JP4219444B2 - Magnetic recording medium and support thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープなどの磁気記録媒体に用いられる支持体と該支持体を用いてなる強磁性金属薄膜型の磁性層を有する磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の磁気記録は高密度記録化の方向にあり、高周波数特性の優れた磁気記録媒体が要望されている。従来は磁性粉を適当なバインダーに分散させて支持体上に塗布したいわゆる塗布型の磁気記録媒体が主流であり、高密度記録に対する要求を満たすために種々の改善がなされているが、ほぼ限界に近づいている。
【0003】
塗布型の磁気記録媒体を超える性能を期待できる磁気記録媒体として、支持体に蒸着等により磁性金属を付着させた磁性層を有するいわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体が開発されている。金属薄膜型の磁気記録媒体は、磁性層にバインダーを含まないことから磁性材料の密度を高められるため、高密度記録に有望であるとされている。金属薄膜型の磁性層としては、Co、Co−Ni、Co−Ni−P、Co−O、Co−Ni−O、Co−Cr、Co−Ni−Cr等が検討されている。金属薄膜型の磁気記録媒体を実用化する際の製造法としては、真空蒸着法が最も適しており、この方法でCo−Ni−Oからなる磁性層を形成したHi8方式VTR用テープやCo−Oからなる磁性層を形成したDVC(デジタルビデオカセット)用テープが既に実用化されている。
【0004】
高密度記録を達成する別の方法として、磁気記録媒体の支持体を薄膜化することが考えれられる。通常、磁気記録媒体の支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PET)、ポリエチレンナフタレート(以下、PEN)等のポリエステル系プラスチックをはじめとする非磁性支持体が用いられ、その厚さは例えばVHS型のビデオテープでは16μm程度、8mmビデオテープでは9μm程度であるが、高密度記録(小型・長時間)を達成するために、より一層支持体の薄膜化を進める必要がある。薄膜化されたテープを用いる場合には、今までの厚いテープとの互換性(ヘッドの当たりや走行性など)を得ることが望まれ、この観点から、支持体として剛性の高いポリアミドフィルムが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ポリアミドフィルムは現在市販されている量が従来のポリエステルフィルムと比べて格段に少なく、ポリアミドフィルムによる金属薄膜型磁気記録媒体の量的拡大には制約が多い。また、PETやPENをそのまま用いると、剛性が低いので、ヘッドタッチが悪くなり、走行不良や大幅な出力の低下を招くなどの点から、薄膜化には限界があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題点に鑑み、磁気記録媒体の薄膜化に適した支持体を得るために鋭意研究した結果、特定の構造を有するポリエステル系プラスチックフィルムを用い、更に該フィルムの両面に金属系の強化膜を設けたものを支持体とすることにより、ポリアミドフィルムを用いた場合と同等の剛性を有し、且つ表面性が良好となり出力特性に優れた磁気記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、平均粒子径が20〜100nmの粒子を0.01〜0.3重量%含有するフィラー面Aと平均粒子径が前記粒子の平均粒子径の2倍以上であり、且つ平均粒子径が100〜1000nmである粒子を0.05〜0.2重量%含有するフィラー面Bを持つ、厚さ3.5〜5.5μmのポリエステル系プラスチックフィルムの両面に、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、Ag、Co、Fe、Mnから選ばれる金属及びこれらの酸化物から選ばれた金属材料からなる強化膜が形成され、該強化膜中の酸素濃度が該強化膜の表面近傍と該強化膜と前記フィルムの界面近傍で大きく、前記両面の強化膜が同一の金属材料からなることを特徴とする磁気記録媒体の支持体を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、かかる本発明の支持体と、該支持体のフィラー面A側に形成された磁性層を有する磁気記録媒体であって、該磁性層が前記支持体の強化膜自体からなるか該強化膜を含んで構成され、或いは該強化膜上に形成された少なくとも1層の強磁性金属薄膜から構成されることを特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
<支持体>
本発明の支持体は、ポリエステル系プラスチックからなるフィルムと該フィルムの両面に設けられた金属系の強化膜からなる。
【0010】
ここで、ポリエステルとしては、PET、PEN、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−p−オキシベンゾエートなどが挙げられる。特にPET、PENが好ましい。また、これらのポリエステルはホモポリエステルであってもコポリエステルであってもよい。
【0011】
また、本発明の支持体に用いられるポリエステル系フィルムは、厚さが2〜5.5μm、好ましくは3.5〜5.5μmである。本発明の支持体は特定のフィラー面Aとフィラー面Bを有するポリエステル系フィルムに金属系の強化膜を形成するものである。フィルムの曲げ剛性は、フィルムのヤング率、フィルムの厚さにより算出可能であり、更にフィルムの両面に何らかの層を形成する場合は、フィルムの曲げ剛性と形成する層の厚さとヤング率並びにフィルムの厚さから得られるパラメーターとを加味して算出される。このとき、最も外側に剛性の高い層を形成すること、更にはフィルムの両側の最も外側に剛性の高い層を形成することにより、高い曲げ剛性が得られる。曲げ応力がフィルムに加わるとフィルムの一面側は縮み他面側は伸びることになり、フィルムの伸び縮みを阻止することが曲げ剛性の向上につながる。よって、本発明の支持体としてフィルムの両面に硬い膜を形成させる意味がある。一般に金属は酸化物の方が硬度が高くなるので、強化膜の表面部を酸化することにより、本発明の効果は更に向上する。更に、厚さ2〜5.5μmの薄いポリエステル系フィルムを用いる場合でも、フィルムの両側に剛性の高い金属系の強化膜を形成し、その際、強化膜の厚さやヤング率を調節することにより、ポリアミドフィルムに匹敵する曲げ剛性の支持体を得ることができる。本発明のこのような知見によるものであるが、ポリエステル系フィルムの厚さが5.5μmを超えると、強化膜による曲げ剛性の向上効果は少なくなる。これは、一般にフィルムの曲げ剛性は厚さの3乗に比例することから、フィルムの厚さが増えるとフィルムの剛性そのものが向上し、強化膜による剛性の向上率が相対的に減少するからである。また、厚さが2μm未満のポリエステル系フィルムは、基本的にフィルム自体の曲げ剛性が低すぎるため、強化膜による剛性の向上が加味されても十分な剛性が発現するには至らない。本発明における強化膜による剛性の向上効果は厚さ3.5〜5.5μmのフィルムにおいて特に顕著である。
【0012】
また、本発明の支持体に用いられるポリエステル系フィルムは、フィラー面Aとフィラー面Bとを有する。フィラー面とは、フィルムに内在する粒子により表面突起が形成される面を言う。
【0013】
本発明に用いられるポリエステル系フィルムは、単層でも使用可能であるが、2層以上の積層フィルムを用いるのが好ましい。
【0014】
フィラー面に用いられる粒子は炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ポリスチレン等が例示されるがこれらに限定されない。この粒子の平均粒子径はフィラー面A側は好ましくは20〜100nmであり、より好ましくは30〜90nmである。フィラー面B側は好ましくは100〜1000nmであり、より好ましくは110〜900nmである。フィラー面B側の粒子の平均粒子径はフィラー面A側の粒子の平均粒子径の2倍以上である。フィラー面B側の粒子は粒子径の異なる粒子を併用しても良い。
粒子の添加量はA面側では好ましくは0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.02〜0.8重量%であり、B面側では好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.08〜0.8重量%である。
【0015】
上記平均粒子径は下記の方法により測定されたものである。
即ち、電顕試験台上に粒子粉体を、この粒子ができるだけ重ならないように散在せしめ、電子顕微鏡(好ましくは透過型電子顕微鏡)により倍率100万倍程度で観測し、少なくとも100個の粒子の面積円相当径を求め、この数平均値をもって平均粒子径とする。
【0016】
なお、この平均粒子径をフィルムから求める場合下記の手法等により求められる。
フィルムフィラー面をイオンエッチングしフィラー面の微粒子をフィルム表面から暴露し電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)により倍率1万倍程度で観測し、少なくとも100個の粒子の面積円相当径を求め、この数平均値をもって平均粒子径とする。
【0017】
ポリエステル系フィルムの幅方向(磁気テープとしたときの長手方向に直交する方向)のヤング率は8000MPa以上が好ましく、更に好ましくは8000〜11800MPaである。幅方向のヤング率が8000MPa未満であると、本ポリエステル系フィルムから作成された支持体より作成された磁気記録媒体のビデオテープレコーダー、データーストリーマー装置内での記録、再生時、ヘッドの走行、テープ走行規制ガイドとの接触等によるテープエッジダメージが発生する場合がある。
【0018】
本支持体に用いられるポリエステル系フィルムの長手方向(磁気テープとしたときの長手方向)のヤング率は、6000MPa以下が好ましく、更に好ましくは3900〜5500MPaである。長手方向のヤング率が6000MPaを越えると、本ポリエステル系フィルムから作成された支持体の長手方向の剛性が高くなることがあり、本支持体より作成した磁気記録媒体の従来の磁気記録媒体との互換性がとれなくなる場合があるので、長手方向のヤング率は6000MPa以下が好ましい。
【0019】
上記ポリエステル系フィルムのヤング率は、引張試験測定により得られる応力−ひずみ曲線におけるスタート点の立ち上がり勾配からASTM D−882−67に準じて測定され、単位はMPaで表す。このときのサンプル幅、実効長さは10mm、100mmとし、引張速度は100mm/minとした。
【0020】
本発明で用いるポリエステル系フィルムのフィラー面Aの微細突起個数は好ましくは5000個〜7000万個/mm2 、より好ましくは9000個〜6000万個/mm2 であり、フィラー面Bの微細突起個数は好ましくは5000個〜200万個/mm2 、より好ましくは1万個〜120万個/mm2 である。
【0021】
本発明において、フィラー面の微細突起個数は倍率1000倍程度の光学顕微鏡あるいは倍率1万倍程度の電子顕微鏡(好ましくは走査型電子顕微鏡)観察で突起状に見えるものをカウントすることにより求められる。光学顕微鏡では1視野以上、電子顕微鏡では10視野以上観察して1mm2 当たりに換算して求める。
【0022】
図7、図8に本発明の支持体のフィラー面A、Bの構造を示す微分干渉顕微鏡写真(倍率1000倍)をそれぞれ示した。
【0023】
このようなフィラー面Aとフィラー面Bとを有するポリエステル系フィルムは、以下の方法で得ることができる。
【0024】
溶融、成形、2軸延伸、熱固定からなる通常のプラスチックフィルム製造工程において、共押出し技術の使用により、平均粒子径20〜100nmの粒子を0.01〜1.0重量%含有させたポリエステル原料(A)と、平均粒子径100〜1000nmの粒子を0.05〜1.0重量%含有させたポリエステル原料(B)を用いたA/B積層フィルムを押出し、縦方向に90〜150℃で2.5〜7.0倍延伸し、横方向に90〜150℃で3.0〜7.0倍延伸した後、150〜220℃の温度で熱固定を行いつつ1.1倍以上、横に延伸する。このようにして原料A側表面にフィラー面A、原料B側表面にフィラー面Bを形成させることができる。
【0025】
A層、B層の間に更に層を設け、3層以上の積層構造を有するポリエステル系フィルムを用いてもよい。
【0026】
また、かかるフィルムは、本発明に用いるポリエステル系フィルムのフィラー面Aの表面粗さSRa値は1〜6nmであるのが好ましく、より好ましくは2〜5nmである。一方フィラー面Bの表面粗さSRa値は10〜60nmであるのが好ましく、より好ましくは15〜50nmである。
【0027】
フィラー面AのSRa値はポリエステル層A、B内の粒子種類、添加量の調整により調整することができる。
【0028】
なお、この表面粗さSRa値はJIS B 0601で規定する中心線平均粗さ(Ra)に相当する中心線面平均粗さであり、次の方法により測定されたものである。
小坂研究所製の光触針式(臨界角焦点エラー検出方式)の3次元粗さ計(ET−30HK)を使用して測定した。SRa値の測定は試料表面にAl蒸着を施し光の反射率を増大させて行った。測定方向は幅方向とし、カットオフ値は0.08mm、測定長は0.1〜0.25mm、送りピッチは0.2μm、測定スピードは20μm/s、測定本数は100本とした。単位はnmとした。
【0029】
通常、本発明の支持体では、当該フィルムのフィラー面A側に磁性層が形成され、フィラー面B側にはバックコート層が形成される。
【0030】
また、フィルムの両面に形成される強化膜は、金属、半金属及び合金並びにこれらの酸化物及び複合物から選ばれた金属材料からなる。具体的には、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、Ag、Co、Fe、Mnなどの金属、Si、Ge、As、Sc、Sbなどの半金属が挙げられる。これらの金属及び半金属の合金としては、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni−Co−Cr等が挙げられる。また、これらの金属、半金属及び合金の酸化物は、例えば蒸着時に酸素ガスを導入することで容易に得られる。また、これらの金属、半金属及び合金の複合物としては、Fe−Si−O、Si−C、Si−N、Cu−Al−O、Si−N−O、Si−C−Oなどが挙げられる。
【0031】
強化膜の形成方法は問わないが、真空蒸着法が一般的であり、その他にもスパッタ法やイオンプレーティング法などを用いることができる。特に強化膜となる金属材料としては、コバルトを主体とする強磁性金属とその酸化物が好適であり、この場合、真空中の斜め蒸着により、強化膜を形成することが好ましい。
【0032】
強化膜の厚さは、20〜500nmが好ましく、より好ましくは50〜300nmである。
【0033】
本発明では、特に、強化膜が、金属、半金属及び合金から選ばれた金属材料の酸化物を含み、該強化膜中の酸素濃度の分布が該強化膜の表面近傍で大きいことが好ましく、更に、強化膜中の酸素濃度の分布が該強化膜の表面近傍と該強化膜と前記フィルムの界面近傍で大きいことが、フィルムの剛性の面で好ましい。このような酸素分布を有する強化膜は、成膜時又は成膜後、表面を酸化性ガスで強制的に酸化処理することにより作製することができる。また、強化膜中の酸素濃度分布の測定は、オージェ電子分光分析の深さ方向の分析により行うことができる。ただし、強化膜の表面やフィルムとの界面付近は異物の混入などの影響により、オージェプロファイルの形状を正確に求めることは困難であり、本発明においてこれらの部分の酸素濃度の変化は排除される。
【0034】
ここで、「酸素濃度が大きい」とは、相対的にその他の部分よりも酸素濃度が大きいことであり、特に濃度の変動が10原子%以上ある場合を含む。
【0035】
本発明において、強化膜はポリエステル系フィルムの両面に形成されるが、両面とも同一の金属材料で形成することが生産性の面から望ましく、特に本発明では両面の強化膜をCoとその酸化物から形成することが好ましい。
【0036】
<磁気記録媒体>
本発明の磁気記録媒体は、上記の本発明の支持体のフィラー面A側に少なくとも一層の強磁性金属薄膜からなる磁性層を有する。磁性層は、本発明の支持体の強化膜自体からなるか該強化膜を含んで構成され、或いは該強化膜上に形成された少なくとも1層の強磁性金属薄膜から構成される。
【0037】
本発明において、金属薄膜型の磁性層を形成する磁性材料としては、通常の金属薄膜型の磁気記録媒体の製造に用いられる強磁性金属材料が挙げられ、例えばCo、Ni、Fe等の強磁性金属、また、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Cu、Co−Cu、Co−Au、Co−Y、Co−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Mn−Bi、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−Co−Cr、Ni−Co−Cr等の強磁性合金が挙げられる。また、これら金属もしくは金属合金の窒化物、炭化物、酸化物も好ましい。
【0038】
高密度記録のためには磁気記録媒体の磁性層は、斜め蒸着又はスパッタなどにより基材上に形成される。斜め蒸着やスパッタの方法は特に限定されず、従来公知の方法に準ずる。蒸着の際の真空度は10-4〜10-7Torr程度である。
【0039】
特に、支持体の強化膜がCo等の強磁性金属から形成されている場合は、当該強化膜を磁性層としてもよく、特に本発明では、真空中での斜め蒸着により、支持体の一面にコバルトを主体とする強磁性金属を付着させて形成した強化膜を磁性層とすることが好ましい。この場合、蒸着中に酸素ガスを導入してコバルトを主体とする強磁性金属の酸化物が含まれるようにすることが一層望ましい。
【0040】
更に、支持体上にバックコート層を形成することができる。バックコート層は、カーボンブラックやバインダーを主成分とする厚さ0.2〜1.0μm程度の塗布型のバックコート層でもよいし、蒸着法、直流スパッタ法、交流スパッタ法、高周波スパッタ法、直流マグネトロンスパッタ法、高周波マグネトロンスパッタ法、イオンビームスパッタ法などの乾式メッキ手段により、真空中で金属又は半金属を支持体に付着させて形成された金属薄膜型のバックコート層でもよい。後者の場合、バックコート層として付着する金属としては、いろいろ考えられるが、Al、Cu、Zn、Sn、Ni、Ag、Coなど及びこれらの合金が用いられ、Al、CoやCu−Al合金が好適である。また、バックコート層を形成する半金属としては、Si、Ge、As、Sc、Sbなどが用いられ、Siが好適である。更に蒸着時に前記金属又は半金属に酸化反応、炭化反応等をさせた酸化膜、炭化膜などのようにセラミックス化したものも好適である。また、更に添加物をドープし、導電率を向上させることは好ましい。金属薄膜型のバックコート層の厚さは、0.05〜1.0μm程度である。バックコート層は金属薄膜型が好ましく、かかるバックコート層は、本発明の支持体の強化膜自体からなるか該強化膜を含んで構成され、或いは該強化膜上に形成された少なくとも1層の強磁性金属薄膜から構成されることが好ましい。特に支持体の強化膜をバックコート層とすることが好ましい。
【0041】
また、本発明の磁気記録媒体においては、磁性層上に厚さが1〜50nmの保護膜が設けられるのが好ましい。保護層を構成する材料として、Al等の金属の酸化物、窒化物、あるいは炭化物などの他、SiC等、及びそれを含む化合物などが考えられる。また、特に、炭素膜、中でもダイヤモンドライクカーボンが好ましい。ダイヤモンドライクカーボンよりなる保護層はフィジカルベーパーデポジション(PVD)法又はケミカルベーパーデポジション(CVD)法により形成される。特に、ECRプラズマCVD装置により形成される。即ち、真空槽内に配設された支持体上の磁性層に対してECRプラズマCVD装置を作動させ、磁性層に炭化水素系ガスのプラズマを吹き付ける。これにより、磁性層表面に保護層(ダイヤモンドライクカーボン層)が形成される。
【0042】
更に、本発明の磁気記録媒体においては、磁性層又は保護層上に適当な潤滑剤からなる潤滑剤層を形成することが好ましい。特にパーフルオロポリエーテル等のフッ素系の潤滑剤が好ましく、潤滑剤層の厚さは0.5〜10nm程度である。潤滑剤としては、例えば-[C(R)F-CF2-O]p-(但し、R はF,CF3,CH3などの基) 、特にHOOC-CF2(OC2F4)p(OCF2)q-OCF2COOH, -(CF2CF2CF2O)n-CF2CF2COOH 等のカルボキシル基変性パーフルオロポリエーテル、HOCH2-CF2(OC2F4)p(OCF2)q-OCF2-CH2OH, HO-(C2H4O)m-CH2-(OC2F4)p(OCF2)q-OCH2-(OCH2CH2)n-OH, F-(CF2CF2CF2O)n-CF2CF2CH2OH等のアルコール変性パーフルオロポリエーテルが挙げられる。分子量は500〜50000のものが好ましい。具体的には、モンテカチーニ社の商品名「FOMBLIN Z DIAC」や「FOMBLIN Z DOL」、ダイキン工業社の商品名「デムナムSA」等がある。特に耐久性の面ではフッ素系アルキル基とアルキル基の両方を持つ潤滑剤の使用が好ましい。また、これらの潤滑剤を混合して使用することも好ましい。
【0043】
なお、本発明においては、バックコート層上にも上記のような潤滑剤層を形成することが走行性の面から好ましい。
【0044】
本発明において、各磁性層の厚さは、2層の場合、下層の磁性層の厚さが10〜200nm、上層の磁性層の厚さが5〜100nmが好ましく、3層の場合、下層の磁性層の厚さが10〜200nm、中間の磁性層の厚さが10〜100nm、上層の磁性層の厚さが5〜100nmが好ましい。また磁性層の数は高周波記録媒体程多い方が良いが、実用的な範囲としては2〜5層、特に2〜3層が適当と考えられる。多層の磁性層は、一層ずつ形成しても、二以上の装置を用いて連続的に成膜してもよい。
【0045】
また、本発明の磁気記録媒体の保磁力は、磁性層全体の保磁力として1200(Oe)(95KA/m)以上であるのが好ましく、特に1300(Oe)(103KA/m)以上が好ましい。
【0046】
【実施例】
以下実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、実施例1、4、14〜16以外の実施例は、本発明の範囲外のものであるが、便宜的に実施例との表記のもとに示してある。
【0047】
実施例1
(1)支持体の製造
下記の方法で、フィラー面Aとフィラー面Bを有する厚さ4.9μmのPETフィルムを得た。
【0048】
実質的に不活性粒子を含有しないPETに平均粒子径30nmのシリカを0.3重量%含有させた原料Aと、実質的に不活性粒子を含有しないPETに平均粒子径300nmの炭酸カルシウムを0.20重量%含有させた原料Bとを厚み比5:1の割合で共押出しし、ロール延伸法で110℃で3.0倍に縦延伸した。
【0049】
その後、ステンターにて横方向に105℃で3.3倍に延伸し、更に215℃で1.56倍に横延伸しながら熱処理し、中間スプールに巻き、スリッターで小幅にスリットし、円筒コアーにロール状に巻取り、フィラー面A(原料Aよりなる面)とフィラー面B(原料Bよりなる面)を有する厚さ4.9μmのロール状ポリエステルフィルムを得た。
【0050】
本ポリエステルフィルムはフィラー面Aの微細突起個数が2000万個/mm2 で、SRa値が3nmであった。フィラー面Bの微細突起個数は25万個/mm2 で、SRa値が20nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4200MPa/9000MPaであった。
【0051】
次いで、このPETフィルムの両面に、図1の装置を用いて、それぞれ厚さ120nmのCo強化膜を成膜し、強化膜が形成された支持体を製造した。この時の蒸着条件は、最大入射角60°、フィルム走行速度1.5m/分、電子銃パワー16kW、ノズル14aからの酸素ガス流量10SCCM、ノズル14cからの酸素ガス流量60SCCMであった。なお、図1は真空蒸着装置の概略図であり、図1において、1は支持体、10は冷却キャンロール、11はルツボ、12はCo、13は防着板、14a、14b、14cは酸素ガスノズル、15は電子銃、16は真空チャンバである。本例では酸素ガスノズル14bは使用しなかった。
【0052】
得られた支持体のフィラー面A側の強化膜の元素分布をオージェ電子分光法により分析した結果を図3に示す。ここで、オージェ電子分光法は、電子銃条件として電子銃加速電圧10kV、エミッション電流10nA、倍率2000倍であり、エッチング条件として、エッチングガスがアルゴンガスで、加速電圧3kV、イオン電流300nAであり、この条件下で25秒間毎にエッチングして行った(以下同じ)。図3から、この支持体のフィラー面A側の強化膜は、その表面近傍と、強化膜とPETフィルムの界面近傍で酸素濃度が高いことがわかる。
【0053】
(2)磁気テープの製造
上記で得られた支持体フィルムを再度図1の装置にセットし、支持体のフィラー面AのCo強化膜上に、厚さ90nmのCo磁性層を形成した。この時の蒸着条件は、フィルム走行速度1.3m/分、電子銃パワー15kW、ノズル14cからの酸素ガス流量50SCCMであった(ノズル14a、14bは使用せず)。
【0054】
次いで、該Co磁性層上にCVD法によりダイヤモンドライクカーボンからなる厚さ10nmの保護層を形成した。更に該保護層上とフィラー面B側のCo強化膜上に、フッ素系潤滑剤〔商品名:AM2001(ダイキン工業社製)〕をそれぞれ厚さが2nmとなるように付着して潤滑剤層を形成した。
【0055】
上記により得られた、Co強化膜、Co磁性層、ダイヤモンドライクカーボン保護層及びフッ素系潤滑層が形成されたフィルムを8mm巾に裁断し、カセットケースにローディングし、8mmビデオテープを得た。
【0056】
(3)性能評価
上記で得られた8mmビデオテープについて、出力、走行性(ジッタ)及びヘッドタッチの指標としてエンベロープを以下の方法で評価した。走行性は走行に伴う電磁変換特性の変化を表すジッタを指標とした。その結果を表1に示す。
【0057】
・出力
8mmVTRを改造したデッキを用いて、表1の周波数での出力を測定し、本実施例1を基準(0dB)とする相対評価とした。
【0058】
・ジッタ
ジッタは、市販の8mmVTRを改造し、これにジッタメーターを接続して測定した。
【0059】
・エンベロープ
エンベロープは、アドバンテスト社のTR4171型スペクトラアナライザを用い、RBW=10kHz、VBW=30kHz、周波数スパン=0MHz、スイープタイム=40ms、アベレージ=16回の条件で得られた出力波形(エンベロープ)をオシロスコープで測定し、図2に示すように、出力波形の最大値Bと最小値Aから欠け量として下記のように算出した。
欠け量(dB)=20log(A/B)
欠け量の小さいもの程ヘッドタッチが良好である。
【0060】
実施例2
実施例1において、フィラー面Aの微細突起個数が5000万個/mm2 で、SRa値が2nmである以外は、同様の厚さ4.9μm、ヤング率は長手方向/幅方向で4200MPa/9000MPaのPETフィルムを用いて実施例1と同様に8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、ここで用いたPETフィルムは、実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに含まれる平均粒子径30nmのシリカの含有量を0.75重量%とした以外は実施例1と同様にして製造されたものである。
【0061】
実施例3
実施例1において、フィラー面Bの微細突起個数が100万個/mm2 で、SRa値が40nmである以外は、同様の厚さ4.9μm、ヤング率は長手方向/幅方向で4200MPa/9000MPaのPETフィルムを用いて実施例1と同様に8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、ここで用いたPETフィルムは、実施例1のPETフィルム製造において、原料Bに含まれる炭酸カルシウムの含有量を0.60重量%とした以外は実施例1と同様にして製造されたものである。
【0062】
実施例4
実施例1において、PETフィルムに代えて厚さ4.2μmのPENフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、ここで用いたPENフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が700万個/mm2 で、SRa値が2nmであった。フィラー面Bの突起個数は7万個/mm2 で、SRa値は17nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で5500MPa/11000MPaであった。また、このPENフィルムは実施例1のPETフィルム製造において、原料をPETからPENと変更し、縦延伸温度、倍率を135℃で5.0倍とし、横延伸温度、倍率を135℃、6.0倍とし、更に160℃で1.2倍に横に延伸し、200℃で熱処理と変更した以外は実施例1と同様にして製造されたものである。
【0063】
実施例5
実施例1において、蒸着装置の酸素ガスノズル14aからの酸素ガスの導入をせずに両面の強化膜を形成し、その他は実施例1と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られた支持体のフィラー面A側の強化膜の元素分布をオージェ電子分光法により分析した結果を図4に示す。図4から、この支持体のフィラー面A側の強化膜は、その表面近傍で酸素濃度が高いことがわかる。
【0064】
実施例6
実施例1において、支持体に強化膜を形成する際に全く酸素ガスを導入をせず、その他は実施例1と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られた支持体のフィラー面A側の強化膜の元素分布をオージェ電子分光法により分析した結果を図5に示す。図5から、この支持体のフィラー面A側の強化膜は、酸素濃度がほぼ一定であることがわかる(表面近傍がわずかに酸素濃度が高いのは自然酸化によるものである)。
【0065】
実施例7
(1) 支持体の製造
実施例1の製造法において、共押出しフィルムの厚さを0.8倍、押出し速度を1.2倍とし、他は同様にして、フィラー面Aとフィラー面Bを有する厚さ3.5μmのPETフィルムを得た。
本ポリエステルフィルムのフィラー面Aの微細突起個数は2000万個/mm2 で、SRa値は3nmであった。フィラー面Bの突起個数は25万個/mm2 で、SRa値は20nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa/9200MPaであった。
【0066】
次いで、このPETフィルムの両面に、図1の装置を用いて、フィラー面Aに厚さ100nmのSiOx 強化膜を成膜し、フィラー面Bに厚さ150nmのSiOx 強化膜を成膜し、強化膜が形成された支持体を製造した。この時の蒸着条件は、最大入射角40°、電子銃パワー18kW、ノズル14aからの酸素ガス流量20SCCM、ノズル14cからの酸素ガス流量30SCCMであり、フィルム走行速度はフィラー面Aで3m/分、フィラー面Bで4.5m/分であった。
【0067】
(2)磁気テープの製造および性能評価
上記で得られた支持体フィルムを再度図1の装置にセットし、支持体のフィラー面A側のSiOx 強化膜上に、厚さ150nmのCo磁性層を形成した。この時の蒸着条件は、最大入射角60°、フィルム走行速度1.0m/分、電子銃パワー16kW、ノズル14cからの酸素ガス流量70SCCMであった(ノズル14a、14bは使用せず)。
【0068】
次いで、実施例1と同様にダイヤモンドライクカーボンからなる保護層、フッ素系潤滑剤を形成し、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0069】
実施例8
実施例7において、SiOx 強化膜の形成の際に蒸着装置の酸素ガスノズル14bのみから酸素ガスを導入(流量50SCCM)して両面の強化膜を形成し、その他は実施例7と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、得られた支持体のフィラー面A側の強化膜の元素分布をオージェ電子分光法により分析した結果を図6に示す。図6に示されるように、この支持体のフィラー面A側の強化膜中の酸素濃度は、その表面近傍は自然酸化によりやや高くなり、深さ方向に向かうにつれて一旦酸素濃度が減少するが徐々に増加し、再度ゆるやかに減少している。
【0070】
実施例9
実施例7において、支持体のフィラー面Aに形成するSiOx 強化膜をNi−O強化膜に代えた以外は実施例7と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。なお、Ni−O強化膜を形成する際の蒸着条件は、最大入射角50°、電子銃パワー12kW、フィルム走行速度1.2m/分、ノズル14aからの酸素ガス流量20SCCM、ノズル14cからの酸素ガス流量40SCCMであった。
【0071】
実施例10
実施例7において、PETフィルムに代えて厚さ2.5μmのPENフィルムを用いた以外は実施例7と同様にして8mmビデオテープを製造し、実施例7同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPENフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が700万個/mm2 で、SRa値が2nmであった。フィラー面Bの突起個数は7万個/mm2 で、SRa値は17nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で6000MPa/11000MPaであった。また、このPENフィルムは実施例4のPENフィルム製造において、共押出しフィルムの厚さを0.7倍、押出し速度を1.2倍とし、他は同様にして得た。
【0072】
実施例11
実施例7において、厚さ5.5μmのPETフィルムを用いた以外は実施例1と同様にして8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が1700万個/mm2 で、SRa値が3nmであった。フィラー面Bの突起個数は15万個/mm2 で、SRa値は18nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa/9100MPaであった。また、ここで用いられたPETフィルムは実施例1のPETフィルム製造において、共押出しフィルムの厚さを1.2倍とし、他は同様にして得た。
【0073】
実施例12
実施例9において、フィラー面A側のNi−O強化膜とフィラー面B側のSiOx 強化膜の厚さをそれぞれ2倍にした(フィルム走行速度を半分にした)以外は実施例1と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0074】
実施例13
実施例9において、フィラー面A側のNi−O強化膜とフィラー面B側のSiOx 強化膜の厚さをそれぞれ半分にした(フィルム走行速度を2倍にした)以外は実施例1と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0075】
実施例14
図1の装置を用いて、実施例1で得られたポリエステルフィルムのフィラー面Aに厚さ140nmのCo強化膜を成膜し、一方フィラー面Bには厚さ140nmのCo強化膜を成膜した。その後、実施例1と同様にフィラー面Aの強化膜上に保護層を形成し、更に該保護層上とフィラー面BのCo強化膜上に潤滑剤層を形成した。その後実施例1と同様に8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0076】
実施例15
実施例1のPETフィルム製造において、215℃での横延伸倍率を1.24倍と変更した以外は実施例1と同様にして得た厚さ4.9μmのPETフィルムを用い、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が2200万個/mm2 で、SRa値が3nmであった。フィラー面Bの突起個数は32万個/mm2 で、SRa値は25nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa/7500MPaであった。
【0077】
実施例16
実施例4のPENフィルム製造において、縦延伸倍率を5.8倍と変更した以外は実施例4と同様にして厚さ4.2μmのPENフィルムを用い、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPENフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が800万個/mm2 で、SRa値が2nmであった。フィラー面Bの突起個数は6万個/mm2 で、SRa値は16nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で6500MPa/11000MPaであった。
【0078】
実施例17
実施例1のPETフィルム製造において、原料B内の炭酸カルシウムの平均粒子径を8nmとした。その他は実施例1と同様にして厚さ4.9μmのポリエステルフィルムを得た以外は実施例1と同様にして8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が2000万個/mm2 で、SRa値が3nmであった。フィラー面Bの突起個数は300万個/mm2 で、SRa値は8nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa/9100MPaであった。
【0079】
実施例18
実施例1のPETフィルム製造において、原料B内の炭酸カルシウムの平均粒子径を1200nmとした。その他は実施例1と同様にして厚さ4.9μmのポリエステルフィルムを得た以外は実施例1と同様にして8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が2000万個/mm2 で、SRa値が3nmであった。フィラー面Bの突起個数は4000個/mm2 で、SRa値は70nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa/9100MPaであった。
【0080】
実施例19
実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに含まれるシリカの粒子径を15nmとした以外は実施例1と同様にして厚さ4.9μmのPETフィルムを用い、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が9900万個/mm2 で、SRa値が2nmであった。フィラー面Bの突起個数は25万個/mm2 で、SRa値は20nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa/9100MPaであった。
【0081】
実施例20
実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに含まれるシリカの粒子径を150nmとした以外は実施例1と同様にして厚さ4.9μmのPETフィルムを用い、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が4000個/mm2 で、SRa値が8nmであった。フィラー面Bの突起個数は25万個/mm2 で、SRa値は20nmであった。ヤング率は長手方向/幅方向で4300MPa/9100MPaであった。
【0082】
実施例21
実施例1のPETフィルム製造において、原料Aに含まれるシリカの粒子径を140nmとし、原料B内の炭酸カルシウムの平均粒子径を80nmとした以外は実施例1と同様にして厚さ4.9μmのPETフィルムを用い、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、ここで用いたPETフィルムは、フィラー面Aの微細突起個数が4300個/mm2 で、フィラー面Bの突起個数は800万個/mm2 であった。
【0083】
比較例1
実施例1において、フィラー面Aが形成されていないPETフィルムを用い、このPETフィルムに実施例1と同様にして強化膜を形成し、支持体とした。その他は実施例1と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0084】
比較例2
実施例1において、支持体のフィラー面BにCo強化膜を形成せず、代わりに公知のカーボンブラックとバインダーとからなる塗料を塗布して厚さ0.5μm(乾燥厚)の塗布型のバックコート層を形成した。その他は実施例1と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0085】
比較例3
実施例7において、支持体のフィラー面BにSiOx 強化膜を形成せず、代わりに公知のカーボンブラックとバインダーとからなる塗料を塗布して厚さ0.5μm(乾燥厚)の塗布型のバックコート層を形成した。その他は実施例1と同様にして、8mmビデオテープを製造し、実施例1同様の性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
*1:表1の出力値は1MHz、10MHz、15MHzの各周波数における実施例1の測定値を基準(0dB)としたときの相対値(dB単位)である。
【0088】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、優れた剛性を有する薄膜化された支持体が提供される。この支持体を用いて得られる磁気記録媒体は走行性やヘッドの当たりが良好であり、優れた出力特性を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の磁性層を形成するための装置の例を示す略図
【図2】実施例におけるエンベロープ欠け量を算出するためのモデル図
【図3】実施例1の支持体のフィラー面A側の強化膜のオージェ分光分析のチャート
【図4】実施例5の支持体のフィラー面A側の強化膜のオージェ分光分析のチャート
【図5】実施例6の支持体のフィラー面A側の強化膜のオージェ分光分析のチャート
【図6】実施例8の支持体のフィラー面A側の強化膜のオージェ分光分析のチャート
【図7】本発明の支持体のフィラー面Aの構造を示す微分干渉顕微鏡写真(倍率1000倍)
【図8】本発明の支持体のフィラー面Bの構造を示す微分干渉顕微鏡写真(倍率1000倍)
【符号の説明】
1…支持体
10…冷却キャンロール
11…ルツボ
12…Co
15…電子銃
16…真空チャンバ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic recording medium having a support used for a magnetic recording medium such as a magnetic tape and a ferromagnetic metal thin film type magnetic layer using the support.
[0002]
[Prior art]
In recent years, magnetic recording is in the direction of high density recording, and a magnetic recording medium excellent in high frequency characteristics is desired. Conventionally, so-called coating-type magnetic recording media in which magnetic powder is dispersed in a suitable binder and coated on a support have been the mainstream, and various improvements have been made to meet the demands for high-density recording. Is approaching.
[0003]
A so-called metal thin film type magnetic recording medium having a magnetic layer in which a magnetic metal is attached to a support by vapor deposition or the like has been developed as a magnetic recording medium that can be expected to exceed the performance of a coating type magnetic recording medium. The metal thin film type magnetic recording medium is considered promising for high-density recording because the magnetic layer does not contain a binder and the density of the magnetic material can be increased. Co, Co—Ni, Co—Ni—P, Co—O, Co—Ni—O, Co—Cr, Co—Ni—Cr, and the like have been studied as the metal thin film type magnetic layer. As a manufacturing method for putting a metal thin film type magnetic recording medium into practical use, a vacuum vapor deposition method is most suitable, and a Hi8 type VTR tape or a Co— with a magnetic layer made of Co—Ni—O formed by this method. A DVC (digital video cassette) tape having a magnetic layer made of O has already been put into practical use.
[0004]
As another method for achieving high-density recording, it is conceivable to thin the support of the magnetic recording medium. Usually, as a support for a magnetic recording medium, a non-magnetic support such as a polyester plastic such as polyethylene terephthalate (hereinafter referred to as PET) or polyethylene naphthalate (hereinafter referred to as PEN) is used, and the thickness thereof is, for example, VHS. It is about 16 μm for the type video tape and about 9 μm for the 8 mm video tape. However, in order to achieve high-density recording (small size and long time), it is necessary to further reduce the thickness of the support. When using thinned tapes, it is desirable to obtain compatibility with conventional thick tapes (such as head hitting and running performance). From this viewpoint, a highly rigid polyamide film is used as a support. It has been.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the amount of polyamide films currently on the market is much smaller than conventional polyester films, and there are many restrictions on the quantitative expansion of metal thin film magnetic recording media using polyamide films. Further, if PET or PEN is used as it is, since the rigidity is low, the head touch is deteriorated, and there is a limit to the thinning from the viewpoint of running failure and a significant decrease in output.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above problems, the present inventors have intensively studied to obtain a support suitable for thinning of a magnetic recording medium. As a result, a polyester plastic film having a specific structure is used, and both surfaces of the film are further used. By using a support with a metal-based reinforcing film as a support, it is possible to obtain a magnetic recording medium that has the same rigidity as when a polyamide film is used and has excellent surface properties and excellent output characteristics. As a result, the present invention has been completed.
[0007]
That is, in the present invention, the filler surface A containing 0.01 to 0.3% by weight of particles having an average particle size of 20 to 100 nm, the average particle size is at least twice the average particle size of the particles, and the average particle Thickness having a filler surface B containing 0.05 to 0.2% by weight of particles having a diameter of 100 to 1000 nm3.5On both sides of a polyester plastic film of ~ 5.5μmMetal selected from Al, Cu, Zn, Sn, Ni, Ag, Co, Fe, MnAnd a reinforced film made of a metal material selected from these oxides is formed, and the oxygen concentration in the reinforced film is large in the vicinity of the surface of the reinforced film and in the vicinity of the interface between the reinforced film and the film. The present invention provides a support for a magnetic recording medium, characterized in that the films are made of the same metal material.
[0008]
The present invention also provides a magnetic recording medium having the support of the present invention and a magnetic layer formed on the filler surface A side of the support, wherein the magnetic layer is composed of the reinforcing film itself of the support. A magnetic recording medium comprising the reinforcing film or comprising at least one ferromagnetic metal thin film formed on the reinforcing film is provided.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<Support>
The support of the present invention comprises a film made of polyester plastic and a metal reinforcing film provided on both surfaces of the film.
[0010]
Here, examples of the polyester include PET, PEN, polytetramethylene terephthalate, poly-1,4-cyclohexylenedimethylene terephthalate, and polyethylene-p-oxybenzoate. In particular, PET and PEN are preferable. These polyesters may be homopolyesters or copolyesters.
[0011]
The polyester film used for the support of the present invention has a thickness of 2 to 5.5 μm, preferably 3.5 to 5.5 μm. The support of the present invention forms a metal-based reinforcing film on a polyester film having a specific filler surface A and filler surface B. The flexural rigidity of the film can be calculated from the Young's modulus of the film and the thickness of the film. Further, when any layer is formed on both sides of the film, the flexural rigidity of the film, the thickness and Young's modulus of the layer to be formed, and the film It is calculated taking into account the parameter obtained from the thickness. At this time, high bending rigidity can be obtained by forming a layer having high rigidity on the outermost side and further forming layers having high rigidity on the outermost side on both sides of the film. When bending stress is applied to the film, one side of the film shrinks and the other side stretches, and preventing the film from expanding and contracting leads to an improvement in bending rigidity. Therefore, it is meaningful to form a hard film on both sides of the film as the support of the present invention. In general, since the hardness of the metal is higher in the oxide, the effect of the present invention is further improved by oxidizing the surface portion of the reinforcing film. Furthermore, even when using a thin polyester film having a thickness of 2 to 5.5 μm, a metal-based reinforcing film having high rigidity is formed on both sides of the film, and at that time, by adjusting the thickness and Young's modulus of the reinforcing film A support having a bending rigidity comparable to that of a polyamide film can be obtained. According to such knowledge of the present invention, when the thickness of the polyester film exceeds 5.5 μm, the effect of improving the bending rigidity by the reinforcing film is reduced. This is because the flexural rigidity of the film is generally proportional to the cube of the thickness, and as the film thickness increases, the rigidity of the film itself improves and the rate of increase in rigidity due to the reinforced film decreases relatively. is there. In addition, since the polyester film having a thickness of less than 2 μm basically has a bending rigidity of the film itself that is too low, sufficient rigidity cannot be exhibited even if the improvement in rigidity by the reinforcing film is taken into consideration. The effect of improving rigidity by the reinforcing film in the present invention is particularly remarkable in a film having a thickness of 3.5 to 5.5 μm.
[0012]
The polyester film used for the support of the present invention has a filler surface A and a filler surface B. The filler surface is a surface on which surface protrusions are formed by particles inherent in the film.
[0013]
The polyester film used in the present invention can be used as a single layer, but it is preferable to use a laminated film of two or more layers.
[0014]
Examples of the particles used for the filler surface include, but are not limited to, calcium carbonate, silica, alumina, polystyrene, and the like. The average particle size of these particles is preferably 20 to 100 nm, more preferably 30 to 90 nm on the filler surface A side. The filler surface B side is preferably 100 to 1000 nm, more preferably 110 to 900 nm. The average particle size of the particles on the filler surface B side is at least twice the average particle size of the particles on the filler surface A side. The particles on the filler surface B side may be used in combination with particles having different particle diameters.
The amount of particles added is preferably 0.01 to 1.0% by weight, more preferably 0.02 to 0.8% by weight on the A side, and preferably 0.05 to 1.0% on the B side. %, More preferably 0.08 to 0.8% by weight.
[0015]
The average particle diameter is measured by the following method.
That is, the particle powder is scattered on the electron microscope test stand so that the particles do not overlap as much as possible, and observed with an electron microscope (preferably a transmission electron microscope) at a magnification of about 1 million times. The equivalent circle diameter is obtained, and the number average value is taken as the average particle diameter.
[0016]
In addition, when calculating | requiring this average particle diameter from a film, it calculates | requires with the following method etc.
The film filler surface is ion-etched, the fine particles on the filler surface are exposed from the film surface and observed with an electron microscope (preferably a scanning electron microscope) at a magnification of about 10,000 times, and the area equivalent circle diameter of at least 100 particles is obtained. The number average value is taken as the average particle size.
[0017]
The Young's modulus in the width direction of the polyester film (direction perpendicular to the longitudinal direction when it is used as a magnetic tape) is preferably 8000 MPa or more, more preferably 8000 to 11800 MPa. When the Young's modulus in the width direction is less than 8000 MPa, a magnetic recording medium made from a support made from the polyester film is recorded and reproduced in a video tape recorder or data streamer device. Tape edge damage may occur due to contact with the travel regulation guide.
[0018]
The Young's modulus in the longitudinal direction (longitudinal direction when used as a magnetic tape) of the polyester film used in the support is preferably 6000 MPa or less, more preferably 3900 to 5500 MPa. If the Young's modulus in the longitudinal direction exceeds 6000 MPa, the rigidity in the longitudinal direction of the support prepared from the polyester film may be increased. Since compatibility may not be achieved, the Young's modulus in the longitudinal direction is preferably 6000 MPa or less.
[0019]
The Young's modulus of the polyester film is measured according to ASTM D-882-67 from the rising slope of the start point in the stress-strain curve obtained by tensile test measurement, and the unit is expressed in MPa. The sample width and effective length at this time were 10 mm and 100 mm, and the tensile speed was 100 mm / min.
[0020]
The number of fine protrusions on the filler surface A of the polyester film used in the present invention is preferably 5000 to 70 million pieces / mm.2More preferably, 9000 to 60 million pieces / mm2The number of fine protrusions on the filler surface B is preferably 5000 to 2 million / mm.2More preferably, 10,000 to 1.2 million pieces / mm2It is.
[0021]
In the present invention, the number of fine protrusions on the filler surface is determined by counting the number of protrusions that appear to be protrusions by observation with an optical microscope with a magnification of about 1000 times or an electron microscope with a magnification of about 10,000 (preferably a scanning electron microscope). 1 mm or more with an optical microscope, 10 fields or more with an electron microscope2Calculate by hitting.
[0022]
FIGS. 7 and 8 show differential interference micrographs (1000 magnifications) showing the structures of the filler surfaces A and B of the support of the present invention.
[0023]
A polyester film having such filler surface A and filler surface B can be obtained by the following method.
[0024]
Polyester raw material containing 0.01 to 1.0% by weight of particles having an average particle size of 20 to 100 nm by using a coextrusion technique in a normal plastic film manufacturing process comprising melting, molding, biaxial stretching and heat setting (A) and an A / B laminated film using a polyester raw material (B) containing 0.05 to 1.0% by weight of particles having an average particle diameter of 100 to 1000 nm are extruded and at 90 to 150 ° C. in the longitudinal direction. The film is stretched 2.5 to 7.0 times, stretched 3.0 to 7.0 times in the transverse direction at 90 to 150 ° C., and then heat-fixed at a temperature of 150 to 220 ° C., 1.1 times or more, Stretch to. Thus, the filler surface A can be formed on the raw material A side surface, and the filler surface B can be formed on the raw material B side surface.
[0025]
A polyester film having a layered structure of three or more layers may be used by further providing a layer between the A layer and the B layer.
[0026]
Moreover, as for this film, it is preferable that the surface roughness SRa value of the filler surface A of the polyester-type film used for this invention is 1-6 nm, More preferably, it is 2-5 nm. On the other hand, the surface roughness SRa value of the filler surface B is preferably 10 to 60 nm, more preferably 15 to 50 nm.
[0027]
The SRa value of the filler surface A can be adjusted by adjusting the kind of particles in the polyester layers A and B and the addition amount.
[0028]
The surface roughness SRa value is a center line surface average roughness corresponding to the center line average roughness (Ra) defined by JIS B 0601, and is measured by the following method.
The measurement was performed using an optical stylus type (critical angle focus error detection method) three-dimensional roughness meter (ET-30HK) manufactured by Kosaka Laboratory. The SRa value was measured by depositing Al on the sample surface to increase the light reflectance. The measurement direction was the width direction, the cut-off value was 0.08 mm, the measurement length was 0.1 to 0.25 mm, the feed pitch was 0.2 μm, the measurement speed was 20 μm / s, and the number of measurements was 100. The unit was nm.
[0029]
Usually, in the support of the present invention, a magnetic layer is formed on the filler surface A side of the film, and a backcoat layer is formed on the filler surface B side.
[0030]
The reinforcing films formed on both surfaces of the film are made of a metal material selected from metals, metalloids and alloys, and oxides and composites thereof. Specific examples include metals such as Al, Cu, Zn, Sn, Ni, Ag, Co, Fe, and Mn, and semimetals such as Si, Ge, As, Sc, and Sb. These metals and metalloid alloys include Fe-Co, Fe-Ni, Co-Ni, Fe-Co-Ni, Fe-Cu, Co-Cu, Co-Au, Co-Y, Co-La, Co. -Pr, Co-Gd, Co-Sm, Co-Pt, Ni-Cu, Mn-Bi, Mn-Sb, Mn-Al, Fe-Cr, Co-Cr, Ni-Cr, Fe-Co-Cr, Ni -Co-Cr etc. are mentioned. Further, oxides of these metals, metalloids and alloys can be easily obtained by introducing oxygen gas at the time of vapor deposition, for example. Examples of the composite of these metals, metalloids and alloys include Fe-Si-O, Si-C, Si-N, Cu-Al-O, Si-N-O, and Si-C-O. It is done.
[0031]
A method for forming the reinforcing film is not limited, but a vacuum deposition method is generally used, and a sputtering method, an ion plating method, or the like can also be used. In particular, as the metal material for the reinforcing film, a ferromagnetic metal mainly composed of cobalt and its oxide are suitable. In this case, it is preferable to form the reinforcing film by oblique deposition in vacuum.
[0032]
The thickness of the reinforcing film is preferably 20 to 500 nm, more preferably 50 to 300 nm.
[0033]
In the present invention, in particular, the reinforcing film preferably contains an oxide of a metal material selected from metals, metalloids and alloys, and the distribution of oxygen concentration in the reinforcing film is preferably large in the vicinity of the surface of the reinforcing film, Furthermore, it is preferable in terms of the rigidity of the film that the oxygen concentration distribution in the reinforcing film is large in the vicinity of the surface of the reinforcing film and in the vicinity of the interface between the reinforcing film and the film. The reinforcing film having such an oxygen distribution can be produced by forcibly oxidizing the surface with an oxidizing gas during or after the film formation. Further, the measurement of the oxygen concentration distribution in the reinforcing film can be performed by analysis in the depth direction of Auger electron spectroscopy analysis. However, it is difficult to accurately determine the shape of the Auger profile near the surface of the reinforcing film and the interface with the film due to the influence of foreign matters and the like. In the present invention, changes in the oxygen concentration of these portions are excluded. .
[0034]
Here, “the oxygen concentration is high” means that the oxygen concentration is relatively higher than other portions, and particularly includes a case where the concentration fluctuation is 10 atomic% or more.
[0035]
In the present invention, the reinforcing film is formed on both surfaces of the polyester film, but it is desirable from the viewpoint of productivity that both surfaces are formed of the same metal material. In particular, in the present invention, the reinforcing film on both surfaces is formed of Co and its oxide. It is preferable to form from.
[0036]
<Magnetic recording medium>
The magnetic recording medium of the present invention has a magnetic layer composed of at least one ferromagnetic metal thin film on the filler surface A side of the support of the present invention. The magnetic layer is composed of the reinforcing film itself of the support of the present invention or includes the reinforcing film, or is composed of at least one ferromagnetic metal thin film formed on the reinforcing film.
[0037]
In the present invention, the magnetic material for forming the metal thin film type magnetic layer includes a ferromagnetic metal material used in the production of a normal metal thin film type magnetic recording medium. For example, a ferromagnetic material such as Co, Ni, Fe, etc. Metal, Fe-Co, Fe-Ni, Co-Ni, Fe-Co-Ni, Fe-Cu, Co-Cu, Co-Au, Co-Y, Co-La, Co-Pr, Co-Gd, Strong such as Co-Sm, Co-Pt, Ni-Cu, Mn-Bi, Mn-Sb, Mn-Al, Fe-Cr, Co-Cr, Ni-Cr, Fe-Co-Cr, Ni-Co-Cr A magnetic alloy is mentioned. Further, nitrides, carbides and oxides of these metals or metal alloys are also preferable.
[0038]
For high density recording, the magnetic layer of the magnetic recording medium is formed on the substrate by oblique vapor deposition or sputtering. The method of oblique vapor deposition or sputtering is not particularly limited, and is according to a conventionally known method. The degree of vacuum during deposition is 10-Four-10-7It is about Torr.
[0039]
In particular, when the reinforcing film of the support is formed of a ferromagnetic metal such as Co, the reinforcing film may be a magnetic layer, and in the present invention, in particular, on one surface of the support by oblique deposition in vacuum. A reinforcing film formed by adhering a ferromagnetic metal mainly composed of cobalt is preferably used as the magnetic layer. In this case, it is more desirable to introduce an oxygen gas during vapor deposition so that a ferromagnetic metal oxide mainly composed of cobalt is contained.
[0040]
Furthermore, a backcoat layer can be formed on the support. The back coat layer may be a coating type back coat layer having a thickness of about 0.2 to 1.0 μm mainly composed of carbon black or a binder, or a vapor deposition method, a direct current sputtering method, an alternating current sputtering method, a high frequency sputtering method, It may be a metal thin film type back coat layer formed by attaching a metal or a semimetal to a support in a vacuum by a dry plating means such as a direct current magnetron sputtering method, a high frequency magnetron sputtering method or an ion beam sputtering method. In the latter case, various metals can be used as the back coat layer, but Al, Cu, Zn, Sn, Ni, Ag, Co, and alloys thereof are used, and Al, Co, and Cu—Al alloys are used. Is preferred. Moreover, Si, Ge, As, Sc, Sb etc. are used as a semimetal which forms a backcoat layer, and Si is suitable. Furthermore, ceramics such as an oxide film or a carbonized film obtained by subjecting the metal or semimetal to an oxidation reaction, a carbonization reaction, or the like during vapor deposition are also suitable. Further, it is preferable to further add an additive to improve conductivity. The thickness of the metal thin film type back coat layer is about 0.05 to 1.0 μm. The back coat layer is preferably a metal thin film type, and the back coat layer is composed of the reinforcing film itself of the support of the present invention or includes the reinforcing film, or at least one layer formed on the reinforcing film. It is preferably composed of a ferromagnetic metal thin film. In particular, the reinforcing film of the support is preferably used as a backcoat layer.
[0041]
In the magnetic recording medium of the present invention, a protective film having a thickness of 1 to 50 nm is preferably provided on the magnetic layer. As a material constituting the protective layer, in addition to oxides, nitrides, and carbides of metals such as Al, SiC and the like, and compounds containing the same can be considered. In particular, a carbon film, particularly diamond-like carbon is preferable. The protective layer made of diamond-like carbon is formed by a physical vapor deposition (PVD) method or a chemical vapor deposition (CVD) method. In particular, it is formed by an ECR plasma CVD apparatus. That is, the ECR plasma CVD apparatus is operated on the magnetic layer on the support disposed in the vacuum chamber, and plasma of hydrocarbon gas is sprayed on the magnetic layer. Thereby, a protective layer (diamond-like carbon layer) is formed on the surface of the magnetic layer.
[0042]
Furthermore, in the magnetic recording medium of the present invention, it is preferable to form a lubricant layer made of a suitable lubricant on the magnetic layer or the protective layer. In particular, a fluorine-based lubricant such as perfluoropolyether is preferable, and the thickness of the lubricant layer is about 0.5 to 10 nm. As a lubricant, for example,-[C (R) F-CF2-O]p-(Where R is F, CFThree, CHThreeGroup), especially HOOC-CF2(OC2FFour)p(OCF2)q-OCF2COOH,-(CF2CF2CF2O)n-CF2CF2Carboxyl group-modified perfluoropolyether such as COOH, HOCH2-CF2(OC2FFour)p(OCF2)q-OCF2-CH2OH, HO- (C2HFourO)m-CH2-(OC2FFour)p(OCF2)q-OCH2-(OCH2CH2)n-OH, F- (CF2CF2CF2O)n-CF2CF2CH2Examples include alcohol-modified perfluoropolyether such as OH. The molecular weight is preferably 500 to 50,000. Specifically, there are trade names “FOMBLIN Z DIAC” and “FOMBLIN Z DOL” from Montecatini, and “demnum SA” from Daikin Industries. In particular, in terms of durability, it is preferable to use a lubricant having both a fluorine-based alkyl group and an alkyl group. It is also preferable to use a mixture of these lubricants.
[0043]
In the present invention, it is preferable to form the lubricant layer as described above also on the back coat layer from the viewpoint of running performance.
[0044]
In the present invention, when the thickness of each magnetic layer is two, the thickness of the lower magnetic layer is preferably 10 to 200 nm, and the thickness of the upper magnetic layer is preferably 5 to 100 nm. The thickness of the magnetic layer is preferably 10 to 200 nm, the thickness of the intermediate magnetic layer is preferably 10 to 100 nm, and the thickness of the upper magnetic layer is preferably 5 to 100 nm. The number of magnetic layers is preferably as large as the high-frequency recording medium, but 2 to 5 layers, particularly 2 to 3 layers are considered appropriate as a practical range. The multi-layered magnetic layers may be formed one by one or continuously using two or more apparatuses.
[0045]
Further, the coercive force of the magnetic recording medium of the present invention is preferably 1200 (Oe) (95 KA / m) or more, particularly preferably 1300 (Oe) (103 KA / m) or more as the coercive force of the entire magnetic layer.
[0046]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.In the following, Examples other than Examples 1, 4, and 14 to 16 are outside the scope of the present invention, but are shown for convenience in the description of Examples.
[0047]
Example 1
(1) Production of support
A PET film having a thickness of 4.9 μm having a filler surface A and a filler surface B was obtained by the following method.
[0048]
Raw material A containing 0.3% by weight of silica having an average particle diameter of 30 nm in PET that does not substantially contain inert particles, and 0% of calcium carbonate having an average particle diameter of 300 nm in PET that does not substantially contain inert particles. The raw material B containing 20 wt% was coextruded at a ratio of 5: 1 thickness ratio and longitudinally stretched 3.0 times at 110 ° C. by a roll stretching method.
[0049]
After that, it was stretched 3.3 times at 105 ° C in the transverse direction with a stenter, heat treated while further stretching 1.56 times at 215 ° C, wound around an intermediate spool, slit into a small width with a slitter, and cut into a cylindrical core. A roll-shaped polyester film having a thickness of 4.9 μm having a filler surface A (surface made of the raw material A) and a filler surface B (surface made of the raw material B) was obtained.
[0050]
This polyester film has 20 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 3 nm. The number of fine protrusions on the filler surface B is 250,000 / mm.2The SRa value was 20 nm. The Young's modulus was 4200 MPa / 9000 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0051]
Next, a Co reinforced film having a thickness of 120 nm was formed on both sides of the PET film using the apparatus shown in FIG. 1 to produce a support having the reinforced film formed thereon. The vapor deposition conditions at this time were a maximum incident angle of 60 °, a film traveling speed of 1.5 m / min, an electron gun power of 16 kW, an oxygen gas flow rate of 10 SCCM from the
[0052]
FIG. 3 shows the result of analyzing the element distribution of the reinforcing film on the filler surface A side of the obtained support by Auger electron spectroscopy. Here, in Auger electron spectroscopy, an electron gun condition is an electron gun acceleration voltage of 10 kV, an emission current of 10 nA, and a magnification of 2000 times. Etching conditions are an argon gas, an acceleration gas of 3 kV, and an ion current of 300 nA. Etching was performed every 25 seconds under these conditions (hereinafter the same). FIG. 3 shows that the reinforcing film on the filler surface A side of the support has a high oxygen concentration in the vicinity of the surface and in the vicinity of the interface between the reinforcing film and the PET film.
[0053]
(2) Manufacture of magnetic tape
The support film obtained above was set in the apparatus of FIG. 1 again, and a Co magnetic layer having a thickness of 90 nm was formed on the Co reinforced film on the filler surface A of the support. The deposition conditions at this time were a film running speed of 1.3 m / min, an electron gun power of 15 kW, and an oxygen gas flow rate of 50 SCCM from the
[0054]
Next, a protective layer having a thickness of 10 nm made of diamond-like carbon was formed on the Co magnetic layer by CVD. Further, a fluorine-based lubricant [trade name: AM2001 (manufactured by Daikin Industries, Ltd.)] is attached to the protective layer and the Co reinforcing film on the filler surface B side so as to have a thickness of 2 nm. Formed.
[0055]
The film on which the Co reinforcing film, Co magnetic layer, diamond-like carbon protective layer, and fluorine-based lubricating layer obtained above were formed was cut into a width of 8 mm and loaded into a cassette case to obtain an 8 mm video tape.
[0056]
(3) Performance evaluation
With respect to the 8 mm video tape obtained above, the envelope was evaluated by the following method as an index of output, runnability (jitter) and head touch. The running performance was measured using jitter representing the change in electromagnetic conversion characteristics accompanying running as an index. The results are shown in Table 1.
[0057]
·output
Using a deck with a modified 8 mm VTR, the output at the frequency shown in Table 1 was measured, and the relative evaluation was made based on Example 1 as a reference (0 dB).
[0058]
・ Jitter
Jitter was measured by modifying a commercially available 8 mm VTR and connecting it to a jitter meter.
[0059]
·envelope
The envelope is measured with an oscilloscope using an Advantest TR4171 type spectrum analyzer and RBW = 10 kHz, VBW = 30 kHz, frequency span = 0 MHz, sweep time = 40 ms, average = 16 times. Then, as shown in FIG. 2, the missing amount was calculated from the maximum value B and the minimum value A of the output waveform as follows.
Chipping amount (dB) = 20 log (A / B)
The smaller the chipping amount, the better the head touch.
[0060]
Example 2
In Example 1, the number of fine protrusions on the filler surface A is 50 million pieces / mm.2Then, except that the SRa value is 2 nm, an 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1 using a PET film having a thickness of 4.9 μm and a Young's modulus of 4200 MPa / 9000 MPa in the longitudinal direction / width direction. The same performance evaluation as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1. The PET film used here was the same as in Example 1 except that the content of silica having an average particle size of 30 nm contained in the raw material A was 0.75% by weight in the PET film production of Example 1. It is manufactured.
[0061]
Example 3
In Example 1, the number of fine protrusions on the filler surface B is 1 million pieces / mm.2Then, except that the SRa value is 40 nm, a 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1 using a PET film having a thickness of 4.9 μm and Young's modulus of 4200 MPa / 9000 MPa in the longitudinal direction / width direction. The same performance evaluation as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1. The PET film used here was produced in the same manner as in Example 1 except that the content of calcium carbonate contained in the raw material B was 0.60% by weight in the production of the PET film of Example 1. It is.
[0062]
Example 4
In Example 1, an 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1 except that a PEN film having a thickness of 4.2 μm was used instead of the PET film, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1. The PEN film used here has 7 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 2 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 70,000 pieces / mm.2The SRa value was 17 nm. The Young's modulus was 5500 MPa / 11000 MPa in the longitudinal direction / width direction. Further, in the production of the PET film of Example 1, this PEN film was changed from PET to PEN as a raw material, the longitudinal stretching temperature and the magnification were 5.0 times at 135 ° C., the transverse stretching temperature and the magnification were 135 ° C., and 6. It was manufactured in the same manner as in Example 1 except that it was changed to 0 times, further stretched to 1.2 times at 160 ° C., and changed to heat treatment at 200 ° C.
[0063]
Example 5
In Example 1, a double-sided reinforcing film was formed without introducing oxygen gas from the
[0064]
Example 6
In Example 1, oxygen gas was not introduced at all when forming the reinforcing film on the support. Other than that, an 8 mm video tape was manufactured in the same manner as in Example 1, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. It was. The results are shown in Table 1. In addition, the result of having analyzed the element distribution of the reinforcement film | membrane by the side of the filler surface A of the obtained support body by Auger electron spectroscopy is shown in FIG. FIG. 5 shows that the reinforcing film on the filler surface A side of the support has a substantially constant oxygen concentration (the fact that the oxygen concentration in the vicinity of the surface is slightly high is due to natural oxidation).
[0065]
Example 7
(1) Production of support
In the manufacturing method of Example 1, the thickness of the co-extruded film was 0.8 times, the extrusion speed was 1.2 times, and the others were the same, and the thickness of the filler surface A and the filler surface B was 3.5 μm. A PET film was obtained.
The number of fine protrusions on the filler surface A of this polyester film is 20 million pieces / mm.2The SRa value was 3 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 250,000 pieces / mm.2The SRa value was 20 nm. The Young's modulus was 4300 MPa / 9200 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0066]
Next, on both sides of this PET film, using the apparatus of FIG.xA reinforcing film is formed, and the filler surface B has a thickness of 150 nm of SiO.xA reinforced film was formed to produce a support having the reinforced film formed thereon. The deposition conditions at this time were a maximum incident angle of 40 °, an electron gun power of 18 kW, an oxygen gas flow rate of 20 SCCM from the
[0067]
(2) Manufacture and performance evaluation of magnetic tape
The support film obtained above is set again in the apparatus shown in FIG.xA Co magnetic layer having a thickness of 150 nm was formed on the reinforcing film. The vapor deposition conditions at this time were a maximum incident angle of 60 °, a film traveling speed of 1.0 m / min, an electron gun power of 16 kW, and an oxygen gas flow rate of 70 SCCM from the
[0068]
Next, a protective layer made of diamond-like carbon and a fluorine-based lubricant were formed in the same manner as in Example 1 to produce an 8 mm video tape, and the same performance evaluation as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1.
[0069]
Example 8
In Example 7, SiOxDuring the formation of the reinforcing film, oxygen gas was introduced only from the
[0070]
Example 9
In Example 7, SiO formed on the filler surface A of the supportxAn 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 7 except that the reinforced film was replaced with a Ni-O reinforced film, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1. The deposition conditions for forming the Ni—O reinforced film are as follows: the maximum incident angle is 50 °, the electron gun power is 12 kW, the film traveling speed is 1.2 m / min, the oxygen gas flow rate is 20 SCCM from the
[0071]
Example 10
In Example 7, an 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 7 except that a PEN film having a thickness of 2.5 μm was used instead of the PET film, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 7. The results are shown in Table 1.
The PEN film used here has 7 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 2 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 70,000 pieces / mm.2The SRa value was 17 nm. Young's modulus was 6000 MPa / 11000 MPa in the longitudinal direction / width direction. This PEN film was obtained in the same manner as in the production of the PEN film of Example 4, except that the thickness of the coextruded film was 0.7 times and the extrusion speed was 1.2 times.
[0072]
Example 11
In Example 7, an 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1 except that a 5.5 μm thick PET film was used, and the performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
The PET film used here has 17 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 3 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 150,000 pieces / mm2The SRa value was 18 nm. The Young's modulus was 4300 MPa / 9100 MPa in the longitudinal direction / width direction. The PET film used here was obtained in the same manner as in the PET film production of Example 1, except that the thickness of the coextruded film was 1.2 times.
[0073]
Example 12
In Example 9, the Ni—O reinforcing film on the filler surface A side and the SiO on the filler surface B sidexAn 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1 except that the thickness of the reinforcing film was doubled (the film running speed was halved), and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0074]
Example 13
In Example 9, the Ni—O reinforcing film on the filler surface A side and the SiO on the filler surface B sidexAn 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1 except that the thickness of each reinforcing film was halved (the film running speed was doubled), and the performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0075]
Example 14
Using the apparatus of FIG. 1, a 140 nm thick Co reinforced film is formed on the filler surface A of the polyester film obtained in Example 1, while a 140 nm thick Co reinforced film is formed on the filler surface B. did. Thereafter, as in Example 1, a protective layer was formed on the reinforcing film on the filler surface A, and a lubricant layer was further formed on the protective layer and on the Co reinforcing film on the filler surface B. Thereafter, an 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1, and performance evaluation in the same manner as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1.
[0076]
Example 15
In the production of the PET film of Example 1, a 4.9 μm thick PET film obtained in the same manner as in Example 1 was used except that the transverse stretch ratio at 215 ° C. was changed to 1.24 times. The same performance evaluation as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1.
The PET film used here has 22 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 3 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 320,000 / mm.2The SRa value was 25 nm. The Young's modulus was 4300 MPa / 7500 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0077]
Example 16
In the production of the PEN film of Example 4, an 8 mm video tape was produced using a PEN film having a thickness of 4.2 μm in the same manner as in Example 4 except that the longitudinal draw ratio was changed to 5.8 times. A similar performance evaluation was performed. The results are shown in Table 1.
The PEN film used here has 8 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 2 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 60,000 pieces / mm.2The SRa value was 16 nm. The Young's modulus was 6500 MPa / 11000 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0078]
Example 17
In the production of the PET film of Example 1, the average particle size of calcium carbonate in the raw material B was 8 nm. Other than that, an 8 mm video tape was produced in the same manner as in Example 1 except that a polyester film having a thickness of 4.9 μm was obtained in the same manner as in Example 1, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
The PET film used here has 20 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 3 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 3 million / mm.2The SRa value was 8 nm. The Young's modulus was 4300 MPa / 9100 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0079]
Example 18
In the production of the PET film of Example 1, the average particle size of calcium carbonate in the raw material B was 1200 nm. Other than that, an 8 mm video tape was manufactured in the same manner as in Example 1 except that a polyester film having a thickness of 4.9 μm was obtained in the same manner as in Example 1, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
The PET film used here has 20 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 3 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 4000 pieces / mm.2The SRa value was 70 nm. The Young's modulus was 4300 MPa / 9100 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0080]
Example 19
In the production of the PET film of Example 1, an 8 mm video tape was produced by using a PET film having a thickness of 4.9 μm in the same manner as in Example 1 except that the particle size of silica contained in the raw material A was 15 nm. The same performance evaluation as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1.
The PET film used here has 99 million fine projections / mm on the filler surface A.2The SRa value was 2 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 250,000 pieces / mm.2The SRa value was 20 nm. The Young's modulus was 4300 MPa / 9100 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0081]
Example 20
In the production of the PET film of Example 1, an 8 mm video tape was produced using a PET film having a thickness of 4.9 μm in the same manner as in Example 1 except that the particle size of the silica contained in the raw material A was 150 nm. The same performance evaluation as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1.
The PET film used here has a fine protrusion number of 4000 on the filler surface A / mm.2The SRa value was 8 nm. The number of protrusions on the filler surface B is 250,000 pieces / mm.2The SRa value was 20 nm. The Young's modulus was 4300 MPa / 9100 MPa in the longitudinal direction / width direction.
[0082]
Example 21
In the production of the PET film of Example 1, the thickness was 4.9 μm in the same manner as in Example 1 except that the particle diameter of silica contained in the raw material A was 140 nm and the average particle diameter of calcium carbonate in the raw material B was 80 nm. 8 mm video tape was manufactured using the PET film of No. 1, and the same performance evaluation as in Example 1 was performed. The results are shown in Table 1.
The PET film used here has 4300 fine projections / mm on the filler surface A.2The number of protrusions on the filler surface B is 8 million / mm.2Met.
[0083]
Comparative Example 1
In Example 1, a PET film in which the filler surface A was not formed was used, and a reinforcing film was formed on this PET film in the same manner as in Example 1 to obtain a support. Other than that, an 8 mm video tape was manufactured in the same manner as in Example 1, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0084]
Comparative Example 2
In Example 1, a Co-reinforced film was not formed on the filler surface B of the support, and instead a coating of a known carbon black and a binder was applied to form a coating type back having a thickness of 0.5 μm (dry thickness). A coat layer was formed. Other than that, an 8 mm video tape was manufactured in the same manner as in Example 1, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0085]
Comparative Example 3
In Example 7, SiO 2 is applied to the filler surface B of the support.xInstead of forming a reinforced film, a coating of a known carbon black and a binder was applied instead to form a coating type backcoat layer having a thickness of 0.5 μm (dry thickness). Other than that, an 8 mm video tape was manufactured in the same manner as in Example 1, and performance evaluation was performed in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0086]
[Table 1]
[0087]
* 1: The output values in Table 1 are relative values (in dB units) when the measurement value of Example 1 at each frequency of 1 MHz, 10 MHz, and 15 MHz is used as a reference (0 dB).
[0088]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a thinned support having excellent rigidity is provided. A magnetic recording medium obtained using this support has good running performance and good head contact, and can exhibit excellent output characteristics.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing an example of an apparatus for forming a magnetic layer of a magnetic recording medium of the present invention.
FIG. 2 is a model diagram for calculating the amount of missing envelope in the embodiment.
FIG. 3 is a chart of Auger spectroscopic analysis of the reinforcing film on the filler surface A side of the support of Example 1.
4 is a chart of Auger spectroscopic analysis of the reinforcing film on the filler surface A side of the support of Example 5. FIG.
5 is a chart of Auger spectroscopic analysis of a reinforcing film on the filler surface A side of a support of Example 6. FIG.
6 is a chart of Auger spectroscopic analysis of a reinforcing film on the filler surface A side of the support of Example 8. FIG.
FIG. 7 is a differential interference micrograph showing the structure of the filler surface A of the support of the present invention (
FIG. 8 is a differential interference micrograph showing the structure of the filler surface B of the support of the present invention (
[Explanation of symbols]
1 ... Support
10 ... Cooling can roll
11 ... Crucible
12 ... Co
15 ... electron gun
16 ... Vacuum chamber
Claims (18)
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- 1998-06-24 JP JP19367898A patent/JP4219444B2/en not_active Expired - Lifetime
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