JP4213484B2 - 電磁制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁制御弁に関し、特に、燃料電池システム用の電磁式比例流量弁等として使用される電磁制御弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池システム用の電磁式比例弁等として使用される電磁制御弁として、弁ハウジング内に弁ポートの開度調節を行う弁体を有し、電磁ソレノイド装置が発生する電磁力と当該電磁力に対抗するばね手段によるばね力との平衡関係によって弁体を弁軸方向に移動させ、当該移動により弁ポートの開度を比例的に変化させる電磁制御弁が知られている。
【0003】
この電磁制御弁は、電磁ソレノイド装置が生じる電磁力に応じて、つまり、電磁ソレノイド装置の電磁コイルに通電する電流に応じて弁ポートの開度(弁開度)を比例的に変化し、コイル電流に応じて流量を定量的に制御する。
【0004】
上述の電磁制御弁では、弁ポートの一方の側に入口ポートと連通して弁体を収容する一次室が設けられ、弁ポートの他方の側に出口ポートと連通した二次室が設けられたものにおいて、一次室側に均圧通路によって二次室と連通した均圧室を設け、当該均圧室の圧力が二次室に対抗して弁体に作用するように構成し、弁ポートの口径と均圧室の有効径とを等しく設定することにより、一次側圧力と二次側圧力との差圧により弁体に作用する力をキャンセルすることができる(例えば、特許文献1)。
【0005】
これにより、この圧力バランス方式の電磁制御弁では、一次側圧力と二次側圧力との差圧の影響を受けず、定電流時においては、一定の弁開度を維持した安定した流量制御を行うことが可能になる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−295712号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した圧力バランス方式の電磁制御弁でも、大流量時に、弁開側に制御流量が変化すると、弁動作が不安定になり、電流−弁開度特性が乱れ、意図する流量制御が行われなくなる現象が生じることがある。
【0008】
この原因は、電磁ソレノイド装置が二次室側にある型式の電磁制御弁において、大流量時には、流体が弁ポートより噴流状態で二次室に流入し、この噴流が電磁ソレノイド装置の吸引子に貫通形成されている弁棒の貫通孔とこの貫通孔に通された弁棒との間隙(二次室に連通している)を通ってプランジャ室に進入し、これがプランジャ−吸引子間の電磁吸引力に影響を与えるからであると、考えられる。
【0009】
プランジャ−吸引子間の電磁吸引力が噴流(動圧)の影響を受けると、プランジャの動きが不安定になり、この結果として、プランジャに連結されている弁体の動きが不安定になり、正しい流量制御が行われなくなる。
【0010】
また、これ以外に、一次側圧力(ライン圧)が、圧力源のポンプや圧縮機の負荷変動に伴う脈動や乱流や、他の制御弁で生じた脈動や、一次室に大流量の流体が流入することにより一次室に生じた脈動や乱流によって動的に変動することがある。
【0011】
このため、電磁ソレノイド装置が一次室側にある型式の電磁制御弁では、上述の脈動や乱流による一次室の動的な圧力変動成分が電磁ソレノイド装置の吸引子に貫通形成されている弁棒の貫通孔とこの貫通孔に通された弁棒との間隙(一次室に連通している)を通ってプランジャ室に進入し、これがプランジャ−吸引子間の電磁吸引力に影響を与えることがあり、やはり、正しい流量制御が行われなくなる。
【0012】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、弁開時に弁ポートより二次室に流入する噴流や脈動や乱流による一次室の動的な圧力変動成分に起因する動作不安定を低減し、これらの影響を低減して安定した流量制御を行うことができる電磁制御弁を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による電磁制御弁は、弁ハウジング内に弁ポートの開度調節を行う弁体を有し、電磁ソレノイド装置が生じる電磁力と当該電磁力に対抗するばね手段によるばね力との平衡関係によって前記弁体を前記弁ポートの軸線方向に移動させ、当該移動により前記弁ポートの開度を変化する電磁制御弁において、入口ポートと連通した一次室と、出口ポートと連通した二次室と、前記一次室と前記二次室とを連通し、周りに弁座面部を画定する弁ポートとを有する弁ハウジングと、前記弁座面部に離接する方向(弁軸方向)に移動可能に設けられ、弁軸方向の移動によって前記弁ポートの開度調節を行う弁体と、電磁ソレノイド装置と、電磁ソレノイド装置が生じる電磁力に対抗するばね力を生じるばね手段とを有し、前記電磁ソレノイド装置が生じる電磁力と前記ばね手段のばね力との平衡関係によって前記弁体が弁軸方向に移動し、当該移動により前記弁ポートの開度を変化する電磁制御弁において、前記弁ハウジングの前記二次室側に前記電磁ソレノイド装置の吸引子が固定され、当該吸引子の先端にカップ状のプランジャケースが固定され、当該プランジャケースの内側にプランジャ室を画定しており、前記吸引子に前記二次室あるいは前記一次室と前記プランジャ室とを連通する貫通孔が貫通形成され、当該貫通孔に前記弁体の弁棒部が貫通挿入され、前記プランジャ室内に位置する前記弁棒部の先端にプランジャが取り付けられており、前記弁棒部のうち、前記貫通孔に嵌合する第1の部分の外径をDd、前記二次室内あるいは前記一次室にあって前記第1の部分に接続する第2の部分の外径をDbとし、前記貫通孔の内径をDcとし、前記弁ポートを貫通して前記第2の部分に接続する第3の部分の外径をDeとし、前記弁ポートの内径をDaとすると、これら外径、内径の大小関係が、Db≧Dc>Dd、Da>De、Db>Deであり、前記弁棒部の前記第3の部分と前記第2の部分とがテーパ軸により接続されていることを特徴としている。
【0014】
この発明による電磁制御弁によれば、Db≧Dcであることにより、その段差によって、弁開時に弁ポートより二次室に流入する噴流あるいは脈動等による一次室の動的な圧力変動成分が、貫通孔とこの貫通孔に通された弁棒(第1の部分)との間隙に入り難くなり、ついては、噴流、動的な圧力変動成分がプランジャ室に入り難くなる。なお、Dc>Ddは、弁棒の弁軸方向の動きを阻害しないためと、二次室圧力(静圧)を圧力バランスのためにプランジャ室に導入するための通路を確保するために設定される。更に、De<Dbで、弁棒部の第3の部分と第2の部分とがテーパ軸により接続されていることにより、テーパ角に応じて噴流圧が弁体に及ぼす弁閉方向の外乱力が低減する。
【0019】
また、この発明による電磁制御弁は、好ましくは、前記二次室側あるいは前記一次室側に均圧室を設けられており、前記均圧室が二次室側の場合には、該均圧室は均圧通路によって一次室に連通して、当該均圧室の圧力(一次側圧力)が前記二次室の圧力に対抗して前記弁体に作用し、前記均圧室が一次室側の場合には、該均圧室は均圧通路によって前記二次室に連通して、当該均圧室の圧力(二次側圧力)が一次室の圧力に対抗して前記弁体に作用することを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1はこの発明による電磁制御弁の一つの実施形態(通電開タイプ)を示している。
【0021】
電磁制御弁は、弁ハウジング11を有している。弁ハウジング11には、入口ポート12、出口ポート13、一次室(弁室)14、弁ポート15、二次室(上部均圧室)16、下部均圧室17が形成されている。入口ポート12と出口ポート13は互いに90度ずれた方向に配置されている。
【0022】
一次室14は、弁ポート15の一方の側(下側)にあって入口ポート12に直接連通し、弁体20を収容している。二次室16は弁ポート15の他方の側(上側)にあって出口ポート13に直接連通している。
【0023】
すなわち、入口ポート12は一次室14と連通し、二次室16は出口ポート13と連通し、弁ポート15が一次室14と二次室16とを連通している。弁ポート15の一次室14側には弁ハウジング11に固定されたリング状の弁座部材18が設けられている。弁座部材18は弁ポート15の周りに弁座面部19を画定している。
【0024】
弁体20は、一次室14内に配置されて弁座面部19に離接する方向、すなわち、弁軸方向(図1にて上下方向)に移動可能である。弁体20は、弁軸方向の移動により決まる弁座部材18との軸線方向の位置関係により、弁ポート15の開度を設定し、図1で見て上方への移動により、弁ポート15の開度を減少し、これとは逆の下方への移動により、弁ポート15の開度を増大する。
【0025】
弁体20には、定常状態下で、一次室14の内圧(一次側圧力)P1と二次室16の内圧(二次側圧力)P2との差圧ΔP=P1−P2が作用する。差圧ΔPが弁体20に作用する面積は、弁ポート15の内径(弁体20の有効受圧径)Daにより決まる。
【0026】
弁体20の一方の側(上側)には弁棒(弁ステム)21が一体に設けられている。弁棒21は、二次室16を弁ポート15の軸線方向(上下方向)に横切って延在し、後述する電磁ソレノイド装置50のプランジャロッドを兼ねている。
【0027】
弁ハウジング11の二次室16側(上側)には、電磁ソレノイド装置50の吸引子51の一端部が気密に固定されている。吸引子51の先端部(他端部)にはプランジャケース52が気密に固定されている。プランジャケース52は内側にプランジャ室53を画定している。
【0028】
吸引子51の中心部には二次室16とプランジャ室53とを連通する貫通孔54が貫通形成されている。貫通孔54には弁棒21が挿入されている。弁棒21の先端部21Aは貫通孔54を貫通してプランジャ室53内に位置しており、この先端部21Aにプランジャ55が固定されている。プランジャケース52の上端部とプランジャ55の間にはプランジャばね56が設けられている。
【0029】
吸引子51およびプランジャケース52の外周部には、ボビン60、電磁コイル61、磁気ガイド部材62が設けられており、電磁コイル61の励磁により、吸引子51の上端面がプランジャ55の磁気吸引面63となる。
【0030】
弁ハウジング11の上側には、下板64、外凾65が取り付けられており、外凾65内に、ボビン60、電磁コイル61を収容している。
【0031】
ここで、弁棒21のうち、貫通孔54に挿入する部分を第1の部分21D、二次室16内にあって第1の部分21Dに接続する部分を第2の部分21B、弁ポート15を貫通し第2の部分21Bと弁体20とを接続する部分を第3の部分21Eと定義する。
【0032】
この実施形態では、貫通孔54の内径をDc、弁棒21の第1の部分21Dの外径をDd、第2の部分21Bの外径をDbとし、第3の部分21Eの外径をDeとし、弁ポート15の内径をDaとすると、これら外径、内径の大小関係が、Db>Dc>Ddで、しかも、Da>De、Db>Deに設定されている。そして、弁棒21の第3の部分21Eと第2の部分21Bとがテーパ軸部21Gにより接続されている。
【0033】
Dc>Dd、すなわち、貫通孔54の内径Dcより弁棒21の第1の部分21Dの外径Ddが小さいことにより、貫通孔54の内周面と弁棒21の第1の部分21Dの外周面との間に、二次室16に直接連通する間隙31が確保される。
【0034】
間隙31は、弁棒21の弁軸方向の動きを阻害しないためと、二次室16の内圧(静圧)P2を圧力バランスのためにプランジャ室53に導入するための必須の圧力通路となる。
【0035】
また、Da>Deは、弁ポート15の有効開口を得るために必須であり、Db>Deは、弁ポート15の口径をできるだけ小さくして大きい有効開口を得るために、その逆の大小関係を排除する。これは、いずれにしても、弁棒21が弁ポート15を貫通する部分の軸径が所要の機械的強度を確保して可及的に細いことがよいことを意味する。
【0036】
下部均圧室17は、弁ハウジング11の端部(下端部)に形成され、両端を弁ハウジング11にねじ止めされた固定側ばねリテーナ22と弁ハウジング11に取り付けられた可撓性のダイヤフラム23によって閉じられている。下部均圧室17は弁ハウジング11に形成された均圧通路(内部通路)24によって二次室16に連通している。これにより、下部均圧室17と二次室16とが均圧化される。
【0037】
ダイヤフラム23は、外縁側を、弁体20の全開位置を設定するストッパリング部材25と共にリング形状の固定ねじ部材26によって弁ハウジング11に気密に固定されている。ダイヤフラム23は、中央部を弁体20の先端部の小径軸部20Aに固定されたボール受け部材27によって弁体20に気密に接続されている。この構造により、一次室14と下部均圧室17とが気密分離される。
【0038】
ダイヤフラム23には一次室14の内圧P1と下部均圧室17の内圧、すなわち二次室16の内圧P2との差圧ΔPが作用する。差圧ΔPがダイヤフラム23に作用する面積は、ダイヤフラム23の有効受圧径Dfにより決まり、有効受圧径Dfは弁ポート15の内径Daと等しい寸法(Da=Df)に設定されている。
【0039】
下部均圧室17には可動ばねリテーナ28が軸線方向に可動配置されている。可動ばねリテーナ28と固定側ばねリテーナ22との間には圧縮コイルばね29が設けられている。
【0040】
可動ばねリテーナ28の上面部は球面受座部28Aになっており、この球面受座部28Aと弁体20側のボール受け部材27との間にボール部材(鋼球)30が挟まれている。
【0041】
ボール部材30は固定ねじ部材26より軸線方向に移動可能に支持されている。ボール部材30は、一方において可動ばねリテーナ28の球面受座部28Aに球面関節式に当接し、他方においてボール受け部材27に球面関節式に当接している。これにより、弁体20と可動ばねリテーナ28との間で自動求心接続構造が成立し、圧縮コイルばね29のばね力が傾きのない上向きの弁閉力として弁体20に伝達される。
【0042】
この電磁制御弁では、電磁ソレノイド装置50のコイル部61に通電が行われることにより、その電流量に応じた電磁力が生じ、その電磁力に応じた磁気吸引力によってプランジャ55が磁気吸引面63側に吸引される。この吸引力は弁棒21によって下向きの弁開力として弁体20に作用する。
【0043】
これにより、弁体20は、電磁ソレノイド装置50が発生する電磁力による吸引力と圧縮コイルばね29のばね力との平衡関係で、上下動位置(弁開位置)が決まり、これに応じて弁ポート15の開度が決まる。この弁ポート15の開度によって入口ポート12より一次室14、弁ポート15、二次室16を経て出口ポート13へ流れる流体の流量が定量的に計量される。
【0044】
下部均圧室17は均圧通路24によって二次室16と連通し、圧力バランスのために、下部均圧室17には二次室16側の圧力P2が導入される。一次室14と下部均圧室17とはダイヤフラム23によって気密分離されているから、一次室14と下部均圧室17との間に漏れ流量が生じることがない。
【0045】
弁ポート15の内径(弁体20の有効受圧径)をDa、ダイヤフラムシール部材28の有効受圧径をDfとすると、弁体20には、一次室14の内圧P1と二次室16の内力P2との差圧ΔPにより、弁ポート15側において生じる上向きの力(πDa2 /4)ΔPと、ダイヤフラム23側において生じる下向きの力(πDf2 /4)ΔPが、φD=φDfであることにより、互いにキャンセルされ、弁体20の開閉に差圧ΔPの影響を受けない流量制御が可能になる。
【0046】
弁軸21の第2の部分21Bの外径Dbと貫通孔54の内径Dcとが、Db>Dcであることにより、その段差によってラビリンス効果が得られ、弁開時に弁ポート15より二次室16に流入する噴流Qが、貫通孔54の内周面と弁棒21の第1の部分21Dの外周面との間の間隙31に入り難くなる。
【0047】
これにより、噴流Qがプランジャ室53に入り難くなる。この結果、プランジャ室53に流入する噴流Qに起因する動作不安定が低減し、大流量でも安定した流量制御が行われるようになる。
【0048】
弁棒21の第3の部分21Eと第2の部分21Bとの接続は、図3に示されているように、テーパ軸部21Gによらずに、ストレート軸同士の接続で行った場合を参考例として考える
【0049】
この場合には、弁開時に、噴流Qによって弁体20に弁閉方向の力Fが過渡的に作用する。噴流Qが弁体20に及ぼす力Fは、流体の比重量をr、体積流量をQb、流速をν、重力加速度をgとすると、下式により表される。
F=(r・Qb・ν)/g
【0050】
このことに対し、図1に示されている実施形態では、弁棒21の第3の部分21Eと第2の部分21Bとがテーパ軸部21Gによって滑らかに接続されているから、図2(a)、(b)に示されているように、テーパ軸部21Gの傾斜角θに応じ、噴流Qが弁体20に及ぼす力は、FからF1に低減する。噴流Qがテーパ軸部21Gの傾斜面に垂直方向(法線方向)に作用する力をFxとすると、力F1は下式により表される。
F1=Fx・sinθ
FxはF・sinθであるから、
F1=F・sin2 θ
【0051】
このように、弁体20に弁リフト方向の力として作用する力F1は、テーパ軸部21Gの傾斜角θに応じた分力相当分となり、二次室16に流入した噴流Qによる流体力が弁体20に弁リフト方向の外乱力として作用する度合いが低減する。
【0056】
上述の実施形態では、入口ポート12→一次室14→弁ポート15→二次室16→出口ポート13の順に流体が流れるが、同一構成で、これとは逆に、流体が流れる型式のものとすることもできる。この場合には、出口ポート13が入口ポート、二次室16が一次室、入口ポート12が出口ポートとなる。
【0057】
この場合には、吸引子51の貫通孔54の内周面と弁棒21の第1の部分21Dの外周面との間の間隙31は一次室に連通する。この場合も、弁軸21の第2の部分21Bの外径Dbと貫通孔54の内径Dcとが、Db>Dcであることにより、その段差によってラビリンス効果が得られ、脈動等に起因する一次室の動的な圧力変動成分が、貫通孔54の内周面と弁棒21の第1の部分21Dの外周面との間の間隙31に入り難くなる。
【0058】
これにより、一次室の動的な圧力変動成分がプランジャ室53に入り難くなる。この結果、一次室の動的な圧力変動成分に起因する動作不安定が低減し、安定した流量制御が行われるようになる。
【0069】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による電磁制御弁によれば、各部の相対的な寸法設定により、ラビリンス効果が得られ、弁開時に弁ポートより二次室に流入する噴流、あるいは脈動等に起因する一次室の動的な圧力変動成分がプランジャ室に入り難くしなり、プランジャ室に流入する噴流、動的な圧力変動成分に起因する動作不安定が低減し、大流量でも安定した流量制御が行われ、しかも、テーパ軸により接続されていることにより、テーパ角に応じて噴流圧が弁体に及ぼす弁閉方向の外乱力が低減するようなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による電磁制御弁の一つの実施形態を示す断面図である。
【図2】 (a)はこの発明による電磁制御弁の一つの実施形態の要部を拡大して示す拡大断面図であり、(b)はテーパ軸部に衝突する噴流による流体力の解析を示す図である。
【図3】 この発明による電磁制御弁の参考例の要部を拡大して示す拡大断面図である
【符号の説明】
11 弁ハウジング
12 入口ポート
13 出口ポート
14 一次室
15 弁ポート
16 二次室
17 下部均圧室
18 弁座部材
20 弁体
21 弁棒
21B 第2の部分
21D 第1の部分
21E 第3の部分
21G テーパ軸部
23 ダイヤフラム
24 均圧通路
26 ボール部材
29 圧縮コイルばね
30 ボール部材
31 間隙
50 電磁ソレノイド装置
51 吸引子
53 プランジャ室
54 貫通孔
55 プランジャ
61 コイル部
63 磁気吸引面

Claims (2)

  1. 入口ポートと連通した一次室と、出口ポートと連通した二次室と、前記一次室と前記二次室とを連通し、周りに弁座面部を画定する弁ポートとを有する弁ハウジングと、
    前記弁座面部に離接する方向(弁軸方向)に移動可能に設けられ、弁軸方向の移動によって前記弁ポートの開度調節を行う弁体と、
    電磁ソレノイド装置と、
    電磁ソレノイド装置が生じる電磁力に対抗するばね力を生じるばね手段とを有し、
    前記電磁ソレノイド装置が生じる電磁力と前記ばね手段のばね力との平衡関係によって前記弁体が弁軸方向に移動し、当該移動により前記弁ポートの開度を変化する電磁制御弁において、
    前記弁ハウジングの前記二次室側あるいは前記一次室側に前記電磁ソレノイド装置の吸引子が固定され、
    前記吸引子の先端にプランジャケースが固定され、
    前記プランジャケースの内側にプランジャ室を画定しており、
    前記吸引子に前記二次室あるいは前記一次室と前記プランジャ室とを連通する貫通孔が貫通形成され、
    前記貫通孔に前記弁体の弁棒部が貫通挿入され、
    前記プランジャ室内に位置する前記弁棒部の先端にプランジャが取り付けられており、
    前記弁棒部のうち、前記貫通孔に嵌合する第1の部分の外径をDd、前記二次室あるいは前記一次室内にあって前記第1の部分に接続する第2の部分の外径をDbとし、前記貫通孔の内径をDcとし、前記弁ポートを貫通して前記第2の部分に接続する第3の部分の外径をDeとし、前記弁ポートの内径をDaとすると、これら外径、内径の大小関係が、
    Db≧Dc>Dd、Da>De、Db>De
    であり、
    前記弁棒部の前記第3の部分と前記第2の部分とがテーパ軸により接続されていることを特徴とする電磁制御弁。
  2. 前記二次室側あるいは前記一次室側に均圧室を設けられており、
    前記均圧室が二次室側の場合には、該均圧室は均圧通路によって一次室に連通して、当該均圧室の圧力(一次側圧力)が前記二次室の圧力に対抗して前記弁体に作用し、
    前記均圧室が一次室側の場合には、該均圧室は均圧通路によって前記二次室に連通して、当該均圧室の圧力(二次側圧力)が一次室の圧力に対抗して前記弁体に作用することを特徴とする請求項1記載の電磁制御弁。
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