JP4214919B2 - 帯域制御機能を有するストレージスイッチ - Google Patents
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Description
広域ネットワーク網102での送信データ帯域がユーザ契約帯域を越えないようにするために、従来からのIPネットワークでは、広域ネットワーク網の入り口にトラヒックシェーパという帯域制御機能を設置する必要があった。トラヒックシェーパはユーザが広域ネットワークへ送出するデータ量が契約帯域を超えないようにトラヒックを制御(シェーピング)し、広域ネットワーク網102内での送信データの廃棄を回避する。広域ネットワーク網102へ契約帯域以上のデータが転送されないように保証する帯域制御装置の特許として、例えば特許文献1がある。特許文献1で開示されている帯域制御装置は、ユーザから送出されるパケットを一旦帯域制御装置内部のバッファへ格納する。次に、バッファからのパケット読み出し量を常に計測して契約帯域を越えるパケット量をバッファから読み出した場合、バッファからのパケット読み出しを一時的に中断することでユーザから広域ネットワークへ送信するデータ量が契約帯域を超えないようにコントロールする。
以上述べたように従来のIPネットワークの帯域制御装置では、ストレージデータの帯域を効率よく制御し、ストレージ装置およびユーザのコンピュータ端末の無駄なリソース消費を防止することが出来なかった。
本発明の目的は、大容量なバッファを必要とせず、拡張性に優れ、契約帯域以上の無駄なデータ送出をユーザ端末およびストレージ装置にもたらさない帯域制御を、ストレージ装置側ネットワークに用意するだけで可能とすることを提供することである。
上記以外の本願が解決しようとする課題、その解決手段は、本願の「発明を実施するための最良の形態」の欄および図面で明らかにされる。
本発明の帯域制御機能を有するストレージスイッチは、スイッチインタフェース1801−nとスイッチ部1802からなる。
入力インタフェース部1801−n、は装置1800−1及び装置1800−2を接続するパケット入出力部1803と、パケット処理部1804と、パケットを保持する記憶装置1805と、保持したパケットの解析を行うパケット解析部1806と、記憶装置1805で保持したパケットへ転送許可を与える転送制御部1807からなる。
装置1800−1及び装置1800−2は図18では、ストレージスイッチと直接接続する形態をとっているが、装置1800とストレージスイッチ間に他のスイッチが入っていても良い。また、装置1800の数は3つ以上であっても良い。
記憶装置1805は書き込まれたパケットを送出信号が来るまで保管する。また、パケット解析部1806へパケットのヘッダ部を転送する。
パケットのヘッダ部を記憶装置1805から受け取ったパケット解析部1806はパケットのヘッダ部から、装置1800−2がパケットを受信した場合、装置1800−2が装置1800−1へ送信するデータ量を読み出し、転送制御部1807へとユーザの識別情報と共に装置1800−2が装置1800−1へ送信するデータ量の情報を転送する。
パケットを装置1800−2へ転送しても、装置1800−2から転送されるデータが装置1800−1に与えられたネットワーク帯域をオーバしないと判定した場合、転送制御部1807は記憶装置1804へパケット送出信号を出す。
記憶装置1804はパケット送出信号を転送制御部1807から受けた時、信号の示すパケットをスイッチ部1802へと転送する。
スイッチ部1802は、パケットが出力されるスイッチインタフェース1801−nへパケットを転送する。
なお、スイッチ1802、パケット入出力部1803、パケット解析部1806、パケット処理部1805、転送制御部1807は、それぞれ演算装置と記憶装置を含む機能モジュールで実現される。ただし、図18の装置構成と同等の機能で本発明の目的が達成されれば、これ以外の装置構成であってもよい。
本発明の帯域制御機能を有するストレージスイッチを使用することにより、装置1800から送出されるデータ量を、各装置1800に与えられたネットワーク帯域内に抑えることが可能となる。
まず、本発明の帯域制御機能を所持するストレージスイッチを図1と図4を用いて説明する。ストレージスイッチ104はデータセンタ103内などに設置され、RAID装置やJBOD(Just Bunch Of Disks)などのストレージ装置105−iと、IPネットワークで接続しSAN106を形成する。ストレージスイッチ104とストレージ装置105−iは複数のスイッチ(図示せず)を経由して接続する形態を取ることもある。
なお、図示していないが、スイッチインタフェースには、帯域制御機能およびiSCSIパケットの処理機能を含むスイッチインタフェース400−iと帯域制御機能およびiSCSIパケットの処理機能を含まず単純にIPパケットのルーティングをするスイッチインタフェースの2種類が存在する。パケット転送装置101−2と接続するスイッチインタフェースは帯域制御機能を含むスイッチインタフェースを用い、ストレージ装置105−iと接続するスイッチインタフェースは帯域制御機能を含まないスイッチインタフェースを用いる。
スイッチインタフェース400−iは、パケットの受信処理を行うパケット受信回路402と、ユーザ100の認証処理やiSCSIパケットなどの終端処理およびストレージ装置105−iのストレージボリューム構成情報解決などを行うiSCSI処理部403と、入側帯域制御部404と、出側帯域制御部408と、パケットの送信処理を行うパケット送信回路410と、ストレージ装置105−iのストレージボリューム情報とユーザ100がアクセス可能なストレージ装置105−iのボリューム情報を管理するユーザ管理テーブル406と、IPパケットのルーティング情報を管理するルーティング管理テーブル407からなる。また、スイッチインタフェース400−iにはIPアドレスが割り振られている。図4では、スイッチインタフェース毎の入出力回線数は1個であるが、複数個用意されていても問題ない。
図7はイニシエータがターゲットへRead要求/Write要求を出した場合のiSCSIヘッダ部607のヘッダフォーマットの一例を示す。RD要求/WR要求を意味するiSCSIヘッダ部607はFinal(F)ビット701と、Read(R)ビット702と、Write(W)ビット703と、LUN704と、イニシエータタスクタグ705と、要求データ長706と、オプション要求RD長707から構成される。Fビット701はコマンドが複数のパケットから構成される場合に、後続パケットが存在するときには0が設定され、後続パケットが存在しない場合は1が設定される。コマンドが1つのパケットで構成される場合にも後続パケットがないため1が設定される。Rビット702はRDデータを要求する場合に1が立てられる。Wビット703はWRデータを要求する場合に1が立てられる。LUN704はストレージ装置iのロジカルユニット番号を表している。イニシエータタスクタグ705はコマンドを発行したイニシエータ装置が設定するタグであり、タスク管理に用いられる。要求データ長706は片方向RD要求の場合は要求RD長が、片方向WR要求の場合は要求WR長が格納されている。オプション要求RD長707は、Rビット702およびWビット703の双方に1が立つRDデータ/WRデータ双方向要求の場合に使用する。RDデータ/WRデータ双方向要求の場合は、要求データ長706にはWRデータのデータ長が格納される。そのため、RDデータ/WRデータ双方向要求の場合は、RDデータのデータ長はオプション要求RD長707に格納される。RDデータ/WRデータ双方向要求の場合以外は、iSCSIオプションヘッダにオプション要求RD長707は付いていない。
iSCSI処理部403はパケット受信回路からパケットを受信すると宛先IPアドレス604を確認し、自スイッチインタフェース400−i宛でかつWRデータパケット以外のパケットの場合には以下の処理を行った後に入側帯域制御部404へパケットを転送する。送信元IPアドレス603からパケットを送信したユーザを判別し、ユーザ識別番号1005にユーザ識別番号を書き込む。送信元IPアドレスからユーザ識別番号を解決する対応表はユーザ管理テーブル406で管理されている。
iSCSI処理部が受信したパケットの宛先IPアドレスが自スイッチインタフェース宛で無い場合は、以下の処理を行った後に入側帯域制御部404へパケットを転送する。まず、ルーティング管理テーブル407を検索し、宛先IPアドレスから出力回線番号を解決し、出力回線番号を出力回線番号1002へ書き込む。RDビット1003およびR2Tビット1004およびユーザ識別番号1005および要求データ長1006は0を書き込む。
スイッチ部401は出力回線番号1002に従いパケットをスイッチングし、iSCSI処理部403へとパケットを転送する。
出側帯域制御部408はユーザ毎のキューを備え、内部ヘッダ部1000のR2Tビット1004の値を確認し、値が1の場合は指定するキューに該パケットを蓄積する。ユーザ毎の契約帯域情報に基づいてパケットを送出するキューを判定し、該キューよりパケットを読みだし、パケット送信回路へパケットを転送する。帯域制御を行う。また、内部ヘッダ部1000のR2Tビット1004の値が0の場合はすぐにパケット送信回路410へとパケットを転送する。
パケット送信回路410はパケットを受信すると、内部ヘッダ部1000を削除し、出力回線413−iにパケットを送信する。
パケット処理部500はiSCSI処理部403から送られてきたパケット種別の判定を行うパケット判定回路502と、RD要求パケット200以外のパケットを一時的に保管する一時保管バッファ503と、ユーザ毎のキューにRD要求パケット200を格納するパケットバッファ部505と、一時保管バッファ503とパケットバッファ部505のどちらからパケットを送信するかを決定する送信判定回路508から構成される。
(処理1)受信パケット判定処理
(処理2)送信予定時刻計算(パケット受信時)
(処理3)ソーティング処理(パケット受信時)
(処理4)パケット送信ユーザ選択処理
(処理5)送信予定時刻計算(パケット送信時)
(処理6)ソーティング処理(パケット送信時)
以下それぞれの処理を、図5、図12、図13を用いて詳細に説明する。また、複数のユーザを識別するために、ユーザ番号pを付して、ユーザ(p)と表記する。
入側帯域制御部404に到着したパケットは、パケット処理部500のパケット判定回路502で内部ヘッダ部1000のRDビット1003に1が設定されているか判定される。RDビット1003に1が設定されている場合はRD要求パケットと判定されパケットバッファ部505のユーザ毎のキューに一時的に蓄積される(図12の1201と1202)。RDビット1003に1が設定されていない場合は入側帯域制御部404での帯域制御が不要なため一時保管バッファ部503に一時的に蓄積される。パケットバッファ部505は、RD要求パケットを受信すると、パケット受信情報514としてユーザ識別番号をパケット送出予定時刻計算回路510及び二分木ソート回路511に向けて通知する。
パケット受信情報514を受けたパケット送出予定時刻計算回路510は、ユーザソーティング情報メモリ513から、二分木ソート回路511経由でユーザ(p)のユーザソーティング情報の送信予定時刻とVLD情報を読み出す。また、VLDが‘0’であるか‘1’であるかを調べる(図12の1203)。VLDが‘1’であるときは、すでに該ユーザに送信待ちRD要求パケットが存在していることを示している。この場合、送信予定時刻を更新すると設定帯域を守ることが出来なくなるので、送信予定時刻を変更すべきでない。そこで、先ほどユーザソーティング情報メモリ513から読み出した送信予定時刻とRD要求パケット蓄積有無情報“有り”(VLD=1)の情報を、二分木ソート回路511に向けて、送信する(図12の1204)。
新規送信予定時刻=現在時刻+1
と、RD要求パケット蓄積情報を‘有り’と判定し、二分木ソート回路511に向けて、判定したこれらの情報を送信する(図12の1206)。
パケットを受信し、ユーザの送信予定時刻が更新されると、ユーザの中で最も早くパケットを送信すべきユーザ(以下、暫定送信ユーザ)が変化している可能性がある。二分木ソート回路511において暫定送信ユーザを再判定するためのソーティングを行う(図12の1207)。
ユーザ情報エリアの葉エントリ1430〜1437(ユーザ番号順に並べておく)にはユーザ識別番号、各ユーザの送信予定時刻とVLD(括弧内の数値(0または1)がVLDを示す)が記憶してある。葉エントリを除く他のエントリにも同様の情報が記憶される。親エントリには配下の子エントリの一方が選択され格納される。この選択は以下の[1]〜[3]の規則に従う。
[2] 一方の子エントリのVLDが‘1’、他方が‘0’のときは、VLDが‘1’である子エントリを親エントリとして選択する。例えばエントリ1422には、VLDが‘1’のエントリ1435の情報が記憶される。
[3] 子エントリのVLDが共に‘0’のときは、送信予定時刻がより過去である子エントリを親エントリとして選択する。例えば、エントリ1421には、エントリ1432の情報がそのまま記憶される。送信予定時刻が同じ場合はどちらでも良い。
(2) アドレス:xyy…yyz番地のエントリの親エントリのアドレスは0xy…yyy番地であり、二つの子エントリのアドレスはyyy…yz0番地とyyy…yz1番地である。葉エントリに対応するアドレスは、100…000番地から111…111番地(全部で2のm乗=M個)に記憶される。以上の規則でメモリのアドレスを管理していると、ソーティング時に行うメモリアクセスのためのアドレス生成回路を簡単に構成することができる。即ち、xyy…yyz番地の比較相手はxyy…yy(z)番地に記憶してある情報((z)はzの’0’←→’1’反転を示す)であり、その比較結果を書き込むのは0xy…yyy番地である。
まず、二分木ソート回路511はユーザソーティング情報メモリ513のユーザ(p)に対応する葉エントリのVLDをRD要求パケット蓄積有無情報に従った値 (RD要求パケット受信時にはパケット蓄積有無情報は常に”有”であるため常に’1’である) に、また、送信予定時刻をパケット送出予定時刻計算回路510が通知する送信予定時刻に更新する。例えば図14において、ユーザ(4)の送信予定時刻が更新される場合、葉エントリ1434を書き換える。次に、葉エントリ以外の更新を行うが、二分木のすべてのエントリが更新される訳ではない。例えば、前述の例の場合に更新されるのは、葉エントリ1434から根エントリ1400に向かう経路にあるエントリ1422、1411、1400のみである。二分木ソート回路511はこれらのエントリを読みだして前述の[1]〜[3]の規則に従ってユーザ識別番号、送信予定時刻、VLDを更新する。(図12の1208と1209)更新結果を図15に示す。更新の結果ユーザ(4)が根エントリに選択された(図15の1500〜1534)。本処理が終了するとパケット受信時の処理は終了する。
以下、パケット送信時の処理4〜6を説明する。
二分木ソート回路511によって選ばれた暫定送信ユーザをユーザ(i)とする。また、以下では、現在時刻と送信予定時刻を比較した結果、現在時刻を基準として送信予定時刻が過去または同時刻であるとき、該ユーザは送信可能状態であると呼ぶことにする。送信制御部512は、パケットバッファ部505から送信起動信号517を受信するとユーザソーティング情報メモリ513の根エントリ内のVLDと送信予定時刻を読み出し、ユーザ(i)が送信可能状態か否かを監視する。ユーザが送信可能状態となっていない場合には、パケット受信による送信予定時刻の変更または、時間経過によりユーザが送信可能状態となるまで待機する(図13の1300〜1302)。送信可能状態となっている場合には、送信許可信号516をパケットバッファ部505へ出す。
パケット送信情報515を受信したパケット送出予定時刻算出回路510は、設定するユーザの契約帯域に従ったユーザの送信予定時刻を計算する(図13の1304)。新規の送信予定時刻の計算は、例えば、1Byteのデータを送信する際の時間間隔を記憶しておき、以下の計算を行えばよい。
新規送信予定時刻=今回の送信予定時刻+時間間隔×要求データ長のバイト数
あるいは各ユーザの帯域が、The ATM Forum Specification version 4.0の4.4.2章に記載されているContinuous−State Leaky Bucket Algorithmの遵守・違反判定において、遵守と判定されるように新規送信予定時刻を計算しても良い。
リーキーバケットアルゴリズムはある容量を持った穴の空いた漏れバケツのモデルで表され、バケツに水が入っている間は監視帯域に比例した量の水が漏れ、RD要求パケット到着時にはバケツに要求データ長分の水が注ぎ込まれる。ストレージ装置およびユーザ100から創出されるRDデータのバーストを許容するためにバケツに容量を持ち、バケツが溢れないうちは契約帯域を遵守と、溢れると違反と判定する。リーキーバケットアルゴリズムのフローチャートを図19に示す。
以上に説明した計算方法により計算された送信予定時刻と、パケット送信情報515内のパケット蓄積有無を、そのまま二分木ソート回路511に送信する。
RD要求パケットを送信して送信予定時刻を修正した場合には、RD要求パケットを受信した場合と同一の処理を行う(図13の1305と1306)。処理6は処理3に対応する。
次に、本発明の出側帯域制御部408の動作について説明する。出側帯域制御部408は入側帯域制御部404と同じ構成を取る。
異なる点は、入側帯域制御部404ではRD要求パケットに対し送信制御を行い、RDデータパケットによるトラヒック量がユーザの広域ネットワーク網の契約帯域を違反しないように制御するのに対し、出側帯域制御部408では、R2Tパケットに対し送信制御を行い、WRデータパケットによるトラヒック量がユーザの広域ネットワーク網の契約帯域を違反しないように制御する点である。
具体的にはパケット判定回路502で、内部パケット1000のR2Tビット1004に1が設定されているかどうかでR2Tパケットを識別し、R2Tパケットはパケットバッファ部505へ格納する。
なお、パケット判定回路502、送信判定回路508、パケット送出予定時刻計算回路510、二分木ソート回路511、送信制御部512は、それぞれ演算装置と記憶装置を含む機能モジュールで実現され、一時管理バッファ503、パケットバッファ部505、ユーザソーティング情報メモリ513はそれぞれ記憶装置で実現される。ただし、図5の装置構成と同等の機能で本発明の目的が達成されれば、これ以外の装置構成であってもよい。
また、本発明の帯域制御機能を有するストレージスイッチ104とストレージ装置108とを1個の装置とすることで、ディスクアレイ制御装置と見立てることが可能である。
図16は本発明のストレージスイッチ104を表している。ストレージスイッチ104はパケットが入力するn個の入力回線1612−i(i=1〜n)と、パケットが出力されるn個の出力回線1613−i(i=1〜n)と、n個のスイッチインタフェース1600−i(i=1〜n)と、スイッチ部1601より構成される。
iSCSI処理部1603はパケット受信回路1602からデータ要求パケットを受信すると実施例2で説明したiSCSI処理部1603での処理を実行した後に閾値レジスタ1605で管理しているユーザ毎の最大要求データ長(つまり要求可能なデータ量の上限)を読み出し、要求データ長706と大きさの比較を行う。閾値レジスタ1605の値は管理コンソール107から設定が可能である。比較の結果要求データ長706が最大要求データ長よりも大きい場合はユーザ管理テーブル1606に分割管理ビットを立ててパケット分割が行われたことを示す。次にパケット分割部1611で分割処理が行われる。
要求パケットがR2Tパケットの場合の処理は以下の通りである。
自インタフェース宛てR2Tパケットを受信したiSCSI処理部1603は対応するユーザの最大要求データ長を閾値レジスタ1605から読み出し、要求データ長と比較を行う。要求データ長が最大要求データ長を超える場合、iSCSI処理部は従来技術1で説明したパケット情報と併せてパケット分割フラグを設定して、これらをユーザ管理テーブル1606で管理する。次にiSCSI処理部はパケット分割部へR2Tパケットとともに分割依頼を出す。パケット分割部は、オリジナルのR2Tパケットのコピーをn個作成(例えば、要求WR長が96キロバイトで、最大要求データ長が24キロバイトの場合はn=4となる。)する。次に要求WR長803を最大要求データ長に書き換え、一つ目のR2Tパケットの場合はR2TSN 802に0をセットする。分割したR2Tパケットのイニシエータタスクタグ、ターゲットタスクタグ、元のR2TパケットのR2TSN、分割個数、分割後のR2Tパケットへ割り振ったR2TSNなどの情報を分割管理テーブルへ書き込み、R2TパケットをiSCSI処理部へ渡す。
上記方式を用いてR2Tパケットを分割することで、最大要求データ長を超えるR2Tパケットをユーザ100に転送することで、ユーザ100から大量のデータがバースト的にネットワークに発生することを防止できる。
要求パケットがRD要求パケットの場合の処理は以下の通りである。
RD要求パケットはSCSIのCDB(Command Descriptor Block)をヘッダ部に保有している。RD要求パケットのSCSI CDBはRDデータのストレージ上のブロックアドレスと転送するデータのブロック数情報を保持している。そのため、パケット分割を行う場合はSCSI CDBのブロックアドレスの値と転送ブロック数を変更する必要がある。ブロックアドレス数と転送ブロック数を変更するためにはストレージスイッチはストレージ装置105−iで使用している1ブロックのサイズ(以下ブロックサイズ)を知っておく必要がある。そのため、分割管理テーブル1609はストレージ装置105−iの1ブロックサイズを管理している。1ブロックサイズはiSCSIのログイン時の情報と一緒に取得できる。また、管理コンソール107より設定することも可能である。
上記方式を用いてRD要求パケットを分割することで、最大要求データ長を超えるRD要求パケットをストレージ装置105に転送することで、ストレージ装置105から大量のデータがバースト的にネットワークに発生することを防止できる。
なお、スイッチ部1601、パケット受信回路1602、iSCSI処理部1603、入側帯域制御部1604、出側帯域制御部1608、パケット送信回路1610は、それぞれ演算装置と記憶装置を含む機能モジュールで実現され、閾値レジスタ1605は記憶装置で実現され、ユーザ管理テーブル1606、ルーティング管理テーブル1607、分割管理テーブル1609はそれぞれ記憶装置で実現される。ただし、図16の装置構成と同等の機能で本発明の目的が達成されれば、これ以外の装置構成であってもよい。
実施例4ではパケット転送装置101−2とストレージスイッチ104とが融合し、かつIP、iSCSI、FCプロトコルを1筐体でサポートする実施形態について説明する。
マルチプロトコル対応ストレージスイッチ1700は図17に示す、データセンタと広域ネットワークの間に位置し、パケット転送装置101−2とストレージスイッチ104の両役割を持つ。
マルチプロトコル対応ストレージスイッチ1700の詳細を図20に示す。マルチプロトコル対応ストレージスイッチ1700はiSCSIインタフェース2000と、ネットワークIPインタフェース2001と、IP/FC変換インタフェース2001と、ストレージネットワークIPインタフェース2003とスイッチ部403からなる。上記4種類のインタフェースはマルチプロトコル対応ストレージ1700に接続するネットワークに応じて最適なインタフェースが選択される。
IP/FC変換インタフェース2002はFCプロトコル対応のストレージ装置もしくはFCプロトコル対応のコンピュータを接続するインタフェースである。IP/FC変換インタフェース2002の主な構成要素は、IP/FC変換回路2006とFC送受信回路2007である。IP/FC変換回路2006は入力したFCプロトコルとIPとを変換する機能を有することを特徴とする。FC送受信回路2007はFCデータの送受信の処理を行う。
ストレージネットワークIPインタフェース2003は、帯域契約や帯域制御を行わないネットワークおよびiSCSI対応ストレージ装置を接続する。ストレージネットワークIPインタフェース2003の主な構成要素は、IPルーティング部2005である。
本実施例を用いることで、パケット転送装置101−2とストレージスイッチ104を一つの筐体で実現することが出来る。
Claims (9)
- ネットワークを介して、第一及び第二の装置に接続されたパケット転送装置であって、
上記第一の装置から送信されたパケットを受信し、上記第二の装置へパケットを送信するパケト入出力部と、
上記受信したパケット内の情報から、上記第二の装置が上記パケットを受信した場合に、
上記第二の装置から上記第一の装置へ送信されるデータの量を解析するパケット解析部と、
上記パケットを保持する記憶装置と、
上記パケットを記憶装置に書き込むパケット処理部と、
上記解析されたデータの量と上記パケットを送信したユーザの保証帯域に応じて、上記保持されたパケットの上記第二の装置への送信を制御する転送制御部とを備え
上記パケット処理部は入力されたパケットが上記第二の装置にデータの送信を要求するパケットかどうかを判定し、
上記パケット解析部では、該パケット処理部で上記第二の装置にデータの転送を要求す
るパケットと判定されたパケットに対してのみ上記解析を行うことを特徴とするパケット
転送装置。 - 上記転送制御部は、上記第二の装置から上記第一の装置へ送信されるデータによるトラ
フィック量が予め定められた帯域以上にならないように制御することを特徴とする請求項
1記載のパケット転送装置。 - 上記転送制御部は、上記パケットを上記第二の装置へ出力する時刻を制御することを特
徴とする請求項1記載のパケット転送装置。 - 上記入出力部は、上記第一の装置を含めた複数の装置からそれぞれ送信された複数のパ
ケットを入力し、
上記転送制御部は、上記複数のパケットから一のパケットを選択し、上記選択された一
のパケットを優先して送信することを特徴とする請求項1記載のパケット転送装置。 - 上記パケット処理部は、上記保持されたパケットを複数個に分割して送信するパケット
分割部を有することを特徴とする請求項1記載のパケット転送装置。 - 上記分割された複数個のパケットはそれぞれ、該分割されたパケットを受信した上記第
二の装置から上記第一の装置に送信されるデータの量が、上記分割される前のパケットを
受信した場合に上記第二の装置から上記第一の装置に送信されるデータの量よりも少なく
なるように分割されていることを特徴とする請求項5記載のパケット転送装置。 - 上記分割された複数個のパケットはそれぞれ、該分割されたパケットを受信した上記第
二の装置から上記第一の装置に送信されるデータの量が、予め設定された上限値を超えな
いように分割されていることを特徴とする請求項6記載のパケット転送装置。 - 第一及び第二のネットワークに接続され、該第一のネットワーク上の送信元の装置から送
信されたパケットを、該第二のネットワーク上の送信先の装置へ転送可能なパケット転送
装置であって、
第一インタフェースと、
第二乃至第四のインタフェースのうち少なくともいずれか一のインタフェースと、上記
インタフェースのそれぞれと接続されたスイッチ部とを備え、
上記第一のインタフェースは、
上記第一のネットワークに接続されたインタフェースであって、
上記送信元の装置から上記送信先の装置へ送信された第一のプロトコルのパケットを送受信する入出力部と、
上記第一のプロトコルのパケットの転送処理を行う転送処理部と、
上記受信したパケット内の情報から、上記送信先の装置が上記パケットを受信した場合
に、上記送信先の装置から該パケットの送信元の装置へ送信されるデータ量を解析するパ
ケット解析部と、
上記受信した第一のプロトコルのパケットを保持する記憶部と、
上記解析されたデータの量と上記パケットを送信したユーザの保証帯域に応じて、上記
保持されたパケットの上記送信先への送信を制御する転送制御部を有し、
上記第二のインタフェースは、
上記第一のネットワークに接続されたインタフェースであって、
上記送信元の装置から上記送信先の装置へ送信された第二のプロトコルのパケットを送
受信する入出力部と、
上記第二のプロトコルのパケットの転送処理を行う転送処理部とを有し、
上記第三のインタフェースは、
上記第二のネットワークに接続されたインタフェースであって、
上記送信元の装置から上記送信先の装置へ送信された第一又は第二のプロトコルのパケ
ットを送受信する入出力部と、
上記第一又は第二のプロトコルのパケットを第三のプロトコルのパケットに変換する変換部と、
上記第三のプロトコルに変換されたパケットの転送処理を行う転送処理部とを有し、
上記第四のインタフェースは、
上記第二のネットワークに接続されたインタフェースであって、
上記送信元の装置から上記送信先の装置へ送信された第一又は第二のプロトコルのパケッ
トを送受信する入出力部と、
上記第一又は第二のプロトコルのパケットの転送処理を行う転送処理部とを有し、
上記スイッチ部は、
上記インタフェース間で転送されるパケットの入出力先を制御することを特徴とするパケット転送装置。 - 上記第一のプロトコルはiSCSIであり、上記第二のプロトコルはTCP/IPであり、上記第
三のプロトコルはファイバチャネルであることを特徴とする請求項8のパケット転送装置
。
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