JP4225960B2 - 柔軟組織の閉鎖システム - Google Patents
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本発明は、1992年5月11日に出願された米国特許出願番号 07/881,213 の一部継続出願であり、この前出願の内容は参照文献として本明細書に含まれる。
本発明は、概して、自己膨張及び生物再吸収可能なポリマー製のインプラントによる柔軟組織部位の閉鎖に関し、特に経皮的な穿刺部位の閉鎖に関する。また本発明は、止血または傷の閉鎖のために所定の深さまで柔軟組織部位を貫入する管状輸送装置を用いた、前記のようなインプラントの輸送を目的とする。インプラントを調製する方法もまた、開示される。
穿刺部位を通って血管にカテーテルを挿入することは、経皮的血管形成(PTA)として当分野で知られている手法により病んだ血管を治療するため、または化学的治療を適用すべく血流に全身性の薬物を輸送するために日常的に行われている。PTA手法の場合では、血管内で操作を行うためにバルーンタイプまたはその他のタイプのカテーテルを血管内に挿入できるように、まず穿刺部位から動脈へ導入用の外筒管が挿入される。疾患の特徴や動脈の挿入部位によって、導入用外筒の大きさを1mmから5mmまで変化させることができる。これらの手段を行った場合の合併症の一つは、カテーテルと導入用外筒を抜いた後の経皮的穿刺部位における出血である。この出血を止めるために、止血するまでその穿刺部位に圧力が加えられる。血管形成およびこれに関連する技術では抗凝血薬の使用が必要となることが多いため、この圧力をかける手法は必ずしも有効ではなく、長い時間圧力をかけたり、補助的な手術治療を行ったり、また入院をしたりする必要が生じることがある。
b)離れた端部にある出口および挿入深度ガイドを有する輸送手段であって、挿入深度ガイドによって調節された深さまで空隙に挿入されることができ、また該インプラントが圧縮状態で内部に配設されている輸送手段、及び
c)柔軟組織の空隙を閉鎖できるように適合する膨張した含水マトリックスを形成するように、該圧縮状態のインプラントを該出口から柔軟組織の空隙へと調節された距離だけ放出する、引き込み式の放出手段であって、(i)挿入深度ガイドと(ii)インプラントの長さと(iii)引き込み式放出手段との組み合わせにより空隙におけるインプラントの位置づけが調節される放出手段
を含む、生体の柔軟組織における空隙を閉鎖するための装置。
〔2〕自己膨張性で再吸収可能なインプラントが、生物適合性でかつ生物再吸収可能な材料から形成され、〔1〕の装置。
〔3〕生物適合性でかつ生物再吸収可能な材料がI型コラーゲンである、〔2〕の装置。
〔4〕圧縮されたインプラントが、約0.1g/cm3〜約1.30g/cm3の密度、約3cm3/cm3〜約100cm3/cm3の膨張能力、さらに約1秒〜約60秒の緩和回復時間を有する、〔1〕の装置。
〔5〕輸送手段が長軸の管状部材であり、また放出手段が、該管状部材内に位置づけられ出口からインプラントを押し出すべく長軸方向に移動するように配設された加圧部材を含む、〔1〕の装置。
〔6〕輸送手段が生物適合性の材料から形成される、〔5〕の装置。
〔7〕生物適合性の材料が合成された重合性材料である、〔6〕の装置。
〔8〕インプラントが、体液と接触した場合に組織の空隙に適合するよう自己膨張する、〔1〕の装置。
〔9〕インプラントが何らかの幾何学形状をしている、〔1〕の装置。
〔10〕挿入深度ガイドが輸送手段の長軸から外側に伸びる突出部を含み、該突出部と出口との距離が該輸送手段の挿入深度を規定する、〔1〕の装置。
〔11〕輸送手段が挿入深度にまで挿入されたとき、突出部が生体の皮膚の最外層上に残ったままである、〔1〕の装置。
〔12〕輸送手段が挿入深度にまで挿入されたとき、突出部が導入用外筒の端部に残ったままである、〔1〕の装置。
〔13〕柔軟組織の空隙が皮膚の表面にまで延びる血管の壁における切開部位または穿刺部位であり、また放出されるインプラントが該切開部位または穿刺部位で該血管壁の外側に隣接して位置するように挿入深度が挿入の深度をガイドする、〔1〕の装置。
〔14〕a)コラーゲンを含む水性分散液を生成し、
b)該水性分散液を型に注入し、
c)該水性分散液を凍結乾燥してコラーゲンマトリックスを形成し、
d)該コラーゲンマトリックスを架橋剤を用いて処理することにより架橋し、
e)該架橋されたコラーゲンマトリックスを水蒸気とともに噴霧し、
f)該水蒸気処理されたコラーゲンマトリックスを圧縮すること
を含む、自己膨張性で再吸収可能なコラーゲンインプラントを製造する方法。
〔15〕分散液がさらに、抗体、成長因子、トロンビン、グリコサミノグリカン、プロスタグランジン、II型〜XIV型のコラーゲン、糖タンパク質、ファイブロネクチン、ラミニン、およびその混合物を含む薬剤を含有する、〔14〕の方法。
〔16〕架橋剤がホルムアルデヒドである〔14〕の方法。
〔17〕架橋の程度が、コラーゲンインプラントが約2週間から約10週間で再吸収されるような程度である、〔16〕の方法。
〔18〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、圧縮状態で約0.1g/cm3 〜約1.30g/cm3の密度を有し、また膨張状態で約0.01g/cm3 〜約0.5g/cm3 の密度を有する、〔14〕の方法。
〔19〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、約3cm3/cm3〜約100cm3/cm3の膨張能力を有する、〔14〕の方法。
〔20〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、約1秒〜約60秒の緩和回復時間を有する、〔14〕の方法。
〔21〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、約50℃〜約75℃の熱収縮温度を有する、〔14〕の方法。
〔22〕a)長軸を有し、離れた端部に出口を有する輸送手段を、該輸送手段に設けられた挿入深度ガイドにより調節された深さまで、柔軟組織の空隙に挿入し、
b)調節された距離だけ、調節された位置に、一定の長さを有するインプラントを該輸送手段から該空隙へと放出し(ここで、インプラントは、孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮状態にあり、湿潤時に、膨張状態での孔の平均径が約100μm〜約3,000μmとなるように自己膨張可能である、生体で再吸収されうる材料からなり、そして(i)挿入深度ガイドと(ii)インプラントの長さと(iii)放出手段との組み合わせにより空隙内での該インプラントの位置づけが調節される)、
c)該インプラントが自己膨張し、柔軟組織の空隙に適合しその空隙を閉鎖する含水マトリックスを形成するように、輸送手段を除去すること
を含む、生体の柔軟組織における空隙を閉鎖するための方法。
〔23〕柔軟組織の空隙が皮膚の表面にまで延びる血管の壁における切開部位または穿刺部位であり、また放出されるインプラントが該切開部位または穿刺部位で該血管壁の外側に隣接して位置するように該挿入深度が該輸送装置の挿入の深度をガイドする、〔22〕の方法。
〔24〕生体が最外層を有する皮膚を有しており、また輸送手段の長軸から外側に伸びる突出部を含み、該輸送手段の挿入深度を規定する該突出部と出口との距離を規定する挿入深度ガイドによって、挿入深度が調節され、該輸送手段が挿入深度にまで挿入されたとき該突出部が生体の皮膚の最外層上に残ったままである、〔22〕の方法。
〔25〕インプラントが生物適合性の重合性材料である〔22〕の方法。
〔26〕生物適合性の重合性材料が、コラーゲンを含有する材料である、〔25〕の方法。
〔27〕インプラントが体液または血液と接触した場合に自己膨張する、〔22〕の方法。
〔28〕圧縮されたインプラントが、圧縮状態で約0.10g/cm3 〜約1.30g/cm3の密度、膨張状態で約0.01g/cm3 〜約0.50g/cm3 の密度、約3cm3/cm3〜約100cm3/cm3の膨張能力、約50℃〜約75℃の熱収縮温度、さらに約1秒〜約60秒の緩和回復時間を有する、〔22〕の方法。
〔29〕圧縮されたインプラントがさらに、抗体、成長因子、トロンビン、グリコサミノグリカン、プロスタグランジン、I型〜XIV型のコラーゲン、糖タンパク質、ファイブロネクチン、ラミニン、およびその混合物を含む薬剤を含有する、〔22〕の方法。
〔30〕〔14〕の方法により調製された自己膨張性で再吸収可能なコラーゲンインプラント。
本発明によると、血管カテーテル法やその他の柔軟組織治療法で穿刺されて傷ついた部位を閉鎖する際の従来の試みに関連する欠点や問題点の多くをなくすか、または実質的に減少させるような、自己膨張性で再吸収可能な止血用インプラントが開示されている。また本発明によれば、柔軟組織の選択された部位に薬剤を輸送する方法が提供される。さらに特定すると本発明では、再吸収可能で自己膨張性の止血用インプラントを特定の血管穿刺部位に輸送することにより血管形成術および関連技術の後に生じる出血を止めることができる。
a)生物学的繊維を含む水性分散液を形成し、
b)該水性分散液を型に注入し、
c)該水性分散液を凍結乾燥してコラーゲンマトリックスを形成し、
d)該凍結乾燥されたマトリックスを架橋剤を用いて処理することにより架橋し、
e)該架橋されたマトリックスを水蒸気とともに噴霧し、
f)該水蒸気処理されたマトリックスを圧縮することを含む。
a)長軸を有し、離れた端部に出口を有する輸送手段を、この輸送手段に設けられた挿入深度ガイドにより調節された深さまで、柔軟組織の空隙に挿入し、
b)調節された距離だけ、調節された位置に、一定の長さを有するインプラントを該輸送手段から該空隙へと放出し(ここで、インプラントは、孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮状態にあり、湿潤時に、膨張状態での孔の平均径が約100μm〜約3,000μmとなるように自己膨張可能である、生体で再吸収されうる材料からなり、そして(i)挿入深度ガイド、(ii)インプラントの長さ、および(iii)放出手段の組み合わせにより空隙内での該インプラントの位置づけが調節される)、
c)該インプラントが自己膨張し、柔軟組織の空隙に適合しその空隙を閉鎖する含水マトリックスを形成するように、輸送手段を除去することを含む。
a)孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮状態にあり、湿潤時に、膨張状態での孔の平均径が約100μm〜約3,000μmとなるように自己膨張可能である、生体で再吸収されうる材料からなる、一定の長さを有するインプラント、
b)離れた端部の出口と挿入深度ガイドとを有する輸送手段であって、挿入深度ガイドによって調節される深さで空隙に挿入するように適合させられており、また該インプラントが圧縮状態で内部に配設されているような輸送手段、及び
c)柔軟組織の空隙を閉鎖するように適合する膨張した含水マトリックスを形成させるように、該出口から、調節された距離だけ、該圧縮状態のインプラントを柔軟組織の空隙へと放出することができる引き込み式の放出手段(ここで、(i)挿入深度ガイド、(ii)インプラントの長さ、および(iii)引き込み式放出手段の組み合わせにより、空隙内でのインプラントの位置づけが調節される)
を含む、生体の柔軟組織中の空隙を閉鎖するための装置も含む。
物理的特徴
シリンダーの直径(cm)
圧縮状態 通常の場合: 0.1−0.6
好適な場合: 0.2−0.4
膨張状態 通常の場合: 1.0−10.0
好適な場合: 3.0−7.0
シリンダーの高さ(cm) 通常の場合: 0.2−10.0
好適な場合: 0.5−5.0
孔の大きさ(μm)
圧縮状態 通常の場合: 0.5−50
好適な場合: 2.0−45.0
最適の場合: 5.0−40.0
膨張状態 通常の場合: 100−3,000
好適な場合: 200−1,000
最適の場合: 250−700
密度(g/cm3)
圧縮状態 通常の場合: 0.1−1.30
好適な場合: 0.2−1.0
最適の場合: 0.3−0.8
膨張状態 通常の場合: 0.01−0.50
好適な場合: 0.02−0.25
最適の場合: 0.03−0.15
物理化学的性質
膨張能力(cm3/cm3) 通常の場合: 3−100
好適な場合: 10−50
最適の場合: 15−35
熱収縮温度(℃) 通常の場合: 50−75
好適な場合: 55−65
緩和回復時間(秒) 通常の場合: 1−60
好適な場合: 3−40
最適の場合: 5−30
発明の詳細な説明
図面を参照すると、同じ参照符号は同じ部材をさしており、図1には、インプラント輸送手段12、および輸送手段12の内部に配設されたインプラント部材13を含む、符号10で全体が示された柔軟組織閉鎖システムが図示されている。輸送手段12の主たる機能は、生体の柔軟組織に生じた空隙をうまく詰めて閉鎖するのに有効なインプラント部材13をインサイチューで目的の部位に輸送することである。好ましい態様において、本発明の柔軟組織閉鎖システムは、血管、管状部分、または管腔に生じた穿刺またはその他の開口部を効果的に閉鎖するために用いられる。しかしながらこの閉鎖システム10はまた、生体の柔軟組織に形成された他の空隙、典型的には外科治療でできた空隙から生じる傷を治療するためにも用いることができる。このような適用には、悪性腫瘍、壊死した組織、崩壊した組織、深い弾丸の傷、ナイフの刺し傷などを取り除いたあとの空隙の充填が含まれる。形成手術または美容整形手術などによって作られた空隙も、本発明の閉鎖システムを用いて充填することができる。さらに本発明の閉鎖システムは、生検用針またはその他の生検装置が用いられる、組織生検のような診断のための適用においても、出血を止め空隙を充填するために用いることができる。
ウシの屈筋の腱から脂肪と筋膜を注意深く除去し、取り除き、水で洗浄した。きれいにされた腱を凍結して、肉のスライサーで0.5mmのスライスに薄切りにすることによって小さくした。腱は初めに、イソプロパノール(腱:イソプロパノール = 1:5 容積比)で8時間、25℃で一定に攪拌しながら脱脂肪した。その抽出溶液を捨て、次に等容量のイソプロパノールを加えてから、腱のスライスを攪拌しながら一晩25℃で抽出した。次にその腱を、脱イオン化された蒸留水で多数回洗浄することによって残っていたイソプロパノールを除去した。脱脂肪された腱を次に、10容量の1.0M NaClを用いて攪拌しながら4℃で24時間抽出した。この塩で抽出された腱を、脱イオン化された蒸留水で洗浄した。この繊維を次に、10容量の1M NaOHを用いて25℃で24時間、1MのNa2SO4の存在下で一定に攪拌しつつ抽出した。それからこのアルカリ抽出されたコラーゲンを濾過することによって集め、0.1MのHClを用いて中和してから繊維を集めて洗浄することによって残っていた塩を除去し、そして凍結させた。
実施例1により調製されたコラーゲン分散剤を、直径が15mmで高さが10mmのステンレス鋼製の型内に注入する。次にこのコラーゲンを入れた型を、バーティス(Virtis)社製の凍結乾燥機を用いた凍結乾燥法にかける。凍結乾燥の条件は、−40℃で6時間凍結し、150μmHgの圧力で−10℃で24時間乾燥し、続いて25℃で8時間乾燥が行われる。続いてこの凍結乾燥されたコラーゲンマトリックスを、過剰量のホルムアルデヒド蒸気(1%のホルムアルデヒド溶液から25℃で発生する)を含有する架橋用チャンバー内で、25℃で95%の相対湿度で60分間、ホルムアルデヒド蒸気架橋を行う。架橋されたコラーゲン材料を10秒間水蒸気を用いてスプレーし、続く30分間で閉じた容器内で平衡にする。次に、この水蒸気処理したマトリックスを、2.5mmのギャップを持つ二枚のガラスプレートの間で回転することによって圧縮させることで、直径15mmのスポンジ状マトリックスを約2.5mmに減少させることができる。圧縮されたコラーゲンマトリックスを次に、I.D.が2.5mmでO.D.が3.0mmのあらかじめ製造されたインプラント輸送手段(図1に示された部材11)に挿入する。
実施例1により得られたコラーゲン分散剤をトロンビンとともに均一に混合する(コラーゲン:トロンビン = 10:1 重量比)。次にこの入念に混合されたコラーゲン/トロンビンを含むゲルを、実施例2に記載したようなステンレス鋼製の型に注入する。この一連の工程は実施例2と同じである。
a)密度(g/cm 3 )
圧縮状態及び充分に膨張した状態における柔軟組織閉鎖用インプラントの明白な密度は、乾燥重量を得るためにコラーゲンマトリックスを初めに計ることによって測定される。次にこのマトリックスの容積は、スポンジの半径と高さから次の式にあてはめて決定される。V = π × r2 × h:ここでrはマトリックスの半径、hはマトリックスの高さである。本発明のコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの密度は、圧縮されたマトリックスでは約0.10g/cm3 〜約1.30g/cm3、そして充分に膨張したマトリックスでは約0.01g/cm3〜約0.5g/cm3の範囲内にある。
膨張度は、柔軟組織閉鎖用装置の単位容積あたりのマトリックスの膨張容積として定義される。圧縮されたコラーゲンマトリックスの容量はまず、マトリックスの寸法を計ることによって測定される。次にコラーゲンマトリックスをpH7.4で5分間、25℃で緩衝液中に浸漬する。それから、膨張した湿潤状態のマトリックスの容積が測定される。コラーゲンマトリックスの膨張度(cm3/cm3)は、膨張したマトリックスの容積を圧縮状態のマトリックスの容積で割ることによって計算される。本発明にかかるコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの膨張能力は、約3cm3/cm3〜約100cm3/cm3の範囲内である。
孔径は、圧縮状態と完全に膨張した状態とにおけるコラーゲンインプラントの断面についての走査型エレクトロンマイクログラフ(SEM)から得られる。圧縮されたマトリックスの孔径は、圧縮された孔の隙間の距離として定義される。膨張状態のマトリックスの孔径は、孔の開口の最大距離および最小距離の平均として定義される。本発明にかかるコラーゲンマトリックスの孔径は、圧縮状態のインプラントでは約0.5μm〜約50μmの範囲内であり、充分に膨張した状態のインプラントでは約100μm〜約3,000μmの範囲内である。
圧縮状態にある本発明のコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントを、pHが7.4の25℃に調節された緩衝液に使い捨ての輸送手段から押し出す。圧縮されたマトリックスは緩和して水和し、充分に膨張した状態になるまで自己膨張する。この充分な膨張状態に回復するのにかかる時間が記録される。本発明の緩和回復時間は約1秒〜約60秒の範囲内である。
10mgのコラーゲンマトリックスの試料をまず、pH7.4の緩衝液に入れて湿潤する。この試料をアルミニウム製の試料ペンに密封して、示差走査熱量計の試料ホルダーに挿入する。緩衝液を参照として用いる。加熱速度は5℃/分である。収縮温度は、温度のプロットに対する熱容量からの吸熱ピークの兆候として定義される。本発明のコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの熱的収縮温度は、約50℃〜約75℃の範囲内である。
適当な大きさのコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントを、導入用外筒を徐々に除去させながら、穿刺部位に挿入する。コラーゲンインプラントを穿刺部位に放出し、インサイチューで5分間、充分に水和させて自己膨張させる。続いて分散した輸送手段をゆっくりと引き抜く。次に5分〜10分その傷にわずかに圧力をかけることで完全に止血して傷を閉鎖する。
適当な大きさの輸送手段を、目的とする組織に穿孔部位を通して挿入する。続いて、このコラーゲンインプラントを、ピストンによって管状輸送手段からその組織部位に押し出し、その一方で輸送手段をゆっくりと引き抜く。コラーゲンインプラントは自己膨張して柔軟組織の空隙を埋める。
Claims (3)
- a)コラーゲンを含む水性分散液を生成し、
b)該水性分散液を型に注入し、
c)該水性分散液を凍結乾燥してコラーゲンマトリックスを形成し、
d)該コラーゲンマトリックスを架橋剤を用いて処理することにより架橋し、
e)該架橋されたコラーゲンマトリックスを水蒸気とともに噴霧し、
f)該水蒸気処理されたコラーゲンマトリックスを圧縮すること
を含む、自己膨張性で再吸収可能なコラーゲンインプラントを製造する方法。 - 分散液がさらに、抗体、成長因子、トロンビン、グリコサミノグリカン、プロスタグランジン、II型〜XIV型のコラーゲン、糖タンパク質、ファイブロネクチン、ラミニン、およびその混合物を含む薬剤を含有する、請求の範囲1の方法。
- 架橋剤がホルムアルデヒドである請求の範囲1の方法。
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