JP4223256B2 - ディスクアレイ装置、及びその制御方法 - Google Patents

ディスクアレイ装置、及びその制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディスクアレイ装置、及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に示すように、ディスクアレイ装置(記憶装置,ディスクサブシステム)は、ディスク制御部及びディスク駆動部を備える。ディスク制御部は、上位装置(ホスト)からデータ転送要求を受け付けてデータの送受を実行する。ディスク駆動部は、HDD(ハードディスクドライブ)を含み、ディスク制御部の制御に応じ、HDDに対してデータの書き込み及び読み出しを実行する。ディスク駆動部は適宜に増設が可能であって、ディスクアレイ装置の記憶容量を拡張できる。
【0003】
ディスク制御部について説明すると、図8に示すように、上位I/F制御論理部、キャッシュ(cache, メモリ)、HDDのI/F制御論理部、電源、及びその電源監視部を備える。上位I/F制御論理部は、上位装置とのインターフェースを担い、データ転送要求を受け付ける処理等を実行する。キャッシュは、上位装置から転送された、ディスク駆動部に書き込むべきデータを一時的に記憶する。HDDのI/F制御論理部は、HDDとのデータの送受(読み出しや書き込み)に関するインターフェースを担う。電源は、ディスク制御部用に独立した交流入力(AC1)から所定の直流出力を生成して、上位I/F制御論理部、キャッシュ(メモリ)及びHDDのI/F制御論理部に対し、動作電源(例えば、特開昭62−202228号公報,第1図,符号40参照)を供給する。電源監視部は、外部の交流入力や電源の直流出力の状態を監視し、上位I/F制御論理部及びHDDのI/F制御論理部へ、その監視結果を報告する。
【0004】
ディスク駆動部について説明すると、図8に示すように、各ディスク駆動部は、HDDのI/F制御論理部、HDD及び電源を備える。HDDのI/F制御論理部は、ディスク制御部側のHDDのI/F制御論理部及びHDDと、データの送受を行なう。電源は、各ディスク駆動部用に独立した交流入力(AC2あるいはAC3)から所定の直流出力を生成して、HDD及びHDDのI/F制御論理部に対し、動作電源(例えば、特開昭62−202228号公報,第1図,符号20参照)を供給する。
【0005】
図8に示す従来例では、各交流入力(AC1乃至AC3)には、UPS(Uninterruptible Power Supply, 無停電電源)が接続される。各UPSは、交流入力が正常の場合には、そのまま交流入力をディスク制御部またはディスク駆動部の電源へ供給する。一方、各UPSは、交流入力が消失すると、二次電池等のバックアップ用補助電源から動作電源を各部へ供給する。例えば、ディスク制御部用のUPSは、1分間以上の電源消失等で停電状態と判定すると、ディスク制御部の電源監視部に報告する。電源監視部から報告を受けたHDDのI/F制御論理部は、キャッシュに一時的に書き込まれたデータをディスク駆動部のHDDに書き込むよう制御する。このことで、交流入力が消失した場合のデータの保証を行なう(デステージ処理)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−202228号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した図8に示すような従来例において、各ディスク駆動部には電源監視部が設けられていない。このため、ディスク駆動部側のみで電源障害が生じ、ディスク制御部側で電源障害が生じていない場合に不具合が生じる。
その不具合の一例としては、ディスク制御部側で、ディスク駆動部の電源状態を監視できないため、あるディスク駆動部に電源障害が発生してもディスク制御部は把握できないことにある。
【0008】
すなわち、電源障害の発生したディスク駆動部への書き込みデータが上位装置からディスク制御部へ転送されても、その電源障害の発生を監視できないディスク制御部は、際限なく書き込みデータの転送を受け入れてしまう。転送されてきた書き込みデータは、キャッシュに一時的に記憶された上、補助電源(バッテリバックアップ)からの電源で動作中のディスク駆動部へ転送されてしまう。電源障害の発生を検知できないディスク制御部によって、電力容量に限りある補助電源(バッテリバックアップ)で動作中のディスク駆動部に対し、このようなデータ転送が際限なく続けられると問題となる。
【0009】
また、このように、データ転送が際限なく続けられる可能性を鑑みると、補助電源の電力容量を正確には見積れない。つまり、電源障害を回復するに要する時間の範囲を想定しておき、この回復時間を最大とした場合を補助電源の電力容量とする。その結果、電力容量が最大となる補助電源の外形寸法も最大となる。あるいは、ディスクアレイ装置全体の小型化を優先視し、補助電源の外形寸法を最小化すべく、電力容量を最小限とする。その結果、電源障害の回復時間を最短で想定することとなる。いずれにせよ、補助電源の電力容量を適切に規定できるとは言えない。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明が提供する主たる技術では、上位装置からデータ転送要求を受け付けてデータの送受を実行するディスク制御部と、前記ディスク制御部の制御に応じてデータの書き込み及び読み出しを実行する複数のディスク駆動部とを備えたディスクアレイ装置において、
前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれは、交流入力から所定の直流出力を生成する電源、前記電源の出力電圧が正常であるか否かを監視する電源監視部及びバックアップ用補助電源を有し、前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常でないと判定した場合に、前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されるように回路を構成し
前記各ディスク駆動部の前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常であるか否か判定した結果を前記ディスク制御部が取得可能に、前記ディスク駆動部の前記電源監視部は前記ディスク制御部と接続されてなり、
前記ディスク制御部は、前記複数のディスク駆動部のいずれかの前記電源監視部から障害の報告を受けた場合に、障害の発生した前記ディスク駆動部に対するデータ転送の停止を前記上位装置に要求し、
前記障害の発生したディスク駆動部宛てのデータが前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みの場合、前記障害の発生したディスク駆動部において前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されている間に、前記障害の発生したディスク駆動部は前記キャッシュから前記データを読み出して、当該データを障害が発生していない他のディスク駆動部のスペアディスクに書き込む
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0011】
【発明の実施の形態】
=====発明の概要=====
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次の事項が明らかとなる。
上位装置からデータ転送要求を受け付けてデータの送受を実行するディスク制御部と、ディスク制御部の制御に応じてデータの書き込み及び読み出しを実行するディスク駆動部とを備えたディスクアレイ装置において、前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれは、電源監視部及びバックアップ用補助電源を有し、前記電源監視部の監視結果に応じて前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給され、前記各ディスク駆動部の前記電源監視部の監視結果を前記ディスク制御部が取得可能に、前記ディスク駆動部の前記電源監視部は前記ディスク制御部と接続されてなる。
【0015】
自己の前記電源監視部から障害の報告を受けた前記ディスク制御部は、データ転送の停止を前記上位装置に要求することとする。
【0016】
前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みのデータが、障害の発生していない前記ディスク駆動部に書き込まれることとする。
【0017】
上位装置からデータ転送要求を受け付けてデータの送受を実行するディスク制御部と、前記ディスク制御部の制御に応じてデータの書き込み及び読み出しを実行するディスク駆動部とを備え、前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれが、交流入力から所定の直流出力を生成する電源、前記電源の出力電圧が正常であるか否かを監視する電源監視部及びバックアップ用補助電源を有するディスクアレイ装置の制御方法であって、前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれが、自己の前記電源監視部から自己の電源の出力電圧が正常であるか否かを判定した結果を受け取るステップと、前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれが、前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常でないと判定した場合に、前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されるように回路を構成するステップと、前記各ディスク駆動部の前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常であるか否か判定した結果を前記ディスク制御部が取得するステップと、前記ディスク制御部は、前記複数のディスク駆動部のいずれかの前記電源監視部から障害の報告を受けた場合に、障害の発生した前記ディスク駆動部に対するデータ転送の停止を前記上位装置に要求するステップと、前記障害の発生したディスク駆動部宛てのデータが前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みの場合、前記障害の発生したディスク駆動部において前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されている間に、前記障害の発生したディスク駆動部は前記キャッシュから前記データを読み出して、当該データを障害が発生していない他のディスク駆動部のスペアディスクに書き込むステップとを備えることとする。
【0021】
自己の前記電源監視部から障害の報告を受けた前記ディスク制御部は、データ転送の停止を前記上位装置に要求するステップを更に備えることとする。
【0022】
前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みのデータが、障害の発生していない前記ディスク駆動部に書き込まれるステップを更に備えることとする。
前記バックアップ用補助電源からの電源供給をオンオフするスイッチ回路を備え、前記電源監視部が、前記電源の出力電圧を監視して正常か否かを判定し、前記電源の出力電圧の異常を検知した場合に、前記バックアップ補助電源からの電源供給をオンするように前記スイッチ回路に選択信号を送信することとする
前記電源監視部は、前記電源の出力電圧を基準電圧と比較して、前記電源の出力電圧が正常か否かを判定するコンパレータ回路と、前記コンパレータ回路からの出力に基づいて、コレクタ信号を前記選択信号として前記スイッチ回路に送出する第1のトランジスタと、前記コンパレータ回路からの出力に基づいて、前記電源の異常を示すコレクタ信号を前記ディスク制御部に送出する第2のトランジスタとを備えることとする
【0023】
=====実施例=====
図1に示すように、ディスクアレイ装置(記憶装置,ディスクサブシステム)1000は、ディスク制御部100及び一又は複数のディスク駆動部200を備える。ディスク制御部100は、ディスクアレイ装置1000全体を統括して制御する。ディスク制御部100は、例えば、上位装置(ホスト)からデータ転送要求を受け付けてデータの送受を実行する。ディスク駆動部200は、HDD(ハードディスクドライブ)を含み、ディスク制御部100の制御に応じ、HDDに対してデータの書き込み及び読み出しを実行する。ディスク駆動部200は、ディスクアレイ装置1000の記憶容量を拡張すべく、適宜に増設が可能である。
【0024】
ディスク制御部100について説明する。ディスク制御部100は、その制御機能を実現する電子部品が実装された基板で構成される。この実装された電子部品としては、マイクロプロセッサ、RAM、キャッシュ、所定の機能を実現するプログラムを格納したROM等の周辺回路、及び各種機能を実現する専用の回路やチップである。ディスク制御部100は、図1に示すように、上位I/F制御論理部110、キャッシュ(メモリ)120、HDDのI/F制御論理部130を備えるとともに、電源140、その電源監視部150、及びバッテリバックアップ(バックアップ用補助電源)160を備える。
【0025】
上位I/F制御論理部110は、上位装置とのインターフェースを担い、データ転送要求の受け付けの処理等を実行する。キャッシュ120は、上位装置から転送された、ディスク駆動部200に書き込むべきデータを一時的に記憶する。HDDのI/F制御論理部130は、HDDとのデータの送受(読み出しや書き込み)に関するインターフェースを担う。
【0026】
電源140は、ディスク制御部100用に独立した交流入力(AC1)から所定の直流出力を生成して、上位I/F制御論理部110、キャッシュ(メモリ)120及びHDDのI/F制御論理部130に対し、動作電源を供給する。バッテリバックアップ160は、上位I/F制御論理部110、キャッシュ120及びHDDのI/F制御論理部130への給電経路が接続されている。この給電経路中には、電源供給をオンオフするスイッチSWが介挿されており、このスイッチSWは電源監視部150からの選択信号でもってオンオフする。
【0027】
電源監視部150は、電源140の直流出力の状態を監視し、上位I/F制御論理部110及びHDDのI/F制御論理部130へ、その監視結果を報告する。また、電源監視部150は、電源に異常が発生した事を検知すると、バッテリバックアップ160から動作電源が各部へ供給されるべく、スイッチSWに選択信号を送信する。
【0028】
ディスク駆動部200について説明する。図1に示すように、電源監視部240が、各ディスク駆動部200にも設けられる。すなわち、各ディスク駆動部200は、HDDのI/F制御論理部210、HDD220、電源230、電源監視部240、及びバッテリバックアップ(バックアップ用補助電源)250を備える。HDDのI/F制御論理部210は、ディスク制御部100側のHDDのI/F制御論理部130を介してデータの送受を行なう。電源230は、各ディスク駆動部200用に独立した交流入力(AC2あるいはAC3)から所定の直流出力を生成して、HDDのI/F制御論理部210及びHDD220に対し、動作電源を供給する。バッテリバックアップ250は、HDDのI/F制御論理部210及びHDD220への給電経路が接続されている。この給電経路中には、電源供給をオンオフするスイッチSWが介挿されており、このスイッチSWは電源監視部240からの選択信号でもってオンオフする。
【0029】
電源系統について、各電源監視部240は、電源230の出力電圧が正常の場合に、スイッチSWに選択信号を送出し、電源230からの動作電源が各部へ供給されるようにする。一方、各電源監視部240は、電源230の出力電圧の異常を検知した場合に、スイッチSWに選択信号を送出し、バッテリバックアップ250からの動作電源が各部へ供給されるようにする。また、各電源監視部240は、例えば1分間以上の電源消失等で停電状態と判定すると、ディスク制御部100における上位I/F制御論理部110及び、HDDのI/F制御論理部130に報告する。ディスク駆動部200における電源監視部240から報告を受けたHDDのI/F制御論理部130は、バッテリバックアップ250からの動作電源がディスク駆動部200の各部に供給されている間に、キャッシュ120に一時的に書き込まれたデータをディスク駆動部200のHDD220に書き込む。このことで、交流入力AC2,AC3が消失した場合のデータの保証を行なう(デステージ処理)。
【0030】
ディスク制御部100及びディスク駆動部200における電源の具体的な構成としては、AC/DC電源、または、AC/DC電源及び直流安定化電源(DC-DCコンバータ)の組み合わせで構成され、所定の電圧(例えば12Vまたは5V)を出力する。AC/DC電源は、例えば頒布された刊行物(例えば「トランジスタ技術 SPECIAL No.28」第2版第7頁図1,CQ出版株式会社,1993年1月20日発行)に記載されているような周知の電源装置を採用する。また、直流安定化電源としては、降圧型のDC-DCコンバータの他、よく知られたレギュレータを採用できる。例えば、頒布された刊行物(「トランジスタ技術 SPECIAL No.28」第2版第4頁図4乃至図6,CQ出版株式会社,1993年1月20日発行)に記載されているような種々の方式の電源装置を直流安定化電源として採用する。
【0031】
また、ディスク制御部100及びディスク駆動部200におけるバッテリバックアップ160,250は、鉛蓄電池等の二次電池で構成される。図2に示すように、二次電池BATの出力電圧は逆流防止ダイオードD3を通じてスイッチSW側へ供給される。このバッテリバックアップ160,250としては、UPSとして機能する補助的な電力供給手段であれば、二次電池に限らず、種々の代替手段の使用が可能である。
【0032】
さらに、ディスク制御部100及びディスク駆動部200における電源監視部150,240の具体的な回路構成としては、図2に示すように、電源の出力電圧を監視して正常か否かを判定し、その判定結果をディスク制御部100へ報告するとともに、スイッチSWへの選択信号の送出を行うべく、所定のロジック回路で構成される。電源の出力電圧を監視して正常か否かを判定する部分については、比較器としてコンパレータCOMを用いる。すなわち、コンパレータCOMの入力端子には、所定の基準電圧Vref(+端子)と電源の出力電圧(−端子)とが入力される。コンパレータCOMは、電源の出力電圧が所定の基準電圧Vrefより低下すると、出力を反転する。この反転した出力に基づき、各トランジスタTr1,Tr2がオンする。オンされたトランジスタTr1のコレクタ信号でもって、バッテリバックアップからの動作電源を各部へ供給すべくスイッチSWへの選択信号の送出が行なわれる。また、オンされたトランジスタTr2のコレクタ信号でもって、電源の異常がディスク制御部100へ報告される。
【0033】
電源障害がディスク駆動部200である場合について、より具体的に、図3のブロック図を参照して説明する。ディスク駆動部200の電源監視部240が電源230の障害を検知すると(図中▲1▼)、バッテリバックアップ250からの動作電源を各部へ供給する(図中▲2▼)。同時に、ディスク駆動部200の電源監視部240は、ディスク制御部100の上位I/F制御論理部110及びHDDのI/F制御論理部130へ、その監視結果を報告する(図中▲3▼)。ディスク駆動部200の電源監視部240から電源障害の報告を受けたディスク制御部100の上位I/F制御論理部110は、電源障害の発生したディスク駆動部200に対するデータ転送の停止を上位装置に要求する(図中▲4▼)。このことで、ディスク制御部100は、電源障害の発生したディスク駆動部200に対するデータ転送要求の受け付けを停止する。そして、電源障害の発生したディスク駆動部200宛てのデータがディスク制御部100のキャッシュ120に書き込み済みの場合、当該データをキャッシュ120から読み出して電源障害の発生したディスク駆動部200のHDD220へ書き込む(図中▲5▼,デステージ処理)。
【0034】
このような構成により、ディスク制御部100は、ディスク駆動部200の電源監視部240から電源障害の報告を受けることができる。このため、ディスクアレイ装置1000全体として、電源障害の発生したディスク駆動部200を動作の停止範囲として明確化することができる。このため、ディスク制御部100は、電源障害の発生したディスク駆動部200に対するデータ転送の停止を上位装置に要求し、データ転送を停止させることができる。このことで、データ転送の信頼性を向上できる。また、ディスク駆動部200が電源障害状態に陥っても、バッテリバックアップ250がディスク駆動部200の動作電源を供給する。このため、ディスク制御部100のキャッシュ120に書き込み済みのデータは、正常にHDD220に書き込まれる。したがって、電源障害が発生する直前までのデータを保護し、データ転送の信頼性を向上できる。さらに、キャッシュ120に記憶できる最大量のデータをディスク駆動部200のHDD220へ書き込むに要する電力について、これをバッテリバックアップ250の適正な電力容量として規定可能となる。
【0035】
電源障害がディスク制御部100である場合について、図4のブロック図を参照して説明する。ディスク制御部100の電源監視部150は、電源140の障害を検知すると(図中▲1▼)、バッテリバックアップ160からの動作電源を各部へ供給する(図中▲2▼)。同時に、ディスク制御部100の電源監視部150は、ディスク制御部100の上位I/F制御論理部110及びHDDのI/F制御論理部130へ、その監視結果を報告する(図中▲3▼)。電源監視部150から電源障害の報告を受けた上位I/F制御論理部110は、データ転送の停止を上位装置に要求する(図中▲4▼)。そして、各電源監視部240が正常の報告をしているディスク駆動部200を検出し(図中▲5▼)、電源障害の発生していない正常なディスク駆動部200のHDD220に対し、キャッシュ120に書き込み済みのデータを書き込む(図中▲6▼)。
【0036】
各ディスク駆動部200に電源監視部240を設けたことにより、正常動作するディスク駆動部200を判別できる。この結果、電源障害がディスク制御部100で発生しても、バッテリバックアップ160がディスク制御部100の動作電源を供給する。このため、ディスク制御部100のキャッシュ120に書き込み済みのデータを正常なディスク駆動部200のHDD220に書き込むことができる。したがって、電源障害が発生する直前までのデータを保護し、データ転送の信頼性を向上できる。
【0037】
また、本発明をティスクアレイ装置のバーチャリゼーション化に適用した事例について、図5のブロック図及び前述した図1を参照して説明する。図5に示すように、例えば、遠隔地にあるディスク駆動部200も併せた複数のディスク駆動部200をまとめて一つのディスクとして管理運用する場合に本発明を適用する。本発明では、あるディスク駆動部200に電源障害が起きた場合、図5及び図1に示すように、ディスク駆動部200の電源監視部240が電源230の障害を検知すると(図5中▲1▼)、バッテリバックアップ250からの動作電源を各部へ供給する(図5中▲2▼)。同時に、ディスク駆動部200の電源監視部240は、ディスク制御部100の上位I/F制御論理部110及びHDDのI/F制御論理部130へ、その監視結果を報告する(図5中▲3▼)。ディスク駆動部200の電源監視部240から電源障害の報告を受けたディスク制御部100の上位I/F制御論理部110は、電源障害の発生したディスク駆動部200宛てのデータがディスク制御部100のキャッシュ120に書き込み済みの場合、当該データをキャッシュ120から読み出して正常な他のディスク駆動部200のHDD220へ書き込む(図中▲5▼)。そして、ディスク制御部100は、電源障害が回復するまで正常な他のディスク駆動部200を利用して稼働する(図中▲5▼)。一方、電源障害が発生していない他(遠隔地のものも含む)のディスク駆動部200は、正常稼働中である旨の報告をディスク制御部100へ報告する(図中▲4▼)。
【0038】
すなわち、各ディスク駆動部200に設けられた電源監視部が機能し、ディスクアレイ装置全体としては正常状態を維持できる。このため、部分的な電源障害が起きても、正常動作しているディスク駆動部200でもってデータの読み出しや書き込みといった処理を行える。
【0039】
また、スペアディスクを用いたデータの保証について、図6(a)(b)のブロック図及び前述した図1を参照して説明する。本発明では、図6に示すように、各ディスク駆動部200a,200bの電源監視部240a,240bが電源供給の状態を監視し、ディスク制御部100へ報告する。この報告に応じて、ディスク制御部100は、データの退避等の電源障害対策を実行する。すなわち、図6(b)のブロック図に示すように、本来、電源障害の発生したディスク駆動部200aに書き込むべきデータを別のディスク駆動部200bのスペアディスクへ書き込むことが可能となる。
【0040】
具体的な動作としては、図6(a)(b)及び図1に示すように、ディスク駆動部200の電源監視部240が電源230の障害を検知すると(図6(b)中▲1▼)、バッテリバックアップ250からの動作電源を各部へ供給する(図6(b)中▲2▼)。同時に、ディスク駆動部200の電源監視部240は、ディスク制御部100の上位I/F制御論理部110及びHDDのI/F制御論理部130へ、その監視結果を報告する(図6(b)中▲3▼)。ディスク駆動部200の電源監視部240から電源障害の報告を受けたディスク制御部100の上位I/F制御論理部110は、電源障害の発生したディスク駆動部200宛てのデータがディスク制御部100のキャッシュ120に書き込み済みの場合、当該データをキャッシュ120から読み出して別のディスク駆動部200bのスペアディスクへ書き込む(図6(b)中▲5▼)。そして、ディスク制御部100は、電源障害が回復するまで正常なディスク駆動部200bのスペアディスクを利用して稼働する(図6(b)中▲5▼)。一方、電源障害が発生していない他(遠隔地のものも含む)のディスク駆動部200は、正常稼働中である旨の報告をディスク制御部100へ報告する(図6(b)中▲4▼)。
【0041】
次に、図7に示すように、複数のディスクアレイ装置(図中、ディスクサブシステム)1000a,1000bのそれぞれは、分電盤が互いに独立した交流入力、すなわち、互いに電源境界の異なる交流入力から電源を得ている。これら互いに電源が独立したディスクアレイ装置1000a,1000b間で、データをリモートコピー若しくは同時に書き込む(ミラーリング)する。すなわち、図中、上段のディスクアレイ装置1000aが電源障害でシステムダウンしても、下段のディスクアレイ装置1000bに、データをリモートコピー若しくは同時に書き込むことで、データの保証を確保する。
【0042】
具体的な動作としては、図7及び図1に示すように、ディスクアレイ装置1000aにおいて、ディスク制御部100の電源監視部150、又は、ディスク駆動部200の電源監視部240が電源140の障害を検知すると(図7中▲1▼)、バッテリバックアップ160,250からの動作電源を各部へ供給する(図7中▲2▼)。同時に、ディスクアレイ装置1000aにおいて、ディスク制御部100の電源監視部150、又は、ディスク駆動部200の電源監視部240は、ディスク制御部100の上位I/F制御論理部110、又はHDDのI/F制御論理部130へ、その監視結果を報告する。ディスクアレイ装置1000aにおいて、電源監視部150から電源障害の報告を受けた上位I/F制御論理部110は、データ転送の停止、及び、データの読み出しや書き込み処理の相手先をディスクアレイ装置1000aからディスクアレイ装置1000bへ変更する旨を上位装置に要求する(図7中▲3▼)。そして、ディスクアレイ装置1000aのディスク制御部100は、ディスクアレイ装置1000bの各電源監視部150,240が正常の報告をしていることを確認する(図7中▲4▼)。この正常確認を行ったディスクアレイ装置1000aのディスク制御部100は、ディスクアレイ装置1000aにおける必要なデータを正常なディスクアレイ装置1000bへコピーさせる(図7中▲5▼)。そして、上位装置は、データの読み出しや書き込み処理の相手先を本来のディスクアレイ装置1000aからディスクアレイ装置1000bへ変更する(図7中▲6▼)。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0044】
本発明の実施の形態にあっては次の効果を奏する。
ディスク制御部は、ディスク駆動部の電源監視部から障害の報告を受けることができる。このため、ディスクアレイ装置全体として、障害の発生したディスク駆動部を動作の停止範囲として明確化することができる。このため、ディスク制御部は、障害の発生したディスク駆動部に対するデータ転送の停止を上位装置に要求し、データ転送を停止させることができる。このことで、データ転送の信頼性を向上できる。
【0045】
また、ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みのデータを電源障害の発生したディスク駆動部のHDDへ正常に書き込むことができる。このため、データ転送の信頼性を向上できる。
【0046】
さらに、キャッシュに記憶できる最大量のデータをディスク駆動部のHDDへ書き込むに要する電力について、この電力をバッテリバックアップの適正な電力容量として規定可能となる。
【0047】
各ディスク駆動部に電源監視部を設けたことにより、正常動作するディスク駆動部を判別できる。この結果、電源障害がディスク制御部で発生しても、キャッシュに書き込み済みのデータを正常なディスク駆動部のHDDに書き込むことができ、データ転送の信頼性を向上できる。
【0048】
【発明の効果】
ディスクアレイ装置の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施例を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る一実施例における、電源系統に関するブロック図である。
【図3】 本発明に係る一実施例における、電源障害がディスク駆動部である場合を示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る一実施例における、電源障害がディスク制御部である場合を示すブロック図である。
【図5】 本発明に係る一実施例におけるティスクアレイ装置をバーチャリゼーション化に適用した事例を示すブロック図である。
【図6】 本発明に係る一実施例における、スペアディスクへのデータの退避の様子を示すブロック図であり、(a)は正常時を示し、(b)は電源障害が発生した場合を示す。
【図7】 本発明に係る一実施例における、別のディスクアレイ装置がデータのバックアップのコピー先である場合を示すブロック図である。
【図8】 従来のディスクアレイ装置の電源供給の様子を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 ディスク制御部
110 上位I/F制御論理部
120 メモリ
130,210 HDDへのI/F制御論理部
140,230 電源
150,240 電源監視部
160,250 バッテリバックアップ
200 ディスク駆動部
220 ディスクドライブ(HDD)
SW スイッチ
COM コンパレータ(比較器)
BAT 二次電池
Tr1,Tr2 トランジスタ
D1,D2,D3 逆流防止用ダイオード

Claims (8)

  1. 上位装置からデータ転送要求を受け付けてデータの送受を実行する上位I/F制御論理部を備えるディスク制御部と、前記ディスク制御部の制御に応じてデータの書き込み及び読み出しを実行する複数のディスク駆動部とを備えたディスクアレイ装置において、
    前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれは、交流入力から所定の直流出力を生成する電源、前記電源の出力電圧が正常であるか否かを監視する電源監視部及びバックアップ用補助電源を有し、前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常でないと判定した場合に、前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されるように回路を構成し
    前記各ディスク駆動部の前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常であるか否か判定した結果を前記ディスク制御部が取得可能に、前記ディスク駆動部の前記電源監視部は前記ディスク制御部と接続されてなり、
    前記ディスク制御部の前記上位I/F制御論理部は、前記複数のディスク駆動部のいずれかの前記電源監視部から障害の報告を受けた場合に、障害の発生した前記ディスク駆動部に対するデータ転送の停止を前記上位装置に要求し、
    前記障害の発生したディスク駆動部宛てのデータが前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みの場合、前記障害の発生したディスク駆動部において前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されている間に、前記ディスク制御部の上位I/F制御論理部が前記キャッシュから前記データを読み出して、当該データを障害が発生していない他のディスク駆動部のスペアディスクに書き込むことを特徴とするディスクアレイ装置。
  2. 自己の前記電源監視部から障害の報告を受けた前記ディスク制御部は、データ転送の停止を前記上位装置に要求することを特徴とする請求項1記載のディスクアレイ装置。
  3. 前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みのデータが、障害の発生していない前記ディスク駆動部に書き込まれることを特徴とする請求項2記載のディスクアレイ装置。
  4. 上位装置からデータ転送要求を受け付けてデータの送受を実行する上位I/F制御論理部を備えるディスク制御部と、前記ディスク制御部の制御に応じてデータの書き込み及び読み出しを実行するディスク駆動部とを備え、前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれが、交流入力から所定の直流出力を生成する電源、前記電源の出力電圧が正常であるか否かを監視する電源監視部及びバックアップ用補助電源を有するディスクアレイ装置の制御方法であって、
    前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれが、自己の前記電源監視部から自己の電源の出力電圧が正常であるか否かを判定した結果を受け取るステップと、
    前記ディスク制御部及び前記ディスク駆動部それぞれが、前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常でないと判定した場合に、前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されるように回路を構成するステップと、
    前記各ディスク駆動部の前記電源監視部が前記電源の出力電圧が正常であるか否か判定した結果を前記ディスク制御部が取得するステップと、
    前記ディスク制御部の前記上位I/F制御論理部は、前記複数のディスク駆動部のいずれかの前記電源監視部から障害の報告を受けた場合に、障害の発生した前記ディスク駆動部に対するデータ転送の停止を前記上位装置に要求するステップと、
    前記障害の発生したディスク駆動部宛てのデータが前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みの場合、前記障害の発生したディスク駆動部において前記バックアップ用補助電源から動作電源が供給されている間に、前記ディスク制御部の前記上位I/F制御論理部は前記キャッシュから前記データを読み出して、当該データを障害が発生していない他のディスク駆動部のスペアディスクに書き込むステップと、
    を備えることを特徴とするディスクアレイ装置の制御方法。
  5. 自己の前記電源監視部から障害の報告を受けた前記ディスク制御部は、データ転送の停止を前記上位装置に要求するステップを更に備えることを特徴とする請求項4記載のディスクアレイ装置の制御方法。
  6. 前記ディスク制御部のキャッシュに書き込み済みのデータが、障害の発生していない前記ディスク駆動部に書き込まれるステップを更に備えることを特徴とする請求項5記載のディスクアレイ装置の制御方法。
  7. 前記バックアップ用補助電源からの電源供給をオンオフするスイッチ回路を備え、前記電源監視部が、前記電源の出力電圧を監視して正常か否かを判定し、前記電源の出力電圧の異常を検知した場合に、前記バックアップ補助電源からの電源供給をオンするように前記スイッチ回路に選択信号を送信することを特徴とする請求項1記載のディスクアレイ装置。
  8. 前記電源監視部は、前記電源の出力電圧を基準電圧と比較して、前記電源の出力電圧が正常か否かを判定するコンパレータ回路と、前記コンパレータ回路からの出力に基づいて、コレクタ信号を前記選択信号として前記スイッチ回路に送出する第1のトランジスタと、前記コンパレータ回路からの出力に基づいて、前記電源の異常を示すコレクタ信号を前記ディスク制御部に送出する第2のトランジスタとを備えることを特徴とする請求項7記載のディスクアレイ装置。
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