JP4225960B2 - 柔軟組織の閉鎖システム - Google Patents

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関連出願
本発明は、1992年5月11日に出願された米国特許出願番号 07/881,213 の一部継続出願であり、この前出願の内容は参照文献として本明細書に含まれる。
技術分野
本発明は、概して、自己膨張及び生物再吸収可能なポリマー製のインプラントによる柔軟組織部位の閉鎖に関し、特に経皮的な穿刺部位の閉鎖に関する。また本発明は、止血または傷の閉鎖のために所定の深さまで柔軟組織部位を貫入する管状輸送装置を用いた、前記のようなインプラントの輸送を目的とする。インプラントを調製する方法もまた、開示される。
発明の背景
穿刺部位を通って血管にカテーテルを挿入することは、経皮的血管形成(PTA)として当分野で知られている手法により病んだ血管を治療するため、または化学的治療を適用すべく血流に全身性の薬物を輸送するために日常的に行われている。PTA手法の場合では、血管内で操作を行うためにバルーンタイプまたはその他のタイプのカテーテルを血管内に挿入できるように、まず穿刺部位から動脈へ導入用の外筒管が挿入される。疾患の特徴や動脈の挿入部位によって、導入用外筒の大きさを1mmから5mmまで変化させることができる。これらの手段を行った場合の合併症の一つは、カテーテルと導入用外筒を抜いた後の経皮的穿刺部位における出血である。この出血を止めるために、止血するまでその穿刺部位に圧力が加えられる。血管形成およびこれに関連する技術では抗凝血薬の使用が必要となることが多いため、この圧力をかける手法は必ずしも有効ではなく、長い時間圧力をかけたり、補助的な手術治療を行ったり、また入院をしたりする必要が生じることがある。
市販の止血用製剤としては、例えば米国特許第2,465,357号、米国特許第3,742,955号、及び米国特許第3,364,200号 において開示されているようなものが種々用いられている。米国特許第4,066,083号には、フェルトまたはフリース様のコラーゲン止血鉗子が開示されている。米国特許第4,891,359号にはコラーゲン粉末と生理食塩水の混合物を含む止血用コラーゲンペーストが開示されている。この他のコラーゲンを基礎とした止血用材料も数多く、米国特許第 4,412,947号、4,578,067号、4,515,637号、4,271,070号、4,891,359号、4,066,083号、4,016,877号、及び4,215,200号に開示されている。これらの特許はいずれも、血管の穿刺部位での止血技術は開示していない。
動脈血管の穿刺部位を閉鎖するための、コラーゲンを基礎とする装置の使用は、「Ernst, S., Tjonjoegin, R, Schrader, R, et al. Immediate Sealing of Arterial Puncture Sites After Cardiac Catheterization and Coronary Angioplasty Using a Biodegradable Collagen Plug; Results of an International Registry, J. Am. Coll. Cardiology, 15: 851-855, 1993」 に記載されている。コラーゲン材料を経皮的な穿刺部位に輸送するためには、特大の投与外筒を用いてこの穿刺部位を充分に広げなくてはならない。それから広げられた穿刺部位に輸送カートリッジを挿入し、コラーゲン材料を輸送する。コラーゲンは空隙部分を詰めて止血を確実にするために、2度輸送される。さらに損傷部位を拡張させることになる、この手の込んだ手法をとると、この装置で治療した患者に重篤な血腫を生じさせることもある。
動脈血管の穿刺部位を閉鎖するためのもう一つの装置は、ケンシー(Kensey)の米国特許第4,744,364号に開示されている。この装置は、膨張可能でかつ再吸収可能な材料を、導入用外筒の内側にはまっている管状部材を経て、血管内腔に挿入する手段を含んでいる。再吸収可能な材料が穿刺部位の周りの血管内表面を塞ぐように、穿刺部位に再吸収可能な材料を引き寄せるために、収縮フィラメントが再吸収材料に固定されている。適当な位置に再吸収可能な材料を保持するために、このフィラメントを、張りのある状態に保ちながら、テープまたはその他の方法で患者の皮膚に固定する。
ケンシー(Kensey)の装置は、患者にいくつかの危険をもたらす可能性がある。この装置を用いると、封鎖材料の不完全な配置、または材料の血液非適合性に起因して、急性の血栓を形成する場合がある。フィラメントが早く分解してしまうと、固定されなかった封鎖材料が放出され、穿刺部位よりも離れたところで塞栓を形成する可能性がある。封鎖材料が移動すると、再出血だけではなく、外科的介入を必要とするような血栓を引き起こす場合がある。このような装置の抱えている危険性は、この装置が与えることのできる利点より重要である可能性がある。したがって、穿刺部位を塞ぎ出血を止めることのできる、安全で、効果的で、かつ利用者に優しい方法が未だに熱望され、歓迎されている。
穿刺部位の閉鎖に伴う合併症を解決する際のキーポイントは、このような適用法に特有の特徴や性質を持つ再吸収可能なマトリックスの設計にあるということが当出願者に明白になってきた。
したがって本発明の第一の目的は、従来の方法が抱えていた欠点や危険性を実質的に回避しながら、穿刺部位を閉鎖し、かつ出血を止めることのできる装置を提供することである。
また本発明の他の目的は、インビボで生物適合性があり、かつ再吸収可能な材料を用いて、組織や器官の空隙または損傷を埋めることのできる自己膨張性のインプラントを提供することである。
本発明の更に別の目的は、生物適合性がありかつ再吸収可能なインプラント材料を、管状輸送装置によって目的とする組織または器官に輸送するための方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、選択された組織または器官に薬物、抗体、成長因子、またはその他の生物学的に活性な分子を輸送するための方法を提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、インプラントを製造する方法を提供することである。
〔1〕a)孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮状態にあり、湿潤時に、膨張状態での孔の平均径が約100μm〜約3,000μmとなるように自己膨張性であることを特徴とする生体で再吸収可能な材料から形成され、一定の長さを有するインプラント、
b)離れた端部にある出口および挿入深度ガイドを有する輸送手段であって、挿入深度ガイドによって調節された深さまで空隙に挿入されることができ、また該インプラントが圧縮状態で内部に配設されている輸送手段、及び
c)柔軟組織の空隙を閉鎖できるように適合する膨張した含水マトリックスを形成するように、該圧縮状態のインプラントを該出口から柔軟組織の空隙へと調節された距離だけ放出する、引き込み式の放出手段であって、(i)挿入深度ガイドと(ii)インプラントの長さと(iii)引き込み式放出手段との組み合わせにより空隙におけるインプラントの位置づけが調節される放出手段
を含む、生体の柔軟組織における空隙を閉鎖するための装置。
〔2〕自己膨張性で再吸収可能なインプラントが、生物適合性でかつ生物再吸収可能な材料から形成され、〔1〕の装置。
〔3〕生物適合性でかつ生物再吸収可能な材料がI型コラーゲンである、〔2〕の装置。
〔4〕圧縮されたインプラントが、約0.1g/cm3〜約1.30g/cm3の密度、約3cm3/cm3〜約100cm3/cm3の膨張能力、さらに約1秒〜約60秒の緩和回復時間を有する、〔1〕の装置。
〔5〕輸送手段が長軸の管状部材であり、また放出手段が、該管状部材内に位置づけられ出口からインプラントを押し出すべく長軸方向に移動するように配設された加圧部材を含む、〔1〕の装置。
〔6〕輸送手段が生物適合性の材料から形成される、〔5〕の装置。
〔7〕生物適合性の材料が合成された重合性材料である、〔6〕の装置。
〔8〕インプラントが、体液と接触した場合に組織の空隙に適合するよう自己膨張する、〔1〕の装置。
〔9〕インプラントが何らかの幾何学形状をしている、〔1〕の装置。
〔10〕挿入深度ガイドが輸送手段の長軸から外側に伸びる突出部を含み、該突出部と出口との距離が該輸送手段の挿入深度を規定する、〔1〕の装置。
〔11〕輸送手段が挿入深度にまで挿入されたとき、突出部が生体の皮膚の最外層上に残ったままである、〔1〕の装置。
〔12〕輸送手段が挿入深度にまで挿入されたとき、突出部が導入用外筒の端部に残ったままである、〔1〕の装置。
〔13〕柔軟組織の空隙が皮膚の表面にまで延びる血管の壁における切開部位または穿刺部位であり、また放出されるインプラントが該切開部位または穿刺部位で該血管壁の外側に隣接して位置するように挿入深度が挿入の深度をガイドする、〔1〕の装置。
〔14〕a)コラーゲンを含む水性分散液を生成し、
b)該水性分散液を型に注入し、
c)該水性分散液を凍結乾燥してコラーゲンマトリックスを形成し、
d)該コラーゲンマトリックスを架橋剤を用いて処理することにより架橋し、
e)該架橋されたコラーゲンマトリックスを水蒸気とともに噴霧し、
f)該水蒸気処理されたコラーゲンマトリックスを圧縮すること
を含む、自己膨張性で再吸収可能なコラーゲンインプラントを製造する方法。
〔15〕分散液がさらに、抗体、成長因子、トロンビン、グリコサミノグリカン、プロスタグランジン、II型〜XIV型のコラーゲン、糖タンパク質、ファイブロネクチン、ラミニン、およびその混合物を含む薬剤を含有する、〔14〕の方法。
〔16〕架橋剤がホルムアルデヒドである〔14〕の方法。
〔17〕架橋の程度が、コラーゲンインプラントが約2週間から約10週間で再吸収されるような程度である、〔16〕の方法。
〔18〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、圧縮状態で約0.1g/cm3 〜約1.30g/cm3の密度を有し、また膨張状態で約0.01g/cm3 〜約0.5g/cm3 の密度を有する、〔14〕の方法。
〔19〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、約3cm3/cm3〜約100cm3/cm3の膨張能力を有する、〔14〕の方法。
〔20〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、約1秒〜約60秒の緩和回復時間を有する、〔14〕の方法。
〔21〕再吸収可能なコラーゲンインプラントが、約50℃〜約75℃の熱収縮温度を有する、〔14〕の方法。
〔22〕a)長軸を有し、離れた端部に出口を有する輸送手段を、該輸送手段に設けられた挿入深度ガイドにより調節された深さまで、柔軟組織の空隙に挿入し、
b)調節された距離だけ、調節された位置に、一定の長さを有するインプラントを該輸送手段から該空隙へと放出し(ここで、インプラントは、孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮状態にあり、湿潤時に、膨張状態での孔の平均径が約100μm〜約3,000μmとなるように自己膨張可能である、生体で再吸収されうる材料からなり、そして(i)挿入深度ガイドと(ii)インプラントの長さと(iii)放出手段との組み合わせにより空隙内での該インプラントの位置づけが調節される)、
c)該インプラントが自己膨張し、柔軟組織の空隙に適合しその空隙を閉鎖する含水マトリックスを形成するように、輸送手段を除去すること
を含む、生体の柔軟組織における空隙を閉鎖するための方法。
〔23〕柔軟組織の空隙が皮膚の表面にまで延びる血管の壁における切開部位または穿刺部位であり、また放出されるインプラントが該切開部位または穿刺部位で該血管壁の外側に隣接して位置するように該挿入深度が該輸送装置の挿入の深度をガイドする、〔22〕の方法。
〔24〕生体が最外層を有する皮膚を有しており、また輸送手段の長軸から外側に伸びる突出部を含み、該輸送手段の挿入深度を規定する該突出部と出口との距離を規定する挿入深度ガイドによって、挿入深度が調節され、該輸送手段が挿入深度にまで挿入されたとき該突出部が生体の皮膚の最外層上に残ったままである、〔22〕の方法。
〔25〕インプラントが生物適合性の重合性材料である〔22〕の方法。
〔26〕生物適合性の重合性材料が、コラーゲンを含有する材料である、〔25〕の方法。
〔27〕インプラントが体液または血液と接触した場合に自己膨張する、〔22〕の方法。
〔28〕圧縮されたインプラントが、圧縮状態で約0.10g/cm3 〜約1.30g/cm3の密度、膨張状態で約0.01g/cm3 〜約0.50g/cm3 の密度、約3cm3/cm3〜約100cm3/cm3の膨張能力、約50℃〜約75℃の熱収縮温度、さらに約1秒〜約60秒の緩和回復時間を有する、〔22〕の方法。
〔29〕圧縮されたインプラントがさらに、抗体、成長因子、トロンビン、グリコサミノグリカン、プロスタグランジン、I型〜XIV型のコラーゲン、糖タンパク質、ファイブロネクチン、ラミニン、およびその混合物を含む薬剤を含有する、〔22〕の方法。
〔30〕〔14〕の方法により調製された自己膨張性で再吸収可能なコラーゲンインプラント。
発明の概要
本発明によると、血管カテーテル法やその他の柔軟組織治療法で穿刺されて傷ついた部位を閉鎖する際の従来の試みに関連する欠点や問題点の多くをなくすか、または実質的に減少させるような、自己膨張性で再吸収可能な止血用インプラントが開示されている。また本発明によれば、柔軟組織の選択された部位に薬剤を輸送する方法が提供される。さらに特定すると本発明では、再吸収可能で自己膨張性の止血用インプラントを特定の血管穿刺部位に輸送することにより血管形成術および関連技術の後に生じる出血を止めることができる。
本発明の再吸収可能で自己膨張性の組織閉鎖インプラントは、一般的に、生物学的繊維を含む、乾燥し圧縮された多孔性のマトリックスである。本明細書において用いられるように「生物学的繊維」とは、コラーゲン、エラスチン、フィブリン、および多糖類などである。本発明の好適な形態において、マトリックスは動物またはヒトのコラーゲン繊維を含む。
本発明のインプラントは、特定すると、密度が約0.10g/cm〜約1.30g/cmで、孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮されたマトリックスを含む。この圧縮されたマトリックスは、水性媒体と接触したときに自己膨張し、充分に膨張した状態で孔の平均径が約100μm〜約3,000μmになり、それに対応して約3cm/cm〜約100cm/cmの容積が膨張し、そして圧縮状態で0.10g/cm 〜約1.30g/cmである密度が、充分に膨張した状態では約0.01g/cm 〜約0.50g/cm の密度に減少する。
またこのマトリックスは、局所的な治療の適用のために選ばれた薬物を含んでいてもよい。治療用薬剤としては、トロンビン、Ca++などの止血薬、上皮成長因子(EGF)、酸性の繊維芽細胞成長因子(FGF)、アルカリ性の繊維芽細胞成長因子(FGF)、形質転換成長因子アルファ及びベータ(TGFアルファ及びベータ)などの損傷修復薬、ラミニン、ファイブロネクチンなどの糖タンパク質、及び様々なタイプのコラーゲンなどが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
再吸収可能で自己膨張性の柔軟組織閉鎖用インプラントを製造する方法は、最も広義の態様において、
a)生物学的繊維を含む水性分散液を形成し、
b)該水性分散液を型に注入し、
c)該水性分散液を凍結乾燥してコラーゲンマトリックスを形成し、
d)該凍結乾燥されたマトリックスを架橋剤を用いて処理することにより架橋し、
e)該架橋されたマトリックスを水蒸気とともに噴霧し、
f)該水蒸気処理されたマトリックスを圧縮することを含む。
さらに本発明には、再吸収可能で自己膨張性のインプラントを用いて柔軟組織の穿刺部位を閉鎖するための方法が含まれる。この方法は、再吸収可能で自己膨張性のポリマーインプラントを圧縮状態で、輸送手段、特に管状の輸送装置を用いて目的とする部位に輸送し、目的とする柔軟組織部位で再吸収可能なインプラントを放出させることを含む。その部位で、再吸収可能なインプラントは、損傷を閉鎖すべく柔軟組織部位に適合するように自己膨張する。特に、本方法は、
a)長軸を有し、離れた端部に出口を有する輸送手段を、この輸送手段に設けられた挿入深度ガイドにより調節された深さまで、柔軟組織の空隙に挿入し、
b)調節された距離だけ、調節された位置に、一定の長さを有するインプラントを該輸送手段から該空隙へと放出し(ここで、インプラントは、孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮状態にあり、湿潤時に、膨張状態での孔の平均径が約100μm〜約3,000μmとなるように自己膨張可能である、生体で再吸収されうる材料からなり、そして(i)挿入深度ガイド、(ii)インプラントの長さ、および(iii)放出手段の組み合わせにより空隙内での該インプラントの位置づけが調節される)、
c)該インプラントが自己膨張し、柔軟組織の空隙に適合しその空隙を閉鎖する含水マトリックスを形成するように、輸送手段を除去することを含む。
本発明はまた、
a)孔の平均径が約0.5μm〜約50μmである圧縮状態にあり、湿潤時に、膨張状態での孔の平均径が約100μm〜約3,000μmとなるように自己膨張可能である、生体で再吸収されうる材料からなる、一定の長さを有するインプラント、
b)離れた端部の出口と挿入深度ガイドとを有する輸送手段であって、挿入深度ガイドによって調節される深さで空隙に挿入するように適合させられており、また該インプラントが圧縮状態で内部に配設されているような輸送手段、及び
c)柔軟組織の空隙を閉鎖するように適合する膨張した含水マトリックスを形成させるように、該出口から、調節された距離だけ、該圧縮状態のインプラントを柔軟組織の空隙へと放出することができる引き込み式の放出手段(ここで、(i)挿入深度ガイド、(ii)インプラントの長さ、および(iii)引き込み式放出手段の組み合わせにより、空隙内でのインプラントの位置づけが調節される)
を含む、生体の柔軟組織中の空隙を閉鎖するための装置も含む。
本発明の再吸収可能かつ自己膨張性の柔軟組織閉鎖用インプラントは、液体吸収、血小板の接着、および止血のために、最大の容積膨張能力および表面積を提供でき、一方挿入のために、最小の容量を保つことができるように、マトリックスが高度に圧縮されているように構成されている。膨張による多孔性のマトリックスは、傷を回復するための細胞の湿潤および接着のため、最大の表面積を提供する。したがって、本発明の好適な態様において、本発明の自己膨張性のインプラントは以下のような物理的性質および物理化学的性質を有している。「膨張」状態の自己膨張可能なインプラントについて示した特徴および性質は、インプラントの形成中に圧縮される前のコラーゲンマトリックスと概して同じであり、それの説明でもあることを理解されたい。
物理的特徴
シリンダーの直径(cm)
圧縮状態 通常の場合: 0.1−0.6
好適な場合: 0.2−0.4
膨張状態 通常の場合: 1.0−10.0
好適な場合: 3.0−7.0
シリンダーの高さ(cm) 通常の場合: 0.2−10.0
好適な場合: 0.5−5.0
孔の大きさ(μm)
圧縮状態 通常の場合: 0.5−50
好適な場合: 2.0−45.0
最適の場合: 5.0−40.0
膨張状態 通常の場合: 100−3,000
好適な場合: 200−1,000
最適の場合: 250−700
密度(g/cm
圧縮状態 通常の場合: 0.1−1.30
好適な場合: 0.2−1.0
最適の場合: 0.3−0.8
膨張状態 通常の場合: 0.01−0.50
好適な場合: 0.02−0.25
最適の場合: 0.03−0.15
物理化学的性質
膨張能力(cm/cm) 通常の場合: 3−100
好適な場合: 10−50
最適の場合: 15−35
熱収縮温度(℃) 通常の場合: 50−75
好適な場合: 55−65
緩和回復時間(秒) 通常の場合: 1−60
好適な場合: 3−40
最適の場合: 5−30
本発明を、例として挙げた実施例と関連付けて以下に説明する。
発明の詳細な説明
図面を参照すると、同じ参照符号は同じ部材をさしており、図1には、インプラント輸送手段12、および輸送手段12の内部に配設されたインプラント部材13を含む、符号10で全体が示された柔軟組織閉鎖システムが図示されている。輸送手段12の主たる機能は、生体の柔軟組織に生じた空隙をうまく詰めて閉鎖するのに有効なインプラント部材13をインサイチューで目的の部位に輸送することである。好ましい態様において、本発明の柔軟組織閉鎖システムは、血管、管状部分、または管腔に生じた穿刺またはその他の開口部を効果的に閉鎖するために用いられる。しかしながらこの閉鎖システム10はまた、生体の柔軟組織に形成された他の空隙、典型的には外科治療でできた空隙から生じる傷を治療するためにも用いることができる。このような適用には、悪性腫瘍、壊死した組織、崩壊した組織、深い弾丸の傷、ナイフの刺し傷などを取り除いたあとの空隙の充填が含まれる。形成手術または美容整形手術などによって作られた空隙も、本発明の閉鎖システムを用いて充填することができる。さらに本発明の閉鎖システムは、生検用針またはその他の生検装置が用いられる、組織生検のような診断のための適用においても、出血を止め空隙を充填するために用いることができる。
以下の説明および図面には、動脈中の経皮的穿刺部位の閉鎖が記載されているが、本発明はこの好適な態様よりも広い応用性を有することは前述の内容から明白であろう。
輸送手段12は、生物的適合性のある材料、例えばステンレス鋼、合成の重合性材料(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルクロライド、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタンなど)、天然の重合性材料(例えばコラーゲン、エラスチンなど)、および当業者に周知のその他の生物適合性材料などで作られる。輸送手段は、例えば使用後に簡単に捨てられるようなあまり高価でない使い捨ての材料で作られることが望ましい。製造と使い捨ての容易さから、合成ポリマーが望ましい。
この図面に示された輸送手段は、遠い方の端部に出口20を有する管状部材11と、管状部材11の近い方の端部28にスライド可能に取り付けられた放出手段22とを含む。この管状部材11には、長い本体に挿入深度ガイド15と挿入可能な先端部分32とフランジ状突起30が設けられている。
挿入可能な先端部分32は固定された長さ「y」を持っていて、この長さは修復される特定の柔軟組織部位によって決定され、通常は約0.2cm〜約10cmの範囲内で変動する。患者の皮膚や導入用外筒に実際に挿入されるのは管状部材11の挿入可能な先端部分32だけである。挿入の深さは挿入深度ガイド15によって簡単に調節することができる。このガイド15は管状部材11の長さ「y」に位置し、このガイドよりも後ろに管状部材が挿入できないようになっている。ガイド15は、輸送手段の周りの一部分または全周に設けた突起、即ち出っ張りからなる簡単な構成であり、この出っ張りが挿入可能な先端部分が挿入されたところで輸送手段の挿入を停止させる。このときガイドの出っ張りは、患者の皮膚の最も外側の表面に単に位置づけられている(または図示されてはいないが、当業者には周知の手法で導入用外筒の突起部上に位置づけるようにしてもよい。)。このガイドの形状または設計は、挿入の深さを調節できる機能があればそれほど重要ではない。
挿入可能な先端部分32の外径は好ましくは、挿入可能な先端部分32が皮膚(または導入用外筒)を通して簡単に挿入でき、経皮的穿刺部位にちょうど位置づけられるように、特殊な管内導入法で用いられる導入用外筒よりも小さく構成される。特定の管内導入法に応じて先端部分の外径は、約1mm〜約6mmに変えることができる。挿入可能な先端部分32を除いた管状部材11の残りの部分は、修復部位に進入しないならどのような外径であってもよい。しかしながら望ましくは、それぞれの構成部分について、同じ内径および外径を有する一体の管状部材が典型的に形成される。
フランジ状突起30は、インプラント部材13が放出手段22によって放出される際に使用者の手で握ることができるように配設されている。このフランジ状突起30は、管状部材11の本体の近い方の端部28の周り全周に設けられていてもよいしまたは端部28の周りの一部だけに設けられていてもよい。
放出手段22は、遠い方の端部に長軸に対して垂直な平板になるように取り付けられた押圧プレート14と、近い方の端部にロッド状部材24の長軸に対して垂直な平板になるように取り付けられた親指かけ26を備えた細長い円筒形のロッド状部材24から構成される。押圧プレート14は管状部材11の内部の挿入可能な先端部分32の箇所に配されていて、挿入可能な部分32の内径よりもわずかに小さい外径を持っているため、その押圧プレート14は挿入可能な部分32の長軸方向に押し下がるように動くことができ、インプラント部材13を出口20から押し出すことができる。ロッド状部材24は図1に示した距離「d」だけ引っ込めることができる。この距離はインプラント部材13の長さよりもほんの少しだけ長く、インプラントを完全に放出できるようになっているとともに、最も重要なことであるが、必要以上の長さのインプラントが押し出されないようになっている。したがって挿入可能な先端部分32の長さ「y」、インプラント部材13の長さ、および距離「d」を調節することによって、インプラント部材13を修復部位に正確に位置づけることができる。
使用に際して本発明の閉鎖システムは、導入用外筒を除去したあとできるだけ早く、または導入用外筒が穿刺部位から部分的に取り除かれる間に用いられることが望ましい。図2に示されているように挿入可能な先端部分32は、皮膚40の穿刺部位42を通る修復部位に挿入される。挿入深度ガイド15は、皮膚40の表面にそのガイド15が接触したところで挿入可能な部分32の侵入が止まることで挿入の深さを調節する。修復部位にインプラント部材をうまく輸送するために、使用者の手で突起30を握り、親指かけ26に指をかける。親指かけ26を押すことによって放出手段は距離「d」だけスライドする。これによってインプラント部材13が放出され、血管44の穿孔した穿刺部位42を直接覆うように輸送される。
図3により明瞭に示されているように、インプラント部材13は血管内腔44の内面に位置づけられるわけではなく、本発明によって実現できる挿入深度の調節により、インプラント部材の端面46が血管穿刺部位の上部の外側に直接位置づけられるように、むしろ血管外に輸送される。この放出されたインプラント部材13はインサイチューで急速に膨張し、この輸送装置がゆっくりと取り除かれる間に完全に穿刺部位を閉鎖する。
図3は閉鎖された穿刺部位の概略図である。このインプラント部材13は、かなり膨張したものとして示されており、このインプラント部材の周りの血液は、吸収され、コラーゲンにより誘導される止血メカニズムを通して凝固し血塊50を形成している。傷の包帯は符号52で示されている。
埋め込み可能で再吸収可能なインプラント部材13は、例えばタンパク質、多糖類などのような生物学的重合体から主として製造される。好ましくは、コラーゲンを基礎とした材料が、内在性の止血剤としての性質により用いられる。
I型〜XIV型のコラーゲンが、単独で、または組合せて、埋め込み可能なインプラント部材13を製造するために用いられうる。好ましくは、I型のコラーゲンが、大量入手が可能であり、単離および精製が容易であり、止血作用が既に証明されているため用いられる。I型のコラーゲンの主な供給源は、腱、皮膚、骨、及び靭帯である。ヒトの組織および動物の組織の両方が、コラーゲンを単離するために用いることができる。一般的には、地方の屠殺場から新鮮な状態で容易に入手できることから、動物の組織が好ましい。
埋め込み可能な部材13の調製において、まずI型のコラーゲンが単離され精製される。コラーゲン調製の概要は、「"Methods in Enzymology", vol. 82, pp. 33-64, 1982」に記載されている。特に、本発明のコラーゲンは以下の方法によって調製することができる。
まず、例えば皮膚、腱、靭帯、または骨などのI型コラーゲンの天然の供給源を、脂肪、筋膜、及びその他の付着物を初めに除去してから洗浄する。汚れのない洗浄されたコラーゲン含有材料は次に、切断または粉砕される。続いて骨の材料は脱塩処理にかけられる。これは塩酸のような酸溶液、またはエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のようなキレート剤の溶液を用いて行われる。
次にこの材料は、例えばエタノール、プロパノール類、エーテル類、またはエーテルおよびアルコールの混合物などの脂肪可溶化剤を用いて脱脂肪処理にかけられる。この脱脂肪処理されたコラーゲン含有材料は続いて、中性塩溶液で抽出することによって中性塩溶解物質が取り除かれる。典型的には、1MのNaCl溶液がこの目的を達成するために用いられる。このイオン強度の高い塩溶液は、可溶化され除去される非コラーゲン性材料の非特異的結合を弱める。塩で抽出されたコラーゲン含有材料は次に、脱イオン化された蒸留水で洗浄される。
中性塩で抽出されたコラーゲン含有材料は続いて、酸溶解性の非コラーゲン性材料を更に除去するために構造安定化性の塩の存在下で酸抽出が行われる。適用可能な酸は、酢酸、乳酸、塩酸、硫酸、燐酸、及びこれに類似の酸である。用いる酸にかかわらず、酸溶液のpHは3以下に調整される。用いられる塩には、塩化ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、またはこれらに類似の塩が含まれる。酸抽出は、コラーゲンと、溶解して除去される酸性の非コラーゲン性不純物との間の相互作用を弱める。
酸で抽出されたコラーゲンは次に、塩基を添加することによって、約6〜約7のpHにその等電点を調整することによって中和される。適用可能な塩基は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、及びこれに類似の塩基を含む。塩基を添加することによって、コラーゲンはコアセルベートになる。コアセルベート化されたコラーゲンはその後、ステンレス鋼のメッシュフィルターを用いて真空濾過するなどして、当業者によく知られた手段によって濾過される。
酸で抽出され、塩基で中和されたコラーゲンは続いて、脱イオン化された蒸留水で洗浄することによって中和工程で生成した塩の残渣を除去することができる。そして洗浄されたコラーゲンは、構造的安定化塩の存在下で塩基による抽出が行われる。このような塩基は、当業者によく知られた水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及びこれに類似の塩基を含む。用いた塩基にかかわらず、この溶液のpHは13以上に調節される。塩基による抽出は、コラーゲンと塩基性の非コラーゲン性不純物との間の相互作用を弱める。塩基を添加することによって非コラーゲン性材料は溶解されて除去される。この塩基はまた、コラーゲンに含まれるグルタミンとアスパラギンが一部脱アミド化して付加的なカルボキシル基を生成することに起因して等電点を低くする。塩基で抽出されたコラーゲンは続いて、濾過が簡単にできるように溶液から繊維を充分に分離するためにコラーゲン分散剤に酸を加えることによって、pHが約4.5〜5.5の等電点にpHが調節されてコアセルベート化される。このような酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、燐酸、及びこれに類似の酸が含まれる。次にコアセルベート化されたコラーゲンは濾過される。抽出溶液を捨てたあと、繊維を脱イオン化した蒸留水により洗浄することにより、抽出溶液の中和によって得られた塩の残さが除去される。こうして精製されたコラーゲンは、コラーゲンを埋め込むことのできる部材13の調製のために、冷凍庫で保存されるか、または凍結乾燥して保存される。
コラーゲンを埋め込むことのできる部材13を製造するために、まずコラーゲンの分散剤が、当分野においてよく知られた方法で調製される。このような調製の一つは、米国特許第3,157,524号に開示されており、それは完全に参照文献として本明細書に組み入れられる。
特に、本発明のコラーゲン分散剤は、以下の方法によって調製することができる。
精製されたコラーゲン材料はまず、コラーゲン繊維を膨張させるために1×10−4MのNaOH溶液中に分散させられる。このコラーゲン材料は次に、繊維が完全に分散するようにブレンダーまたはホモジナイザーを用いるような従来の手法によって均質化される。均質化されたコラーゲンはそれから、例えばステンレス鋼製のメッシュスクリーンに分散剤を通すことなどにより、当業者に周知の手段により、膨張しなかった集合体を除去するために濾過される。この分散剤のpHは0.01MのHClを添加することによって約7.4に調節される。塩基中に含まれる当初の分散剤は、コラーゲンのコアセルベート化を引き起こさないために、そしてpH7.4で更に均一の分散剤を得るために、等電点を通過することなく中和処理を行うことができる。続いてこの分散剤は真空にすることで空気が抜かれる。得られたコラーゲン分散剤は次に、自己膨張性で埋め込み可能な柔軟組織閉鎖装置を調製するために用いることができる。
分散剤に含まれるコラーゲンの量は、典型的には約0.5〜約5.0重量パーセントであり、好ましくは約0.75〜約2.0重量パーセントの範囲内にある。5.0以上の分散剤中のコラーゲンの重量パーセントは、分散剤を遠心分離機で遠心分離しその上清を捨てることによって得られる。一般に、分散剤にかかる遠心力が大きいほど、上澄みを捨てた後の分散剤に含まれるコラーゲンの重量パーセントは高くなる。
本発明の一つの態様において、このコラーゲン柔軟組織閉鎖システムが薬剤の輸送容器として機能するのであれば、I型のコラーゲンに加えて薬物添加剤をその分散剤に選択的に含ませてもよい。この薬物添加剤は、例えば、抗体類、トロンビン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸類、アルギン酸、キトサンなどのような多糖類、表皮成長因子、形質転換成長因子ベータ(TGF−β)などのような成長因子類、ファイブロネクチン、ラミニンなどのような糖タンパク質、II型〜XIV型のコラーゲン、及びこれらの混合物である。
コラーゲンの分散剤は、次に型に注入される。型の形状は、型の大きさが挿入可能な先端部分32の内径よりも大きくさえあれば、シリンダー状、方形状、球形状、または他の形状のどれでもよい。挿入可能な先端部分32の内部の直径(I.D.)が2mmであって、シリンダー状の埋め込み可能なコラーゲン部材13である場合には、この型の直径は好ましくは約3mm〜約15mmの範囲内であり、また型の高さは約5mm〜約25mmの範囲内である。
続いて分散剤を入れた型は、約−10℃〜約−50℃の温度に維持されている冷凍庫内に、その分散剤に含まれる水が凍る充分な時間、通常は約1〜約24時間放置される。凍った分散剤は次に、凍った水分を除去するために凍結乾燥が行われる。この凍結乾燥処理は、例えばバーティス(Virtis)、ストークス(Stokes)、またはハル(Hull)により製造されているような市販の凍結乾燥機中において、当業者に周知の条件で行われる。典型的には乾燥機チャンバー内の減圧空間は、約50μmHg〜約300μmHgの圧力で、約16時間〜約96時間の間温度が約−10℃〜約−50℃に維持されている。そして、この温度は、約3〜24時間かけて約25℃に上げられる。
凍結乾燥された高度に多孔性のコラーゲンマトリックスは次に、このコラーゲンマトリックスの形状を安定化させる目的で、付加的な分子間架橋構造を形成するために架橋処理が行われる。架橋は当業者によく知られた方法によって行われる。異なるコラーゲン分子の側鎖と結合できるアミノ基、水酸基、グアニジン基、カルボキシル基と化学的に反応できる試薬が、コラーゲンマトリックスを架橋するために用いることができる。これは硫酸クロム、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、アジピルクロライド、ヘキサメチレンジイソシアネート、及びこれらに類似の物質を用いて行うことができる。インビボでコラーゲンが再吸収される速度はコラーゲンマトリックスにおける分子間架橋の度合に依存している。架橋の程度を調節する因子は、架橋剤の種類および濃度、液相でインキュベートする際のpH、時間、および温度、または気相で架橋が行われる場合には架橋剤の蒸気圧、時間、温度、および相対湿度である。本発明のコラーゲンマトリックスは、コラーゲンが約2〜10週間で完全に再吸収される程度に架橋されていることが望ましい。
凍結乾燥されたマトリックスを適切に架橋すると、柔軟組織閉鎖装置として特殊な臨床への適用のための本発明のいくつかの非常に重要な性質が誘導される。効果的な架橋は、型の形状によって決められたマトリックスの物理的幾何学形状を固定する。したがってこのマトリックスは、圧力がこのマトリックスにかかった際に弾力的に振舞う。このことは、マトリックスが物理的に変形されるかまたは圧縮されるかした場合、外部圧力が緩和または開放されて元の形状と大きさに戻るか、または例えば穿刺部位の壁のような物理的障害に適合する程度に広がるということである。適切に架橋された凍結乾燥コラーゲンマトリックスが持つこのような弾力的な挙動性は、コラーゲンマトリックスが湿潤状態となった時、例えばコラーゲンマトリックスが穿刺部位で血液を吸収した時に特に現れる。これは、コラーゲンマトリックスの親水性およびドナン浸透圧の結果である。湿潤状態において変形または圧縮された状態から当初の形状に回復するまでの時間は、約1秒〜約60秒ほどで短い。この回復時間は望ましくは、約3秒〜約30秒である。
コラーゲンマトリックスを架橋することによってもたらされるもう一つの重要な性質は、圧縮状態から膨張状態に容積が膨張する能力である。本発明の架橋されたコラーゲンマトリックスの容積膨張能力は、本発明のマトリックスの全体の容積を決定する型の大きさによって制限される。マトリックスの総容積は型の幾何学形状によって決定される。典型的には、型がシリンダー形状である場合には、容積はシリンダーの底面積とシリンダーの高さによって決ってくる。穿刺部位閉鎖のために用いられる場合のマトリックスの望ましい容積は、用いた導入用外筒の特定の大きさに応じて決定される。特に、9F(約3mm)の導入用外筒が用いられる場合、シリンダー状マトリックスの望ましい寸法は、底面寸法が約6mm〜約15mmで、高さが約5mm〜約25mmである。このことは、圧縮されたマトリックスが輸送されて自己膨張することで、その容積が約3倍から20倍に大きくなることを意味している。
また、コラーゲンマトリックスを架橋することによって調節されるさらにもう一つの性質に密度がある。修復されるべき特定の穿刺部位と、物理的、化学的、及び生物学的必要性とに応じて圧縮されたマトリックスの密度は、約0.1g/cm 〜約1.30g/cm の範囲内であり、充分に膨張した状態でのマトリックスの密度は約0.01g/cm 〜約0.5g/cm の範囲内で変化するであろう。血管形成法またはこれに関連する方法により生じた穿刺部位を閉鎖するためには、通常、圧縮状態でのマトリックスの密度は約0.25g/cm 〜約1.0g/cmの範囲内で変化し、また充分に膨張した状態での密度は約0.02g/cm 〜約0.15g/cm の範囲内で変化する。
架橋されたコラーゲンマトリックスの他の性質は、多孔性構造である。充分に膨張した架橋されたコラーゲンマトリックスは、孔の平均径が約100μm〜約3,000μmである。平均の孔径は、圧縮状態では約0.5μm〜約50μmへと劇的に減少する。この架橋されたマトリックスの圧縮により、このマトリックスを輸送のための小さい容積に挿入することができ、そしてそれに続いて輸送されマトリックスが自己膨張することで、そのマトリックスが穿刺穴にうまく適合してそれを封鎖するのに必要な大きさにまで膨張することが可能になる。もちろんこの圧縮された架橋コラーゲンマトリックス材料からなるインプラントは、インプラントが自己膨張性の場合、このインプラントが穿刺部位の壁に圧力をかけることによってその壁に適合しその穿刺部位を効果的に閉鎖することができるような範囲及び大きさに膨張するように、閉鎖されるべき穿刺部位の大きさを考慮した特定の物理的寸法をもつように選択される。
本発明のコラーゲンマトリックスの架橋の程度は、マトリックスの熱収縮温度(T)、即ちコラーゲン分子の三重螺旋構造の開放の結果として、水性環境でそのマトリックスの寸法が縮み始める温度によって測定することができる。例えば示差走査熱量計による方法、またはカセトメーターを用いて寸法変化を測定する方法のような、材料の熱収縮温度を測定する方法が当業者によく知られている。
通常架橋の程度は、コラーゲンマトリックスの収縮温度が約50℃〜約75℃、好ましくは約55℃〜約65℃の範囲内にあるような程度である。
本発明の一態様において、コラーゲンマトリックスはホルムアルデヒド蒸気を用いて架橋される。商業的に入手したホルムアルデヒド蒸気、またはホルムアルデヒド溶液から発生させたホルムアルデヒドの蒸気のいずれかを用いることができる。特定すると、架橋は約80%〜約100%の範囲内の相対湿度、好ましくは約85%〜約95%の範囲内の相対湿度のチャンバー内で、過剰量のホルムアルデヒド蒸気の雰囲気下、温度が約25℃で約30分から8時間かけて進行する。とりわけ、1%のホルムアルデヒド溶液から25℃で発生するホルムアルデヒド蒸気によって95%の湿度で60分間架橋させると、熱収縮温度が約55℃〜約65℃で充分に膨張した状態の密度が0.02g/cm〜約0.15g/cmのコラーゲンマトリックスを製造することができる。
架橋されたコラーゲンマトリックスは続いて、水蒸気処理が行われる。購入できる水蒸気スプレーはこの目的を達成するのにふさわしい。コラーゲンマトリックスは約10秒から約60秒でスプレーされ、その間にコラーゲンマトリックスは容器中約25℃で崩壊する。マトリックスを処理した水蒸気を次に、約30分間密閉容器中で平衡化することによって、次に行われる圧縮工程のためにマトリックスを更に柔軟にする。この水蒸気処理を行った結果としてコラーゲンマトリックスは、乾燥材料の重量を基準として、約10重量%〜40重量%の水を取り込んでいる。この水蒸気処理されたコラーゲンマトリックスは次に、機械的な圧縮にかけられて挿入可能な部分32に適合するためにその大きさを減少させる。特にマトリックスがシリンダー状の場合では、底面積が挿入可能な部分32のI.D.と大きさがほぼ同じになるまで減少するように、機械的圧縮は放射方向にかけられる。通常圧縮されたコラーゲンマトリックスは、圧縮されていないマトリックスの約1/100〜1/3の容積になっている。次に圧縮された埋め込み可能な部材13は挿入可能な先端部分32に挿入される。この時点で充填された柔軟組織閉鎖システムは安全性確保のため個別に包装される。
マトリックスの架橋、水蒸気処理、及び機械的圧縮は本発明の重要な点である。更に重要なのは、本発明で開示されたような操作の順序が、コラーゲンマトリックスの望ましい性質を提供するためには重要であるということである。密度、多孔性構造、及び圧縮されたコラーゲンインプラント部材の膨張範囲が、このコラーゲンマトリックスが得られるかどうかに直接的にかかわっている。例えば、本発明から水蒸気処理、機械的圧縮、及びマトリックスの架橋の順序を変えると圧力が開放された時に自己膨張せず、血液吸収能力のないマトリックスになってしまうであろう。
経皮的穿刺部位の閉鎖についてのみを、本発明を説明するための例として記述してきたが、本発明の範囲及び本旨を逸脱することなく種々の変形、修飾、及び応用を行うことができることが理解できるであろう。
本発明の上述の、またはその他の目的、効果、及び特徴は、以下の実施例からよりよく理解できるであろう。
コラーゲン分散剤の調製
ウシの屈筋の腱から脂肪と筋膜を注意深く除去し、取り除き、水で洗浄した。きれいにされた腱を凍結して、肉のスライサーで0.5mmのスライスに薄切りにすることによって小さくした。腱は初めに、イソプロパノール(腱:イソプロパノール = 1:5 容積比)で8時間、25℃で一定に攪拌しながら脱脂肪した。その抽出溶液を捨て、次に等容量のイソプロパノールを加えてから、腱のスライスを攪拌しながら一晩25℃で抽出した。次にその腱を、脱イオン化された蒸留水で多数回洗浄することによって残っていたイソプロパノールを除去した。脱脂肪された腱を次に、10容量の1.0M NaClを用いて攪拌しながら4℃で24時間抽出した。この塩で抽出された腱を、脱イオン化された蒸留水で洗浄した。この繊維を次に、10容量の1M NaOHを用いて25℃で24時間、1MのNa2SO4の存在下で一定に攪拌しつつ抽出した。それからこのアルカリ抽出されたコラーゲンを濾過することによって集め、0.1MのHClを用いて中和してから繊維を集めて洗浄することによって残っていた塩を除去し、そして凍結させた。
上記のように精製された繊維のアリコートをまず1×10−4MのNaOH溶液に懸濁する。用いた繊維と塩基の量は、1.5%(重量/容積)のコラーゲン懸濁液になるような量である。膨張した繊維は次に、60秒間ステンレス鋼製の混合機中でホモジナイズする。信頼性のある分散コラーゲン材料を40μmステンレス鋼メッシュを通して濾過する。次にこの分散剤のpHを0.01MのHClを添加することによって約7.4に調節する。それからこの分散材料を真空にして脱気し、使用するまで4℃で貯蔵する。
コラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの調製
実施例1により調製されたコラーゲン分散剤を、直径が15mmで高さが10mmのステンレス鋼製の型内に注入する。次にこのコラーゲンを入れた型を、バーティス(Virtis)社製の凍結乾燥機を用いた凍結乾燥法にかける。凍結乾燥の条件は、−40℃で6時間凍結し、150μmHgの圧力で−10℃で24時間乾燥し、続いて25℃で8時間乾燥が行われる。続いてこの凍結乾燥されたコラーゲンマトリックスを、過剰量のホルムアルデヒド蒸気(1%のホルムアルデヒド溶液から25℃で発生する)を含有する架橋用チャンバー内で、25℃で95%の相対湿度で60分間、ホルムアルデヒド蒸気架橋を行う。架橋されたコラーゲン材料を10秒間水蒸気を用いてスプレーし、続く30分間で閉じた容器内で平衡にする。次に、この水蒸気処理したマトリックスを、2.5mmのギャップを持つ二枚のガラスプレートの間で回転することによって圧縮させることで、直径15mmのスポンジ状マトリックスを約2.5mmに減少させることができる。圧縮されたコラーゲンマトリックスを次に、I.D.が2.5mmでO.D.が3.0mmのあらかじめ製造されたインプラント輸送手段(図1に示された部材11)に挿入する。
トロンビン存在下でのコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの調製
実施例1により得られたコラーゲン分散剤をトロンビンとともに均一に混合する(コラーゲン:トロンビン = 10:1 重量比)。次にこの入念に混合されたコラーゲン/トロンビンを含むゲルを、実施例2に記載したようなステンレス鋼製の型に注入する。この一連の工程は実施例2と同じである。
コラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの特徴
a)密度(g/cm
圧縮状態及び充分に膨張した状態における柔軟組織閉鎖用インプラントの明白な密度は、乾燥重量を得るためにコラーゲンマトリックスを初めに計ることによって測定される。次にこのマトリックスの容積は、スポンジの半径と高さから次の式にあてはめて決定される。V = π × r × h:ここでrはマトリックスの半径、hはマトリックスの高さである。本発明のコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの密度は、圧縮されたマトリックスでは約0.10g/cm 〜約1.30g/cm、そして充分に膨張したマトリックスでは約0.01g/cm〜約0.5g/cmの範囲内にある。
b)膨張度(cm /cm
膨張度は、柔軟組織閉鎖用装置の単位容積あたりのマトリックスの膨張容積として定義される。圧縮されたコラーゲンマトリックスの容量はまず、マトリックスの寸法を計ることによって測定される。次にコラーゲンマトリックスをpH7.4で5分間、25℃で緩衝液中に浸漬する。それから、膨張した湿潤状態のマトリックスの容積が測定される。コラーゲンマトリックスの膨張度(cm/cm)は、膨張したマトリックスの容積を圧縮状態のマトリックスの容積で割ることによって計算される。本発明にかかるコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの膨張能力は、約3cm/cm〜約100cm/cmの範囲内である。
c)孔径(μm)
孔径は、圧縮状態と完全に膨張した状態とにおけるコラーゲンインプラントの断面についての走査型エレクトロンマイクログラフ(SEM)から得られる。圧縮されたマトリックスの孔径は、圧縮された孔の隙間の距離として定義される。膨張状態のマトリックスの孔径は、孔の開口の最大距離および最小距離の平均として定義される。本発明にかかるコラーゲンマトリックスの孔径は、圧縮状態のインプラントでは約0.5μm〜約50μmの範囲内であり、充分に膨張した状態のインプラントでは約100μm〜約3,000μmの範囲内である。
d)緩和回復時間(秒)
圧縮状態にある本発明のコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントを、pHが7.4の25℃に調節された緩衝液に使い捨ての輸送手段から押し出す。圧縮されたマトリックスは緩和して水和し、充分に膨張した状態になるまで自己膨張する。この充分な膨張状態に回復するのにかかる時間が記録される。本発明の緩和回復時間は約1秒〜約60秒の範囲内である。
e)収縮温度(℃)
10mgのコラーゲンマトリックスの試料をまず、pH7.4の緩衝液に入れて湿潤する。この試料をアルミニウム製の試料ペンに密封して、示差走査熱量計の試料ホルダーに挿入する。緩衝液を参照として用いる。加熱速度は5℃/分である。収縮温度は、温度のプロットに対する熱容量からの吸熱ピークの兆候として定義される。本発明のコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの熱的収縮温度は、約50℃〜約75℃の範囲内である。
コラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントの使用方法
適当な大きさのコラーゲン柔軟組織閉鎖用インプラントを、導入用外筒を徐々に除去させながら、穿刺部位に挿入する。コラーゲンインプラントを穿刺部位に放出し、インサイチューで5分間、充分に水和させて自己膨張させる。続いて分散した輸送手段をゆっくりと引き抜く。次に5分〜10分その傷にわずかに圧力をかけることで完全に止血して傷を閉鎖する。
柔軟組織部位を閉鎖するための使用方法
適当な大きさの輸送手段を、目的とする組織に穿孔部位を通して挿入する。続いて、このコラーゲンインプラントを、ピストンによって管状輸送手段からその組織部位に押し出し、その一方で輸送手段をゆっくりと引き抜く。コラーゲンインプラントは自己膨張して柔軟組織の空隙を埋める。
本発明は、その本旨または本質的なの特徴から逸脱することなく他の特別な態様でも実施することができる。したがって、本態様はすべて、例を示すためのものであり、限定を目的とするものではないと考えるべきであり、本発明の範囲は前述の説明よりむしろ添付した請求の範囲によって示される。
図1は、本発明の一態様の柔軟組織閉鎖システムを長軸方向に切断した断面図である。この柔軟組織閉鎖システムは、インプラント輸送手段およびその内部に配設されたインプラントを含む。 図2は、経皮的穿刺部位において、再吸収可能なインプラントを輸送するシステムの使用を示す断面図である。 図3は、適所に位置する再吸収可能なインプラントを示す断面図である。

Claims (3)

  1. a)コラーゲンを含む水性分散液を生成し、
    b)該水性分散液を型に注入し、
    c)該水性分散液を凍結乾燥してコラーゲンマトリックスを形成し、
    d)該コラーゲンマトリックスを架橋剤を用いて処理することにより架橋し、
    e)該架橋されたコラーゲンマトリックスを水蒸気とともに噴霧し、
    f)該水蒸気処理されたコラーゲンマトリックスを圧縮すること
    を含む、自己膨張性で再吸収可能なコラーゲンインプラントを製造する方法。
  2. 分散液がさらに、抗体、成長因子、トロンビン、グリコサミノグリカン、プロスタグランジン、II型〜XIV型のコラーゲン、糖タンパク質、ファイブロネクチン、ラミニン、およびその混合物を含む薬剤を含有する、請求の範囲1の方法。
  3. 架橋剤がホルムアルデヒドである請求の範囲1の方法。
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