JP4226310B2 - 車両用燃料電池の空気供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池の空気供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池自動車等に搭載される燃料電池としては、例えば固体高分子型燃料電池(PEMFC)などが知られている。この燃料電池は、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタックからなり、アノード電極に燃料ガス(例えば、水素ガス)を供給し、カソード電極に酸化剤ガスを供給することによって発電する。この発電電力を燃料電池自動車の駆動モータや、燃料電池を稼働させるのに必要な補機類(例えば燃料電池へ空気を供給するエアコンプレッサや冷却水を循環させるウォータポンプなど)に供給する。
この燃料電池では、酸化剤ガスとして空気中の酸素を用いるのが一般的であり、大気から空気を取り込んで燃料電池に圧送している。ところで、大気中には塵埃が含まれているので、燃料電池のカソード電極に供給する前に空気中の塵埃を除去する必要があり、従来は濾過式のフィルタによって塵埃を除去していた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−94200号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃料電池の構造上、燃料電池に供給された空気はカソード電極において流速が遅くなるため、微細な塵埃を含む空気が供給されると、この微細な塵埃がカソード電極に付着して目詰まりを起こし、酸素の供給量が減少するとともに反応面積が減って燃料電池の出力が低下する場合がある。特に、空気中に存在するシリカは微細であり、カソード電極に付着し易いことが実験的に確認されている。
このような事態を回避するには、フィルタの目を細かくして微細な塵埃も除去できるようにすればよいが、フィルタの目を細かくすると圧力損失が大きくなるため、コンプレッサにも大きな出力が要求されるようになり、その結果、燃料電池を稼働させるために必要なエネルギ(寄生電力)が大きくなって、エネルギ効率が低下してしまう。
【0005】
また、フィルタの圧力損失を低減するためにフィルタの肉厚を薄くする方法もあるが、大量の空気供給が必要とされ、且つ、供給流量に変化がある燃料電池では、フィルタの耐久性が不足する懸念がある。
そこで、この発明は、圧力損失が小さく、微細な塵埃も除去可能で、エネルギ効率がよい燃料電池の空気供給装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両に搭載され、カソード電極(例えば、後述する実施の形態におけるカソード電極2c)に酸化剤としての空気が供給されアノード電極(例えば、後述する実施の形態におけるアノード電極2b)に燃料ガスが供給されて発電をする燃料電池(例えば、後述する実施の形態における燃料電池2)と、コンプレッサ(例えば、後述する実施の形態におけるコンプレッサ5)で加圧した空気を前記燃料電池のカソード電極に供給する空気供給路(例えば、後述する実施の形態における空気供給路6)と、前記空気供給路に設けられ、捕集対象である塵埃の持つ電荷に対して逆の極性に帯電させることで該塵埃を捕集する静電捕集手段(例えば、後述する実施の形態における静電捕集装置20)と、前記静電捕集手段の下流の前記空気供給路に設けられた濾過式のフィルタ(例えば、後述する実施の形態における濾過フィルタ50)と、を備え、前記静電捕集手段は、ナイロン製の摩擦体(例えば、後述する実施の形態における摩擦体24,31)と、該摩擦体に接触したときの摩擦によって帯電するポリエチレン製の静電捕集体(例えば、後述する実施の形態における静電捕集体25,32)とを備え、前記摩擦体と前記静電捕集体のいずれか一方が前記空気供給路を流通する空気を動力源として運動せしめられることで前記摩擦体および前記静電捕集体を帯電させ、前記塵埃を前記摩擦体または前記静電捕集体のいずれかで捕集するように構成されていることを特徴とする車両用燃料電池の空気供給装置(例えば、後述する実施の形態における空気供給装置1)である。
このように構成することにより、シリカのように大気中に含まれる電荷を持つ微細な塵埃を静電捕集手段で除去することができる。特に、摩擦体がナイロン製で、静電捕集体がポリエチレン製であり、シリカとポリエチレンは互いに逆の極性に帯電し易いことから、空気中に存在する微細なシリカを静電捕集体によって効率よく捕集することができ、空気中のシリカを高効率で除去することができる。
また、電荷を持つ微細な塵埃は上流の静電捕集手段で除去されるため、下流の濾過式のフィルタでは大きな塵埃を除去できればよく、該フィルタの目を粗くすることができ、該フィルタの圧力損失を小さくすることができる。また、静電捕集手段に捕集された電荷を持つ塵埃が互いの分子間力によって引き付け合い凝集して大きな塊(凝集塊)になって静電捕集手段から離脱すると、この凝集塊も下流の濾過式のフィルタに捕集される。
また、静電捕集手段および濾過式のフィルタの圧力損失が小さいので、燃料電池へ空気を供給するために必要なエネルギ(寄生電力)が小さくて済む。
【0007】
さらに、空気供給路を流れる空気が動力源となって摩擦体あるいは静電捕集体が運動し、この運動によって摩擦体と静電捕集体が摺動し、その際の摩擦によって摩擦体と静電捕集体が帯電する。したがって、コンプレッサ以外の動力なしに摩擦体および静電捕集体を帯電させることができる。
【0008】
請求項に係る発明は、請求項に記載の発明において、前記摩擦体(例えば、後述する実施の形態における摩擦体24)は、空気供給路を構成する管体(例えば、後述する実施の形態における管体11)に回転可能に支持されて前記空気供給路を流通する空気によって回転せしめられる枠体に、電気的に絶縁されて固定されており、前記静電捕集体(例えば、後述する実施の形態における静電捕集体25)は、前記摩擦体の下流に該摩擦体に接触するように配置され、前記管体に電気的に絶縁されて固定されていることを特徴とする。
このように構成することにより、空気供給路を流れる空気に駆動されて摩擦体が静電捕集体に摺動しながら回転するので、その際の摩擦によって摩擦体および静電捕集体が帯電する。
【0009】
請求項に係る発明は、請求項に記載の発明において、前記摩擦体または静電捕集体のいずれか一方(例えば、後述する実施の形態における静電捕集体32)は前記空気供給路を流通する空気によってなびく糸状をなし、他方(例えば、後述する実施の形態における摩擦体31)は前記空気供給路内に設けられた突起で構成されており、前記摩擦体および前記静電捕集体は互いに接触可能に設けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、空気供給路を流れる空気によって前記摩擦体または静電捕集体のいずれか一方がなびいて他方を摺動し、その際の摩擦によって摩擦体および静電捕集体が帯電する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃料電池の空気供給装置の実施の形態を図1から図4の図面を参照して説明する。なお、この実施の形態は、燃料電池自動車に搭載される燃料電池の空気供給装置の態様である。
〔第1の実施の形態〕
初めに、この発明に係る空気供給装置の第1の実施の形態を図1および図2の図面を参照して説明する。
図1は空気供給装置1を備えた燃料電池システムの概略構成図である。
燃料電池2は、固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜2aをアノード電極2bとカソード電極2cとで両側から挟み込んで形成されたセルを複数積層して構成されたスタック(図1では単セルのみ示す)からなり、アノード電極2bに燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソード電極2cに酸化剤としての酸素を含む空気を供給すると、アノード電極2bで触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜2aを通過してカソード電極2cまで移動して、カソード電極2cで酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。
【0012】
図示しない水素タンクから供給される水素ガスは、水素ガス供給路3を通って燃料電池2のアノード電極2bに供給され、消費されなかった未反応の水素ガスは燃料電池2からアノード電極2bオフガスとして水素ガス循環路4に排出され、さらに水素ガス供給路3に戻されて循環利用される。
大気から取り込んだ空気はコンプレッサ5によって加圧され、空気供給路6を介して燃料電池2のカソード電極2cに供給される。空気供給路6には空気中の塵埃を除去する空気浄化装置10が設けられており、空気浄化装置10によって清浄にされた空気が燃料電池2のカソード電極2cに供給される。燃料電池2に供給された空気は発電に供された後、燃料電池2からカソードオフガスとして空気排出路7に排出され、背圧弁8を介して大気に放出される。
【0013】
次に、図2を参照して、空気浄化装置10について詳述する。
空気浄化装置10は、空気供給路6を構成する円筒状の管体11に設けられており、上流側(コンプレッサ5に近い側)に設置された静電捕集装置(静電捕集手段)20と、下流側(燃料電池2に近い側)に設置された濾過式のフィルタ(以下、濾過フィルタという)50とから構成されている。
静電捕集装置20は、管体11に軸受け21を介して回転自在に支持された円環状の枠体22を備え、軸中心を枠体22の軸中心に一致させたプロペラ23がその各羽根の端部を枠体22に固定して取り付けられている。なお、管体11と枠体22の間を空気が流通することができないように所定のシール構造(図示せず)が施されており、管体11を流通する空気は必ず枠体22の内部を流通するようになっている。したがって、管体11に空気を流通させると、この空気の流れがプロペラ23を回転駆動し、プロペラ23と一体化されている枠体22が回転する。
【0014】
この枠体22の下流側端部には、ナイロン製の不織布で形成された円板状の摩擦体24が枠体22に対して電気的に絶縁されて固定されている。
また、静電捕集装置20は、摩擦体24の下流側に、円板状の静電捕集体25を備えている。静電捕集体25はポリエチレン製の不織布からなり、管体11に電気的に絶縁されて固定されている。静電捕集体25は、摩擦体24の下流側端面が静電捕集体25の上流側端面に接触するように配置されている。
静電捕集装置20の下流に設置されている濾過フィルタ50は一般的な濾過式のフィルタであって、比較的に目の粗いものが使用されている。
【0015】
このように構成された空気浄化装置10では、大気から吸い込まれた空気がコンプレッサ5により加圧されて空気供給路6を燃料電池2に向かって流れると、前述の如く静電捕集装置20の枠体22がプロペラ23によって回転せしめられ、枠体22と一体となって回転する摩擦体24が静電捕集体25を摺動する。このときに摩擦体24と静電捕集体25との摩擦によって、摩擦体24と静電捕集体25が互いに逆の極性に帯電するので、空気中に存在する電荷を持った微細な塵埃が摩擦体24および静電捕集体25のいずれかに引き付けられ、捕集される。
特に、この実施の形態においては、摩擦体24がナイロン製で、静電捕集体25がポリエチレン製であり、また、シリカとポリエチレンは互いに逆の極性に帯電し易いことから、空気中に存在する微細なシリカを静電捕集体25によって効率よく捕集することができ、空気中のシリカを高効率で除去することができる。
【0016】
そして、静電捕集装置20では除去できなかった大きな塵埃および電荷を持たない塵埃は下流の濾過フィルタ50によって捕集される。また、静電捕集体25に捕集された塵埃が互いの分子間力によって引き付け合い凝集して大きな塊(凝集塊)になって静電捕集体25から離脱すると、この凝集塊も下流の濾過フィルタ50に捕集される。
このように、この空気浄化装置10によれば、電荷を持つ微細な塵埃は上流側の静電捕集装置20によって捕集することができ、大きな塵埃と電荷を持たない塵埃と静電捕集装置20から離脱した凝集塊は下流側の濾過フィルタ50によって捕集することができるので、塵埃を除去された清浄な空気を燃料電池2のカソード電極2cに供給することができる。その結果、カソード電極2cが塵埃の付着によって目詰まりすることがなくなり、電極の目詰まりに起因する燃料電池2の出力低下を防止することができる。特に、静電捕集装置20によって空気中のシリカが高効率で除去されるので、シリカがカソード電極2cに付着して目詰まりを起こすのを防止することができる。
【0017】
微細な塵埃を捕集する上流側の静電捕集装置20はその構造上、圧力損失が小さく、大きな塵埃を捕集する下流側の濾過フィルタ50は目が粗いので圧力損失が小さい。したがって、空気浄化装置10全体としての圧力損失を小さくすることができ、且つ、微細な塵埃も除去することができる。
よって、燃料電池2の出力変動に伴う風量変化に起因する空気浄化装置10における圧力変化が小さく、空気浄化装置10の耐久性を高めることができる。
また、静電捕集装置20の帯電用駆動源は、コンプレッサ5が燃料電池2に空気を供給するために発生させた空気流であるので、新たなエネルギ源が不要であり、装置構成を簡単化することができる。
また、空気浄化装置10の圧力損失が小さいので、コンプレッサ5に必要とされる出力も小さくて済み、燃料電池2で発電した電力のうちコンプレッサ5で消費される割合を小さくすることができて効率が向上し、ひいては、燃料電池自動車の駆動出力の増大や航続距離の延伸が可能となる。
【0018】
〔第2の実施の形態〕
次に、この発明に係る空気供給装置の第2の実施の形態を図3および図4の図面を参照して説明する。
第2の実施の形態における空気浄化装置10が第1の実施の形態のものと相違する点は、乱流発生部40を備える点と、静電捕集装置20の構成にある。
以下、第2の実施の形態における空気浄化装置10を図3の断面図を参照して説明する。
【0019】
静電捕集装置(静電捕集手段)20は、管体11において濾過フィルタ50の上流に設置されており、静電捕集装置20の上流に乱流発生部40が設置されている。
乱流発生部40は、管体11の内周面に設置され先端を管体11の中央に向かって突出させた多数の突起体41で構成されている。
静電捕集装置20は、管体11の内周面に取り付けられた多数の摩擦体31と多数の静電捕集体32とから構成されている。摩擦体31は硬直なナイロン繊維で形成され、基端が管体11の内周面に固定され先端を管体11の中央に向かって延ばした突起で構成されている。静電捕集体32はしなやかなポリエチレン繊維で形成されて糸状をなし、基端が管体11の内周面に固定され先端が自由端にされている。
摩擦体31と静電捕集体32は、乱流発生部40より下流の所定領域に混在して設けられており、静電捕集体32が風になびくと摩擦体31に接触するように静電捕集体32の長さが設定されている。
【0020】
このように構成された空気浄化装置10によれば、管体11を流れてきた空気が乱流発生部40を通過すると乱流が発生し、この空気の乱れによって静電捕集体32が激しくなびいて、摩擦体31に接触し摺動する。このときの摩擦によって摩擦体31と静電捕集体32が互いに逆の極性に帯電するので、空気中に存在する電荷を持った微細な塵埃が摩擦体31および静電捕集体32のいずれかに引き付けられ、捕集される。特に、空気に乱流を起こしているので、空気中の粒子である塵埃が摩擦体31と静電捕集体32に衝突し易くなっているので、捕集効果が大きい。
この実施の形態においても、摩擦体31がナイロン製で、静電捕集体32がポリエチレン製であり、また、シリカとポリエチレンは互いに逆の極性に帯電し易いことから、空気中に存在する微細なシリカを静電捕集体32によって効率よく捕集することができ、空気中のシリカを高効率で除去することができる。
【0021】
そして、静電捕集装置20では除去できなかった大きな塵埃および電荷を持たない塵埃は下流の濾過フィルタ50によって捕集される。また、摩擦体31と静電捕集体32に捕集された塵埃は、摩擦体31と静電捕集体32の接触により掻き落とされるものもあるが、それらは互いの分子間力によって引き付け合い凝集して大きな塊(凝集塊)となって、下流の濾過フィルタ50に捕集される。
このように、第2の実施の形態の空気浄化装置10によっても、電荷を持つ微細な塵埃は上流側の静電捕集装置20によって捕集することができ、大きな塵埃と電荷を持たない塵埃と静電捕集装置20から離脱した凝集塊は下流側の濾過フィルタ50によって捕集することができるので、塵埃を除去された清浄な空気を燃料電池2のカソード電極2cに供給することができる。その結果、カソード電極2cが塵埃の付着によって目詰まりすることがなくなり、電極の目詰まりに起因する燃料電池2の出力低下を防止することができる。特に、静電捕集装置20によって空気中のシリカが高効率で除去されるので、シリカがカソード電極2cに付着して目詰まりを起こすのを防止することができる。
【0022】
微細な塵埃を捕集する上流側の静電捕集装置20はその構造上、圧力損失が小さく、大きな塵埃を捕集する下流側の濾過フィルタ50は目が粗いので圧力損失が小さい。したがって、空気浄化装置10全体としての圧力損失を小さくすることができ、且つ、微細な塵埃も除去することができる。
よって、燃料電池2の出力変動に伴う風量変化に起因する空気浄化装置10における圧力変化が小さく、空気浄化装置10の耐久性を高めることができる。
また、静電捕集装置20の帯電用駆動源は、コンプレッサ5が燃料電池2に空気を供給するために発生させた空気流であるので、新たなエネルギ源が不要であり、装置構成を簡単化することができる。
また、空気浄化装置10の圧力損失が小さいので、コンプレッサ5に必要とされる出力も小さくて済み、燃料電池2で発電した電力のうちコンプレッサ5で消費される割合を小さくすることができて効率が向上し、ひいては、燃料電池自動車の駆動出力の増大や航続距離の延伸が可能となる。
【0023】
なお、第2の実施の形態における空気浄化装置10の乱流発生部40は、図4に示すように、サイクロン42で構成することも可能である。サイクロン42は、空気に乱流を起こす機能だけでなく、旋回流を利用した遠心分離器としても機能するので、このサイクロン42で空気中の大きな塵埃を除去することができ、濾過フィルタ50の負荷を軽減することができる。
【0024】
〔他の実施の形態〕
なお、この発明は前述した実施の形態に限られるものではない。
例えば、第1の実施の形態では静電捕集体が空気供給路に固定され、摩擦体が空気供給路を流通する空気によって回転するように取り付けられて構成しているが、これと逆に、摩擦体を固定し、静電捕集体を空気によって回転するように構成してもよい。
また、第2の実施の形態では摩擦体を硬直に形成し、静電捕集体が糸状で空気供給路を流通する空気によってなびくように構成しているが、これと逆に、静電捕集体を硬直に形成して空気供給路に固定し、摩擦体を糸状にして空気になびくように構成してもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明するように、請求項1から請求項3に係る発明によれば、シリカのように大気中に含まれる電荷を持つ微細な塵埃を静電捕集手段で除去することができるので、これら塵埃が燃料電池のカソード電極に供給されるのを防止することができ、塵埃付着による燃料電池の出力低下を防止することができるという優れた効果が奏される。特に、摩擦体がナイロン製で、静電捕集体がポリエチレン製であり、シリカとポリエチレンは互いに逆の極性に帯電し易いことから、空気中に存在する微細なシリカを静電捕集体によって効率よく捕集することができ、空気中のシリカを高効率で除去することができる。
電荷を持つ微細な塵埃は上流の静電捕集手段で除去され、また、静電捕集手段に捕集された電荷を持つ塵埃が互いの分子間力によって引き付け合い凝集して大きな塊(凝集塊)になって静電捕集手段から離脱すると、この凝集塊も下流の濾過式のフィルタに捕集されるため、下流の濾過式のフィルタでは大きな塵埃を除去できればよく、該フィルタの目を粗くすることができ、該フィルタの圧力損失を小さくすることができるという効果がある。
また、静電捕集手段および濾過式のフィルタの圧力損失が小さいので、燃料電池へ空気を供給するために必要なエネルギが小さくて済み、燃料電池のエネルギ効率が向上し、ひいては、燃料電池自動車の駆動出力の増大や航続距離の延伸が可能となるという効果もある。
また、コンプレッサ以外の動力なしに摩擦体および静電捕集体を帯電させることができるので、新たなエネルギ源が不要であり、装置構成が簡単になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る空気供給装置を備えた燃料電池システムの第1の実施の形態における構成図である。
【図2】 前記実施の形態における空気供給装置の要部断面図である。
【図3】 第2の実施の形態における空気供給装置の要部断面図である。
【図4】 前記第2の実施の形態における空気供給装置の変形例の要部断面図である。
【符号の説明】
1 空気供給装置
2 燃料電池
2b アノード電極
2c カソード電極
6 空気供給路
20 静電捕集装置(静電捕集手段)
24 摩擦体
25 静電捕集体
31 摩擦体
32 静電捕集体
50 濾過フィルタ(濾過式のフィルタ)

Claims (3)

  1. 車両に搭載され、カソード電極に酸化剤としての空気が供給されアノード電極に燃料ガスが供給されて発電をする燃料電池と、
    コンプレッサで加圧した空気を前記燃料電池のカソード電極に供給する空気供給路と、
    前記空気供給路に設けられ、捕集対象である塵埃の持つ電荷に対して逆の極性に帯電させることで該塵埃を捕集する静電捕集手段と、
    前記静電捕集手段の下流の前記空気供給路に設けられた濾過式のフィルタと、
    を備え
    前記静電捕集手段は、ナイロン製の摩擦体と、該摩擦体に接触したときの摩擦によって帯電するポリエチレン製の静電捕集体とを備え、前記摩擦体と前記静電捕集体のいずれか一方が前記空気供給路を流通する空気を動力源として運動せしめられることで前記摩擦体および前記静電捕集体を帯電させ、前記塵埃を前記摩擦体または前記静電捕集体のいずれかで捕集するように構成されていることを特徴とする車両用燃料電池の空気供給装置。
  2. 前記摩擦体は、空気供給路を構成する管体に回転可能に支持されて前記空気供給路を流通する空気によって回転せしめられる枠体に、電気的に絶縁されて固定されており、
    前記静電捕集体は、前記摩擦体の下流に該摩擦体に接触するように配置され、前記管体に電気的に絶縁されて固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池の空気供給装置。
  3. 前記摩擦体または静電捕集体のいずれか一方は前記空気供給路を流通する空気によってなびく糸状をなし、他方は前記空気供給路内に設けられた突起で構成されており、前記摩擦体および前記静電捕集体は互いに接触可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池の空気供給装置。
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