JP4214041B2 - 飲料用保温保冷装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、家や自動車等で使用され、ジュース、お茶またはコーヒー等の入った缶あるいはペットボトル等の飲料入り容器を適度な温度に保つための飲料用保温保冷装置に関する。
従来の飲料用保温保冷装置は、図11に示すように、飲料入り容器1002を収納するための収納部1030を有する収納本体1003と、この収納本体1003の収納部1030を冷却または加熱するペルチェ素子1001とを備え、このペルチェ素子1001により、上記収納部1030に収納された上記飲料入り容器1002を保温または保冷していた(特開平9−61032号公報:特許文献1、および、特開2001−208465号公報:特許文献2参照)。
しかしながら、上記従来の飲料用保温保冷装置では、上記ペルチェ素子1001にて上記飲料入り容器1002を適度な温度に保持しているので、例えば、上記ペルチェ素子1001にて上記飲料入り容器1002を冷却する場合、このペルチェ素子1001の冷却効率は低く、冷却に必要な吸熱量の数倍のエネルギーを投入しなければ十分な冷却性能を得ることができなかった。
これは、上記ペルチェ素子1001の構造が、図12に示すように、第1の金属電極1121a、p型半導体1106、第2の金属電極1121b、n型半導体1107および第3の金属電極1121cが順に電気的に直列に接続しており、上記p型半導体1106から上記n型半導体1107に電子が移動するように外部から電圧を加えた場合に、上記第1の金属電極1121aから上記p型半導体1106、および、上記n型半導体1107から上記第3の金属電極1121cに電子が移動する接合面では発熱が起こり、逆に、上記p型半導体1106から上記第2の金属電極1121b、および、上記第2の金属電極1121bから上記n型半導体1107に電子が移動する接合面では吸熱が起こり、上記p型半導体1106および上記n型半導体1107の両端に温度差が発生するペルチェ効果を応用した素子であるが、上記p型半導体1106および上記n型半導体1107の内部を、熱伝導による矢印1122にて示す熱流があるために、熱変換効率が劣り、所定の冷却能力を得ようとすると、消費電力が大きくなる課題があった。
また、ペルチェ素子は、有害物質のテルルを材料として使用しており、取扱いを誤ると環境へ悪影響を及ぼす危険性があった。
特開平9−61032号公報 特開2001−208465号公報
そこで、この発明の課題は、消費電力量を大幅に低減した飲料用保温保冷装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の飲料用保温保冷装置は、
飲料入り容器を収納するための収納部を有する収納本体と、
この収納本体の収納部を冷却または加熱すると共に吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置と
を備え
上記電子ヒートポンプ装置は、
第1の電極基板と、
この第1の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第1の半導体基板と、
この第1の半導体基板の他面に設けられた第1の内部電極と、
第2の電極基板と、
この第2の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第2の半導体基板と、
この第2の半導体基板の他面に設けられた第2の内部電極と
を備え、
上記第1の内部電極と上記第2の内部電極とは、隙間をあけて対向するように配置され、
かつ、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記第1の内部電極と上記第2の内部電極との間の上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されており、
さらに、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間に配置されて上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材と、
上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間の真空を維持する封止部材と
を備えることを特徴としている。
ここで、上記真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置とは、例えば、二つの電極間をナノレベル(例えば、1nm〜10nm)の距離に近づけて真空ギャップを形成し、電圧を印加することでエミッタ側からコレクタ側へ電子トンネル効果を利用した電子放出により、冷却および加熱を行う装置をいう。また、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、電気的および熱的に伝導性を有するものである。上記第1の半導体基板および上記第2の半導体基板としては、例えば、n型のSi基板(ウエハ)を用いる。上記間隔保持部材としては、例えば、絶縁性のワッシャや、樹脂製のボルト等を用いる。上記封止部材としては、電気的および熱的に絶縁性であり、例えば、低融点のガラスを用いる。上記第1の内部電極は、例えば、上記第1の半導体基板の表面に、導電性材料を薄膜状に形成してなるものである。上記第2の内部電極は、例えば、上記第2の半導体基板の表面に、導電性材料を薄膜状に形成してなるものである。上記隙間は、真空状態において、エミッタ側からコレクタ側に移動する高エネルギー電子をフィルタリングする。上記半導体基板に上記スペーサ部が一体に形成されているとは、例えば、上記半導体基板がSi基板である場合、この基板表面に、例えば、熱酸化を施してSiO 2 膜を形成し、このSiO 2 膜をエッチングすることで、上記スペーサ部が形成される。
この発明の飲料用保温保冷装置によれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を備えるので、ペルチェ効果を応用しないで、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に減らすことができる。また、ペルチェ素子の材料となる有害物質を使用しないので、環境にやさしいものになる。また、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されているので、部品数を減少した簡単な構成で、熱の逆流を防止しつつ、真空ギャップを所定の間隔に確保できる。具体的に述べると、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、部品数を減少でき、小型化、軽量化およびコスト削減を図ることができる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記電子ヒートポンプ装置における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在している。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、上記吸熱側と上記放熱側との間のスペーサ部にて、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離しているので、例えば、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、小型化および軽量化を図ることができる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中空部を有する。
ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、例えば、CuまたはCu合金からなるステムである。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、上記第1の半導体基板、上記第2の半導体基板、上記第1の内部電極および上記第2の内部電極は、上記両方の電極基板の中空部に挟まれているので、大気圧の応力影響を受けるのは、上記両方の電極基板の最外部のみとなり、直接に、上記第1の半導体基板、上記第2の半導体基板、上記第1の内部電極および上記第2の内部電極に応力を加えることが無くなって、圧力たわみによる変形および破壊が生じない構造の電子ヒートポンプ装置が実現可能となる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中実である。
ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板としては、例えば、タングステン、タングステンカーバイト、銅、シリコン等の材料からなる。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、中実であるので、この電子ヒートポンプ装置を薄く小型にできて、飲料用保温保冷装置の一層の小型化を図ることができる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、略直方体状である。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、この電子ヒートポンプ装置を略直方体チップ形状にできて、例えば、新たな、または、既存の飲料用保温保冷装置の内部に組み込み易くなる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記収納本体の収納部を冷却する状態にある上記電子ヒートポンプ装置の放熱側を冷却する冷却機構を備える。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、上記冷却機構により上記電子ヒートポンプ装置の放熱側を冷却するので、上記電子ヒートポンプ装置の熱を外部へ強制的に排出することができて、冷却効果を向上できる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記冷却機構は、上記電子ヒートポンプ装置の放熱側に熱的に接触するヒートシンクと、このヒートシンクを冷却する冷却ファンとを備える。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、上記冷却機構は、上記ヒートシンクおよび上記冷却ファンを備えるので、簡単な構成で、確実に熱を排出できる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記冷却機構は、順次環状に接続された、冷却ジャケット、リザーブタンク、ヒートシンクおよびポンプを備え、上記冷却ジャケットは、上記電子ヒートポンプ装置の放熱側に熱的に接触するように配置される。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、上記冷却機構は、冷却ジャケット、リザーブタンク、ヒートシンクおよびポンプを備えるので、簡単な構成で、確実に熱を排出できる。また、上記冷却機構は、例えば、水冷式の冷却機構であるので、騒音の発生を防止した静かな装置になる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記電子ヒートポンプ装置は、複数存在し、この複数の電子ヒートポンプ装置は、電気的に接続されて、モジュール化されている。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、大きな容量の飲料入り容器を迅速に冷却することができる。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記封止部材は、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板とに接触し、電気的および熱的に絶縁性である。なお、上記封止部材は、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板とを封止する一つの部材であってもよく、あるいは、上記第1の電極基板と上記間隔保持部材との間を封止する部分と、上記第2の電極基板と上記間隔保持部材との間を封止する部分との別体であってもよい。
また、一実施形態の飲料用保温保冷装置では、上記第1の内部電極の仕事関数は、上記第2の内部電極の仕事関数と略等しい。
ここで、「仕事関数」とは、一般に、ある材料に何らかのエネルギー(例えば、熱や電界印加等)を与えて、その材料表面から外部のエネルギー障壁(例えば、真空)を超えて電子を取り出す場合における、その材料の電子放出能力を示す物性値であり、低い仕事関数の方が電子の放出量が多いとされる。
上記第1の内部電極および上記第2の内部電極は、導電性の複合材料からなり、例えば、Ag、Ti、Au薄膜の表面を酸化セシウムが覆っている構成である。
この一実施形態の飲料用保温保冷装置によれば、上記第1の内部電極の仕事関数が、上記第2の内部電極の仕事関数と略等しいので、電流供給の方向を逆方向にすることで、熱の移動方向を容易に反転できる。
この発明の飲料用保温保冷装置によれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を備えるので、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に低減できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の飲料用保温保冷装置の一実施形態である断面図を示している。
この飲料用保温保冷装置は、飲料入り容器2を収納するための収納部30を有する収納本体3と、この収納本体3の収納部30を冷却または加熱する電子ヒートポンプモジュール1とを備える。
上記飲料入り容器2としては、例えば、ジュース、お茶またはコーヒー等の飲料の入った缶あるいはペットボトル等の容器である。
上記収納本体3は、筒状の容器本体31と、この容器本体31の内面に取り付けられた筒状の断熱部材32と、この断熱部材32の内面に取り付けられた有底筒状の伝熱ケース33とを備える。
上記容器本体31は、樹脂等で形成され、上記断熱部材32は、ウレタン等の断熱材で形成され、上記伝熱ケース33は、アルミニウムやマグネシウム等の熱伝導性の良好な材質で形成される。
上記収納部30は、上記容器本体31の内面、上記断熱部材32の内面および上記伝熱ケース33の内面にて、形成される。すなわち、上記飲料入り容器2が上記収納部30に収納された状態において、上記飲料入り容器2は、上記伝熱ケース33の内部に収納されることになる。
上記電子ヒートポンプモジュール1は、略板状に形成され、上記電子ヒートポンプモジュール1の一面側(上面側)が、上記伝熱ケース33の底部の外側(下側)に熱的に接触するように配置され、上記伝熱ケース33を介して、上記伝熱ケース33に収納されている上記飲料入り容器2を加熱または冷却する。
上記電子ヒートポンプモジュール1には、順次、切り替えスイッチ5、電源スイッチ6およびDCジャック7が、リード線8にて、電気的に接続されている。
上記切り替えスイッチ5は、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側を冷却または加熱に切り替える。具体的に述べると、上記切り替えスイッチ5を「保冷」にすると、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側(上面側)の温度が下がると共に上記電子ヒートポンプモジュール1の他面側(下面側)の温度が上がる。一方、上記切り替えスイッチ5を「保温」にすると、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側(上面側)の温度が上がると共に上記電子ヒートポンプモジュール1の他面側(下面側)の温度が下がる。
上記電源スイッチ6は、上記電子ヒートポンプモジュール1の電源のON/OFFを切り替える。上記DCジャック7は、ACアダプタや自動車のシガーソケット等に差し込まれて電源を供給する。
上記飲料用保温保冷装置の作用を説明すると、上記切り替えスイッチ5を「保冷」にした場合、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側の温度が下がって、上記電子ヒートポンプモジュール1は、上記伝熱ケース33を介して、この伝熱ケース33に接触している上記飲料入り容器2を冷却する。一方、上記切り替えスイッチ5を「保温」にした場合、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側の温度が上がって、上記電子ヒートポンプモジュール1は、上記伝熱ケース33を介して、この伝熱ケース33に接触している上記飲料入り容器2を加熱する。なお、上記伝熱ケース33を移動する熱は、上記断熱部材32により、上記容器本体1と遮断されており、上記飲料入り容器2を、効率的に、保温または保冷することができる。
また、上記収納本体3は、上記収納部30と反対側に開口している開口部34を有する。この開口部34には、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側(下面側)に熱的に接触するように、冷却機構10が取り付けられている。
この冷却機構10は、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側に熱的に接触するヒートシンク11と、このヒートシンク11を冷却する冷却ファン12とを備える。このヒートシンク11は、金属等の熱伝導性の優れた材質で形成される。
この冷却機構10の作用を説明すると、上記切り替えスイッチ5を「保冷」にして、上記電子ヒートポンプモジュール1が上記収納部30を冷却する状態にあるとき、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側(放熱側)の熱を上記ヒートシンク11に伝達させ、このヒートシンク11に上記冷却ファン12から空気を吹き付け、上記ヒートシンク11の熱を除去して、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側(放熱側)を冷却する。したがって、上記電子ヒートポンプモジュール1の熱を外部へ強制的に排出することができて、冷却効果を向上できる。
なお、上記収納本体3の上記容器本体31には、上記開口部34と外部とが連通するための空気孔34aが設けられており、矢印に示すように、上記冷却ファン12にて外部から吸入した空気を、上記空気孔34aを通して、外部へ排出することができ、上記電子ヒートポンプモジュール1の熱を確実に排出することができる。
上記電子ヒートポンプモジュール1は、図2に示すように、例えば金属等の熱伝導性に優れた材質にて形成された第1と第2の伝熱プレート41,42と、この第1と第2の伝熱プレート41,42の間に挟まれた複数の真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置100とを備える。この複数の電子ヒートポンプ装置100は、直列または並列または直並列混載に、電気的に接続されている。
このように、上記複数の電子ヒートポンプ装置100がモジュール化されているので、大きな容量の飲料入り容器2を迅速に冷却または加熱することができる。
上記電子ヒートポンプ装置100は、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された構造であり、ペルチェ効果を応用しない電子ヒートポンプ機構になる。また、上記電子ヒートポンプ装置100における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在しており、例えば、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、簡素な構成にできる。
上記電子ヒートポンプ装置100は、略円盤形状であり、上記切り替えスイッチ5により上記電子ヒートポンプ装置100に流れる電流の向きを切り替えることで、上記電子ヒートポンプ装置100の一面を吸熱側にすると共に上記電子ヒートポンプ装置100の他面を放熱側にし、または、上記電子ヒートポンプ装置100の一面を放熱側にすると共に上記電子ヒートポンプ装置100の他面を吸熱側にする。すなわち、上記第1の伝熱プレート41は、上記電子ヒートポンプ装置100の一面に熱的に接触し、上記第2の伝熱プレート42は、上記電子ヒートポンプ装置100の他面に熱的に接触する。
以下、上記電子ヒートポンプモジュール1(上記電子ヒートポンプ装置100)が、上記飲料入り容器2を冷却する状態にあるものとして、説明する。
上記電子ヒートポンプ装置100は、図3の斜視図、図4の縦断面図および図5の要部拡大図に示すように、電気的および熱的に伝導性の第1の電極基板103と、この第1の電極基板103に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第1の半導体基板110と、この第1の半導体基板110の他面に設けられた第1の内部電極111と、電気的および熱的に伝導性の第2の電極基板104と、この第2の電極基板104に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第2の半導体基板120と、この第2の半導体基板120の他面に設けられた第2の内部電極121と、上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間に配置されて上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材106と、上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間の真空を維持する封止部材107とを備える。
この場合、上記第1の半導体基板110および上記第1の内部電極111にて、電子を放出するエミッタ101を形成し、上記第2の半導体基板120および上記第2の内部電極121にて、電子を受け取るコレクタ102を形成する。
ここで、上記第1の電極基板103は、(図2に示す)上記第1の伝熱プレート41に熱的に接触し、この第1の伝熱プレート41は、(図1に示す)上記伝熱ケース33に熱的に接触するものとする。
上記第1の電極基板103および上記第2の電極基板104は、それぞれ、中空部を有するステムであり、以下、上記第1の電極基板103を第1のステム103とよび、上記第2の電極基板104を第2のステム104とよぶ。
上記エミッタ101と上記コレクタ102とは、対向して配置され、上記エミッタ101と上記コレクタ102との間には、隙間(真空ギャップ)Gを有する。上記第1のステム103と上記第2のステム104とは、電源108に接続される。
この電子ヒートポンプ装置100の作用を説明すると、図3と図6に示すように、上記電源108から上記第1のステム103および上記第2のステム104に電流を流すことで、電子が、矢印に示すように、上記エミッタ101から上記コレクタ102へ移動する。このとき、上記電子は、運動エネルギーが小さいけれども、物理的ギャップが狭いために、「電子トンネル効果」と呼ばれる現象で、上記隙間(障壁)Gをすり抜けて、上記コレクタ102側へ移動できる。また、運動エネルギー(熱エネルギー)を持った電子(障壁を移動する電子)が、上記エミッタ101から上記コレクタ102に移動することで、上記エミッタ101のエネルギー不足が起こり、上記エミッタ101側では吸熱による冷却が起こる。このような現象によって、上記エミッタ101側(上記第1のステム103)が、冷却(吸熱)側になり、上記コレクタ102側(上記第2のステム104)が、放熱(加熱)側になる。
図3、図4および図5に示すように、上記第1の内部電極111は、上記第1の半導体基板110の他面の略全体的に設けられ、上記第2の内部電極121は、上記第2の半導体基板120の他面の一部を除いた全体的に設けられる。
上記エミッタ101と上記コレクタ102とは、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121とを上記隙間Gをあけて対向するように配置される。
上記第2の半導体基板120には、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gを一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部105が一体に形成されている。
要するに、複数の上記スペーサ部105は、上記第2の半導体基板120に一体に形成されると共に上記第1の内部電極111に接触し、さらに、上記複数のスペーサ部105は、互いに間隔をもって、上記第2の半導体基板120の全面に、略一様に分布して整列されており、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gを一定に保ち、上記スペーサ部105の厚みにて、上記隙間Gの大きさが決定される。
具体的には、上記第1と第2の半導体基板110,120として、例えば、n型のSi基板(ウエハ)を用いた場合、上記第2の半導体基板120の表面に熱酸化を施してSiO2膜を形成し、このSiO2膜をエッチングして上記スペーサ部105が形成される。
上記第1の内部電極111の表面および上記第2の内部電極121の表面における最大高さ粗さRzの値は、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間隔の最小値の1/2以下、好ましくは1/4以下である。
このように、上記最大高さ粗さRzの値が、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間隔の最小値の1/2以下であるので、上記両方の内部電極111,121の表面を平滑にして、上記両方の内部電極111,121の表面の凹凸による荒れによって発生する不具合を低減する。
例えば、表面の凸部同士の対向における上記両方の内部電極111,121の接触による短絡不良を低減し、表面の凹部同士の対向における間隔(真空ギャップ)の広がりによる電子放出量の減少および冷却量の減少を低減する。
すなわち、上記最大高さ粗さRzの値が、上記間隔の最小値の1/2を越えると、表面の凹部同士の対向や反りによる間隔(真空ギャップ)の広がりによって、上記エミッタ101からの電子放出量が減少して冷却量が減少する一方、表面の凸部同士の対向によって、上記両方の内部電極111,121が接触して短絡不良が生じるおそれがある。
上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121は、単一金属、金属合金、金属と非金属との化合物、半導体材料および不純物ドープ半導体材料の内の何れか一つであり、上記両方の内部電極111,121の表面の平滑性と上記エミッタ101からの電子放出とを効果的に実現することができる。
上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121の内の少なくとも上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)は、セシウム(Cs)、カーボン(C)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、金(Au)、プラチナ(Pt)、アルミ(Al)の内の少なくとも一つを含む材料からなる。
このように、少なくとも上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)が、仕事関数の低い材料からなり、上記エミッタ101側からの電子放出を高め、電圧印加の量を低減でき、消費電力の低減が可能となる。
上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)の仕事関数は、上記第2の内部電極121(コレクタ側の電極)の仕事関数と略等しいか、もしくは、上記第2の内部電極121(コレクタ側の電極)の仕事関数よりも低い。
このように、上記第1の内部電極111の仕事関数が、上記第2の内部電極121の仕事関数と略等しい場合、電流供給の方向を逆方向にすることで、熱の移動方向を容易に反転できる。他方、上記第1の内部電極111の仕事関数が、上記第2の内部電極121の仕事関数よりも低い場合、両方の内部電極111,121に温度差が生じたとき、上記コレクタ側の加熱による熱電子放出量を低減でき、かつ、電圧印加の量を低減できて、特に、この飲料用保温保冷装置を冷却用として使用する場合、消費電力の低減が可能となる。
上記第1のステム103および上記第2のステム104は、それぞれ、中空部130,140を有し、この両方の中空部130,140と、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gとは、真空であり、上記両方の中空部130,140と上記隙間Gとは、上記第1のステム103および上記第2のステム104に設けられた通気孔132a,142aを介して、同じ真空度である。
具体的に述べると、上記第1のステム103は、銅製容器体131と、この容器体131を蓋すると共に上記通気孔132aが設けられた銅製平板132とを有する。上記容器体131と上記平板132にて囲まれた空間にて、上記中空部130を形成し、この中空部130と上記第1のステム103の外部とが、上記通気孔132aを介して、連通する。
同様に、上記第2のステム104は、銅製容器体141と、この容器体141を蓋すると共に上記通気孔142aが設けられた銅製平板142とを有し、上記容器体141と上記平板142にて上記中空部140を形成し、この中空部140と上記第2のステム104の外部とが、上記通気孔142aを介して、連通する。
そして、上記エミッタ101および上記コレクタ102は、上記第1のステム103の平板132と上記第2のステム104の平板142とに挟まれる。
このように、上記エミッタ101および上記コレクタ102は、上記両方のステム103,104の中空部130,140に挟まれているので、大気圧の応力影響を受けるのは、上記両方のステム103,104の最外部(上記容器体131,141)のみとなり、直接に、上記エミッタ101および上記コレクタ102に応力を加えることが無くなって、圧力たわみによる変形および破壊が生じない。
上記第1のステム103および上記第2のステム104は、それぞれ、CuまたはCu合金からなるので、上記エミッタ101および上記コレクタ102にて生じた熱を、効果的にかつ効率的に、外部の熱伝導部へ伝えることができる。
上記間隔保持部材106は、上記第1のステム103の上記平板132と上記第2のステム104の上記平板142との間に介在する。上記間隔保持部材106は、SiO2を主成分する材料であり、上記エミッタ101および上記コレクタ102の熱膨張係数と同等以下である。
このように、上記間隔保持部材106は、上記電子ヒートポンプ装置100の製造において、上記エミッタ101、上記コレクタ102および上記両方のステム103,104における振動および傾き等の外部応力で、上記スペーサ部105に急峻で致命的な破壊応力が加わらないように、上記両方のステム103,104を一定間隔に維持および応力分散する作用を有し、かつ、真空封止作業で、上記封止部材107が、上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121に至らないように保護する作用を有する。
上記封止部材107は、上記第1のステム103の外周と上記第2のステム104の外周とを覆うように接触し、電気的および熱的に絶縁性である。具体的には、上記封止部材107は、上記第1のステム103の上記平板132と上記第2のステム104の上記平板142との間に介在すると共に、上記第1のステム103の上記平板132の外周縁と上記第2のステム104の上記平板142の外周縁とを覆っている。上記封止部材107としては、例えば、低融点のガラスを用いる。
上記構成の電子ヒートポンプ装置100によれば、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間に上記隙間G(真空ギャップ)を有するので、この電子ヒートポンプ装置100を真空ギャップダイオード構造にできて、熱の逆流を防止して、ペルチェ素子よりも消費電力を少なくできる。
また、上記第2の半導体基板120には、上記隙間Gを一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の上記スペーサ部105が一体に形成されているので、簡単な構成で、熱の逆流を防止しつつ、真空ギャップを所定の間隔に確保できる。具体的に述べると、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、部品数を減少でき、小型化、軽量化およびコスト削減を図ることができる。
また、上記スペーサ部105の厚みを調整して、上記隙間Gをナノレベル(例えば、1nm〜10nm)に近づけることで、障壁高さを低減でき、上記エミッタ101の電子放出の効果を高めることが可能になる。
なお、図示しないが、上記電子ヒートポンプ装置100にて上記飲料入り容器2を加熱する場合、上記第1のステム103および上記第2のステム104に逆方向の電流を流せばよい。この場合、上記第1の半導体基板110および上記第1の内部電極111にて、電子を受け取るコレクタを形成し、上記第2の半導体基板120および上記第2の内部電極121にて、電子を放出するエミッタを形成する。
上記構成の飲料用保温保冷装置によれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された上記真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置100を備えるので、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に減らすことができ、さらに、ペルチェ素子の材料となる有害物質を使用しないので、環境にやさしいものになる。
(第2の実施形態)
次に、図7は、上記冷却機構の他の実施形態を示している。この冷却機構20は、順次配管にて環状に接続された、冷却ジャケット21、リザーブタンク22、ヒートシンク23およびポンプ24を備え、冷凍サイクルを構成する。この冷却機構20は、例えば、グリコール系の不凍液を冷却液としている。なお、図7中の部材において、上記第1の実施形態(図1)の符号と同一のものは、同一の構成である。
上記冷却ジャケット21は、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側(下面側)に熱的に接触するように配置され、熱伝導性の優れた、例えばアルミニウムや銅等で形成される。
上記リザーブタンク22は、上記冷却液の温度変化による膨張または収縮を吸収する。上記ヒートシンク23は、金属等の熱伝導性の優れた材質で形成される。上記ポンプ24は、上記冷凍サイクルにおいて上記冷却液を循環させる。
上記冷却機構20の作用を説明すると、上記電子ヒートポンプモジュール1が上記収納部30を冷却する状態にあるとき、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側(放熱側)で発生した熱を、上記冷却ジャケット21の内部を流れている上記冷却液に伝え、この冷却液を介して、上記ヒートシンク23に熱が循環され、このヒートシンク23に伝わった熱は、外部(外気)へ排出される。また、上記冷却液が循環される上記配管として、例えば、銅等の熱伝導性の良好なものを使用すれば、この配管からも熱が排出される。
なお、上記ヒートシンク23の内側に、冷却ファン等の送風装置を別途取り付けて、熱を外部へ強制的に排出するようにしてもよく、冷却効果を上げることができる。このとき、冷却ファンの回転数を落しても、同様の冷却効果が得られるため、騒音の発生を低減できる。
上記ポンプ24は、上記冷却液を上記冷却ジャケット21から上記ヒートシンク23まで循環させるだけの能力があれば良いため、吐き出し圧力の低い小型で軽量のポンプを使用でき、低騒音で低振動の飲料用保温保冷装置を実現できる。
このように、上記冷却ジャケット21から上記ヒートシンク23まで、上記電子ヒートポンプモジュール1の放熱面の熱が、冷却液によって効率良く輸送されて排出されるため、簡単な構成で、騒音の発生を防止しつつ確実に熱を排出できる。
(第3の実施形態)
次に、図8、図9および図10に、上記電子ヒートポンプ装置の他の実施形態を示す。この電子ヒートポンプ装置200は、電気的および熱的に伝導性を有する略直方体状の第1の電極基板203と、この第1の電極基板203に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第1の半導体基板210と、この第1の半導体基板210の他面に設けられた第1の内部電極211と、電気的および熱的に伝導性を有する略直方体状の第2の電極基板204と、この第2の電極基板204に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第2の半導体基板220と、この第2の半導体基板220の他面に設けられた第2の内部電極221と、上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間に配置されて上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材206と、上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間の真空を維持する封止部材207とを備える。
以下、上記電子ヒートポンプ装置200にて上記飲料入り容器2を冷却するとして、説明する。この場合、上記第1の半導体基板210および上記第1の内部電極211にて、電子を放出するエミッタ201を形成し、上記第2の半導体基板220および上記第2の内部電極221にて、電子を受け取るコレクタ202を形成する。
ここで、上記第1の電極基板203は、(図2に示す)上記第1の伝熱プレート41に熱的に接触し、この第1の伝熱プレート41は、(図1に示す)上記伝熱ケース33に熱的に接触するものとする。
上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、中実である。
上記エミッタ201と上記コレクタ202とは、対向して配置され、上記エミッタ201と上記コレクタ202との間には、隙間(真空ギャップ)Gを有する。上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204とは、電源208に接続される。
この電子ヒートポンプ装置200の作用を説明すると、上記電源208から上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204に電流を流すことで、上記エミッタ201および上記コレクタ202に電圧が印加されて電子が供給される。そして、上記エミッタ201側(上記第1の電極基板203)が、冷却(吸熱)側になり、上記コレクタ202側(上記第2の電極基板204)が、放熱(加熱)側になる。
上記第1の内部電極211は、上記第1の半導体基板210の他面の略全体的に設けられている。具体的に述べると、上記第1の半導体基板210は、導電性を得るために表面研磨されたn型シリコン基板であり、上記第1の内部電極211は、上記n型シリコン基板の表面研摩された面に、セシウムが表面を被覆したTi薄膜である。上記エミッタ201は、略直方体形状である。
上記第2の内部電極221は、上記第2の半導体基板220の他面の一部を除いた全体的に設けられる。上記第2の半導体基板220には、電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部205が一体に形成されている。
具体的に述べると、上記第2の半導体基板220は、導電性を得るために表面研磨されたn型シリコン基板であり、このn型シリコン基板の表面研磨された面に、熱酸化膜を形成し、フォトエッチングによりパターニングして、正方形格子状に配置した酸化シリコンのスペーサ部205が形成される。このスペーサ部205の周囲を除いてパターニングしたTi薄膜にて第2の内部電極221が形成される。上記コレクタ202は、略直方体形状であり、上記スペーサ部205の厚みと、Ti薄膜の上記第2の内部電極221の膜厚との差が、上記隙間Gとなる。
複数の上記スペーサ部205は、上記第2の半導体基板220に一体に形成されると共に上記第1の内部電極211に接触し、さらに、上記複数のスペーサ部205は、互いに間隔をもって、上記第2の半導体基板220の全面に、略一様に分布して整列されており、上記第1の内部電極211と上記第2の内部電極221との間の上記隙間Gを一定に保ち、上記スペーサ部205の厚みにて、上記隙間Gの大きさが決定される。
上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、上記間隔保持部材206が、上記第1の電極基板203の外周部と上記第2の電極基板204の外周部とに接触している状態において、外部の大気圧と内部の真空とによる圧力差から生じる圧縮応力に対して、上記第1の内部電極211と上記第2の内部電極221とが接触しないような剛性、ヤング率および厚みを有する。
具体的に述べると、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、圧縮応力による応力変形で、上記隙間Gが短絡しないよう、剛性の高い材料としてタングステンからなる。なお、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204の材料として、タングステン以外でもタングステンカーバイトや銅やシリコンを用いてもよく、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204の厚みを調整すればよい。
このように、上記構成の飲料用保温保冷装置によれば、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、中実であるので、上記電子ヒートポンプ装置200を薄く小型にできて、飲料用保温保冷装置の一層の小型化を図ることができる。
また、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、略直方体状であるので、上記電子ヒートポンプ装置200を略直方体チップ形状にできて、例えば、新たな、または、既存の飲料用保温保冷装置の内部に組み込み易くなる。
なお、上記電子ヒートポンプ装置200において、その他の構造および効果は、上記第1の実施形態の電子ヒートポンプ装置100と同じであるので、その説明を省略する。
なお、図示しないが、上記電子ヒートポンプ装置200にて上記飲料入り容器2を加熱する場合、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204に逆方向の電流を流せばよい。この場合、上記第1の半導体基板210および上記第1の内部電極211にて、電子を受け取るコレクタを形成し、上記第2の半導体基板220および上記第2の内部電極221にて、電子を放出するエミッタを形成する。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、上記電子ヒートポンプ装置を、モジュール化せずに、単体(単一素子)にしてもよい。また、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方に、上記スペーサ部を一体に形成すればよい。
本発明の飲料用保温保冷装置の一実施形態を示す縦断面図である。 電子ヒートポンプ装置を搭載した電子ヒートポンプモジュールを示す斜視図である。 電子ヒートポンプ装置を示す斜視図である。 電子ヒートポンプ装置の縦断面図である。 図4のA部拡大断面図である。 電子ヒートポンプ装置の作用説明図である。 本発明の飲料用保温保冷装置の他の実施形態を示す縦断面図である。 他の電子ヒートポンプ装置を示す斜視図である。 他の電子ヒートポンプ装置の縦断面斜視図である。 他の電子ヒートポンプ装置の要部拡大断面図である。 従来の飲料用保温保冷装置を示す縦断面図である。 ペルチェ素子の作用説明図である。
符号の説明
1 電子ヒートポンプモジュール
2 飲料入り容器
3 収納本体
10 冷却機構
11 ヒートシンク
12 冷却ファン
20 冷却機構
21 冷却ジャケット
22 リザーブタンク
23 ヒートシンク
24 ポンプ
30 収納部
100,200 電子ヒートポンプ装置
101,201 エミッタ
110,210 第1の半導体基板
111,211 第1の内部電極
102,202 コレクタ
120,220 第2の半導体基板
121,221 第2の内部電極
103 第1のステム(第1の電極基板)
130 中空部
104 第2のステム(第2の電極基板)
140 中空部
203 第1の電極基板
204 第2の電極基板
105,205 スペーサ部
106,206 間隔保持部材
107,207 封止部材
G 隙間

Claims (9)

  1. 飲料入り容器を収納するための収納部を有する収納本体と、
    この収納本体の収納部を冷却または加熱すると共に吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置と
    を備え
    上記電子ヒートポンプ装置は、
    第1の電極基板と、
    この第1の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第1の半導体基板と、
    この第1の半導体基板の他面に設けられた第1の内部電極と、
    第2の電極基板と、
    この第2の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第2の半導体基板と、
    この第2の半導体基板の他面に設けられた第2の内部電極と
    を備え、
    上記第1の内部電極と上記第2の内部電極とは、隙間をあけて対向するように配置され、
    かつ、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記第1の内部電極と上記第2の内部電極との間の上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されており、
    さらに、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間に配置されて上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材と、
    上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間の真空を維持する封止部材と
    を備えることを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  2. 請求項1に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記電子ヒートポンプ装置における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在することを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  3. 請求項に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中空部を有することを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  4. 請求項に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中実であることを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  5. 請求項に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、略直方体状であることを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  6. 請求項1に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記収納本体の収納部を冷却する状態にある上記電子ヒートポンプ装置の放熱側を冷却する冷却機構を備えることを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  7. 請求項に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記冷却機構は、
    上記電子ヒートポンプ装置の放熱側に熱的に接触するヒートシンクと、
    このヒートシンクを冷却する冷却ファンと
    を備えることを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  8. 請求項に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記冷却機構は、
    順次環状に接続された、冷却ジャケット、リザーブタンク、ヒートシンクおよびポンプを備え、
    上記冷却ジャケットは、上記電子ヒートポンプ装置の放熱側に熱的に接触するように配置されることを特徴とする飲料用保温保冷装置。
  9. 請求項1に記載の飲料用保温保冷装置において、
    上記電子ヒートポンプ装置は、複数存在し、この複数の電子ヒートポンプ装置は、電気的に接続されて、モジュール化されていることを特徴とする飲料用保温保冷装置。
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