JP4207676B2 - Aromatic polyester and its film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位を有する芳香族ポリエステルおよびそのフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリエステルは、吸水性が低く、耐熱性、薄肉成形性などに優れていることから、コネクターなどの電子部品に幅広く用いられている。最近では、芳香族ポリエステルの電気特性を生かし(低誘電損失性)、フレキシブルプリント配線板や、リジッドプリント基板、モジュール基板などの電子基板にも幅広く利用されている。具体的な芳香族ポリエステルとして、パラヒドロキシ安息香酸に由来する繰り返し構造単位を主成分とする芳香族ポリエステルが提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−359145号公報([請求項2]、[0004])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィルム用途に用いられている芳香族ポリエステルは、電気特性には優れるものの、近年の鉛フリー対応など、樹脂の高耐熱化要求が進む中では、まだ耐熱性に改善の余地が残されていた。
本発明の目的は、フィルム状に加工することが容易で、電気特性および耐熱性が一層、優れる芳香族ポリエステルを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%と、ヒドロキノンに由来する繰り返し構造単位35〜10mol%と、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位35〜10mol%との実質的に3つの構造単位からなる芳香族ポリエステルから製造される、電子基板、層間絶縁材料、表面保護フィルム、コンデンサーまたは電磁波シールド材の製造用材料である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリエステルは、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位と、ヒドロキノンに由来する繰り返し構造単位と、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位との実質的に3つの構造単位からなる芳香族ポリエステルである。
ここで実質的に3つの構造単位からなる芳香族ポリエステルとは、芳香族ポリエステルを構成する構造単位の合計100mol%に対して、3つの構造単位が95mol%以上であることを意味する。中でも芳香族ポリエステルを構成する構造単位の合計100mol%に対して、3つの構造単位が99mol%以上であることが好ましく、とりわけ、3つの構造単位のみからなる芳香族ポリエステルが好適である。
本発明の芳香族ポリエステルは、溶融時に光学的異方性を示すサーモトロピック液晶ポリマーであると成形性に優れることから好ましい。
【0007】
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位は、下記式(1)

Figure 0004207676
によって表され、該構造単位は、通常、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸によって与えられる。該酸のカルボキシル基は、酸塩化物、酸無水物、酸とアルコール類とのエステルなどの誘導体であってもよい。
また、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸のフェノール性水酸基は、水酸基のまま用いてもよいが、通常、無水酢酸などの脂肪酸無水物によってフェノール性水酸基がアシル化された誘導体として用いられる。
【0008】
芳香族ポリエステルにおける2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位の含有量は、芳香族ポリエステルを構成する全ての構造単位100mol%に対し、30〜80mol%であり、好ましくは35〜75mol%、とりわけ好ましくは40〜70mol%である。
2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位が、30mol%以上であると、得られる芳香族ポリエステルが液晶性を発現しやすく、成形性が向上する傾向にあることから好ましく、80mol%以下であると、成形性や芳香族ポリエステルをフィルム化する際の加工性に優れる傾向にあることから好ましい。
【0009】
ヒドロキノンに由来する繰り返し構造単位は、下記式(2)
Figure 0004207676
によって表され、該構造単位は、ヒドロキノンのまま用いてもよいが、通常、無水酢酸などの脂肪酸無水物によってフェノール性水酸基がアシル化された誘導体として用いられる。
【0010】
芳香族ポリエステルにおけるヒドロキノンに由来する繰り返し構造単位の含有量は、芳香族ポリエステルを構成する全ての構造単位100mol%に対し、10〜35mol%であり、好ましくは12.5〜32.5mol%、とりわけ好ましくは15〜30mol%である。ヒドロキノンに由来する繰り返し構造単位が、10mol%以上であると、得られる芳香族ポリエステルが液晶性を発現しやすく、耐熱性が向上する傾向にあることから好ましく、35mol%以下であると、成形性や芳香族ポリエステルをフィルム化する際の加工性に優れる傾向にあることから好ましい。
【0011】
2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位は、下記式(3)
Figure 0004207676
によって表され、該構造単位は、通常、2,6−ナフタレンジカルボン酸によって与えられる。該酸のカルボキシル基は、酸塩化物、酸無水物、酸とアルコール類とのエステルなどの誘導体であってもよい。
【0012】
芳香族ポリエステルにおける2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位の含有量は、芳香族ポリエステルを構成する全ての構造単位100mol%に対し、10〜35mol%であり、好ましくは12.5〜32.5mol%、とりわけ好ましくは15〜30mol%である。
2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位が、10mol%以上であると、得られる芳香族ポリエステルが液晶性を発現しやすく、耐熱性が向上する傾向にあることから好ましく、35mol%以下であると、成形性や芳香族ポリエステルをフィルム化する際の加工性に優れる傾向にあることから好ましい。
【0013】
ヒドロキノンに由来する繰り返し構造単位と2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位とのモル比は、95/100〜100/95であることが好ましい。この範囲であると、重合度が向上したり、機械強度が向上する傾向がある。
【0014】
本発明の芳香族ポリエステルは、重合度が高いと、機械特性が向上する傾向があるため、重合度を示す指標である芳香族ポリエステルの極限粘度が0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。
一方、重合度が低いと、溶融粘度や溶液粘度が低くなり、例えば、芳香族ポリエステルをフィルム化する際の加工性が向上する傾向があるため、極限粘度は5以下であることが好ましく、3.3以下であることがより好ましい。
【0015】
本発明の芳香族ポリエステルの製造方法としては、例えば、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸およびヒドロキノンを過剰量の脂肪酸無水物によりアシル化してアシル化物を得、得られたアシル化物と、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸とをエステル交換(重縮合)することにより溶融重合する方法が挙げられる。アシル化物としては、予めアシル化して得た脂肪酸エステルを用いてもよい。具体的には、特開2002−220444号公報および特開2002−146003号公報に記載の方法が推奨される。
【0016】
アシル化反応においては、脂肪酸無水物の添加量がフェノール性水酸基の1.0〜1.2倍当量であることが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍当量である。脂肪酸無水物の添加量が1.0倍当量以上では、エステル交換(重縮合)時にアシル化物や2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが昇華し、反応系が閉塞し難い傾向があり、また、1.2倍当量以下の場合には、得られる芳香族ポリエステルの着色が低減される傾向がある。
【0017】
アシル化反応は、通常、130〜180℃で5分〜10時間反応させ、好ましくは、140〜160℃で10分〜3時間反応させる。
【0018】
アシル化反応に使用される脂肪酸無水物としては,例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸、無水吉草酸、無水ピバル酸、無水2エチルヘキサン酸、無水モノクロル酢酸、無水ジクロル酢酸、無水トリクロル酢酸、無水モノブロモ酢酸、無水ジブロモ酢酸、無水トリブロモ酢酸、無水モノフルオロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水β−ブロモプロピオン酸などが挙げられ、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。価格と取り扱い性の観点から、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水イソ酪酸が好ましく、より好ましくは、無水酢酸である。
【0019】
エステル交換においては、アシル化物のアシル基がカルボキシル基の0.8〜1.2倍当量であることが好ましい。
【0020】
エステル交換は、130〜400℃で0.1〜50℃/分の割合で昇温しながら行うことが好ましく、150〜350℃で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら行うことがより好ましい。
【0021】
アシル化して得た脂肪酸エステルとカルボン酸とをエステル交換させる際、平衡を移動させるため、副生する脂肪酸と未反応の脂肪酸無水物は、蒸発させるなどして系外へ留去させることが好ましい。
【0022】
なお、アシル化反応、エステル交換は、触媒の存在下に行ってもよい。該触媒としては、従来からポリエステルの重合用触媒として公知のものを使用することができ、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモンなどの金属塩触媒、N,N-ジメチルアミノピリジン、N―メチルイミダゾールなどの有機化合物触媒などを挙げることができる。
該触媒は、通常、モノマー類の投入時に投入され、アシル化後も除去することは必ずしも必要ではなく、該触媒を除去しない場合にはそのままエステル交換を行うことができる。
これらの触媒の中で、N,N-ジメチルアミノピリジン、N―メチルイミダゾールなどの窒素原子を2個以上含む複素環状化合物が好ましく使用される。
窒素原子を2個以上含む複素環状化合物を用いた芳香族ポリエステルの製造方法としては、特開2002−146003号公報に記載の方法が推奨される。
【0023】
エステル交換による重縮合は、通常、溶融重合により行なわれるが、溶融重合終了後にさらに固相重合することが推奨される。
固相重合の具体的な製造方法としては、例えば、溶融重合工程からポリマーを抜き出し、その後、粉砕してパウダー状もしくはフレーク状にした後、窒素などの不活性雰囲気下、20〜350℃で、1〜30時間固相状態で熱処理する方法などが挙げられる。固相重合は、攪拌しながらでも、攪拌することなく静置した状態で行ってもよい。なお適当な攪拌機構を備えることにより溶融重合槽と固相重合槽とを同一の反応槽とすることもできる。
固相重合後、得られた芳香族ポリエステルは、粉体状として取り出してもよいし、ペレット化などの成形体として取り出してもよい。
芳香族ポリエステルの製造は、例えば、回分装置、連続装置等を用いて行うことができる。
【0024】
本発明の芳香族ポリエステルフィルムは、かくして得られた芳香族ポリエステルを用いてフィルム状に成形したものであり、具体的には、溶融して成膜する方法などが挙げられる。
溶融して成膜する芳香族ポリエステルフィルムとしては、例えば、芳香族ポリエステルを押し出し機で溶融混練し、Tダイを通して押し出した溶融樹脂を巻き取り機の方向(長手方向)に延伸しながら巻き取って得られる一軸配向フィルム、または二軸延伸フィルム、円筒形のダイから押し出した溶融体シートをインフレーション法で成膜するインフレーションフィルムなどが挙げられる。
【0025】
一軸配向フィルムについて以下に説明すると、一軸配向フィルムの製造時の押し出し機の設定条件は、芳香族液晶ポリエステルのモノマー組成に応じて異なるが、シリンダーの設定温度は通常、200〜400℃程度、好ましくは230〜380℃程度である。シリンダーの設定温度がこの範囲内であると、芳香族ポリエステルの熱分解を抑制したり、成膜が容易になる傾向があることから好ましい。
【0026】
Tダイのスリット間隔は、0.1〜2mmが好ましい。
本発明における一軸配向フィルムのドラフト比は、通常、1.1〜45程度の範囲である。ここでいうドラフト比とは、Tダイスリットの断面積を長手方向のフィルム断面積で除した値をいう。ドラフト比が1.1以上であると、フィルム強度が向上する傾向があり、ドラフト比が45以下であると、フィルムの表面平滑性に優れる傾向があることから好ましい。ドラフト比は、押し出し機の設定条件、巻き取り速度などにより調整することができる。
【0027】
二軸延伸フィルムは、一軸配向フィルムと同様の押し出し機の設定条件、即ちシリンダーの設定温度が、通常、200〜400℃程度、好ましくは230〜380℃程度であり、Tダイのスリット間隔は、通常、0.1〜2mmの範囲で溶融押し出しを行う。
二軸延伸方法としては、Tダイから押し出した溶融体シートを長手方向および長手方向と垂直方向(横手方向)に同時に延伸する方法、Tダイから押し出した溶融体シートをまず長手方向に延伸し、ついでこの延伸シートを同一工程内で100〜400℃の高温下でテンターより横手方向に延伸する逐次延伸の方法などが挙げられる。
【0028】
二軸延伸フィルムの延伸比は、長手方向に1.1〜20倍、横手方向に1.1〜20倍の範囲であることが好ましい。延伸比が上記の範囲内であると、得られるフィルムの強度に優れ、均一な厚みのフィルムを得ることが容易になる傾向がある。
【0029】
次に、インフレーションフィルムの製造方法について説明する。
本発明の芳香族ポリエステルを環状スリットのダイを備えた溶融混練押し出し機に供給して、シリンダー設定温度を、通常、200〜400℃程度、好ましくは230〜380℃程度で溶融混練を行って、押し出し機の環状スリットから筒状の芳香族ポリエステルフィルムを上方または下方へ押し出す。環状スリットの間隔は、通常、0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環状スリットの直径は、通常、20〜1000mm、好ましくは25〜600mmである。
【0030】
溶融押し出された筒状の溶融樹脂フィルムに、長手方向(MD)にドラフトをかけるとともに、この筒状溶融樹脂フィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば、窒素ガス等を吹き込むにより、長手方向と直角な横手方向(TD)にフィルムを膨張延伸させる。
【0031】
ブローアップ比(最終チューブ径と初期径の比)は、通常、1.5〜10である。
MD延伸倍率は、通常、1.5〜40であり、この範囲内であると厚さが均一でしわのない高強度の芳香族ポリエステルフィルムを得る傾向にあることから好ましい。
膨張延伸させたフィルムは、空冷または水冷させた後、ニップロールを通過させて引き取る。
【0032】
インフレーション成膜に際しては、芳香族ポリエステルの組成に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条件を選択することが好ましい。
【0033】
かくして得られた芳香族液晶ポリエステルフィルムの厚みは、製膜性や機械特性の観点から、通常、0.5〜500μmであり、取り扱い性の観点から1〜100μmであることが好ましい。
【0034】
本発明の芳香族ポリエステルフィルムには、金属層を積層してもよい。
金属層を積層するにあたって、芳香族ポリエステルフィルムの金属層を積層する面には、接着力を高めるためコロナ放電処理、紫外線照射処理、またはプラズマ処理を実施してもよい。
【0035】
本発明の芳香族ポリエステルフィルムに金属層を積層する方法としては、例えば、
(1)芳香族ポリエステルフィルムを加熱圧着により金属箔に貼付する方法、
(2)芳香族ポリエステルフィルムと金属箔とを接着剤により貼付する方法、
(3)芳香族ポリエステルフィルムに金属層を蒸着により形成する方法
等により製造することができる。
【0036】
中でも、(1)の積層方法は、プレス機または加熱ロールを用いて芳香族ポリエステルフィルムの流動開始温度付近で金属箔と圧着する方法であり、容易に実施できることから推奨される。
【0037】
(2)の積層方法において使用される接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤などが挙げられる。中でもエポキシ基含有エチレン共重合体などが接着剤として好ましく使用される。
【0038】
(3)の積層方法としては、例えば、イオンビームスパッタリング法、高周波スパッタリング法、直流マグネトロンスパッタリング法、グロー放電法などが挙げられる。中でも高周波スパッタリング法が好ましく使用される。
【0039】
本発明で金属層に使用される金属としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどが挙げられる。タブテープ、プリント配線板用途では銅が好ましく、コンデンサー用途ではアルミニウムが好ましい。
【0040】
このようにして得られる積層体の構造としては、例えば、芳香族ポリエステルフィルムと金属層との二層構造、芳香族液晶ポリエステルフィルム両面に金属層を積層させた三層構造、芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属層を交互に積層させた五層構造などが挙げられる。
また、該積層体には、高強度発現の目的で、必要に応じて、熱処理を行ってもよい。
【0041】
本発明の芳香族ポリエステルフィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、フィラー、添加剤等を添加してもよい。
フィラーとしては、例えば、エポキシ樹脂粉末、メラミン樹脂粉末、尿素樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリエステル樹脂粉末、スチレン樹脂などの有機系フィラー、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、カオリン、炭酸カルシウム、燐酸カルシウムなどの無機フィラーなどが挙げられる。
添加剤としては、例えば、カップリング剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などが挙げられる。
【0042】
また、本発明の芳香族ポリエステルフィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルエーテル及びその変性物、ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂、グリシジルメタクリレートとポリエチレンの共重合体などのエラストマーなどを一種または二種以上を添加してもよい。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明が実施例により限定されるものでないことは言うまでもない。
【0044】
(実施例1)
<アシル化反応>
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、2−ヒドロキシー6−ナフトエ酸1037.34g(5.512モル)、ハイドロキノン274.59g(2.494モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸539.12g(2.494モル)、無水酢酸1232.74(12.08モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.185gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌した。
【0045】
<エステル交換反応>
その後、窒素原子を2原子以上含む複素環状有機塩基化合物として1−メチルイミダゾール1.857gを添加し、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら3時間30分かけて内温310℃まで昇温し、同温度で1時間保温してエステル交換反応を終了した。得られた樹脂を室温まで冷却し、粉砕機で粉砕して、粉末(粒子径は約0.1mm〜約1mm)を得た。
【0046】
<固相重合>
上記で得た粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から315℃まで5時間かけて昇温し、次いで同温度で3時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の粉末(芳香族ポリエステル)をフローテスター〔島津製作所社製、「CFT−500型」〕を用いて、流動開始温度を測定したところ、329℃であった。
【0047】
<芳香族ポリエステルフィルムの製造例>
固相重合して得られた芳香族ポリエステルの粉末を、一軸押し出し機(スクリュー径50mm)内で溶融し、その押し出し機先端のTダイ(リップ長さ300mm、リップクリアランス1mm、ダイ温度360℃)より、ドラフト比4の条件でフィルム状に押し出し、冷却して厚さ250μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、誘電率、誘電損失をヒューレットパッカード(株)製インピーダンス・マテリアルアナライザーにより測定した。
結果を表1に示す。
【0048】
<DTUL(荷重たわみ温度)の測定>
前項で得られた芳香族ポリエステルフィルムを長さ127mm、幅12.7mm、厚さ6.4mmの試験片に調整し、該試験片をASTM D648に準拠し、1.82MPa(18.6kg/cm)の荷重下、120℃/Hrの昇温速度で昇温し、変形量が0.254mmになったときの温度をDTUL(荷重たわみ温度)として求めた。荷重たわみ温度が高いほど、その樹脂の耐熱性が高いという指標になる。
結果を表1にまとめた。
【0049】
(実施例2)
実施例1と同様の反応器に、2−ヒドロキシー6−ナフトエ酸1086.74g(5.775モル)、ハイドロキノン260.13g(2.362モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸510.75g(2.362モル)、無水酢酸1232.74(12.08モル)および触媒として1−メチルイミダゾール0.185gを添加した。以下、実施例1と同様にアシル化反応、エステル交換反応、固相重合、および芳香族ポリエステルフィルムの製造を実施した。
結果は表1にまとめた。
【0050】
(比較例1)
実施例1と同様の反応器に、p―ヒドロキシ安息香酸 911g(6.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 409g(2.2モル)、テレフタル酸 274g(1.65モル)、イソフタル酸91g(0.55モル)及び無水酢酸 1235g(12.1モル)を添加した。以下、実施例1と同様にアシル化反応、エステル交換反応、固相重合、および芳香族ポリエステルフィルムの製造を実施した。
結果は表1にまとめた。
【0051】
【表1】
Figure 0004207676
【0052】
【発明の効果】
本発明の芳香族ポリエステルは、流動開始温度が比較的低いことから容易に溶融成膜して、フィルム状に成形することができる。得られた芳香族ポリエステルフィルムは、広い周波数域において誘電率が低く、誘電損失が小さいという電気特性が一層、優れる。さらに、DTULからも明らかなように耐熱性に優れる。
このような優れた特性から、本発明の芳香族ポリエステルは、例えば、フレキシブルプリント配線板やリジッドプリント配線板、モジュール基板などの電子基板用の基板材料、層間絶縁材料及び表面保護フィルムの製造用材料として使用することができる。また、本芳香族ポリエステルフィルムと金属層との積層体は、コンデンサーや電磁波シールド材の製造用材料として使用することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aromatic polyester having a repeating structural unit derived from 2-hydroxy-6-naphthoic acid and a film thereof.
[0002]
[Prior art]
Aromatic polyesters are widely used in electronic parts such as connectors because they have low water absorption and are excellent in heat resistance, thin moldability and the like. Recently, taking advantage of the electrical properties of aromatic polyester (low dielectric loss), it has been widely used for flexible printed wiring boards, rigid printed boards, module boards and other electronic boards. As a specific aromatic polyester, an aromatic polyester mainly composed of a repeating structural unit derived from parahydroxybenzoic acid has been proposed (Patent Document 1).
[0003]
[Patent Document 1]
JP 2002-359145 A ([Claim 2], [0004])
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, although aromatic polyesters used for film applications are excellent in electrical properties, there is still room for improvement in heat resistance as demand for higher heat resistance of resins such as lead-free compatibility in recent years advances. It was.
An object of the present invention is to provide an aromatic polyester that can be easily processed into a film and has further improved electrical characteristics and heat resistance.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a repeating structural unit derived from 2-hydroxy-6-naphthoic acid of 30 to 80 mol%, a repeating structural unit derived from hydroquinone of 35 to 10 mol%, and a repeating structural unit derived from 2,6-naphthalenedicarboxylic acid. It is a material for producing an electronic substrate, an interlayer insulating material, a surface protective film, a capacitor or an electromagnetic wave shielding material, which is produced from an aromatic polyester substantially consisting of 35 to 10 mol% of three structural units.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The aromatic polyester of the present invention is substantially composed of a repeating structural unit derived from 2-hydroxy-6-naphthoic acid, a repeating structural unit derived from hydroquinone, and a repeating structural unit derived from 2,6-naphthalenedicarboxylic acid. Is an aromatic polyester composed of three structural units.
Here, the aromatic polyester substantially composed of three structural units means that the three structural units are 95 mol% or more with respect to 100 mol% in total of the structural units constituting the aromatic polyester. In particular, it is preferable that three structural units are 99 mol% or more with respect to a total of 100 mol% of the structural units constituting the aromatic polyester, and in particular, an aromatic polyester composed of only three structural units is preferable.
The aromatic polyester of the present invention is preferably a thermotropic liquid crystal polymer exhibiting optical anisotropy when melted, since it is excellent in moldability.
[0007]
The repeating structural unit derived from 2-hydroxy-6-naphthoic acid has the following formula (1):
Figure 0004207676
The structural unit is usually given by 2-hydroxy-6-naphthoic acid. The carboxyl group of the acid may be an acid chloride, an acid anhydride, or a derivative such as an ester of an acid and an alcohol.
The phenolic hydroxyl group of 2-hydroxy-6-naphthoic acid may be used as it is, but is usually used as a derivative in which the phenolic hydroxyl group is acylated with a fatty acid anhydride such as acetic anhydride.
[0008]
The content of the repeating structural unit derived from 2-hydroxy-6-naphthoic acid in the aromatic polyester is 30 to 80 mol%, preferably 35 to 75 mol, with respect to 100 mol% of all the structural units constituting the aromatic polyester. %, Particularly preferably 40 to 70 mol%.
When the repeating structural unit derived from 2-hydroxy-6-naphthoic acid is 30 mol% or more, the aromatic polyester obtained is preferable because it tends to exhibit liquid crystallinity and moldability tends to be improved, and 80 mol% The following is preferable because it tends to be excellent in formability and processability when forming an aromatic polyester film.
[0009]
The repeating structural unit derived from hydroquinone has the following formula (2)
Figure 0004207676
The structural unit may be used as it is in hydroquinone, but is usually used as a derivative in which a phenolic hydroxyl group is acylated with a fatty acid anhydride such as acetic anhydride.
[0010]
The content of the repeating structural unit derived from hydroquinone in the aromatic polyester is 10 to 35 mol%, preferably 12.5 to 32.5 mol%, particularly preferably 15 to 100 mol% of all the structural units constituting the aromatic polyester. ~ 30 mol%. When the repeating structural unit derived from hydroquinone is 10 mol% or more, the resulting aromatic polyester tends to exhibit liquid crystallinity and tends to improve heat resistance, and when it is 35 mol% or less, moldability And aromatic polyester are preferred because they tend to be excellent in processability when filmed.
[0011]
The repeating structural unit derived from 2,6-naphthalenedicarboxylic acid has the following formula (3)
Figure 0004207676
The structural unit is usually given by 2,6-naphthalenedicarboxylic acid. The carboxyl group of the acid may be an acid chloride, an acid anhydride, or a derivative such as an ester of an acid and an alcohol.
[0012]
The content of the repeating structural unit derived from 2,6-naphthalenedicarboxylic acid in the aromatic polyester is 10 to 35 mol%, preferably 12.5 to 32.5 mol with respect to 100 mol% of all the structural units constituting the aromatic polyester. %, Particularly preferably 15 to 30 mol%.
When the repeating structural unit derived from 2,6-naphthalenedicarboxylic acid is 10 mol% or more, the aromatic polyester obtained is preferable because it tends to exhibit liquid crystallinity and heat resistance tends to be improved, and is 35 mol% or less. When it is, it exists in the tendency which is excellent in the moldability and the workability at the time of filming an aromatic polyester, and is preferable.
[0013]
The molar ratio of the repeating structural unit derived from hydroquinone and the repeating structural unit derived from 2,6-naphthalenedicarboxylic acid is preferably 95/100 to 100/95. Within this range, the degree of polymerization tends to improve and the mechanical strength tends to improve.
[0014]
Since the aromatic polyester of the present invention tends to improve mechanical properties when the degree of polymerization is high, the intrinsic viscosity of the aromatic polyester that is an index indicating the degree of polymerization is preferably 0.3 or more, and is 0.5 or more It is more preferable.
On the other hand, when the degree of polymerization is low, the melt viscosity and the solution viscosity become low, for example, because the processability when filming an aromatic polyester tends to improve, the intrinsic viscosity is preferably 5 or less, 3.3 The following is more preferable.
[0015]
As the method for producing the aromatic polyester of the present invention, for example, 2-hydroxy-6-naphthoic acid and hydroquinone are acylated with an excess amount of fatty acid anhydride to obtain an acylated product. Examples thereof include a melt polymerization method by transesterification (polycondensation) of -6-naphthoic acid and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid. As the acylated product, a fatty acid ester obtained by acylation in advance may be used. Specifically, the methods described in JP-A-2002-220444 and JP-A-2002-146003 are recommended.
[0016]
In the acylation reaction, the addition amount of the fatty acid anhydride is preferably 1.0 to 1.2 times equivalent, more preferably 1.05 to 1.1 times equivalent to the phenolic hydroxyl group. When the amount of fatty acid anhydride added is 1.0 times equivalent or more, acylated products, 2-hydroxy-6-naphthoic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, etc. sublimate during transesterification (polycondensation), and the reaction system is blocked. In the case of 1.2 times equivalent or less, coloring of the aromatic polyester obtained tends to be reduced.
[0017]
The acylation reaction is usually carried out at 130 to 180 ° C. for 5 minutes to 10 hours, and preferably at 140 to 160 ° C. for 10 minutes to 3 hours.
[0018]
Examples of the fatty acid anhydride used in the acylation reaction include acetic anhydride, propionic anhydride, butyric anhydride, isobutyric anhydride, valeric anhydride, pivalic anhydride, 2-ethylhexanoic anhydride, monochloroacetic anhydride, and dichloroacetic anhydride. , Trichloroacetic anhydride, monobromoacetic anhydride, dibromoacetic anhydride, tribromoacetic anhydride, monofluoroacetic anhydride, difluoroacetic anhydride, trifluoroacetic anhydride, glutaric anhydride, maleic anhydride, succinic anhydride, β-bromopropionic anhydride, etc. These may be used as a mixture of two or more. From the viewpoint of price and handleability, acetic anhydride, propionic anhydride, butyric anhydride, and isobutyric anhydride are preferable, and acetic anhydride is more preferable.
[0019]
In the transesterification, the acyl group of the acylated product is preferably 0.8 to 1.2 times the carboxyl group.
[0020]
The transesterification is preferably carried out while raising the temperature at 130 to 400 ° C. at a rate of 0.1 to 50 ° C./min, and at 150 to 350 ° C. while raising the temperature at a rate of 0.3 to 5 ° C./min. It is more preferable.
[0021]
When transesterifying a fatty acid ester obtained by acylation with a carboxylic acid, it is preferable to distill off the by-produced fatty acid and the unreacted fatty acid anhydride by evaporating or the like in order to move the equilibrium. .
[0022]
The acylation reaction and transesterification may be performed in the presence of a catalyst. As the catalyst, those conventionally known as polyester polymerization catalysts can be used, such as magnesium acetate, stannous acetate, tetrabutyl titanate, lead acetate, sodium acetate, potassium acetate, antimony trioxide and the like. And an organic compound catalyst such as N, N-dimethylaminopyridine and N-methylimidazole.
The catalyst is usually added at the time of adding monomers, and it is not always necessary to remove it after acylation. If the catalyst is not removed, transesterification can be carried out as it is.
Among these catalysts, heterocyclic compounds containing two or more nitrogen atoms such as N, N-dimethylaminopyridine and N-methylimidazole are preferably used.
As a method for producing an aromatic polyester using a heterocyclic compound containing two or more nitrogen atoms, the method described in JP-A No. 2002-146003 is recommended.
[0023]
The polycondensation by transesterification is usually carried out by melt polymerization, but it is recommended that further solid phase polymerization be carried out after the completion of melt polymerization.
As a specific production method of solid phase polymerization, for example, the polymer is extracted from the melt polymerization step, then pulverized into powder or flakes, and then at 20 to 350 ° C. in an inert atmosphere such as nitrogen, Examples include a method of heat treatment in a solid phase for 1 to 30 hours. Solid phase polymerization may be carried out while stirring or in a state of standing without stirring. In addition, by providing an appropriate stirring mechanism, the melt polymerization tank and the solid phase polymerization tank can be made the same reaction tank.
After the solid phase polymerization, the obtained aromatic polyester may be taken out as a powder or may be taken out as a molded body such as pelletized.
The aromatic polyester can be produced using, for example, a batch apparatus, a continuous apparatus or the like.
[0024]
The aromatic polyester film of the present invention is formed into a film using the aromatic polyester thus obtained, and specifically includes a method of melting and forming a film.
As an aromatic polyester film formed by melting, for example, an aromatic polyester is melt-kneaded with an extruder, and the molten resin extruded through a T die is wound while being stretched in the direction of the winder (longitudinal direction). Examples thereof include a uniaxially oriented film or a biaxially stretched film, and an inflation film in which a melt sheet extruded from a cylindrical die is formed by an inflation method.
[0025]
The uniaxially oriented film will be described below. Extruder setting conditions during production of the uniaxially oriented film differ depending on the monomer composition of the aromatic liquid crystal polyester, but the set temperature of the cylinder is usually about 200 to 400 ° C, preferably Is about 230-380 ° C. When the set temperature of the cylinder is within this range, it is preferable because thermal decomposition of the aromatic polyester tends to be suppressed and film formation tends to be facilitated.
[0026]
The slit interval of the T die is preferably 0.1 to 2 mm.
The draft ratio of the uniaxially oriented film in the present invention is usually in the range of about 1.1 to 45. The draft ratio here refers to a value obtained by dividing the cross-sectional area of the T-die slit by the film cross-sectional area in the longitudinal direction. When the draft ratio is 1.1 or more, the film strength tends to be improved, and when the draft ratio is 45 or less, the surface smoothness of the film tends to be excellent. The draft ratio can be adjusted by the setting conditions of the extruder, the winding speed, and the like.
[0027]
The biaxially stretched film has the same extruder setting conditions as the uniaxially oriented film, that is, the set temperature of the cylinder is usually about 200 to 400 ° C, preferably about 230 to 380 ° C, and the slit interval of the T die is Usually, melt extrusion is performed in the range of 0.1 to 2 mm.
As a biaxial stretching method, the melt sheet extruded from the T die is simultaneously stretched in the longitudinal direction and the longitudinal direction (the transverse direction), the melt sheet extruded from the T die is first stretched in the longitudinal direction, Next, a method of sequential stretching in which the stretched sheet is stretched in the transverse direction from the tenter at a high temperature of 100 to 400 ° C. in the same process, and the like.
[0028]
The stretching ratio of the biaxially stretched film is preferably in the range of 1.1 to 20 times in the longitudinal direction and 1.1 to 20 times in the transverse direction. If the stretch ratio is within the above range, the strength of the resulting film tends to be excellent, and a film having a uniform thickness tends to be easily obtained.
[0029]
Next, the manufacturing method of an inflation film is demonstrated.
Supplying the aromatic polyester of the present invention to a melt-kneading extruder provided with a die of an annular slit, the temperature set in the cylinder is usually about 200-400 ° C., preferably about 230-380 ° C. A cylindrical aromatic polyester film is extruded upward or downward from the annular slit of the extruder. The interval between the annular slits is usually 0.1 to 5 mm, preferably 0.2 to 2 mm, and the diameter of the annular slit is usually 20 to 100 mm, preferably 25 to 600 mm.
[0030]
A draft is applied in the longitudinal direction (MD) to the melt-extruded tubular molten resin film, and air or an inert gas such as nitrogen gas is blown from the inside of the tubular melt-resin film so that the longitudinal direction The film is stretched and stretched in the transverse direction (TD) at right angles.
[0031]
The blow-up ratio (the ratio of the final tube diameter to the initial diameter) is usually 1.5 to 10.
The MD draw ratio is usually from 1.5 to 40, and a thickness within this range is preferable because it tends to obtain a high-strength aromatic polyester film having a uniform thickness and no wrinkles.
The film stretched and stretched is air-cooled or water-cooled, and then passed through a nip roll and taken off.
[0032]
In the inflation film formation, it is preferable to select conditions such that the cylindrical melt film expands to a smooth surface with a uniform thickness according to the composition of the aromatic polyester.
[0033]
The thickness of the aromatic liquid crystal polyester film thus obtained is usually 0.5 to 500 μm from the viewpoint of film forming properties and mechanical properties, and preferably 1 to 100 μm from the viewpoint of handleability.
[0034]
A metal layer may be laminated on the aromatic polyester film of the present invention.
In laminating the metal layer, the surface on which the metal layer of the aromatic polyester film is laminated may be subjected to corona discharge treatment, ultraviolet irradiation treatment, or plasma treatment in order to increase the adhesive force.
[0035]
As a method of laminating a metal layer on the aromatic polyester film of the present invention, for example,
(1) A method of attaching an aromatic polyester film to a metal foil by thermocompression bonding,
(2) A method of attaching an aromatic polyester film and a metal foil with an adhesive,
(3) It can be produced by a method of forming a metal layer on an aromatic polyester film by vapor deposition.
[0036]
Among these, the laminating method (1) is a method of pressure bonding with a metal foil near the flow start temperature of the aromatic polyester film using a press or a heating roll, and is recommended because it can be easily carried out.
[0037]
Examples of the adhesive used in the lamination method (2) include a hot melt adhesive and a polyurethane adhesive. Among them, an epoxy group-containing ethylene copolymer is preferably used as an adhesive.
[0038]
Examples of the lamination method (3) include an ion beam sputtering method, a high frequency sputtering method, a direct current magnetron sputtering method, and a glow discharge method. Among these, a high frequency sputtering method is preferably used.
[0039]
Examples of the metal used for the metal layer in the present invention include gold, silver, copper, nickel, and aluminum. Copper is preferred for tab tape and printed wiring board applications, and aluminum is preferred for capacitor applications.
[0040]
As the structure of the laminate thus obtained, for example, a two-layer structure of an aromatic polyester film and a metal layer, a three-layer structure in which metal layers are laminated on both surfaces of an aromatic liquid crystal polyester film, an aromatic liquid crystal polyester film And a five-layer structure in which metal layers are alternately laminated.
Moreover, you may heat-process this laminated body as needed for the purpose of high intensity | strength expression.
[0041]
In the aromatic polyester film of the present invention, fillers, additives, and the like may be added within a range that does not impair the object of the present invention.
Examples of the filler include epoxy resin powder, melamine resin powder, urea resin powder, benzoguanamine resin powder, polyester resin powder, organic filler such as styrene resin, silica, alumina, titanium oxide, zirconia, kaolin, calcium carbonate, calcium phosphate. And inorganic fillers.
Examples of the additive include a coupling agent, an anti-settling agent, an ultraviolet absorber, and a heat stabilizer.
[0042]
The aromatic polyester film of the present invention includes polypropylene, polyamide, polyester, polyphenylene sulfide, polyether ketone, polycarbonate, polyether sulfone, polyphenyl ether and a modified product thereof, You may add 1 type, or 2 or more types, such as thermoplastic resins, such as an etherimide, elastomers, such as a copolymer of a glycidyl methacrylate and polyethylene.
[0043]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated based on an Example, it cannot be overemphasized that this invention is not what is limited by an Example.
[0044]
Example 1
<Acylation reaction>
In a reactor equipped with a stirrer, a torque meter, a nitrogen gas inlet tube, a thermometer and a reflux condenser, 1037.34 g (5.512 mol) of 2-hydroxy-6-naphthoic acid and 274.59 g of hydroquinone (2.494 mol) were added. ), 2,6-naphthalenedicarboxylic acid 539.12 g (2.494 mol), acetic anhydride 12332.74 (12.08 mol) and 0.185 g of 1-methylimidazole as a catalyst were added and stirred at room temperature for 15 minutes. Then, it heated up, stirring. When the internal temperature reached 145 ° C., the mixture was stirred for 1 hour while maintaining the same temperature.
[0045]
<Transesterification>
Thereafter, 1.857 g of 1-methylimidazole was added as a heterocyclic organic base compound containing 2 or more nitrogen atoms, and the by-product acetic acid distilled and unreacted acetic anhydride were distilled off for 3 hours 30 minutes. The temperature was raised to 310 ° C., and the temperature was kept at that temperature for 1 hour to complete the transesterification reaction. The obtained resin was cooled to room temperature and pulverized with a pulverizer to obtain a powder (particle diameter of about 0.1 mm to about 1 mm).
[0046]
<Solid-state polymerization>
The powder obtained above was heated from 25 ° C. to 250 ° C. over 1 hour, then heated from the same temperature to 315 ° C. over 5 hours, and then kept at that temperature for 3 hours for solid phase polymerization. Thereafter, the solid-phase polymerized powder was cooled, and the cooled powder (aromatic polyester) was measured for flow start temperature using a flow tester (manufactured by Shimadzu Corporation, “CFT-500 type”). It was 329 ° C.
[0047]
<Production example of aromatic polyester film>
Aromatic polyester powder obtained by solid-phase polymerization is melted in a single screw extruder (screw diameter: 50 mm), and a T die at the tip of the extruder (lip length: 300 mm, lip clearance: 1 mm, die temperature: 360 ° C.) Thus, the film was extruded in the form of a film under a draft ratio of 4 and cooled to obtain a film having a thickness of 250 μm.
About the obtained film, the dielectric constant and the dielectric loss were measured by Hewlett-Packard Co., Ltd. impedance material analyzer.
The results are shown in Table 1.
[0048]
<Measurement of DTUL (deflection temperature under load)>
The aromatic polyester film obtained in the previous item was adjusted to a test piece having a length of 127 mm, a width of 12.7 mm, and a thickness of 6.4 mm, and the test piece was 1.82 MPa (18.6 kg / cm2) in accordance with ASTM D648. Under the load of 2 ), the temperature was increased at a temperature increase rate of 120 ° C./Hr, and the temperature when the deformation amount was 0.254 mm was determined as DTUL (deflection temperature under load). The higher the deflection temperature under load, the higher the heat resistance of the resin.
The results are summarized in Table 1.
[0049]
(Example 2)
In the same reactor as in Example 1, 106.64 g (5.775 mol) of 2-hydroxy-6-naphthoic acid, 260.13 g (2.362 mol) of hydroquinone, 510.75 g of 2,6-naphthalenedicarboxylic acid (2 .362 mol), acetic anhydride 12332.74 (12.08 mol) and 0.185 g of 1-methylimidazole as a catalyst were added. Thereafter, in the same manner as in Example 1, acylation reaction, transesterification reaction, solid phase polymerization, and production of an aromatic polyester film were carried out.
The results are summarized in Table 1.
[0050]
(Comparative Example 1)
In the same reactor as in Example 1, 911 g (6.6 mol) of p-hydroxybenzoic acid, 409 g (2.2 mol) of 4,4′-dihydroxybiphenyl, 274 g (1.65 mol) of terephthalic acid, isophthalic acid 91 g (0.55 mol) and 1235 g (12.1 mol) of acetic anhydride were added. Thereafter, in the same manner as in Example 1, acylation reaction, transesterification reaction, solid phase polymerization, and production of an aromatic polyester film were carried out.
The results are summarized in Table 1.
[0051]
[Table 1]
Figure 0004207676
[0052]
【The invention's effect】
Since the aromatic polyester of the present invention has a relatively low flow start temperature, it can be easily melt-formed and formed into a film. The obtained aromatic polyester film is further excellent in electrical characteristics such as low dielectric constant and low dielectric loss in a wide frequency range. Furthermore, as is clear from DTUL, the heat resistance is excellent.
From such excellent characteristics, the aromatic polyester of the present invention is, for example, a flexible printed wiring board, a rigid printed wiring board, a substrate material for an electronic substrate such as a module substrate, an interlayer insulating material, and a material for producing a surface protective film. Can be used as Moreover, the laminated body of this aromatic polyester film and a metal layer can be used as a manufacturing material of a capacitor | condenser or an electromagnetic wave shielding material.

Claims (1)

2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位30〜80mol%と、ヒドロキノンに由来する繰り返し構造単位35〜10mol%と、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位35〜10mol%との実質的に3つの構造単位からなる芳香族ポリエステルから製造されることを特徴とする、電子基板、層間絶縁材料、表面保護フィルム、コンデンサーまたは電磁波シールド材の製造用材料30 to 80 mol% of repeating structural units derived from 2-hydroxy-6-naphthoic acid, 35 to 10 mol% of repeating structural units derived from hydroquinone, and 35 to 10 mol% of repeating structural units derived from 2,6-naphthalenedicarboxylic acid A material for producing an electronic substrate, an interlayer insulating material, a surface protective film, a capacitor, or an electromagnetic shielding material, characterized in that the material is produced from an aromatic polyester substantially consisting of three structural units.
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