JP4214191B2 - 温度計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は温度計測装置、信号処理装置および信号処理プログラムに関し、特に、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の温度計測装置では、例えば、特許文献1に開示されているように、気体温度を非接触で計測するために、ヘテロダイン干渉法を用いて気体温度を計測する方法が提案されている。
この方法では、音響光学変調器を利用したヘテロダイン干渉法を用いることで、温度計測領域でのビート周波数の位相変化から気体の屈折率の変化を算出し、その気体の組成からGladstone−Dale(グラッドストーン−デイル)定数を求め、さらに、気体の圧力値を用いることで、気体の状態式から気体温度を算出する。
【0003】
そして、ヘテロダイン干渉法を用いることで、非接触、高精度、高応答で気体温度を計測することができる。
また、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法は、機械的な振動に強いという特徴があり、機械的な振動を伴う内燃機関などへの適用が試みられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−39870号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法では、参照信号と試験信号とをオシロスコープでデータレコーダに取り込み、このデータレコーダに取り込んだ参照信号と試験信号とからビート周波数の位相変化を算出し、温度計測領域での気体の圧力値をさらに用いて気体温度を算出する必要があった。
【0006】
このため、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法では、温度計測領域でのビート周波数の位相変化から温度を求めるために手間がかかり、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法を内燃機関などに適用した場合、燃焼室内の急激な温度変化をリアルタイムで知ることが困難であるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測を効率化することが可能な温度計測装置提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の温度計測装置によれば、ビート信号を生成するための参照光と試験光とを発生させるヘテロダイン干渉用光学系と、前記試験光に位相変化を検出させる温度計測領域が設けられた温度センサと、前記ヘテロダイン干渉用光学系で生成された参照光と前記温度計測領域を通過した試験光とのビート周波数差を検出する位相計と、前記位相計によって検出されたビート周波数差に基づいて、前記温度計測領域の温度を算出する信号処理手段とを備え、前記ビート周波数差の検出から前記温度計測領域の温度の算出までの処理を一貫して行うことを特徴とする。
【0008】
これにより、ヘテロダイン干渉用光学系で生成された参照光と試験光とのビート周波数差を検出し、温度計測領域の温度を算出するまでの処理を温度計測装置に一貫して行わせることが可能となる。
このため、温度計測領域でのビート周波数の位相変化から温度を求めるための手間を軽減することが可能となり、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法を内燃機関などに適用した場合においても、燃焼室内の急激な温度変化をリアルタイムで知ることが可能となる。
【0009】
また、請求項2記載の温度計測装置によれば、前記温度センサは、前記試験光を伝送する光ファイバと、前記光ファイバから出射されたレーザ光を集光させる集光部と、前記集光部で集光されたレーザ光を透過させる光透過窓と、前記光透過窓を透過したレーザ光を反射させる反射部と、前記集光部、前記光透過窓および前記反射部を光軸上に保持する保持手段とを備え、前記温度計測領域は、温度測定対象が入り込み可能な状態で前記光透過窓と前記反射部との間に設けられている。
【0010】
これにより、温度センサの先端を温度測定対象内に挿入することで、試験光の位相変化を検出することが可能となり、温度センサの設置場所の選定を容易化することが可能となるとともに、温度計測領域から光ファイバを切り離すことを可能として、光ファイバを熱から保護することができ、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法を内燃機関などに容易に適用することが可能となる。
【0011】
また、請求項3記載の温度計測装置によれば、前記信号処理手段は、ヘテロダイン干渉法による参照信号と試験信号とのビート周波数差に基づいて、前記温度計測領域を通過したレーザ光の位相変化を算出する位相変化算出手段と、前記位相変化算出手段により算出された位相変化に基づいて、前記温度計測領域の温度を算出する温度算出手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、ヘテロダイン干渉用光学系で生成された参照光と試験光とのビート周波数差から位相変化を算出することが可能となり、温度計測領域の温度を容易に算出することが可能となる。
また、請求項4記載の温度計測装置によれば、前記温度算出手段は、前記位相変化算出手段により算出された前記位相変化に基づいて、前記温度計測領域の屈折率変化を算出する屈折率算出手段と、前記屈折率算出手段により算出された屈折率変化に基づいて、前記温度計測領域の密度変化を算出する密度算出手段とを備え、前記密度変化に基づいて、前記温度計測領域の温度を算出することを特徴とする。
【0013】
これにより、ヘテロダイン干渉用光学系で生成された参照光と試験光とのビート周波数差から温度計測領域の密度変化を算出することが可能となり、温度計測領域のミリ秒オーダー程度の温度変化をリアルタイムで算出することが可能となる。
また、請求項5記載の温度計測装置によれば、前記屈折率算出手段は、前記温度計測領域が気体の場合、Gladstone−Daleの式を適用することにより屈折率変化を算出し、前記温度計測領域が液体の場合、Lorenz−Lorentzの式を適用することにより屈折率変化を算出することを特徴とする。
【0014】
これにより、気体および液体の双方について、試験光の位相変化から温度計測領域における屈折率変化を容易に算出することが可能となり、様々な物質のミリ秒オーダー程度の温度変化を容易に算出することが可能となる
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る温度計測装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法の原理を説明する平面図である。
【0018】
図1において、He−Neレーザ1から出射されたレーザ光の一部はハーフミラー2を透過し、参照光Lrが生成されるとともに、He−Neレーザ1から出射されたレーザ光の一部はハーフミラー2で反射され、試験光Lsが生成される。
そして、ハーフミラー2を透過した参照光Lrは参照領域3を透過し、ミラー4で反射された後、その参照光Lrの一部がハーフミラー5で反射される。
【0019】
一方、ハーフミラー2で反射された試験光Lsはミラー6で反射された後、周波数シフタ7で周波数シフトされ、計測領域8を透過する。
そして、計測領域8を透過した試験光Lsの一部はハーフミラー5を通過し、ハーフミラー5で反射された参照光Lrと合波されて、検出器9に入射する。
そして、検出器9では、参照光Lrと試験光Lsとの周波数差がビート周波数として検出される。
【0020】
ここで、計測領域8を透過した試験光Lsの位相は、計測領域8の気体の屈折率変化に対応して変化するため、計測領域8の気体の屈折率変化は、ビート周波数を変化させる。
そして、計測領域8の気体の屈折率変化は、計測領域8の気体の密度変化に依存し、計測領域8の気体の密度変化は、計測領域8の気体の温度変化に依存する。
【0021】
このため、参照光Lrと試験光Lsとの周波数差をビート周波数として検出することにより、計測領域8の気体の温度を計測することができる。
すなわち、参照光Lrと試験光Lsのビーム強度をI0とすると、干渉信号Iは次式で表すことができる。
【0022】
【数1】
Figure 0004214191
【0023】
ただし、fbはビート周波数、ψtは計測領域8の物質の位相変化である。
また、測定開始から時刻tまで測定したヘテロダイン信号の位相変化をψHとすると、計測領域8の気体の位相が変化することにより、測定信号の位相変化量ψHが変わる。
ここで、測定信号の位相変化量ψHは、計測領域8の気体の位相変化ψtと次の関係を持つ。
【0024】
【数2】
Figure 0004214191
【0025】
また、計測領域8の気体の位相変化ψtは、計測領域8の気体の屈折率変化ntと次の関係を持つ。
ψt=2πφt/λs=2πntt/λs ・・・(3)
ただし、φtは計測領域8での光路長変化、Ltは計測領域8の長さ、λsは試験光Lsの周波数である。
【0026】
また、気体の屈折率変化ntはビート周波数fbを変化させるため、以下に示すように、ビート周波数fbは時間tの関数fb(t)となる。
b→fb(t) ・・・(4)
そして、(4)式を(2)式に代入すると、計測領域8の位相変化ψtは、以下の式で求めることができる。
【0027】
【数3】
Figure 0004214191
【0028】
一方、気体の屈折率変化ntと気体の密度ρとの関係は、以下に示すように、Gladstone−Daleの式で近似的に求めることができる。
t=1+(ρtGt)/Mt=1+(PtGt)/(R0t)・・・(6)
ただし、RGtはGladstone−Dale定数で、使用するレーザの波長と気体の種類により決めることができる。また、Mは気体の分子量、R0は気体定数、Ptは計測領域8の圧力、Ttは計測領域8の絶対温度である。
【0029】
なお、s種の混合気体のGladstone−Dale定数RGtは、次式に示すように、i成分気体のモル分率Xiから求めることができる。
【0030】
【数4】
Figure 0004214191
【0031】
ただし、Rtiはi成分気体のGladstone−Dale定数である。
従って、計測領域8の気体の温度Ttは次式で求めることができる。
t=2πPtGtt0t/(2πPt0Gtt+ψtt00λ)
・・・(8)
すなわち、初期状態の圧力Pt0および温度Tt0が既知であり、計測領域8の気体の組成が不変であれば、計測領域8の気体の圧力および位相変化ψtを測定することにより、計測領域8の気体の温度Ttを求めることが可能となる。
【0032】
また、ビート周波数の変化を計測することにより、測定領域8での液体温度の変化も求めることもできる。
ここで、測定領域8での位相変化量ψtと屈折率ntには、次のような関係がある。
ψt=2πntt/λ ・・・(9)
ただし、Ltは測定領域8の長さ、λはレーザの波長である。
【0033】
また、液体の屈折率ntと密度ρtには、次のようなLorenz−Lorentzの式で表すことができる。
t=((1+2ρtLt/Mt)/(1−ρtLt/Mt))1/2
・・・(10)ただし、Mtは測定対象となる液体の分子量、RLtはモル屈折率で、使用するレーザの波長λと測定対象となる液体によって決まる定数である。
【0034】
従って、(9)および(10)式を用いることにより、密度ρtは以下の式で求めることができる。
ρt=(A2−1)Mt/((2+A2)RLt) ・・・(11)
ただし、Aは以下の式で表される
A=ψtλ/(2πLt
+√((1+2ρt0Lt/Mt)/(1−ρt0Lt/Mt))
また、ρt0は液体の初期密度である。
【0035】
そして、(11)式と、液体の温度と密度の関係により、液体の温度を求めることができる。
図2は、本発明の一実施形態に係るヘテロダイン干渉法を用いた温度計測装置の概略構成を示す平面図である。
図2において、He−Neレーザ11(例えば、出力1mW、波長623.8nm)から出射されたレーザ光は音響光学素子12に入射され、ヘテロダイン用音響光学素子12(ブラッグセル式)にて、周波数が80.0MHzと79.9875MHzや、80.0MHzと79.975MHzなどの異なる周波数に周波数シフトされ、周波数シフトされた2本のビームは、それぞれP偏光およびS偏光に分離される。
【0036】
なお、以下の実施形態では、P偏光のビームを80.125MHz、S偏光のビームを80.1MHzに設定した。
そして、P偏光およびS偏光に分離された一方のビームは、ミラー13および偏光ビームスプリッタ14で反射され、P偏光およびS偏光に分離された他方のビームは、偏光ビームスプリッタ14を透過することで、1本のビームに合波される。
【0037】
そして、1本のビームに合波された光の一部は、ハーフミラー15を透過し、試験光Lsが生成されるとともに、1本のビームに合波された光の一部はハーフミラー15で反射され、参照光Lrが生成される。
そして、ハーフミラー15で反射された参照光Lrは、偏光フィルタ16に入射して干渉した後、フォトトランジスタ17に入射する。
【0038】
そして、偏光フィルタ16で生成された干渉光がフォトトランジスタ17に入射すると、25kHzのビート周波数が参照信号として検出される。
一方、ハーフミラー15を通過した試験光Lsは偏光ビームスプリッタ18に入射し、それぞれP偏光およびS偏光の偏波面を持つ2本のビームに分離される。
【0039】
そして、偏光ビームスプリッタ18で分離されたP偏光の偏波面を持つビームは、偏光ビームスプリッタ18を透過し、1/4波長板21に入射する。
そして、1/4波長板21に入射したP偏光の偏波面を持つビームは、円偏光に変換された後、ミラー22により反射され、1/4波長板21に入射する。
そして、1/4波長板21に入射した円偏光のビームは、1/4波長板21にてS偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ18により反射される。
【0040】
ここで、P偏光の偏波面を持つビームを円偏光に変換することにより、周囲の気体変動の影響を受け難くして、計測精度を向上させることが可能となる。
一方、偏光ビームスプリッタ18で分離されたS偏光の偏波面を持つビームは、偏光ビームスプリッタ18で反射され、1/2波長板23を介してセルフォックマイクロレンズ24に入射する。
【0041】
そして、セルフォックマイクロレンズ24に入射した光は、ビーム径が絞られコリメート化された後、偏波面保存型光ファイバ25に入射する。
ここで、偏波面保存型光ファイバ25の前段にセルフォックマイクロレンズ24を設けることにより、レーザービームを偏波面保存型光ファイバ25に効率よく入射させることが可能となる。
【0042】
そして、偏波面保存型光ファイバ25に入射したビームは、温度センサ31に導かれる。
ここで、温度センサ31には、セルフォックマイクロレンズ32、光学窓33およびミラー35が設けられ、セルフォックマイクロレンズ32、光学窓33およびミラー35は光軸が一致するように、温度センサ31内に配置されるとともに、光学窓33とミラー35との間には、ガス27が侵入可能な計測領域34が設けられている。
【0043】
なお、光学窓33の材料としては、例えば、サファイアを用いることができる。
そして、温度センサ31は、温度センサ31の先端がセンサ取り付け面26から突き出るようにして固定され、計測領域34およびミラー35がガス27に晒される。
【0044】
そして、偏波面保存型光ファイバ25を介して温度センサ31に導かれたレーザービームは、セルフォックマイクロレンズ32に入射し、コリメート化された後、温度センサ31内の空間を直進して、光学窓33を透過する。
そして、レーザービームが光学窓33を透過すると、レーザービームは、ガス27内に入射する。
【0045】
そして、ガス27内に入射したレーザービームは、ガス27内を直進し、ミラー35に反射されて、ガス27内を再び直進し、光学窓33を再び透過して、ガス27内から抜け出す。
ここで、レーザービームがガス27内を直進すると、ガス27の屈折率変化およびガス27内の進行距離に応じて、レーザービームの位相が変化する。
【0046】
そして、ミラー35に反射されて、光学窓33を再び透過したレーザービームは、温度センサ31内の空間を逆に進んで、セルフォックマイクロレンズ32に再び入射し、コリメート化された後、偏波面保存型光ファイバ25に再び入射する。
そして、偏波面保存型光ファイバ25に入射したレーザービームは、セルフォックマイクロレンズ24に戻されて、コリメート化された後、1/2波長板23を介して偏光ビームスプリッタ18に入射し、偏光ビームスプリッタ18を透過する。
【0047】
そして、偏光ビームスプリッタ18を透過したレーザービームは、偏光ビームスプリッタ18により反射されたレーザービームと合波して、1本のビームとなり、偏光フィルタ19に入射して干渉した後、フォトトランジスタ20に入射する。
そして、偏光フィルタ19で生成された干渉光がフォトトランジスタ20に入射すると、ビート周波数が試験信号として検出される。
【0048】
そして、フォトトランジスタ20で検出された試験信号は、例えば、500kHzのサンプリング周波数でメモリに記憶され、参照信号と試験信号とのビート周波数の違いから、参照光Lrと試験光Lsとの位相差を算出することができる。
ここで、例えば、温度センサ31をエンジンの燃焼室に取り付けた場合、火炎伝播により圧縮された燃料と空気の混合ガスや、燃焼により温度が変化した燃焼ガスは、密度の変化に伴って、屈折率が変化する。
【0049】
そして、これらのガス27の屈折率が変化すると、計測領域34を通過するレーザービームの位相が変化するため、参照信号と試験信号の位相差が変化し、干渉光強度が変化する。
そして、干渉光強度の変化を、ヘテロダイン干渉計によるビート信号の位相情報として表わすことができる。
【0050】
図3は、本発明の一実施形態に係る温度センサ31の構成を示す断面図である。
図3において、温度センサ31には、光学窓33およびミラー35を光軸上に保持するとともに、光学窓33とミラー35との間に計測領域34を形成する筒状筐体41が設けられている。
【0051】
ここで、ミラー35は、金属などで円筒状に構成され、ボルト42により脱着自在な状態で、筒状筐体41の先端部分に取り付けられている。
そして、ミラー35を金属で構成することにより、ミラー35の耐熱性を向上させることが可能となり、エンジンの燃焼ガスなどの高温気体の温度を計測する際の信頼性を向上させることが可能となる。
【0052】
また、ミラー35をボルト42で筒状筐体41に固定する場合、筒状筐体41の先端から光軸方向に沿ってミラー35を挿入し、ミラー35の挿入方向にボルト42で締め付けるようにする。
これにより、ボルト42を筒状筐体41内に収めることが可能となり、ボルト42が筒状筐体41から突出することを防止して、温度センサ31のコンパクト化を図ることが可能となるとともに、ミラー35を脱着自在に取り付けることを可能として、ミラー35が燃焼ガスから発生する煤などで汚れた場合に容易に洗浄または交換することが可能となる。
【0053】
また、計測領域34には開口部34aが設けられ、光学窓33とミラー35との間の光軸上の空間にガス27が侵入できるようにされている。
さらに、光学窓33は、例えば、サファイアなどで円筒状に構成され、ボルト44により脱着自在な状態で筒状筐体41に取り付けられている。
そして、光学窓33をサファイアで構成することにより、良好な光透過性を確保しつつ、光学窓33の耐熱性を向上させることが可能となり、エンジンの燃焼ガスなどの高温気体の温度を計測する際の信頼性を向上させることが可能となる。
【0054】
ここで、ボルト44で光学窓33を筒状筐体41に固定する場合、筒状筐体41の後端から光軸方向に沿って光学窓33を挿入し、光学窓33の挿入方向にボルト44で締め付けるようにする。
これにより、ボルト44を筒状筐体41内に収めることが可能となり、ボルト44が筒状筐体41から突出することを防止して、温度センサ31のコンパクト化を図ることが可能となるとともに、光学窓33を脱着自在に取り付けることを可能として、光学窓33が燃焼ガスから発生する煤などで汚れた場合に容易に洗浄または交換することが可能となる。
【0055】
また、ボルト44には、中心軸に沿って開口部44aが形成され、ボルト44で光学窓33を締め付けるために、ボルト44を光軸上に配置した場合においても、レーザービームの進路がボルト44により遮断されることを防止することができる。
また、光学窓33の前面には、光学窓33の外形に対応したガスケット43が設けられている。
【0056】
ここで、ガスケット43は、例えば、SUS304などのステンレスなどでリング状に構成することができ、例えば、光学窓33の径が2.5mmφとすると、ガスケット43の外径は2.5mmφ、内径は1.8mmφ、厚みは0.1mmとすることができる。
そして、リング状のガスケット43を光学窓33の前面に設けることにより、計測領域34側の光学窓33の外縁部と筒状筐体41との間の隙間をシールすることが可能となる。
【0057】
このため、レーザービームの進路がガスケット43により遮断されることを防止しつつ、計測領域34に進入したガス27が光学窓33と筒状筐体41との間の隙間から外部に漏れ出すことを防止することができ、高温・高圧となるエンジン内の燃焼ガスなどの温度変化を精度よく計測することができる。
また、筒状筐体41の外周には、筒状筐体41の外径を変換するためのアダプタ45が脱着自在に嵌め込まれている。
【0058】
ここで、アダプタ45は2段構造で構成され、アダプタ45の後段面には、リング状のガスケット46が設けられている。
そして、筒状筐体41の外周にアダプタ45を設けることにより、穴径が異なる場合においても、気密性を維持しつつ、温度センサ31の先端を挿入することが可能となり、様々の気体の温度を計測することが可能となる。
【0059】
なお、筒状筐体41の外周面には、例えば、M5のネジ41aを切ることができる。
これにより、一般的なエンジン筒内の圧力センサの取り付け方法と同様の方法で温度センサ31をエンジンに取り付けることが可能となり、実用機関を改造することなく、温度センサ31を設置することが可能となる。
【0060】
また、温度センサ31には、筒状筐体41の外径よりも大きな外径を有し、筒状筐体41の後端部を挿入可能な筒状筐体50が設けられ、筒状筐体50の先端面には、リング状のガスケット47が設けられている。
また、筒状筐体50内には、レーザービームを遮るためのシャッタ49が設けられるとともに、セルフォックマイクロレンズ32を保持するとともに、セルフォックマイクロレンズ32の光軸を調整する光軸調整用レンズ保持部51が設けられている。
【0061】
ここで、光軸調整用レンズ保持部51は、筒状筐体50内に収容可能なように円筒状に構成され、光軸調整用レンズ保持部51の外径は、筒状筐体50の内径よりも小さく設定されて、筒状筐体50内で光軸調整用レンズ保持部51を傾けることが可能なように構成されている。
また、光軸調整用レンズ保持部51の先端部分および後端部分の外周面は球面状に加工されている。
【0062】
また、筒状筐体50の内周面は、光軸調整用レンズ保持部51の先端部分の形状に対応して球面状に加工され、筒状筐体50の内周面が、光軸調整用レンズ保持部51の先端部分の外周面に面接触できるように構成されている。
そして、光軸調整用レンズ保持部51の後側には、光軸調整用レンズ保持部51を光軸方向に固定するためのリテーナ52が設けられ、リテーナ52の先端は、光軸調整用レンズ保持部51の後端部分の形状に対応して球面状に加工されている。
【0063】
また、筒状筐体50の外周面には、光軸調整用レンズ保持部51を周囲から固定するための芋ネジ53が設けられている。
また、光軸調整用レンズ保持部51の後端部には光ファイバ25が結合され、光ファイバ25の周囲には、光ファイバ25を保護するパイプ56が設けられ、パイプ56の先端には、光ファイバ25の曲がりを防止するガイド54が設けられている。
【0064】
そして、ガイド54が設けられたパイプ56は、リング状のネジ55により筒状筐体50に脱着自在に固定されている。
ここで、筒状筐体50の外径を筒状筐体41の外径よりも大きくすることで、セルフォックマイクロレンズ32の光軸合わせを可能としつつ、計測領域34の大きさを縮小することが可能となる。
【0065】
このため、燃焼室内の限られたスペースに温度センサ31を容易に挿入することが可能となり、実機を用いて温度計測を行なうことが可能となる。
また、光軸調整用レンズ保持部51を用いてセルフォックマイクロレンズ32を筒状筐体50内に保持することにより、光軸調整用レンズ保持部51の傾きを調整することで、セルフォックマイクロレンズ32の光軸を調整することが可能となり、セルフォックマイクロレンズ32の光軸合わせを容易に行うことが可能となる。
【0066】
さらに、セルフォックマイクロレンズ32を筒状筐体50で直接保持するのではなく、光軸調整用レンズ保持部51を介して保持することにより、セルフォックマイクロレンズ32の光軸合わせを可能としつつ、セルフォックマイクロレンズ32を筒状筐体50と切り離すことが可能となり、ガス27の熱がセルフォックマイクロレンズ32に伝わり難くすることができる。
【0067】
このため、燃焼ガスなどの温度を測定する場合においても、セルフォックマイクロレンズ32が高温に晒されることを抑制することができ、セルフォックマイクロレンズ32の特性劣化を抑制することが可能となる。
さらに、光ファイバ25を計測領域34と切り離すことが可能となり、光ファイバ25に熱が伝わり難くして、光ファイバ25による位相変化を抑制することができる。
【0068】
図4は、本発明の第1実施形態に係る温度計測装置の概略構成を示すブロック図である。
図4において、温度計測装置200には、He−Neレーザ201、ヘテロダイン干渉用光学系202、光電変換部203、位相計204、データ演算部205および表示部206が設けられ、温度計測装置200は光ファイバ212を介してセンサ部211に接続されている。
【0069】
なお、センサ部211、光ファイバ212およびヘテロダイン干渉用光学系202は、例えば、図2の構成を用いることができる。
そして、He−Neレーザ201で発生されたレーザ光はヘテロダイン干渉用光学系202に入射され、ヘテロダイン干渉用光学系202にてビート信号を生成するための参照光と試験光とが生成される。
【0070】
ここで、ヘテロダイン干渉用光学系202で生成された試験光は、光ファイバ212を介してセンサ部211に入射し、センサ部211に入射した試験光は、温度計測領域の温度変化に基づいて位相が変化する。
そして、センサ部211に入射した試験光は、センサ部211にて反射され、光ファイバ212を介してヘテロダイン干渉用光学系202に戻され、ビート信号に変換された後、光電変換部203に入力される。
【0071】
そして、光電変換部203でビート光が電気信号に変換された後、位相計204にて、参照信号と試験信号とのビート周波数差から、温度計測領域を通過したレーザ光の位相変化が算出される。
ここで、位相計204のサンプリング周波数と試験信号のビート周波数により、得られる温度計測分解能を決定することができ、サンプリング周波数を高く、ビート周波数を低く設定することにより、温度計測分解能を向上させることができる。
【0072】
また、ヘテロダイン干渉法による温度計測方法では、温度計測領域の長さが長いほど位相変化量が大きくなるため、S/N比が向上し、温度計測分解能も向上する。
しかし、温度計測領域の長さが長くなると、局所的な温度計測が困難になるとともに、実用機関への設置を考えた場合、筒内への突き出し量が増加するため、設置場所が限定される。
【0073】
一方、温度計測領域の長さが短くなると、S/N比が劣化し、温度計測分解能も劣化するが、局所的な温度計測が可能となるとともに、設置場所を自由に選択できるようになる。
このため、サンプリング周波数、ビート周波数および温度計測領域の長さを調整することにより、温度計測の局所性および設置場所を考慮しつつ、得たい温度変化の時間分解能を決定することができる。
【0074】
なお、位相変化を得るためには、ロックインアンプなどの位相計やデータ集積装置を用いることができ、位相計204では、そのサンプリング周波数に見合ったリアルタイムでの位相情報を得ることができ、その位相情報から温度変化を見積もることができる。
また、データ集積装置では、参照信号および試験信号のビート周波数変化を計測し、参照信号および試験信号の周波数変化を読み取ることで、温度変化を見積もることができる。
【0075】
そして、データ演算部205は、位相計204にて位相情報が得られると、この位相情報に基づいて温度計測領域の温度を算出する。
ここで、データ演算部205は、温度計測領域の温度を算出する場合、位相計204で算出された位相情報に基づいて、温度計測領域の屈折率変化を算出し、この屈折率変化に基づいて、度計測領域の温度を算出することができる。
【0076】
そして、温度計測領域が気体の場合、Gladstone−Daleの式を適用することで屈折率変化を算出することができ、温度計測領域が液体の場合、Lorenz−Lorentzの式を適用することで屈折率変化を算出することができる。
そして、データ演算部205にて温度計測領域の温度が算出されると、表示部206はデータ演算部205で算出された温度を表示する。
【0077】
これにより、計測領域34でのビート周波数の位相変化から温度を求めるための処理を温度計測装置200に行わせることが可能となり、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法を内燃機関などに適用した場合においても、燃焼室内のミリ秒オーダー程度の温度変化をリアルタイムで表示部206に表示させることが可能となる。
【0078】
図5は、本発明の一実施形態に係る温度センサの計測部長さと温度計測分解能との関係を示す図である。なお、図5の関係は、温度660K、圧力3.2MPaの条件での火花点火における未燃焼ガスの温度履歴を基に位相変化量を見積もり、図3の計測領域34の長さと温度計測分解能との関係を求めたものである。図5において、横軸は計測領域34の長さを示し、縦軸は温度の最小読み取り値を示す。
【0079】
この結果から、計測領域34の長さが長くなるに従って、温度の最小読み取り値が小さくなり、温度計測分解能が向上していることがわかる。
そして、温度計測分解能、実用機関への設置場所および温度計測の局所性を考慮すると、ダブルパス方式で13mm程度に設定することが好ましい。
図6は、図3の温度センサのエンジンへの取り付け状態を示す断面図、図7(a)は、図6のA−A線で切断して温度センサ側を見た場合の断面図、図7(b)は、図3の温度センサが取り付けられたシリンダヘッドの構成を示す上面図、図8は、図3の温度センサが取り付けられたエンジンを図6のB方向から見た場合の斜視図である。
【0080】
図6〜図8において、シリンダ61の外周には冷却フィン63が設けられるとともに、シリンダ61内にはピストン64が挿入され、ピストン64はピストンピン65を介してコネクティングロッド66に連結され、コネクティングロッド66はクランクピン72を介してクランクシャフト73に連結されている。
また、シリンダ61上にはシリンダヘッド62が設けられ、シリンダヘッド62には、吸気ポート85aおよび排気ポート86aが形成され、吸気ポート85aには吸気弁85が挿入され、排気ポート86aには排気弁86が挿入され、吸気ポート85aはキャブレタ87に接続されている。
【0081】
また、吸気弁85は弁バネ83で吸気ポート85aを開閉可能なように保持されるとともに、排気弁86は弁バネ84で排気ポート86aを開閉可能なように保持されている。
また、吸気弁85上には吸気ロッカーアーム81の一端が配置されるとともに、排気弁86上には排気ロッカーアーム82の一端が配置され、吸気ロッカーアーム81の他端および排気ロッカーアーム82の他端がカムシャフト69に当接するように配置されている。
【0082】
また、シリンダヘッド62には、点火プラグ67が取り付けられるとともに、横方向から温度センサ31が取り付けられ、温度センサ先端31aがシリンダヘッド62内に突き出している。
そして、温度センサ31には、センサ出力を取り出すための光ファイバ25が接続されるとともに、光ファイバ25はジャバラ管94で保護されている。
【0083】
ここで、光ファイバ25をジャバラ管94で保護することにより、フレキシビリティーを確保しつつ、エンジンの熱から光ファイバ25を保護することができる。
そして、ジャバラ管94は、コネクタ95を介して温度計測装置200に接続され、光ファイバ25は、ヘテロダイン干渉用光学系202に接続されている。
【0084】
ここで、位相計204およびデータ演算部205を温度計測装置200に設けることにより、ヘテロダイン干渉用光学系202で生成された参照光と試験光とのビート周波数差を検出し、計測領域34の温度を算出するまでの処理を温度計測装置200に一貫して行わせることが可能となる。
このため、計測領域34でのビート周波数の位相変化から温度を求めるための手間を軽減することが可能となり、内燃機関の燃焼室内のミリ秒オーダー程度の温度変化をリアルタイムに表示部206に表示させることが可能となる。
【0085】
また、温度センサ31を実用機関に取り付ける場合、図3のアダプタ45を取り外すことにより、M5のネジ41aで温度センサ31を固定することが可能となる。
また、温度センサ31をシリンダヘッド62に取り付けると、図5の温度センサ31の領域R1の部分が、シリンダヘッド62内に突き出した状態となり、温度センサ31の領域R2の部分が、シリンダヘッド62の壁内に保持されるとともに、ガスケット47がシリンダヘッド62の外面に接触して、シリンダ61内の気密性を保つことが可能となる。
【0086】
そして、カムシャフト69には、カムスプロケット70aが取り付けられるとともに、クランクシャフト73には、クランクスプロケット70bが取り付けられ、カムスプロケット70aとクランクスプロケット70bとの間にはカムチェーン71が架けられている。
また、クランクシャフト73は、クラッチ76を介して、トランスミッションドライブ側軸77に接続され、トランスミッションドライブ側軸77にはトランスミッションドライブ側ギア78が設けられ、トランスミッションドライブ側ギア78はトランスミッションドリブン側ギア80を介してトランスミッションドリブン側軸79に接続されている。
【0087】
そして、クラッチ76の上方にはオイルフィルタ74が設けられ、クランクシャフト73の端にはジェネレータ75が設けられ、ジェネレータ75にはタイミングチェック用窓92が設けられている。
また、トランスミッションドリブン側ギア80の下方にはオイルパン90が設けられ、オイルパン90にはオイルドレンボルト91が取り付けられている。
【0088】
図9は、本発明の第2実施形態に係る温度計測装置の概略構成を示す図である。
図9において、温度計測装置200´には、図3の温度センサ31に構成に加えて、熱電対207、208が設けられ、熱電対207は、計測領域34内に設置されるとともに、熱電対208は、光学窓33とセルフォックマイクロレンズ32との間に設けられている。
【0089】
また、データ演算部205´は、位相計204により得られた位相情報に基づいて温度計測領域の温度を算出するとともに、(8)式を用いて温度を算出する場合、熱電対207により計測された温度を初期状態の温度Tt0として使用する。
さらに、データ演算部205´は、熱電対207により計測された温度に基づいて、レーザービームが光学窓33とセルフォックマイクロレンズ32との間の空間を通過する際に生じた位相変化による温度計測値の誤差を補正する。
【0090】
すなわち、(8)式に示すように、ヘテロダイン干渉法により、ガス27の温度変化を求めるためには、初期状態のガス27の温度が既知である必要がある。このため、ガス27の初期温度を計測する熱電対207を計測領域34に設け、ヘテロダイン干渉法による温度計測を実行する際に、ガス27の初期温度を熱電対207により直接計測する。
【0091】
これにより、温度センサ31の大型化・高コスト化を抑制しつつ、ガス27の初期温度を直接計測することが可能となり、ヘテロダイン干渉法による温度計測にかかる手間を軽減することが可能となる。
また、アダプタ45を取り外して、図2のセンサ取り付け面26に温度センサ31を取り付けた場合、図3の温度センサ31の領域R1がガス27に晒され、温度センサ31の領域R2がセンサ取り付け面26の壁内に保持され、温度センサ31の領域R3が外気に晒される。
【0092】
そして、温度センサ31に入射したレーザービームは、光学窓33を境界として、計測領域34側では、ガス27内を通過し、計測領域34の反対側では、空気内を通過する。
このため、例えば、エンジンの燃焼室内の燃焼ガスの温度を計測する場合、燃焼ガスが高温になるため、センサ取り付け面26の壁の温度も高温になり、温度センサ31の領域R2の空気も高温になる。
【0093】
従って、レーザービームが温度センサ31内を進むと、レーザービームの位相は、ガス27の温度変化の影響だけでなく、空気の温度変化の影響も受け、ガス27の温度計測値に誤差が生じる。
そこで、光学窓33とセルフォックマイクロレンズ32との間に熱電対208を設け、ヘテロダイン干渉法による温度計測を実行する際に、光学窓33とセルフォックマイクロレンズ32との間の空気の平均温度を熱電対208により直接計測する。
【0094】
これにより、ガス27の温度だけでなく、レーザ−ビームが通過する光路のうち測定対象以外の空間の温度も計測することができ、ヘテロダイン干渉法による温度計測の手間を増加させることなく、ガス27の周囲の空間の温度変化による誤差を補正することを可能として、温度計測の精度を向上させることができる。図10は、本発明の一実施形態に係る温度センサの実験に用いた圧縮膨張機関の概略構成を示す断面図である。
【0095】
図10において、シリンダ101内には、ピストン102が挿入され、ピストン102は、コネクティングロッド103を介してフライホイール104に接続され、フライホイール104は、ベルト105を介して電気モータ106に接続されている。
また、フライホイール104の回転軸には、ロータリーエンコーダ107が設けられるとともに、フライホイール104の外周には、TDCセンサ108が設けられている。
【0096】
また、シリンダ101の上方には拡張シリンダ111が設けられるとともに、ピストン102の上方にはスペーサ119を介して拡張ピストン113が設けられている。
そして、拡張シリンダ111には、拡張シリンダ111内を観測するための観測窓112が設けられ、拡張ピストン113には、石英製のピストンヘッド113aが設けられるとともに、45度の傾きでミラー114が取り付けられ、燃焼室内の燃焼状態をボトムビュー方式で可視化できるようにされている。
【0097】
なお、スペーサ119を取り替えることにより、圧縮比を可変することができ、今回の実験では、圧縮比を9.7および11.2に設定した。
また、拡張シリンダ111上には、シリンダヘッド115が設けられ、シリンダヘッド115には、点火電極116が横方方向から取り付けられるとともに、シリンダヘッド115上には、温度センサ31、きのこ弁117および圧力変換素子118が取り付けられ、きのこ弁117は連結管126を介して混合タンク121に連結されている。
【0098】
そして、混合タンク121には、ガスを導入するバルブ122〜124が設けられるとともに、混合タンク121内の混合ガスの温度を計測する熱電対125が設けられている。
ここで、温度センサ31を実験装置に取り付ける場合、図3のアダプタ45を取り付けることにより、温度センサ31をネジ45aで実験装置に固定することが可能となるとともに、ガスケット46により拡張シリンダ111内の気密性を保つことが可能となる。
【0099】
そして、実験装置の燃焼室内の燃焼ガスの温度を計測する場合、シリンダヘッド115に取り付けられたきのこ弁117を開け、拡張シリンダ111内を真空状態にして、拡張ピストン113をTDCに設置する。
次に、混合タンク121内で生成された混合ガスを、所定の圧力になるまで、連結管126を介して拡張シリンダ111内に充填する。
【0100】
そして、きのこ弁117を開けた状態で、ベルト105を介して電気モータ106によりフライホイール104を回転させることにより、拡張ピストン113を駆動する。
そして、一定時間後のBDCできのこ弁117を閉じ、点火電極116によりBTDC20°で混合ガスに点火した。
【0101】
ここで、きのこ弁117が閉じた時の拡張シリンダ111内の混合ガスの温度は、混合タンク121に取り付けられた熱電対125により計測することができ、ヘテロダイン干渉法により温度を求める場合に必要となる初期温度を得ることができる。
そして、温度センサ31を用いることにより、きのこ弁117が閉じた後の最初の圧縮膨張行程におけるガス温度をヘテロダイン干渉法により計測した。
【0102】
ここで、ガス温度計測時の機械的振動などの影響を調べるため、初めにモータリング時でのヘテロダイン干渉法によるガス温度変化の測定を行なった。
図11(a)は、モータリング時におけるクランク角と位相変化量および燃焼室内圧力との関係を示す図である。
図11(a)において、きのこ弁117を開け、図10の圧縮膨張機関に空気を室温で大気圧まで充填した後、きのこ弁117を閉じ、電気モータ106で機関を駆動する。
【0103】
そして、温度センサ31および圧力変換素子118を用いることにより、クランク角に対する拡張シリンダ111内の位相変化量および圧力を測定した。なお、圧縮比は9.7である。
圧縮工程において、クランク角300°までの緩やかな圧力上昇に対して、位相変化量も緩やかに増加している。
【0104】
また、クランク角300°から360°までの急激な圧力上昇に対しては、位相変化量も急激に増加していることがわかる。
そして、図11(a)の位相変化量および圧力履歴に基づいて、拡張シリンダ111内のガス温度変化を(8)式を用いて見積もった。
図11(b)は、モータリング時にクランク角と燃焼室内温度との関係を示す図である。
【0105】
図11(b)において、ヘテロダイン干渉法により求めた拡張シリンダ111内の温度(黒丸)と、拡張シリンダ111内の圧力からポリトロープ変化を仮定して計算した温度(実線)とを比較した。
この結果、両者の値を概ね一致するものの、クランク角240°付近では、両者の値に違いが見られる。
【0106】
これは、圧力が低いと、位相変化量も小さいため、位相の読み取り誤差が影響することと、きのこ弁117が閉じた時の振動の影響が考えられる。
一方、TDC付近になると、位相変化量も増大し、きのこ弁117が閉じた時の振動の影響も少なくなるため、両者の値は比較的よく一致することがわかる。図11の結果により、モータリング時でのヘテロダイン干渉法によるガス温度変化の測定は、十分に可能であることがわかった。
【0107】
次に、圧縮膨張機関において火花点火を行い、未燃焼ガスの温度変化測定を試みた。
図12(a)は、圧縮ガスの燃焼時におけるクランク角と位相変化量および燃焼室内圧力との関係を示す図である。
なお、ガスには、当量比1.0のメタン−空気混合気を用いた。また、圧縮比は11.2であり、点火時期はBTDC20°である。また、機関回転速度は600rpmである。
【0108】
図12(a)において、図11(a)のモータリング時と同じように、クランク角340°までの緩やかな圧力上昇に対して、位相変化量も緩やかに増加している。
そして、クランク角340°から火炎が計測領域34を通過するまでの急激な圧力上昇に伴って、位相変化量も急激に増加し、モータリング時と比較して位相変化量も大きいことがわかる。また、試験信号が急激に減少した時を、火炎が計測領域34を通過した時と判断した。
【0109】
この図12(a)の位相変化量および圧力履歴に基づいて、拡張シリンダ111内の未燃焼ガスの温度変化を(8)式を用いて見積もった。
図12(b)は、圧縮ガスの燃焼時におけるクランク角と燃焼室内温度との関係を示す図である。
図12(b)において、ヘテロダイン干渉法により求めた拡張シリンダ111内の未燃焼ガスの温度(黒丸)と、拡張シリンダ111内の圧力から以下の式を用いて計算した温度(実線)とを比較した。
【0110】
Tm=Tig(Pt/Pig)((κ−1)/κ) ・・・(12)ただし、κは、未燃焼混合ガスの比熱比であり、温度300K〜600K、圧力0.1〜3MPaの範囲における平均値を1.380として用いた。
これら両者の値を比較すると、下死点から点火時期まで混合ガスが圧縮されるに従って、緩やかに温度上昇しており、両者の値は比較的よく一致していることがわかる。
【0111】
また、点火後の急激な温度上昇についても、ヘテロダイン干渉法により求めた値の方が、(12)式を用いて求めた値よりも若干高くなっているが、両者の値はほぼ一致していることがわかる。
以上の結果から、温度センサ31を用いたヘテロダイン干渉法により、エンジン内の未燃焼ガスの温度変化を局所的に計測できることが確認できた。
【0112】
なお、今回の実験では、25kHzのビート周波数信号をA/D変換して、500kHzのサンプリング周波数で記録した。この時、20点で1周期分が記録される。
このため、1/20周期分の光路長変化を位相の最小読み取り値とすると、圧力の増加に伴い、ビート周波数が変化するため、最小読み取り値は変化する。
【0113】
図13は、本発明の一実施形態に係る温度センサの温度計測分解能とガス圧との関係を示す図である。
図13において、圧力の増加に伴い、温度計測分解能が上昇していることがわかる。また、火炎が測定領域34を通過する直前の温度計測分解能は、0.7K程度である。
【0114】
温度計測分解能は、A/D変換時のサンプリング周波数、ヘテロダイン干渉法のビート周波数および測定領域34の長さにより決定されるため、これらの最適化を行うことで、温度計測分解能を改善することができる。
【0115】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ヘテロダイン干渉用光学系で生成された参照光と試験光とのビート周波数差に基づいて、温度計測領域の温度を温度計測装置に算出させることにより、温度計測領域でのビート周波数の位相変化から温度を求めるための手間を軽減することが可能となり、ヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法を内燃機関などに適用した場合においても、燃焼室内の急激な温度変化をリアルタイムで知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るヘテロダイン干渉法を用いた温度計測方法の原理を説明する平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る温度計測装置のヘテロダイン干渉用光学系の概略構成を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る温度センサの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る温度計測装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る温度センサの計測部長さと温度計測分解能との関係を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る温度センサのエンジンへの取り付け状態を示す断面図である。
【図7】図7(a)は、図6のA−A線で切断して温度センサ側を見た場合の断面図、図7(b)は、温度センサが取り付けられたシリンダヘッドの構成を示す上面図である。
【図8】温度センサが取り付けられたエンジンを図6のB方向から見た場合の斜視図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る温度計測装置の概略構成を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る温度センサの実験に用いた圧縮膨張機関の概略構成を示す断面図である。
【図11】図11(a)は、モータリング時におけるクランク角と位相変化量および燃焼室内圧力との関係を示す図、図11(b)は、モータリング時にクランク角と燃焼室内温度との関係を示す図である。
【図12】図12(a)は、圧縮ガスの燃焼時におけるクランク角と位相変化量および燃焼室内圧力との関係を示す図、図12(b)は、圧縮ガスの燃焼時におけるクランク角と燃焼室内温度との関係を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る温度センサの温度計測分解能とガス圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
1、11、201、301 He−Neレーザ
2、5、15 ハーフミラー
3 参照領域
4、6、13、22、35、114 ミラー
7 周波数シフタ
8、34 計測領域
9 検出器
Lr 参照光
Ls 試験光
12 音響光学素子
14、18 偏光ビームスプリッタ
16、19 偏光フィルタ
17、20 フォトトランジスタ
21 1/4波長板
23 1/2波長板
24、32 セルフォックマイクロレンズ
25、212 光ファイバ
光ファイバ
26 センサ取り付け面
27 ガス
31 温度センサ
31a 温度センサ先端
33 光学窓
41、50 筒状筐体
41a、45a ネジ
42、44 ボルト
43、46、47 ガスケット
34a、44a 開口部
45 アダプタ
49 シャッタ
51 光軸調整用レンズ保持部
52 リテーナ
53 芋ネジ
54 ガイド
55 ネジ
56 パイプ
61、101 シリンダ
62、115 シリンダヘッド
63 冷却フィン
64、102 ピストン
65 ピストンピン
66、103 コネクティングロッド
67、116 点火プラグ
69 カムシャフト
70a カムスプロケット
70b クランクスプロケット
71 カムチェーン
72 クランクピン
73 クランクシャフト
74 オイルフィルタ
75 ジェネレータ
76 クラッチ
77 トランスミッションドライブ側軸
78 トランスミッションドライブ側ギア
79 トランスミッションドリブン側軸
80 トランスミッションドリブン側ギア
81 吸気ロッカーアーム
82 排気ロッカーアーム
83、84 弁バネ
85 吸気弁
85a 吸気ポート
86 排気弁
86b 排気ポート
87 キャブレタ
90 オイルパン
91オイルドレンボルト
92 タイミングチェック用窓
94 ジャバラ管
95 コネクタ
104 フライホイール
105 ベルト
106 電気モータ
107 ロータリーエンコーダ
108 TDCセンサ
111 拡張シリンダ
112 観測窓
113 拡張ピストン
117 きのこ弁
118 圧力変換素子
119 スペーサ
121 混合タンク
122〜124 バルブ
125、207、208 熱電対
126 連結管
200、200´ 温度計測装置
202 ヘテロダイン干渉用光学系
203 光電変換部
204 位相計
205、205´ データ演算部
206 表示部
211 センサ部

Claims (5)

  1. ビート信号を生成するための参照光と試験光とを発生させるヘテロダイン干渉用光学系と、
    前記試験光に位相変化を検出させる温度計測領域が設けられた温度センサと、
    前記ヘテロダイン干渉用光学系で生成された参照光と前記温度計測領域を通過した試験光とのビート周波数差を検出する位相計と、
    前記位相計によって検出されたビート周波数差に基づいて、前記温度計測領域の温度を算出する信号処理手段とを備え
    前記ビート周波数差の検出から前記温度計測領域の温度の算出までの処理を一貫して行うことを特徴とする温度計測装置。
  2. 前記温度センサは、
    前記試験光を伝送する光ファイバと、
    前記光ファイバから出射されたレーザ光を集光させる集光部と、
    前記集光部で集光されたレーザ光を透過させる光透過窓と、
    前記光透過窓を透過したレーザ光を反射させる反射部と、
    前記集光部、前記光透過窓および前記反射部を光軸上に保持する保持手段とを備え、
    前記温度計測領域は、温度測定対象が入り込み可能な状態で前記光透過窓と前記反射部との間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の温度計測装置。
  3. 前記信号処理手段は、
    ヘテロダイン干渉法による参照信号と試験信号とのビート周波数差に基づいて、前記温度計測領域を通過したレーザ光の位相変化を算出する位相変化算出手段と、
    前記位相変化算出手段により算出された位相変化に基づいて、前記温度計測領域の温度を算出する温度算出手段とを備えることを特徴とする請求項1または2記載の温度計測装置。
  4. 前記温度算出手段は、
    前記位相変化算出手段により算出された前記位相変化に基づいて、前記温度計測領域の屈折率変化を算出する屈折率算出手段と、
    前記屈折率算出手段により算出された屈折率変化に基づいて、前記温度計測領域の密度変化を算出する密度算出手段とを備え、
    前記密度変化に基づいて、前記温度計測領域の温度を算出することを特徴とする請求項3記載の信号処理装置。
  5. 前記屈折率算出手段は、
    前記温度計測領域が気体の場合、Gladstone−Daleの式を適用することにより屈折率変化を算出し、
    前記温度計測領域が液体の場合、Lorenz−Lorentzの式を適用することにより屈折率変化を算出することを特徴とする請求項4記載の信号処理装置。
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