JP4217940B2 - 燃料電池発電システムとその運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池本体の冷却板から排出された冷却水から得る回収熱により冷水を生成する吸収式冷凍機を備えた燃料電池発電システムとその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池発電装置に組み込まれる燃料電池としては、電解質の種類、改質原料の種類等によって異なる種々のタイプがあるが、例えば、天然ガスを改質した二酸化炭素を含むガスを精製せずにそのまま使用できる等の利点を持っているリン酸高濃度水溶液を電解質として用いたリン酸型燃料電池が知られている。
【0003】
このリン酸型燃料電池は、メタンガス等の原燃料を水蒸気改質して得られた燃料ガス中の水素と空気中の酸素とを、燃料電池の燃料極および空気極にそれぞれ供給し、電気化学反応に基づいて発電を行う。原燃料を燃料ガスに改質するには、原燃料としてのメタンに水蒸気を加えて、水とメタンとの反応を触媒で促進して行う燃料改質装置が用いられる。従って、燃料改質装置には、燃料の改質に使用した水蒸気量に対応して水を補給する必要がある。この水にはイオン交換式の水処理装置等で不純物を除去したイオン交換水が用いられる。
【0004】
また、燃料電池発電装置に組み込まれるリン酸型燃料電池では、発電時に熱を発生するため、冷却する必要があるが、この冷却は、空冷または水冷により行っている。水冷式の燃料電池発電装置では、熱を冷却水により除去することによって、燃料電池本体を冷却し、運転温度を維持しており、この冷却で得た熱の一部を熱交換器で回収してユーザに供給することも行なわれている。
【0005】
ところで、上記燃料電池の回収熱の利用や燃料電池発電装置内の機器の冷却を含む冷却システムには、種々の方式があるが、代表的な従来の方式について、以下に述べる。
【0006】
図3は、燃料電池本体からの回収熱により冷水を生成する蒸気炊きの吸収式冷凍機を備えた、従来の燃料電池発電システムの冷却システムに着目した基本的な系統図の一例である(特開平10−64566号公報参照)。
【0007】
図3において、燃料電池本体1は、模式的に示され、図示しないリン酸電解質層を挟持する燃料極2と空気極3と、これらからなる単位セルの複数個を重ねる毎に配設される冷却管4を有する冷却板5とから構成される。
【0008】
一方、燃料改質器7は、燃料供給系8を経て供給される天然ガス等の原燃料を、後述する水蒸気分離器21で分離されて水蒸気供給系10を経て供給される水蒸気とともに、改質触媒下にて、図示しないバーナでの後述するオフガスの燃焼による燃焼熱により加熱して、水素に富むガスに改質して改質ガスを生成する。
【0009】
前記燃料電池本体1と燃料改質器7とには、燃料改質器7で生成された改質ガスを燃料電池本体1の燃料極2に供給する改質ガス供給系11と、燃料極2から電池反応に寄与しない水素を含むオフガスを燃料改質器7のバーナに燃料として供給するオフガス供給系12とが接続されている。
【0010】
また、燃料改質器7のバーナへは、燃焼空気供給用のブロア17が接続されており、燃料改質器7から出た燃焼排ガスは、燃焼排ガス系18により生成水回収器41へと送られる。
【0011】
また、燃料電池本体1には、空気極3に空気を供給する反応空気ブロア13を備えた空気供給系14と、電池反応後の空気を前記生成水回収器41へ供給する空気排出系15とが接続されている。
【0012】
燃料電池本体1の冷却板5の冷却管4には、燃料電池本体1の発電時に冷却水を循環するため、水蒸気分離器21、冷却水循環ポンプ22および冷却水冷却器としての蒸気発生装置(ケトル型熱交換器)24を備えた冷却水循環系20が、接続されている。
【0013】
前記水蒸気分離器21では、燃料電池本体1の冷却管4から排出される蒸気との二相流となった冷却水を、水蒸気と冷却水とに分離する。ここで分離された水蒸気は、前記燃料改質器7に向かう原燃料に混入するように、前記水蒸気供給系10を経て、送出される。その際、元圧の低い原燃料との混合を行うために、エゼクタポンプ9を使用している。このエゼクタポンプ9は、蒸気を駆動流体とするとともに、原燃料を被駆動流体とする。
【0014】
前記蒸気発生装置(ケトル型熱交換器)24は、燃料電池を冷却して戻ってきた冷却水から熱を奪って冷却し、回収した熱を、すなわち、燃料電池の発電時に発生した熱の一部を、蒸気として外部の廃熱利用設備を介してユーザに供給する。熱媒が蒸気の場合には、蒸気炊きの吸収式冷温水機が運転できるため、効率の高い熱利用ができる。
【0015】
また、前記生成水回収器41には、燃焼排ガス系18、空気排出系15、プロセス排気系19が接続されている。この生成水回収器41には、その他に、回収水循環ポンプ42、回収水冷却器43およびノズル44からなる回収水生成循環系が接続されている。前記回収水循環ポンプ42は、該回収器41の底部に接続され、該底部に貯留された回収水の一部を回収し、回収水冷却器43に送り込む。回収水冷却器43にはユーザ側冷却水系45が熱回収系として挿入されており、冷却された回収水をノズル44に供給する。ノズル44は、前記冷却回収水を生成水回収器41の上部から散布して、生成水回収器41内の生成水を含む反応空気と、燃焼生成水を含む燃焼排ガスとに冷却水を作用させて、気中の回収水を直接的に冷却して、それぞれの生成水を該回収器41の底部に生成させる。
【0016】
前述のようにして生成水回収器41の底部に貯留した回収水は、補給ポンプ46、水処理装置47が設けられた回収系を経て、前記水蒸気分離器21に供給される。
【0017】
回収水冷却器43には、前述のように、回収水を冷却するためにユーザ側冷却水45が接続されているが、生成水を回収するためには、この冷却水の温度は、40℃以下にすることが望ましいために、熱エネルギーとしての価値は低く、通常は冷却塔やラジエータで外気に放出して処理している。
【0018】
なお、図3中、符号26は、冷却水循環系20において、冷却管4と冷却水冷却器24の流路と、蒸気発生装置24と水蒸気分離器21との間の流路とを短絡するバイパス配管であり、符号27はそのための三方調節弁である。また、符号28は、水蒸気分離器21内の気圧を測定する圧力計である。
【0019】
図2は、図3とは異なる冷却系を備えた従来の燃料電池発電システムの一例を示し、図2のシステムは、燃料電池本体の直流発電出力を交流に変換するインバータの冷却循環回路と、この冷却循環回路の循環水を冷却するための熱交換器とを備え、さらに、吸収式冷凍機として、80〜90℃の温水を熱源として冷凍を発生する温水焚きの吸収式冷凍機を使用する例を示す。
【0020】
図2において、図3のシステムにおける構成部材と同一機能を有する構成部材には、同一番号を付して説明を省略する。なお、図2においては、説明の便宜上、図1において説明した水蒸気分離器や水処理装置とその周辺の系統に関しては、図示を省略している。
【0021】
以下に、図2の従来の燃料電池発電システムとその運転方法に関して説明する。
【0022】
図2において、1は、燃料極2,空気極3,冷却板5を有する燃料電池本体、7は改質器、41は前記改質器燃焼排ガスと燃料電池排空気等の排気ガス中の水を回収する生成水回収器、50はこの回収水を冷却パイプ内に通流して冷却パイプの外側から空気により冷却する空冷式冷却器である。
【0023】
また、58は温水焚き吸収式冷凍機であり、高温水熱交換器55により前記燃料電池本体の冷却水から熱を回収し、この熱を吸収式冷凍機58に導入して冷水を生成する。生成した冷水は、冷凍機冷水循環回路52を介して、例えば、冷水需要家設備としてのファンコイル59に送って、冷水需要家である事務所等の空間70の冷房を行なう。
【0024】
51は燃料電池本体の直流発電出力を交流に変換するインバータの冷却水循環回路であり、53はインバータ冷却器を示す。この冷却水循環回路51は、循環水を冷却するための熱交換器56を備えており、この熱交換器56に冷水を供給するために、この熱交換器56と前記空冷式冷却器50の冷却パイプとの間を水循環ライン54で接続している。
【0025】
なお、図2において、57はインバータの冷却循環水の温度を測定する温度計としての熱電対であり、また、一点鎖線で囲んだ60は、燃料電池発電装置のパッケージ内部を示す。
【0026】
図2のシステムにおいて、発電に伴って燃料電池本体1で生じる発熱のうち、余剰分を高温水熱交換器55を介して外部に取出し、温水焚き吸収式冷凍機58により冷水を出力し、ファンコイル59により冷水の冷熱を、需要家空間70に供給する。一方、やはり発電に伴って生じる改質器7の燃焼排ガス,燃料電池空気極3のオフガス等の排ガスは、生成水回収器41に通流され、ここで排ガス中の水分が回収される。回収水は、空気式冷却器50で冷却し、生成水回収器41の冷却水として循環させると共に、一部は熱交換器56に通流され、インバータ冷却器53を通過するインバータ冷却用の循環水を冷却する。このインバータ冷却用の循環水は、熱電対57により温度の計測を受け、所定の温度を超過した場合には、装置保安のために、60内の燃料電池発電装置全体をコントロールする図示しないプログラマブルロジックコントローラ(PLC)により、装置全体が停止するように制御される。
【0027】
ところで、前記空冷式冷却器50に代えて、クーリングタワー方式を採用するシステム例もある。クーリングタワー方式としては、水と空気を充填層で直接接触させて冷却する開放式クーリングタワー方式と、内部水(冷却水)をチューブ内に通水し、外部水をチューブに散布して、チューブ外壁の水の蒸発で熱を奪う密閉式クーリングタワー方式とがある。
【0028】
前記開放式クーリングタワー方式は、水と空気を充填槽で直接接触させて冷却するので、高い伝熱性能が得られるという長所があるが、冷却水側に腐食やスラりー、汚れを生じるという難点がある。また、クーリングタワー循環水中の不純物含有量を一定量以下に保つには、循環水の一部を系外に排出する強制ブローダウンが必要であり、さらに、外気への飛散や蒸発に伴う損失を補うために、循環水量の数%の水量を補給する必要がある。さらに加えてレジオネラ菌対策のために定期的な薬品洗浄が必要となる。すなわち、この開放式クーリングタワーは、イニシャルコストは低いが、ランニングコストが高くなるという欠点がある。
【0029】
また、密閉式クーリングタワー方式は、チューブの内部に冷却する水を通水し、チューブの外側に外部水を散布してチューブの外壁での水の蒸発により熱を奪って内部の水を冷却するので、内部の水の汚染は生じないが、外部冷却用の散水の汚染が生じる。したがって、前記開放式クーリングタワー方式に比較して、強制ブローダウン量や水補給量は低減されるが、上記の対応措置を講じる必要がある。
【0030】
前記空冷式冷却器を使用する方式は、冷却する水をフィン付きチューブ内に通水し、チューブの外部に送風機による強制通風を行って風冷するので、冷却する水の汚染は無くなり、前記クーリングタワー方式に比べてメンテナンスが大幅に低減される。また、必要な補給水量も、開放式シスターンタンクを採用した場合でも、蒸発量の補充程度でよく、前二者に比べて大幅に低減する。したがって、空冷式冷却方式ではランニングコストの大幅低減が可能であり、メンテナンスフリーを要求されるサイトや、病院などレジオネラ菌対策が必要となるサイトでは、空冷式冷却器を使用する方式が採用される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の図2に示す空冷式冷却器を採用する従来の燃料電池発電システムにおいては、下記のような問題がある。
【0032】
上記従来システムの構成において、インバータ冷却用の循環水の温度レベルは、空冷式冷却器50の冷却能力に依存する。空冷式冷却器は、外気との熱交換である以上、循環水の温度を外気温度以下にすることは不可能である。
【0033】
一方、インバータ素子の耐熱温度は一般的に比較的低く、50℃程度であるため、インバータを冷却する循環水のインバータ冷却器入口温度は、45℃程度が上限となる。
【0034】
ここで問題となるのは、外気との熱交換で処理する空冷式冷却器により、循環水のインバータ冷却器入口温度を年間を通じて45℃以下にするためには、夏季の日中等、特異的に外気温度が高い場合を想定した設計を行う必要があるので、空冷式冷却器50の設備容量が過大となり、設置場所の制約およびコスト面の問題が生じる。
【0035】
この発明は、上記問題点を解消するためになされたもので、この発明の課題は、燃料電池発電装置における回収水及びインバータ冷却水の冷却を、メンテナンスフリーな空冷式冷却器により冷却する場合に、インバータ冷却用循環水の温度を適正な値に保ちつつも、空冷式冷却器の設備容量が過大とならず、設備コストを低減した燃料電池発電システムとその運転方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、この発明は、原燃料を水蒸気で改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質ガスと酸化剤ガス(空気)とを電気化学的に反応させて発電し、発生熱を除去冷却するために冷却水を通流する冷却板を有する燃料電池本体と、前記改質器から排出される燃焼排ガスと燃料電池本体から排出される排空気等の排気ガスを冷却水に直接接触させることにより冷却して回収水タンクに水を回収する生成水回収器と、この回収水を冷却パイプ内に通流して冷却パイプの外側から空気により冷却する空冷式冷却器とを備え、
さらに、前記燃料電池本体の冷却板から排出された冷却水から得る回収熱により冷水を生成する吸収式冷凍機と、この吸収式冷凍機と冷水需要家設備との間を接続する冷凍機冷水循環回路と、
前記燃料電池本体の直流発電出力を交流に変換するインバータの冷却水循環回路と、この冷却水循環回路の循環水を冷却するための熱交換器と、この熱交換器に冷水を供給するために、この熱交換器と前記空冷式冷却器の冷却パイプとの間に設けた水循環ラインとを備えた燃料電池発電システムにおいて、
前記インバータの冷却水循環回路に設けられ、前記吸収式冷凍機が生成する冷水の一部を、前記冷凍機冷水循環回路からバイパスして通流し前記循環水を冷却する補助熱交換器と、冷凍機冷水バイパス回路およびこの冷凍機冷水バイパス回路に設けた冷水遮断弁と、
前記インバータの冷却水循環回路に設けられ、この冷却水循環回路の循環水温度を計測する温度計と、この温度計の計測値に基づき、前記冷水遮断弁の開閉制御を行なう制御装置とを備えたものとする(請求項1の発明)。
【0037】
上記により、小型の空冷式冷却器を用いた場合においても、夏季の日中における特異的な高外気温等の影響でインバータ冷却水の温度レベルが上昇した際に、吸収式冷凍機から出力される約4℃の冷水を、インバータ冷却水の温度レベル引下げに用いることが可能となるので、燃料電池発電装置を安定して運用することが可能となり、かつ、発電プラントの設備コストおよび設置面積の低減を図ることが可能となる。
【0038】
また、燃料電池発電システムの運転方法としては、下記請求項2の発明が好適である。即ち、上記請求項1記載の燃料電池発電システムの運転方法において、前記インバータの冷却水循環回路のインバータ出口部における循環水温度が、所定の上限設定温度に到達した際に、前記冷水遮断弁を開として吸収式冷凍機が生成する冷水の一部を前記補助熱交換器に通流して前記循環水温度を低下させ、しかる後、前記循環水温度が所定の下限設定温度に到達した際に、前記冷水遮断弁を閉とする。前記運転方法により、インバータ冷却用循環水の温度を適正な値に保つことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
図面に基づき、本発明の実施の形態について以下にのべる。
【0040】
図1は、この発明に関わる実施例を示すシステム系統図であり、図2のシステムと同じ機能部材には同一の番号を付して説明を省略する。
【0041】
図1に示すシステムが図2に示すシステムと異なる点は、インバータ冷却器53を含むインバータの冷却水循環回路51に、新たに補助熱交換器81を追加し、この補助熱交換器81の冷却水として、吸収式冷凍機58から出力される冷水の一部を利用するために、冷水遮断弁82を有する冷凍機冷水バイパス回路80を設けた点である。なお、この冷凍機冷水バイパス回路80は、部番83および84の部位で冷凍機冷水循環回路52に接続され、図上、2箇所に分割して図示している。
【0042】
さらに図1のシステムにおいては、吸収式冷凍機58から出力される冷水の一部は、常時インバータ冷却器53を通過するインバータ冷却用の循環水を冷却しているわけではなく、温度計としての熱電対57の循環水の温度計測値に応じ、その温度が所定の設定値を超過した場合のみ、図示しない制御装置により、冷水遮断弁82を開とすることによりで通水され、冷水戻りライン84を通じ、冷凍機冷水循環回路52に戻される。したがって、インバータ冷却用循環水の温度が設定値に達していない通常時は、吸収式冷凍機58から出力される冷水は、全て冷水の需要家空間70に供給される。
【0043】
なお、上記のように冷凍機冷水の一部をインバータの冷却に用いるケースは、夏季晴天日の日中がメインとなるが、このような気象条件時は、需要家空間70にとっても冷熱の必要性が高まる。しかしながら、通常、需要側では、電気的な空調を併用しているケースが大半であり、夏季のごく一時期の気象条件に対応するために空冷式冷却器50を大容量とするよりは、電気的な空調の負荷を一時的に高める方が経済的メリットは大きい。
【0044】
【発明の効果】
上記のとおり、この発明によれば、原燃料を水蒸気で改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質ガスと酸化剤ガス(空気)とを電気化学的に反応させて発電し、発生熱を除去冷却するために冷却水を通流する冷却板を有する燃料電池本体と、前記改質器から排出される燃焼排ガスと燃料電池本体から排出される排空気等の排気ガスを冷却水に直接接触させることにより冷却して回収水タンクに水を回収する生成水回収器と、この回収水を冷却パイプ内に通流して冷却パイプの外側から空気により冷却する空冷式冷却器とを備え、
さらに、前記燃料電池本体の冷却板から排出された冷却水から得る回収熱により冷水を生成する吸収式冷凍機と、この吸収式冷凍機と冷水需要家設備との間を接続する冷凍機冷水循環回路と、
前記燃料電池本体の直流発電出力を交流に変換するインバータの冷却水循環回路と、この冷却水循環回路の循環水を冷却するための熱交換器と、この熱交換器に冷水を供給するために、この熱交換器と前記空冷式冷却器の冷却パイプとの間に設けた水循環ラインとを備えた燃料電池発電システムにおいて、
前記インバータの冷却水循環回路に設けられ、前記吸収式冷凍機が生成する冷水の一部を、前記冷凍機冷水循環回路からバイパスして通流し前記循環水を冷却する補助熱交換器と、冷凍機冷水バイパス回路およびこの冷凍機冷水バイパス回路に設けた冷水遮断弁と、
前記インバータの冷却水循環回路に設けられ、この冷却水循環回路の循環水温度を計測する温度計と、この温度計の計測値に基づき、前記冷水遮断弁の開閉制御を行なう制御装置とを備えたもの(請求項1の発明)とし、
また、上記請求項1の燃料電池発電システムの運転方法において、前記インバータの冷却水循環回路のインバータ出口部における循環水温度が、所定の上限設定温度に到達した際に、前記冷水遮断弁を開として吸収式冷凍機が生成する冷水の一部を前記補助熱交換器に通流して前記循環水温度を低下させ、しかる後、前記循環水温度が所定の下限設定温度に到達した際に、前記冷水遮断弁を閉とすること(請求項2の発明)によって、
燃料電池発電装置における回収水及びインバータ冷却水の冷却を、メンテナンスフリーな空冷式冷却器により冷却する場合に、インバータ冷却用循環水の温度を適正な値に保ちつつも空冷式冷却器の設備容量を低減することができ、燃料電池発電プラントの設備コストの低減と運転の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の燃料電池発電システムの実施例を示す概略系統図
【図2】従来の燃料電池発電システムの一例を示す概略系統図
【図3】従来の図2とは異なる燃料電池発電システムの一例を示す概略系統図
【符号の説明】
1:燃料電池本体、7:改質器、41:生成水回収器、50:空気式冷却器、51:インバータの冷却水循環回路、52:冷凍機冷水循環回路、53:インバータ冷却器、54:水循環ライン、55:高温水熱交換器、56:熱交換器、57:温度計、58:吸収式冷凍機、59:冷水需要家設備、80:冷凍機冷水バイパス回路、81:補助熱交換器、82:冷水遮断弁。
Claims (2)
- 原燃料を水蒸気で改質して水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質ガスと酸化剤ガス(空気)とを電気化学的に反応させて発電し、発生熱を除去冷却するために冷却水を通流する冷却板を有する燃料電池本体と、前記改質器から排出される燃焼排ガスと燃料電池本体から排出される排空気等の排気ガスを冷却水に直接接触させることにより冷却して回収水タンクに水を回収する生成水回収器と、この回収水を冷却パイプ内に通流して冷却パイプの外側から空気により冷却する空冷式冷却器とを備え、
さらに、前記燃料電池本体の冷却板から排出された冷却水から得る回収熱により冷水を生成する吸収式冷凍機と、この吸収式冷凍機と冷水需要家設備との間を接続する冷凍機冷水循環回路と、
前記燃料電池本体の直流発電出力を交流に変換するインバータの冷却水循環回路と、この冷却水循環回路の循環水を冷却するための熱交換器と、この熱交換器に冷水を供給するために、この熱交換器と前記空冷式冷却器の冷却パイプとの間に設けた水循環ラインとを備えた燃料電池発電システムにおいて、
前記インバータの冷却水循環回路に設けられ、前記吸収式冷凍機が生成する冷水の一部を、前記冷凍機冷水循環回路からバイパスして通流し前記循環水を冷却する補助熱交換器と、冷凍機冷水バイパス回路およびこの冷凍機冷水バイパス回路に設けた冷水遮断弁と、
前記インバータの冷却水循環回路に設けられ、この冷却水循環回路の循環水温度を計測する温度計と、この温度計の計測値に基づき、前記冷水遮断弁の開閉制御を行なう制御装置とを備えたことを特徴とする燃料電池発電システム。 - 請求項1記載の燃料電池発電システムの運転方法において、前記インバータの冷却水循環回路のインバータ出口部における循環水温度が、所定の上限設定温度に到達した際に、前記冷水遮断弁を開として吸収式冷凍機が生成する冷水の一部を前記補助熱交換器に通流して前記循環水温度を低下させ、しかる後、前記循環水温度が所定の下限設定温度に到達した際に、前記冷水遮断弁を閉とすることを特徴とする燃料電池発電システムの運転方法。
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