JP4218369B2 - 電波分離方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の送信源から放射された電波を検出し、検出した電波について仮説を生成し、この仮説に基づいて送信源毎に分離する電波分離方法及び装置に係るものであり、特に生成する仮説の総数を低減し、処理の負担を軽減する電波分離方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の送信源からレーダ波を受信し、その特徴を利用してレーダ波をその送信源毎に分離する方法として、レーダ波を分離する方法が提案されている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】
「誤検出を考慮したMHTレーダパルス列分離法」、電子情報通信学会宇宙航行エレクトロニクス研究会、SANE2001−10、pp.69−76、April 2001.
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の分離方法においては、検出したレーダ波について仮説を生成し、この仮説に基づいてレーダ波を送信源に分離している。しかしこの方法では、レーダ波の数が増えてくると、生成しなくてはならない仮説の個数が指数関数的に増大するという課題があった。これは、N個のレーダ波を分離するために、N−1個のレーダ波に対して生成した各仮説と、N個目のレーダ波を送信源に分離した仮説とをさらに組み合わせて仮説を生成するからである。その結果、入力されるレーダ波数が多いと、受信したレーダ波をその送信源毎に分離する処理に時間を要するという問題が生じる。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、検出した電波の特徴を抽出し、その特徴に基づいて電波を電波群に分類して、これらの電波群毎に仮説の生成を行うようにした。これによって、電波の相互依存性を低減し、仮説を生成する対象となる入力電波の個数を抑制することで、仮説の個数を大きく減少することに成功した。その結果、本発明は電波の分離処理に要する計算機資源を大幅に節約するとともに、同時に処理に要する時間を大幅に短縮するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電波分離方法は、アンテナが放射した複数の電波を検出し、前記各電波の特徴を抽出する信号検出ステップと、
前記信号検出ステップが抽出した前記特徴が相互に類似する前記各電波を、同一の電波群に分類する特徴分類ステップと、
前記特徴分類ステップが分類した電波群毎に、前記複数の電波を同一送信源により放射された電波に分離するための仮説を生成し、この仮説に基づいて前記各電波を同一送信源により放射された電波に分離する送信源分離ステップとを有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
はじめに、実施の形態1による電波分離装置で用いる基本的な概念及び原理について説明する。まず以下の説明において送信源とは、電波を放射するレーダやアンテナなどの機器を意味する。したがって、送信源にはレーダ波源も含むものとして扱う。送信源が放射した電波、すなわちレーダ波や通信波をアンテナで検出しようとすると、このアンテナによって検出される電波は、実際には複数のレーダ波や通信波が混合したものである。そこで、以下の説明では、複数の電波の集合を電波群と呼ぶこととする。そうすると、検出した電波は電波群である。そしてこのような複数の電波が混在した電波群から、送信源毎に電波を選択する処理を「分離」と呼ぶ。この分離という処理を電波毎にみると、ある電波について分離がなされることは、その電波の送信源を特定することでもある。
【0008】
検出した複数の電波を、何らかの特徴が共通する電波群のいずれかに選り分けることを「分類」と呼ぶ。すなわち「電波を分類する」とは、「電波をいずれかの電波群に分類する」ことに帰着する。また検出した電波群を何らかの特徴に基づいて分類してもなお、複数の電波が混在しているのであれば、分類後の電波は依然として電波群である。
【0009】
一般的な電波分離装置は、検出された電波が、いずれかの送信源により放射されたものとする仮定をたてて処理を行う。このような仮定を仮説と呼ぶ。すなわち、電波が複数ある場合には、仮説はそれぞれの電波と送信源との組み合わせで表現される。
【0010】
以下の説明では、k個の電波を分離した仮説を、「k電波の仮説」と呼ぶこととする。k個の電波を複数の送信源に分離する方法は、複数通り考えられる。その一つ一つの組み合わせが「仮説」である。そうすると「k電波の仮説」には、複数の仮説が含まれることになる。この複数の仮説である「k電波の仮説」のうち、i番目の仮説を「k電波の仮説i」と呼ぶ。さらに、k番目の電波をいずれかの電波群に分離した仮説を「k番目の電波の仮説」と呼ぶ。
【0011】
そこで、まず仮説の個数を算出する方法について説明する。ここで例として、図4に示すように、電波301〜303からなる3個の電波を分離する場合を考える。これらを分離したものとして、「3電波の仮説1」と「3電波の仮説2」という2つの仮説が存在するものとする。3電波の仮説1は、電波301と電波303を1個目の送信源に分離し、電波302を2個目の送信源に分離する、と仮定したものである。また3電波の仮説2は、電波301〜303がいずれも1個目の送信源に分離すると仮定したものである。
【0012】
いま、これらの仮説に基づいて、さらに4番目の電波を分離する場合を考える。図4において、3番目までの電波に対してすでに2つの仮説が生成されているので、4番目の電波についての仮説は、すでに生成されているこれらの仮説を利用して生成される。すなわち、「3電波の仮説1」に基づいて、4番目の電波を1個目の送信源に分離する仮説、2個目の送信源に分離する仮説などを生成する。同様に、「3電波の仮説2」についても、4番目の電波を組み合わせることによって、「4電波の仮説」が複数生成される。以上のように、k番目の電波の仮説は、k−1番目の電波の仮説を基礎として生成される。
【0013】
一般に、電波がN個の場合の仮説の個数Sは、次の漸化式で求めることができる。
【数1】
Figure 0004218369
ただし、S=1とする。上式において、にSK−1を乗じている理由は、N個の電波のうちK個の電波を放射した送信源として考慮しなければならない個数は、K−1個の仮説の個数分だけ存在することによる。
【0014】
電波の数が1、2、3、4、5、6の場合のそれぞれの仮説の個数は、上式にしたがって計算することにより、2、5、15、52、203、877となる。このように電波の数が増えるにつれて、仮説の個数は急激に増加する。また、現実に受信する電波の個数は多数に及ぶ。そのため、生成しなければならない仮説の個数は膨大となって、実時間処理では対応できない。
【0015】
そこで、実施の形態1では、電波間の相関を抽出して、相関を有する電波を個別の電波群に分類し、各電波群ごとに仮説の生成を行うこととした。仮に6個の電波が存在するとすれば、仮説の個数は877となる。そこで、例えばこの6個の電波を3個ずつの電波からなるそれぞれ独立した2つの電波群に分離できるものと考える。そうすると、それぞれの電波群について生成しなければならない仮説の個数は15個ずつとなって、生成する仮説の個数を大幅に減少する。その結果、電波の分離処理に要する計算機資源を大幅に節約し、同時に時間を大幅に高速化することができる。
【0016】
次に電波の相互依存性(相関)を抽出する方法について説明する。同一の送信源から放射された電波同士は、類似(同一である場合も含むものとする)する特徴を有する。例えば、同一の送信源から放射された電波は、受信方位角度(電波を受信した方位)が類似する。そこで、受信方位角度に基づいて電波を電波群に分類する。そうすると、同一の送信源から放射された電波は、異なる電波群に含まれることはない。したがって、それぞれの電波群毎に独立して仮説を生成しても、送信源を特定するための処理の信頼度に影響を及ぼさない。
【0017】
このような電波の相関を抽出するのに利用できる特徴としては、受信方位角度の他にも、電波が通信波である場合には、周波数帯域幅や、「周波数固定通信波/周波数変動通信波の別」がある。また周波数固定通信波では、通信波のキャリア周波数を特徴とすることができるし、周波数変動通信波では、1つの周波数における通信波の出現から消滅までの通信継続時間が類似するため、通信継続時間を特徴として用いることができる。このような電波の特徴を電波内特徴と呼ぶ。
【0018】
次に、電波内特徴ベクトルと電波内特徴行列について説明する。k番目の電波におけるj番目の電波内特徴の値をakj、k番目の電波の全ての電波内特徴を表すベクトルを電波内特徴ベクトルBak、k個の電波の電波内特徴を表す行列を電波内特徴行列BAkとする。これらの関係は式(2)のようになる。
【数2】
Figure 0004218369
【0019】
また、電波群nに含まれるk番目の電波に関するj番目の電波内特徴をakj、k番目の電波の全ての電波内特徴を表す電波内特徴ベクトルをBk、この電波の電波内特徴を表す電波内特徴行列をBkとする。これらの関係を式(3)に示す。
【数3】
Figure 0004218369
【0020】
以上が、実施の形態1による電波分離装置で用いる基本的な概念及び原理である。
【0021】
次に、実施の形態1による電波分離装置について説明する。図1は、実施の形態1による電波分離装置の構成図である。図において、電波分離装置1は実施の形態1による電波分離装置であって、信号検出手段10、特徴分類手段11、送信源分離手段12−1と12−2より構成される。
【0022】
信号検出手段10は、アンテナなどにより電波を検出し、検出した電波の電波内特徴を抽出するものである。特徴分類手段11は、信号検出手段10が出力する電波内特徴に基づいて、検出した電波を一定の相関を有する電波群に分類するものである。送信源分離手段12−1と送信源分離手段12−2はともに、特徴分類手段11が分類した電波群において仮説を生成し、最終的に電波の分離を行うものである。
【0023】
続いて、信号検出手段10の詳細な構成について説明する。図5は、信号検出手段10の構成図である。図において、アナログ・デジタル変換手段51は、受信されたアナログの受信信号をデジタルに変換するものである。高速フーリエ変換手段52は、デジタルに変換されたデータに対して高速フーリエ変換(以下、FFTと呼ぶ)を行うものである。電波検出手段53は、高速フーリエ変換手段52が出力するスペクトルから、電波を検出する。特徴観測手段54は、検出された電波の電波内特徴を観測するものである。
【0024】
次に送信源分離手段12−1の構成について説明する。電波記録手段13−1は、特徴分類手段11が出力する電波群に含まれる電波についてのログを、出現時刻順に記憶装置に記録するものである。また同時に、出力する電波が最初の電波である場合には初期化フラグを出力し、最後の電波の場合には終了フラグを出力するようになっている。仮説生成手段14−1は、特徴分類手段11が出力する電波と、後述する仮説数減少手段16−1が出力する仮説とを組み合わせて、電波を送信源毎、もしくは誤検出された電波に分離する仮説を生成するものである。また、電波記録手段13−1が初期化フラグを出力した場合には、仮説を初期化するようになっている。なお、電波の入力については、特徴分類手段11から行うのではなく、電波記録手段13−1に電波を出力させるようにして、これを仮説生成手段14−1が入力するようにしてもよい。
【0025】
評価値算出手段15−1は、仮説生成手段14−1が出力する複数の仮説の評価値を算出し、仮説に付加して出力するものである。また、電波記録手段13−1が初期化フラグを出力した場合には評価値を初期化するものである。
【0026】
仮説数減少手段16−1は、評価値算出手段15−1が出力する評価値を用いて仮説を選択するものである。そして、電波記録手段13−1から終了フラグが入力された場合には、選択した仮説を後述する仮説選択手段17−1に出力し、それ以外の場合には、選択した仮説を仮説生成手段14−1に出力するようになっている。
【0027】
仮説選択手段17−1は、仮説数減少手段16−1が仮説を出力した場合に、入力された仮説の中から最も評価値の高い仮説を出力するものである。
【0028】
送信源分離手段12−2は、送信源分離手段12−1と同様の構成要素を有する。具体的には、電波記録手段13−2、仮説生成手段14−2、評価値算出手段15−2、仮説数減少手段16−2、仮説選択手段17−2は、それぞれ電波記録手段13−1、仮説生成手段14−1、評価値算出手段15−1、仮説数減少手段16−1、仮説選択手段17−1に対応する。
【0029】
次に、電波分離装置1の処理について説明する。信号検出手段10におけるアナログ・デジタル変換手段51は、入力されるアナログの受信信号を一定間隔でサンプリングし、デジタルに変換したデータを出力する。次に高速フーリエ変換手段52は、デジタルに変換されたデータに対してFFT処理を行い、データに含まれる信号のスペクトル成分を出力する。その後、電波検出手段53は、高速フーリエ変換手段52が出力した信号のスペクトル成分から、電波を検出する。その方法として、あらかじめ設定した閾値と比較する方法や、FFT処理毎の平均値にあらかじめ設定した電波検出パラメータを加算もしくは乗算した値を閾値として、閾値を超えたものを検出する方法などがある。そして特徴観測手段54は、電波検出手段53が検出した電波の電波内特徴(電波出現時刻、キャリア周波数、受信方位角度、通信継続時間、周波数帯域幅など)を観測し、所定の時間内に受信された電波の電波内特徴行列BAK(電波がK個検出されたとする)を出力する。
【0030】
以下、具体的な分類の方法を、電波が通信波であり、電波の特徴として通信波の通信継続時間を用いる場合について述べる。これは検出した電波が通信波である場合に、周波数変動通信波の通信継続時間の類似性に着目して、受信した通信波を周波数変動通信波の可能性が高い電波群と、周波数固定通信波の可能性が高い電波群に分類する方法である。
【0031】
いま、一定の時間TSA内に、通信波としてK個の電波を検出したとする。このとき、これら電波の通信継続時間の確率密度分布PCOは、Δtcoを時間分解能とすれば、自然数ccを用いて、式(4)のように表すことができる。
【数4】
Figure 0004218369
ここで、NCO(cc・Δtco)とは、電波の通信継続時間ak1(ただし1≦k≦K)が式(5)を満たすような電波の数を算出する関数である。またak1とは、電波内特徴ベクトルのj=1の要素を意味する。
【数5】
Figure 0004218369
【0032】
仮に、通信継続時間がcc・Δtcoとなる周波数変動通信波の送信源が、時間TSA内のすべてにわたって周波数変動通信波を放射し続けており、信号検出手段10がそれらをすべて検出していたとすると、時間TSA内に検出できる周波数変動通信波の数は、TSA/cc・Δtcoとなる。しかし、送信源が放射した電波をすべて正しく検出するケースは少なく、また、信号を検出している時間TSAの間、周波数変動通信波の送信源が一律に電波を放射しているとも限らない。そこで、検出する比率をrCCTとすると、周波数変動通信波を抽出する条件は、式(6)のようになる。
【数6】
Figure 0004218369
【0033】
なお、式(6)の代わりに、電波の通信継続時間の確率密度分布が指数分布に従うと仮定し、その分布式を利用して、周波数変動通信波を抽出する条件式に用いてもよい。いま、時間TSA内に検出した各電波の平均通信継続時間をACOKとし、指数分布を用いて周波数変動通信波を抽出する条件を表すと、式(7)のようになる。
【数7】
Figure 0004218369
ここで、βは、周波数変動通信波の閾値を決定する所定の値である。なお、式(7)では、βを分布式に対する係数(乗数)として用いているが、これ以外に、切片(βを加算する)として用いてもよい。また、式(6)、(7)を組み合わせて、周波数変動通信波を抽出する条件として用いてもよい。
【0034】
次に、式(5)と式(7)を同時に満たす電波について、変動誤差を考える。通信波の送受信においては、さまざまな要因により通信継続時間が変動しうる。そこで、このような変動を許容するために、通信継続時間の変動幅をcg1・Δtcoとしておく。そしてこの条件を満たす通信継続時間に、この変動幅を加えた式(8)を満たす通信継続時間ak1(1≦k≦K)となる電波を分類する。
【数8】
Figure 0004218369
【0035】
以上のようにして、特徴分類手段11は、電波を周波数変動通信波である可能性が高い電波群と、周波数固定通信波である可能性が高い電波群に分類し、各電波群ごとに電波内特徴行列を出力する。そこで、以降の説明においては、周波数変動通信波の可能性が高い電波群を、電波群1とし、周波数固定通信波の可能性が高い電波群を、電波群2とする。また、電波群1に含まれる電波の数をK1とし、電波群2に含まれる電波の数をK2とする。さらに電波群1について出力した電波内特徴行列をB11K1とし、電波群2について出力した電波特徴行列をB22K2とする。さらに、電波内特徴ベクトルは電波そのものを表すため、電波内特徴ベクトルを単に電波と呼ぶこととする。
【0036】
送信源分離手段12−1は、電波内特徴行列B11K1を利用して、電波群1に含まれる電波を送信源毎に分離する。また、送信源分離手段12−2は、電波内特徴行列B22K2を利用して、電波群2に含まれる電波を送信源毎に分離する。
【0037】
まず、特徴分類手段11が出力した電波群1の電波内特徴行列B11K1は、送信源分離手段12−1における電波記録手段13−1によって、一時的に記録される。また電波記録手段13−1は、電波が1番目の電波である場合に、初期化フラグを仮説生成手段14−1及び評価値算出手段15−1に出力する。さらに、K1番目の電波を出力する場合には、終了フラグを仮説数減少手段16−1に出力する。電波群1に含まれる電波はK1個であるので、K1番目の電波は最後の電波である。仮説生成手段14−1以降の処理については、初期化フラグが出力された場合、初期化フラグと終了フラグのいずれも出力されていない場合、終了フラグが出力された場合、の3つの場合に分けて説明する。
【0038】
(初期化フラグが出力された場合)
仮説生成手段14−1は、初期化フラグが出力された場合に、仮説を初期化し、入力電波数k1=1として、1番目の電波についての仮説を出力する。1番目の電波に対しては、電波を誤検出した場合、すなわちノイズである場合も考えられる。そこで仮説生成手段14−1は、下記(1)、(2)の2個の仮説を生成する。
(1)電波を、1個目の送信源が放射した電波に分離する仮説。
(2)電波を、誤検出した電波である、として分離する仮説。
【0039】
次に評価値算出手段15−1は、仮説の評価値を1に初期化して、仮説数減少手段16−1に出力する。この仮説の評価値の算出方法については(初期化フラグと終了フラグのいずれも出力されていない場合)の処理の説明で述べる。続いて仮説数減少手段16−1は、各仮説に付加されている評価値を基に、評価値のよい仮説を選択し、選択した仮説を出力する。この評価方法は、初期化フラグが出力されていない場合と同様であるので、同じく後述することとする。仮説数減少手段16−1は、ここで選択した仮説を仮説生成手段14−1に出力する。以後、仮説数減少手段16−1が仮説生成手段14−1に出力した仮説は、次に説明する「初期化フラグと終了フラグのいずれも出力されていない場合」の処理の基礎となる。
【0040】
(初期化フラグと終了フラグのいずれも出力されていない場合)
仮説生成手段14−1は、初期化フラグが出力されていない場合、すなわちk1番目(ただしk1>1)の電波を入力した場合、新たに入力された電波と、仮説数減少手段16−1が出力した仮説を組み合わせて、新たな仮説を生成する。ここで、仮説数減少手段16−1が出力する仮説は、k1−1番目までの電波の仮説を処理したものである。したがって、仮説数減少手段16−1が出力する仮説は、「(k1−1)電波の仮説」である。仮説生成手段14−1は、k1番目の電波に対する仮説を生成するために、「(k1−1)電波の仮説」と、新たに入力されたk1番目の電波を送信源に分離した「k1番目の電波の仮説」とを組み合わせて、「k1電波の仮説」を生成する。
【0041】
ここで、「(k1−1)電波の仮説i」に基づいて、k1番目の電波を分離する場合を考える。「(k1−1)電波の仮説i」は、M個の送信源を有する仮説であるとする。この場合、仮説生成手段14−1は、下記(3)〜(6)の仮説を出力する。
(3)k1番目の電波を、m個目の送信源(ただし、1≦m≦M)に分離する複数の仮説。
(4)m個目の送信源から放射された電波を1つ以上失検出した後に、k1番目の電波が、m個目の送信源から放射されたものである、とする複数の仮説。
(5)k1番目の電波が、誤検出した電波である、と分離する仮説。
(6)これまで分離された電波が分離されていない新たな送信源((M+1)個目の送信源)から放射された電波である、とする仮説。
【0042】
周波数変動通信波の場合には、電波の出現時刻の周期性を利用して出現時刻を予測することができるため、電波を失検出したか否かの判断をすることが可能である。しかし、周波数固定通信波の場合には、電波の出現時刻が周期的でないため、失検出したか否か判断はできない。そのため、周波数固定通信波の場合は、上記仮説のうち、失検出したとする仮説は生成しないこととする。
【0043】
そして、「(k1−1)電波の仮説」の総数がH1個ある場合、上記(3)〜(6)の仮説を生成する処理を、「(k1−1)電波の仮説h1(1≦h1≦H1)」に対して行い、「k1電波の仮説」を生成する。さらに、「(k1−1)電波の仮説h1」に対して、「k1番目の電波の仮説」がHh1個考えられるとすると、仮説生成手段14−1は、式(9)より、合計G1個の「k1電波の仮説」を評価値算出手段15−1に出力する。
【数9】
Figure 0004218369
【0044】
評価値算出手段15−1は、仮説生成手段14−1が出力するG1個の「k1電波の仮説」に対して評価値を算出し、その結果を各仮説に付加して出力する。
【0045】
そこで、まず「k1電波の仮説h1」の評価値の算出方法について説明する。「k1電波の仮説h1」は、「(k1−1)電波の仮説h1’」と、「k1番目の電波の仮説h1”」を組み合わせて生成された仮説であるとし、各電波からJ個の電波内特徴が求められているものとする。この場合において、「(k1−1)電波の仮説h1’」の評価値をL1pとし、「k1番目の電波の仮説h1”」が示す送信源、もしくは誤検出した電波の集合に、k1番目の電波が含まれる確率をP1k1とする。また、k1番目の電波が「k1番目の電波の仮説h1”」が示す送信源もしくは、誤検出した電波の集合に含まれる場合に、k1番目の電波のj番目の電波内特徴がak1jとなる確率P1k1j1とする。そうすると、「k1電波の仮説h1」の評価値L1は、式(10)により求めることができる。
【数10】
Figure 0004218369
【0046】
ここで、電波内特徴j=1は、通信継続時間を示すものとし、「k1番目の電波の仮説h1”」は、k1番目の電波がm個目の送信源が含まれる仮説とする。そして、m個目の送信源に分離された電波の通信継続時間の推定値がbmk1、その標準偏差がvmk1として求められているものとする。この場合、P1k1j1は、式(11)により求めることができる。
【数11】
Figure 0004218369
【0047】
評価値算出手段15−1は、上記のようにして仮説の評価値を算出しその結果を仮説に付加して仮説数減少手段16−1に出力する。なお、k1=1の場合、すなわち初期化フラグが出力された場合には、「(k1−1)電波の仮説」は存在しないこととなる。この場合は、(初期化フラグが出力された場合)の評価値算出手段15−1の説明で述べたとおり、仮説の評価値L1pは1である。
【0048】
上記式(11)では成分ak1jで表される通信継続時間を電波の特徴として用いているが、これに代えてキャリア周波数、受信方位角度、周波数帯域幅、通信継続時間、受信方位各度、信号出現時刻間隔などを利用してもよい。またこれらを組み合わせて用いるようにしてもよい。
【0049】
仮説数減少手段16−1は、各仮説に付加されている評価値を基に、評価値のよい仮説を選択し、選択した仮説を仮説生成手段14−1に出力する。仮説を選択するには、選択する仮説数hsを事前に決定しておき、hs個の仮説を抜き出す。あるいは、閾値を事前に設定し、この閾値と比べてよい評価値を持つ仮説を抜き出す方法などを用いてもよい。また、全仮説の評価値の和に、ある定数をかけた値を閾値としてもよい。
【0050】
(終了フラグが出力された場合)
この場合、仮説生成手段14−1、評価値算出手段15−1の処理については、上述した(初期化フラグと終了フラグのいずれも出力されていない場合)の処理と同様であるので、説明を省略する。一方、仮説数減少手段16−1は、(初期化フラグと終了フラグのいずれも出力されていない場合)の処理と同じように、各仮説に付加されている評価値を基に、評価値のよい仮説を選択する。ただし、選択した仮説の出力先は、(初期化フラグと終了フラグのいずれも出力されていない場合)の処理とは異なり、仮説選択手段17−1である。
【0051】
仮説選択手段17−1は、仮説数減少手段16−1が出力した仮説から、最も評価値の高い仮説を選択し、それを電波分離結果として出力する。
【0052】
また送信源分類手段12−2では、送信源分類手段12−1と並列に送信源分類処理を行う。送信源分類手段12−2が処理する電波群と送信源分類手段12−1が処理する電波群との間には、相互に依存性がないので、いずれか一方が他方の処理結果を必要としたり、処理タイミングの制御を行う必要はない。なお送信源分類手段12−2における処理は、送信源分類手段12−1における処理と同様であるので、説明を省略する。
【0053】
以上から明らかなように、実施の形態1による電波分離装置1では、電波内特徴に基づいて受信した電波をいくつかの電波群に分類し、それぞれの電波群について、送信源分類手段12−1と送信源分類手段12−2が仮説を生成し、選択することとした。そのため、生成される仮説の個数を大幅に減少させることができ、その結果処理に要する時間を大幅に削減することができる。
【0054】
また受信した電波を相互依存性のない電波群に分離し、複数の送信源分離手段による処理を並列に実行するようにしたので、高速に電波分離を行うことができる。
【0055】
なお実施の形態1では、送信源分離手段12−1と送信源分離手段12−2の2つの送信源分離手段を用いたが、送信源分離手段の個数は2個に限定されるものではなく、3個以上の送信源分離手段を用いてもよいことはいうまでもない。
【0056】
さらに実施の形態1では、電波群間の相互依存性を排除して並列実行が可能であることを示すために、送信源分離手段12−1と送信源分離手段12−2の2つの送信源分離手段を有することとしたが、特徴分離手段11と送信源分離手段との間に記憶装置(バッファ)を配置して、特徴分離手段11の出力を記憶させ、1つの送信源分離手段がこれを順次処理していくような構成を採ってもよい。
【0057】
また実施の形態1では、電波が通信波である場合について、通信波の通信継続時間を電波の特徴とすることで、電波の分類を行ったが、レーダ波の電波の特徴を用いて電波の分類を行うことで、上記と同様に仮説の個数を削減し、処理を高速化できることはいうまでもない。
【0058】
実施の形態2.
実施の形態1による電波分離装置は、通信継続時間分布に基づいて電波群に分類し、仮説を生成して選択することを特徴とした。しかし、通信継続時間の代わりに、あるいは通信継続時間と合わせて、受信方位角度に基づいて電波群に分離してもよい。実施の形態2による電波分離装置1は、受信方位角度をはじめとする特徴に基づいて電波群を分離するものである。
【0059】
なお、実施の形態2による電波分離装置1は、実施の形態1と比較して、特徴分類手段11の構成が異なるのみであり、他の構成要素については実施の形態1と同様である。そこで、以下において特徴分類手段11についてのみ説明し、他の構成要素については特徴分類手段11との関連についてのみ適宜説明することとする。
【0060】
図2は、実施の形態2による電波分離装置における特徴分類手段11の構成図である。図に示すように、特徴分類手段11は、受信方位角度分布分類手段20と周波数帯域幅分布分類手段21と通信継続時間分布分類手段22とキャリア周波数分布分類手段23より構成される。
【0061】
受信方位角度分布分類手段20は、信号検出手段10が出力する電波を、受信方位角度の類似した電波群に分類する。周波数帯域幅分布分類手段21は、受信方位角度分布分類手段20が出力する電波群を、周波数帯域幅の類似した電波群に分類する。通信継続時間分布分類手段22は、周波数帯域幅分布分類手段21が出力する電波群を、通信継続時間の類似性を利用して、周波数変動通信波の可能性が高い電波群と周波数固定通信波の可能性が高い電波群に分類する。キャリア周波数分布分類手段23は、通信継続時間分布分類手段22が出力する電波群のうち、周波数固定周波数の可能性が高い電波群を、キャリア周波数の類似性を利用してキャリア周波数の類似した電波群に分類する。
【0062】
次に特徴分類手段11における処理について説明する。信号検出手段10は、電波を検出すると、特徴分類手段11における受信方位角度分布分類手段20に出力する。一般に、送信源が固定されている場合、同一の送信源から放射された電波の受信方位角度は類似する。そこで、受信方位角度分布分類手段20は、その類似する特徴を利用して、受信方位角度の類似した電波群に分類する。
【0063】
例えば、信号検出手段10が時間TSA内にK個の電波を検出し、これらの電波内特徴行列を出力したものとする。これらの電波において、受信方位角度毎の通信継続時間の合計の分布を考える。
【0064】
いまccを自然数とし、Δfを電波の受信方位角度の周波数分解能として、(cc−1)・Δf<ak2≦cc・Δfを満たす受信方位角度ak2(ただし、1≦k≦K)の通信連続時間の合計が、NAOA(cc・Δf)により与えられるものとする。ここで、類似する受信方位角度抽出の閾値を決定するパラメータをrAOAとすれば、受信方位角度の類似した電波を抽出する条件は、式(12)のようになる。
【数12】
Figure 0004218369
【0065】
次に受信方位角度がak2(ただしak2は、(cc2−1)・Δf<ak2≦cc2・Δfを満たすものとする)であり、かつ、上記条件を満たした電波について、観測誤差を考える。通常電波の受信方位角度を観測する場合、必ず観測誤差が含まれる。そこで、そのような観測誤差を許容するために、観測誤差をcg2・Δfとしておく。そして、上式(12)の条件を満たした受信方位角度に、誤差範囲cg2・Δfを考慮した式(13)を満たす受信方位角度ak2を持つ電波を、1つの電波群に分類する。
【数13】
Figure 0004218369
【0066】
受信方位角度分布分類手段20は、上記の分類により、電波をL個の電波群に分類する。そして、その分類に基づいて電波内特徴行列B(ただし1≦l≦Lであって、電波群lに含まれる電波をKとする)を生成し出力する。
【0067】
次に、周波数帯域幅分布分類手段21は、これらL個の各電波群を、さらに周波数帯域幅の類似する電波群に分類する。例えば、受信方位角度分類手段20が分類した、ある電波群lをW個の電波群に分類する。この場合、周波数帯域幅分布分類手段21は、この電波群lに対して、電波内特徴行列Bを出力する。ただし1≦w≦Wであって、電波群wに含まれる電波をKとする。なお、周波数帯域幅分布分類手段21における処理は、用いる特徴が周波数帯域幅である点を除いて、受信方位角度分布分類手段20における処理と同様であるので、説明を省略する。また、処理性能を高めるという観点から、受信方位角度分布分類手段20が出力したL個の各電波群の分類処理を並列に実行するために、周波数帯域幅分布分類手段21を複数個準備し、周波数帯域幅分布分類手段21のそれぞれに各電波群を割り当てることが望ましいが、必須ではない。さらに、上記では、ある電波群lについてのみ説明したが、他の電波群についても同様であることはいうまでもない。
【0068】
次に、通信継続時間分布分類手段22は、これらW個の各電波群を、さらに周波数変動通信波の可能性が高い電波群もしくは、周波数固定通信波の可能性が高い電波群に分類する。なお、通信継続時間の分布に基づいて電波を分類する方法については、実施の形態1で説明したので、ここでは説明を省略する。
【0069】
その結果、通信継続時間分布分類手段22は、周波数帯域幅分布分類手段21が分類したある電波群wを、例えばT1個の「周波数変動通信波である可能性が高い電波群」と、T2個の「周波数固定通信波である可能性が高い電波群」に分類する。そしてこの分類結果に従って、周波数変動通信波の可能性が高い電波の電波内特徴行列Bt1t1t1とBt2t2t2とを生成し出力する。ただし、1≦t1≦T1であって、電波群t1に含まれる電波をKt1とする。また1≦t2≦T2であって、電波群t2に含まれる電波をKt2とする。
【0070】
そして電波内特徴行列のうち、周波数変動通信波である可能性が高い電波内特徴行列Bt1t1t1を送信源分離手段12−1に出力する。一方、周波数固定通信波の可能性が高い電波内特徴行列Bt2t2t2をキャリア周波数分類手段23に出力する。
【0071】
キャリア周波数分布分類手段23は、通信継続時間分布分類手段22が出力した周波数固定通信波である可能性が高いT2個の電波群を、キャリア周波数の類似した電波群に分類する。キャリア周波数分布に基づいて電波を分類する処理については、受信方位角度分布の分類処理と、異なる特徴を用いているという点を除いて同様であるので、説明を省略する。分類の結果、これらT2個の電波を、C個の電波群に分類したものとすると、キャリア周波数分布分類手段23は、分類結果に従って電波内特徴行列Bを生成し送信源分離手段12−2に出力する。ただし1≦c≦Cであって、電波群cに含まれる電波をKとする。
【0072】
送信源分離手段12−1及び送信源分離手段12−2は、通信継続時間分布分類手段22及びキャリア周波数分布分類手段23が出力した電波群のそれぞれについて、個別に仮説を生成し、電波分離結果を出力する。これらの処理については、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。なお、通信継続時間分布分類手段22及びキャリア周波数分布分類手段23が出力する電波群の個数が、送信源分離手段12−1と送信源分離手段12−2との送信源分離手段の個数よりも多い場合は、特徴分類手段11と送信源分類手段12−1及び12−2との間に記憶装置を設けて記憶させ、送信源分類手段12−1及び12−2が順次この記憶装置に記憶されている電波群を処理するようにしてもよい。また、実施の形態2では、送信源分類手段として12−1と12−2の2個を有する構成としたが、送信源分類手段の個数を電波群の個数以上準備できることが望ましい。ただしこのことは、必須ではない。
【0073】
以上から明らかなように、実施の形態2による電波分離装置1では、受信方位角度分布や周波数帯域幅分布、通信継続時間分布、キャリア周波数分布に基づいて、受信した電波を電波群に分類し、それぞれの電波群について仮説を生成するようにした。そのため、個々の電波群で生成する必要のある仮説の個数を大幅に抑制でき、結果として処理を高速化できる。
【0074】
なお、実施の形態2による電波分離装置では、受信方位角度分布や周波数帯域幅分布、通信継続時間分布、キャリア周波数分布の4種類の特徴による分類を行う方法を示したが、これら4種類の特徴のいずれかを省略するような構成をとってもよい。また分類を行う順番は受信方位角度分布や周波数帯域幅分布、通信継続時間分布、キャリア周波数分布の順でなくてもよいことはいうまでもない。
【0075】
またキャリア周波数分布による分類がなされた段階で、そのキャリアの送信源がほぼ特定できる。そこでキャリア周波数により、ある電波群に分類された電波については、送信源分離手段12−1及び12−2において仮説を生成せずに、その電波群のすべての電波を同一の送信源に分離するようにしてもよい。
【0076】
さらに、周波数帯域幅分布分類手段21、通信継続時間分布分類手段22、キャリア周波数分布分類手段23のそれぞれの構成要素を複数配置し、各電波群単位で並列実行させるようにしてもよい。このようにすることで、各電波群の処理は他の電波群の処理の進行に依存しないようにすることができ、より高速な処理が可能となる。
【0077】
実施の形態3.
実施の形態1乃至実施の形態2では、受信した電波がノイズである場合を考慮しているものの、本来別の電波群に分類されるべき電波が、本来の電波群とは異なる電波群に分類されてしまう場合を考慮していない。実施の形態3は、本来の電波群とは異なる電波群に分類された電波を検出し、この電波を他の電波群に結合(マージ)して、誤検出された電波と本来の電波群とを処理するものである。
【0078】
図3は、実施の形態3による電波処理装置の構成図である。図において、電波結合手段18−1及び18−2は、電波群とこの電波群には属さない電波とを結合する。また誤分類検出手段19−1は、仮説選択手段17−1の出力する電波分離結果から、誤分類された電波を検出し、送信源分離手段12−2の電波結合手段18−2に出力する。同様に、誤分類検出手段19−2は、仮説選択手段17−2の出力する電波分離結果から、誤検出された電波を検出し、送信源分離手段12−1の電波結合手段18−1に出力する。その他、図1と同じ符号を付した構成要素は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0079】
次に、実施の形態3における電波分離装置1の処理について説明する。信号検出手段10によって受信された電波は、特徴分類手段11によっていくつかの電波群に分類される。これらの処理については実施の形態1及び実施の形態2と同様であるので説明を省略する。次に特徴分類手段11は、電波内特徴行列を、送信源分離手段12−1及び12−2のそれぞれの電波結合手段18−1及び18−2に出力する。
【0080】
電波結合手段18−1は、他の電波群の処理を行う送信源分離手段12−2において誤検出とされた電波と、特徴分類手段11が分類した電波群とをマージし、出現時刻順に整列して出力する。また送信源分離手段12−1と同様に、送信源分離手段12−2においても電波結合手段18−2を設ける。電波結合手段18−2は電波結合手段18−1と同様の処理を行う。
【0081】
さらに、仮説生成手段14−1において、本来の電波群に分類されるべき電波についての仮説のみでなく、本来別の電波群に分類されるべき電波が誤って分類されたとする、誤分類された電波であるとする仮説をも生成する。
【0082】
評価値算出手段15−1及び15−2、仮説数減少手段16−1及び16−2、仮説選択手段17−1及び17−2における処理については、実施の形態1及び2と同様であるので、説明を省略する。
【0083】
次に誤分類検出手段19−1は、仮説選択手段17−1が出力した電波分離結果のうち、誤分類された電波を検出し、電波分離結果から取り除く。また誤分類された電波は、送信源分離手段12−2の電波結合手段19−2に出力する。同様に、誤分類検出手段19−2は、仮説選択手段17−2が出力した電波分離結果のうち、誤分類された電波を送信源分離手段12−1の電波結合手段19−1に出力する。
【0084】
以上より明らかなように、実施の形態3による電波分離装置1によれば、誤分類された電波を本来の電波群にマージして処理を行うので、分類レベルにおける電波の損失の発生を防止し、精度の高い電波分離処理を行うことができる、という効果を奏する。
【0085】
なお、実施の形態3では、2つの送信源分離手段が、相互に誤分類した電波を他方にマージする構成とした。しかしこの他にも、3以上の送信源分離手段を設け、ある送信源分離手段が誤分類した電波を隣接する送信源分離手段の電波群に順次マージして、処理するような構成を採ってもよい。このような構成を採ると、誤分類した電波は各送信源分離手段間を巡回することになる。そこで、処理のターンアラウンドを向上させるために、いずれかの送信源分離手段に到達し、なおも誤検出である電波については、それ以上の巡回を行わせずに廃却するような構成をとってもよい。
【0086】
【発明の効果】
本発明による電波分離方法では、受信した電波をその特徴に基づいて電波群に予め分類してから、各電波群について個別に仮説を算出することとしたので、仮説の算出対象となる電波の総数を抑制し、結果として仮説の総数を抑制するので、処理を高速化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による電波分離装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 実施の形態2による電波分離装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 実施の形態3による電波分離装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 実施の形態1による電波分類方法の概念図である。
【図5】 実施の形態1による信号検出手段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:電波分離装置 10:信号検出手段 11:特徴分類手段
12−1、12−2:送信源分離手段 13−1、13−2:電波記録手段
14−1、14−2:仮説生成手段 15−1、15−2:評価値算出手段
16−1、16−2:仮説数減少手段 17−1、17−2;仮説選択手段
18−1、18−2:電波結合手段 19−1、19−2:誤分類検出手段
20:受信方位角度分布分類手段 21:周波数帯域幅分布分類手段
22:通信継続時間分布分類手段 23:キャリア周波数分布分類手段
51:アナログ・デジタル変換手段 52:高速フーリエ変換手段
53:電波検出手段 54:特徴観測手段

Claims (9)

  1. アンテナが放射した複数の電波を検出し、前記各電波の特徴を抽出する信号検出ステップと、
    前記信号検出ステップにおいて抽出された前記特徴が相互に類似する前記各電波を、同一の電波群に分類する特徴分類ステップと、
    前記特徴分類ステップにおいて分類された電波群毎に、前記複数の電波を同一送信源により放射された電波に分離するための仮説を生成し、この仮説に基づいて前記各電波を同一送信源により放射された電波に分離する送信源分離ステップとを有することを特徴とする電波分離方法。
  2. 前記信号検出ステップにおいて、前記各電波の受信方位角度、周波数帯域幅、キャリア周波数、通信継続時間のいずれかが、前記各電波の特徴として抽出されることを特徴とする請求項1に記載した電波分離方法。
  3. 前記送信源分離ステップにおいて、前記特徴分類ステップにおいて分類された電波群が複数存在する場合に、これらの電波群毎に、前記複数の電波を同一送信源により放射された電波に分離するための前記仮説が生成され、この仮説に基づいて前記各電波を同一送信源により放射された電波に分離する複数の電波分離プロセスが、並列実行されることを特徴とする請求項1に記載した電波分離方法。
  4. アンテナが放射した複数の電波を検出する信号検出手段と、
    前記信号検出手段が検出した各電波の特徴を抽出し、この特徴が相互に類似する前記各電波を同一の電波群に分類する特徴分類手段と、
    前記特徴分類手段が分類した前記電波群について、前記複数の電波を同一送信源により放射された電波に分離するための仮説を生成し、この仮説に基づいて前記各電波を同一送信源により放射された電波に分離する送信源分離手段と、
    を備えることを特徴とする電波分離装置。
  5. 前記特徴分類手段は、前記電波の受信方位角度、周波数帯域幅、キャリア周波数、通信継続時間のいずれかを、前記各電波の特徴として抽出し、前記特徴が類似する前記各電波を同一の電波群に分類することを特徴とする請求項4に記載した電波分離装置。
  6. 前記送信源分離手段は、前記特徴分類手段がキャリア周波数を特徴として抽出し、キャリア周波数が類似する前記各電波を前記電波群に分類した場合に、前記電波群のすべての電波を、同一送信源による電波として分離することを特徴とする請求項5に記載した電波分離装置。
  7. 前記信号検出手段が検出した前記各電波の特徴を成分とする電波内特徴行列を記憶する特徴行列記憶手段をさらに備え、
    前記特徴分類手段は、前記信号検出手段が検出した各電波の特徴を抽出し、該特徴に基づいて前記各電波を前記電波群に分類し、さらに前記電波群に分類された各電波の特徴を成分とする電波内特徴行列を前記特徴行列記憶手段に記憶させ、
    前記送信源分離手段は、前記特徴行列記憶手段から複数の電波内特徴行列を一つずつ入力し、前記電波内特徴行列によって表された前記電波群について、前記複数の電波を同一送信源による電波に分離するための仮説を生成し、この仮説に基づいて前記各電波を同一送信源により放射された電波に、順次分離することを特徴とする請求項4に記載した電波分離装置。
  8. 前記送信源分離手段は、前記特徴分類手段が分類した電波群が複数存在する場合に、これらの電波群毎に、前記複数の電波を同一送信源により放射された電波に分離するための前記仮説を生成し、この仮説に基づいて前記各電波を同一送信源により放射された電波に分離する複数の処理を、並列に実行することを特徴とする請求項4に記載した電波分離装置。
  9. 前記送信源分離手段は、前記特徴分類手段が分類した前記電波群に、前記電波群とは異なる第1の電波群に属する電波を結合する電波結合手段と、前記電波群に誤分類された電波を検出する誤分類検出手段とを備え、
    前記特徴分類手段が分類した前記電波群について、前記複数の電波を同一送信源により放射された電波に分離するための仮説を生成し、この仮説に基づいて前記各電波を同一送信源により放射された電波に分離するとともに、前記誤分類検出手段が検出した誤分類された電波を、前記電波結合手段によって、前記電波群とは異なる第2の電波群に結合させ、該第2の電波群の電波を同一送信源により放射された電波に分離することを特徴とする請求項4に記載した電波分離装置。
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