JP4205934B2 - 建物の建設における商品選択のためのコンピュータシステム、及び、コンピュータシステムを用いて建物の建設における商品選択を行うための方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の建設における資金計画及び商品選択のためのシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅を新築する際は、まず、資金計画と建物の選択が重要である。資金計画においては、多くの者が自己資金に加え、住宅ローンを組むこととなる。しかし、建物が決まらないとローンを組むことができず、また、逆に、資金計画ができていないと建物を決めることができない。特に、銀行からの借り入れに当たっては、個別に様々な制約があるため、個人で把握や判断することができない。このような状況下、従来は、銀行窓口での相談、ハウジングセンターでの専門家への相談、各住宅会社の営業マンへの相談等の手段がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の手段では、まず、顧客にとっては、銀行のローン窓口の担当者は、住宅にかかる費用を把握していないため、具体的な相談ができないという問題がある。また、住宅会社の営業マンに予算等を正確に伝えることに不安があるため、適切なアドバイスを受けるまでに時間がかかってしまう。また、建物の金額を把握できないまま打ち合わせが進み、結果的に予算オーバーとなってしまうことも多い。その間何度か営業マンの訪問を受けたり、自ら展示場に出向くなどの煩わしさもある。さらに、何社かの住宅会社を比較検討する際は、自らの希望や条件を複数社に伝える必要もあり、営業マンの訪問も度重なって、煩わしさも倍増される結果となる。このような中、本来必要な住宅そのものの比較ではなく、営業マンの対応の良し悪しや展示場の好みで、契約する住宅会社を決定するケースも多い。
【0004】
一方、銀行担当者にとっては、顧客から住宅建設についての相談を受けても、借り入れ条件等についての説明はできるが、その基となる建物については各メーカーの詳細な資料がなく、価格や構造も分からないため、顧客に適切なアドバイスができず、結局、住宅会社に振ることとなる。結果的に、銀行は住宅会社からの持込の案件に頼ることとなっている。また、担当者がローン業務に精通していない場合も多く、提出書類等に関して住宅会社や顧客に手間や労力をかけることも多い。
【0005】
さらに、住宅会社にとっては、住宅営業マンを警戒して正確な資金や希望を伝えない顧客が多いため、営業マンは、見込み客か否かの把握と信頼を得ることに時間を費やすこととなる。このため、営業マンは、家庭を訪問する、ダイレクトメールを送る等の様々な営業活動を強いられている。また、営業マンは、顧客に代わって銀行の相談窓口に出向いたり、借り入れに関する書類の作成をするなど、本来の住宅営業以外の仕事をしなければならず、本来の住宅営業に専念することができないので、効率的な業務を行うことが困難となっている。一方、会社側は営業マンからの報告のみが情報源で、個々の案件についての正確な把握が困難となっている。
【0006】
なお、先行技術文献調査は行っていないので、記載すべき先行技術文献情報は無い。
【0007】
この発明は、上述した問題を解決するものであり、効率的に建物建設における資金計画及び商品選択を行うことができるシステムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンピュータシステムは、複数の住宅会社のコンピュータに接続された、建物の建設における商品選択のためのコンピュータシステムであって、建物の建設費用に関する建物本体価格以外の各費用についての費用情報が金額の算定式の形で格納された費用情報格納部と、建物の商品情報であってその建物を扱う住宅会社の会社名、建物の商品名、構造、坪単価、坪当たりの設計料、及び、坪当たりのインテリアコーディネイト料を含む商品情報が格納された商品情報格納部と、顧客が建物及び建設資金に関する条件を入力するための条件入力手段と、入力された前記条件中の希望部屋構成に基づいて必要坪数を算出するとともに、入力された前記条件中の該当データを前記費用情報格納部の前記各算定式に当てはめることにより建物の本体価格以外の費用を算出し、さらに、入力された前記条件中の予算総額と、算出した前記本体価格以外の費用及び前記必要坪数とに基づいて、建物の本体価格と坪単価とを算出する価格算出手段と、前記商品情報中の構造が、入力された前記条件中の希望構造に適合し、かつ、前記商品情報中の坪単価であって坪数に応じて坪単価が異なる場合には前記価格算出手段で算出した前記必要坪数に応じた坪単価と、前記坪当たりの設計料と、前記坪当たりのインテリアコーディネイト料とを加えた額が、前記価格算出手段で算出した坪単価以下であるような前記商品情報を、前記商品情報格納部に格納されている前記商品情報から検索し、検索された前記商品情報中の会社名と商品名とを出力するマッチング手段と、入力された前記条件から情報を抽出し、該抽出した情報と、前記価格算出手段で算出した前記本体価格及び前記必要坪数とを含む建物の設計情報を作成し出力する設計情報作成手段と、前記マッチング手段で検索された前記商品情報中の会社名及び商品名を出力し、該出力された会社名及び商品名に基づいて顧客に送信先の住宅会社を選択させ、該選択された住宅会社のコンピュータに前記設計情報を送信する設計情報送信手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
これによれば、顧客が建物及び建設資金に関する条件を入力することにより、その条件に合った商品情報と設計情報とが出力される。顧客は商品情報を見て、自分の条件により、どこの住宅会社のどの商品が可能かを客観的に判断できる。そして、その商品を扱っている住宅会社に、出力された設計情報を提示することにより、早期に住宅会社からの具体的な提案を受けることができる。また、住宅会社にとっては、顧客から正確な情報を得ることができるので、効率的な営業を行うことができる。
【0013】
また、顧客は自分で住宅会社に出向いて自分の条件を提示する必要がなくなり、自宅等で住宅会社からの提案を待てばよいので、効率的な検討ができる。また、複数の住宅会社の商品を比較検討する際も、容易に複数社に設計情報を提出できるので、効率的に比較検討が行える。
【0020】
本発明の方法は、複数の住宅会社のコンピュータに接続されたコンピュータシステムを用いて建物の建設における商品選択を行うための方法であって、前記コンピュータシステムが、建物の建設費用に関する建物本体価格以外の各費用についての費用情報が金額の算定式の形で格納された費用情報格納部と、建物の商品情報であってその建物を扱う住宅会社の会社名、建物の商品名、構造、坪単価、坪当たりの設計料、及び、坪当たりのインテリアコーディネイト料を含む商品情報が格納された商品情報格納部とを有し、前記コンピュータシステムが、顧客に建物及び建設資金に関する条件を入力させる条件入力ステップと、前記コンピュータシステムが、入力された前記条件中の希望部屋構成に基づいて必要坪数を算出するとともに、入力された前記条件中の該当データを前記費用情報格納部の前記各算定式に当てはめることにより建物の本体価格以外の費用を算出し、さらに、入力された前記条件中の予算総額と、算出した前記本体価格以外の費用及び前記必要坪数とに基づいて、建物の本体価格と坪単価とを算出する価格算出ステップと、前記コンピュータシステムが、前記商品情報中の構造が、入力された前記条件中の希望構造に適合し、かつ、前記商品情報中の坪単価であって坪数に応じて坪単価が異なる場合には前記価格算出ステップで算出した前記必要坪数に応じた坪単価と、前記坪当たりの設計料と、前記坪当たりのインテリアコーディネイト料とを加えた額が、前記価格算出ステップで算出した坪単価以下であるような前記商品情報を、前記商品情報格納部に格納されている前記商品情報から検索し、検索された前記商品情報中の会社名と商品名とを出力するマッチングステップと、前記コンピュータシステムが、入力された前記条件から情報を抽出し、該抽出した情報と、前記価格算出ステップで算出した前記本体価格及び前記必要坪数とを含む建物の設計情報を作成し出力する設計情報作成ステップと、前記コンピュータシステムが、前記マッチングステップにおいて検索された前記商品情報中の会社名及び商品名を出力し、該出力された会社名及び商品名に基づいて顧客に送信先の住宅会社を選択させ、該選択された住宅会社のコンピュータに前記設計情報を送信する設計情報送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0021】
これによれば、顧客が建物及び建設資金に関する条件を入力することにより、その条件に合った商品情報と設計情報とが出力される。顧客は商品情報を見て、自分の条件により、どこの住宅会社のどの商品が可能かを客観的に判断できる。そして、その商品を扱っている住宅会社に、出力された設計情報を提示することにより、早期に住宅会社からの具体的な提案を受けることができる。また、住宅会社にとっては、顧客から正確な情報を得ることができるので、効率的な営業を行うことができる。
【0023】
また、顧客は自分で住宅会社に出向いて自分の条件を提示する必要がなくなり、自宅等で住宅会社からの提案を待てばよいので、効率的な検討ができる。また、複数の住宅会社の商品を比較検討する際も、容易に複数社に設計情報を提出できるので、効率的に比較検討が行える。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態にかかるコンピュータシステムであるシステムSの説明図である。システムSは、サーバ・コンピュータであり、システムSは複数の銀行のコンピュータB、及び、複数の住宅会社のコンピュータH、H1と、インターネットを介して接続されている。また、システムSは、顧客の各家庭や銀行の店頭等に設置されたパーソナル・コンピュータ(以下、パソコン)Pと、インターネットを介して接続されている。
【0030】
システムSは、図2に示すような建物の建設費用に関する費用情報が格納された費用情報データベース(費用情報格納部に相当)1を有している。ここでは、費用情報は建物本体価格以外の各費用についての情報であり、必ず必要な費用として、取得費用、ローン手続費用、水道分担金、屋外給排水工事費についての情報が含まれ、調整が可能な費用として、カーテン等の費用や外構工事費が含まれ、敷地により必要な費用として、浄化槽工事費、解体工事費、基礎補強工事費が含まれている。各費用についての情報は金額の算定式の形で格納されており、システムSは、それらの算定式を使用して個別の案件毎に各費用を算出できるように構成されている。
【0031】
また、システムSは、図3に示すような建物に関する商品情報が格納された商品情報データベース(商品情報格納部に相当)2を有している。商品情報には、その商品(建物)を扱う住宅会社の会社名、建物の商品名、構造、階数、坪単価、坪当たりの設計料、坪当たりのインテリアコーディネイト料、構造(住宅金融公庫融資条件構造)等が含まれている。
【0032】
また、システムSは、会社名、商品名、構造等の他、商品の特徴情報や外観写真等が含まれた商品の詳細情報が格納された商品リスト3を有している。
【0033】
また、システムSは、入札待ちリスト4(入札待ち情報格納部に相当)を備えた入札システム部5を有している。入札待ちリスト4には、後述するように、入札の受入を希望している顧客の設計カルテが登録される。
【0034】
さらに、システムSは、各種のWebページ(以下、画面と言う。)のデータを有している。以下、システムSがパソコンP等に画面を表示すると言うときは、システムSがその画面のデータをパソコンP等に送信し、パソコンPがそのデータにより画面を表示すると言う意である。
【0035】
次にシステムSの動作について説明する。
【0036】
〈条件入力ステップ〉
建物の建設を希望する顧客は、パソコンPを用いてシステムSにアクセスする。すると、システムSはパソコンPに、図4に示すような条件入力画面を表示する。顧客はパソコンPに表示された条件入力画面において、氏名、住所、勤務先、家族構成、将来の同居予定の有無等の個人情報の他、建設地、用途地域、防火指定の有無、敷地面積、浄化槽の必要の有無、解体工事の有無、希望部屋構成(希望する部屋の種類、部屋数、各部屋の広さ等)、二世帯同居の有無、希望構造、入居希望日等の希望する建物についての条件を入力し、さらに、年収、収入合算者の年収、予算総額、自己資金額、返済期間、返済方法、返済可能金額等の建設資金についての条件を入力する。
【0037】
このとき、各項目に設けられた詳細ボタン21をクリックすると、各項目についての詳細情報画面が表示され、その詳細情報画面において各項目についての詳細情報を閲覧したり入力したりすることができる。特に、返済期間、返済方法、返済可能金額については、詳細ボタン21をクリックするとシミュレーション画面が表示されて、シミュレーションを行えるようになっており、顧客はシミュレーションの結果、無理のない範囲で返済方法等について入力できる。顧客が条件入力後、ボタン22をクリックすると、入力された条件がシステムSに送信され、入力される(図1のS01参照)。
【0038】
〈価格情報作成ステップ〉
システムSは、入力された希望部屋構成に基づいて必要坪数を算出し、図5に示す坪数出力画面をパソコンPに表示する(図1のS02参照)。パソコンPに表示された坪数出力画面において、顧客が坪数確認後、ボタン32をクリックすると、システムSは費用情報データベース1を用いて、入力された条件中の該当データを各算定式に当てはめることにより、建物の本体価格以外の費用を算出し、図6に示すような費用出力画面をパソコンPに表示する(図1のS03参照)。ここで、顧客が詳細欄41をクリックすると、費用の詳細情報が表示される。特に、調整が可能な費用(ここでは、カーテン・照明器具の費用及び外構工事費)について詳細欄41をクリックすると、詳細画面(図示せず)が表示され、顧客はその詳細画面において費用を調整することができる。
【0039】
顧客が費用出力画面においてボタン43をクリックすると、システムSは、入力された条件中の予算総額、算出した本体価格以外の費用、及び、算出した必要坪数から、建物の本体価格と坪単価とを算出し、図7に示すような坪単価出力画面をパソコンPに表示する(図1のS04参照)。この坪単価が建物の価格に関する価格情報となる。なお、坪数が価格に関係する場合には、算出した必要坪数も価格情報に含まれるものとする。このように建物の本体価格以外の費用及び本体価格が容易に算出されるので、顧客は、予算総額の内、実際に建物にかけられる費用がどれ位かを知ることができ、適切な商品(建物)を選択することができ、予算オーバーを防ぐことができる。
【0040】
〈マッチングステップ〉
顧客がパソコンPに表示された坪単価出力画面において、マッチングボタン45を選択すると、システムSは、入力された条件と作成した価格情報とに適合する商品情報を、商品情報データベース2から検索する。詳しくは、システムSは、商品情報の構造の項目(図3の▲3▼参照)中のデータが、入力された条件中の希望構造に適合し、かつ、坪単価の項目(図3の▲5▼参照)中の坪単価(図3の例のように、坪数に応じて坪単価が異なる場合には、算出した必要坪数に応じた坪単価)と坪当たりの設計料(図3の▲6▼参照)と坪当たりのインテリアコーディネイト料(図3の▲7▼参照)とを加えた額が、算出した坪単価以下であるような商品情報を、条件に合う商品として商品情報データベース2から検索する(図1のS05参照)。
【0041】
なお、システムSは、商品情報中の坪単価と坪当たりの設計料と坪当たりのインテリアコーディネイト料とを加えた額が、算出した坪単価を上回っているが、その差が所定範囲内であるような商品情報については、調整すれば条件に合う商品として抽出しておく。
【0042】
そして、システムSは、検索した商品情報に基づいて、図8に示すように住宅会社名と商品名とが一覧表示されたマッチング結果画面をパソコンPに表示する(図1のS06参照)。この一覧表示においては、条件に合う商品、調整すれば条件に合う商品、及び、条件に合わない商品についての情報が、例えば色別に表示される等、区別可能に表示される。そして、条件に合う商品及び調整すれば条件に合う商品については、商品名の横のボタン51をクリックすれば、システムSは、商品リスト3を検索し、図9に示すような商品詳細情報画面をパソコンPに表示する。この商品詳細情報画面には、会社名、商品名、構造、商品特徴、外観写真、営業所住所等の商品の詳細情報が表示され、また、展示場マップボタン53をクリックすると、住宅展示場の地図が表示される。なお、調整すれば条件に合う商品については、例えば上述したように調整可能な費用を調整することにより、条件に合う商品とすることができる。
【0043】
〈ゾーニングステップ〉
また、顧客がマッチング結果画面においてゾーニング選択ボタン52をクリックすると、システムSは、図10に示すようなゾーニング作成画面をパソコンPに表示する。パソコンPに表示されたゾーニング作成画面には、顧客の希望した部屋が顧客の希望した広さに応じた大きさの楕円(円も含む)で表され、顧客はそれらの楕円をドラッグして配置することにより、配置イメージを作成することができる(図1のS07参照)。なお、楕円を使用したのは、例えば矩形を使用すると、部屋と部屋の間の余裕が無い配置イメージが作成されてしまい、そのような配置イメージに従って設計図面を作成すると、部屋の大きさや配置の調整が難しくなるからであるが、この点を考慮しなければ矩形等他の形状であっても勿論よい。また、階段や便所等、大きさがほぼ決まっているものについては、矩形にしてもよい。
【0044】
ゾーニング作成画面において顧客が1階部分の配置イメージを作成し、ボタン54をクリックすると、システムSは1階部分の配置イメージを一時保存し、さらに、顧客の希望部屋構成に従って、2階部分の配置イメージを作成するためのゾーニング作成画面をパソコンPに表示する。このゾーニング作成画面には、1階部分の配置イメージがレイヤーで表示される。すなわち、顧客は、1階部分の配置イメージに重ねて2階部分の配置イメージを作成することができる。顧客がゾーニング作成終了後、2階部分のゾーニング画面に設けられた登録ボタンをクリックすると、システムSは、作成された1階部分及び2階部分の配置イメージを登録(保存)する。
【0045】
〈資金計画情報作成ステップ〉
次に、システムSは、入力された条件、算出された本体価格等に基づいて、図11に示すような資金計画カルテ(資金計画情報に相当)を作成し、作成した資金計画カルテを含む画面をパソコンPに表示する(図1のS08参照)。資金計画カルテには、氏名、住所、勤務先、家族構成等の個人情報の他、年収、収入合算者の年収、自己資金額、希望する返済期間、返済計画等の資金についての情報や、建物の本体価格等の建物についての情報が含まれている。
【0046】
また、パソコンPに表示された資金計画カルテには、検討住宅会社商品欄57が設けられ、顧客が未だ住宅会社及び商品を選択していない場合には、検討住宅会社商品欄57には住宅会社商品選択ボタン(図示せず)が表示されている。そして、顧客が住宅会社商品選択ボタンをクリックすると、パソコンPには、図12に示すような住宅会社商品選択画面が表示される。住宅会社商品選択画面には、上記マッチングステップにおいて検索された、条件に合う商品及び調整すれば条件に合う商品についてのリストが表示されている。そして、顧客が表示されたリストの中から検討したい商品を、その先頭のボックス59にチェックを入れることにより選択し、ボタン60をクリックすると、図11に示すように検討住宅会社商品欄57に、顧客が選択した商品の住宅会社名及び商品名が入力・表示される。なお、顧客が検討したい商品を複数選択したときは、複数の住宅会社名及び商品名が入力・表示される。建物によってローンの条件が異なる場合があることから、このように検討したい商品(建物)についての情報を資金計画カルテに含めることとしたものであり、これにより、資金カルテは、銀行が資金計画について提案するために必要な情報を網羅したものとなる。
【0047】
なお、マッチングステップにおいて条件に合う商品及び調整すれば条件に合う商品が検索されなかった場合には、検討住宅会社商品欄57は空欄とされる。
【0048】
〈資金計画情報送信ステップ〉
顧客は、資金計画カルテを銀行に送信する場合には、画面に設けられた銀行選択ボタン58をクリックする。すると、パソコンPには図13に示すような銀行選択画面が表示される。顧客が、銀行選択画面においてボックス62にチェックを入れることにより、送信先の銀行を選択し、送信ボタン63をクリックすると、システムSは、選択された銀行のコンピュータBに資金計画カルテを送信する。顧客が複数の銀行を選択した場合には、資金計画カルテは複数の銀行の各コンピュータBに送信される。
【0049】
なお、資金計画カルテの検討住宅会社商品欄57に入力された住宅会社名及び商品名に対応する詳細情報を、商品リスト3から検索して、資金計画カルテに含めて送信するようにしてもよい。これにより、銀行はより詳細な商品の情報を得ることができる。
【0050】
資金カルテを参考にローンプラン等の提案情報を作成した銀行の担当者が、銀行のコンピュータBからシステムSに提案情報を送信すると、システムSは受信した提案情報を、例えばeメールに添付する等して顧客のパソコンPに送信する。これにより、パソコンPには図14に示すような提案情報が表示される。
【0051】
〈設計情報作成ステップ〉
一方、システムSは、入力された条件、算出された本体価格等に基づいて、図15に示すような設計カルテ(設計情報に相当)を作成し、作成した設計カルテを含む画面をパソコンPに表示する(図1のS08参照)。設計カルテには、氏名、住所、勤務先、家族構成等の個人情報の他、建設地、用途地域、防火指定、敷地面積、浄化槽の必要の有無、解体工事の有無、予算総額、建物の本体価格、希望坪数、希望部屋構成、二世帯同居の有無、希望構造、入居希望日等の建物についての情報が含まれ、さらに、年収、収入合算者の年収、自己資金額、希望する返済期間、返済計画等の資金についての情報も含まれており、住宅会社が設計プランについて提案するために必要な情報を網羅したものとなっている。
【0052】
また、設計カルテには、顧客がゾーニング作成画面で作成した配置イメージが含まれており、設計カルテが表示された画面においてゾーニングボタン69をクリックすることにより、図10の2点鎖線55で示されるような配置イメージが表示される。
【0053】
〈設計情報送信ステップ〉
顧客は、設計カルテを住宅会社に送信したい場合には、設計カルテが表示された画面において住宅会社選択ボタン70をクリックする。すると、パソコンPには、図16に示すような住宅会社選択画面が表示される。住宅会社選択画面には、上記マッチングステップにおいて検索された、条件に合う商品及び調整すれば条件に合う商品についての住宅会社名及び商品名が一覧表示されている。顧客が、住宅会社選択画面においてボックス72にチェックを入れることにより、送信先の住宅会社を選択し、送信ボタン73をクリックすると、システムSは、選択された住宅会社のコンピュータHに設計カルテ(配置イメージを含む)を送信する。顧客が複数の住宅会社を選択した場合には、設計カルテは複数の住宅会社の各コンピュータHに送信される。
【0054】
なお、住宅会社選択画面において送信先の住宅会社を選択したとき、同時にその住宅会社名の横に表示されている商品名の商品を選択したものとして、その商品名を設計カルテと共に、選択された住宅会社に送信することとしてもよい。これにより、住宅会社はより具体的な提案を行うことができる。
【0055】
受信した設計カルテを参考に設計プラン等の提案情報を作成した住宅会社の担当者が、コンピュータHからシステムSに提案情報を送信すると、システムSは受信した提案情報を、例えばeメールに添付する等して顧客のパソコンPに送信する。これにより、パソコンPには図17に示すような提案情報が表示される。
【0056】
〈入札ステップ〉
また、顧客は、個別に住宅会社を選択して設計カルテを送信する以外に、システムSが備える入札待ちリスト4に、設計カルテを登録することにより、住宅会社からの入札を待つことができる。あるいは、顧客は、マッチングの結果、マッチングする商品が無かった場合にも、作成された設計カルテを入札待ちリスト4に登録し、入札を待つことができる。すなわち、顧客が設計カルテが表示された画面(図15参照)において登録ボタン71をクリックすると、システムSは設計カルテを入札待ちリスト4に登録(格納)する(図1のS09参照)。
【0057】
そして、入札参加資格を有する住宅会社の担当者が、コンピュータH1から入札システム部5にアクセスすると、入札システム部5はコンピュータH1に図18に示すような入札参加会社用検索画面を送信する。担当者が、コンピュータH1に表示された入札参加会社用検索画面において、ID及び検索地域を入力し検索ボタン80をクリックすると、入札システム部5はコンピュータH1から、検索条件(ここでは、検索地域)を受信し、その検索条件に適合する設計カルテ(ここでは、建設地が検索地域内であるような設計カルテ)を入札待ちリスト4から検索し、検索された設計カルテに基づいて、図19に示すような検索結果画面をコンピュータH1に表示する(図1のS10参照)。
【0058】
コンピュータH1に表示された検索結果画面には、検索された設計カルテから抽出・作成された入札物件情報が一覧表示されている。入札物件情報には、建設地、希望構造、希望延べ面積(希望坪数)、希望坪単価が含まれている。なお、各物件については、入札物件情報の横の詳細ボタン82をクリックすることにより、建物の条件についての詳細情報が閲覧できるように構成されているが、氏名や住所等の個人情報は閲覧できないこととされ、個人情報に対するセキュリティが図られている。
【0059】
そして、住宅会社の担当者が、入札したい物件の入札物件情報の先頭のボックス81にチェックを入れ、入札希望ボタン83をクリックすると、入札システム部5は、その物件の設計カルテを登録した顧客に対して、入札を受け入れるか否かの意思の確認を行う(図1のS11参照)。すなわち、入札システム部5は、コンピュータH1に住宅会社商品案内作成画面(図示せず)を表示し、住宅会社の担当者が、コンピュータH1に表示された住宅会社商品案内作成画面において会社と商品の案内情報を作成して、送信ボタンをクリックすると、コンピュータH1は入札システム部5に、作成された案内情報を送信する。入札システム部5は、受信した案内情報をeメールに添付して顧客のパソコンPに送信する。顧客は、eメールに添付された案内情報を見て、入札を受け入れるか否かを決め、受け入れる場合には、案内情報が表示された画面に設けられた承諾ボタンをクリックし、受け入れない場合には不承諾ボタンをクリックする。パソコンPから承諾の旨を受信した入札システム部5は、個人情報から抽出された氏名、住所等の顧客の詳細情報をコンピュータH1に送信し、これにより、住宅会社の担当者は顧客と連絡を取って、現場を見学する等してから、入札を行うことができる。
【0060】
以上のように、システムSによれば、顧客は、商品情報を得ることにより、自分の予算と条件で、どこの住宅会社のどの商品が可能かを客観的に判断できることとなる。また、容易に、何度でも、予算や条件を調整して検討し直すことができる。
【0061】
また、希望する建物についての情報も含め、ローン相談で必要とされる情報が含まれた資金計画情報が作成されるため、具体的かつスムーズな相談が可能となる。そして、作成された資金計画情報は、選択した銀行に送信できるため、顧客は銀行に出向く必要がなく、効率的な検討が行える。また、幾つかの銀行を比較検討する際も、同じ資金計画情報を提出するだけなので、効率的に比較検討が行える。
【0062】
また、設計プランの提案に必要な情報が含まれた設計情報が作成されるため、早期に住宅会社からの具体的な提案を受けることができる。そして、作成された設計情報は、選択した住宅会社に送信できるため、顧客は住宅会社に出向く必要がなく、効率的な検討が行える。また、何社かの住宅会社を比較検討する際も、同じ設計情報を提出するだけなので、効率的に比較検討が行える。
【0063】
また、マッチングした会社やその商品に納得できない場合や、マッチングしなかった場合には、条件を提示して幅広く住宅会社からの入札を待つことができる。また、入札受入について可否が問われるので、希望の会社からのみの入札を受け入れることができる。
【0064】
一方、銀行側にとっては、直接、融資を望む顧客から資金計画情報が送信されるため、効率的に顧客の確保ができる。また、融資の可否を判断する判断資料となる資金計画情報が、直接送信されるため、スムーズな回答が行える。そして、希望する住宅会社、商品、構造、本体価格等の建物についての情報が含まれた資金計画情報が送信されるため、融資の金額を算出しやすい。
【0065】
さらに、住宅会社にとっては、顧客自らが住宅会社を絞り込むため、確実性の高い顧客が確保できる。また、住宅の提案に必要な予算や建物についての条件が直接送られてくるため、具体的な提案がしやすい。そして、訪問営業ではないので、時間を選ばず、効率的な商談が可能となる。また、営業マン個人の手腕に頼ることなく、顧客のニーズや反応を把握可能である。さらに、入札を待つ物件の情報を検索することができ、地域や自社の商品の価格帯にあった物件を選択して入札することができるので、確実性の高い営業が行える。
【0066】
なお、上記実施形態では、システムSがサーバであり、各パソコンP、コンピュータB、H、H1がクライアントであるような、サーバ・クライアント型としたが、他の形態であっても勿論よい。例えば、システムSの入札システム部5以外の部分を、費用情報や商品情報等の必要なデータを備え、必要なプログラムがインストールされたパソコンで構成する。そして、そのパソコンを、例えば銀行や住宅展示場等に設置して顧客に使用させ、顧客はそのパソコンの画面を見ながら、条件の入力(図1のS01参照)から資金計画カルテ及び設計カルテの作成(図1のS08参照)までは、そのパソコン単体で行えるようにする。一方、入札システム部5はサーバ・コンピュータにより構成し、顧客が入札待ちの登録を希望した設計カルテについては、パソコンからインターネットや専用回線を介して入札システム部5に送信して、以降の処理を行わせるように構成してもよい。
【0067】
すなわち、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で、本発明は種々の実施形態を採り得る。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、顧客、銀行、住宅会社の三者にとって、効率的に建物の建設における資金計画や商品の選択を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるシステムの説明図
【図2】費用情報データベースに格納されている費用情報
【図3】商品情報データベースに格納されている商品情報
【図4】条件入力画面の一例
【図5】坪数出力画面の一例
【図6】費用出力画面の一例
【図7】坪単価出力画面の一例
【図8】マッチング結果画面の一例
【図9】商品詳細情報画面の一例
【図10】ゾーニング作成画面の一例
【図11】資金計画カルテが表示された画面の一例
【図12】住宅会社商品選択画面の一例
【図13】銀行選択画面の一例
【図14】銀行からの提案情報が表示された画面の一例
【図15】設計カルテが表示された画面の一例
【図16】住宅会社選択画面の一例
【図17】住宅会社からの提案情報が表示された画面の一例
【図18】入札参加会社用検索画面の一例
【図19】検索結果画面の一例
【符号の説明】
S…システム
P…パソコン
B、H、H1…コンピュータ
1…費用情報データベース(費用情報格納部)
2…商品情報データベース(商品情報格納部)
4…入札待ちリスト(入札待ち情報格納部)
Claims (2)
- 複数の住宅会社のコンピュータに接続された、建物の建設における商品選択のためのコンピュータシステムであって、
建物の建設費用に関する建物本体価格以外の各費用についての費用情報が金額の算定式の形で格納された費用情報格納部と、
建物の商品情報であってその建物を扱う住宅会社の会社名、建物の商品名、構造、坪単価、坪当たりの設計料、及び、坪当たりのインテリアコーディネイト料を含む商品情報が格納された商品情報格納部と、
顧客が建物及び建設資金に関する条件を入力するための条件入力手段と、
入力された前記条件中の希望部屋構成に基づいて必要坪数を算出するとともに、入力された前記条件中の該当データを前記費用情報格納部の前記各算定式に当てはめることにより建物の本体価格以外の費用を算出し、さらに、入力された前記条件中の予算総額と、算出した前記本体価格以外の費用及び前記必要坪数とに基づいて、建物の本体価格と坪単価とを算出する価格算出手段と、
前記商品情報中の構造が、入力された前記条件中の希望構造に適合し、かつ、前記商品情報中の坪単価であって坪数に応じて坪単価が異なる場合には前記価格算出手段で算出した前記必要坪数に応じた坪単価と、前記坪当たりの設計料と、前記坪当たりのインテリアコーディネイト料とを加えた額が、前記価格算出手段で算出した坪単価以下であるような前記商品情報を、前記商品情報格納部に格納されている前記商品情報から検索し、検索された前記商品情報中の会社名と商品名とを出力するマッチング手段と、
入力された前記条件から情報を抽出し、該抽出した情報と、前記価格算出手段で算出した前記本体価格及び前記必要坪数とを含む建物の設計情報を作成し出力する設計情報作成手段と、
前記マッチング手段で検索された前記商品情報中の会社名及び商品名を出力し、該出力された会社名及び商品名に基づいて顧客に送信先の住宅会社を選択させ、該選択された住宅会社のコンピュータに前記設計情報を送信する設計情報送信手段と、
を有することを特徴とするコンピュータシステム。 - 複数の住宅会社のコンピュータに接続されたコンピュータシステムを用いて建物の建設における商品選択を行うための方法であって、
前記コンピュータシステムが、建物の建設費用に関する建物本体価格以外の各費用についての費用情報が金額の算定式の形で格納された費用情報格納部と、建物の商品情報であってその建物を扱う住宅会社の会社名、建物の商品名、構造、坪単価、坪当たりの設計料、及び、坪当たりのインテリアコーディネイト料を含む商品情報が格納された商品情報格納部とを有し、
前記コンピュータシステムが、顧客に建物及び建設資金に関する条件を入力させる条件入力ステップと、
前記コンピュータシステムが、入力された前記条件中の希望部屋構成に基づいて必要坪数を算出するとともに、入力された前記条件中の該当データを前記費用情報格納部の前記各算定式に当てはめることにより建物の本体価格以外の費用を算出し、さらに、入力された前記条件中の予算総額と、算出した前記本体価格以外の費用及び前記必要坪数とに基づいて、建物の本体価格と坪単価とを算出する価格算出ステップと、
前記コンピュータシステムが、前記商品情報中の構造が、入力された前記条件中の希望構造に適合し、かつ、前記商品情報中の坪単価であって坪数に応じて坪単価が異なる場合には前記価格算出ステップで算出した前記必要坪数に応じた坪単価と、前記坪当たりの設計料と、前記坪当たりのインテリアコーディネイト料とを加えた額が、前記価格算出ステップで算出した坪単価以下であるような前記商品情報を、前記商品情報格納部に格納されている前記商品情報から検索し、検索された前記商品情報中の会社名と商品名とを出力するマッチングステップと、
前記コンピュータシステムが、入力された前記条件から情報を抽出し、該抽出した情報と、前記価格算出ステップで算出した前記本体価格及び前記必要坪数とを含む建物の設計 情報を作成し出力する設計情報作成ステップと、
前記コンピュータシステムが、前記マッチングステップにおいて検索された前記商品情報中の会社名及び商品名を出力し、該出力された会社名及び商品名に基づいて顧客に送信先の住宅会社を選択させ、該選択された住宅会社のコンピュータに前記設計情報を送信する設計情報送信ステップと、
を有することを特徴とする方法。
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