JP4215813B1 - パターフェイス及びゴルフパター - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴルフボールとパターフェイスのボール接触面との接触による反発方向のずれの問題を解決しつつ、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感を得る。
【解決手段】ボールが接触する接触面41を有し、ボール7よりも剛性の高い素材で構成されている六角杭4と、六角杭4よりも剛性の低い素材で構成されており、六角杭4のそれぞれに装着されると共に、接触面41の法線方向に対して六角杭4のそれぞれを弾性的に支持する衝撃吸収性リング5とを備えており、複数の六角杭4は、接触面41の面内方向に敷き詰められるようにして配列されていると共に、ボール7が接触していないときの接触面41のそれぞれが、面一となるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴルフパターのヘッドに対して挿入されたパターフェイス及び該パターフェイスが挿入されたゴルフパターに関するものである。
ゴルフボールは、一般に無数のディンプルを有している。また、ボール及びボール表面の剛性に比べて、十分に剛性の高い金属及びコンポジット系のパターヘッドのフェイス(以下、「パターフェイス」ということがある)を備えたゴルフパターの場合、特にショートパット、下りのライン時に、フェイスのボール接触面(以下「フェイス面」ということがある)とボールとは、点接触となってしまう。
なお、ここで、剛性は、一般に、縦弾性係数(ヤング率)とせん断弾性係数などで表せる。物性値比較では、剛性が高いほど変形しにくく、剛性が低いほど軟らかいことを示す物理量である。
さて、上述のように、フェイス面がボールと点接触、特にディンプルの端部と点接触してしまうと、ディンプルの端部による反発方向のずれによって、フェイス面に垂直な目標方向からはずれた軌道でボールが転がってしまい、例えば、理論上、1.2m先で、16mmから22mmの方向ずれが生じてしまうという問題がある。
このような、問題を解決するために、パターヘッドのフェイス面の一部に凹部を形成し、この凹部に、樹脂系素材などの剛性の低い材質のフェイスをインサートし、このフェイスのボール接触面が、ボール球面に沿うように変形するようにした従来技術が存在している。
このような従来技術の一例として、特許文献1に開示されたゴルフ用パター100がある。
図15(a)及び図15(b)は、それぞれ、このゴルフ用パター100のフェイス面側から見た正面図及びその側面図である。
図15(a)・図15(b)に示すように、ゴルフ用パター100は、シャフト101の先端部にヘッド102を取り付けた構成になっている。
また、ヘッド102のフェイス面103の一部には凹部が形成され、その凹部にフェイスプレート104が装着されている。
さらに、ゴルフ用パター100は、フェイスプレート104を、JIS(Japanese Industrial Standard)−Dの表面硬度40〜60、反発弾性30〜60%、及び表面の動摩擦係数0.4〜2.0の樹脂材料で構成することで、打球時のソフトな感触、良好な距離感、及び良好なコントロール性を得ることができるようになっている。
なお、JIS−Dの表面硬度が40未満であると過柔軟となり、逆に60を超えると打球時のソフトな感触が得られなくなる。
また、反発弾性が30〜60%の範囲から外れると狙った距離に合わせることが困難になる。
さらに、動摩擦係数が0.4未満であると球離れが早く打球の方向性が不安定になる。
その他、特許文献2には、3層の軟質ポリマーからなるパターフェイスが開示されている。
また、特許文献3には、エポキシ樹脂製の弾性体からなる複数の独立したセルが、ハニカム構造を構成するパターフェイスが開示されている。
特開2001−224716号公報(平成13年8月21日公開) 米国特許第6,699,140 B1号明細書(2004年3月2日特許) 米国特許第4,679,792号明細書(1987年7月14日特許)
しかしながら、前記従来のゴルフ用パター100は、ボールの接触面に軟らかい材料(樹脂系)を用いたフェイスプレート104をヘッド102にインサートしたものなので、球面に沿ってフェイスが弾性変形することで、ディンプルの端部の影響は、防止できるものの、硬い金属性のフェイスと比較すると、インパクト時のエネルギー損失がどうしても高くなってしまう。
このため、従来のゴルフ用パター100では、どのようにフェイスの材料を調整したとしても、硬い金属性のフェイスと比較すると、ボールの初速が落ちてしまい、充分な打撃時の感触(以下、単に「打感」という)及び距離感(感触にあった転がり)が得られないという問題点がある。
なお、この打感には、ボールとパターフェイスとが衝突したときにでる衝突音の音感も微妙に影響しているものと考えられ、ゴルフの中上級者では、この音感の微妙な違いが、プレーに影響するものと考えられている。
すなわち、ゴルフの初級者であれば、ソフトなタッチで良好な距離感、及び良好なコントロール性を得られるゴルフ用パター100を好んで用いるものと考えられるが、ゴルフの中上級者は、この微妙な音感の違いにより、ゴルフ用パター100では、何か物足りないと感じるものと考えられる。
すなわち、ゴルフの中上級者にとっては、ボールと、該ボールよりも剛性の高いパターフェイス(例えば、金属製のパターフェイス)とが衝突したときに発生する衝突音がプレーに影響を及ぼす重要なファクターとなるものと考えられる。
また、特許文献2に記載されたパターフェイスは、3層の軟質ポリマーからなるものであるが、弾性体が3枚重なっているだけであり、フェイスが弾性変形することで、ディンプルの端部の影響は、防止できるものの、やはり、硬い金属性のフェイスと比較すると、インパクト時のエネルギー損失がどうしても高くなってしまうと考えられる。
さらに、特許文献3に記載されたパターフェイスは、複数の独立したセルが、ハニカム構造を構成しているが、これらのセルのぞれぞれは、エポキシ樹脂製の弾性体から構成されている。よって、セル同士の摩擦力が強いので、これらの複数のセルは、連動して弾性変形することになる。そうすると、複数の独立したセルから構成されているものの、特許文献1及び2に開示された弾性体が挿入されたパターフェイスと機能はあまり異ならず、ディンプルの端部の影響は、防止できるものの、やはり、硬い金属性のフェイスと比較すると、インパクト時のエネルギー損失がどうしても高くなってしまうと考えられる。
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ゴルフボールとパターフェイスのボール接触面との接触による反発方向のずれの問題を解決しつつ、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感を得ることのできるパターフェイス及び該パターフェイスを備えたゴルフパターを提供することにある。
本発明のパターフェイスは、前記課題を解決するために、ゴルフパターのヘッドに対して挿入されるパターフェイスであって、ボールが接触する接触面を有し、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている複数の柱状体と、該柱状体よりも剛性の低い素材で構成されており、前記接触面の法線方向に対して該柱状体のそれぞれを弾性的に支持する弾性体とを備えており、前記複数の柱状体は、前記接触面の面内方向に配列されていると共に、ボールが接触していないときの前記接触面のそれぞれが、面一となるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のゴルフパターは、前記パターフェイス及び以下で説明するパターフェイスのいずれかが、ヘッドに挿入されているものである。
また、パターフェイスは、ボールが接触する接触面を有し、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている柱状体と、該柱状体よりも剛性の低い素材で構成されており、前記接触面の法線方向に対して該柱状体のそれぞれを弾性的に支持する弾性体とを備えている。
よって、ボールに直接接触する接触面の剛性が高く(変形しにくく)、弾性体の弾性変形によって間接的に衝突の衝撃を吸収するようにした構成なので、軟らかい樹脂系のフェイス(変形しやすい)と比較して反発係数の損失を極力小さくすることができる。すなわち、樹脂系など軟らかい素材で構成されたフェイスと比較して、反発係数の損失が小さいので、打撃(インパクト)の際、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い初速を得ることができる。また、ボールの運動エネルギーは、初速の2乗に比例するので、インパクト時のエネルギーに対する損失も少なくなる。よって、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い打撃の感触(以下、単に「打感」という)及び距離感(感触にあった転がり)を得ることができる。
また、インパクトの際、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている柱状体の接触面が、ボールと衝突することになる。これにより、ボールよりも剛性の高いパターフェイス(例えば、金属製のパターフェイス)と衝突したときにでる衝突音を得ることができるので、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い音による感触(以下、「音感」という)を得ることができる。以上より、樹脂系のフェイスでは得られない、充分な初速、音感及び打感を得ることができる。
また、本発明のパターフェイス又はゴルフパターは、前記構成に加えて、前記複数の柱状体は、前記柱状体のそれぞれの接触面にボールを接触させた場合に、前記弾性体が前記法線方向に弾性変形して、前記接触面のそれぞれがボール表面の複数箇所と接触する(それぞれの接触面が、ボールの表面に沿うように、フェイス面が変形する)ように構成されていることが好ましい。
ところで、ボールが接触する前は、複数の柱状体は、接触面の面内方向に配列されていると共に、ボールが接触していないときの前記接触面のそれぞれが、面一となっている。
すなわち、ボールが接触していないときの接触面のそれぞれが、面一となっているという初期条件でボールがフェイス面に垂直に衝突した場合(なお、運動の相対性により、ゴルフパターで静止したボールを打つことを、静止したゴルフパターのフェイス面にボールを衝突させることに置き換えて考えることができる)、ボールの球対称性により、ボールとフェイス面との接触点(フェイス面の法線方向に対するボールの中心軸とフェイス面との交点とほぼ一致すると考えられる)を中心として、等方的にそれぞれの接触面が変形するものと考えられる。なお、この等方的な接触面の変形は、ボールの変形を考慮しても成り立つものと考えられる。
そうすると、ボールの各接触面における接触部分にはたらく反発力ベクトル(抗力ベクトル)は、全てフェイス面の法線方向に対するボールの中心軸上の所定点近傍に精度良く向かうものと考えられ、これらの合成ベクトルは、前記中心軸に沿う方向、すなわち、フェイス面の法線方向に精度良く向かうことになる。ボールは、前記合成ベクトルに沿う方向に力を受けることになるので、ボールは、該合成ベクトルに沿う方向すなわち、フェイス面の法線方向に精度良く転がることになる。
なお、厳密には、衝突現象は、衝突前後のボールの運動量ベクトルの差が、ボールが受けた力積ベクトルの積分に等しくなるという運動方程式や、フェイス面の反発係数と、ボールの衝突前後の速度変化との関係式などの複雑な連立方程式を解く必要があるが、定性的には、前記合成ベクトルの向きは、衝突時間の間に、前記中心軸に沿う方向からほとんどずれないと考えられるので、前記のような結論が得られるものと考えられる。
よって、上述のように、複数の柱状体の接触面のそれぞれがボールの表面に沿うように複数箇所で接触するため、ボール表面のディンプル端部に点接触することにによる、ボールの反発方向のずれを防止することができる。
ところで、パターフェイスのフェイス面(又は複数の柱状体の接触面)の法線方向と、パターヘッドの動作方向が、見かけ上一致して、ボールにインパクトした場合でも、ゴルフパターの構造上、ボールの進行方向が、パターヘッドの動作方向(目標方向)とずれてしまうフェイスローテイションという現象がしばしば問題となる。
これは、ゴルフパターのフェイス面の軌道が、パターヘッドの打ち下ろしの軌道と、ユーザーの体に沿ったパターヘッドの回転軌道との2つの楕円軌道(パターヘッドの略鉛直方向の楕円軌道と、上から見たときのフェイス面の略水平方向の楕円軌道と)を組合せた複雑な軌道を描くことによって生じる現象であり、フェイス面の法線方向と、パターヘッドの動作方向とが、見かけ上一致しているのにもかかわらず、インパクト時には、フェイス面が、ボールに対して垂直な方向(目標方向)からずれて接触してまうという現象である。
また、ボールのインパクト時には、自然と手首と同期してフェイスを返すような動作を伴ってしまうことが多いが、この場合、ほぼゴルフパターのシャフトに沿った軸を中心としてフェイス面を回転させることになり、前記2つの楕円軌道の動作にこの回転動作がさらに加わると、前記フェイスローテイションをさらに増長してしまう結果となる。
この点、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、フェイスローテイション動作で、フェイス面が、ボールに対して垂直な方向からずれて接触しても、インパクトの瞬間のフェイス(複数の柱状体のそれぞれの接触面)の変形により、金属フェイスのゴルフパターと比較して、ボールとフェイスとの接触時間を長くすることができる。
また、この接触時間の間、ボールが、ゴルフパターのフェイス面から受ける抗力を分解すると、フェイス面に垂直な方向の垂直抗力及びフェイス面の面内方向の摩擦力となるが、この摩擦力には、フェイス面の弾性変形の結果、ボールがパターヘッドの動作方向(目標方向)からずれるのを補正する(ボールがフェイス面に対して横向きに逃げようとするのを妨げる)向きに働く成分を持つものと考えられる。
ここで、金属製のパターヘッドでは、フェイス面が変形しない剛体とみなすことができ、ボールとフェイスとの接触時間は短く、このような摩擦力が、ほとんど働かないものと考えられる。
一方、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、複数の柱状体のそれぞれが、弾性変形するようになっているため、インパクト時にフェイス面がボールの表面に沿って変形し、ボールの複数箇所で接触する。このため、上述のように、ボールとフェイスとの接触時間が長いことと相俟って、金属製のパターヘッドと比較して充分な摩擦力が、ボールに働くものと考えられる。
そうすると、この摩擦力により、硬い金属性のパターフェイスのものよりも目標方向に近づくように補正されるため、フェイスの微小な角度のずれをカバーして、動作方向(目標方向)にボールを精度よく打ち出すことが可能となる。
言い換えれば、ボールに加えられれる力積に対して、ボールがパターヘッドの動作方向(目標方向)からずれるのを補正する摩擦力の成分が充分に寄与するため、ボールの打ち出し方向が目標方向からずれることを防止できるものと考えられる。
ところで、ゴルフの中上級者になるほど、さまざまな球種を使い分けることができるものと考えられ、特にパッティングにおいては、微妙なボールコントロールが必要となると考えられる。例えば、右(左)打者が打ったボールが左(右)へ逸れてゆくフックボール、及びその逆のスライスボールなどの得手不得手が試合の勝敗を左右する例は、枚挙に遑がない。
上述のように、本発明のパターフェイス及びゴルフパターは、複数の柱状体が、該柱状体のそれぞれの接触面にボールを接触させた場合に、前記弾性体がフェイス面(接触面)の法線方向に弾性変形して、接触面のそれぞれがボール表面の複数箇所と接触するように構成されている。
それゆえ、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、インパクトの瞬間のフェイス(複数の柱状体のそれぞれの接触面)の変形により、金属フェイスのゴルフパターと比較して、ボールとフェイスとの接触時間を長くすることができるようになっている。
また、上述のように、この接触時間の間、ボールが、ゴルフパターのフェイス面から受ける抗力を分解すると、フェイス面に垂直な方向の垂直抗力及びフェイス面の面内方向の摩擦力となるが、この摩擦力は、弾性変形しにくい硬い金属フェイスのゴルフパター(結果としてボールとフェイスとの接触時間も短い)と比較するとかなり大きくなるものと考えられる。
そうすると、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、金属フェイスのゴルフパターよりも、前記摩擦力をボールに充分に作用させることが可能となる。よって、フックボール、及びその逆のスライスボールなど様々な球種を使い分けたり、順回転(「正回転」とも言う。以下同じ。)させて目標への推進性を向上させたり、さらに、逆スピン(逆回転)をかけてボールをグリーン上で停止させたりなどのボールコントロール性能を、金属フェイスのゴルフパターよりも、向上させることができる。
また、上述した効果が相乗的にはたらくことにより、パターヘッドの動作速度(インパクトのエネルギー)に対して、硬い金属性のパターフェイスのものと比較しても遜色のないボールの初速、中間速度、到達距離及びこれらの物理量のパターヘッドの動作速度に対する充分な線形性(比例性)を得ることが可能となる。
以上より、ゴルフボールとパターフェイスのボール接触面との接触による反発方向のずれの問題を解決しつつ、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感を得ることのできるパターフェイス及び該パターフェイスを備えたゴルフパター提供することができる。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記弾性体は、複数存在しており、前記複数の柱状体のそれぞれに装着されていても良い。
前記構成によれば、各柱状体の弾性運動の独立性を高めることができる。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記複数の柱状体は、前記接触面の面内方向に隙間無く敷き詰められていても良い。
ここで、「隙間無く敷き詰められている」とは、厳密には、前記複数の柱状体が独立して運動できない程度に密に敷き詰められている場合も含まれているようにも解釈できる(前記複数の柱状体同士が、接触面の面内方向にお互いに強い圧力を及ぼしあっている)。しかしながら、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、前記複数の柱状体同士が、接触面の面内方向に対して及ぼしあう圧力が、前記複数の柱状体が独立して運動可能な程度に小さい場合を想定している。或いは、前記複数の柱状体のそれぞれが、前記接触面の面内方向に回転してしまうことを防止できる程度に「隙間無く敷き詰められている」と解釈しても良い。すなわち、前記複数の柱状体の運動の独立性を保ちつつフェイス面の面積効率を向上させる観点及び前記柱状体のそれぞれが、面内方向に回転することを防止する観点からは、「隙間無く敷き詰められている」ことが好ましいという意義である。
なお、この場合、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記接触面の形状が、正三角形、平行四辺形、及び正六角形のうちのいずれかであることが好ましい。
以上の構成によれば、平面を同一形状の接触面で隙間なく敷き詰めることができる。すなわち、面積あたりの接触面の数を各形状において最大の数とすることができる。よって、接触面の形状に応じて、本発明の効果を最大限引き出せる構成とすることができる。なお、本発明の効果を特に、最大限引き出せる構成とするには、ハニカム(honeycomb structure)構造、すなわち、接触面の形状を正六角形とすることが好ましい。なぜなら、正n多角形(nは自然数)の対称性を高くするためには、できるだけ、nを大きくする必要があるが、平面を同一形状の接触面で隙間なく敷き詰めることができる正n多角形の最大のnが、n=6だからである。
なお、対称性が最も高い形状として、円形があり、接触面の形状として、円形を採用しても良い。この場合、平面を接触面で隙間なく敷き詰めることはできない替わりに、それぞれの柱状体の動作性能及びフェイス面全体に対する力学的バランスを最大限向上させることができる。
また、平行四辺形は、その対内角の和が180度となる特性から平面を同一形状の接触面で隙間なく敷き詰めることができるものと考えられ、ひし形、長方形、及び正方形なども平行四辺形に含まれることは言うまでも無い。
さらに、平面を接触面で隙間なく敷き詰めることができる場合、複数の柱状体の配列パターンは1通りであるが、隙間が存在する場合、複数の配列パターンが存在するものと考えられるため、そのようなパターンのうち最良のパターンを見つけるための面倒な作業が必要となる。
よって、平面を接触面で隙間なく敷き詰めることができない場合、パターフェイス作成の作業効率が著しく低下してしまうものと考えられる。よって、接触面の形状が、正三角形、平行四辺形、及び正六角形のうちのいずれかであれば、パターフェイス作成の作業効率を最大限向上させることが可能である。また、平面を接触面で隙間なく敷き詰めていれば、隙間にゴミが入り込んでそのゴミをとりのぞかなければならないという虞も無い。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記複数の柱状体のそれぞれは、前記接触面に対向する側に装着された台座に複数設けられた、該柱状体を係止させるための被係止口に、前記接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿されると共に、該柱状体を前記台座に係止させるための係止部を備えていることが好ましい。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記接触面に対向する側には、前記柱状体が、前記接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿されると共に、該柱状体を係止させるための被係止口が複数設けられた台座が装着されていることが好ましい。
前記構成によれば、柱状体のそれぞれは、パターフェイスの接触面に対向する側に装着された台座に設けられた複数の係止口に、接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿・係止させることができる。よって、パターフェイス本体から、各柱状体が抜け出すことを防止しつつ、柱状体の摺動方向を接触面の法線方向に誘導することができる。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記弾性体は、1つであり、前記複数の柱状体のそれぞれが装着されていても良い。
前記構成によれば、上述の各柱状体のそれぞれに弾性体を装着した場合と比較して、各柱状体の弾性運動の独立性は、多少低くなると考えられるが、弾性体は、1つであり、作成が容易である。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記弾性体には、前記複数の柱状体のそれぞれが、前記接触面の法線方向に摺動可能に嵌挿されると共に、該柱状体を係止させるための被係止口が複数設けられていても良い。
前記構成によれば、複数の柱状体のそれぞれは、弾性体に設けられた複数の係止口に、接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿・係止させることができる。よって、パターフェイス本体から、各柱状体が抜け出すことを防止しつつ、柱状体の摺動方向を接触面の法線方向に誘導することができる。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記接触面間には、隙間が存在していても良い。
前記構成によれば、複数の柱状体間の前記接触面間に、隙間を設けて、柱状体間の間隔を適宜調整することで、各柱状体の弾性運動の独立性を高めることができる。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記構成に加えて、前記接触面の形状は、閉じた図形であっても良い。
上述したパターフェイスとして前記接触面間に隙間が存在している構成を採用した場合には、複数の柱状体のそれぞれの接触面の形状は、閉じた図形であれば、何であっても良いことになる。
ただし、上述したように、円形を採用した場合、それぞれの柱状体の動作性能及びフェイス面全体に対する力学的バランスを最大限向上させることができる。また、各柱状体が接触面内方向に、仮に回転してまっても円形であれば、美観が損なわれることは無い。
なお、多角形を採用する場合、上述した正六角形(いわゆるハニカム構造)とすれば、他の多角形、円形を採用した場合よりも、全柱状体がパターフェース全体を占める面積を最大限大きくすることができる。
以上より、ゴルフボールとパターフェイスのボール接触面との接触による反発方向のずれの問題を解決しつつ、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感を得ることのできるパターフェイス及び該パターフェイスを備えたゴルフパターを提供することができる。
本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、以上のように、ゴルフパターのヘッドに対して挿入されるパターフェイスであって、ボールが接触する接触面を有し、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている複数の柱状体と、該柱状体よりも剛性の低い素材で構成されており、前記接触面の法線方向に対して該柱状体のそれぞれを弾性的に支持する弾性体とを備えており、前記複数の柱状体は、前記接触面の面内方向に配列されていると共に、ボールが接触していないときの前記接触面のそれぞれが、面一となるように構成されているものである。
それゆえ、ゴルフボールとパターフェイスのボール接触面との接触による反発方向のずれの問題を解決しつつ、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感を得ることのできるパターフェイス及び該パターフェイスを備えたゴルフパターを提供するという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1〜図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔実施の形態1〕
まず、図1〜図7(b)に基づき、本実施形態のゴルフパターの主要部であるヘッド部分の一実施形態の構成について説明する。なお、以下では、このヘッド部分について説明し、本実施形態のゴルフパターのその他の部分の構成については、通常のゴルフパターと同様に構成すれば良いので、特に説明しない。また、以下で説明するパターフェイス2A・2B以外のゴルフパターの各要素の構造及び材料は、特に限定されるものではない。
図1は、本実施形態のゴルフパターの主要部であるヘッド部分の構成を示す構成概略図である。
図1に示すように、本実施形態のゴルフパターの主要部であるヘッド部分は、パターヘッド1、及びパターフェイス2A(又は、以下で説明するパターフェイス2B)を備える構成である。すなわち、本発明の一実施形態であるゴルフパターは、パターフェイス2A又はパターフェイス2Bが、パターヘッド(ヘッド)1に挿入されているものである。
ここで、図1に示すように、本実施形態のパターフェイス2Aでは、パターヘッド1に螺合させるための止めネジ(不図示)用のネジ孔が2つ設けられた構成を採用している。このように構成すれば、パターフェイス2Aをパターヘッド(ヘッド)1に固定するためのネジ孔の部分を最小限とすることができるので、パターフェイス2Aのフェイス面側の余計な部分の面積を小さくすることができる。
なお、本実施形態においては、ネジとネジ孔とによる螺合によって、パターヘッド1とパターフェイス2A(又はパターフェイス2B)とを結合させる例について示しているが、ゴルフパターのパターヘッド1に対するパターフェイス2A(又はパターフェイス2B)の装着方法は、特に限定されるものではなく、例えば、接着、溶着、摩擦力による嵌合、ネジ等による機械的な締結を行うことができる。また、取り外し自在にパターフェイス2A(又はパターフェイス2B)をパターヘッド1に挿入する構成とすれば、ユーザが、様々な特性を持つパターフェイスを適宜取り替えてプレーすることが可能なので、以下で説明する打感及び距離感に応じて、パターフェイスの特性を変更することが可能となる。
なお、パターフェイス2A(又はパターフェイス2B)には任意の着色を施しても良い。
以下、図2(a)〜図7(b)に基づき、本実施形態のヘッド部分を構成するパターヘッド1及びパターヘッド1に挿入されるパターフェイス2A・2Bの構造の詳細について説明する。
図2(a)は、パターフェイス2Aが挿入されていないパターヘッド1の構成を示す斜視図であり、図2(b)は、パターヘッド1をフェイス面側から見た正面図であり、図2(c)は、その上面図であり、図2(d)は、その右側面図であり、図2(e)は、図2(b)に示すA−A切断部の断面図である。
図2(a)・図2(b)に示すように、パターヘッド1のフェイス面側には、パターフェイス2A(以下で説明するパターフェイス2Bも同様)を挿入するための挿入口Hが設けられている。図2(a)・図2(b)に示す挿入口Hは、パターフェイス2Aの形状に合わせて形成されているが、以下で、説明するパターフェイス2Bなどについては、挿入口Hの形状をそれぞれのパターフェイスの形状に合わせて適宜形成すれば良い。
次ぎに、図3(a)は、パターフェイス2Bの構造を示す上面図であり、図3(b)は、パターフェイス2Bの構造を示す側面図であり、図3(c)は、パターフェイス2Bの台座6Bの構造を示す上面図(フェイス面に近いほうが上向き)であり、図3(d)は、パターフェイス2Bを構成する六角杭(柱状体、パターフェイス)4、衝撃吸収性リング(弾性体、パターフェイス)5、及び台座(パターフェイス)6B(なお、以下、パターフェイス2Aに対応する台座は、台座(パターフェイス)6Aと呼ぶ)の機能を説明するための分解図であり、図3(e)は、六角杭4、衝撃吸収性リング5、及び台座6B(但し、図3(e)では台座6Bの構成の一部断面図を示す)の組み立て図である。
なお、パターフェイス2Bは、上述した、パターフェイス2Aと異なり、パターヘッド1に螺合させるための止めネジ(不図示)用のネジ孔が4つ設けられた構成を採用している。このように構成すれば、パターフェイス2Bをパターヘッド(ヘッド)1に固定するためのネジを4箇所に装着できるため、パターヘッド1とパターフェイス2Bとを強固に連結(ネジ孔にネジを嵌挿かつ螺合する)できるが、パターフェイス2Bのフェイス面側の余計な部分の面積は、パターフェイス2Aのフェイス面側の余計な部分の面積よりもネジ孔の数が増える分大きくなってしまう。
さて、図3(a)・図3(b)に示すように、パターフェイス2Bは、ボールが接触する接触面(以下で説明する接触面(柱状体)41)を有し、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている複数の六角杭4と、六角杭4よりも剛性の低い素材で構成されており、六角杭4のそれぞれに装着されると共に、接触面41の法線方向に対して六角杭4のそれぞれを弾性的に支持する衝撃吸収性リング(弾性体)5とを備えている。
また、本実施形態では、複数の六角杭4は、フレーム3B内において、接触面41の面内方向に隙間無く敷き詰められるようにして配列されていると共に、ボールが接触していないときの接触面41のそれぞれが、面一となるように構成されている。
ここで、「隙間無く敷き詰められている」とは、厳密には、複数の六角杭4が独立して運動できない程度に密に敷き詰められている場合も含まれているようにも解釈できる(複数の六角杭4同士が、接触面の面内方向にお互いに強い圧力を及ぼしあっている)。しかしながら、本実施形態のパターフェイス2B(又はパターフェイス2A)では、複数の六角杭4同士が、接触面の面内方向に対して及ぼしあう圧力が、複数の六角杭4が独立して運動可能な程度に小さい場合を想定している。
或いは、複数の六角杭4のそれぞれが、接触面の面内方向に回転してしまうことを防止できる程度に「隙間無く敷き詰められている」と解釈しても良い。すなわち、複数の六角杭4の運動の独立性を保ちつつフェイス面の面積効率を向上させる観点及び複数の六角杭4のそれぞれが、面内方向に回転することを防止する観点からは、「隙間無く敷き詰められている」ことが好ましいという意義である。
ここで、パターフェイス2Bを構成する各要素の材料について説明する。図3(a)に示すフレーム3Bの材料は、本実施形態では、JIS規格SUS303のステンレスを用いている。しかしながら、フレーム3Bの材料については、JIS規格SUS303のステンレスに限らず、他の規格のマルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、及び析出硬化系のいずれかに属する様々な種類のステンレスを用いることが可能である。また、ステンレスのような鉄を含有する合金に限らず、チタンを含有するチタン合金の他、各種合金類や、金属類などを適宜用いることができる。
なお、フレーム3Bのフェイス面側は、適当数の六角杭4が隙間なく収まるように、外周がギザギザ構造の挿入孔が設けられている。このようにすることで、独立した適当数の六角杭4を隙間なく敷き詰められたように配列した状態で安定にパターフェイス2Bを構成することができる。また、結果として、六角杭4の可動方向をフェイス面に対して垂直な方向(接触面41の法線方向)に誘導する効果も得られる。
次ぎに、図3(d)に示すように、六角杭4は、接触面41を有する頭部と、円柱形の中間部(柱状体)42と、円錐形の円錐部(係止部、柱状体)43とからなる構成である。なお、中間部42と、円錐部43との形状は、それぞれ、特に、円柱形と、円錐形とに限られず、それぞれの機能を果せるような形状であれば、どのような形状を採用しても良い。
また、六角杭4の材料は、本実施形態では、JIS規格SUS303のステンレスを用いている。しかしながら、六角杭4の材料については、JIS規格SUS303のステンレスに限らず、他の規格のマルテンサイト系、フェライト系、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、及び析出硬化系のいずれかに属する様々な種類のステンレスを用いることが可能である。また、ステンレスのような鉄を含有する合金に限らず、チタンを含有するチタン合金の他、各種合金類や、金属類などを適宜用いることができる。
一方、図3(b)に示すように、フレーム3Bのフェイス面側に対向する側(図3(a)において紙面の奥側)には、六角杭4が、接触面41の法線方向に対して摺動可能に嵌挿されると共に、六角杭4を係止させるための差込孔(被係止口)61が複数設けられた台座6B(図3(c)参照)が装着されている。
また、図3(d)に示すように、複数の六角杭4のそれぞれは、接触面41に対向する側に装着された台座6Bに複数設けられた、六角杭4を係止させるための差込孔61に、接触面41の法線方向に対して摺動可能に嵌挿されると共に、六角杭4を台座6Bに係止させるための円錐部43を備えている。
前記構成によれば、六角杭4のそれぞれは、パターフェイス2Bの接触面41に対向する側に装着された台座6Bに設けられた複数の差込孔61に、接触面41の法線方向に対して摺動可能に嵌挿・係止させることができる。よって、パターフェイス2B本体から、各六角杭4が抜け出すことを防止しつつ、六角杭4の摺動方向を接触面41の法線方向に誘導することができる。
なお、フレーム3Bのフェイス面側に対向する側は、台座6Bが収まる形状に座ぐり加工を施してある。また、図3(c)に示す台座6Bの6箇所に凸部が設けられているが、これらの凸部は、フレーム3Bに台座6Bを嵌合させた時に、台座6Bが、フェイス面側に抜けるのを防止するストッパーの役割を果すものである。
なお、台座6B(又は、パターフェイス2Aに対応する台座6A)の材料として、本実施形態では、ポリプロピレンを採用しているが、これに限られる訳ではなく、他の炭素を骨格とする有機高分子系の合成樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、及びフェノール樹脂など)を用いても良い。
また、衝撃吸収性リング(弾性体)5の材料としては、クロロプレンゴム(ネオプレン(登録商標)CR70、CR80、又はCR90)を採用しているが、これに限られる訳ではなく、他の炭素を骨格とする有機高分子系の合成ゴムや、天然ゴム、を用いても良い。また、珪素を骨格とする無機高分子系のシリコンゴムなどを用いても良い。
なお、衝撃吸収性リング5の物理的特性を調整することによる効果の詳細については、後に説明を行なう。
次ぎに、図3(d)・図3(e)に基づき、六角杭4、衝撃吸収性リング5、及び台座6Bのそれぞれの構成及びこれらの組み立て方法について説明する。図3(d)に示すように、六角杭4の上面は、ボール7が接触する接触面41となっており、本実施形態では、その最短の径が3mmである正六角形形状を採用している。すなわち、パターフェイス2Aのフェイス面は、六角杭4が複数隙間無く敷き詰められたいわゆるハニカム(honeycomb structure)構造となっている。なお、接触面41の形状は、この他、正三角形、又は平行四辺形とすることが好ましい。
上述のように、接触面41の形状を、正三角形、平行四辺形、及び六角形のいずれかにすれば、平面(フェイス面)を同一形状の接触面41で隙間なく敷き詰めることができる。すなわち、面積あたりの接触面41の数を各形状において最大の数とすることができる。よって、接触面41の形状に応じて、本発明の効果を最大限引き出せる構成とすることができる。なお、本発明の効果を特に、最大限引き出せる構成とするには、本実施形態のハニカム構造、すなわち、接触面41の形状を正六角形とすることが好ましい。なぜなら、正n多角形(nは自然数)の対称性を高くするためには、できるだけ、nを大きくする必要があるが、平面を同一形状の接触面で隙間なく敷き詰めることができる正n多角形の最大のnが、n=6だからである。
なお、対称性が最も高い形状として、円形があり、接触面41の形状として、円形を採用しても良い。この場合、平面を接触面41で隙間なく敷き詰めることはできない替わりに、それぞれの柱状体の動作性能及びフェイス面全体に対する力学的バランスを最大限向上させることができる。
また、平行四辺形は、その対内角の和が180度となる特性から平面を同一形状の接触面41で隙間なく敷き詰めることができるものと考えられ、ひし形、長方形、及び正方形なども平行四辺形に含まれることは言うまでも無い。
さらに、平面を接触面41で隙間なく敷き詰めることができる場合、複数の柱状体の配列パターンは1通りであるが、隙間が存在する場合、複数の配列パターンが存在するものと考えられるため、そのようなパターンのうち最良のパターンを見つけるための面倒な作業が必要となる。
よって、平面を接触面41で隙間なく敷き詰めることができない場合、パターフェイス作成の作業効率が著しく低下してしまうものと考えられる。よって、接触面41の形状が、正三角形、平行四辺形、及び正六角形のうちのいずれかであれば、パターフェイス作成の作業効率を最大限向上させることが可能である。また、平面を接触面41で隙間なく敷き詰めていれば、隙間にゴミが入り込んでそのゴミをとりのぞかなければならないという虞も無い。
なお、接触面41の最大の径は、5mm以下であることが好ましい。
ゴルフボールの大きさ及びディンプルの数は、あらかじめ決まっているため、接触面41の径が、5mmを超えると、ボールに対する接触面(又は接触点)の数を充分な数とすることが困難となり、本発明の効果を得にくくなる。なお、5mm以下であれば、できるだけ、小さいほうが好ましい。
次ぎに、図3(e)に基づき、六角杭4、衝撃吸収性リング5、及び台座6Bの組み立て方法について説明する。図3(e)に示すように、六角杭4の円錐部43を衝撃吸収性リング5に差込み(挿入し)、衝撃吸収性リング5がちょうど六角杭4の中間部42に位置するようにする。
続いて、六角杭4の円錐部43を台座6Bに複数設けられている差込孔61のいずれかに摺動可能に差込む(嵌挿する)。このとき、六角杭4の円錐部43の底円の直径が台座6Bの差込孔61の径よりも大きくなっており、六角杭4を台座6Aの差込孔61に圧入すれば(或いは、嵌挿すれば)、六角杭4の円錐部43の底円の外周部分が、差込孔61に引っ掛るので、六角杭4を、台座6Bに係止させることができる。これにより、六角杭4が、台座6Bから容易に抜けないようにすることができる。
次ぎに、図4(a)〜図6(h)に基づき、六角杭4、フレーム3A、及び台座6A(ここでは、フレーム3B及び台座6Bに代えて、フレーム3A、及び台座6Aについて説明する)の構造の詳細を図示する。
図4(a)は、六角杭4の構成を示す斜視図であり、図4(b)は、六角杭4を真横から見た側面図の一例であり、図4(c)は、その上面図(接触面41)であり、図4(d)は、六角杭4を真横から見た側面図の他の例であり、図4(e)は、その下面図である。
図5(a)は、パターフェイス2Aにおける六角杭4が挿入されていないフレーム3Aの構成を示す斜視図であり、図5(b)は、六角杭4が挿入されているフレーム3Aの構成を示す斜視図であり、図5(c)は、フレーム3Aをフェイス面側から見た上面図であり、図5(d)は、その下面図であり、図5(e)は、その後側面図(フェイス面側が下向き)であり、図5(f)は、その前側面図(フェイス面側が上向き)であり、図5(g)は、その右側面図(左側面と対称)であり、図5(h)は、図5(c)のA−A切断部の断面図である。
図6(a)は、パターフェイス2Aにおける六角杭4が挿入されていない台座6Aの構成を示す斜視図であり、図6(b)は、台座6Aをフェイス面側から見た上面図であり、図6(c)は、その下面図であり、図6(d)は、その後側面図(フェイス面に近い方が上)であり、図6(e)は、その前側面図(フェイス面に近い方が下)であり、図6(f)は、その右側面図(フェイス面に近い方が右向き)であり、図6(g)は、図6(b)のA−A切断部の断面図であり、図6(h)は、その左側面図(フェイス面に近い方が左向き)である。
なお、図7(a)は、パターヘッド1に挿入されるパターフェイス2B(六角杭4が挿入されていないフレーム3B)を示す斜視図であり、図7(b)は、パターフェイス2B(六角杭4が挿入されているフレーム3B)を示す斜視図である。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図8(a)から図9(e)までに基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図8(a)は、本発明におけるパターフェイスの他の実施形態であるパターフェイス12Aの概略構成(六角杭4Aが挿入されていない場合)を示す上面図(フェイス面側)であり、図8(b)は、その底面図(フェイス面に対向する側)であり、図8(c)は、その側面(フェイス面側が上)からみた断面図である。
また、図9(a)は、パターフェイス12Aの概略構成(六角杭4Aが挿入されている場合)を示す上面図(フェイス面側)であり、図9(b)は、その底面図(フェイス面に対向する側)であり、図9(c)は、その側面(フェイス面側が上)からみた断面図であり、六角杭4Aの挿入方法を示す図であり、図9(d)は、その側面からみた断面図であり、六角杭4Aの挿入後の様子を示す図であり、図9(e)は、本発明におけるパターフェイスのさらに他の実施形態であるパターフェイス12Cの概略構成(円柱杭4Cが挿入されている場合)を示す上面図(フェイス面側)である。
図9(a)〜図9(d)に示すように、本実施形態のパターフェイス12Aは、ウレタンベース(弾性体)15Aと六角杭(柱状体)4Aとを備える構成である。
実施の形態1では、六角杭4のそれぞれに、衝撃吸収性リング(弾性体)5を装着していたが、本実施形態のパターフェイス12Aでは、弾性体は、ウレタンベース15Aの1つである点が異なっている。
このパターフェイス12Aのように、ウレタンベース15Aに六角杭4Aのそれぞれが、装着されている構成を採用しても良い。
なお、六角杭4Aの構成及び材料などについては、実施の形態1の六角杭4と同一であるため、説明は省略する。
また、本実施形態では、弾性体としてウレタン樹脂を用いた例を示しているが、この他、エラストマーなど他の樹脂を採用しても良い。
ウレタンベース15Aは、六角杭4Aよりも剛性の低い素材で構成されており、接触面の法線方向に対して六角杭4Aのそれぞれを弾性的に支持するものである。
前記構成によれば、実施の形態1のパターフェイス2A及びパターフェイス2Bのように、六角杭4のそれぞれに衝撃吸収性リング5を装着した場合と比較して、各六角杭4Aの弾性運動の独立性は、多少低くなると考えられるが、弾性体は、ウレタンベース15Aの1つであり、作成が容易である。
ここで、パターフェイス12Aは、実施の形態1のパターフェイス2A及びパターフェイス2Bと異なり、ネジ孔は設けられていない。パターフェイス12Aのパターヘッドへの装着方法としては、例えば、ヘッド部分を座ぐり加工して、パターフェイス12Aを嵌合する方法の他、接着、溶着などを行うことができる。なお、パターフェイス12Aには任意の着色を施しても良い。
また、複数の六角杭4Aは、ウレタンベース15A上において、六角杭4Aの接触面の面内方向に配列されていると共に、ボールが接触していないときの六角杭4Aの接触面のそれぞれが、面一となるように構成されている。
なお、本実施形態のパターフェイス12Aでは、ウレタンベース15Aは、比較的、剛性の高いものを用い、六角杭4Aを差込孔61Aに打ち付け(圧入し、嵌挿し)てある。
このとき、六角杭4Aの円錐部(実施の形態1の六角杭4における円錐部43参照)の底円の直径が差込孔61Aの径よりも大きくなっており、六角杭4Aを差込孔61Aに圧入すれば(或いは、嵌挿すれば)、六角杭4Aの円錐部の底円の外周部分が、差込孔61Aに引っ掛るので、六角杭4Aを、ウレタンベース15Aに係止させることができる。これにより、六角杭4Aが、ウレタンベース15Aから容易に抜けないようにすることができる。
また、差込孔61Aの形状は、六角杭4Aの形状にあわせているので、六角杭4Aのそれぞれが、接触面の面内方向に対して回転してしまうことを防止することができる。
また、図9(c)及び図9(d)に示すように、ウレタンベース15Aには、複数の六角杭4Aのそれぞれが、接触面の法線方向に摺動可能に嵌挿されると共に、六角杭4Aを係止させるための差込孔(被係止口)61Aが複数設けられている。
前記構成によれば、複数の六角杭4Aのそれぞれは、ウレタンベース15Aに設けられた複数の差込孔61Aに、接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿・係止させることができる。よって、パターフェイス12A本体から、各六角杭4Aが抜け出すことを防止しつつ、六角杭4Aの摺動方向を接触面の法線方向に誘導することができる。
また、本実施形態では、図9(a)に示すように、六角杭4Aの接触面間には、隙間が存在している。
前記構成によれば、複数の六角杭4Aの接触面間に、隙間を設けて、六角杭4A間の間隔を適宜調整することで、各六角杭4Aの弾性運動の独立性を高めることができる。
なお、本実施形態では、柱状体の例として実施の形態1の六角杭4と同様の六角杭4Aを採用した場合について説明したが、図9(e)に示すパターフェイス12Cのように、柱状体の例として円柱杭4Cを採用しても良い。
この場合、それぞれの円柱杭4Cの動作性能及びフェイス面全体に対する力学的バランスを最大限向上させることができる。また、各円柱杭4Cが接触面内方向に、仮に回転してまっても円形であれば、美観が損なわれることは無い。
なお、多角形を採用する場合、六角杭4Aのように正六角形(いわゆるハニカム構造)とすれば、他の多角形、円形を採用した場合よりも、全柱状体がパターフェイス12A又はパターフェイス12C全体を占める面積を最大限大きくすることができる。
〔上記パターフェイスの物理的メカニズム及び検証〕
次ぎに、図10(a)〜図14(b)に基づき、実施の形態1のパターフェイス2A又はパターフェイス2B(なお、以下では、パターフェイス2A・2Bを纏めてパターフェイス2と呼ぶ)を例として、上記パターフェイスの様々な物理的メカニズムについて説明する。
図10(a)は、パターフェイス2が、ボール7の表面のディンプル端部7A(不図示)に点接触することにによる、ボール7の反発方向のずれを防止することができる物理的メカニズムを説明するための概念図であり、図10(b)は、従来の金属系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図である。
ところで、ボール7が接触する前は、複数の六角杭4は、接触面41の面内方向に敷き詰められるようにして配列されていると共に、ボール7が接触していないときの接触面41のそれぞれが、面一となっている。
すなわち、ボール7が接触していないときの接触面41のそれぞれが、面一となっているという初期条件でボールがフェイス面に垂直に衝突した場合(なお、運動の相対性により、ゴルフパターで静止したボール7を打つことを、静止したゴルフパターのフェイス面にボール7を衝突させることに置き換えて考えることができる)、図10(a)に示すように、パターフェイス2では、複数の六角杭4は、六角杭4のそれぞれの接触面41にボール7を接触させた場合に、衝撃吸収性リング5のそれぞれがフェイス面(接触面41)の法線方向に弾性変形して、接触面41のそれぞれがボール7の表面の複数箇所と接触する(それぞれの接触面41が、ボール7の表面に沿うように、フェイス面が変形する)ものと考えられる。
また、ボール7の球対称性により、ボール7とフェイス面との接触点(フェイス面の法線方向に対するボールの中心軸とフェイス面との交点とほぼ一致すると考えられる)を中心として、等方的にそれぞれの接触面41が変形するものと考えられる。なお、この等方的な接触面41の変形は、ボール7の変形を考慮しても成り立つものと考えられる。
そうすると、ボール7の各接触面41における接触部分にはたらく反発力ベクトル(抗力ベクトル)は、図10(a)に示すように、全てフェイス面の法線方向に対するボール7の中心軸上の所定点近傍に精度良く向かうものと考えられ、これらの合成ベクトルは、前記中心軸に沿う方向、すなわち、フェイス面の法線方向に精度良く向かうことになる。ボール7は、前記合成ベクトルに沿う方向に力を受けることになるので、ボール7は、該合成ベクトルに沿う方向すなわち、フェイス面の法線方向に精度良く転がることになる。
なお、図10(a)では、簡単のため、ボール7の変形は無視して、反発力ベクトルが、全てボール7の中心近傍に向かっているように描いている。しかしながら、ボール7の対称性、ボール7がフェイス面に対して垂直に衝突すること、及びボール7が接触していないときの接触面41のそれぞれが、面一となっているという初期条件などを考慮すれば、前記合成ベクトルは、ボール7の変形にかかわらず、ほぼ中心軸に沿う方向に精度良く向かうものと考えられる。
また、厳密には、衝突現象は、衝突前後のボール7の運動量ベクトルの差が、ボール7が受けた力積ベクトルの積分に等しくなるという運動方程式や、フェイス面の反発係数と、ボール7の衝突前後の速度変化との関係式などの複雑な連立方程式を解く必要があるが、定性的には、前記合成ベクトルの向きは、衝突時間の間に、前記中心軸に沿う方向からほとんどずれないと考えられるので、前記のような結論が得られるものと考えられる。
よって、上述のように、パターフェイス2(パターフェイス2A・2B)では、複数の六角杭4の接触面41のそれぞれがボール7の表面に沿うように複数箇所で接触するため、ボール7の表面のディンプル端部7Aに点接触することにによる、ボール7の反発方向のずれを防止することができる。
一方、図10(b)に示すように、従来の硬い金属系のパターフェイスでは、ボール7がフェイス面に接触しても、その剛性により、フェイス面がほとんど変形しない。そうすると、図10(b)に示すように、フェイス面が、ボール7の表面のディンプル端部7Aに点接触した場合、そのボール7の表面のディンプル端部7Aに点接触した状態を初期条件とする運動状態になるものと考えられる。よって、従来の硬い金属系のパターフェイスでは、ボール7の表面のディンプル端部7Aに点接触することにによる、ボール7の反発方向のずれを防止することができないと考えられる。
図11(a)は、パターフェイス2が、フェイスローテイション動作が起こっても、ボール7の打ち出し方向が、目標方向に近づくように補正され、フェイス面の微小な角度のずれをカバーして、目標方向にボール7を精度よく打ち出すことが可能となる物理的メカニズムを説明するための概念図であり、図11(b)は、同様にパターフェイス2の物理的メカニズムを説明するための概念図であり、図11(c)は、従来の金属系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、図11(d)は、同様に従来の金属系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図である。
ところで、パターフェイスのフェイス面(又は複数の柱状体の接触面)の法線方向と、パターヘッドの動作方向が、見かけ上一致して、ボール7にインパクトした場合でも、ゴルフパターの構造上、ボール7の進行方向が、パターヘッドの動作方向(目標方向)とずれてしまうフェイスローテイションという現象がしばしば問題となる。
これは、ゴルフパターのフェイス面の軌道が、パターヘッドの打ち下ろしの軌道と、ユーザーの体に沿ったパターヘッドの回転軌道との2つの楕円軌道(パターヘッドの略鉛直方向の楕円軌道と、上から見たときのフェイス面の略水平方向の楕円軌道)を組合せた複雑な軌道を描くことによって生じる現象であり、フェイス面の法線方向と、パターヘッドの動作方向が、見かけ上一致しているのにもかかわらず、インパクト時には、フェイス面が、ボール7に対して垂直な方向(目標方向)からずれて接触してまうという現象である。
また、ボール7のインパクト時には、自然と手首と同期してフェイスを返すような動作を伴ってしまうことが多いが、この場合、ほぼゴルフパターのシャフトに沿った軸を中心としてフェイス面を回転させることになり、前記2つの楕円軌道の動作にこの回転動作がさらに加わると、前記フェイスローテイションをさらに増長してしまう結果となる。
この点、図11(a)に示すように、パターフェイス2では、フェイスローテイション動作で、フェイス面が、ボール7に対して垂直な方向からずれて接触しても、インパクトの瞬間のフェイス(複数の六角杭4)の変形により、図11(c)・図11(d)の金属フェイスのゴルフパターと比較して、ボール7とフェイスとの接触時間を長くすることができる。
また、この接触時間の間、ボール7が、ゴルフパターのフェイス面から受ける抗力を分解すると、フェイス面に垂直な方向の垂直抗力(不図示)及びフェイス面の面内方向の摩擦力(不図示)となるが、この摩擦力には、フェイス面の弾性変形の結果、図11(a)の各接触面41から受ける抗力の方向より、ボール7がパターヘッド1の動作方向(目標方向)からずれるのを補正する(ボール7がフェイス面に対して横向きに逃げようとするのを妨げる)向きに働く成分を持つものと考えられる。よって、ボール7が、フェイス面から離れる前には、図11(b)に示すように、ボールの打ち出し方向が、目標方向に近づくように、補正されるものと考えられる。
ここで、金属製のパターヘッドでは、フェイス面が変形しない剛体とみなすことができ、ボールとフェイスとの接触時間は短く、このような摩擦力が、ほとんど働かないものと考えられる。よって、図11(c)・図11(d)に示すように、ボール7の打ち出し方向を目標方向(パターヘッドの動作方向)に補正することができないと考えられる。
一方、パターフェイス2では、図11(a)・図11(b)に示すように、複数の六角杭4のそれぞれが、弾性変形するようになっているため、インパクト時にフェイス面がボール7の表面に沿って変形し、ボール7の複数箇所で接触する。このため、上述のように、ボール7とフェイスとの接触時間が長いことと相俟って、図11(c)・図11(d)の金属製のパターヘッドと比較して充分な摩擦力が、ボールに働くものと考えられる。このため、図11(b)に示すように、パターヘッド1の動作方向に近い打ち出し方向で、ボール7を打ち出すことが可能になるものと考えられる。
このように、前記摩擦力の影響により、ボール7の打ち出し方向が、硬い金属性のパターフェイスのものよりも目標方向に近づくように補正されるため、フェイスの微小な角度のずれをカバーして、動作方向(目標方向)にボール7を精度よく打ち出すことが可能となる。
言い換えれば、ボール7に加えられれる力積に対して、ボール7がパターヘッド1の動作方向(目標方向)からずれるのを補正する摩擦力の成分が充分に寄与するため、ボール7の打ち出し方向が目標方向からずれることを防止できるものと考えられる。
ところで、ゴルフの中上級者になるほど、さまざまな球種を使い分けることができるものと考えられ、特にパッティングにおいては、微妙なボールコントロールが必要となると考えられる。例えば、右(左)打者が打ったボールが左(右)へ逸れてゆくフックボール、及びその逆のスライスボールなどの得手不得手が試合の勝敗を左右する例は、枚挙に遑がない。
図12(a)は、このような、パターフェイス2が、ボールコントロール性能を、金属フェイスのゴルフパターよりも、向上させることができる物理的メカニズムを説明するための概念図であり、図12(b)は、同様にパターフェイス2の物理的メカニズムを説明するための概念図である。
パターフェイス2は、図3(e)及び図12(a)に示すように、複数の六角杭4が、六角杭4のそれぞれの接触面41にボールを接触させた場合に、衝撃吸収性リング5のそれぞれがフェイス面(接触面41)の法線方向に弾性変形して、接触面41のそれぞれがボール7の表面の複数箇所と接触するように構成されている。
それゆえ、パターフェイス2では、インパクトの瞬間のフェイス(複数の六角杭4のそれぞれの接触面41)の変形により、金属フェイスのゴルフパターと比較して、ボール7とフェイスとの接触時間を長くすることができるようになっている。
また、上述のように、この接触時間の間、ボール7が、ゴルフパターのフェイス面から受ける抗力を分解すると、フェイス面に垂直な方向の垂直抗力及びフェイス面の面内方向の摩擦力となるが、この摩擦力は、弾性変形しにくい硬い金属フェイスのゴルフパター(結果としてボールとフェイスとの接触時間も短い)と比較するとかなり大きくなるものと考えられる。
そうすると、本実施形態のゴルフパター又はパターフェイス2では、金属フェイスのゴルフパターよりも、前記摩擦力をボール7に充分に作用させることが可能となる。よって、フックボール、及びその逆のスライスボールなど様々な球種を使い分けたり、順回転させて目標への推進性を向上させたり、さらに、逆スピン(逆回転)をかけてボールをグリーン上で停止させたりなどのボールコントロール性能を、金属フェイスのゴルフパターよりも、向上させることができる。
なお、図12(a)〜図12(c)は、本実施形態のゴルフパター又はパターフェイス2を用いてボール7に順回転をかけたときの様子を示す概念図である。
次ぎに、図13(a)は、パターフェイス2が、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感を得ることのできる物理的メカニズムを説明するための概念図であり、図13(b)は、従来の樹脂系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、図13(c)は、パターフェイス2の物理的メカニズムを説明するための概念図である。
図13(a)及び図13(c)に示すように、パターフェイス2では、複数の六角杭4は、六角杭4のそれぞれの接触面41にボールを接触させた場合に、衝撃吸収性リング5のそれぞれが接触面41の法線方向に弾性変形して、接触面41のそれぞれがボール7の表面の複数箇所と接触する(それぞれの接触面41が、ボール7の表面に沿うように、フェイス面が変形する)ようになっている。
よって、ボール7に直接接触する接触面41の剛性が高く(変形しにくく)、衝撃吸収性リング5の弾性変形によって間接的に衝突の衝撃を吸収するようにした構成なので、図13(b)に示すような軟らかい樹脂系のフェイス(変形しやすい)と比較して反発係数の損失を極力小さくすることができる。
すなわち、樹脂系など軟らかい素材で構成されたフェイスと比較して、反発係数の損失が小さいので、打撃(インパクト)の際、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い初速を得ることができる。また、ボール7の運動エネルギーは、初速の2乗に比例するので、インパクト時のエネルギーに対する損失も少なくなる。よって、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い打撃の感触(以下、単に「打感」という)及び距離感(感触にあった転がり)を得ることができる。
また、インパクトの際、ボール7よりも剛性の高い素材で構成されている六角杭4の接触面41が、ボール7と衝突することになる。これにより、ボール7よりも剛性の高いパターフェイス(例えば、金属製のパターフェイス)と衝突したときにでる衝突音を得ることができるので、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い音による感触(以下、「音感」という)を得ることができる。以上より、樹脂系のフェイスでは得られない、充分な初速、音感及び打感を得ることができる。
また、上述した効果が相乗的にはたらくことにより、パターヘッド1の動作速度(インパクトのエネルギー)に対して、硬い金属性のパターフェイスのものと比較しても遜色のないボール7の初速、中間速度、及び到達距離及びこれらの物理量のパターヘッド1の動作速度に対する充分な線形性(比例性)を得ることが可能となる。
ここで、図13(a)及び図13(c)に基づき、衝撃吸収性リング5の剛性とフェイス面(接触面41を有する複数の六角杭4)の反発係数の大きさとの関係について説明する。図13(a)は、衝撃吸収性リング5の素材として比較的剛性の高い材料を用いた場合を示す概念図であり、図13(c)は、衝撃吸収性リング5の素材として比較的剛性の低い材料を用いた場合を示す概念図である。図13(a)と図13(c)とに示すように、衝撃吸収性リング5の剛性が高ければ高いほど、弾性変形の割合は小さくなり、結果として、反発係数は、金属製のパターフェイスの反発係数に近づくものと考えられる。
一方、図13(a)と図13(c)とに示すように、衝撃吸収性リング5の剛性が低ければ低いほど、弾性変形の割合は大きくなり、結果として、反発係数は、樹脂製のパターフェイス(図13(b)参照)の反発係数に近づくものと考えられる。
同様に、衝撃吸収性リング5の剛性を調整することで、ボール7がフェイス面に衝突した際の弾性変形の程度を調整することも可能である。
したがって、衝撃吸収性リング5を適切に調整することにより、金属製のパターフェイスと比較しても、遜色の無い反発係数を備え、かつ樹脂系のパターフェイスと比較しても、遜色の無いボールコントロール性を備えた、言わば金属製のパターフェイスと樹脂系のパターフェイスとの両方の特長を兼ね添えたパターフェイス及びゴルフパターを提供することが可能になる。
ここで、本実施の形態のパターフェイス2(パターフェイス2A・2B)と従来の金属製のパターフェイス(以下、「比較例」と呼ぶ。なお、ここでは、比較例として金属のなかでも軟らかい部類に属するアルミニウムを使用したパターフェイスを使用する)とにおいてインパクト時のボールの接触時間を比較した実験結果を示す。
実験では、700mm/秒の速度で、パターフェイス2及び比較例のパターフェイスを等速直線運動させてボールを打ち出した。なお、ボールの転がる面は、ゴルフ場のグリーンでも転がりやすい高速グリーンと呼ばれるスティンプメータ11フィートと同等の転がりやすさを持つ面を使用した。
図14(a)は、インパクト時におけるパターフェイス2のボールの接触時間を検証する高速度カメラの撮影結果を示す図であり、図14(b)は、比較例のボールの接触時間を検証する高速度カメラの撮影結果を示す図である。
なお、図14(a)及び図14(b)の撮影結果は、1秒間に6000フレームを撮像する高速度カメラで撮影したものである。但し、図14(a)・図14(b)は、1つおきに1フレームずつ抜き取ったものである。すなわち、1秒間に3000フレームの計算となる。
図14(b)に示すように、上から3フレーム目において比較例のフェイス面とボールとは、はっきりと離れているのに対し、パターフェイス2のフェイス面とボールとは明らかに接触状態のままとなっていることがわかる。
また、図14(a)に示すようにパターフェイス2のフェイス面とボールとがはっきりと離れているのは、上から6フレーム目である。
よって、前記高速度カメラによるボールの動作解析では、金属中でも剛性の低いアルミニウム製の比較例のパターフェイスのフェイス面でのボールの接触時間が、約0.001秒(=3/3000)であるのに対し、パターフェイス2のフェイス面とボールとの接触時間は、約2倍の約0.002秒(6/3000)であることが確認された。この結果は、パターフェイス2におけるインパクト時のフェイス面とボールとの接触時間が、従来の金属性のパターフェイスよりも、かなり長くなっていることを検証するものであると言える。
また、転がった総距離は、それぞれ1200mm(比較例)に対して1150mm(パターフェイス2)で、5%弱の減少に留まった。
この結果は、比較例のパターフェイスと比較しても遜色の無い距離であり、前記のように、接触時間が約2倍程度長くなっているのにも関わらず、パターフェイス2におけるエネルギー損失が比較的少ないことを検証するものである。
以上より、パターフェイス2(パターフェイス2A・2B)及びパターフェイス2を備えたゴルフパターにより、ゴルフボールとパターフェイスのボール接触面との接触による反発方向のずれの問題を解決することができ、また、従来の金属性のパターフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感が得られることが検証された。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、本発明のパターフェイスは、ゴルフパターのヘッドに対して取り外し自在に挿入されるパターフェイスであって、ボールが接触する接触面を有し、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている複数の柱状体と、該柱状体よりも剛性の低い素材で構成されており、該柱状体のそれぞれに装着されると共に、前記接触面の法線方向に対して該柱状体のそれぞれを弾性的に支持する弾性体とを備えており、前記複数の柱状体は、前記接触面の面内方向に敷き詰められるようにして配列されていると共に、ボールが接触していないときの前記接触面のそれぞれが、面一となるように構成されていても良い。
以上の構成によれば、パターフェイスは、ゴルフパターのヘッドに対して取り外し自在に挿入されている。それゆえ、様々な特性を持つパターフェイスを適宜取り替えてプレーすることが可能なので、以下で説明する打感及び距離感に応じて、パターフェイスの特性を変更することが可能となる。
また、パターフェイスは、ボールが接触する接触面を有し、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている柱状体と、該柱状体よりも剛性の低い素材で構成されており、該柱状体のそれぞれに装着されると共に、前記接触面の法線方向に対して該柱状体のそれぞれを弾性的に支持する弾性体とを備えている。
よって、ボールに直接接触する接触面の剛性が高く(変形しにくく)、弾性体の弾性変形によって間接的に衝突の衝撃を吸収するようにした構成なので、軟らかい樹脂系のフェイス(変形しやすい)と比較して反発係数の損失を極力小さくすることができる。すなわち、樹脂系など軟らかい素材で構成されたフェイスと比較して、反発係数の損失が小さいので、打撃(インパクト)の際、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い初速を得ることができる。また、ボールの運動エネルギーは、初速の2乗に比例するので、インパクト時のエネルギーに対する損失も少なくなる。よって、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い打撃の感触(以下、単に「打感」という)及び距離感(感触にあった転がり)を得ることができる。
また、インパクトの際、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている柱状体の接触面が、ボールと衝突することになる。これにより、ボールよりも剛性の高いパターフェイス(例えば、金属製のパターフェイス)と衝突したときにでる衝突音を得ることができるので、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い音による感触(以下、「音感」という)を得ることができる。以上より、樹脂系のフェイスでは得られない、充分な初速、音感及び打感を得ることができる。
また、本発明のパターフェイス又はゴルフパターは、前記複数の柱状体は、前記柱状体のそれぞれの接触面にボールを接触させた場合に、前記弾性部のそれぞれが前記法線方向に弾性変形して、前記接触面のそれぞれがボール表面の複数箇所と接触する(それぞれの接触面が、ボールの表面に沿うように、フェイス面が変形する)ように構成されていても良い。
ところで、ボールが接触する前は、複数の柱状体は、接触面の面内方向に敷き詰められるようにして配列されていると共に、ボールが接触していないときの前記接触面のそれぞれが、面一となっている。
すなわち、ボールが接触していないときの接触面のそれぞれが、面一となっているという初期条件でボールがフェイス面に垂直に衝突した場合(なお、運動の相対性により、ゴルフパターで静止したボールを打つことを、静止したゴルフパターのフェイス面にボールを衝突させることに置き換えて考えることができる)、ボールの球対称性により、ボールとフェイス面との接触点(フェイス面の法線方向に対するボールの中心軸とフェイス面との交点とほぼ一致すると考えられる)を中心として、等方的にそれぞれの接触面が変形するものと考えられる。なお、この等方的な接触面の変形は、ボールの変形を考慮しても成り立つものと考えられる。
そうすると、ボールの各接触面における接触部分にはたらく反発力ベクトル(抗力ベクトル)は、全てフェイス面の法線方向に対するボールの中心軸上の所定点近傍に精度良く向かうものと考えられ、これらの合成ベクトルは、前記中心軸に沿う方向、すなわち、フェイス面の法線方向に精度良く向かうことになる。ボールは、前記合成ベクトルに沿う方向に力を受けることになるので、ボールは、該合成ベクトルに沿う方向すなわち、フェイス面の法線方向に精度良く転がることになる。
なお、厳密には、衝突現象は、衝突前後のボールの運動量ベクトルの差が、ボールが受けた力積ベクトルの積分に等しくなるという運動方程式や、フェイス面の反発係数と、ボールの衝突前後の速度変化との関係式などの複雑な連立方程式を解く必要があるが、定性的には、前記合成ベクトルの向きは、衝突時間の間に、前記中心軸に沿う方向からほとんどずれないと考えられるので、前記のような結論が得られるものと考えられる。
よって、上述のように、複数の柱状体の接触面のそれぞれがボールの表面に沿うように複数箇所で接触するため、ボール表面のディンプル端部に点接触することにによる、ボールの反発方向のずれを防止することができる。
ところで、パターフェイスのフェイス面(又は複数の柱状体の接触面)の法線方向と、パターヘッドの動作方向が、見かけ上一致して、ボールにインパクトした場合でも、ゴルフパターの構造上、ボールの進行方向が、パターヘッドの動作方向(目標方向)とずれてしまうフェイスローテイションという現象がしばしば問題となる。
これは、ゴルフパターのフェイス面の軌道が、パターヘッドの打ち下ろしの軌道と、ユーザーの体に沿ったパターヘッドの回転軌道との2つの楕円軌道(パターヘッドの略鉛直方向の楕円軌道と、上から見たときのフェイス面の略水平方向の楕円軌道と)を組合せた複雑な軌道を描くことによって生じる現象であり、フェイス面の法線方向と、パターヘッドの動作方向とが、見かけ上一致しているのにもかかわらず、インパクト時には、フェイス面が、ボールに対して垂直な方向(目標方向)からずれて接触してまうという現象である。
また、ボールのインパクト時には、自然と手首と同期してフェイスを返すような動作を伴ってしまうことが多いが、この場合、ほぼゴルフパターのシャフトに沿った軸を中心としてフェイス面を回転させることになり、前記2つの楕円軌道の動作にこの回転動作がさらに加わると、前記フェイスローテイションをさらに増長してしまう結果となる。
この点、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、フェイスローテイション動作で、フェイス面が、ボールに対して垂直な方向からずれて接触しても、インパクトの瞬間のフェイス(複数の柱状体のそれぞれの接触面)の変形により、金属フェイスのゴルフパターと比較して、ボールとフェイスとの接触時間を長くすることができる。
また、この接触時間の間、ボールが、ゴルフパターのフェイス面から受ける抗力を分解すると、フェイス面に垂直な方向の垂直抗力及びフェイス面の面内方向の摩擦力となるが、この摩擦力には、フェイス面の弾性変形の結果、ボールがパターヘッドの動作方向(目標方向)からずれるのを補正する(ボールがフェイス面に対して横向きに逃げようとするのを妨げる)向きに働く成分を持つものと考えられる。
ここで、金属製のパターヘッドでは、フェイス面が変形しない剛体とみなすことができ、ボールとフェイスとの接触時間は短く、このような摩擦力が、ほとんど働かないものと考えられる。
一方、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、複数の柱状体のそれぞれが、弾性変形するようになっているため、インパクト時にフェイス面がボールの表面に沿って変形し、ボールの複数箇所で接触する。このため、上述のように、ボールとフェイスとの接触時間が長いことと相俟って、金属製のパターヘッドと比較して充分な摩擦力が、ボールに働くものと考えられる。
そうすると、この摩擦力により、硬い金属性のパターフェイスのものよりも目標方向に近づくように補正されるため、フェイスの微小な角度のずれをカバーして、動作方向(目標方向)にボールを精度よく打ち出すことが可能となる。
言い換えれば、ボールに加えられれる力積に対して、ボールがパターヘッドの動作方向(目標方向)からずれるのを補正する摩擦力の成分が充分に寄与するため、ボールの打ち出し方向が目標方向からずれることを防止できるものと考えられる。
ところで、ゴルフの中上級者になるほど、さまざまな球種を使い分けることができるものと考えられ、特にパッティングにおいては、微妙なボールコントロールが必要となると考えられる。例えば、右(左)打者が打ったボールが左(右)へ逸れてゆくフックボール、及びその逆のスライスボールなどの得て不得手が試合の勝敗を左右する例は、枚挙に遑がない。
上述のように、本発明のパターフェイス及びゴルフパターは、複数の柱状体が、該柱状体のそれぞれの接触面にボールを接触させた場合に、弾性部のそれぞれがフェイス面(接触面)の法線方向に弾性変形して、接触面のそれぞれがボール表面の複数箇所と接触するように構成されている。
それゆえ、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、インパクトの瞬間のフェイス(複数の柱状体のそれぞれの接触面)の変形により、金属フェイスのゴルフパターと比較して、ボールとフェイスとの接触時間を長くすることができるようになっている。
また、上述のように、この接触時間の間、ボールが、ゴルフパターのフェイス面から受ける抗力を分解すると、フェイス面に垂直な方向の垂直抗力及びフェイス面の面内方向の摩擦力となるが、この摩擦力は、弾性変形しにくい硬い金属フェイスのゴルフパター(結果としてボールとフェイスとの接触時間も短い)と比較するとかなり大きくなるものと考えられる。
そうすると、本発明のゴルフパター又はパターフェイスでは、金属フェイスのゴルフパターよりも、前記摩擦力をボールに充分に作用させることが可能となる。よって、フックボール、及びその逆のスライスボールなど様々な球種を使い分けたり、順回転させて目標への推進性を向上させたり、さらに、逆スピン(逆回転)をかけてボールをグリーン上で停止させたりなどのボールコントロール性能を、金属フェイスのゴルフパターよりも、向上させることができる。
また、上述した効果が相乗的にはたらくことにより、パターヘッドの動作速度(インパクトのエネルギー)に対して、硬い金属性のパターフェイスのものと比較しても遜色のないボールの初速、中間速度、及び到達距離及びこれらの物理量のパターヘッドの動作速度に対する充分な線形性(比例性)を得ることが可能となる。
以上より、ゴルフボールとパターフェイスのボール接触面との接触による反発方向のずれの問題を解決しつつ、金属性のフェイスと比較しても、遜色の無い、ボールの初速、打感、及び距離感を得ることのできるパターフェイス及び該パターフェイスを備えたゴルフパター提供することができる。
また、本発明のゴルフパター又はパターフェイスは、前記接触面に対向する側には、前記柱状体が、前記接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿されると共に、該柱状体を係止させるための被係止口が複数設けられた台座が装着されていても良い。
前記構成によれば、柱状体のそれぞれは、パターフェイスの接触面に対向する側に装着された台座に設けられた複数の係止口に、接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿・係止させることができる。よって、パターフェイス本体から、各柱状体が抜け出すことを防止しつつ、柱状体の摺動方向を接触面の法線方向に誘導することができる。
本発明は、ゴルフパターのヘッドに挿入されたパターフェイス及び該パターフェイスが挿入されたゴルフパターに適用することができる。
本発明におけるゴルフパターのヘッド部分の実施の一形態を示す構成概略図である。 (a)は、パターフェイスが挿入されていないパターヘッドの構成を示す斜視図であり、(b)は、該パターヘッドをフェイス面側から見た正面図であり、(c)は、その上面図であり、(d)は、その右側面図であり、(e)は、(b)のA−A切断部の断面図である。 (a)は、前記パターフェイスの構造を示す上面図であり、(b)は、前記パターフェイスの構造を示す側面図であり、(c)は、前記パターフェイスの台座の構造を示す上面図であり、(d)は、前記ゴルフパターにおけるパターフェイスを構成する六角杭、衝撃吸収性リング、及び台座の機能を説明するための分解図であり、(e)は、それらの組み立て図である。 (a)は、前記パターヘッドに挿入されるパターフェイスを構成する六角杭の構成を示す斜視図であり、(b)は、該六角杭を真横から見た側面図の一例であり、(c)は、その上面図(接触面側)であり、(d)は、該六角杭を真横から見た側面図の他の例であり、(e)は、その下面図である。 (a)は、前記パターフェイスにおける六角杭が挿入されていないフレームの構成を示す斜視図であり、(b)は、六角杭が挿入されているフレームの構成を示す斜視図であり、(c)は、フレームをフェイス面側から見た上面図であり、(d)は、その下面図であり、(e)は、その後側面図(フェイス面側が下向き)であり、(f)は、その前側面図(フェイス面側が上向き)であり、(g)は、その右側面図(左側面と対称)であり、(h)は、(c)のA−A切断部の断面図である。 (a)は、前記パターフェイスにおける六角杭が挿入されていない台座の構成を示す斜視図であり、(b)は、台座をフェイス面側から見た上面図であり、(c)は、その下面図であり、(d)は、その後側面図(フェイス面に近い方が上向き)であり、(e)は、その前側面図(フェイス面に近い方が下向き)であり、(f)は、その右側面図(フェイス面が近い方が右向き)であり、(g)は、(b)のA−A切断部の断面図であり、(h)は、その左側面図(フェイス面に近い方が左向き)である。 (a)は、前記パターヘッドに挿入されるパターフェイスの他の例(六角杭が挿入されていないフレーム)を示す斜視図であり、(b)は、前記パターフェイスの他の例(六角杭が挿入されているフレーム)を示す斜視図である。 (a)は、本発明におけるパターフェイスの他の実施形態の概略構成(六角杭が挿入されていない場合)を示す上面図(フェイス面側)であり、(b)は、その底面図(フェイス面に対向する側)であり、(c)は、その側面(フェイス面側が上)からみた断面図である。 (a)は、前記パターフェイスの概略構成(六角杭が挿入されている場合)を示す上面図(フェイス面側)であり、(b)は、その底面図(フェイス面に対向する側)であり、(c)は、その側面(フェイス面側が上)からみた断面図であり、六角杭の挿入方法を示す図であり、(d)は、その側面からみた断面図であり、六角杭の挿入後の様子を示す図であり、(e)は、本発明におけるパターフェイスのさらに他の実施形態の概略構成(円柱杭が挿入されている場合)を示す上面図(フェイス面側)である。 (a)は、前記パターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、(b)は、従来の金属系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図である。 (a)は、前記パターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、(b)は、同様に前記パターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、(c)は、従来の金属系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、(d)は、同様に従来の金属系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図である。 (a)は、前記パターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、(b)は、同様に前記パターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図である。(c)は、ボールが順回転して転がる様子を示した概念図である。 (a)は、前記パターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、(b)は、従来の樹脂系のパターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図であり、(c)は、前記パターフェイスの物理的メカニズムを説明するための概念図である。 (a)は、インパクト時における前記パターフェイスのボールの接触時間を検証する高速度カメラの撮影結果を示す図であり、(b)は、比較例のボールの接触時間を検証する高速度カメラの撮影結果を示す図である。 (a)は、従来の樹脂系のパターフェイスがヘッドに挿入されたゴルフパターを示すフェイス面側から見た正面図であり、(b)は、その側面図である。
符号の説明
1 パターヘッド(ヘッド)
2,2A,2B,12A,12B,12C,12D パターフェイス
3A,3B フレーム(パターフェイス)
4,4A,4B 六角杭(柱状体、パターフェイス)
4C,4D 円柱杭(柱状体,パターフェイス)
5 衝撃吸収性リング(弾性体,パターフェイス)
6A,6B 台座(パターフェイス)
7 ボール
7A ディンプルの端部
15A,15B,15C,15D ウレタンベース(弾性体,パターフェイス)
16 樹脂カップ(台座,パターフェイス)
18 充填材
41 接触面(柱状体)
42 中間部(柱状体)
43 円錐部(係止部、柱状体)
61,61A,61B 差込孔(被係止口)

Claims (7)

  1. ゴルフパターのヘッドに対して挿入されるパターフェイスであって、
    ボールが接触する接触面を有し、ボールよりも剛性の高い素材で構成されている複数の柱状体と、
    該柱状体よりも剛性の低い素材で構成されており、前記接触面の法線方向に対して該柱状体のそれぞれを弾性的に支持する弾性体とを備えており、
    前記弾性体は、複数存在していると共に、前記複数の柱状体のそれぞれに装着されており、
    前記複数の柱状体は、前記接触面の面内方向に配列されていると共に、ボールが接触していないときの前記接触面のそれぞれが、面一となるように構成されていることを特徴とするパターフェイス。
  2. 前記複数の柱状体は、
    前記柱状体のそれぞれの接触面にボールを接触させた場合に、前記弾性体が前記法線方向に弾性変形して、前記接触面のそれぞれがボール表面の複数箇所と接触するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパターフェイス。
  3. 前記複数の柱状体は、前記接触面の面内方向に隙間無く敷き詰められていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターフェイス。
  4. 前記接触面の形状が、正三角形、平行四辺形、及び正六角形のうちのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のパターフェイス。
  5. 前記複数の柱状体のそれぞれは、前記接触面に対向する側に装着された台座に複数設けられた、該柱状体を係止させるための被係止口に、前記接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿されると共に、該柱状体を前記台座に係止させるための係止部を備えていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のパターフェイス。
  6. 前記接触面に対向する側には、前記柱状体が、前記接触面の法線方向に対して摺動可能に嵌挿されると共に、該柱状体を係止させるための被係止口が複数設けられた台座が装着されていることを特徴とする請求項に記載のパターフェイス。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項に記載されたパターフェイスが、ヘッドに挿入されていることを特徴とするゴルフパター。
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