JP6444231B2 - 内燃機関燃焼状態判定方法および内燃機関燃焼状態判定装置 - Google Patents

内燃機関燃焼状態判定方法および内燃機関燃焼状態判定装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の燃焼状態が異常であるか否かを、特にノッキングが発生している状態であるか否かを判定する内燃機関燃焼状態判定方法および、内燃機関燃焼状態判定装置に関するものである。
従来、火炉におけるバーナの火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを分析することにより燃焼状態を判断、診断する方法が、特許文献1に開示されている。前記文献では、基準物質となる1つの物質から発光されるスペクトルを対象として、2種以上の波長に分けて計測し、その物質の輝度を分析して火炎の温度とその物質の発光率を求め、予め求めた燃焼状態を示す指標との関係から火炎の燃焼状態を診断することで、燃焼異常を検出するだけでなく、燃焼火炎から発生するNOx、CO、煤塵の量を予測することも可能にした燃焼状態診断方法に関する技術が開示されている。
上述した燃焼状態診断方法に関する技術思想は、内燃機関の研究開発においても燃焼室内の火炎を分析することで、燃焼状態を可視化することを可能にして、その結果を内燃機関の研究開発にフィードバックするなど活かすことができる。
しかしながら、内燃機関の場合には火炉とは異なり排気ガスの状態を他の検出装置により診断する装置が設けられている理由などから、研究開発においてはNOx、CO、煤塵の量を予測することよりも、むしろ燃焼状態、特に異常燃焼状態いわゆるノッキングが発生した状態か否かの診断に活かすことが期待される。しかし、先行技術の燃焼状態の診断方法においては、関数を伴う複雑な計算が必要となるので、高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が必要となり、ひいては判定までに長時間が必要とされ、また判定装置の大型化や高コスト化などの難点があった。
特公平2−27571号公報
本願はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃焼状態判定方法において、内燃機関の燃焼時に異常燃焼いわゆるノッキングが発生している状態か否かを判定し、高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理を必要とせず、判定までの時間が短く、判定装置の小型化およびコスト低減を図ることのできる内燃機関燃焼状態判定方法および内燃機関燃焼状態判定装置を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、
内燃機関の正常燃焼状態において、前記内燃機関の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、前記燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
前記内燃機関のそれぞれのクランク回転角に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である正常燃焼状態発光強度を測定し、
前記内燃機関の1サイクル中における前記正常燃焼状態発光強度の最大値である最大正常燃焼状態発光強度を求め、
前記正常燃焼状態発光強度を、前記最大正常燃焼状態発光強度を100%としたピーク比値である正常燃焼状態発光強度ピーク比値に換算し、
前記正常燃焼状態発光強度ピーク比値が、所定の基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の第1領域を求め、
前記第1領域の両端となる第1クランク回転角および第2クランク回転角を求め、
前記第1クランク回転角と前記第2クランク回転角との幅である正常燃焼状態クランク回転角度幅を算出し、
前記内燃機関の燃焼状態の判定を求める判定燃焼状態において、前記内燃機関の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、選択した前記物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
前記判定燃焼状態における前記内燃機関のそれぞれのクランク回転角に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である判定燃焼状態発光強度を測定し、
前記判定燃焼状態における前記内燃機関の1サイクル中における前記判定燃焼状態発光強度の最大値である最大判定燃焼状態発光強度を求め、
前記判定燃焼状態発光強度を、前記最大判定燃焼状態発光強度を100%としたピーク比値である判定燃焼状態発光強度ピーク比値に換算し、
前記判定燃焼状態発光強度ピーク比値が、前記基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の第2領域を求め、
該第2領域の両端となる第3クランク回転角および第4クランク回転角を求め、
前記第3クランク回転角と前記第4クランク回転角との幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅を算出し、
前記正常燃焼状態クランク回転角度幅と、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅の大きさを比較することにより、
判定燃焼状態における内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定することを特徴とする内燃機関燃焼状態判定方法である。
このような構成によれば、内燃機関の燃焼状態が異常であるか否かを判定する方法において、内燃機関の正常燃焼状態と、判定を求める判定燃焼状態において、それぞれ、内燃機関の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光強度をクランク回転角ごとに計測し、該ラジカル発光強度を1サイクル中における最大値の最大ラジカル発光強度で除して、ラジカル発光強度ピーク比値に換算し、該ラジカル発光強度ピーク比値が所定の基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の領域を求め、その領域の両端のクランク回転角の幅を求め、正常燃焼状態クランク回転角度幅と、判定燃焼状態クランク回転角度幅とを比較して、その大きさの比較により、判定を求める燃焼状態が異常燃焼であるか否かいわゆるノッキングが発生した状態であるか否かを判定するので、従来のような複雑な計算を伴わず内燃機関の燃焼状態の判定が可能となり、判定結果までの演算時間の短縮が図ることができ、さらに高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が不要となり、内燃機関燃焼状態判定方法に用いられる判定装置の小型化およびコスト低減を図ることができる。
本発明は前記目的を達成するために、
内燃機関の燃焼状態の判定を求める判定燃焼状態において、前記内燃機関の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、前記燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
前記判定燃焼状態における前記内燃機関のそれぞれのクランク回転角に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である判定燃焼状態発光強度を測定し、
前記判定燃焼状態における前記内燃機関の1サイクル中における前記判定燃焼状態発光強度の最大値である最大判定燃焼状態発光強度を求め、
前記判定燃焼状態発光強度を、前記最大判定燃焼状態発光強度を100%としたピーク比値である判定燃焼状態発光強度ピーク比値に換算し、
前記判定燃焼状態発光強度ピーク比値が、所定の基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の第2領域を求め、
該第2領域の両端となる第3クランク回転角および第4クランク回転角を求め、
前記第3クランク回転角および第4クランク回転角との幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅を算出し、
前記判定燃焼状態クランク回転角度幅を、所定の基準クランク回転角度幅に対しての大小を比較することにより、
判定燃焼状態における内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定することを特徴とする内燃機関燃焼状態判定方法である。
このような構成によれば、内燃機関の燃焼状態が異常であるか否かを判定する方法において、内燃機関の判定を求める判定燃焼状態において、内燃機関の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光強度をクランク回転角ごとに計測し、このラジカル発光強度を1サイクル中における最大値の最大ラジカル発光強度で除してラジカル発光強度ピーク比値に換算し、所定の基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の領域を求め、その領域の両端のクランク回転角の幅を求め、判定燃焼状態クランク回転角度幅と、所定の基準クランク回転角度幅とを比較して、その大きさの比較により、判定を求める燃焼状態が異常燃焼であるか否かを判定することができるので、従来のような複雑な計算を伴わず内燃機関の燃焼状態の判定が可能となり、判定結果までの演算時間の短縮を図ることができ、さらに高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が不要となり、内燃機関燃焼状態判定方法に用いられる判定装置の小型化およびコスト低減を図ることができる。
燃焼生成物の内から選択した前記物質をOHとし、
前記基準発光強度ピーク比値を85%以上95%以下の値としてもよい。
このような構成によれば、OHラジカル発光の発光強度ピーク比値が85%以上95%以下の領域における発光強度ピーク比値のクランク回転角に対する変化量は、内燃機関に異常燃焼が発生している場合は点火プラグからの火炎の伝播による発光に加えて自着火による発光との合成光を検出するが、一方、内燃機関に異常燃焼が発生していない場合には点火プラグからの火炎の伝播による発光のみを検出するので、異常燃焼状態の場合は正常燃焼状態の場合に比べて大きくなる。すなわち、異常燃焼状態の判定燃焼状態クランク回転角度幅は、正常燃焼状態の燃焼状態クランク回転角度幅よりも小さくなるので、判定燃焼状態クランク回転角度幅を算出して大小を判別することにより、内燃機関に異常燃焼が発生しているか否かを判定することが容易になり、内燃機関の燃焼状態が異常であるか否かの判定の精度を向上させることができる。
前記判定燃焼状態において、前記第2領域が二つ以上ある場合には、
複数の前記第2領域のうち、内燃機関の1サイクル中における最初の第2領域の両端の第3クランク回転角および第4クランク回転角との幅を、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅としてもよい。
このような構成によれば、内燃機関の1サイクル中に、基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の第2領域が2つ以上ある場合では、最初に発生する第2領域の両端の第3クランク回転角および第4クランク回転角との幅を、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅としたので、内燃機関が異常燃焼であるか否かの判定時間を短縮できるとともに、その判定精度を向上することができる。
前記基準クランク回転角度幅を、0°より大きく6°以下の範囲内とし、
前記判定燃焼状態クランク回転角度幅が、前記基準クランク回転角度幅以下の場合には、判定燃焼状態における内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であると判定してもよい。
このような構成によれば、内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かの判定が容易になり、判定に要する時間をさらに短縮することができるとともに、判定精度をより向上させることができる。
前記基準クランク回転角度幅を0°より大きく4°以下としてもよい。
このような構成によれば、内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かの判定の精度をより向上させることができる。
本発明は、
内燃機関の所定の燃焼状態の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物からの発光が入射される光学プローブと、
前記光学プローブに接続され、前記燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域の波長に分光する分光器と、
前記分光された光の発光強度を電気信号に変換し出力する発光強度検出器と、
前記内燃機関のクランク軸の回転に伴って、所定のクランク回転角ごとに信号を発信するクランク回転角検出器と、
前記クランク回転角および前記クランク回転角における前記発光強度が入力されて記録するデータ記録装置と、
前記データ記録装置から、前記クランク回転角および前記クランク回転角ごとの前記発光強度が入力され、前記内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定する解析処理装置を備え、
前記解析処理装置は、
燃焼状態の判定を求める前記内燃機関の1サイクル中における前記発光強度の最大値である判定燃焼状態最大発光強度を求め、
前記発光強度を、前記判定燃焼状態最大発光強度を100%としたピーク比値である判定燃焼状態発光強度ピーク比値に換算し、
前記判定燃焼状態発光強度ピーク比値が、所定の基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の第2領域を求め、
該第2領域の両端となる第3クランク回転角および第4クランク回転角を求め、
前記第3クランク回転角と前記第4クランク回転角との幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅を算出し、
前記判定燃焼状態クランク回転角度幅と、あらかじめ入力されている基準クランク回転角度幅との大きさを対比することにより、内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定することを特徴とする内燃機関燃焼判定装置である。
このような構成によれば、内燃機関の燃焼状態が異常であるか否かを判定する内燃機関燃焼状態判定装置において、内燃機関の所定の燃焼状態の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物からの発光が光学プローブから入射され、分光器により燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域の波長に分光され、発光強度測定装置により、分光された光のうち、ラジカル発光強度が、クランク回転角ごとに電気信号に変換し出力され、解析処理装置により、該ラジカル発光強度が1サイクル中における最大値の最大ラジカル発光強度で除されてラジカル発光強度ピーク比値に換算され、該ラジカル発光強度ピーク比値が所定の基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の領域を求め、その領域の両端のクランク回転角の幅を求め、該判定燃焼状態クランク回転角度幅と、あらかじめ入力されている基準クランク回転角度幅とを比較して、その大きさの比較により、判定を求める燃焼状態が異常燃焼であるか否かを判定するので、従来のような複雑な計算を伴わず内燃機関の燃焼状態の判定が可能となり、判定結果までの演算時間の短縮を図ることができ、さらに高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が不要となり、内燃機関燃焼状態判定装置の小型化およびコスト低減を図ることができる。
前記基準クランク回転角度幅は、あらかじめ前記内燃機関の正常燃焼状態において算出されて解析処理装置に入力されたものであって、
該基準クランク回転角度幅は、
前記内燃機関の正常燃焼状態における前記内燃機関の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、選択した前記物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
前記内燃機関のそれぞれのクランク回転角に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である正常燃焼状態発光強度を測定し、
前記内燃機関の1サイクル中における前記正常燃焼状態発光強度の最大値である最大正常燃焼状態発光強度を求め、
前記正常燃焼状態発光強度を、前記最大正常燃焼状態発光強度を100%としたピーク比値である正常燃焼状態発光強度ピーク比値に換算し、
前記正常燃焼状態発光強度ピーク比値が、前記基準発光強度ピーク比値以上となるクランク回転角の第1領域を求め、
前記第1領域の両端となる第1クランク回転角および第2クランク回転角を求め、
前記第1クランク回転角と前記第2クランク回転角との幅として算出してもよい。
このような構成によれば、あらかじめ内燃機関の正常燃焼状態において選択された前記物質のラジカル発光強度である正常燃焼状態発光強度を測定した値より前記基準クランク回転角度幅が算出されて解析処理装置に入力されており、この基準クランク回転角度幅と、判定を求める判定燃焼状態クランク回転角度幅とを比較して、その大きさの比較により、判定を求める燃焼状態が異常燃焼であるか否かを判定することができるので、判定結果までの演算時間の短縮をより図ることができ、高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が不要となり、内燃機関燃焼状態判定方法に用いられる判定装置の小型化およびコスト低減をさらに図ることができる。
燃焼生成物の内から選択した前記物質をOHとし、
前記基準発光強度ピーク比値を85%以上95%以下の値としてもよい。
このような構成によれば、OHを燃焼生成物の内から選択した1つの物質とし、基準発光強度ピーク比値を85%以上95%以下の値としたので、OHラジカル発光の発光強度ピーク比値が85%以上95%以下の領域における発光強度ピーク比値のクランク回転角に対する変化量は、内燃機関に異常燃焼が発生している場合は点火プラグからの火炎の伝播による発光に加えて自着火による発光との合成光を検出するが、一方、内燃機関に異常燃焼が発生していない場合には点火プラグからの火炎の伝播による発光のみを検出するので、異常燃焼状態の場合は正常燃焼状態の場合に比べて大きくなる。すなわち、異常燃焼状態の判定燃焼状態クランク回転角度幅は、正常燃焼状態の燃焼状態クランク回転角度幅よりも小さくなるので、判定燃焼状態クランク回転角度幅を算出して大小を判別することにより、内燃機関に異常燃焼が発生しているか否かを判定することが容易になり、内燃機関の燃焼状態が異常であるか否かの判定の精度を向上させることができる。
前記第2領域が二つ以上ある場合には、複数の前記第2領域のうち、内燃機関の1サイクル中における最初の第2領域の両端の第3クランク回転角および第4クランク回転角との幅を、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅としてもよい。
このような構成によれば、内燃機関の1サイクル中に、第2領域が2つ以上ある場合では、最初に発生する第2領域の両端の第3クランク回転角および第4クランク回転角との幅を、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅としたので、内燃機関が異常燃焼であるか否かの判定時間を短縮できるとともに、その判定精度を向上することができる。
前記基準クランク回転角度幅は、0°より大きく6°以下の範囲内とされ、
前記解析処理装置は、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅が、前記基準クランク回転角度幅の範囲内にある場合に、内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であると判定してもよい。
このような構成によれば、内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かの判定が容易になり、判定に要する時間をさらに短縮することができるとともに、判定精度をより向上させることができる。
前記基準クランク回転角度幅を0°より大きく4°以下としてもよい。
このような構成によれば、内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かの判定の精度をより向上させることができる。
本願発明では、従来のような複雑な計算を伴わず内燃機関の燃焼状態の判定が可能となり、判定結果までの演算時間の短縮が図ることができ、さらに高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が不要となり、内燃機関燃焼状態判定方法に用いられる内燃機関燃焼状態判定装置の小型化およびコスト低減を図ることができる。
内燃機関燃焼状態判定装置の概略図である。 本発明に用いられる一例の内燃機関を示した一部を切断した側面図である。 内燃機関の燃焼室の上壁部をピストン側から視た図である。 燃焼室の上壁部の複数個所に取り付けられた光学プローブにおいてそれぞれ計測されたOHラジカルの発光強度ピーク比値および燃焼室内の筒内圧力をクランク回転角ごとに示したグラフである。 内燃機関の高負荷条件下において非ノッキング状態である場合のOHラジカル発光強度ピーク比値および筒内圧力をクランク回転角ごとに示したグラフである。 内燃機関の高負荷条件下においてトレースノッキング状態である場合のOHラジカル発光強度ピーク比値および筒内圧力をクランク回転角ごとに示したグラフである。 内燃機関の高負荷条件下においてヘビーノッキング状態である場合のOHラジカル発光強度ピーク比値および筒内圧力をクランク回転角ごとに示したグラフである。 内燃機関の低負荷条下において非ノッキング状態である場合のOHラジカル発光強度ピーク比値および筒内圧力をクランク回転角ごとに示したグラフである 内燃機関の低負荷条件におけるトレースノッキング状態である場合のOHラジカル発光強度ピーク比値および筒内圧力をクランク回転角ごとに示したグラフである。 内燃機関の低負荷条件におけるヘビーノッキング状態である場合のOHラジカル発光強度ピーク比値および筒内圧力をクランク回転角ごとに示したグラフである。 内燃機関の所定条件下において、筒内圧力およびOHラジカル発光強度のピーク比値をクランク回転角ごとに表したグラフである。 内燃機関の代表的なノッキング状態と、非ノッキング状態のOH発光強度のピーク比値をクランク回転角ごとに表したグラフである。 内燃機関の各種燃焼状態における基準ピーク比値以上となる領域の出現率をクランク回転角度幅ごとに示したグラフである。 内燃機関の各種エンジン速度における判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅B(4度)以下となる累積出現率を各点火タイミングごとに示したグラフである。 内燃機関の各種冷却水温度における判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅B(4度)以下となる累積出現率を各点火タイミングごとに示したグラフである。 内燃機関の各種圧縮比における判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅B(4度)以下となる累積出現率を各点火タイミングごとに示したグラフである。
本発明は、内燃機関Eの燃焼状態が異常であるか否かを判定するための方法および装置に関するものであり、具体的には、内燃機関Eの燃焼室内の燃焼光を測定して、内燃機関Eにノッキングが発生するノッキング状態である否かを判定するものである。以下図面を参照して説明する。
[内燃機関燃焼状態判定装置の概要]
図1には、本発明の一実施例の内燃機関燃焼状態判定装置1の概略図が示されている。内燃機関燃焼状態判定装置1は、内燃機関Eの燃焼室30内に先端が向けられて取り付けられ燃焼室30内の燃焼光が入射される光学プローブ2と、光学プローブ2から入射された燃焼光を所定の波長の光に分光する分光器4と、内燃機関Eのクランク軸27の端に取り付けられクランク軸27が0.1度回転するごとにクランク回転角信号を送るクランク回転角エンコーダ8と、燃焼室30内の筒内圧力を測定する圧力測定器9と、圧力測定器9から送られる筒内圧力データが記録される燃焼解析装置10と、クランク軸27の端に取り付けら内燃機関Eの動力を計測する動力計測器11と、燃料流量計12と、A/Fセンサ13と、これらの機器から送られたデータが記録されるデータ記録装置15と、データ記録装置15記録された各種データに基いて解析処理し内燃機関の燃焼状態が異常であるか否かを判定する 解析処理装置16を備えている。データ記録装置15と 解析処理装置16は、パーソナルコンピュータ14内に格納されているものである。
図2には、本実施例の内燃機関燃焼状態判定装置1により、燃焼状態が測定される内燃機関Eの一例が図示されている。該内燃機関Eは、クランクケース23の上に、シリンダブロック20、シリンダヘッド21およびヘッドカバー22が順次重ねられて、図示されないボルトで一体に締結されている。シリンダブロック20には、円筒状のシリンダボア24が形成され、該シリンダボア24内にはピストン25が摺動自在に嵌装され、ピストン25は、コンロッド26を介して、クランクケース23に回転自在に支持されたクランク軸27に連結されている。シリンダヘッド21には、燃焼室30が形成され、燃焼室30の上壁部30aには、吸気弁口31と排気弁口32が形成され、吸気弁口31は吸気弁41により、排気弁口32は排気弁42により、開閉されるようになっている。
図2は、内燃機関Eの燃焼室30の上壁部30aをピストン側から視た図である。燃焼室30の上壁部30aには、1つ又は複数の吸気弁41、排気弁42がそれぞれ座着される吸気弁口31および排気弁口32が形成され、これらの吸気弁口31および排気弁口32に囲まれる中央には、点火プラグ43が挿通される点火プラグ挿通孔33が設けられている。
本実施例の内燃機関燃焼状態判定装置1では、図3に示されるように、上壁部30aの排気弁口32側の燃焼室30の末端に位置するA点に、光学プローブ挿通孔34が形成され、光学プローブ2が挿通されて、その先端が燃焼室30の上壁部30aから若干突出するように取り付けられている。光学プローブ2の他端は、光ファイバ3を介して分光器4に接続されており、燃焼室30内の燃焼光は、光学プローブ2に入射して光ファイバ3を介して分光器4へ到達されるようになっている。本実施例の内燃機関燃焼状態判定装置1に取り付けられる光学プローブ2は、視野角が例えば23度のものが用いられる。
図2に示されるように、燃焼室30の上壁部30aの点Pには、圧力測定器取付孔35が形成され、燃焼室30の筒内圧力を測定する圧力測定器9が取り付けられている。
内燃機関Eの燃焼光が入射される分光器4は、図1に示されるように、所定波長の光のみを反射させ他の波長の光を通過させるダイクロイックミラー5と、ダイクロイックミラー5から反射させた光のうち特定の波長の光のみを透過させるバンドパスフィルタ6とを備えており、内燃機関Eの火炎の発光は、分光器4により所定波長の光のみが分光されるようになっている。本実施例の分光器4は、内燃機関Eの火炎の発光から、燃焼室30内の燃焼生成物のうちの一つの物質のラジカル発光の波長を分光するようになっており、例えばOHラジカル発光の波長領域である307.5mmの波長の光を分光するようになっている。
分光されたOHラジカルの波長領域である307.5mmの波長の光の強度であるOHラジカル発光強度EI(α)は、発光強度検出器としての光学電子倍増管7により、クランク回転角αの0.1度ごとに計測されて電圧値の電気信号に変換され、データ記録装置15に送られて記録される。
図3に示されるように、内燃機関の燃焼室30の上壁部30aの点Pには、吸気弁口31と排気弁口32を挟んだ領域の一方の端に圧力測定器取付孔35が形成され、該圧力測定器取付孔35に圧力測定器9が取り付けられ、燃焼室内30の筒内圧力P(α)は、クランク回転角αの0.1度ごとに計測され、燃焼解析装置10にデータが送られ、その後、データ記録装置15に送られて記録されるようになっている。本実施例の圧力測定器9は、圧力素子型圧力変換機が用いられている。
クランク軸27の軸端には、クランク軸27のクランク回転角αを電気信号に変換するクランク回転角検出器としてのクランク回転角エンコーダ8が取り付けられ、クランク回転角αの0.1度ごとのクランク回転角信号がデータ記録装置15に送られるようになっている。クランク回転角αは、内燃機関Eの上死点におけるクランク回転角を0度として、上死点後のクランクの回転角度を正の値として検出している。
[内燃機関燃焼状態判定方法]
本発明の内燃機関燃焼状態判定方法は、前記した内燃機関燃焼状態判定装置1を用いて、以下の手順で内燃機関Eの燃焼状態が異常であるか否を判定する。具体的には、内燃機関Eにノッキングが発生しているノッキング状態か否かを判定するものである。
[内燃機関の正常燃焼状態における正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnの算出]
(1)内燃機関Eの正常燃焼状態における内燃機関Eの燃焼室30内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、燃焼室30内に先端が突設された光学プローブ2から入射させ、光ファイバ3を介して分光器4に到達させる。
(2)入射された燃焼光は、分光器4において、燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域に分光される。本実施例では、分光器4のダイクロイックミラー5とバンドパスフィルタ6により、OHラジカル発光の波長領域である307.5nmの波長に分光される。
(3)この内燃機関Eの正常燃焼状態において、内燃機関Eのクランク回転角αの0.1度ごとのOHラジカル発光強度EI(α)が、発光強度測定装置としての光学電子倍増管7により電圧値としての電気信号に変換されて計測され、データ記録装置15に送られて記録される。以下この正常燃焼状態におけるクランク回転角αにおけるOHラジカル発光の波長領域に分光された光の発光強度を、正常燃焼状態発光強度EIn(α)という。
(4)データ記録装置15に記録された内燃機関Eの正常燃焼状態発光強度EIn(α)は、解析処理装置16に読み出され、解析処理装置16は、内燃機関Eの1サイクル中における正常燃焼状態発光強度EIn(α)の最大値である最大正常燃焼状態発光強度EInmaxを求める処理を行う。
(5)解析処理装置16は、正常燃焼状態発光強度EIn(α)を、先に求めた最大正常燃焼状態発光強度EInmaxを100%としたピーク比値である正常燃焼状態発光強度ピーク比値EInR(α)に換算する下記の処理を行う。
EInR(α)=EIn(α)/EInmax
(6)解析処理装置16は、前記正常燃焼状態発光強度ピーク比値EInR(α)が、下記のように所定の基準発光強度ピーク比値A以上となる、クランク回転角の第1領域を求める。
EInR(α)≧A
第1領域の両端となる第1クランク回転角α1および第2クランク回転角α2を求める。これらの第1クランク回転角α1と第2クランク回転角α2との差である正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnを算出し、データ記録装置15に記録する。
Dn=α2−α1
所定の基準発光強度ピーク比値Aは、好適には85%以上の値である。
[内燃機関の判定燃焼状態における判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddの算出]
(1)内燃機関Eの燃焼状態の判定を求める判定燃焼状態における内燃機関Eの燃焼室30内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、燃焼室30内に先端が突設された光学プローブ2から入射させ、光ファイバ3を介して分光器4に到達させる。
(2)入射された燃焼光は、分光器4において、燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域に分光される。本実施例では、分光器4のダイクロイックミラー5とバンドパスフィルタ6により、OHラジカル発光の波長領域である307.5nmの波長に分光される。
(3)この内燃機関Eの判定燃焼状態において、内燃機関Eのクランク回転角βの0.1度ごとのOHラジカル発光強度EI(β)が計測され、データ記録装置15に送られて記録される。以下この判定燃焼状態におけるクランク回転角αにおけるOHラジカル発光の波長領域に分光された発光強度を、判定燃焼状態発光強度EId(β)という。
(4)データ記録装置15に記録された内燃機関Eの判定燃焼状態発光強度EId(β)が解析処理装置16に読み出され、解析処理装置16は、内燃機関Eの1サイクル中における判定燃焼状態発光強度EId(β)の最大値である最大判定燃焼状態発光強度EIdmaxを求める処理を行う。
(5)解析処理装置16は、判定燃焼状態発光強度EId(β)を、先に求めた最大判定燃焼状態発光強度(EIdmax)を100%としたピーク比値である判定燃焼状態発光強度ピーク比値EIdR(β)に換算する下記の処理を行う。
EIdR(β)=EId(β)/EIdmax
(6)解析処理装置16は、下記のように、前記判定燃焼状態発光強度ピーク比値EIdR(β)が基準発光強度ピーク比値A以上となるクランク回転角の第2領域を求める。
EInd(β)≧A
第2領域の両端となる第3クランク回転角β1および第4クランク回転角β2を求める。これらの第3クランク回転角β1と第4クランク回転角β2との差である判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddを算出する。
Dd=β2−β1
内燃機関Eの燃焼の1サイクル中に、第2領域が2つ以上ある場合には、1サイクル中における最初の第2領域の両端の第3クランク回転角β1および第4クランク回転角β2との幅を、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddとして算出する。なお、内燃機関Eの1サイクルは、吸入行程から始まるものとし、順に、吸入行程、圧縮行程、燃焼・膨張行程、排気行程で1サイクルとなっている。
[燃焼状態の判定]
解析処理装置16は、正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnをデータ記録装置から読み出し、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddの大きさを正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnと対比することにより、判定燃焼状態における内燃機関Eの燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定する。
このとき、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnより大きい場合、すなわち、
Dd>Dn
の場合には、非ノッキング状態すなわち正常燃焼状態と判定し、
判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが正常燃焼状態クランク回転角度幅Dn以下の場合、すなわち、
Dd≦Dn
の場合には、ノッキング状態すなわち異常燃焼状態と判定する。
[あらかじめ基準クランク回転角度幅Bを入力しておく判定方法]
前記した内燃機関燃焼状態判定方法では、その都度、その内燃機関Eの正常燃焼状態における正常燃焼状態発光強度EIn(α)を計測して正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnを算出し、判定燃焼状態の判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddと対比して、内燃機関Eの燃焼状態を判定しているが、内燃機関Eの正常燃焼状態発光強度EIn(α)を計測しなくとも、あらかじめデータ記録装置15に基準クランク回転角度幅Bを入力しておいてもよい。この基準クランク回転角度幅Bは、好適には、0°より大きく6°以下の範囲内であって、最適には0°より大きく4°以下である。
この場合、まず前記したように判定燃焼状態において燃焼室30内の燃焼光を分光して、判定燃焼状態発光強度EId(β)を計測し、解析処理装置16により判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddを算出する。
解析処理装置16は、基準クランク回転角度幅Bをデータ記録装置から読み出し、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddの大きさを基準クランク回転角度幅Bと対比することにより、判定燃焼状態における内燃機関Eの燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定する。
このとき、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅Bより大きい場合、すなわち
Dd>B
の場合には、非ノッキング状態すなわち正常燃焼状態と判定し、
判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅B以下の場合、すなわち
Dd≦B
の場合には、ノッキング状態すなわち異常燃焼状態と判定する。
[本発明の内燃機関燃焼状態判定方法の原理および検証]
本発明の内燃機関燃焼状態判定装置1およびこれを用いた内燃機関燃焼状態判定方法における、内燃機関Eの燃焼状態が異常であるか否かについての判定する方法の原理およびその検証を以下詳しく説明する。
下記の表1にしめされた性能の小型2輪車用の4ストローク水冷式単気筒の内燃機関Eを、内燃機関燃焼状態判定装置1を使用して、各種条件において稼働させ、燃焼室30内の筒内圧力P(α)およびOHラジカル発光強度EI(α)を、クランク回転角αの0.1度ごとに計測して検証することとする。
表1
Figure 0006444231
[光学プローブ取付け位置の検証]
本実施例の内燃機関燃焼状態判定装置1に用いられる光学プローブ2の燃焼室30内への最適な取付け位置を検証する。図2に示されるように、光学プローブ2を上壁部30aのA点、B点、C点、D点の各位置に取り付け、P点に圧力測定器9を取付け、運転条件を、エンジン速度6000rpm、スロットル開度100%として、点火時期を進角させることでノッキングを意図的に発生させ、クランク回転角(α)ごとにOHラジカル発光強度EI(α)および筒内圧力P(α)を計測した。図2に示されるように、A点は上壁部30aの排気弁口32側の燃焼室30の末端に、B点およびC点は吸気弁口31および排気弁口32の中間の燃焼室末端に、D点は吸気弁口31側の燃焼室30の末端にそれぞれ位置する点である。
光学プローブ2の各位置において計測されたOHラジカル発光強度EI(α)を、それぞれの1サイクル中の最大OHラジカル発光強度EImaxで除して、OHラジカル発光強度ピーク比値EIR(α)としたものと、筒内圧力P(α)を縦軸とし、クランク回転角αを横軸としたグラフを図4に示す。以下、クランク回転角αを横軸とし、OHラジカル発光強度ピーク比値EIR(α)を縦軸として表したグラフの形状を、OHラジカル発光強度波形と定義し、クランク回転角αを横軸とし、筒内圧力P(α)を縦軸として表したグラフの形状を、筒内圧力波形と定義する。
図4のグラフによると、筒内圧力波形は、クランク回転角の10度付近から振動し始め、ノッキング発生時特有の波形を示している。また、OHラジカル発光強度波形では、A点のOHラジカル発光強度波形が他点のものに対して振幅が最も大きい値を示していることが確認できた。また、ノッキング状態における混合気の自着火は、燃焼室30の吸気弁口31側で発生するとの報告もある。以上より、光学プローブ2の取付け位置はA点が最適であると検証できた。
[内燃機関の各種燃焼状態とOHラジカル発光強度との関係の検証]
次に、上記内燃機関Eを、各種燃焼状態において、高負荷運転条件および低負荷運転条件で、クランク回転角(α)ごとにOHラジカル発光強度EI(α)および筒内圧力P(α)を計測し、内燃機関Eの各種燃焼状態とOHラジカル発光強度との関係について検証した。
この実験においては、内燃機関Eの点火時期を変更することにより、内燃機関Eの各種燃焼状態を作り出した。まず、内燃機関Eの燃焼状態において、ノッキングが発生していない非ノッキング状態を作り出し、この非ノッキング状態の点火時期から徐々に点火時期を進角させてノッキングが生じ始める限界であるトレースノッキング状態と、さらに点火時期を進角させて激しいノッキングが発生しているヘビーノッキング状態を作り出して、それぞれ、内燃機関Eの高負荷運転条件下および低負荷運転条件下において実験を行った。
それぞれの状態において、クランク回転角αごとの燃焼室30内の筒内圧力P(α)およびOHラジカル発光強度EI(α)を計測し、内燃機関Eのそれぞれの1サイクル中のOHラジカル発光強度EI(α)の最大値である最大OHラジカル発光強度EImaxを求め、OHラジカル発光強度EI(α)を最大OHラジカル発光強度EImaxで除して、OHラジカル発光強度ピーク比値EIR(α)を求める。OHラジカル発光強度EI(α)は、光学電子倍増管7のアンプゲインにより異なるため、最大値を100%とした比率のOHラジカル発光強度ピーク比値EIR(α)として扱うこととした。その結果を、横軸をクランク回転角αとし、縦軸を燃焼室30内の筒内圧力P(α)およびOHラジカル発光強度EI(α)としたグラフにし図5ないし図10に示す。
高負荷運転条件として上記内燃機関Eをエンジン速度6000rpm、スロットル開度100%の条件下で運転し、非ノッキング状態、トレースノッキング状態およびヘビーノッキング状態において計測し、これらの結果を図4ないし図6のグラフに示した。
また、低負荷運転条件として上記内燃機関Eをエンジン速度3000rpm、スロットル開度20%の条件下で運転しで、非ノッキング状態、トレースノッキング状態、ヘビーノッキング状態において計測し、これらの結果を図7ないし図10のグラフに示した。
これらの図4ないし図10を対比すると、図4および図8に示されるように、非ノッキング状態においては、内燃機関Eの負荷の状態にかかわらず、OHラジカル発光強度波形は、なだらかな山型を示している。
また、図5および図9に示されるように、トレースノッキング状態においては、内燃機関Eの負荷の状態にかかわらず、OHラジカル発光強度波形は、非ノッキング状態の波形に比べて、ピークの形状が鋭く尖った形状を示している。
さらに、図6および図10に示されるように、ヘビーノッキング状態では、内燃機関Eの負荷の状態にかかわらず、トレースノッキング状態に比べて、OHラジカル発光強度波形は、さらにピークの鋭さが増した。
非ノッキング状態からヘビーノッキング状態のOHラジカル発光強度波形を観察することで、内燃機関の運転の状態によらず、その波形に一定の特徴があることが確認できた。OHラジカル発光強度ピーク比値すなわちOHラジカル発光強度からもノッキング現象をとらえることが可能であることが示された。
[OHラジカル発光強度波形と、筒内圧力波形の関連性についての検証]
次に、ノッキング状態におけるOHラジカル発光強度波形と、筒内圧力波形の関連性について検証する。これらの関連性を検証するために、内燃機関Eの同一運転条件において、クランク回転角αに対する筒内圧力P(α)およびOHラジカル発光強度EI(α)について、200サイクル分収録し、筒内圧力波形が振動しているサイクルを抽出した。
代表例として、内燃機関Eの運転条件がエンジン速度3000rpm、スロットル開度20%であり、ヘビーノッキング状態において、クランク回転角αに対する筒内圧力P(α)およびOHラジカル発光強度EI(α)について測定した。その測定結果のOHラジカル発光強度波形および筒内圧力波形のグラフを図11に示す。筒内圧力波形が振動を開始するクランク回転角αは、上死点後11度付近であり、その時にOHラジカル発光強度ピーク比値は、約85%を示していることが確認された。すなわち、ノッキングが発生し始める基準として、所定の発光強度ピーク比値を用いることが可能であることが分かった。この所定の発光強度ピーク比値を基準発光強度ピーク比値Aと名付ける。前述の実験結果を表した図11により、該基準発光強度ピーク比値Aは、好適には85%以上95%以下であると検証された。
次に、内燃機関Eのノッキング状態と、非ノッキング状態の代表サイクルにおけるOHラジカル発光強度波形を図12に示す。ここでは基準発光強度ピーク比値Aを85%とし、OHラジカル発光強度ピーク比値EIR(α)が、該基準発光強度ピーク比値A以上となる領域を求め、該領域の両端のクランク回転角の幅であるクランク回転角度幅Dを測定した。
図12に示されるように、ノッキング状態の代表サイクルでは、基準発光強度ピーク比値以上となる領域のクランク回転角度幅Dは3度である。一方、非ノッキング状態の代表サイクルにおける基準発光強度ピーク比値以上となる領域のクランク回転角度幅Dは、ノッキング状態よりも大きい7度であることが確認された。
内燃機関Eの燃焼状態を光学プローブ2で検出すると、ノッキング状態における燃焼では、点火プラグからの火炎の伝播による発光と自着火による発光の合成光が、光学プローブ2の視野角内で検出されるため、図12に示されるように、OHラジカル発光強度波形は、ピークが鋭く尖った形状となっている。一方、非ノッキング状態における燃焼では、点火プラグからの火炎の伝播による発光のみが、光学プローブ2の視野角内で検出されるため、OHラジカル発光強度波形は、そのピークが丸みを帯びた形状を示している。このことより、ピークの形状が尖った形状であるか、あるいは丸みを帯びた形状であるかによって、基準発光強度ピーク比値以上の領域のクランク回転角度幅Dに差が生じたと考えられる。この結果から、内燃機関の燃焼状態の判定を求める判定燃焼状態において、基準発光強度ピーク比値A以上の領域のクランク回転角度幅Dである判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddを読み取ることで、内燃機関Eの燃焼状態が、ノッキング状態であるか、非ノッキング状態であるかを判定することができると考えられた。
次に、OHラジカル発光強度ピーク比値が基準発光強度ピーク比値A以上となる領域のクランク回転角度幅Dを読み取ることで、内燃機関Eの燃焼状態が、ノッキング状態であるか、非ノッキング状態であるかを判定する内燃機関燃焼状態判定方法の妥当性ついて、内燃機関の各種負荷状態および燃焼状態において実験することにより検証した。
妥当性検証のために、非ノッキング状態から点火時期を進角し、トレースノッキング、ライトノッキング、ヘビーノッキングの各ノッキング状態を発生させ、条件ごとに200サイクルの収録を行い、基準発光強度ピーク比値A以上の領域のクランク回転角度幅Dの分布を確認した。本試験においては、基準発光強度ピーク比値Aを最適な値である85%として行った。なお、トレースノッキングの発生点火時期は、測定者による筒内圧力波形の観察と聴感により決定した。このトレースノッキングが発生した点火時期を「トレースノッキング開始時期(Starting point of trace knocking)」といい、以下SKと略して表示する。また、非ノッキング状態の点火時期は、SKから十分に遅角した-3度とし、ライトノッキング状態の点火時期はSKから+3度、ヘビーノッキング状態の点火時期はSKから+5度進角した時期とした。運転条件と点火時期を表2に示す。
表2
Figure 0006444231
内燃機関の上記各燃焼状態において、基準発光強度ピーク比値A(85%)以上の領域のクランク回転角度幅Dごとの出現頻度を図13に示した。非ノッキング状態では、基準発光強度ピーク比値A以上となる領域のクランク回転角度幅Dは、7度以上に多く分布する。トレースノッキング状態では、クランク回転角度幅Dが6度以下となるサイクルの累積頻度は約5.5%であった。さらに、ライトノッキング状態およびヘビーノッキング状態では、クランク回転角度幅Dは、図13において破線で囲まれる領域に示されるように、4度以下に明確なピークを持つ分布となった。このことより、ノッキング状態が発生していると、基準発光強度ピーク比値A以上となる領域のクランク回転角度幅Dは約0度より大きく6度以下の範囲において、非ノッキング状態と比較して出現率が高まることが分かった。さらにクランク回転角度幅Dは約0度より大きく4度以下の範囲において、非ノッキング状態と比較して出現率がさらに高まることが分かった。
この結果より、内燃機関Eの燃焼状態の判定を求める判定燃焼状態において、基準発光強度ピーク比値A以上の領域のクランク回転角度幅Dである判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddを読み取ることで、内燃機関Eの燃焼状態が、ノッキング状態であるか否かを判定することができることが検証できた。図13より、判定を求める判定燃焼状態における判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddと対比して、ノッキング状態であるか否かを判定するための基準となる基準クランク回転角度幅Bは、好適には0度以上6度以下、最適には0°より大きく4°以下であると検証できた。
内燃機関Eの燃焼状態を判定するにあたって、内燃機関Eの各種の運転条件にかかわらず、基準発光強度ピーク比値Aおよび基準クランク回転角度幅Bを用いて、ノッキング状態であるか否かを判定できるかについての妥当性を検証するために、内燃機関Eの着火回数や負荷率が異なるエンジン速度違い、燃焼室内やシリンダー壁温度が異なるエンジン冷却水温度違い、そして圧縮比とバルブタイミングの変更を行って、各種条件下における焼状態発光強度EI(α)を計測して検証を行った。この試験では、基準発光強度ピーク比値Aを最適の85%とし、基準クランク回転角度幅Bを最適の0°より大きく4°以下として検証を行った。
内燃機関Eのエンジン速度違いでの運転条件を下記の表3に示す。エンジン速度は、6000rpm、6500rpm、7000rpm、75000rpm、8000rpmの5種類条件とし、各条件とも200サイクル計測を行った。
表3
Figure 0006444231
この実験により測定した各種の燃焼状態におけるOHラジカル発光強度EI(α)に基づいて、前述した方法により算出した判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが、基準クランク回転角度幅B(4度)以下となる累積頻度のエンジン回転数ごと各種点火タイミングにおける結果を図14に示した。この累積頻度は、図14の破線で囲まれている領域に示されるように、エンジン速度が速い程、大きくなる傾向にあり、さらに点火時期の進角量が大きくなる程、大きくなる傾向を示している。
次に、燃焼室内やシリンダー壁温度が異なる条件として、エンジン冷却水温度を変更して実験を行った。エンジン運転条件は、下記の表4に示すように、エンジン速度8000rpm、スロットル開度100%とし、エンジン冷却水温度は、ラジエータへ供給する冷却風の風量を調節することで73℃および93℃の2種類の試験を行った。
表4
Figure 0006444231
この実験により測定した各種の燃焼状態におけるOHラジカル発光強度EI(α)に基づいて、前述した方法により算出した判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが、基準クランク回転角度幅B(4度)以下となる累積頻度のエンジン冷却水温度ごと各種点火タイミングにおける結果を図15に示した。累積頻度は、同一点火時期においても、冷却水温度が高くなると頻度が増加することが確認された。
次に、圧縮比を変更して実験を行った。エンジン運転条件は、下記の表5に示すように、エンジン速度8000rpm、スロットル開度100%、エンジン冷却水温度93℃とし、圧縮比の変更は、ピストントップ形状の変更では、熱損失の影響も考えられるため、シリンダヘッドガスケットの厚さを調整することで、11.0および11.7の2種類の試験を行った。
表5
Figure 0006444231
この実験により測定した各種の燃焼状態におけるOHラジカル発光強度EI(α)に基づいて、前述した方法により算出した判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが、基準クランク回転角度幅B(4度)以下となる累積頻度の圧縮比ごと各種点火タイミングにおける結果を図16に示した。累積頻度は、圧縮比が高い程増加することが確認された。
以上の結果より、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅B(4度)以下となる累積頻度は、点火時期に寄らずノッキングが発生しやすい状態となる、速いエンジン速度、高いエンジン冷却水温度、高い圧縮比において増加する傾向を示しており、内燃機関Eがノッキング状態であるか否か、すなわち内燃機関Eが異常燃焼状態であるか否かの判定として本発明の実施例の内燃機関燃焼状態判定装置1および内燃機関燃焼状態判定方法の妥当性が検証できた。
以上より、本発明の一実施例の内燃機関Eの燃焼状態が異常であるか否かを判定する内燃機関燃焼状態判定装置1および内燃機関燃焼状態判定方法は、内燃機関Eの正常燃焼状態において、内燃機関Eの燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光強度である正常燃焼状態発光強度EIn(α)をクランク回転角αごとに計測し、この正常燃焼状態発光強度EIn(α)を1サイクル中における正常燃焼状態発光強度EIn(α)の最大値である最大正常燃焼状態発光強度EInmaxで除して、正常燃焼状態発光強度EIn(α)を正常燃焼状態発光強度ピーク比値EInR(α)に換算し、所定の基準発光強度ピーク比値A以上となるクランク回転角の第1領域を求め、その領域の両端のクランク回転角の幅である正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnを求め、判定を求める判定燃焼状態において、選択した1つの前記物質のラジカル発光強度である判定燃焼状態発光強度EId(β)をクランク回転角βごとに計測し、この判定燃焼状態発光強度EId(β)を1サイクル中における判定燃焼状態発光強度EId(β)の最大値である最大判定燃焼状態発光強度EIdmaxで除して、判定燃焼状態発光強度を判定燃焼状態発光強度ピーク比値EIdR(β)に換算し、所定の基準発光強度ピーク比値A以上となるクランク回転角の第2領域を求め、その第2領域の両端のクランク回転角の幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddを求め、正常燃焼状態とクランク回転角度幅Dnと、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddとを比較して、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnよりも大きい場合には正常燃焼状態と判定し、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが正常燃焼状態クランク回転角度幅Dn以下の場合には異常燃焼状態であると判定することができるので、従来のような複雑な計算を伴わず内燃機関Eの燃焼状態の判定が可能となり、判定結果までの演算時間の短縮が図ることができ、さらに高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が不要となり、内燃機関燃焼状態判定方法に用いられる判定装置の小型化およびコスト低減を図ることができる。
本実施例の内燃機関燃焼状態判定装置1および内燃機関燃焼状態判定方法は、内燃機関Eの判定を求める判定燃焼状態において、内燃機関の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光強度である判定燃焼状態発光強度EId(β)をクランク回転角βごとに計測し、この判定燃焼状態発光強度EId(β)を1サイクル中における最大値の最大判定燃焼状態発光強度EIdmaxで除して判定燃焼状態発光強度ピーク比値EIdR(β)に換算し、所定の基準発光強度ピーク比値A以上となるクランク回転角の第2領域を求め、その第2領域の両端のクランク回転角の幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddを求め、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddと、所定の基準クランク回転角度幅Bとを比較して、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅Bよりも大きい場合には正常燃焼状態と判定し、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅B以下の場合には異常燃焼状態であると判定することができるので、その大きさの比較により、判定を求める燃焼状態が異常燃焼であるか否かを判定することができるので、従来のような複雑な計算を伴わず内燃機関の燃焼状態の判定が可能となり、判定結果までの演算時間の短縮を図ることができ、さらに高速なCPUやメモリを用いた複雑な演算処理が不要となり、内燃機関燃焼状態判定装置の小型化およびコスト低減を図ることができる。さらに、あらかじめ基準クランク回転角度幅Bをデータ記録装置15に入力しておくことにより、さらに判定までの時間を短縮することが可能となる。
さらに、基準クランク回転角度幅Bを、あらかじめ内燃機関の正常燃焼状態において正常燃焼状態において、クランク回転角αに対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である正常燃焼状態発光強度EIn(α)を測定して算出しておけば、内燃機関Eの燃焼状態の判定精度をより高いものとすることが可能となる。
また、本実施例では、燃焼生成物の内から選択した前記物質をOHとし、前記基準発光強度ピーク比値を85%以上95%以下の値としたので、OHラジカル発光の発光強度ピーク比値が85%以上95%以下の領域における発光強度ピーク比値のクランク回転角に対する変化量は、内燃機関Eに異常燃焼が発生している場合は、点火プラグ43からの火炎の伝播による発光に加えて自着火による発光との合成光を検出するが、一方、内燃機関Eに異常燃焼が発生していない場合には点火プラグ43からの火炎の伝播による発光のみを検出するので、異常燃焼状態の場合は正常燃焼状態の場合に比べて大きくなる。すなわち、異常燃焼状態の判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddは、正常燃焼状態の正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnよりも小さくなるので、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddと正常燃焼状態クランク回転角度幅Dnを算出して大小を判別することにより、内燃機関Eに異常燃焼が発生しているか否かを判定することが容易になり、内燃機関Eの燃焼状態が異常であるか否かの判定の精度を向上させることができる。
本実施例では、内燃機関Eの1サイクル中に基準発光強度ピーク比値A以上となるクランク回転角の第2領域が二つ以上ある場合には、複数の第2領域のうち内燃機関Eの1サイクル中における最初の第2領域の両端の第3クランク回転角および第4クランク回転角との幅を、判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddとしたので、内燃機関Eが異常燃焼であるか否かの判定時間を短縮できるとともに、その判定精度を向上させることができる。
本実施例では、基準クランク回転角度幅Bを0°より大きく6°以下の範囲内とし、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅Ddが基準クランク回転角度幅B以下の場合には、判定燃焼状態における内燃機関の燃焼状態が異常燃焼状態であると判定するので、内燃機関Eの燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かの判定が容易になり、判定に要する時間をさらに短縮することができるとともに、判定精度をより向上させることができる。
さらに、基準クランク回転角度幅Bを0°より大きく4°以下としたので、内燃機関Eの燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かの判定の精度をより向上させることが可能となる。
E…内燃機関、α…クランク回転角、β…クランク回転角、EI(α)…OHラジカル発光強度、EImax…最大OHラジカル発光強度、EIR(α)…OHラジカル発光強度ピーク比値、EIn(α)…正常燃焼状態発光強度、EInmax…最大正常燃焼状態発光強度、EInR(α)…正常燃焼状態発光強度ピーク比値、EId(α)…判定燃焼状態発光強度、EIdmax…最大判定燃焼状態発光強度、EIdR(α)…判定燃焼状態発光強度ピーク比値、P(α)…筒内圧力、
1…内燃機関燃焼状態判定装置、2…光学プローブ、3…光ファイバ、4…分光器、5…ダイクロイックミラー、6…バンドパスフィルタ、7…光学電子倍増管、8…クランク回転角エンコーダ、9…圧力測定器、10…燃焼解析装置、11…動力計測器、12…燃料流量計、13…A/Fセンサ、14…パーソナルコンピュータ、15…データ記録装置、16…解析処理装置、
20…シリンダブロック、21…シリンダヘッド、22…ヘッドカバー、23…クランクケース、24…シリンダボア、25…ピストン、26…コンロッド、27…クランク軸、
30…燃焼室、30a…上壁部、31…吸気弁口、32…排気弁口、33…点火プラグ孔、34…光学プローブ挿通孔、35…圧力測定器取付孔、
41…吸気弁、42…排気弁、43…点火プラグ。

Claims (12)

  1. 内燃機関(E)の正常燃焼状態において、前記内燃機関(E)の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、前記燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
    前記内燃機関(E)のそれぞれのクランク回転角(α)に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である正常燃焼状態発光強度(EIn(α))を測定し、
    前記内燃機関(E)の1サイクル中における前記正常燃焼状態発光強度(EIn(α))の最大値である最大正常燃焼状態発光強度(EInmax)を求め、
    前記正常燃焼状態発光強度(EIn(α))を、前記最大正常燃焼状態発光強度(EInmax)を100%としたピーク比値である正常燃焼状態発光強度ピーク比値(EInR(α)=EIn(α)/EInmax)に換算し、
    前記正常燃焼状態発光強度ピーク比値(EInR(α))が、所定の基準発光強度ピーク比値(A)以上となるクランク回転角の第1領域(EInR(α)≧A)を求め、
    前記第1領域の両端となる第1クランク回転角(α1)および第2クランク回転角(α2)を求め、
    前記第1クランク回転角(α1)と前記第2クランク回転角(α2)との幅である正常燃焼状態クランク回転角度幅(Dn=α2−α1)を算出し、
    前記内燃機関(E)の燃焼状態の判定を求める判定燃焼状態において、前記内燃機関(E)の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、選択した前記物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
    前記判定燃焼状態における前記内燃機関(E)のそれぞれのクランク回転角(β)に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である判定燃焼状態発光強度(EId(β))を測定し、
    前記判定燃焼状態における前記内燃機関(E)の1サイクル中における前記判定燃焼状態発光強度(EId(β))の最大値である最大判定燃焼状態発光強度(EIdmax)を求め、 前記判定燃焼状態発光強度(EId(β))を、前記最大判定燃焼状態発光強度(EIdmax
    )を100%としたピーク比値である判定燃焼状態発光強度ピーク比値(EIdR(β)=EId(β)/EIdmax)に換算し、
    前記判定燃焼状態発光強度ピーク比値(EIdR(β))が、前記基準発光強度ピーク比値(A)以上となるクランク回転角の第2領域(EIdR(β)≧A)を求め、
    該第2領域の両端となる第3クランク回転角(β1)および第4クランク回転角(β2)を求め、
    前記第3クランク回転角(β1)と前記第4クランク回転角(β2)との幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dd=β2−β1)を算出し、
    前記正常燃焼状態クランク回転角度幅(Dn)と、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dd)の大きさを比較することにより、
    判定燃焼状態における内燃機関(E)の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定することを特徴とする内燃機関燃焼状態判定方法。
  2. 内燃機関(E)の燃焼状態の判定を求める判定燃焼状態において、前記内燃機関(E)の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、前記燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
    前記判定燃焼状態における前記内燃機関(E)のそれぞれのクランク回転角(β)に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である判定燃焼状態発光強度(EId(β))を測定し、
    前記判定燃焼状態における前記内燃機関(E)の1サイクル中における前記判定燃焼状態発光強度(EId(β))の最大値である最大判定燃焼状態発光強度(EIdmax)を求め、 前記判定燃焼状態発光強度(EId(β))を、前記最大判定燃焼状態発光強度(EIdmax
    )を100%としたピーク比値である判定燃焼状態発光強度ピーク比値(EIdR(β)=EId(β)/EIdmax)に換算し、
    前記判定燃焼状態発光強度ピーク比値(EIdR(β))が、所定の基準発光強度ピーク比値(A)以上となるクランク回転角(β)の第2領域(EIdR(β)≧A)を求め、
    該第2領域の両端となる第3クランク回転角(β1)および第4クランク回転角(β2)を求め、
    前記第3クランク回転角(β1)および第4クランク回転角(β2)との幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dd=β2−β1)を算出し、
    前記判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dn)を、所定の基準クランク回転角度幅(B)に対しての大小を比較することにより、
    判定燃焼状態における内燃機関(E)の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定することを特徴とする内燃機関燃焼状態判定方法。
  3. 燃焼生成物の内から選択した前記物質はOHであり、
    前記基準発光強度ピーク比値(A)を85%以上95%以下の値とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関燃焼状態判定方法。
  4. 前記判定燃焼状態において、前記第2領域が二つ以上ある場合には、
    複数の前記第2領域のうち、内燃機関(E)の1サイクル中における最初の第2領域の両端の第3クランク回転角(β1)および第4クランク回転角(β2)との幅を、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dd=β2−β1)とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関燃焼状態判定方法。
  5. 前記基準クランク回転角度幅(B)は、0°より大きく6°以下の範囲内とされ、
    前記判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dn)が、前記基準クランク回転角度幅(B)以下の場合には、判定燃焼状態における内燃機関(E)の燃焼状態が異常燃焼状態であると判定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関燃焼状態判定方法。
  6. 前記基準クランク回転角度幅(B)は0°より大きく4°以下とすることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関燃焼状態判定方法。
  7. 内燃機関(E)の所定の燃焼状態の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物からの発光が入射される光学プローブ(2)と、
    前記光学プローブ(2)に接続され、前記燃焼生成物の内から選択した1つの物質のラジカル発光の波長領域の波長に分光する分光器(4)と、
    前記分光された光の発光強度(EI(α)、EI(β))を電気信号に変換し出力する発光強度検出器(7)と、
    前記内燃機関(E)のクランク軸の回転に伴って、所定のクランク回転角(α、β)ごとに信号を発信するクランク回転角検出器(8)と、
    前記クランク回転角(α、β)および前記クランク回転角(α、β)における前記発光強度(EI(α)、EI(β))が入力されて記録するデータ記録装置(15)と、
    前記データ記録装置(15)から、前記クランク回転角(α、β)および前記クランク回転角(α、β)ごとの前記発光強度(EId(α)、EId(β))が入力され、前記内燃機関(E)の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定する解析処理装置(16)を備え、
    前記解析処理装置(16)は、
    燃焼状態の判定を求める前記内燃機関(E)の1サイクル中における前記発光強度(EId(β))の最大値である判定燃焼状態最大発光強度(EIdmax)を求め、
    前記発光強度(EId(β))を、前記判定燃焼状態最大発光強度(EIdmax)を100%としたピーク比値である判定燃焼状態発光強度ピーク比値(EIdR(β)=EId(β)/EIdmax)に換算し、
    前記判定燃焼状態発光強度ピーク比値(EIdR(β))が、所定の基準発光強度ピーク比値(A)以上となるクランク回転角の第2領域(EIdR(β)≧A)を求め、
    該第2領域の両端となる第3クランク回転角(β1)および第4クランク回転角(β2)を求め、
    前記第3クランク回転角(β1)と前記第4クランク回転角(β2)との幅である判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dd=β2−β1)を算出し、
    前記判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dn)と、あらかじめ入力されている基準クランク回転角度幅(B)との大きさを対比することにより、内燃機関(E)の燃焼状態が異常燃焼状態であるか否かを判定することを特徴とする内燃機関燃焼状態判定装置。
  8. 前記基準クランク回転角度幅(B)は、あらかじめ前記内燃機関(E)の正常燃焼状態において算出されて解析処理装置(7)に入力されたものであって、
    該基準クランク回転角度幅(B)は、
    前記内燃機関(E)の正常燃焼状態における前記内燃機関(E)の燃焼室内の火炎に含まれる燃焼生成物の発光するスペクトルを、選択した前記物質のラジカル発光の波長領域に分光し、
    前記内燃機関(E)のそれぞれのクランク回転角(α)に対して、選択された前記物質のラジカル発光強度である正常燃焼状態発光強度(EIn(α))を測定し、
    前記内燃機関(E)の1サイクル中における前記正常燃焼状態発光強度(EIn(α))の最大値である最大正常燃焼状態発光強度(EInmax)を求め、
    前記正常燃焼状態発光強度(EIn(α))を、前記最大正常燃焼状態発光強度(EInmax)を100%としたピーク比値である正常燃焼状態発光強度ピーク比値(EInR(α)=EIn(α)/EInmax)に換算し、
    前記正常燃焼状態発光強度ピーク比値(EInR(α))が、前記基準発光強度ピーク比値(A)以上となるクランク回転角の第1領域(EInR(α)≧A)を求め、
    前記第1領域の両端となる第1クランク回転角(α1)および第2クランク回転角(α2)を求め、
    前記第1クランク回転角(α1)と前記第2クランク回転角(α2)との幅(Dn=α2−α1)として算出されたものであることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関燃焼状態判定装置。
  9. 燃焼生成物の内から選択した前記物質はOHであり、
    前記基準発光強度ピーク比値(A)を85%以上95%以下の値とすることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の内燃機関燃焼状態判定装置。
  10. 前記第2領域(EIdR(β)≧A)が二つ以上ある場合には、
    複数の前記第2領域(EIdR(β)≧A)のうち、内燃機関(E)の1サイクル中における最初の第2領域(EIdR(β)≧A)の両端の第3クランク回転角(β1)および第4クランク回転角(β2)との幅を、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dd=β2−β1)とすることを特徴とする請求項7ないし請求項9のいずれか1項に記載の内燃機関燃焼状態判定装置。
  11. 前記基準クランク回転角度幅(B)は、0°より大きく6°以下の範囲内とされ、
    前記解析処理装置(16)は、前記判定燃焼状態クランク回転角度幅(Dn)が、前記基準クランク回転角度幅(B)の範囲内にある場合に、内燃機関(E)の燃焼状態が異常燃焼状態であると判定することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関燃焼状態判定装置。
  12. 前記基準クランク回転角度幅(B)は0°より大きく4°以下であることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関燃焼状態判定装置。
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