JP4213877B2 - マッハツェンダ干渉計光センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マッハツェンダ干渉計光センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
マッハツェンダ干渉計は、一つの光源から出射した光を二つのパスに分岐させた後合波し、その二つのパス間の光路長差に応じた信号を出力するものである。このマッハツェンダ干渉計の一方のパス中に、検出対象となる物理量に応じて光路長を変化させる物理量検出媒質を挿入すればマッハツェンダ干渉計は、任意の物理量検出センサとして使用できる。このようなセンサを以下「マッハツェンダ干渉計光センサ」という。
【0003】
ここで、光路長とは、そのパス中を通過する光が感じるパスの長さで、一般に物理的なパスの長さLとパスの屈折率nとの積の経路積分で表される。パス通過後の光の位相は光路長に応じた位相遅れを有するため、本明細書では、光路長変化を(パス通過後の)光位相変化と言い換えて使用することとする。
【0004】
図4は従来のマッハツェンダ干渉計光センサの概略図である。
【0005】
このマッハツェンダ干渉計光センサは、光源1と、光源1の光軸上に配置された第一のビームスプリッタ2と、第一のビームスプリッタ2の透過光(一方のパスPa )の光軸上に配置された受光器3と、反射光が一方のパスPa と平行になるように第一のビームスプリッタ2の反射光(他方のパスPb )の光軸上に配置された第一のミラー4と、反射光が一方のパスPa と直交するように第一のミラー4の反射光(他方のパスPb )の光軸上に配置された第二のミラー5と、第二のミラー5からの反射光を反射して受光器3に入射するように一方のパスPa上に配置された第二のビームスプリッタ6と、他方のパスPb 上に配置され、検出対象の物理量に応じ、光位相を変化させる物理量検出媒質7とで構成されている。
【0006】
この物理量検出媒質7により他方のパスPb 中の光の位相が変化するようになっている。両ビームスプリッタ2、6の分岐比を1:1とし、パスPa 、Pb 中の光の損失を無視すると、2本のパスPa 、Pb 通過後の光の電場Ea は数1式で表され、電場Eb は数2式で表される。
【0007】
【数1】
Ea =E(t)cos(ωt+La /λ)
【0008】
【数2】
Eb =E(t)cos(ωt+Lb /λ+Δθ)
ここで、ωは光の角周波数、λは光の波長、La 、Lb は2本のパスPa 、Pb の光路長、Δθは物理量検出媒質7において検出対象の物理量に応じて与えられる位相変化量、tは時刻をそれぞれ示す。
【0009】
数1式及び数2式で表される2本のパスPa 、Pb 中の光はビームスプリッタ6により合波され、受光器3で光信号が検出される。受光器3における光強度は数3式で表される。
【0010】
【数3】
ここで、I0 は〈E2 〉を示し、Δθs は物理量検出媒質7で与えられる光位相変化量を示し、λは光の波長を示している。ΔLは2本のパスPa 、Pb の光路長差でLb −La である。V(l,ΔL)はvisivility(可視度)と呼ばれる二つの光の干渉性を表すパラメータであり、光源1のコヒーレント長lと、2本のパスPa 、Pb の光路長差ΔLに依存し、l→∞、ΔL→0の極限で1、l→0、ΔL→∞の極限で0となる。
【0011】
数3式において、右辺の第一項は光源1の光強度のみに依存するオフセットである。
【0012】
一方、数3式の右辺の第二項は、物理量検出媒質7によって与えられる光位相変化量Δθsに依存する(以下この右辺第二項を「干渉信号」という。)。
【0013】
数3式におけるI0 、l、ΔLが時間で変化しないとすれば、物理量検出媒質7で与えられる位相変化量Δθsによって干渉信号は一意的に決定される。このことを利用して従来は、干渉信号強度を測定し、その結果から検出対象の物理量を演算する方法がとられていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、通常の環境下では、光源1の周囲温度や、光源1の駆動電流の変化によって、光強度I0 及び光源1のコヒーレント長lは変化する。またマッハツェンダ干渉計の周囲温度の変化によって、マッハツェンダ干渉計のパスPa 、Pb の長さや屈折率も変化し、2本のパスPa 、Pb の光路長差ΔLも変化する。この場合、干渉信号は位相変化量Δθs によって一意に決定されないため、干渉信号強度から検出対象の物理量を正しく演算することができない。特に、屋外でマッハツェンダ干渉計光センサを使用する場合、周囲温度の変化が激しく、このことが大きな問題となっていた。
【0015】
以上の理由により、従来の技術では、光源やマッハツェンダ干渉計の周囲温度の変化等により、光源の光強度、干渉性、マッハツェンダ干渉計の光路長差が時間で変化すると、干渉信号強度が変化し、測定対象の物理量が正しく演算できなくなるという問題があった。
【0016】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、測定環境の影響を受けることなく正確に物理量を測定することができるマッハツェンダ干渉計光センサを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のマッハツェンダ干渉計光センサは、レーザ光源から出射した光を光路長差が上記レーザ光源のコヒーレント長よりも短くなるように設定されている二つのパスに分岐させた後合波させて受光器で受光すると共に、一方のパス中に物理量検出媒質を挿入し、両パス間の光路長差に応じた信号を受光器で検出するマッハツェンダ干渉計光センサにおいて、物理量検出媒質に接続され検出物理量に応じた振幅の光位相変化を与えるための第一の発振器と、他方のパス中に挿入された位相変調器と、第一の発振器と異なる発振周波数を有すると共に位相変調器において一定の振幅の光位相変化を与えるための第二の発振器と、受光器の信号の中から物理量検出媒質による光位相変化信号Vs及び位相変調器による光位相変化信号Vrefを分離し、光位相変化信号Vrefにより光位相変化信号Vsを規格化し、得られた演算結果に比例する信号Voutを出力する信号処理回路とを備えたものである。
【0018】
上記構成に加え本発明のマッハツェンダ干渉計光センサの信号処理回路は、受光器から出力される信号の中から第一の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vs を出力する第一のフィルタと、受光器から出力される信号の中から第二の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vref を出力する第二のフィルタと、光位相変化信号Vref により上記光位相変化信号Vs を規格化し、得られた演算結果に比例する信号Vout を出力する演算器とで構成されていてもよい。
【0019】
上記構成に加え本発明のマッハツェンダ干渉計光センサの信号処理回路は、第一の発振器と物理量検出媒質との間に接続され制御信号が入力されるとOFFからONに切替わる第一のスイッチと、第二の発振器と位相変調器との間に接続され制御信号が入力されるとOFFからONに切替わる第二のスイッチと、第一のスイッチ及び第二のスイッチに交互に制御信号を入力すると共にいずれのスイッチがONであるかを表示する表示信号を発生するスイッチ制御装置と、受光器から出力される信号の中から第一の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vs と第二の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vref とを表示信号で識別すると共に、光位相変化信号Vref により光位相変化信号Vs を規格化し、得られた演算結果に比例する信号Vout を出力する演算器とで構成されていてもよい。
【0021】
本発明によれば、物理量検出媒質による光位相変化信号Vs と位相変調器による信号Vref とをフィルタ若しくはスイッチで分離し、位相変調器による信号Vref を用いて物理量検出媒質による光位相変化信号Vs を規格化することで、光源の光強度、干渉性、マッハツェンダ干渉計の光路長差の時間的変化がある場合でも測定対象の物理量によって一意的に定まる信号を取り出すことができ、測定環境の変化によらないマッハツェンダ干渉計光センサが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
図1は本発明のマッハツェンダ干渉計光センサの一実施の形態を示す概略図である。なお、図4に示した従来例と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0024】
このマッハツェンダ干渉計光センサは、主に光源1から出射した光を二つのパスPa、Pbに分岐させた後合波させて受光器3で受光すると共に、一方のパスP b 中に物理量検出媒質7を挿入し、両パスPa、Pb間の光路長差に応じた信号を受光器3で検出するマッハツェンダ干渉計光センサであって、物理量検出媒質7に接続され検出物理量に応じた振幅の光位相変化を与えるための第一の発振器10と、他方のパスP a 中に挿入された位相変調器11と、第一の発振器10と異なる発振周波数を有すると共に位相変調器11において一定振幅の光位相変化を与えるための第二の発振器12と、受光器3の信号の中から物理量検出媒質7による光位相変化信号Vs及び位相変調器11による光位相変化信号Vrefを分離し、光位相変化信号Vrefにより光位相変化信号Vsを規格化し、得られた演算結果に比例する信号Voutを出力する信号処理回路13とで構成されたものである。
【0025】
信号処理回路13は、受光器3から出力される信号の中から第一の発振器10の発振周波数ωs に対応した光位相変化信号Vs を出力する第一のフィルタ14と、受光器3から出力される信号の中から第二の発振器12の発振周波数ωref に対応した光位相変化信号Vref を出力する第二のフィルタ15と、光位相変化信号Vref により光位相変化信号Vs を規格化し、得られた演算結果に比例する信号Vout を出力する演算器16とで構成されている。
【0026】
物理量検出媒質7としては、外界の磁束密度に応じ、光ファイバの長さを変化させる一定電流を流したメタルコートファイバや、印加電圧に応じ、その屈折率を変化させる電気光学効果を有する結晶等が挙げられる。
【0027】
位相変調器11は、パスPa を通過する光に対し、常に一定の位相変化を与えるものとし、使用環境内の物理量変化(温度等)に対する位相変化量の依存性が十分小さいものとする。位相変調器11の例としては、LiNbO3 結晶を用いた位相変調器や、光ファイバ及びファイバ延伸機構を組み合わせた位相変調器が挙げられる。
【0028】
ビームスプリッタ2、6の分岐比を1:1、光路中の光の損失を無視すると、2本のパスPa 、Pb 通過後の光の電場Ea は数4式で表され、電場Eb は、数5式で表される。
【0029】
【数4】
Ea =E(t)cos(ωt+La /λ+Δθref )
【0030】
【数5】
Eb =E(t)cos(ωt+Lb /λ+Δθ)
ここで、ωは光の角周波数、λは光の波長、La 、Lb は2本のパスPa 、Pb の光路長、Δθは物理量検出媒質7において検出対象の物理量に応じて与えられる位相変化量、tは時間をそれぞれ示す。数4式及び数5式で表される2本のパスPa 、Pb の光はビームスプリッタ2、6により合波され、受光器3において光信号が検出される。受光器3における光強度は数6式で表される。
【0031】
【数6】
ここで、I0 は〈E2 〉を示し、Δθs は物理量検出媒質7で与えられる光位相変化量を示し、λは光の波長を示している。ΔLは2本のパスPa 、Pb の光路長差でLb −La である。V(l,ΔL)はvisivility(可視度)と呼ばれる二つの光の干渉性を表すパラメータであり、光源1のコヒーレント長lと、2本のパスPa 、Pb の光路長差ΔLに依存し、l→∞、ΔL→0の極限で1、l→0、ΔL→∞の極限で0となる。
【0032】
第一の発振器10は、角周波数ωs の交流発振器であり、物理量検出媒質7の駆動電源でもある。物理量検出媒質7が磁束密度を検出するメタルコートファイバの場合、メタルコートファイバに印加する電流源が第一の発振器10に相当する。電界を検出する電気光学結晶の場合、測定対象の直流電界を交流電界振幅に変換する電源回路が第一の発振器10に相当する。このような発振器10を用いて物理量検出媒質7において与えられる位相変化量Δθs が駆動信号に比例すると、Δθs は数7式で与えられる。
【0033】
【数7】
Δθs =Sαcos(ωs t+θs )
ここで、Sは検出対象の物理量の大きさ、α、Δθsは発振器10と物理量検出媒質7によって決定される定数であり、ωs は第一の発振器10の角周波数であり、tは時間である。
【0034】
第二の発振器12は、角周波数ωref の交流発振器であり、位相変調器11の駆動電源である。位相変調器11にLiNbO3 結晶を用いる場合、結晶に印加する振幅一定の交流電圧源がこの第二の発振器に相当する。光ファイバと光ファイバ延伸機(いずれも図示せず。)とを位相変調器11に用いる場合は光ファイバ延伸機を駆動する電源が第二の発振器12に相当する。第二の発振器12を用いて、位相変調器11で与えられる位相変化量Δθref が駆動信号に比例する場合には、Δθref は数8式で与えられる。
【0035】
【数8】
Δθref =β(ωref t+θref )
ここで、β、θref は、位相変調器11と第二の発振器12とで決定される定数、ωref は第二の発振器12の角周波数であり、tは時間である。
【0036】
次に、数7式及び数8式を受光器3に入力する光強度の数6式に代入する。この際、物理量検出媒質7及び位相変調器11で与えられる位相変調の振幅がπ (rad)に比較し、十分小さい領域で使用する場合、数6式は以下の数9式で表される。
【0037】
【数9】
【0038】
数9式におけるJ0 (x)、J1 (x)はそれぞれ0次、1次のベッセル関数である。
【0039】
数9式より受光器3に入力する光の光強度には直流成分と角周波数ωs 、ωref 、ωs +ωref 、ωs −ωref の4つの交流成分が含まれることが分かる。受光器3からこの光強度に比例する信号が出力するものとする。両フィルタ14、15は受光器3の出力信号のうち、角周波数がωs 、ωref の成分の振幅に比例した信号を出力するものであり、例えば、両発振器10、12の信号を同期信号としたロックインアンプ(図示せず。)で実現することができる。両フィルタ14、15におけるゲインを「1」とした場合、両フィルタ14、15の出力信号Vs は数10式、Vref は数11式で表される。
【0040】
【数10】
Vs =−2I0 Vsin(ΔL/λ)J1 (Sα)J0 (β)
【0041】
【数11】
Vref =−2I0 Vsin(ΔL/λ)J0 (Sα)J1 (β)
演算器16は、(光位相変化信号Vs )/(光位相変化信号Vref )の除算を行い、その結果に比例した信号Vout を出力する。演算器16のゲインを「1」とした場合、信号Vout は数12式で表される。
【0042】
【数12】
【0043】
数12式で表されるこのマッハツェンダ干渉計光センサの出力信号Vout には光源光強度I0 、コヒーレント長l、干渉計光路長差ΔLが含まれない。つまり、本発明のマッハツェンダ干渉計光センサは、センサ使用環境の温度等が変化し、I0 、l、ΔL等が一定の時間で変化する場合もそれらの変化に依存せず、検出対象の物理量Sによって一意的に定まる出力を得ることができる。
【0044】
ところで、図1に示した実施例は物理量検出媒質7からの光位相変化信号Vs と位相変調器11からの光位相変化信号Vref とを第一のフィルタ14と第二のフィルタ15とで分離する方法を用いたものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、光位相変化信号Vs 及び光位相変化信号Vref を一定の時間ごとにスイッチで切り換えることによって分離してもよい。
【0045】
図2は本発明のマッハツェンダ干渉計光センサの他の実施の形態を示す概略図である。
【0046】
図1に示した実施の形態との相違点は、光位相変化信号Vs 及び光位相変化信号Vref を一定時間ごとに第一のスイッチ20及び第二のスイッチ21で切り換えて分離するようにした点である。
【0047】
すなわち、本マッハツェンダは、光源1から出射した光を二つのパスPa、Pbに分岐させた後合波させて受光器3で受光すると共に、一方のパスP b 中に物理量検出媒質7を挿入し、両パスPa、Pb間の光路長差に応じた信号を受光器3で検出するマッハツェンダ干渉計光センサであって、物理量検出媒質7に接続され物理量に応じた振幅の光位相変化を与えるための第一の発振器10と、一方のパスPa中に挿入された位相変調器11と、第一の発振器10と異なる発振周波数を有すると共に位相変調器11において一定振幅の光位相変化を与えるための第二の発振器12と、第一の発振器10と物理量検出媒質7との間に接続され制御信号が入力されるとOFFからONに切替わる第一のスイッチ20と、位相変調器11と第二の発振器12との間に接続され制御信号が入力されるとOFFからONに切替わる第二のスイッチ21と、第一のスイッチ20及び第二のスイッチ21に交互に制御信号を入力すると共にいずれのスイッチ20、21がONであるかを表示する表示信号を発生するスイッチ制御装置22と、受光器3から出力される信号の中から第一の発振器10の発振周波数ωsに対応した光位相変化信号Vsと第二の発振器12の発振周波数ωrefに対応した光位相変化信号Vrefとを表示信号で識別すると共に、光位相変化信号Vrefにより光位相変化信号Vsを規格化し、得られた演算結果に比例する信号Voutを出力する演算器23とで構成されている。
【0048】
これら第一のスイッチ20、第二のスイッチ21、スイッチ制御装置22及び演算器23で信号処理回路24が構成されている。
【0049】
物理量検出媒質7及び位相変調器11は各スイッチ20、21がONのときのみ光位相変化が与えられるようになっている。
【0050】
図3(a)は図2に示したマッハツェンダ干渉計光センサの第一のスイッチに印加される制御信号を示し、図3(b)は同マッハツェンダ干渉計光センサの第二のスイッチに印加される制御信号を示し、図3(c)は同マッハツェンダ干渉計光センサの演算器の入力信号を示す。図3(a)〜(c)において横軸は時間を示し、図3(a)、(b)において縦軸はON−OFF状態を示し、図3(c)において縦軸は信号強度を示している。
【0051】
いま、例えば図3(a)、(b)に示すタイミングで、スイッチが切り替わる場合を考える。
【0052】
演算器23に入力する信号は時刻0から時刻ts までの間は物理量検出媒質7に起因する信号Vsであり、ts 〜tref までの間に入力する信号は位相変調器11に起因する信号Vref である。演算器23においてはVs /Vref の演算を行い、その値に比例する信号Vout を出力するものとする。このとき、時刻ts 〜tref が十分小さく、T(=ts +tref )の間I0 、l、ΔLが変化しないとみなせる場合、出力Vout はI0 、l、ΔLによらない量となり、周波数で二つの信号を分離した図1に示したマッハツェンダ干渉計光センサと同様の効果が得られる。
【0053】
以上において、本発明によれば異なる発振周波数で物理量検出媒質と位相変調器に位相変化を与え、第一及び第二のフィルタで分離するかあるいは第一のスイッチ及び第二のスイッチを切替えることで受光器から出力される信号の中から光位相変化信号Vref と光位相変化信号Vs を分離し、光位相変化信号Vref により光位相変化信号Vs を規格化し、得られた演算結果に比例する信号Vout を出力することにより、光源の光強度、干渉性、マッハツェンダ干渉計の光路長差の時間的変化がある場合でも測定対象の物理量によって一意的に定まる信号を取り出すことができ、測定環境の変化によらないマッハツェンダ干渉計光センサが得られる。
【0054】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0055】
測定環境の影響を受けることなく正確に物理量を測定することができるマッハツェンダ干渉計光センサの提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマッハツェンダ干渉計光センサの一実施の形態を示す概略図である。
【図2】本発明のマッハツェンダ干渉計光センサの他の実施の形態を示す概略図である。
【図3】(a)は図2に示したマッハツェンダ干渉計光センサの第一のスイッチに印加される制御信号を示し、(b)は同マッハツェンダ干渉計光センサの第二のスイッチに印加される制御信号を示し、(c)は同マッハツェンダ干渉計光センサの演算器の入力信号を示す。
【図4】従来のマッハツェンダ干渉計光センサの概略図である。
【符号の説明】
1 光源
2、6 ビームスプリッタ
3 受光器
4、5 ミラー
7 物理量検出媒質
11 位相変調器
13、24 信号処理回路
14、15 フィルタ
16、23 演算器
20、21 スイッチ
Claims (3)
- レーザ光源から出射した光を光路長差が上記レーザ光源のコヒーレント長よりも短くなるように設定されている二つのパスに分岐させた後合波させて受光器で受光すると共に、一方のパス中に物理量検出媒質を挿入し、両パス間の光路長差に応じた信号を上記受光器で検出するマッハツェンダ干渉計光センサにおいて、上記物理量検出媒質に接続され検出物理量に応じた振幅の光位相変化を与えるための第一の発振器と、他方のパス中に挿入された位相変調器と、第一の発振器と異なる発振周波数を有すると共に上記位相変調器において一定振幅の光位相変化を与えるための第二の発振器と、上記受光器の信号の中から上記物理量検出媒質による光位相変化信号Vs及び上記位相変調器による光位相変化信号Vrefを分離し、該光位相変化信号Vrefにより上記光位相変化信号Vsを規格化し、得られた演算結果に比例する信号Voutを出力する信号処理回路とを備えたことを特徴とするマッハツェンダ干渉計光センサ。
- 上記信号処理回路は、上記受光器から出力される信号の中から第一の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vsを出力する第一のフィルタと、上記受光器から出力される信号の中から第二の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vrefを出力する第二のフィルタと、上記光位相変化信号Vrefにより上記光位相変化信号Vsを規格化し、得られた演算結果に比例する信号Voutを出力する演算器とで構成されている請求項1に記載のマッハツェンダ干渉計光センサ。
- 上記信号処理回路は、第一の発振器と上記物理量検出媒質との間に接続され制御信号が入力されるとOFFからONに切替わる第一のスイッチと、第二の発振器と上記位相変調器との間に接続され制御信号が入力されるとOFFからONに切替わる第二のスイッチと、第一のスイッチ及び第二のスイッチに交互に制御信号を入力すると共にいずれのスイッチがONであるかを表示する表示信号を発生するスイッチ制御装置と、上記受光器から出力される信号の中から第一の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vsと第二の発振器の発振周波数に対応した光位相変化信号Vrefとを上記表示信号で識別すると共に、上記光位相変化信号Vrefにより上記光位相変化信号Vsを規格化し、得られた演算結果に比例する信号Voutを出力する演算器とで構成されている請求項1に記載のマッハツェンダ干渉計光センサ。
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