いの当接面が平滑に形成されたことを特徴とする膜形成装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の膜形成装置において、
    前記厚み変化基板は、最大の厚みを有する当接点から同心円上に厚みが減少する断面形状を備えたことを特徴とする膜形成装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の膜形成装置において、
    前記駆動手段は流体圧シリンダを備え、
    前記流体圧シリンダは、
    前記ピストン部材を駆動するための流体を供給する流体圧源と、
    前記ホルダ部よりも上方に形成されて内周面と外周面とを連通させる上方連通口及び前記ホルダ部よりも下方に形成されて内周面と外周面とを連通させる下方連通口を有する前記シリンダ部材と、
    前記流体圧源と前記上方連通口との間を連通又は遮断する上方電磁弁と、
    前記流体圧源と前記下方連通口との間を連通又は遮断する下方電磁弁と
    を備えたことを特徴とする膜形成装置。
  6. 請求項5に記載の膜形成装置において、
    前記シリンダ部材は、前記ピストン部材の下降限界の位置及び上昇限界の位置を夫々検出するための位置センサを備えたことを特徴とする膜形成装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の膜形成装置を用いた液体測色装置であって、
    前記平面部材の下方に配置され、前記ピストン部材の上端部に光が導入されたとき、前記ピストン部材下端の厚み変化基板から前記平面部材を透過した透過光を受光する受光素子と、
    前記透過光を分光測定するための分光測定手段と、
    前記受光素子及び前記分光測定手段を前記平面部材と平行方向に移動可能に保持する平行移動手段と、
    予め前記厚み変化基板と前記平面部材との当接部からの距離を示す測定位置データ及び前記受光素子と前記分光測定手段との位置関係データが設定されたデータ設定手段と、
    前記当接部が検出されると、前記データ設定手段内の両データに基づいて前記平行移動手段を制御し、前記当接部から所定距離だけ離れた測定位置に前記分光測定手段を移動させる移動制御手段と、
    前記移動制御手段により測定位置に前記分光測定手段が移動されたとき、前記分光測定手段を制御して得られた分光測定結果を保存する測定結果保存手段と
    を備えたことを特徴とする液体測色装置。
  8. 請求項7に記載の液体測色装置において、
    前記当接部は、前記透過光の最大強度を示す位置であり、前記受光素子により検出されることを特徴とする液体測色装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の液体測色装置において、
    前記平行移動手段は、前記受光素子及び前記分光測定手段を前記平面部材と平行な方向に移動可能に保持するX−Y移動テーブルと、前記移動制御手段からの制御により、前記X−Y移動テーブルを駆動させるモータ手段とを備えたことを特徴とする液体測色装置。
  10. 着色液体を測色するための液体測色方法において、
    透明な平面部材を底部に有する測定用セルに前記着色液体を導入する液体導入工程と、
    前記着色液体の導入の後、下方に向いた凸形状を有して厚みの変化した透明な厚み変化基板を上方から前記平面部材に接近させ、この接近の度合に対応して前記着色液体を前記測定用セルから吐出させつつ、前記厚み変化基板を前記平面部材に当接させる部材当接工程と、
    前記当接の後、前記厚み変化基板と前記平面部材との間の隙間を満たした着色液体に光を照射する光照射工程と、
    前記光の照射により、前記着色液体を透過した透過光を分光測定する分光測定工程と
    を含んでいることを特徴とする液体測色方法。
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