JP4211389B2 - 情報表示システム及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報表示システム及びプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータを使用し、公共の交通機関を利用して出発地から目的地まで移動しようとする際の、出発地の最寄りの駅から目的地の最寄りの駅までを最短時間で結ぶ経路を探索したり、出発地の最寄りの駅から目的地の最寄りの駅までを最低運賃で移動することができる経路を探索したりするための探索システムが提供されている。この場合、所定の探索条件を満たす複数の経路が候補経路として出力され、候補経路表示画面に表示される。したがって、操作者は、候補経路の中から所望のものを選択することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図2は従来の探索システムにおいて形成された候補経路表示画面の例を示す図である。
【0004】
この場合、所定の日時における交通機関の運行条件に従って、出発地の最寄りの駅を名古屋とし、目的地の最寄りの駅をユニバーサルシティとして経路が探索され、探索された経路、すなわち、探索経路のうちの4個が候補経路として候補経路表示画面に表示される。該候補経路表示画面には、各候補経路ごとに経路情報がリストで表示される。そのために、領域AR1〜AR10が設定され、領域AR1に候補経路の名称が「第1経路〜第4経路」として、領域AR2に名古屋駅における出発時刻及び番線が「発時刻/番線」として、領域AR3にユニバーサルシティ駅における到着時刻が「着時刻」として、領域AR4に名古屋駅からユニバーサルシティ駅までの運賃及び特急料金等が「合計金額」として、領域AR5に名古屋駅からユニバーサルシティ駅まで移動するのに必要な時間が「所要時間」として、領域AR6に名古屋駅からユニバーサルシティ駅までの距離が「乗車キロ」として、領域AR7に名古屋駅からユニバーサルシティ駅までに必要になる乗換えの回数が「乗換数」として、領域AR8〜10に操作者によるモードの選択に基づいて表示される定期券代が「定期一箇月」、「定期三箇月」及び「定期六箇月」として表示される。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−34663号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の探索システムにおいては、各候補経路の情報がすべて文字で表されるので、各候補経路を利用した場合に出発地をいつごろ出発すると、目的地にいつごろ到着するかを認識するのに時間がかかるだけでなく、各候補経路の特徴を把握したり、比較したりするのが困難である。
【0007】
本発明は、前記従来の探索システムの問題点を解決して、各経路を利用した場合に出発地をいつごろ出発すると、目的地にいつごろ到着するかを容易に認識することができ、各経路の特徴を容易に把握したり、比較したりすることができる情報表示システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の情報表示システムにおいては、出発地から目的地までの複数の経路を探索する経路探索処理手段と、探索された複数の経路のうちの基本ルートの位置を、画面表示範囲における基本の位置に設定する基本ルート位置設定処理手段と、探索された複数の経路のうちの基本ルート以外の他ルートの位置を、前記画面表示範囲における基本の位置に対して相対的な位置に設定する他ルート位置設定処理手段と、前記基本ルート及び他ルートを表示するルート表示処理手段とを有する。
そして、前記基本ルート位置設定処理手段は、前記基本ルートの位置を、基本ルートの出発地の出発時刻、基本ルートの目的地の到着時刻、基本ルートの出発地の出発時刻から最も出発時刻が離れている経路の出発地の出発時刻、及び基本ルートの目的地の到着時刻から最も到着時刻が離れている経路の目的地の到着時刻に基づいて設定する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は本発明の実施の形態における情報表示システムの機能ブロック図である。
【0020】
図において、91は出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理手段、92は、探索された経路を表す複数の候補経路のうちの基本ルートの位置を、画面表示範囲における基本の位置に設定する基本ルート位置設定処理手段、93は、複数の候補経路のうちの基本ルート以外の他ルートの位置を、画面表示範囲における基本の位置に対して相対的な位置に設定する他ルート位置設定処理手段、94は基本ルート及び他ルートを表示するルート表示処理手段である。
【0021】
次に、ナビゲーションシステムについて説明する。
【0022】
図3は本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムのブロック図である。
【0023】
図において、14は移動用端末としてのPDA、51は情報提供者としての情報センタ、61は利用者端末としてのパソコンであり、前記PDA14、パソコン61等と情報センタ51等はネットワーク43を介して接続され、ナビゲーションシステムを構成する。なお、前記PDA14及びパソコン61によって端末装置が構成され、前記PDA14は、ナビゲーション処理部17、データ記録部16、通信部38等を備える。
【0024】
また、前記パソコン61は、演算装置及び制御装置としてのCPU71、操作者に各種の情報を通知する通知装置としての表示部72、操作部73、記録装置74、通信部75等を備える。本実施の形態においては、演算装置及び制御装置としてCPU71が使用されるようになっているが、CPU71に代えてMPU等を使用することもできる。また、通知装置として表示部72の他に、操作者に音声で各種の情報を通知する音声出力部を備えることもできる。
【0025】
前記表示部72としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用することができる。また、操作部73としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、ライトペン、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック等を使用することができる。さらに、操作部73として、前記ディスプレイに形成されたタッチパネルを使用することもできる。該タッチパネルにおいては、ディスプレイに各種のキー、スイッチ、ボタン等の操作部領域が形成され、該操作部領域をタッチ、クリック、押下等によって操作すると、所定の入力を行うことができる。
【0026】
また、前記記録装置74には、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の図示されない内部記憶装置が内蔵されるほかに、ハードディスク、メモリカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD−ROM、CD−R、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等の図示されない外部記憶装置が選択的に配設される。そして、前記記録装置74に、外部記憶装置に記録されたデータを読み出すための図示されない読出装置、及び外部記憶装置にデータを記録するための図示されない書込装置が配設される。なお、前記ハードディスクによって第1の記録媒体が、メモリカードによって第2の記録媒体が構成される。
【0027】
本実施の形態においては、利用者端末としてパソコン61が、移動用端末としてPDA14が使用されるようになっているが、利用者端末及び移動用端末として、パソコン61及びPDA14に代えてナビゲーション装置等の車載装置、電子手帳、携帯電話、携帯端末、テレビ電話、ゲーム機等のような、前記ネットワーク43に接続することができ、双方向の通信を行うことができる端末装置を使用することもできる。
【0028】
また、前記情報センタ51は、サーバ53、該サーバ53に接続された記録装置57等を備える。前記サーバ53は、演算装置及び制御装置としてのCPU54、RAM55、ROM56等を備える。本実施の形態においては、前記演算装置及び制御装置としてCPU54を使用するようになっているが、該CPU54に代えてMPU等を使用することもできる。前記記録装置57は、地図を表示するための地図データが記録された地図データベース、各種の施設に関する施設データが記録された施設データベース、公共の交通機関に関する交通機関データが記録された交通機関データベース、経路を探索するための探索データが記録された探索データベース等のデータベースを備える。なお、地図データ、施設データ、交通機関データ、探索データ等によってナビデータが構成される。
【0029】
前記地図データベースは、道路データベース、交差点データベース、ノードデータベース等のデータベースから成り、道路データベースに、道路リンクの列から成る各道路の情報を表す道路データが、交差点データベースに各交差点の情報を表す交差点データが、ノードデータベースに、各道路に沿って設定されたノード点の情報を表すノードデータがそれぞれ記録される。
【0030】
そして、前記道路データとして、道路自体に関して、幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速道路、都市高速道路、有料道路等の高速・有料道を表すデータがそれぞれ記録される。さらに、高速・有料道に関して、入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所等を表すデータが記録される。
【0031】
また、前記ノードデータとして、道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、各ノード点間を連結するノード点間リンク、各ノード点の高さ(高度)等を表すデータが記録される。
【0032】
そして、前記施設データベースには、施設データとして、各地域のホテル、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等の施設を表すデータが記録される。
【0033】
また、前記交通機関データベースは、鉄道の情報を表す鉄道データが記録された鉄道データベース、地下鉄の情報を表す地下鉄データが記録された地下鉄データベース、バスの情報を表すバスデータが記録されたバスデータベース、飛行機の情報を表す飛行機データが記録された飛行機データベース、船舶の情報を表す船舶データが記録された船舶データベース、異なる交通機関間の乗換えの情報を表す乗換データが記載された交通機関間乗換データベース等のデータベースから成る。
【0034】
前記鉄道データベースは、各路線の情報を表す路線データが記録された路線データベース、各駅の情報を表す駅データが記録された駅データベース、各列車の情報を表す列車データが記録された列車データベース、乗換えの情報を表す乗換データが記録された乗換データベース、時刻表の情報を表す時刻表データが記録された時刻表データベース、運賃の情報を表す運賃データが記録された運賃データベースから成る。
【0035】
前記路線データベースには、路線データとして、各路線の番号、すなわち、路線番号、路線の名称、路線における在来線、長距離線、新幹線等の別を表す種類、路線における各駅間の距離、路線における各駅間の所要時間、路線の形状及び寸法を表す路線ノードデータ等の各データが記録される。前記路線ノードデータとして、路線の分岐点(駅等も含む)、各路線に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定された路線ノード点の座標(位置)、各路線ノード点間を連結する路線リンク、各路線ノード点の高さ(高度)等を表すデータが記録される。なお、路線リンクを表すデータは、路線リンクの番号、路線リンク長、路線リンクを移動するのに必要な時間を表す旅行時間等から成る。
【0036】
また、前記駅データベースには、各駅の番号、すなわち、駅番号、駅の名称等の各データが記録され、列車データベースには、各列車の番号、すなわち、列車番号、列車の名称、各列車における特急、急行、準急、普通等の別を表す種類、各列車の編成等の各データが記録される。
【0037】
そして、乗換データベースには、異なる路線間の乗換えが可能な駅の番号、すなわち、路線間乗換駅番号、乗換えの二つの路線の組合せ、同じ路線で異なる列車間の乗換え(乗継ぎ)が可能な駅の番号、すなわち、列車間乗換駅番号、乗換えの二つの列車の組合せ、乗換えに要する時間、すなわち、乗換所要時間等の各データが記録される。
【0038】
さらに、時刻表データベースには、各列車ごとの、各駅における出発時刻、 着時刻及び停車時間、並びに、出発及び到着の番線を表す番線番号等の各データが記録され、運賃データベースには、各駅間の運賃、特急、急行、準急等の列車の種類ごとの料金、指定席の料金、グリーン車、寝台車等の車両の種類ごとの料金、乗換えに伴い付加又は減額される料金等の各データが記録される。
【0039】
また、地下鉄データベースは、各路線の情報を表す地下鉄データが記録された路線データベース、各駅の情報を表す駅データが記録された駅データベース、各地下鉄車両の情報を表す地下鉄車両データが記録された地下鉄車両データベース、乗換えの情報を表す乗換データが記録された乗換データベース、時刻表の情報を表す時刻表データが記録された時刻表データベース、運賃の情報を表す運賃データが記録された運賃データベースから成る。
【0040】
前記路線データベースには、路線番号、路線の名称、路線における各駅間の距離、所要時間、路線の形状及び寸法を表す路線ノードデータ等の各データが記録される。
【0041】
また、前記駅データベースには、駅番号、駅の名称等の各データが記録され、地下鉄車両データベースには、各地下鉄車両の番号、すなわち、地下鉄車両番号、地下鉄車両の名称、各地下鉄車両における快速、普通等の別を表す種類、各地下鉄車両の編成等の各データが記録され、乗換データベースには、路線間乗換駅番号、乗換えの二つの路線の組合せ、同じ路線で異なる地下鉄車両間の乗換え(乗継ぎ)が可能な駅の番号、すなわち、地下鉄車両間乗換駅番号、乗換えの二つの地下鉄車両の組合せ、乗換所要時間等の各データが記録される。
【0042】
さらに、時刻表データベースには、各地下鉄車両ごとの、各駅における出発時刻、到着時刻及び停車時間、並びに、出発及び到着の番線を表す番線番号等の各データが記録され、運賃データベースには、各駅間の運賃、乗換えに伴い付加又は減額される料金等の各データが記録される。
【0043】
また、バスデータベースは、各路線の情報を表す路線データが記録された路線データベース、各停留所の情報を表す停留所データが記録された停留所データベース、各バスの情報を表すバスデータが記録されたバスデータベース、乗換えの情報を表す乗換データが記録された乗換データベース、時刻表の情報を表す時刻表データが記録された時刻表データベース、運賃の情報を表す運賃データが記録された運賃データベースから成る。
【0044】
前記路線データベースには、路線(系統)番号、路線の名称、路線における各停留所間の距離、所要時間、路線の形状及び寸法を表す路線ノードデータ等の各データが記録される。路線ノードデータとしては、各路線の分岐点(交差点、T字路、停留所等も含む)、各路線に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定された路線ノード点の座標(位置)、各路線ノード点間を連結する路線リンク、各路線ノード点の高さ(高度)等を表すデータが記録される。
【0045】
また、前記停留所データベースには、停留所番号、停留所の名称等の各データが記録され、バスデータベースには、各バスの番号、すなわち、バス番号、バスの名称等の各データが記録され、乗換データベースには、同じ路線間で異なるバス間の乗換え(乗継ぎ)が可能な停留所の番号、すなわち、バス間乗換停留所番号、異なる路線間の乗換えが可能な停留所の番号、すなわち、路線間乗換停留所番号、乗換えの二つの路線の組合せ、乗換所要時間等の各データが記録される。
【0046】
そして、時刻表データベースには、各バスごとの、各停留所における出発時刻、各停留所における到着時刻等の各データが記録され、運賃データベースには、各停留所間の運賃、乗換えに伴い付加又は減額される料金等の各データが記録される。
【0047】
また、飛行機データベースは、各路線(航路)の情報を表す路線データが記録された路線データベース、各空港の情報を表す空港データが記録された空港データベース、各便の情報を表す便データが記録された便データベース、乗換え(乗継ぎ)の情報を表す乗換データが記録された乗換データベース、時刻表の情報を表す時刻表データが記録された時刻表データベース、運賃の情報を表す運賃データが記録された運賃データベースから成る。
【0048】
前記路線データベースには、各路線の番号、すなわち、路線番号、路線の名称、路線における国内線、国際線等の別を表す種類、路線における各空港間の距離、所要時間、各路線の形状及び寸法を表す路線ノードデータ等の各データが記録される。路線ノードデータとしては、各空港間を結ぶ路線を描画するためのデータが記録される。
【0049】
また、前記空港データベースには、各空港の番号、すなわち、空港番号、空港の名称等の各データが記録され、便データベースには、各便の番号(便の名称)を表す便名、飛行機の機種等の各データが記録され、乗換データベースには、異なる路線間の乗換えが可能な空港の番号、すなわち、路線間乗換空港番号、乗換えの二つの路線の組合せ、乗換えに要する時間、すなわち、乗換所要時間等の各データが記録される。
【0050】
そして、時刻表データベースには、各便ごとの、各空港における搭乗時刻、各空港における出発時刻、各空港における到着時刻、出発及び到着のゲートを表すゲート番号等の各データが記録され、運賃データベースには、各空港間におけるファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラス等のシートごとの運賃、割引料金等の各データが記録される。
【0051】
また、船舶データベースは、各路線(航路)の情報を表す路線データが記録された路線データベース、各港の情報を表す港データが記録された港データベース、各便の情報を表す便データが記録された便データベース、乗換えの情報を表す乗換データが記録された乗換データベース、時刻表の情報を表す時刻表データが記録された時刻表データベース、運賃の情報を表す運賃データが記録された運賃データベースから成る。
【0052】
前記路線データベースには、各路線の番号、すなわち、路線番号、路線の名称、路線における国内航路、国際航路等の別を表す種類、路線における各港間の距離、所要時間、各路線の形状及び寸法を表す路線ノードデータ等の各データが記録される。路線ノードデータとしては、各港間を結ぶ路線を描画するためのデータが記録される。
【0053】
また、前記港データベースには、各港の番号、すなわち、港番号、港の名称等の各データが記録され、便データベースには、各便の番号(便の名称)を表す便名、船舶の機種等の各データが記録され、乗換データベースには、異なる路線間の乗換えが可能な港の番号、すなわち、路線間乗換港番号、乗換えの二つの路線の組合せ、乗換えに要する時間、すなわち、乗換所要時間等の各データが記録される。
【0054】
そして、時刻表データベースには、各便ごとの、各港における出発時刻、各港における到着時刻、出発及び到着のゲートを表すゲート番号等の各データが記録され、運賃データベースには、各港間における、スイート、特等、一等、二等、寝台等の船室の種類ごとの運賃等の各データが記録される。
【0055】
また、交通機関間乗換データベースは、鉄道、地下鉄、バス、飛行機、船舶等の各交通機関における異なる交通機関間の乗換えに必要な時間、すなわち、乗換所要時間等の各データが記録される。
【0056】
そして、前記探索データベースには、経路を探索するために、前記道路データ、交差点データ、施設データ、交通機関データ等が探索データとして記録され、該探索データは、最も上位のレイヤから最も下位のレイヤまでの複数の階層のレイヤに区分され、レイヤデータを構成する。この場合、上位のレイヤほど広域の探索データによってレイヤデータが構成され、下位のレイヤほど狭域の探索データによってレイヤデータが構成される。
【0057】
なお、前記記録装置57には、ナビゲーション装置14において所定の情報を音声で出力するための音声出力データも記録される。
【0058】
また、前記情報センタ51は、情報提供者のうちの交通情報提供者としての交通情報送信センタ、例えば、図示されないVICS(登録商標:道路交通情報通信システム:Vehicle Information and Communication System)センタから送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信することができるようになっている。さらに、情報センタ51は、各交通機関の運営会社から送信された鉄道、地下鉄、バス、飛行機、船舶等についての運行状況、乗車率、指定席の空席状況等の各情報から成る交通情報を受信したり、各種の放送局から送信されたニュース、天気予報等の一般情報を受信したりすることができるようになっている。
【0059】
そして、情報センタ51は、前記交通情報及び一般情報を、そのままネットワーク43を介してPDA14、パソコン61等に送ったり、加工するために、記録装置57に記録したりする。そのために、前記記録装置57に統計データベースが配設され、統計データとして過去の交通情報及び一般情報が時系列に記録されるほかに、過去の交通情報及び一般情報に対して所定の加工が施され、交通情報及び一般情報の加工データがナビデータとして記録される。なお、交通情報及び一般情報を加工するのに当たり、前記一般情報等が必要に応じて参照される。
【0060】
前記情報センタ51は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれであってもよい。そして、情報センタ51は、前記ナビデータ等を自ら作成したり、他の情報提供者から購入したりしてPDA14、パソコン61等に供給する。
【0061】
また、前記ネットワーク43としては、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、無線LAN、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等から成る各種の通信手段を使用することができる。そして、前記ネットワーク43としては、放送用衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信手段を使用することもできる。さらに、前記ネットワーク43としては、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、境域通信システム(DSRC)等の通信手段を使用することもできる。
【0062】
前記ナビゲーション処理部17、パソコン61、サーバ53等は、それぞれ単独に、又は二つ以上を組み合わせることによって、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。
【0063】
次に、前記PDA14について説明する。
【0064】
図4は本発明の実施の形態におけるPDAのブロック図である。
【0065】
図において、14はPDAであり、該PDA14は、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、所定のナビデータ、経路が探索されたときの経路データ等が記録されるデータ記録部16、操作部としての入力部34、第1の通知部としての表示部35、第2の通知部としての音声出力部37、通信部38、第1、第2のインタフェースとしての外部スロット44、45等を備える。なお、前記データ記録部16は内部記憶装置として配設されたフラッシュメモリによって構成される。
【0066】
そして、外付けの現在地検出部としてのGPSカード46を外部スロット44にセットすることによって、GPSカード46により現在地を検出することができ、外付けの通信部としての通信カード47を外部スロット44にセットすることによって、通信カード47を介してネットワーク43(図2)とPDA14とを接続することができ、外付けの記録装置としてのメモリカード48を外部スロット45にセットすることによって、メモリカード48に記録された各種のプログラム、データ等を読み出したり、メモリカード48に所定のデータを記録したりすることができる。
【0067】
前記GPSカード46には、図示されないGPSセンサが内蔵されていて、該GPSセンサは、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における現在地、絶対時間等を検出する。
【0068】
前記ナビゲーション処理部17は、PDA14の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU31、並びに該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び制御用のプログラムのほか、出発地から目的地までの経路の探索、経路案内等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33を内部記憶装置として備え、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。なお、前記RAM32、ROM33、データ記録部16等として半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としてCPU31に代えてMPU等を使用することもできる。
【0069】
前記データ記録部16には、フラッシュメモリが使用されるが、図示されないハードディスクを外部記憶装置として配設することもできる。その場合、ハードディスクに記録されたデータを読み出すための読出装置、及びハードディスクにデータを記録するための書込装置が配設される。なお、前記ハードディスクに代えて、フレキシブルディスク、CD−ROM、CD−R、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等を外部記憶装置として配設することができる。
【0070】
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部16に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置に記録することもできる。この場合、例えば、前記外部記憶装置から前記プログラム、データ等を読み出してデータ記録部16に書き込むこともできる。したがって、外部記憶装置を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
【0071】
前記入力部34は、現在地を修正したり、出発地及び目的地を入力したり、通信部38を操作したりするためのものであり、各種のキー、スイッチ、ボタン等の図示されない操作スイッチ及びスタイラスペンから成る。また、前記入力部34は、前記ディスプレイに形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の操作スイッチによって構成され、該操作スイッチを前記ライントペンによってタッチすることによって入力を行うことができる。
【0072】
なお、入力部34として、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ライトペン、ジョイスティック等を使用したり、音声によって必要な情報を入力するマイクロホン等を使用したりすることができる。
【0073】
そして、前記ディスプレイに形成された各種の画面には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの探索された経路、すなわち、探索経路、該探索経路に沿った案内情報、FM多重放送の番組等が表示される。前記表示部35としては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用することができる。
【0074】
さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報等が、例えば、音声合成装置によって合成された音声で出力される。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の音、あらかじめテープ、メモリ等に録音された各種の案内情報等を出力することもできる。
【0075】
そして、前記通信部38は、PDA14とパソコン61とを無線LANを介して接続したり、PDA14と情報センタ51とをネットワーク43を介して接続したりするための無線通信用の外部通信部49、及びPDA14とパソコン61とを、シリアルコネクタ、ケーブル等を介して接続するための有線通信用の外部通信部50を備える。なお、前記外部通信部49によって、VICS(登録商標)センタ、情報センタ51等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信したり、ニュース、天気予報等の情報をFM多重情報として受信したりすることができる。
【0076】
ところで、前記データ記録部16の記憶容量が十分に大きい場合には、データ記録部16に各種のデータベースを形成し、該データベースにナビデータを記録することができるが、データ記録部16の記憶容量が小さい場合には、操作者が、入力部34を操作して、必要なナビデータ、例えば、地図データ、交通機関データ、探索データ等をダウンロードして取得することができる。その場合、操作者が、地図データ、交通機関データ、探索データ等が必要となる所定の地域を選択して入力すると、CPU31の図示されないデータ要求処理手段は、データ要求処理を行い、所定の要求信号を情報センタ51に送信する。
【0077】
そして、情報センタ51において要求信号が受信されると、CPU54の図示されない前記情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、記録装置57から地図データ、交通機関データ、探索データ等を読み出し、取得する。続いて、CPU54の図示されないデータ送信処理手段は、データ送信処理を行い、地図データ、交通機関データ、探索データ等をPDA14に送信する。そして、前記地図データ、交通機関データ、探索データ等が送信されると、PDA14において、CPU31の図示されない記録処理手段は、記録処理を行い、前記地図データ、交通機関データ、探索データ等をデータ記録部16にダウンロードし、記録する。
【0078】
したがって、PDA14において、前記地図データ、交通機関データ等に基づいて表示部35に所定の画面を形成し、該画面に地図、交通路線図等を表示したり、探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を探索し、前記地図に探索経路を表示したりすることができる。
【0079】
また、パソコン61の操作部73を操作して、地図データ、交通機関データ、探索データ等を情報センタ51から取得し、記録装置74に記録し、続いて、データ記録部16に記録することもできる。
【0080】
その場合、操作者が、例えば、パソコン61の操作部73を操作して、地図データ、交通機関データ、探索データ等を取得しようとする所定の地域を選択して入力すると、CPU71の図示されないデータ要求処理手段は、データ要求処理を行い、所定の要求信号を情報センタ51に送信する。
【0081】
そして、情報センタ51において要求信号が受信されると、前記情報取得処理手段は、記録装置57から選択された地域の地図データ、交通機関データ、探索データ等を読み出し、取得する。続いて、前記CPU54の前記データ送信処理手段は、データ送信処理を行い、地図データ、交通機関データ、探索データ等をパソコン61に送信する。
【0082】
そして、前記地図データ、交通機関データ、探索データ等が送信されると、パソコン61において、CPU71の図示されない記録処理手段は、記録処理を行い、前記地図データ、交通機関データ、探索データ等を記録装置74のハードディスクにダウンロードする。続いて、操作者が、前記記録装置74に、メモリカード48をセットし、所定の手順で操作部73を操作すると、前記記録処理手段は、ダウンロードされた地図データ、交通機関データ、探索データ等をメモリカード48にコピーして記録する。
【0083】
次に、操作者は、前記メモリカード48をPDA14の外部スロット45にセットすると、CPU31の前記記録処理手段は、記録処理を行い、前記地図データ、交通機関データ、探索データ等をデータ記録部16に更にコピーする。
【0084】
したがって、PDA14において、前記地図データ、交通機関データ等に基づいて表示部35に所定の地図画面、路線画面等を形成し、該地図画面、路線画面等にそれぞれ地図、交通路線図等を表示したり、探索データに基づいて、出発地から目的地までの経路を探索し、前記地図画面、路線画面等に探索経路を表示したりすることができる。
【0085】
また、前記構成のPDA14においては、GPSセンサによって現在地を検出することができるので、操作者がPDA14を携帯して移動する際に、前記探索経路に現在地を重ねて表示し、探索経路に従って経路案内を行うことができる。
【0086】
ところで、経路を探索する際の探索条件として、探索モードを選択することができるようになっていて、探索モードには、探索の対象によって、道路を探索の対象として経路を探索する探索モード、鉄道、地下鉄、バス、飛行機、船舶等の各交通機関の路線を探索の対象として経路を探索する探索モード、各交通機関のうちの指定された交通機関の路線を探索の対象として経路を探索する探索モード、道路及び各交通機関の路線を探索の対象として経路を探索する探索モード、道路及び指定された交通機関の路線を探索の対象として経路を探索する探索モード等に分類される。また、探索の手法によって、出発地から目的地までを最短時間で結ぶ経路を探索する探索モード、出発地から目的地までを最低運賃で移動することができる経路を探索する探索モード、出発地から目的地までの乗換えの回数の少ない経路を探索する探索モード、出発地から目的地までの、指定席を利用することができる経路を探索する探索モード等に分類される。
【0087】
次に、前記ナビゲーションシステムを情報表示システムとして利用し、各交通機関の路線を探索の対象とする探索モードが選択された場合の前記情報表示システムの動作について説明する。
【0088】
図5は本発明の実施の形態における情報表示システムの動作を示すメインフローチャートである。
【0089】
PDA14において、操作者が、例えば、入力部34を操作して出発地から目的地までの経路探索区間を入力し、探索モードを入力すると、CPU31の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、経路探索区間及び探索モードを探索条件として設定し、該探索条件を情報センタ51に送信する。また、現在地を出発地として設定し、現在地から目的地までの経路探索区間を入力することもできる。
【0090】
そして、情報センタ51において探索条件が受信されると、前記情報取得処理手段は、記録装置57の探索データベースを参照して探索データを読み出し、経路を探索するために必要な情報を取得する。
【0091】
続いて、前記CPU54の経路探索処理手段91(図1)は、経路探索処理を行い、前記探索条件に従って、前記探索データに基づいて経路を探索する。その結果、前記探索条件を満たす複数の探索経路が候補経路として探索され、候補経路が出力される。この場合、各交通機関の路線を対象とする探索モードが選択されているので、各候補経路は、出発地から目的地までの鉄道の路線、地下鉄の路線、バスの路線、飛行機の路線、船舶の路線等のうちの一つ、又は二つ以上の組合せから成る。
【0092】
次に、前記CPU54の図示されない案内データ送信処理手段は、案内データ送信処理を行い、各候補経路を表す経路データ、音声出力部37によって候補経路を案内するための音声出力データ、前記各候補経路を表示するための時刻表データ等を経路案内データとしてPDA14に送信する。
【0093】
続いて、PDA14において、経路案内データを受信すると、CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、表示部35に候補経路表示画面を形成し、該候補経路表示画面に、前記経路データ、時刻表データ等に従って、候補経路を候補リストとして画像で表示する。また、CPU31の図示されない音声出力処理手段は、音声出力処理を行い、前記音声出力データに従って、音声出力部37から候補リストを音声で出力する。なお、前記表示処理手段及び音声出力処理手段によって通知処理手段が構成され、通知処理手段は、通知処理を行い、操作者に候補経路を通知する。
【0094】
したがって、操作者は、候補リストの各候補経路から所望の候補経路を選択することができる。このようにして、探索経路を取得することができるので、操作者は探索経路に従って出発地から目的地まで移動することができる。
【0095】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 探索条件設定処理を行う。
ステップS2 経路探索処理を行う。
ステップS3 表示処理を行い、処理を終了する。
【0096】
次に、ステップS3における表示処理手段のサブルーチンについて説明する。
【0097】
図6は本発明の実施の形態における表示処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の実施の形態における候補経路表示画面の例を示す図である。
【0098】
まず、前記表示処理手段は、候補経路表示画面の長方形の画面表示範囲に、所定の行r1〜r20及び列f1〜f9から成る格子を描画する。前記行r1〜r20及び列f1〜f9によって、複数のマトリックス状の描画用の位置が設定される。この場合、前記行r1〜r20の数は、各候補経路Rt1〜Rt4における出発地を表す駅、すなわち、出発駅Ss(名古屋)の出発時刻、及び目的地を表す駅、すなわち、到着駅Sg(ユニバーサルシティ)の到着時刻に基づいて算出され、各列f1〜f9の数は、各候補経路Rt1〜Rt4における乗換えの回数に基づいて算出される。列f1〜f9の数をMとし、各候補経路Rt1〜Rt4における乗換えの回数を表す乗換駅の数をEとすると、出発駅Ss、経由地を表す駅、すなわち、乗換駅Se1〜Se3及び到着駅Sgを描画する必要があるとともに、各駅間の路線を描画する必要があるので、列f1〜f9の数Mは、
M=2×(E+2)−1
になる。本実施の形態において、乗換駅Se1〜Se3の数は3であるので、列f1〜f9の数は9になる。なお、本実施の形態においては、画面表示範囲に格子を描画するようになっているが、必ずしも描画する必要はない。
【0099】
続いて、前記表示処理手段の図示されない駅割当処理手段は、駅割当処理を行い、9個の列f1〜f9を描画し、出発駅Ssを最も左の列f1に、到着駅Sgを最も右の列f9に、各乗換駅Se1〜Se3を、中間の列f3、f5、f7に割り当て、各列f2、f4、f6、f8を各駅間の路線に割り当てる。
【0100】
次に、前記表示処理手段の基本ルート位置設定処理手段92は、基本ルート位置設定処理を行い、前記各候補経路Rt1〜Rt4のうちの、出発地から目的地までを最短時間で結ぶ候補経路(最速ルート)を基本ルートとし、基本ルートを描画するための基本の位置を前記画面表示範囲に設定する。この場合、基本ルートは、描画範囲において、基本位置に設定され、出発駅Ss及び到着駅Sgは、前記マトリックス状の各位置のうちの同じ行において、直線上に設定される。
【0101】
そのために、前記基本ルート位置設定処理手段92は、時刻表データを参照し、各候補経路について、出発駅Ssの出発時刻及び到着駅Sgの到着時刻に基づいて、出発駅Ssから到着駅Sgまでの所要時間を算出する。この場合、各候補経路Rt1〜Rt4のうち、所要時間が1時間36分であり、最も短い候補経路Rt4が基本ルートになる。
【0102】
続いて、基本ルート位置設定処理手段92は、基本ルートの出発駅Ssの出発時刻から最も出発時刻が離れている候補経路、及び基本ルートの到着駅Sgの到着時刻から最も到着時刻が離れている候補経路を検索し、取得する。この場合、基本ルートの出発駅Ssの出発時刻から最も出発時刻が離れている候補経路、及び基本ルートの到着駅Sgの到着時刻から最も到着時刻が離れている候補経路のいずれも、候補経路Rt1になる。
【0103】
そして、基本ルートの出発駅Ssの出発時刻をts4とし、候補経路Rt1の出発駅Ssの出発時刻をts1とし、基本ルートの到着駅Sgの到着時刻をtg4とし、候補経路Rt1の到着駅Sgの到着時刻をtg1とすると、
ts4=9:01
ts1=7:15
tg4=10:31
tg1=10:56
になる。そこで、前記基本ルート位置設定処理手段92は、前記出発時刻ts4、ts1及び到着時刻tg4、tg1に基づいて基本ルートの位置を設定する。そのために、前記基本ルート位置設定処理手段93は、出発時刻の最大偏差Δtsmax
Δtsmax=ts4−ts1
=106〔分〕
を算出するとともに、到着時刻の最大偏差Δtgmax
Δtgmax=tg1−tg4
=25〔分〕
を算出する。
【0104】
次に、前記基本ルート位置設定処理手段92は、画面表示範囲における基本ルートの位置を表す行を算出する。すなわち、基本ルートの位置を表す行をR4とすると、行r1〜r20の数は20であるので、
Δtsmax:(Δtsmax+Δtgmax)=R4:20
106:131=R4:20
になる。したがって、行R4は、
R4=16.1832…
になる。すなわち、基本ルートは、最も上の行r1から16.1832…の位置になる。そこで、小数点以下を四捨五入し、前記基本ルート位置設定処理手段92は、基本ルートの位置、基本ルートの出発駅Ss及び到着駅Sgの位置をいずれも行r16に設定する。
【0105】
次に、前記表示処理手段の図示されない時刻表示処理手段は、時刻表示処理を行い、基本ルートを表す線上の列f1に出発時刻ts4を、列f9に到着時刻tg4を描画する。また、前記時刻表示処理手段は、列f1の最も上の行r1に、基本ルートの出発駅Ssの出発時刻から最も出発時刻が離れている候補経路、本実施の形態においては、候補経路Rt1の出発時刻ts1を、列f9の最も下の行r20に、基本ルートの到着駅Sgの到着時刻から最も到着時刻が離れている候補経路、本実施の形態においては、候補経路Rt1の到着時刻tg1を描画する。
【0106】
続いて、基本ルート以外の候補経路を表す他ルートの位置を、画面表示範囲における基本ルートの位置にに対して相対的な位置に設定する。
【0107】
そのために、前記表示処理手段の図示されない他ルート位置設定処理手段93は、他ルート位置設定処理を行い、時刻表データを参照し、他ルートの出発駅Ssの出発時刻、他ルートの到着駅Sgの到着時刻、前記基本ルートの出発駅Ssの出発時刻から最も出発時刻が離れている候補経路、本実施の形態においては、候補経路Rt1の出発駅Ssの出発時刻、及び基本ルートの到着駅Sgの到着時刻から最も到着時刻が離れている候補経路、本実施の形態においては、候補経路Rt1の出発駅Ssの到着駅Sgの到着時刻に基づいて、他ルートの出発駅Ssの位置及び到着駅Sgの位置を算出する。
【0108】
例えば、他ルートが候補経路Rt2である場合、候補経路Rtの出発駅Ssの出発時刻をts2とし、基本ルートの出発駅Ssの出発時刻ts4から最も出発時刻が離れている候補経路Rt1の出発駅Ssの出発時刻をts1としたとき、出発時刻ts2、ts1は
ts2=8:00
ts1=7:15
になり、出発時刻ts2と出発時刻ts1との偏差Δtsは、
になる。したがって、候補経路Rt2の出発駅Ssの出発時刻の位置を表す行をRs2とすると、
Δtsmax:Δts=16.1832…:Rs2
106:45=16.1832…:Rs2
になる。したがって、行Rs2は、
Rs2=6.87022…
なる。すなわち、他ルートである候補経路Rt2の出発駅Ssは、最も上の行r1から6.87022…の位置になる。そこで、小数点以下を四捨五入し、前記他ルート位置設定処理手段93は、他ルートの出発駅Ssの位置を行r7に設定する。
【0109】
また、候補経路Rtの到着駅Sgの到着時刻をtg2とし、基本ルートの出発駅Ssの到着時刻tg4から最も到着時刻が離れている候補経路Rt1の到着駅Sgの到着時刻をtg1としたとき、到着時刻tg2及び到着時刻tg1は、
tg2=10:31
tg1=10:56
になり、到着時刻tg1と到着時刻tg2との偏差Δtgは、
になる。したがって、候補経路Rt2の到着駅Sgの位置を表す行をRg2とすると、
Δtgmax:Δtg=16.1832…:Rg2
25:25=(20−16.1832…):(20−Rg2)
になる。したがって、行Rg2は、
Rg2=16.1832…
なる。すなわち、他ルートである候補経路Rt2の到着駅Sgは、最も上の行r1から16.1832…の位置になる。そこで、小数点以下を四捨五入すると、候補経路Rt2の到着駅Sgの位置の行はr16になるが、この場合、行r16には、基本ルートの位置が既に設定されているので、前記他ルート位置設定処理手段93は、他ルートの到着駅Sgの位置を行r17に設定する。
【0110】
同様に、他ルートである候補経路Rt3の出発駅Ssの位置を表す行Rs3、及び到着駅Sgの位置を表す行Rg3を、出発駅Ssの出発時刻ts3及び到着駅Sgの到着時刻tg4
ts3=8:00
tg3=10:52
に基づいて算出すると、
Rs3=6.8702…
Rg3=19.2452…
になる。そこで、小数点以下を四捨五入すると、候補経路Rt3の出発駅Ssの行はr7に、到着駅Sgの行はr19になるが、行r7には候補経路Rt2の出発駅Ssが、行r20には候補経路Rt1の到着駅Sgが既に描画されているので、前記他ルート位置設定処理手段93は、候補経路Rt3の出発駅Ssの位置を行r8に、到着駅Sgの位置を行r19に設定する。
【0111】
このように、行の計算上、出発駅Ss及び到着駅Sgの各位置が二つ以上の候補経路で重なる場合、行をずらして設定する。なお、出発駅Ss及び到着駅Sgの各位置が二つ以上の候補経路で重なった場合でも、同じ行に設定することもできる。
【0112】
このようにして、前記他ルート位置設定処理手段93は、他ルートを、画面表示範囲において基本ルートの位置に対して相対的な位置に設定することができる。
【0113】
また、前記時刻表示処理手段は、同様に、他ルートの出発駅Ssの位置に出発時刻を、到着駅Sgの位置に到着時刻を描画する。
【0114】
続いて、前記表示処理手段は、各候補経路Rt1〜Rt4に乗換駅が含まれているかどうかを判断し、乗換駅が含まれている場合、前記表示処理手段の図示されない経由地位置設定処理手段としての乗換駅位置設定処理手段は、乗換駅位置設定処理を行い、時刻表データを参照して、前記基本ルート位置設定処理及び他ルート位置設定処理と同様な処理を行い、各候補経路Rt1〜Rt4の乗換駅の位置を設定する。
【0115】
この場合、各候補経路Rt1〜Rt4には乗換駅Se1〜Se3が含まれているので、乗換駅Se1〜Se3の位置が設定される。なお、この場合、基本ルートになる候補経路上の乗換駅Se1〜Se3が基準にされ、基本的に左詰めで設定される。そして、各候補経路Rt1〜Rt4上の乗換駅が同じである場合は同じ列に設定される。
【0116】
また、前記時刻表示処理手段は、操作者の指示に基づいて、各乗換駅Se1〜Se3における到着時刻及び出発時刻のうちの少なくとも一方を乗換時刻として描画する。
【0117】
続いて、前記表示処理手段のルート表示処理手段94は、ルート表示処理を行い、各候補経路Rt1〜Rt4ごとに、出発駅Ss、各乗換駅Se1〜Se3及び到着駅Sgを結ぶ線を描画する。この場合、各線の太さは1列分の幅に合わせる。また、出発駅Ss及び到着駅Sgの各位置が二つ以上の候補経路で重なり、かつ、同じ行に設定された場合には、各線の色を異ならせて描画することもできる。また、各候補経路Rt1〜Rt4において主要な路線と他の路線とを区別するために、線の色を変更することもできる。
【0118】
なお、本実施の形態においては、基本ルート位置設定処理、他ルート位置設定処理及び乗換駅位置設定処理が行われた後、ルート表示処理を行って、各候補経路Rt1〜Rt4について、出発駅Ss、各乗換駅Se1〜Se3及び到着駅Sgを結ぶ線を描画するようになっているが、基本ルート位置設定処理が行われた後、ルート表示処理を行って、候補経路Rt4について出発駅Ss、各乗換駅Se1〜Se3及び到着駅Sgを結ぶ線を描画し、他ルート位置設定処理及び乗換駅位置設定処理が行われた後、ルート表示処理を行って、各候補経路Rt1〜Rt3について出発駅Ss、各乗換駅Se1〜Se3及び到着駅Sgを結ぶ線を描画することもできる。
【0119】
このように、画面表示範囲における基本の位置に基本ルートが、前記基本の位置に対して相対的な位置に他ルートが設定され、描画され、表示されるので、各候補経路を利用した場合に出発地をいつごろ出発すると、目的地にいつごろ到着するかを容易に認識することができ、各候補経路の特徴を把握したり、比較したりするのが容易になる。
【0120】
また、基本ルート上及び他ルート上に乗換駅Se1〜Se3が設定され、描画され、表示されるので、乗換駅Se1〜Se3を容易に認識することができるだけでなく、乗換回数を容易に認識することができる。
【0121】
さらに、出発駅Ss、乗換駅Se1〜Se3及び到着駅Sgの各位置に出発時刻ts1〜ts4、乗換駅Se1〜Se3の乗換時刻、及び到着駅Sgの到着時刻tg1〜tg4が描画され、表示されるので、出発地から目的地まで移動するための所要時間を容易に把握することができるだけでなく、出発駅Ss、乗換駅Se1〜Se3及び到着駅Sgの各駅間を移動するための所要時間を容易に把握することができる。
【0122】
以下にフローチャートを用い詳細に説明する。
ステップS3−1 表示範囲に格子を描画する。
ステップS3−2 基本ルート位置設定処理を行う。
ステップS3−3 他ルート位置設定処理を行う。
ステップS3−4 乗換駅があるかどうかを判断する。乗換駅がある場合はステップS3−5に、乗換駅がない場合は処理を終了する。
ステップS3−5 駅位置設定処理を行う。
ステップS3−6 出発駅、乗換駅及び到着駅を結ぶ線を描画し、リターンする。
【0123】
本実施の形態においては、前記ルート表示処理手段94は、出発駅Ssの出発時刻ts1〜ts4、乗換駅Se1〜Se3の乗換時刻、及び到着駅Sgの到着時刻tg1〜tg4を描画するようになっているが、出発時刻ts1〜ts4、乗換時刻及び到着時刻tg1〜tg4のうちの少なくとも一つを描画することができる。
【0124】
また、本実施の形態においては、サーバ53において、経路探索処理が行われるようになっているが、PDA14において経路探索処理を行うことができる。その場合、CPU31の探索条件設定処理手段によって探索条件が設定されると、CPU31の情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、データ記録部16の探索データベースを参照して探索データを読み出し、経路を探索するために必要な情報を取得する。
【0125】
続いて、前記CPU31の経路探索処理手段は、経路探索処理を行い、前記探索条件に従って、前記探索データに基づいて経路を探索し、候補経路を出力する。
【0126】
また、本実施の形態においては、PDA14において、基本ルート位置設定処理、他ルート位置設定処理、乗換駅位置設定処理及びルート表示処理が行われるようになっているが、サーバ53において、基本ルート位置設定処理、他ルート位置設定処理及び乗換駅位置設定処理を行うことができる。その場合、CPU54の基本ルート位置設定処理手段は、基本ルート位置設定処理を行い、基本ルートの位置を設定し、CPU54の他ルート位置設定処理手段は、他ルート位置設定処理を行い、他ルートの位置を設定し、CPU54の乗換駅位置設定処理手段は、乗換駅位置設定処理を行い、乗換駅の位置を設定し、CPU54の位置情報送信処理手段は、位置情報送信処理を行い、基本ルートの位置、他ルートの位置及び乗換駅の位置のデータをPDA14に送信する。そして、PDA14において、基本ルートの位置、他ルートの位置及び乗換駅の位置のデータを受信すると、CPU31のルート表示処理手段は、ルート表示処理を行い、各候補経路について出発駅、各乗換駅及び到着駅を結ぶ線を描画する。
【0127】
本実施の形態においては、出発地から目的地までを最短時間で結ぶ候補経路を基本ルートとしているが、乗換回数の最も少ない候補経路、運賃が最も安い候補経路、出発地から目的地までの距離が最も短い候補経路等を基本ルートとすることができる。
【0128】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0129】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、画面表示範囲における基本の位置に基本ルートが、前記基本の位置に対して相対的な位置に他ルートが設定され、表示されるので、各経路を利用した場合に出発地をいつごろ出発すると、目的地にいつごろ到着するかを容易に認識することができ、各経路の特徴を把握したり、比較したりするのが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における情報表示システムの機能ブロック図である。
【図2】従来の探索システムにおいて形成された候補経路表示画面の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるナビゲーションシステムのブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるPDAのブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態における情報表示システムの動作を示すメインフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態における表示処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における候補経路表示画面の例を示す図である。
【符号の説明】
17 ナビゲーション処理部
31、54 CPU
53 サーバ
61 パソコン
91 経路探索処理手段
92 基本ルート位置設定処理手段
93 他ルート位置設定処理手段
94 ルート表示処理手段
Claims (9)
- 出発地から目的地までの複数の経路を探索する経路探索処理手段と、探索された複数の経路のうちの基本ルートの位置を、画面表示範囲における基本の位置に設定する基本ルート位置設定処理手段と、探索された複数の経路のうちの基本ルート以外の他ルートの位置を、前記画面表示範囲における基本の位置に対して相対的な位置に設定する他ルート位置設定処理手段と、前記基本ルート及び他ルートを表示するルート表示処理手段とを有するとともに、前記基本ルート位置設定処理手段は、前記基本ルートの位置を、基本ルートの出発地の出発時刻、基本ルートの目的地の到着時刻、基本ルートの出発地の出発時刻から最も出発時刻が離れている経路の出発地の出発時刻、及び基本ルートの目的地の到着時刻から最も到着時刻が離れている経路の目的地の到着時刻に基づいて設定することを特徴とする情報表示システム。
- 前記画面表示範囲に複数の行及び列から成るマトリックス状の位置が設定される請求項1に記載の情報表示システム。
- 前記基本ルート位置設定処理手段は、基本ルートの出発地及び目的地を前記マトリックス状の位置のうちの同じ行の位置に設定する請求項2に記載の情報表示システム。
- 前記基本ルート位置設定処理手段は、探索された複数の経路のうちの出発地から目的地までの所要時間が最も短い経路を基本ルートとする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報表示システム。
- 前記他ルート位置設定処理手段は、他ルートの位置を、他ルートの出発地の出発時刻、他ルートの目的地の到着時刻、前記基本ルートの出発地の出発時刻から最も出発時刻が離れている経路の出発地の出発時刻、及び基本ルートの目的地の到着時刻から最も到着時刻が離れている経路の目的地の到着時刻に基づいて設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報表示システム。
- 前記基本ルート及び他ルートの経由地の位置を設定する経由地位置設定処理手段を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報表示システム。
- 前記出発地の出発時刻及び目的地の到着時刻のうちの少なくとも一方を表示する時刻表示処理手段を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報表示システム。
- 出発地から目的地までの複数の経路を探索する経路探索処理手段と、探索された複数の経路のうちの基本ルートの位置を、画面表示範囲における基本の位置に設定する基本ルート位置設定処理手段と、探索された複数の経路のうちの基本ルート以外の他ルートの位置を、前記画面表示範囲における基本の位置に対して相対的な位置に設定する他ルート位置設定処理手段と、前記基本ルートの位置及び他ルートの位置のデータを端末装置に送信する位置情報送信処理手段とを有するとともに、前記基本ルート位置設定処理手段は、前記基本ルートの位置を、基本ルートの出発地の出発時刻、基本ルートの目的地の到着時刻、基本ルートの出発地の出発時刻から最も出発時刻が離れている経路の出発地の出発時刻、及び基本ルートの目的地の到着時刻から最も到着時刻が離れている経路の目的地の到着時刻に基づいて設定することを特徴とする情報表示システム。
- コンピュータを、出発地から目的地までの複数の経路を探索する経路探索処理手段、探索された複数の経路のうちの基本ルートの位置を、画面表示範囲における基本の位置に設定する基本ルート位置設定処理手段、探索された複数の経路のうちの基本ルート以外の他ルートの位置を、前記画面表示範囲における基本の位置に対して相対的な位置に設定する他ルート位置設定処理手段、並びに前記基本ルート及び他ルートを表示するルート表示処理手段として機能させるとともに、前記基本ルート位置設定処理手段は、前記基本ルートの位置を、基本ルートの出発地の出発時刻、基本ルートの目的地の到着時刻、基本ルートの出発地の出発時刻から最も出発時刻が離れている経路の出発地の出発時刻、及び基本ルートの目的地の到着時刻から最も到着時刻が離れている経路の目的地の到着時刻に基づいて設定することを特徴とするプログラム。
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