本発明の情報記録媒体の実施形態は、複数のコンテンツ情報と、該複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを各々規定する複数のプレイリスト情報と、前記複数のプレイリスト情報のうち一つのプレイリスト情報を、前記コンテンツ情報を再生する再生装置に対して入力又は設定される選択判断情報に応じて選択するコマンドとが記録される。
例えば、本発明の情報記録媒体の実施形態は、複数のコンテンツ情報と、該複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットと、前記複数のコンテンツ情報を論理的に一まとまりの情報単位であるタイトルとして再生するように、再生されるべきコンテンツ情報に対応する少なくとも一つのプレイリストセットを前記複数のプレイリストセットの中から指定するタイトル情報とが記録されている。
本発明の情報記録媒体の実施形態によれば、複数のコンテンツ情報は、例えば、オブジェクトデータとして、オブジェクトデータファイルに格納される。ここに「コンテンツ情報」とは、例えば主映像情報(ビデオデータ)、音声情報(オーディオデータ)、副映像情報(サブピクチャデータ)等から構成される。そして、このような各種コンテンツ情報は、例えば前述のMPEG2のトランスポートストリームの形式で多重化されている。若しくは、MPEG2のプログラムストリームで多重化されていてもよく、又は多重化されていなくてもよい。
複数のプレイリストセットは、例えば、プレイリスト情報ファイルに、プレイリストセット別にテーブル形式で格納される。プレイリストセットを構成する複数のプレイリスト情報は夫々、情報再生装置により論理的にアクセス可能な情報単位である。プレイリスト情報は、例えば論理的にアクセス可能なアイテムを指示するポインタ情報を含んでもよい。或いは、アイテムの集合を指定するポインタ情報を含んでもよい。ここで特に、複数のプレイリスト情報は、複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する。例えば、各プレイリスト情報は、複数のコンテンツ情報のうち、当該各プレイリスト情報に対応する一つのコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する。
タイトル情報は、例えば、ディスク情報ファイルに、タイトル別にテーブル形式で格納される。そして、タイトル情報は通常、当該一つの情報記録媒体に対して複数存在し、例えば、ディスク情報ファイル内に複数格納される。タイトル情報は、コンテンツ情報の再生を制御するための再生制御情報の一部として機能し、複数のコンテンツ情報を、例えば映画1本、番組1本などの論理的に一まとまりの情報単位であるタイトルとして再生するように、対応する一つ又は複数のプレイリストセットを指定する。
当該情報記録媒体の記録時には、例えばDVDレコーダ用途として、同一伝送波或いは同一伝送信号にストリーム化された複数番組が、前述のD−VHSの如くトランスポートストリーム等の一つ又は複数のストリームとして記録される。或いは、例えばDVD−ROM用途として、ビデオ解像度、パレンタルレベル、アングルなどが異なるもののコンテンツ本体が実質同一である複数のコンテンツ情報が、ストリーム化されて記録される。
このような複数のコンテンツ情報を記録する際に、記録開始から停止までを論理的に一つのタイトルとして記録しつつ、複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを各々規定する複数のプレイリスト情報が記録され、更に、これら複数のプレイリスト情報のうち一つのプレイリスト情報を、コンテンツ情報を再生する再生装置に対して入力又は設定される選択判断情報に応じて選択するコマンドが記録される。ここに「選択判断情報」は、例えば、同時間帯に記録された番組群中の一つの番組の選択する旨、若しくはパレンタルブロック又はアングルブロックを選択する旨の、再生装置に対してユーザにより入力される入力情報と、再生装置におけるシステムパラメータと、再生装置におけるユーザにより設定された再生可能な機能を示す設定情報とのうち少なくとも一つを有する。このような記録の際には、例えば、これら複数のコンテンツ情報に対して関連する複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットが記録される。しかも、これら複数のプレイリストセットの中から、例えば番組別、ビデオ解像度、パレンタルレベル、アングルなど複数のコンテンツ情報別に、再生されるべきコンテンツ情報に対応するプレイリストセットを指定するタイトル情報が記録される。
従って、当該情報記録媒体の再生時には、再生されたコマンドに基づいて、再生装置に対して入力又は設定される選択判断情報に応じて、複数のプレイリスト情報のうち、例えば再生装置の機能に適したものとして、一つのプレイリスト情報が選択される。そして例えば、タイトル情報により指定される各プレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、いずれかのプレイリスト情報によって規定される再生シーケンスで、コンテンツ情報を再生すれば、例えばDVDレコーダ用途或いはDVD−ROM用において一つのタイトルとして記録された複数のコンテンツ情報のうちのいずれかが再生されることとなる。よって、例えばDVDプレーヤ等の情報再生装置において、各プレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、所望の番組、所望のビデオ解像度、所望のパレンタルレベル、所望のアングルなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択するように制御を実行すれば、タイトルとして当該所望のコンテンツ情報を再生できることになる。
以上の結果、本実施形態によれば、例えば複数の番組、或いは複数のビデオ解像度やパレンタルレベルやアングル等を含む、大量のコンテンツ情報に対するプレイリストの中から関連するプレイリストを、一つのタイトルとして効率的に記録可能となる。更に選択判断情報に応じて選択するコマンドに基づいて、比較的容易にして、それらの番組等のうち所望のものを選択して再生可能となる。
尚、複数のコンテンツ情報は、相互に所定の関係を有するコンテンツ情報を含んでもよく、更に、この「相互に所定の関係を有するコンテンツ情報」は、同時間帯に記録された複数の番組に係るコンテンツ情報と、パレンタルブロック又はアングルブロックに係るコンテンツ情報とのうち少なくとも一つを含んでもよい。或いは、複数のコンテンツ情報は、同一タイトルであって前記再生装置において要求される再生機能が互いに異なってもよい。更に、複数のコンテンツ情報は、それらのコンテンツから考えて相互に特定関係を有する複数の番組又は複数のプログラムに係るコンテンツ情報を含んでもよいし、この「コンテンツから考えて相互に特定関係を有する複数の番組又は複数のプログラム」は、多元放送における相互に切り替え可能な複数の番組或いは複数のプログラムであってもよい。いずれの場合にも、選択判断情報に応じて選択するコマンドに基づいて、複数のコンテンツ情報に係る複数の番組等のうち、所望のものを選択して再生可能となる。
本発明の情報記録媒体の実施形態の一態様では、前記タイトル情報は、少なくとも一つのタイトルエレメントを含み、該タイトルエレメントは、前記再生されるべきコンテンツ情報に対応する少なくとも一つのプレイリストセットを指定する第1ポインタ情報を含む。
この態様によれば、当該情報記録媒体の再生時には、タイトルエレメントに含まれる第1ポインタ情報に従って、再生されるべきコンテンツ情報に対応するプレイリストセットを特定できる。そして、この特定されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、所望の番組等に対応するものを選択するように制御を実行すれば、タイトルエレメントとして当該所望のコンテンツ情報を再生できる。更に、このようなタイトルエレメントを一つ又は順次再生することで、一つのタイトルを再生可能となる。
このタイトルエレメントに係る態様では、前記タイトルエレメントは、前記第1ポインタ情報に加えて、(i)前記第1ポインタ情報により指定される一のプレ
イリストセットにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の再生前に実行されるべきコマンドを示す第1プリコマンド情報、(ii)前記一のプレイリストセットにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の再生後に実行されるべきコマンドを示す第1ポストコマンド情報、及び(iii)前記タイトルエレメン
トに係る再生の次の再生に係るタイトルエレメントを指定する第1ネクスト情報のうち、少なくとも一つを含むように構成してもよい。
このように構成すれば、当該情報記録媒体の再生時には、第1プリコマンド情報に従って、第1ポインタ情報で指定される一のプレイリストセットにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の、再生前に実行されるべきコマンドを実行できる。更に、第1ポストコマンド情報に従って、第1ポインタ情報で指定される一のプレイリストセットにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の、再生後に実行されるべきコマンドを実行できる。加えて、第1ネクスト情報に従って、当該再生中のタイトルエレメントの次のタイトルエレメントを再生できる。
第1ポストコマンド情報或いは後述の第2ポストコマンドは、例えばコンテンツ情報の分岐を命令するコマンド、次のタイトルを選ぶコマンド等の、動的な動きを指定するコマンドである。
他方、第1ネクスト情報或いは後述の第2ネクスト情報は、例えば、次のタイトルエレメントの番号が記述されているだけなど、これに基づく動作についてはDVDプレーヤのシステムに依存する。即ち、簡略化のためにコマンド形態とされない情報であり、例えば、一律に次の特定タイトルエレメントや次の特定プレイリストエレメントへ移動させる旨など、静的な動きを示す情報である。
このようにタイトルエレメントが、第1ポインタ情報に加えて、第1プリコマンド情報等を含む場合更に、同一のプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報が、前記第1プリコマンド情報によって選択されるように構成されてもよい。
このように構成すれば、当該情報記録媒体の再生時には、第1プリコマンド情報に従って、各プレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択する制御が可能となる。ここに第1プリコマンド情報は、例えば、複数のプレイリスト情報の夫々についての選択条件を示す選択条件情報を含み、これらの選択条件に応じたコマンドによって、再生時に一つのプレイリスト情報が選択されることになる。
この結果、例えばDVDレコーダ用途においてもDVD−ROM用途においても、複数の番組やブロックを含む大量のコンテンツ情報を、一つのタイトルとして効率的に記録でき、それらの番組やブロックのうち所望のものを選択して再生可能となる。
上述のタイトルエレメントに係る態様では、同一のプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報には夫々、固有の属性を示す属性情報が付加されており、前記タイトルエレメントは、前記同一のプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち一つのプレイリスト情報を、前記属性情報に応じて選択可能である旨を示す選択可能フラグを更に含むように構成してもよい。
このように構成すれば、当該情報記録媒体の再生時には、選択可能フラグに従って、情報再生装置は選択処理を適宜実行可能となり、しかも、プレイリスト情報に付加された属性情報に応じて、各プレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択する制御が可能となる。例えば、選択可能フラグにより選択可能である旨が示されていれば、情報再生装置は、そのビデオ解像度等のシステムパラメータと属性情報により示されるプレイリスト情報の固有の属性とを照合して、一つのプレイリストセット中の、当該情報再生装置にとって最適なプレイリスト情報を選択することができる。他方、選択可能フラグにより選択可能である旨が示されていなければ、情報再生装置は、一意に選択されるべきプレイリスト情報によって、再生を行う。
この結果、例えばDVDレコーダ用途においてもDVD−ROM用途においても、複数の番組やブロックを含む大量のコンテンツ情報を、一つのタイトルとして効率的に記録でき、それらの番組やブロックのうち所望のものを選択して再生可能となる。
上述のタイトルエレメントに係る態様では、前記タイトルエレメントは、同一のプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報の夫々についての選択条件を示す選択条件情報を更に含むように構成してもよい。
このように構成すれば、当該情報記録媒体の再生時には、タイトルエレメントに含まれる各プレイリスト情報についての選択条件情報に従って、各プレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択する制御が可能となる。
この結果、例えばDVDレコーダ用途においてもDVD−ROM用途においても、複数の番組やブロックを含む大量のコンテンツ情報を、一つのタイトルとして効率的に記録でき、それらの番組やブロックのうち所望のものを選択して再生可能となる。
上述の同一のプレイリストセットにおけるプレイリスト情報の選択に係る態様では、前記同一のプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報は、いずれか一つによって同一のタイトルを構成可能な複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを規定するように構成してもよい。
このように構成すれば、パレンタル再生可能な或いはアングル再生可能なDVD−ROM用途において、当該情報記録媒体の再生時に、一つのタイトルとして記録された複数のパレンタルブロックやアングルブロック等のブロックのうちいずれか一つが再生可能となる。これにより、ユーザは、所望のパレンタルやアングルにて、一つのタイトルを再生できる。或いは、DVDレコーダ用途において、当該情報記録媒体の再生時に、例えば一つのタイトルとして記録された「ある時間帯の番組群」等のコンテンツ情報のうち、いずれか一つの番組が再生可能となる。これにより、ユーザは、例えば、一つのタイトル中で、所望の番組を選択して再生できる。
本発明の情報記録媒体の実施形態の他の態様では、前記プレイリスト情報は夫々、少なくとも一つのプレイリストエレメントを含み、該プレイリストエレメントは、前記コンテンツ情報を構成すると共に論理的にアクセス可能な再生単位であるアイテム情報を指定する第2ポインタ情報を含む。
この態様によれば、当該情報記録媒体の再生時には、プレイリストエレメントに含まれる第2ポインタ情報に従って、再生されるべきコンテンツ情報に対応するアイテム情報を特定できる。そして、この特定されたアイテム情報を再生すれば、プレイリストエレメントとして当該所望のコンテンツ情報を再生できる。更に、このようなプレイリストエレメントを一つ又は順次再生することで、一つのプレイリストを再生可能となる。
尚、「アイテム情報」とは、表示の最小単位であり、例えば、コンテンツ情報が静止画情報であれば、一枚以上の画像に対応する情報単位である。
このプレイリストエレメントに係る態様では、前記プレイリストエレメントは、前記第2ポインタ情報に加えて、(i)前記第2ポインタ情報により指定される
一のアイテム情報の再生前に実行されるべきコマンドを示す第2プリコマンド情報、(ii)前記一のアイテム情報の再生後に実行されるべきコマンドを示す第2ポストコマンド情報、及び(iii)前記プレイリストエレメントに係る再生の次の再
生に係るプレイリストエレメントを指定する第2ネクスト情報のうち、少なくとも一つを含むように構成してもよい。
このように構成すれば、当該情報記録媒体の再生時には、第2プリコマンド情報に従って、第2ポインタ情報で指定される一のアイテム情報の、再生前に実行されるべきコマンドを実行できる。更に、第2ポストコマンド情報に従って、第2ポインタ情報で指定される一のアイテム情報の、再生後に実行されるべきコマンドを実行できる。加えて、第2ネクスト情報に従って、当該再生中のプレイリストエレメントの次のプレイリストエレメントを再生できる。
本発明の情報記録媒体の実施形態の他の態様では、前記複数のプレイリストセットは夫々、前記複数のプレイリスト情報に加えて、前記コンテンツ情報を構成すると共に論理的にアクセス可能な再生単位であるアイテム情報を定義するアイテム定義テーブルを含み、前記複数のプレイリスト情報は夫々、前記アイテム情報の単位で、前記コンテンツ情報の再生シーケンスを規定する。
この態様によれば、当該情報記録媒体の再生時には、プレイリスト情報によってアイテム情報の単位で規定される再生シーケンスで、コンテンツ情報の再生が行われる。この際特に、アイテム情報は、アイテム定義テーブルにまとめて定義されているので、その参照は容易且つ迅速に実行可能であり、しかも同一アイテム情報を、同一プレイリストセット内の複数のプレイリスト情報によって使い回すことも可能となり有利である。
上述のアイテム情報に係る態様では、前記アイテム情報は、前記コンテンツ情報の再生開始アドレスをインポイント情報として規定すると共に再生終了アドレスをアウトポイント情報として規定する情報からなるように構成してもよい。
このように構成すれば、アイテム情報のうちインポイント情報に従って、対応するコンテンツ情報部分の再生開始を行うことが可能となる。アイテム情報のうちアウトポイント情報に従って、対応するコンテンツ情報部分の再生終了を行うことが可能となる。これらにより、各アイテム情報に対応するコンテンツ情報部分の再生が簡単に実行でき、このような再生の連続実行によって、一連のコンテンツ情報の再生が可能となる。
本発明の情報記録媒体の実施形態の他の態様では、前記複数のコンテンツ情報から構成される複数の部分ストリームを含んでなる全体ストリームが、物理的にアクセス可能な単位であると共に前記複数のコンテンツ情報の断片を夫々格納するパケット単位で多重化されてなり、前記複数のコンテンツ情報の再生を制御するための再生制御情報として、多重化される複数のパケットと前記複数の部分ストリームとの対応関係を定義する対応定義情報が更に記録されている。
この態様によれば、例えばMPEG2のトランスポートストリームの少なくとも一部の如き全体ストリームは、エレメンタリーストリームの如き部分ストリームを複数含んでなる。即ち本願において1本の「部分ストリーム」とは、例えばエレメンタリーストリームである、一連のコンテンツ情報をなすビデオストリーム、オーディオストリーム、サブピクチャストリーム等の如き、1本のデータ配列或いは情報配列を指す。他方、本願において1本の「全体ストリーム」とは、複数本の部分ストリームが束ねられてなるデータ配列或いは情報配列を指す。そして、このような全体ストリームは、情報再生装置により物理的にアクセス可能な単位であるパケット(例えば、後述のTSパケット)単位で、当該情報記録媒体上に多重記録される。そして、コンテンツ情報は、情報再生装置により論理的にアクセス可能な単位であると共に、当該コンテンツ情報の断片を夫々格納する複数のパケットからなる。更に、対応定義情報(例えば、後述のエレメンタリーストリームパケットID(ES_PID)を示すESマップテーブル(ES_Map Table))が、コンテンツ情報の情報再生装置による再生を制御するための再生制御情報として更に記録されている。
従って、情報再生装置においては、係る対応定義情報に記述された、例えば同一時刻に多重化される複数のパケットと複数の部分ストリームとの対応関係に基づいて、情報記録媒体に多重記録された全体ストリームの一部からなるコンテンツ情報の組み合わせ又は単独から構成される、所望の番組やブロック等を再生可能となる。
尚、以上説明した情報記録媒体の実施形態では、例えば複数のコンテンツ情報が格納されるオブジェクトデータファイル、複数のプレイリストセットが格納されるプレイリスト情報ファイル、及び複数のタイトル情報が格納されるディスク情報ファイルは、当該情報記録媒体上における相互に別領域にまとめて記録されてもよい。そして、これらのうち、オブジェクトデータファイルは、MPEG2のトランスポートストリーム形式或いはプログラムストリーム形式で多重化記録されてよく、これらのうち、プレイリスト情報ファイル及びディスク情報ファイルについては、再生制御を迅速且つ容易に実行する観点からは、このように多重化記録されなくてもよい。
本発明の情報記録装置の実施形態は、複数のコンテンツ情報を記録する第1記録手段と、該複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを各々規定する複数のプレイリスト情報を記録する第2記録手段と、前記複数のプレイリスト情報のうち一つのプレイリスト情報を、前記コンテンツ情報を再生する再生装置に対して入力又は設定される選択判断情報に応じて選択するコマンドを記録する第3記録手段とを備える。
この際、第2記録手段は、例えば、複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットを記録してもよい。また例えば、第3記録手段は、前記複数のコンテンツ情報を論理的に一まとまりの情報単位であるタイトルとして再生するように、再生されるべきコンテンツ情報に対応する少なくとも一つのプレイリストセットを前記複数のプレイリストセットの中から指定するタイトル情報を記録してもよい。
本発明の情報記録装置の実施形態によれば、例えばコントローラ、エンコーダ、後述のTSオブジェクト生成器、光ピックアップ又はカッティングデバイス等からなる第1記録手段は、例えばDVD等からなる情報記録媒体上に、複数のコンテンツ情報を記録する。例えばコントローラ、エンコーダ、光ピックアップ又はカッティングデバイス等からなる第2記録手段は、例えばDVD等からなる情報記録媒体上に、複数のプレイリスト情報を記録し、例えば複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットを記録する。例えばコントローラ、エンコーダ、光ピックアップ又はカッティングデバイス等からなる第3記録手段は、プレイリスト情報を選択判断情報に応じて選択するコマンドを記録し、更に例えば、少なくとも一つのプレイリストセットを複数のプレイリストセットの中から指定するタイトル情報を記録する。
従って、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を、比較的効率良く記録できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報記録装置の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報記録方法の実施形態は、複数のコンテンツ情報を記録する第1記録工程と、該複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットを記録する第2記録工程と、前記複数のコンテンツ情報を論理的に一まとまりの情報単位であるタイトルとして再生するように、再生されるべきコンテンツ情報に対応する少なくとも一つのプレイリストセットを前記複数のプレイリストセットの中から指定するタイトル情報を記録する第3記録工程とを備える。
本発明の情報記録方法の実施形態によれば、例えばコントローラ、エンコーダ、後述のTSオブジェクト生成器、光ピックアップ又はカッティングデバイス等を用いて、例えばDVD等からなる情報記録媒体上に、第1記録工程は、複数のコンテンツ情報を記録し、第2記録工程は、複数のプレイリストセットを記録し、第3記録工程は、タイトル情報を記録する。
従って、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を、比較的効率良く記録できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報記録方法の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報再生装置の第1実施形態は、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を再生する情報再生装置であって、前記複数のコンテンツ情報、前記複数のプレイリスト情報及び前記コマンドを再生可能な再生手段と、前記再生手段により再生されたコマンドに基づき、前記複数のプレイリスト情報のうち、コンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報を選択し、該選択されたプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで前記コンテンツ情報を再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報再生装置の第1実施形態によれば、例えばコントローラ、デコーダ、デマルチプレクサ、光ピックアップ等からなる再生手段は、コンテンツ情報、プレイリスト情報及びコマンドを再生可能であり、更に例えばプレイリストセット及びタイトル情報を再生可能である。そして、例えばコントローラ等からなる制御手段は、再生されたコマンドに基づき、複数のプレイリスト情報のうち、コンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報を選択し、該選択されたプレイリスト情報により規定される再生シーケンスでコンテンツ情報を再生するように再生手段を制御する。この際制御手段は、例えば、再生された複数のプレイリストセットの中から、再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択する。更に、この選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで、複数のコンテンツ情報を再生するように再生手段を制御する。
従って、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を、比較的効率良く再生できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報再生装置の第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報再生装置の第2実施形態は、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態のうち、第1プリコマンド情報に係る態様を再生する情報再生装置であって、前記複数のコンテンツ情報、前記複数のプレイリストセット及び前記タイトル情報を再生可能な再生手段と、(i)前記再生手段により再生された複数のプレ
イリストセットの中から、前記再生手段により再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択し、(ii)該選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで前記複数のコンテンツ情報を再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備えており、前記制御手段は、前記第1プリコマンド情報に基づいて、前記選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記一つのプレイリスト情報を選択する。
本発明の情報再生装置の第2実施形態によれば、例えばコントローラ、デコーダ、デマルチプレクサ、光ピックアップ等からなる再生手段は、コンテンツ情報、プレイリストセット及びタイトル情報を再生可能である。そして、例えばコントローラ等からなる制御手段は、再生された複数のプレイリストセットの中から、再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択する。ここで特に、制御手段は、この選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報を、第1プリコマンド情報に基づいて選択する。更に、制御手段は、この選択されたプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで、複数のコンテンツ情報を再生するように再生手段を制御する。
従って、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態の第1プリコマンドに係る態様を、比較的効率良く再生できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報再生装置の第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報再生装置の第3実施形態は、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態のうち、選択可能フラグに係る態様を再生する情報再生装置であって、前記複数のコンテンツ情報、前記複数のプレイリストセット及び前記タイトル情報を再生可能な再生手段と、(i)前記再生手段により再生された複数のプレイリス
トセットの中から、前記再生手段により再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択し、(ii)該選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで前記複数のコンテンツ情報を再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備えており、前記制御手段は、前記選択可能フラグにより選択可能である旨が示されている場合に、前記属性情報に基づいて、前記選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記一つのプレイリスト情報を選択する。
本発明の情報再生装置の第3実施形態によれば、例えばコントローラ、デコーダ、デマルチプレクサ、光ピックアップ等からなる再生手段は、コンテンツ情報、プレイリストセット及びタイトル情報を再生可能である。そして、例えばコントローラ等からなる制御手段は、再生された複数のプレイリストセットの中から、再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択する。ここで特に、選択可能フラグにより選択可能である旨が示されている場合に、制御手段は、この選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報を、属性情報に基づいて選択する。更に、制御手段は、この選択されたプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで、複数のコンテンツ情報を再生するように再生手段を制御する。
従って、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態の選択可能フラグに係る態様を、比較的効率良く再生できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報再生装置の第3実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報再生装置の第4実施形態は、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態のうち、選択条件情報に係る態様を再生する情報再生装置であって、前記複数のコンテンツ情報、前記複数のプレイリストセット及び前記タイトル情報を再生可能な再生手段と、(i)前記再生手段により再生された複数のプレイリスト
セットの中から、前記再生手段により再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択し、(ii)該選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで前記複数のコンテンツ情報を再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備えており、前記制御手段は、前記選択条件情報に基づいて、前記選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記一つのプレイリスト情報を選択する。
本発明の情報再生装置の第4実施形態によれば、例えばコントローラ、デコーダ、デマルチプレクサ、光ピックアップ等からなる再生手段は、コンテンツ情報、プレイリストセット及びタイトル情報を再生可能である。そして、例えばコントローラ等からなる制御手段は、再生された複数のプレイリストセットの中から、再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択する。ここで特に、制御手段は、この選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報を、選択条件情報に基づいて選択する。更に、制御手段は、この選択されたプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで、複数のコンテンツ情報を再生するように再生手段を制御する。
従って、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態の選択条件情報に係る態様を、比較的効率良く再生できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報再生装置の第4実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報再生方法の実施形態は、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を再生する、前記複数のコンテンツ情報、前記複数のプレイリストセット及び前記タイトル情報を再生可能な再生手段を備えた情報再生装置における情報再生方法であって、前記再生手段により再生された複数のプレイリストセットの中から、前記再生手段により再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択する第1制御工程と、該選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで前記複数のコンテンツ情報を再生するように前記再生手段を制御する第2制御工程とを備える。
本発明の情報再生方法の実施形態によれば、例えばコントローラ、デコーダ、デマルチプレクサ、光ピックアップ等を用いて、第1制御工程は、再生された複数のプレイリストセットの中から、再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択する。更に、第2制御工程は、この選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで、複数のコンテンツ情報を再生するように再生手段を制御する。
従って、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を、比較的効率良く再生できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報再生方法の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報記録再生装置の実施形態は、複数のコンテンツ情報を記録する第1記録手段と、該複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットを記録する第2記録手段と、 前記複数のコンテンツ情報を論理的に一まとまりの情報単位であるタイトルとして再生するように、再生されるべきコンテンツ情報に対応する少なくとも一つのプレイリストセットを前記複数のプレイリストセットの中から指定するタイトル情報を記録する第3記録手段と、前記複数のコンテンツ情報、前記複数のプレイリストセット及び前記タイトル情報を再生可能な再生手段と、(i)前記再生手
段により再生された複数のプレイリストセットの中から、前記再生手段により再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択し、(ii)該選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで前記複数のコンテンツ情報を再生するように前記再生手段を制御する制御手段とを備える。
本発明の情報記録再生装置の実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置の実施形態及び情報再生装置の実施形態の両方を併せ持つので、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を、比較的効率良く記録でき、再生できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報記録再生装置の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の情報記録再生方法の実施形態は、複数のコンテンツ情報、複数のプレイリストセット及びタイトル情報を再生可能な再生手段を備えた情報記録再生装置における情報記録再生方法であって、複数のコンテンツ情報を記録する第1記録工程と、該複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットを記録する第2記録工程と、前記複数のコンテンツ情報を論理的に一まとまりの情報単位であるタイトルとして再生するように、再生されるべきコンテンツ情報に対応する少なくとも一つのプレイリストセットを前記複数のプレイリストセットの中から指定するタイトル情報を記録する第3記録工程と、前記再生手段により再生された複数のプレイリストセットの中から、前記再生手段により再生されたタイトル情報により指定された少なくとも一つを選択する第1制御工程と、該選択されたプレイリストセットに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、前記再生されるべきコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する一つのプレイリスト情報により規定される再生シーケンスで前記複数のコンテンツ情報を再生するように前記再生手段を制御する第2制御工程とを備える。
本発明の情報記録再生方法の実施形態によれば、上述した本発明の情報記録方法の実施形態及び情報再生方法の実施形態の両方を併せ持つので、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態(但し、その各種態様を含む)を、比較的効率良く記録でき、再生できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報記録再生方法の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明の記録制御用のコンピュータプログラムの実施形態は、上述した本発明の情報記録装置の実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1記録手段、前記第2記録手段及び前記第3記録手段の少なくとも一部として機能させる。
本発明の記録制御用のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプ
ログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明に係る情報記録装置
の実施形態を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の記録制御用のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
本発明の再生制御用のコンピュータプログラムの実施形態は、上述した本発明の情報再生装置の第1から第4実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記再生手段及び前記制御手段の少なくとも一部として機能させる。
本発明の再生制御用のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプ
ログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明に係る情報再生装置
の実施形態を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の再生制御用のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
本発明の記録再生制御用のコンピュータプログラムの実施形態は、上述した本発明の情報記録再生装置の実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する記録再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1記録手段、前記第2記録手段、前記第3記録手段、前記再生手段及び前記制御手段の少なくとも一部として機能させる。
本発明の記録再生制御用のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュー
タプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明に係る情報記録
再生装置の実施形態を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の記録再生制御用のコンピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。
本発明の制御信号を含むデータ構造の実施形態は、複数のコンテンツ情報と、該複数のコンテンツ情報の再生シーケンスを規定する複数のプレイリスト情報を夫々含む複数のプレイリストセットと、前記複数のコンテンツ情報を論理的に一まとまりの情報単位であるタイトルとして再生するように、再生されるべきコンテンツ情報に対応する少なくとも一つのプレイリストセットを前記複数のプレイリストセットの中から指定するタイトル情報とを有する。
本発明の制御信号を含むデータ構造の実施形態によれば、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態の場合と同様に、例えば複数の番組或いは複数のパレンタルブロックやアングルブロック等を含む、大量のコンテンツ情報を、一つのタイトルとして効率的に記録可能となり、更に比較的容易にして、それらの番組等のうち所望のものを選択して再生可能となる。
尚、上述した本発明の情報記録媒体の実施形態における各種態様に対応して、本発明の制御信号を含むデータ構造の実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本実施形態におけるこのような作用、及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
(情報記録媒体)
図1から図13を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例について説明する。本実施例は、本発明の情報記録媒体を、記録(書き込み)及び再生(読み出し)が可能な型の光ディスクに適用したものである。
先ず図1を参照して、本実施例の光ディスクの基本構造について説明する。ここに図1は、上側に複数のエリアを有する光ディスクの構造を概略平面図で示すと共に、下側にその径方向におけるエリア構造を概念図で対応付けて示すものである。
図1に示すように、光ディスク100は、例えば、記録(書き込み)が複数回又は1回のみ可能な、光磁気方式、相変化方式等の各種記録方式で記録可能とされており、DVDと同じく直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール102を中心として内周から外周に向けて、リードインエリア104、データエリア106及びリードアウトエリア108が設けられている。そして、各エリアには、例えば、センターホール102を中心にスパイラル状或いは同心円状に、グルーブトラック及びランドトラックが交互に設けられており、このグルーブトラックはウオブリングされてもよいし、これらのうち一方又は両方のトラックにプレピットが形成されていてもよい。尚、本発明は、このような三つのエリアを有する光ディスクには特に限定されない。
次に図2を参照して、本実施例の光ディスクに記録されるトランスポートストリーム(TS)及びプログラムストリーム(PS)の構成について説明する。ここに、図2(a)は、比較のため、従来のDVDにおけるMPEG2のプログラムストリームの構成を図式的に示すものであり、図2(b)は、MPEG2のトランスポートストリーム(TS)の構成を図式的に示すものである。更に、図2(c)は、本発明におけるMPEG2のプログラムストリームの構成を図式的に示すものである。
図2(a)において、従来のDVDに記録される一つのプログラムストリームは、時間軸tに沿って、主映像情報たるビデオデータ用のビデオストリームを1本だけ含み、更に、音声情報たるオーディオデータ用のオーディオストリームを最大で8本含み且つ副映像情報たるサブピクチャデータ用のサブピクチャストリームを最大で32本含んでなる。即ち、任意の時刻txにおいて多重化されるビデオデータは、1本のビデオストリームのみに係るものであり、例えば複数のテレビ番組或いは複数の映画などに対応する複数本のビデオストリームを同時にプログラムストリームに含ませることはできない。映像を伴うテレビ番組等を多重化して伝送或いは記録するためには、各々のテレビ番組等のために、少なくとも1本のビデオストリームが必要となるので、1本しかビデオストリームが存在しないDVDのプログラムストリーム形式では、複数のテレビ番組等を多重化して伝送或いは記録することはできないのである。
図2(b)において、本発明の光ディスク100に記録される一つのトランスポートストリーム(TS)は、主映像情報たるビデオデータ用のエレメンタリーストリーム(ES)としてビデオストリームを複数本含んでなり、更に音声情報たるオーディオデータ用のエレメンタリーストリーム(ES)としてオーディオストリームを複数本含み且つ副映像情報たるサブピクチャデータ用のエレメンタリーストリーム(ES)としてサブピクチャストリームを複数本含んでなる。即ち、任意の時刻txにおいて多重化されるビデオデータは、複数本のビデオストリームに係るものであり、例えば複数のテレビ番組或いは複数の映画などに対応する複数のビデオストリームを同時にトランスポートストリームに含ませることが可能である。このように複数本のビデオストリームが存在するトランスポートストリーム形式では、複数のテレビ番組等を多重化して伝送或いは記録することが可能である。但し、現況のトランスポートストリームを採用するデジタル放送では、サブピクチャストリームについては伝送していない。
図2(c)において、本発明の光ディスク100に記録される一つのプログラムストリーム(PS)は、主映像情報たるビデオデータ用のビデオストリームを複数本含んでなり、更に音声情報たるオーディオデータ用のオーディオストリームを複数本含み且つ副映像情報たるサブピクチャデータ用のサブピクチャストリームを複数本含んでなる。即ち、任意の時刻txにおいて多重化されるビデオデータは、複数本のビデオストリームに係るものであり、例えば複数のテレビ番組或いは複数の映画などに対応する複数のビデオストリームを同時にプログラムストリームに含ませることが可能である。
尚、図2(a)から図2(c)では説明の便宜上、ビデオストリーム、オーディオストリーム及びサブピクチャストリームを、この順に上から配列しているが、この順番は、後述の如くパケット単位で多重化される際の順番等に対応するものではない。トランスポートストリームでは、概念的には、例えば一つの番組に対して、1本のビデオストリーム、2本の音声ストリーム及び2本のサブピクチャストリームからなる一まとまりが対応している。
上述した本実施例の光ディスク100は、記録レートの制限内で、図2(b)に示した如きトランスポートストリーム(TS)を多重記録可能に、即ち複数の番組或いはプログラムを同時に記録可能に構成されている。更に、このようなトランスポートストリームに加えて又は代えて、同一光ディスク100上に、図2(c)に示した如きプログラムストリーム(PS)を多重記録可能に構成されている。
次に図3から図10を参照して、光ディスク100上に記録されるデータの構造について説明する。ここに、図3は、光ディスク100上に記録されるデータ構造を模式的に示すものである。図4は、図3に示した各タイトル内におけるデータ構造の詳細を模式的に示すものである。図5及び図6は夫々、図3に示した各プレイ(P)リストセット内におけるデータ構造の詳細を模式的に示すものである。図7は、図6に示した各アイテムにおけるデータ構造の詳細を模式的に示すものである。図8は、図4に示した各タイトルエレメント内におけるデータの論理構成を模式的に示すものであり、図9は、各プレイリストセットをプレイリスト一つから構成する場合における、図4に示した各タイトルエレメント内におけるデータの論理構成を模式的に示すものである。図10は、図3に示した各オブジェクト内におけるデータ構造の詳細を模式的に示すものである。
以下の説明において、「タイトル」とは、複数の「プレイリスト」を連続して実行する再生単位であり、例えば、映画1本、テレビ番組1本などの論理的に大きなまとまりを持った単位である。「プレイリストセット」とは、「プレイリスト」の束をいう。例えば、アングル再生やパレンタル再生における相互に切替可能な特定関係を有する複数のコンテンツ情報を再生するためのプレイリストの束や、同時間帯に放送され且つまとめて記録された複数番組に係るコンテンツ情報を再生するためのプレイリストの束である。或いは、同一タイトルについて、ハイビジョン対応、ディスプレイの解像度、サラウンドスピーカ対応、スピーカ配列など、情報再生システムにおいて要求される映像再生機能(ビデオパーフォーマンス)別や音声再生機能(オーディオパーフォーマンス)別など、要求機能別に用意された各種コンテンツ情報を再生するためのプレイリストの束である。「プレイリスト」とは、「オブジェクト」の再生に必要な情報を格納した情報であり、オブジェクトへアクセスするためのオブジェクトの再生範囲に関する情報が各々格納された複数の「アイテム」で構成されている。そして、「オブジェクト」とは、上述したMPEG2のトランスポートストリームを構成するコンテンツの実体情報である。
図3において、光ディスク100は、論理的構造として、ディスク情報ファイル110、プレイ(P)リスト情報ファイル120、オブジェクト情報ファイル130及びオブジェクトデータファイル140の4種類のファイルを備えており、これらのファイルを管理するためのファイルシステム105を更に備えている。尚、図3は、光ディスク100上における物理的なデータ配置を直接示しているものではないが、図3に示す配列順序を、図1に示す配列順序に対応するように記録すること、即ち、ファイルシステム105等をリードインエリア104に続いてデータ記録エリア106に記録し、更にオブジェクトデータファイル140等をデータ記録エリア106に記録することも可能である。図1に示したリードインエリア104やリードアウトエリア108が存在せずとも、図3に示したファイル構造は構築可能である。
ディスク情報ファイル110は、光ディスク100全体に関する総合的な情報を格納するファイルであり、ディスク総合情報112と、タイトル情報テーブル114と、その他の情報118とを格納する。ディスク総合情報112は、例えば光ディスク100内の総タイトル数等を格納する。タイトル情報テーブル114は、タイトルポインタ114−1と、これにより識別番号又は記録アドレスが示される複数のタイトル200(タイトル#1〜#m)を含んで構成されている。各タイトル200には、論理情報として、各タイトルのタイプ(例えば、シーケンシャル再生型、分岐型など)や、各タイトルを構成するプレイ(P)リスト番号をタイトル毎に格納する。
図4に示すように各タイトル200は、より具体的には例えば、タイトル総合情報200−1と、複数のタイトルエレメント200−2と、その他の情報200−5とを含んで構成されている。更に、各タイトルエレメント200−2は、プリコマンド200PRと、プレイリストセットへのポインタ200PTと、ポストコマンド200PSと、その他の情報200−6とから構成されている。
ここに、本発明に係る第1ポインタ情報の一例たるポインタ200PTは、当該ポインタ200PTを含むタイトルエレメント200−2に基づいて再生されるべきコンテンツ情報に対応する、プレイリスト情報ファイル120内に格納されたプレイリストセット126Sの識別番号を示す。なお、ポインタ200PTは、タイトルエレメント200−2に基づいて再生されるべきコンテンツ情報に対応するプレイリストセット126Sの記録位置を示す情報であっても良い。本発明に係る第1プリコマンドの一例たるプリコマンド200PRは、ポインタ200PTにより指定される一のプレイリストセット126Sにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の再生前に実行されるべきコマンドを示す。本発明に係る第1ポストコマンドの一例たるポストコマンド200PSは、該一のプレイリストセットにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の再生後に実行されるべきコマンドを示す。タイトルエレメント200−2に含まれるその他の情報200−5は、例えば、タイトルエレメントに係る再生の次の再生に係るタイトルエレメントを指定するネクスト情報を含む。
従って、後述する情報再生装置による当該情報記録媒体の再生時には、ポインタ200PTに従ってプレイリストセット126Sにアクセスして、それに含まれる複数のプレイリスト126のうち、所望の番組等に対応するものを選択するように制御を実行すれば、タイトルエレメント200−2として当該所望のコンテンツ情報を再生できる。更に、このようなタイトルエレメント200−2を一つ又は順次再生することで、一つのタイトル200を再生可能となる。更に、プリコマンド200PRに従って、ポインタ200PTで指定される一のプレイリストセット126Sにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の、再生前に実行されるべきコマンドを実行できる。更に、ポストコマンド200PSに従って、ポインタ200PTで指定される一のプレイリストセット126Sにより再生シーケンスが規定されるコンテンツ情報の、再生後に実行されるべきコマンドを実行できる。ポストコマンド200PSは、例えばコンテンツ情報の分岐を命令するコマンド、次のタイトルを選ぶコマンド等である。加えて、その他の情報200−5に含まれるネクスト情報に従って、当該再生中のタイトルエレメント200−2の次のタイトルエレメント200−2を再生できる。
再び図3において、プレイリスト情報ファイル120は、各プレイリストの論理的構成を示すプレイ(P)リスト情報テーブル121を格納し、これは、プレイ(P)リスト管理情報122と、プレイ(P)リストセットポインタ124と、複数のプレイ(P)リストセット126S(Pリストセット#1〜#n)と、その他の情報128とに分かれている。このプレイリスト情報テーブル121には、プレイリストセット番号順に各プレイリストセット126Sの論理情報を格納する。言い換えれば、各プレイリストセット126Sの格納順番がプレイリストセット番号である。また、上述したタイトル情報テーブル114で、同一のプレイリストセット126Sを、複数のタイトル200から参照することも可能である。即ち、タイトル#qとタイトル#rとが同じプレイリストセット#pを使用する場合にも、プレイリスト情報テーブル121中のプレイリストセット#pを、タイトル情報テーブル114でポイントするように構成してもよい。
図5に示すように、プレイリストセット126Sは、プレイリストセット総合情報126−1と、複数のプレイリスト126(プレイリスト#1〜#x)と、アイテム定義テーブル126−3と、その他の情報126−4とを含んで構成されている。そして、各プレイリスト126は、複数のプレイリストエレメント126−2(プレイリストエレメント#1〜#y)と、その他の情報126−5とを含んで構成されている。更に、各プレイリストエレメント126−2は、プリコマンド126PRと、アイテムへのポインタ126PTと、ポストコマンド126PSと、その他の情報126−6とから構成されている。
ここに、本発明に係る第2ポインタ情報の一例たるポインタ126PTは、当該ポインタ126PTを含むプレイリストエレメント126−2に基づいて再生されるべきコンテンツ情報に対応する、アイテム定義テーブル126−3により定義されるアイテムの識別番号を示す。なお、ポインタ126PTは、アイテム定義テーブル126−3により定義されるアイテムの記録位置であっても良い。
図6に例示したように、プレイリストセット126Sにおいて、アイテム定義テーブル126−3内には、複数のアイテム204が定義されている。これらは、複数のプレイリスト126によって共有されている。また、プレイリストセット総合情報126−1として、当該プレイリストセット126S内に含まれる各プレイリスト126の名称、再生時間などのUI(ユーザインタフェース情報)、各アイテム定義テーブル126−3へのアドレス情報等が記述されている。
再び図5において、本発明に係る第2プリコマンドの一例たるプリコマンド126PRは、ポインタ126PTにより指定される一のアイテム204の再生前に実行されるべきコマンドを示す。本発明に係る第2ポストコマンドの一例たるポストコマンド126PSは、該一のアイテム204の再生後に実行されるべきコマンドを示す。プレイリストエレメント126−2に含まれるその他の情報126−6は、例えば、プレイリストエレメント126−2に係る再生の次の再生に係るプレイリストエレメント126−2を指定する第ネクスト情報を含む。
図7に例示したように、アイテム204は、表示の最小単位である。アイテム204には、オブジェクトの開始アドレスを示す「INポイント情報」及び終了アドレスを示す「OUTポイント情報」が記述されている。尚、これらの「INポイント情報」及び「OUTポイント情報」は夫々、直接アドレスを示してもよいし、再生時間軸上における時間或いは時刻など間接的にアドレスを示してもよい。図中、“ストリームオブジェクト#m”で示されたオブジェクトに対して複数のES(エレメンタリーストリーム)が多重化されている場合には、アイテム204の指定は、特定のESの組合せ或いは特定のESを指定することになる。
図8に例示したように、タイトルエレメント200−2は、論理的に、プリコマンド200PR或いは126PRと、ポインタ200PTにより選択されるプレイリストセット126Sと、ポストコマンド200PS或いはポストコマンド126PSと、ネクスト情報200−6Nとから構成されている。従って、例えばビデオ解像度など、システムで再生可能な何らかの条件等に従って、プレイリストセット126S中からプレイリスト126を選択する処理が実行される。
但し図9に例示したように、ポインタ200PTにより指定されるプレイリストセットが単一のプレイリストからなる場合には、即ち図3に示したプレイリストセット126Sを単一のプレイリスト126に置き換えた場合には、タイトルエレメント200−2は、論理的に、プリコマンド200PR或いは126PRと、再生時に再生されるプレイリスト126と、ポストコマンド200PS或いはポストコマンド126PSと、ネクスト情報200−6Nとから構成されてもよい。この場合には、システムで再生可能な条件等に拘わらず、プレイリストセットが再生用に指定されれば、単一のプレイリスト126の再生処理が実行されることになる。
再び図3において、オブジェクト情報ファイル130は、各プレイリスト126内に構成される各アイテムに対するオブジェクトデータファイル140中の格納位置(即ち、再生対象の論理アドレス)や、そのアイテムの再生に関する各種属性情報が格納される。本実施例では特に、オブジェクト情報ファイル130は、後に詳述する複数のAU(アソシエートユニット)情報132I(AU#1〜AU#q)を含んでなるAUテーブル131と、ES(エレメンタリーストリー
ム)マップテーブル134と、その他の情報138とを格納する。
オブジェクトデータファイル140は、トランスポートストリーム(TS)別のTSオブジェクト142(TS#1オブジェクト〜TS#sオブジェクト)、即ち実際に再生するコンテンツの実体データを、複数格納する。
尚、図3を参照して説明した4種類のファイルは、更に夫々複数のファイルに分けて格納することも可能であり、これらを全てファイルシステム105により管理してもよい。例えば、オブジェクトデータファイル140を、オブジェクトデータファイル#1、オブジェクトデータファイル#2、…というように複数に分けることも可能である。
図10に示すように、論理的に再生可能な単位である図3に示したTSオブジェクト142は、例えば6kBのデータ量を夫々有する複数のアラインドユニット143に分割されてなる。アラインドユニット143の先頭は、TSオブジェクト142の先頭に一致(アラインド)されている。各アラインドユニット143は更に、192Bのデータ量を夫々有する複数のソースパケット144に細分化されている。ソースパケット144は、物理的に再生可能な単位であり、この単位即ちパケット単位で、光ディスク100上のデータのうち少なくともビデオデータ、オーディオデータ及びサブピクチャデータは多重化されており、その他の情報についても同様に多重化されてよい。各ソースパケット144は、4Bのデータ量を有する、再生時間軸上におけるTS(トランスポートストリーム)パケットの再生処理開始時刻を示すパケットアライバルタイムスタンプ等の再生を制御するための制御情報145と、188Bのデータ量を有するTSパケット146とを含んでなる。TSパケット146(“TSパケットペイロード”ともいう)は、パケットヘッダ146aをその先頭部に有し、ビデオデータがパケット化されて「ビデオパケット」とされるか、オーディオデータがパケット化されて「オーディオパケット」とされるか、又はサブピクチャデータがパケット化されて「サブピクチャパケット」とされるか、若しくは、その他のデータがパケット化される。
次に図11及び図12を参照して、図2(b)に示した如きトランスポートストリーム形式のビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャデータ等が、図4に示したTSパケット146により、光ディスク100上に多重記録される点について説明する。ここに、図11は、上段のプログラム#1(PG1)用のエレメンタリーストリーム(ES)と中段のプログラム#2(PG2)用のエレメンタリーストリーム(ES)とが多重化されて、これら2つのプログラム(PG1&2)用のトランスポートストリーム(TS)が構成される様子を、横軸を時間軸として概念的に示すものであり、図12は、一つのトランスポートストリーム(TS)内に多重化されたTSパケットのイメージを、時間の沿ったパケット配列として概念的に示すものである。
図11に示すように、プログラム#1用のエレメンタリーストリーム(上段)は、例えば、プログラム#1用のビデオデータがパケット化されたTSパケット146が時間軸(横軸)に対して離散的に配列されてなる。プログラム#2用のエレメンタリーストリーム(中段)は、例えば、プログラム#2用のビデオデータがパケット化されたTSパケット146が時間軸(横軸)に対して離散的に配列されてなる。そして、これらのTSパケット146が多重化されて、これら二つのプログラム用のトランスポートストリーム(下段)が構築されている。尚、図11では説明の便宜上省略しているが、図2(b)に示したように、実際には、プログラム#1用のエレメンタリーストリームとして、オーディオデータがパケット化されたTSパケットからなるエレメンタリーストリームやサブピクチャデータがパケット化されたTSパケットからなるサブピクチャストリームが同様に多重化されてもよく、更にこれらに加えて、プログラム#2用のエレメンタリーストリームとして、オーディオデータがパケット化されたTSパケットからなるエレメンタリーストリームやサブピクチャデータがパケット化されたTSパケットからなるサブピクチャストリームが同様に多重化されてもよい。
図12に示すように、本実施例では、このように多重化された多数のTSパケット146から、一つのTSストリームが構築される。そして、多数のTSパケット146は、このように多重化された形で、パケットアライバルタイムスタンプ等145の情報を付加し、光ディスク100上に多重記録される。尚、図12では、プログラム#i(i=1,2,3)を構成するデータからなるTSパケット146に対して、j(j=1,2,…)をプログラムを構成するストリーム別の順序を示す番号として、“Element(i0j)”で示しており、この(i0j)は、エレメンタリーストリーム別のTSパケット146の識別番号たるパケットIDとされている。このパケットIDは、複数のTSパケット146が同一時刻に多重化されても相互に区別可能なように、同一時刻に多重化される複数のTSパケット146間では固有の値が付与されている。
また図12では、PAT(プログラムアソシエーションテーブル)及びPMT(プログラムマップテーブル)も、TSパケット146単位でパケット化され且つ多重化されている。これらのうちPATは、複数のPMTのパケットIDを示すテーブルを格納している。特にPATは、所定のパケットIDとして、図12のように(000)が付与されることがMPEG2規格で規定されている。即ち、同一時刻に多重化された多数のパケットのうち、パケットIDが(000)であるTSパケット146として、PATがパケット化されたTSパケット146が検出されるように構成されている。そして、PMTは、一又は複数のプログラムについて各プログラムを構成するエレメンタリーストリーム別のパケットIDを示すテーブルを格納している。PMTには、任意のパケットIDを付与可能であるが、それらのパケットIDは、上述の如くパケットIDが(000)として検出可能なPATにより示されている。従って、同一時刻に多重化された多数のパケットのうち、PMTがパケット化されたTSパケット146(即ち、図12でパケットID(100)、(200)、(300)が付与されたTSパケット146)が、PATにより検出されるように構成されている。
図12に示した如きトランスポートストリームがデジタル伝送されて来た場合、チューナは、このように構成されたPAT及びPMTを参照することにより、多重化されたパケットの中から所望のエレメンタリーストリームに対応するものを抜き出して、その復調が可能となるのである。
そして、本実施例では、図10に示したTSオブジェクト142内に格納されるTSパケット146として、このようなPATやPMTのパケットを含む。即ち、図12に示した如きトランスポートストリームが伝送されてきた際に、そのまま光ディスク100上に記録できるという大きな利点が得られる。
更に、本実施例では、このように記録されたPATやPMTについては光ディスク100の再生時には参照することなく、代わりに図3に示した後に詳述するAUテーブル131及びESマップテーブル134を参照することによって、より効率的な再生を可能とし、複雑なマルチビジョン再生等にも対処可能とする。このために本実施例では、例えば復調時や記録時にPAT及びPMTを参照することで得られるエレメンタリーストリームとパケットとの対応関係を、AUテーブル131及びESマップテーブル134の形で且つパケット化或いは多重化しないで、オブジェクト情報ファイル130内に格納するのである。
次に図13を参照して、光ディスク100上のデータの論理構成について説明する。ここに、図13は、光ディスク100上のデータの論理構成を、論理階層からオブジェト階層或いは実体階層への展開を中心に模式的に示したものである。
図13において、光ディスク100には、例えば映画1本、テレビ番組1本などの論理的に大きなまとまりであるタイトル200が、一又は複数記録されている。各タイトル200は、一又は複数のタイトルエレメント200−2を含む。各タイトルエレメント200−2は、複数のプレイリストセット126Sから論理的に構成されている。各タイトルエレメント200−2内で、複数のプレイリストセット126Sはシーケンシャル構造を有してもよいし、分岐構造を有してもよい。
尚、単純な論理構成の場合、一つのタイトルエレメント200は、一つのプレイリストセット126Sから構成され、更に一つのプレイリストセット126Sは、一つのプレイリスト126から構成される。また、一つのプレイリストセット126Sを複数のタイトルエレメント200−2或いは、複数のタイトル200から参照することも可能である。
各プレイリスト126は、複数のアイテム(プレイアイテム)204から論理的に構成されている。各プレイリスト126内で、複数のアイテム204は、シーケンシャル構造を有してもよいし、分岐構造を有してもよい。また、一つのアイテム204を複数のプレイリスト126から参照することも可能である。アイテム204に記述された前述のINポイント情報及びOUTポイント情報により、TSオブジェクト142の再生範囲が論理的に指定される。そして、論理的に指定された再生範囲についてオブジェクト情報130dを参照することにより、最終的にはファイルシステムを介して、TSオブジェクト142の再生範囲が物理的に指定される。ここに、オブジェクト情報130dは、TSオブジェクト142の属性情報、TSオブジェクト142内におけるデータサーチに必要なESアドレス情報134d等のTSオブジェクト142を再生するための各種情報を含む(尚、図3に示したESマップテーブル134は、このようなESアドレス情報134dを複数含んでなる)。
そして、後述の情報記録再生装置によるTSオブジェクト142の再生時には、アイテム204及びオブジェクト情報130dから、当該TSオブジェクト142における再生すべき物理的なアドレスが取得され、所望のエレメンタリーストリームの再生が実行される。
尚、図13のオブジェクト情報130d内に示した、ESアドレス情報134dを複数含むEP(エントリーパス)マップは、ここでは、AUテーブル131とESマップテーブル134との両者をまとめたオブジェクト情報テーブルのことを指している。
このように本実施例では、アイテム204に記述されたINポイント情報及びOUTポイント情報並びにオブジェクト情報130dのESマップテーブル134(図3参照)内に記述されたESアドレス情報134dにより、再生シーケンスにおける論理階層からオブジェクト階層への関連付けが実行され、エレメンタリーストリームの再生が可能とされる。
以上詳述したように本実施例では、光ディスク100上においてTSパケット146の単位で多重記録されており、これにより、図2(b)に示したような多数のエレメンタリーストリームを含んでなる、トランスポートストリームを光ディスク100上に多重記録可能とされている。本実施例によれば、デジタル放送を光ディスク100に記録する場合、記録レートの制限内で複数の番組或いは複数のプログラムを同時に記録可能であるが、ここでは一つのTSオブジェクト142へ複数の番組或いは複数のプログラムを多重化して記録する方法を採用している。以下、このような記録処理を実行可能な情報記録再生装置の実施例について説明する。
(情報記録再生装置)
次に図14から図19を参照して、本発明の情報記録再生装置の実施例について説明する。ここに、図14は、情報記録再生装置のブロック図であり、図15から図19は、その動作を示すフローチャートである。
図14において、情報記録再生装置500は、再生系と記録系とに大別されており、上述した光ディスク100に情報を記録可能であり且つこれに記録された情報を再生可能に構成されている。本実施例では、このように情報記録再生装置500は、記録再生用であるが、基本的にその記録系部分から本発明の記録装置の実施例を構成可能であり、他方、基本的にその再生系部分から本発明の情報再生装置の実施例を構成可能である。
情報記録再生装置500は、光ピックアップ502、サーボユニット503、スピンドルモータ504、復調器506、デマルチプレクサ508、ビデオデコーダ511、オーディオデコーダ512、サブピクチャデコーダ513、加算器514、静止画デコーダ515、システムコントローラ520、メモリ530、メモリ540、メモリ550、変調器606、フォーマッタ608、TSオブジェクト生成器610、ビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613を含んで構成されている。システムコントローラ520は、ファイル(File)システム/論理構造データ生成器521及びファイル(File)システム/論理構造データ判読器522を備えている。更にシステムコントローラ520には、メモリ530及び、タイトル情報等のユーザ入力を行うためのユーザインタフェース720が接続されている。
これらの構成要素のうち、復調器506、デマルチプレクサ508、ビデオデコーダ511、オーディオデコーダ512、サブピクチャデコーダ513、加算器514、静止画デコーダ515、メモリ540及びメモリ550から概ね再生系が構成されている。他方、これらの構成要素のうち、変調器606、フォーマッタ608、TSオブジェクト生成器610、ビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613から概ね記録系が構成されている。そして、光ピックアップ502、サーボユニット503、スピンドルモータ504、システムコントローラ520及びメモリ530、並びにタイトル情報等のユーザ入力を行うためのユーザインタフェース720は、概ね再生系及び記録系の両方に共用される。更に記録系については、TSオブジェクトデータ源700(若しくは、PSオブジェクトデータ源700、又はビットマップデータ、JPEGデータ等の静止画データ源700)と、ビデオデータ源711、オーディオデータ源712及びサブピクチャデータ源713とが用意される。また、システムコントローラ520内に設けられるファイルシステム/論理構造データ生成器521は、主に記録系で用いられ、ファイルシステム/論理構造判読器522は、主に再生系で用いられる。
光ピックアップ502は、光ディスク100に対してレーザービーム等の光ビームLBを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。サーボユニット503は、再生時及び記録時に、システムコントローラ520から出力される制御信号Sc1による制御を受けて、光ピックアップ502におけるフォーカスサーボ、トラッキングサーボ等を行うと共にスピンドルモータ504におけるスピンドルサーボを行う。スピンドルモータ504は、サーボユニット503によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転させるように構成されている。
(i) 記録系の構成及び動作:
次に図14から図18を参照して、情報記録再生装置500のうち記録系を構成する各構成要素における具体的な構成及びそれらの動作を、場合分けして説明する。
(i−1) 作成済みのTSオブジェクトを使用する場合:
この場合について図14及び図15を参照して説明する。
図14において、TSオブジェクトデータ源700は、例えばビデオテープ、メモリ等の記録ストレージからなり、TSオブジェクトデータD1を格納する。
図15では先ず、TSオブジェクトデータD1を使用して光ディスク100上に論理的に構成する各タイトルの情報(例えば、プレイリストの構成内容等)は、ユーザインタフェース720から、タイトル情報等のユーザ入力I2として、システムコントローラ520に入力される。そして、システムコントローラ520は、ユーザインタフェース720からのタイトル情報等のユーザ入力I2を取り込む(ステップS21:Yes及びステップS22)。この際、ユーザインタフェース720では、システムコントローラ520からの制御信号Sc4による制御を受けて、例えばタイトルメニュー画面を介しての選択など、記録しようとする内容に応じた入力処理が可能とされている。尚、ユーザ入力が既に実行済み等の場合には(ステップS21:No)、これらの処理は省略される。
次に、TSオブジェクトデータ源700は、システムコントローラ520からのデータ読み出しを指示する制御信号Sc8による制御を受けて、TSオブジェクトデータD1を出力する。そして、システムコントローラ520は、TSオブジェクト源700からTSオブジェクトデータD1を取り込み(ステップS23)、そのファイルシステム/論理構造データ生成器521内のTS解析機能によって、例えば前述の如くビデオデータ等と共にパケット化されたPAT、PMT等に基づいて、TSオブジェクトデータD1におけるデータ配列(例えば、記録データ長等)、各エレメンタリーストリームの構成の解析(例えば、後述のES_PID(エレメンタリーストリーム・パケット識別番号)の理解)などを行う(ステップS24)。
続いて、システムコントローラ520は、取り込んだタイトル情報等のユーザ入力I2並びに、TSオブジェクトデータD1のデータ配列及び各エレメンタリーストリームの解析結果から、そのファイルシステム/論理構造データ生成器521によって、論理情報ファイルデータD4として、ディスク情報ファイル110、プレイリスト情報ファイル120、オブジェクト情報ファイル130及びファイルシステム105(図3参照)を作成する(ステップS25)。メモリ530は、このような論理情報ファイルデータD4を作成する際に用いられる。
尚、TSオブジェクトデータD1のデータ配列及び各エレメンタリーストリームの構成情報等についてのデータを予め用意しておく等のバリエーションは当然に種々考えられるが、それらも本実施例の範囲内である。
図14において、フォーマッタ608は、TSオブジェクトデータD1と論理情報ファイルデータD4とを共に、光ディスク100上に格納するためのデータ配列フォーマットを行う装置である。より具体的には、フォーマッタ608は、スイッチSw1及びスイッチSw2を備えてなり、システムコントローラ520からのスイッチ制御信号Sc5によりスイッチング制御されて、TSオブジェクトデータD1のフォーマット時には、スイッチSw1を(1)側に接続して且つスイッチSw2を(1)側に接続して、TSオブジェクトデータ源700からのTSオブジェクトデータD1を出力する。尚、TSオブジェクトデータD1の送出制御については、システムコントローラ520からの制御信号Sc8により行われる。他方、フォーマッタ608は、論理情報ファイルデータD4のフォーマット時には、システムコントローラ520からのスイッチ制御信号Sc5によりスイッチング制御されて、スイッチSw2を(2)側に接続して、論理情報ファイルデータD4を出力するように構成されている。
図15のステップS26では、このように構成されたフォーマッタ608によるスイッチング制御によって、(i)ステップS25でファイルシステム/論理構
造データ生成器521からの論理情報ファイルデータD4又は(ii)TSオブジェクトデータ源700からのTSオブジェクトデータD1が、フォーマッタ608を介して出力される(ステップS26)。
フォーマッタ608からの選択出力は、ディスクイメージデータD5として変調器606に送出され、変調器606により変調されて、光ピックアップ502を介して光ディスク100上に記録される(ステップS27)。この際のディスク記録制御についても、システムコントローラ520により実行される。
そして、ステップS25で生成された論理情報ファイルデータD4と、これに対応するTSオブジェクトデータD1とが共に記録済みでなければ、ステップS26に戻って、その記録を引き続いて行う(ステップS28:No)。尚、論理情報ファイルデータD4とこれに対応するTSオブジェクトデータD1との記録順についてはどちらが先でも後でもよい。
他方、これら両方共に記録済みであれば、光ディスク100に対する記録を終了すべきか否かを終了コマンドの有無等に基づき判定し(ステップS29)、終了すべきでない場合には(ステップS29:No)ステップS21に戻って記録処理を続ける。他方、終了すべき場合には(ステップS29:Yes)、一連の記録処理を終了する。
以上のように、情報記録再生装置500により、作成済みのTSオブジェクトを使用する場合における記録処理が行われる。
尚、図15に示した例では、ステップS25で論理情報ファイルデータD4を作成した後に、ステップS26で論理情報ファイルデータD4とこれに対応するTSオブジェクトデータD1とのデータ出力を実行しているが、ステップS25以前に、TSオブジェクトデータD1の出力や光ディスク100上への記録を実行しておき、この記録後に或いはこの記録と並行して、論理情報ファイルデータD4を生成や記録することも可能である。
加えて、TSオブジェクトデータ源700に代えて、PSオブジェクトデータ源又は静止画データ源が用いられてもよい。この場合には、TSオブジェクトデータD1に代えて、PSオブジェクトデータ又は、ビットマップデータ、JPEGデータ等の静止画データに対して、以上に説明したTSオブジェクトデータD1に対する記録処理が同様に行われ、オブジェクトデータファイル140内に、TSオブジェクト142に加えて又は代えて(図3参照)、PSオブジェクトデータ又は静止画オブジェクトデータが格納される。そして、PSオブジェクトデータ又は静止画オブジェクトデータに関する各種論理情報が、システムコントローラ520の制御下で生成されて、ディスク情報ファイル110、プレイリスト情報ファイル120、オブジェクト情報ファイル130等内に格納される。
(i−2) 放送中のトランスポートストリームを受信して記録する場合:
この場合について図14及び図16を参照して説明する。尚、図16において、図15と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
この場合も、上述の「作成済みのTSオブジェクトを使用する場合」とほぼ同様な処理が行われる。従って、これと異なる点を中心に以下説明する。
放送中のトランスポートストリームを受信して記録する場合には、TSオブジェクトデータ源700は、例えば放送中のデジタル放送を受信する受信器(セットトップボックス)からなり、TSオブジェクトデータD1を受信して、リアルタイムでフォーマッタ608に送出する(ステップS41)。これと同時に、受信時に解読された番組構成情報及び後述のES_PID情報を含む受信情報D3(即ち、受信器とシステムコントローラ520のインタフェースとを介して送り込まれるデータに相当する情報)がシステムコントローラ520に取り込まれ、メモリ530に格納される(ステップS44)。
一方で、フォーマッタ608に出力されたTSオブジェクトデータD1は、フォーマッタ608のスイッチング制御により変調器606に出力され(ステップS42)、光ディスク100に記録される(ステップS43)。
これらと並行して、受信時に取り込まれてメモリ530に格納されている受信情報D3に含まれる番組構成情報及びES_PID情報を用いて、ファイルシステム/論理構造生成器521により論理情報ファイルデータD4を作成する(ステップS24及びステップS25)。そして一連のTSオブジェクトデータD1の記録終了後に、この論理情報ファイルデータD4を光ディスク100に追加記録する(ステップS46及びS47)。尚、これらステップS24及びS25の処理についても、ステップS43の終了後に行ってもよい。
更に、必要に応じて(例えばタイトルの一部を編集する場合など)、ユーザインタフェース720からのタイトル情報等のユーザ入力I2を、メモリ530に格納されていた番組構成情報及びES_PID情報に加えることで、システムコントローラ520により論理情報ファイルデータD4を作成し、これを光ディスク100に追加記録してもよい。
以上のように、情報記録再生装置500により、放送中のトランスポートストリームを受信してリアルタイムに記録する場合における記録処理が行われる。
尚、放送時の全受信データをアーカイブ装置に一旦格納した後に、これをTSオブジェクト源700として用いれば、上述した「作成済みのTSオブジェクトを使用する場合」と同様な処理で足りる。
(i−3) ビデオ、オーディオ及びサブピクチャデータを記録する場合:
この場合について図14及び図17を参照して説明する。尚、図17において、図15と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
予め別々に用意したビデオデータ、オーディオデータ及びサブピクチャデータを記録する場合には、ビデオデータ源711、オーディオデータ源712及びサブピクチャデータ源713は夫々、例えばビデオテープ、メモリ等の記録ストレージからなり、ビデオデータDV、オーディオデータDA及びサブピクチャデータDSを夫々格納する。
これらのデータ源は、システムコントローラ520からの、データ読み出しを指示する制御信号Sc8による制御を受けて、ビデオデータDV、オーディオデータDA及びサブピクチャデータDSを夫々、ビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613に送出する(ステップS61)。そして、これらのビデオエンコーダ611、オーディオエンコーダ612及びサブピクチャエンコーダ613により、所定種類のエンコード処理を実行する(ステップS62)。
TSオブジェクト生成器610は、システムコントローラ520からの制御信号Sc6による制御を受けて、このようにエンコードされたデータを、トランスポートストリームをなすTSオブジェクトデータに変換する(ステップS63)。この際、各TSオブジェクトデータのデータ配列情報(例えば記録データ長等)や各エレメンタリーストリームの構成情報(例えば、後述のES_PID等)は、TSオブジェクト生成器610から情報I6としてシステムコントローラ520に送出され、メモリ530に格納される(ステップS66)。
他方、TSオブジェクト生成器610により生成されたTSオブジェクトデータは、フォーマッタ608のスイッチSw1の(2)側に送出される。即ち、フォーマッタ608は、TSオブジェクト生成器610からのTSオブジェクトデータのフォーマット時には、システムコントローラ520からのスイッチ制御信号Sc5によりスイッチング制御されて、スイッチSw1を(2)側にし且つスイッチSw2を(1)側に接続することで、当該TSオブジェクトデータを出力する(ステップS64)。続いて、このTSオブジェクトデータは、変調器606を介して、光ディスク100に記録される(ステップS65)。
これらと並行して、情報I6としてメモリ530に取り込まれた各TSオブジェクトデータのデータ配列情報や各エレメンタリーストリームの構成情報を用いて、ファイルシステム/論理構造生成器521により論理情報ファイルデータD4を作成する(ステップS24及びステップS25)。そして一連のTSオブジェクトデータD2の記録終了後に、これを光ディスク100に追加記録する(ステップS67及びS68)。尚、ステップS24及びS25の処理についても、ステップS65の終了後に行うようにしてもよい。
更に、必要に応じて(例えばタイトルの一部を編集する場合など)、ユーザインタフェース720からのタイトル情報等のユーザ入力I2を、これらのメモリ530に格納されていた情報に加えることで、ファイルシステム/論理構造生成器521により論理情報ファイルデータD4を作成し、これを光ディスク100に追加記録してもよい。
以上のように、情報記録再生装置500により、予め別々に用意したビデオデータ、オーディオデータ及びサブピクチャデータを記録する場合における記録処理が行われる。
尚、この記録処理は、ユーザの所有する任意のコンテンツを記録する際にも応用可能である。
(i−4) オーサリングによりデータを記録する場合:
この場合について図14及び図18を参照して説明する。尚、図18において、図15と同様のステップには同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。
この場合は、上述した三つの場合における記録処理を組み合わせることにより、予めオーサリングシステムが、TSオブジェクトの生成、論理情報ファイルデータの生成等を行った後(ステップS81)、フォーマッタ608で行うスイッチング制御の処理までを終了させる(ステップS82)。その後、この作業により得られた情報を、ディスク原盤カッティングマシン前後に装備された変調器606に、ディスクイメージデータD5として送出し(ステップS83)、このカッティングマシンにより原盤作成を行う(ステップS84)。
(ii) 再生系の構成及び動作:
次に図14及び図19を参照して、情報記録再生装置500のうち再生系を構成する各構成要素における具体的な構成及びそれらの動作を説明する。
図14において、ユーザインタフェース720によって、光ディスク100から再生すべきタイトルやその再生条件等が、タイトル情報等のユーザ入力I2としてシステムコントローラに入力される。この際、ユーザインタフェース720では、システムコントローラ520からの制御信号Sc4による制御を受けて、例えばタイトルメニュー画面を介しての選択など、再生しようとする内容に応じた入力処理が可能とされている。
これを受けて、システムコントローラ520は、光ディスク100に対するディスク再生制御を行い、光ピックアップ502は、読み取り信号S7を復調器506に送出する。
復調器506は、この読み取り信号S7から光ディスク100に記録された記録信号を復調し、復調データD8として出力する。この復調データD8に含まれる、多重化されていない情報部分としての論理情報ファイルデータ(即ち、図3に示したファイルシステム105、ディスク情報ファイル110、Pリスト情報ファイル120及びオブジェクト情報ファイル130)は、システムコントローラ520に供給される。この論理情報ファイルデータに基づいて、システムコントローラ520は、再生アドレスの決定処理、光ピックアップ502の制御等の各種再生制御を実行する。
他方、復調データD8に、多重化された情報部分としてのTSオブジェクトデータが含まれているか又は静止画データが含まれているか、若しくは両者が含まれているかに応じて、切替スイッチSW3は、システムコントローラ520からの制御信号Sc10による制御を受けて、(1)側たるデマルチプレクサ508側に切り替えられるか、又は(2)側たる静止画デコーダ515側に切り替えられる。これにより選択的に、TSオブジェクトデータをデマルチプレクサ508に供給し、静止画データを静止画デコーダ515に供給する。
そして、復調データD8に含まれる、多重化された情報部分としてのTSオブジェクトデータについては、デマルチプレクサ508が、システムコントローラ520からの制御信号Sc2による制御を受けてデマルチプレクスする。ここでは、システムコントローラ520の再生制御によって再生位置アドレスへのアクセスが終了した際に、デマルチプレクスを開始させるように制御信号Sc2を送信する。
デマルチプレクサ508からは、ビデオパケット、オーディオパケット及びサブピクチャパケットが夫々送出されて、ビデオデコーダ511、オーディオデコーダ512及びサブピクチャデコーダ513に供給される。そして、ビデオデータDV、オーディオデータDA及びサブピクチャデータDSが夫々復号化される。この際、サブピクチャデータDSについては、メモリ540を介して加算器514に供給される。メモリ540からは、システムコントローラ520からの制御信号Sc5による制御を受けて、所定のタイミングで或いは選択的に、サブピクチャデータDSが出力され、ビデオデータDVとのスーパーインポーズが適宜行われる。即ち、サブピクチャデコーダ513から出力されたサブピクチャデータをそのままスーパーインポーズする場合に比べて、スーパーインポーズのタイミングやスーパーインポーズの要否を制御できる。例えば、制御信号Sc5を用いた出力制御によって、主映像上に、サブピクチャを用いた字幕を適宜表示させたりさせなかったり、或いはサブピクチャを用いたメニュー画面を適宜表示させたりさせなかったりすることも可能となる。
尚、図6に示したトランスポートストリームに含まれる、PAT或いはPMTがパケット化されたパケットについては夫々、復調データD8の一部として含まれているが、デマルチプレクサ508で破棄される。
加算器514は、システムコントローラ520からのミキシングを指示する制御信号Sc3による制御を受けて、ビデオデコーダ511及びサブピクチャデコーダ513で夫々復号化されたビデオデータDV及びサブピクチャデータDSを、所定タイミングでミキシング或いはスーパーインポーズする。その結果は、ビデオ出力として、当該情報記録再生装置500から例えばテレビモニタへ出力される。
他方、オーディオデコーダ512で復号化されたオーディオデータDAは、オーディオ出力として、当該情報記録再生装置500から、例えば外部スピーカへ出力される。
このようなビデオデータDVやサブピクチャデータDSの再生処理に代えて又は加えて、復調データD8に静止画データが含まれる場合には、当該静止画データは、システムコントローラ520からの制御信号Sc10による制御を受ける切替スイッチSW3を介して、静止画デコーダ515に供給される。そして、デコードされたビットマップデータ、JPEGデータ等の静止画データは、システムコントローラ520からの制御信号Sc11による制御を受けて、切替スイッチSW4を介して加算器514にそのまま加算される。或いは、切替スイッチSW4を介してメモリ550に一旦蓄積される。メモリ550からは、システムコントローラ520からの制御信号Sc12による制御を受けて所定のタイミングで或いは選択的に静止画データが出力されて、切替スイッチSW5を介して加算器514に供給される。これにより、静止画データと、ビデオデータDVやサブピクチャデータDSとのスーパーインポーズが適宜行われる。即ち、静止画デコーダ515から出力された静止画データをそのままスーパーインポーズする場合に比べて、スーパーインポーズのタイミングやスーパーインポーズの要否を制御できる。例えば、制御信号Sc12を用いた出力制御によって、主映像上や副映像上に、静止画データを用いた、例えばメニュー画面又はウインドウ画面などの静止画若しくは背景画としての静止画を適宜表示させたり、させなかったりすることも可能となる。
加えて、システムコントローラ520からの制御信号Sc13による制御を受けて、(2)側に切り替えられた切替スイッチSW5を介して、不図示の経路で別途、静止画データが出力されてもよい。或いは、(2)側に切り替えられることで、切替スイッチSW5から何らの静止画データが出力されなくてもよい。
ここで、図19のフローチャートを更に参照して、システムコントローラ520による再生処理ルーチンの具体例について説明する。
図19において、初期状態として、再生系による光ディスク100の認識及びファイルシステム105(図3参照)によるボリューム構造やファイル構造の認識は、既にシステムコントローラ520及びその内のファイルシステム/論理構造判読器522にて終了しているものとする。ここでは、ディスク情報ファイル110の中のディスク総合情報112から、総タイトル数を取得し、その中の一つのタイトル200を選択する以降の処理フローについて説明する。
先ず、ユーザインタフェース720によって、タイトル200の選択が行われる(ステップS211)。これに応じて、ファイルシステム/論理構造判読器522の判読結果から、システムコントローラ520による再生シーケンスに関する情報の取得が行われる。尚、当該タイトル200の選択においては、ユーザによるリモコン等を用いた外部入力操作によって、タイトル200を構成する複数のタイトルエレメント200−2(図4参照)のうち所望のものが選択されてもよいし、情報記録再生装置500に設定されるシステムパラメータ等に応じて、一つのタイトルエレメント200−2が自動的に選択されてもよい。
次に、この選択されたタイトル200(タイトルエレメント200−2)に対応するプレイリストセット126Sを構成する複数のプレイリスト126の内容が、取得される。ここでは、論理階層の処理として、各プレイリスト126の構造とそれを構成する各アイテム204の情報(図5、図6及び図13参照)の取得等が行われる(ステップS212)。
次に、ステップS212で取得された複数のプレイリスト126の中から、再生すべきプレイリスト126の内容が取得される。ここでは例えば、先ずプレイリスト#1から再生が開始されるものとし、これに対応するプレイリスト126の内容が取得される(ステップS213)。プレイリスト126の内容とは、一又は複数のプレイリストエレメント126−2(図5参照)等であり、当該ステップS213の取得処理では、係るプレイリストエレメント126−2等の取得が行われる。
続いて、このプレイリスト126に含まれるプリコマンド126PR(図5参照)が実行される(ステップS214)。尚、プリコマンド126PRによって、プレイリストセット126Sを構成する一定関係を有する複数のプレイリスト126のうちの一つを選択することも可能である。また、プレイリスト126を構成するプレイリストエレメント126−2がプリコマンド126PRを有していなければ、この処理は省略される。
次に、ステップS213で取得されたプレイリスト126により特定されるアイテム204(図5〜図7参照)に基づいて、再生すべきTSオブジェクト142(図3及び図10参照)を決定する(ステップS215)。より具体的には、アイテム204に基づいて、再生対象であるTSオブジェクト142に係るオブジェクト情報ファイル130(図3参照)の取得を実行し、再生すべきTSオブジェクト142のストリーム番号、アドレス等を特定する。
尚、本実施例では、後述するAU(アソシエートユニット)情報132I及びPU(プレゼンテーションユニット)情報302Iも、オブジェクト情報ファイル130に格納された情報として取得される。これらの取得された情報により、前述した論理階層からオブジェクト階層への関連付け(図13参照)が行われるのである。
次に、ステップS215で決定されたTSオブジェクト142の再生が実際に開始される。即ち、論理階層での処理に基づいて、オブジェクト階層の処理が開始される(ステップS216)。
TSオブジェクト142の再生処理中、再生すべきプレイリスト126を構成する次のアイテム204が存在するか否かが判定される(ステップS217)。そして、次のアイテム204が存在する限り(ステップS217:Yes)、ステップS215に戻って、上述したTSオブジェクト142の決定及び再生処理が繰り返される。
他方、ステップS217の判定において、次のアイテム204が存在しなければ(ステップS217:No)、実行中のプレイリスト126に対応するポストコマンド126PS(図5参照)が実行される(ステップS218)。尚、プレイリスト126を構成するプレイリストエレメント126−2がポストコマンド126PSを有していなければ、この処理は省略される。
その後、選択中のタイトル200を構成する次のプレイリスト126が存在するか否かが判定される(ステップS219)。ここで存在すれば(ステップS219:Yes)、ステップS213に戻って、再生すべきプレイリスト126の取得以降の処理が繰り返して実行される。
他方、ステップS219の判定において、次のプレイリスト126が存在しなければ(ステップS219:No)、即ちステップS211におけるタイトル200の選択に応じて再生すべき全プレイリスト126の再生が完了していれば、一連の再生処理を終了する。
以上説明したように、本実施例の情報記録再生装置500による光ディスク100の再生処理が行われる。
本実施例では特に、以上説明した(i)記録系の構成及び動作においては、例えばDVD−ROM用途の場合(即ち(i−4)等の場合)、複数のパレンタルブロックやアングルブロック等の複数のブロックをなすコンテンツ情報が、トランスポートストリーム等として記録される。また、例えばDVDレコーダ用途の場合(即ち(i−2)等の場合)、同一伝送波或いは同一伝送信号にストリーム化された複数番組をなすコンテンツ情報が、トランスポートストリーム等として記録される。或いは、同一タイトルについて、ハイビジョン対応のコンテンツ情報とノーマル映像対応のコンテンツ情報、サラウンドスピーカ対応のコンテンツ情報とモノラル対応のコンテンツ情報など、情報再生システム側で要求される映像再生機能(ビデオパーフォーマンス)別や音声再生機能(オーディオパーフォーマンス)別など、要求機能別に用意された各種コンテンツ情報が、トランスポートストリーム等として記録される。そして、このような記録の際には、記録開始から停止までを論理的に一つのタイトル200として記録しつつ、これら複数のコンテンツ情報に対して複数のプレイリスト126を夫々含む複数のプレイリストセット126Sが記録される。
本実施例では特に、以上説明した(ii)再生系の構成及び動作においては、図19のステップS211からS214における論理階層の処理及びS215における論理階層とオブジェクト階層とを関連付ける処理において、タイトル200により指定される各プレイリストセット126Sに含まれる複数のプレイリスト126のうち、いずれか一つを後に詳述するように選択して、これにより規定される再生シーケンスで、コンテンツ情報を再生する。例えば、DVDレコーダ用途或いはDVD−ROM用において、一つのタイトルとして記録された各プレイリストセット126Sに含まれる複数のプレイリスト情報のうち、所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロック、機能的に見て個々の情報再生システムで実際に再生可能なバージョンや個々の情報再生システムの機能を効率的に或いは最大限に引き出すバージョンのものなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択することで、タイトル200として当該所望のコンテンツ情報を再生できることになる。
(プレイリストセット中のプレイリストの選択方式)
次に図20から図29を参照して、上述した情報記録再生装置500において、再生されたプレイリスト情報ファイル120に含まれるプレイリストセット126Sから所望のコンテンツ情報に対応するプレイリスト126を適宜選択するための各種具体例について説明する。本発明は、これらの選択方式に限定される訳ではなく、例えば同時間帯に記録された複数番組若しくはパレンタルブロック又はアングルブロックなど、相互に関係が深いコンテンツ情報の再生シーケンスを規定するプレイリスト126をプレイリストセット126Sとしてまとめることにより得られる本発明の利点は、他の選択方式を採用することによっても、その方式内容に応じて相応に発揮されるものである。
以下に説明する三つの選択方式では特に、図8等を参照して説明したタイトルエレメント200−2のデータ構成、及び図14等を参照して説明した情報記録再生装置500による該タイトルエレメント200−2に基づく再生処理によって、プレイリストの選択を行う。
(第1選択方式)
先ず図20から図22を参照して、第1選択方式について説明する。ここに図20は、第1選択方式で用いられるタイトルエレメント200−2(図8参照)の一例におけるデータの論理構成を模式的に示すものである。図21は、第1選択方式における一つのプレイリストによる再生動作を示すフローチャートであり、図22は、このうち当該一つのプレイリストを選択する選択動作を示すフローチャートである。
図20に示すように、第1選択方式におけるタイトルエレメント200−2aは、図8に示したタイトルエレメント200−2の場合と同様に、プリコマンド200PR、ポインタ200PTにより指定されるプレイリストセット126S、ポストコマンド200PS及びネクスト情報200−6Nを含んで構成されている。そして、タイトルエレメント200−2aでは特に、プリコマンド200RPは、コマンドの他に、プレイリスト126別に、選択条件が記述されたプレイリスト選択命令群リストを備えて構成されている。
従って、各タイトルエレメント200−2aの先頭に配置されたプリコマンド200PRによるコマンド処理として、例えばビデオ解像度など、システムで再生可能な何らかの条件等に応じてプレイリストセット126S中から一つのプレイリスト126を選択することが可能となる。
図21に示すように、第1選択方式では、タイトル再生の一貫として当該タイトルエレメント200−2aによる再生が開始されると、先ずプリコマンドが実行される(ステップS101)。次に、このプリコマンドの実行によって選択されたプレイリスト126の再生が行われ(ステップS102)、続いて、ポストコマンド200PSが実行され、更に、ネクスト情報200−6Nが参照されて(ステップS104)、当該タイトルエレメント200−2aによる再生は終了され、次のタイトルエレメント200−2aによる再生へと続く。
このような処理のうち、プリコマンド200PRによるプレイリスト選択処理は、例えば次のように実行される。
即ち図22において、先ずプリコマンド200PR中に記述されたプレイリスト選択条件が、プレイリスト別に一つずつ読み出される(ステップS111)。これと並行して、情報記録再生装置500側において、選択判断情報の入力が行われる(ステップS112)。係る選択判断情報は、例えば、同時間帯に記録された番組群中の一つの番組を指示するユーザ入力情報であったり、パレンタルブロックやアングルブロックを選択する旨のユーザ入力情報であったりする。或いは、情報記録再生装置500において、その機能に応じて設定された再生可能な解像度、再生可能なチャネル数などのシステムパラメータや、ユーザにより設定された再生可能な機能を示す設定情報であってもよい。
続いて、ステップS111及びS112で取得された情報が相互に比較されて、ステップS112で所得された選択判断情報の内容が、ステップS111で読み出されたプレイリスト選択条件に適合するか否かが判定される(ステップS113)。ここで、適合すれば(ステップS113:Yes)、当該適合する選択条件を持つプレイリスト126が選択されて(ステップS114)、一連の選択処理が終了する。
他方、適合しなければ(ステップS113:No)、プリコマンド200PRに記述された最後の選択条件#nであるか否かが判定される(ステップS115)。ここで、最後の選択要件#nでなければ(ステップS115:No)、ステップS111に戻って、次のプレイリスト選択条件が読み出され、以降の処理が繰り返して実行される。
このような処理の繰り返しの中で、最後の選択要件#nであると(ステップS115:Yes)、情報記録再生装置500側からの選択判断情報がいずれのプレイリスト選択条件にも適合しないことになる。そこで、所定の代替処理が実行された後に(ステップS116)、一連の選択処理が終了する。
以上説明したように、第1選択方式によれば、タイトルエレメント200−2aが、プリコマンド200PRに従って、プレイリストセット126Sに含まれる複数のプレイリスト126のうち、所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択可能となる。或いは、映像再生機能や音声再生機能に鑑みて、情報記録再生装置500で再生可能であるコンテンツ情報に対応するプレイリスト126を選択可能となる。
(第2選択方式)
次に図23から図25を参照して、第2選択方式について説明する。ここに図23は、第2選択方式で用いられるタイトルエレメント200−2(図8参照)の他の例におけるデータの論理構成を模式的に示すものである。図24は、第2選択方式における一つのプレイリストによる再生動作を示すフローチャートであり、図25は、このうち当該一つのプレイリストを選択する選択動作を示すチャートである。
図23に示すように、第2選択方式におけるタイトルエレメント200−2bは、図8に示したタイトルエレメント200−2の場合と同様に、プリコマンド200PR、ポインタ200PTにより指定されるプレイリストセット126S、ポストコマンド200PS及びネクスト情報200−6Nを含んで構成されている。
そして、タイトルエレメント200−2bでは特に、プレイリストセット126Sに格納された各プレイリスト126には、属性情報が付加されている。ここに「属性情報」とは、各プレイリストに対応するコンテンツ情報について、映像機能については、ビデオ解像度はどの程度であるか、プログレッシブ/インターリーブの別、画角度はどの程度か、リフレッシュレートはどの程度か、コーデックは何か、或いはハイビジョン対応であるか、ノーマル対応であるか等のプレイリストに係るコンテンツ情報の属性を示す情報である。また、「属性情報」音声機能については、チャネルアサインメントは何か、コーデックは何か、サンプリング周波数は何か、サンプルビットは何か、或いはサラウンドスピーカ対応か、ステレオ対応か、モノラル対応か等を示すプレイリストに係るコンテンツ情報の属性を示す情報である。
更に、タイトルエレメント200−2bには特に、複数のプレイリスト126を選択可能であるか否かを示すセレクタブルフラグ(選択可能フラグ)を含んでなる、プレイリストセット制御情報126SD−1が格納されている。
従って、当該情報記録媒体の再生時には、プレイリストセット制御情報126SD−1中のセレクタブルフラグに従って選択処理を適宜実行可能となる。しかも、例えばセレクタブルフラグにより選択可能である旨が示されていれば、情報記録再生装置500は、そのビデオ解像度等のシステムパラメータと属性情報とを照合し、プレイリストセット126S中の、当該情報記録再生装置500にとって最適なプレイリスト126を選択することができる。或いは、プレイリスト126に付加された属性情報に応じて、プレイリストセット126Sに含まれる複数のプレイリスト126のうち、所望の番組、所望のビデオ解像度、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択する制御が可能となる。
尚、例えばセレクタブルフラグにより選択可能である旨が示されていない場合用に、プレイリストセット制御情報126SD−1は、一意に選択されるべきプレイリスト126の番号を更に保持している。このようなプレイリストセット制御情報126SD−1は、タイトルエレメント200−2b毎に格納されている。
図24に示すように、第2選択方式では、タイトル再生の一貫として当該タイトルエレメント200−2bによる再生が開始されると、先ずプレイリストは、選択可能であるか否かが、セレクタブルフラグを参照することによって判定される(ステップS121)。ここで、選択可能と判定されれば(ステップS121:Yes)、プレイリストセット126S中のプレイリスト126の選択が行われる(ステップS123)。次に、当該プレイリストセット126Sに含まれるプリコマンド200PRが実行される(ステップS124)。次に、選択されたプレイリスト126の再生が行われ(ステップS125)、続いて、ポストコマンド200PSが実行され(ステップS126)、更に、ネクスト情報200−6Nが参照されて(ステップS127)、当該タイトルエレメント200−2bによる再生は終了され、次のタイトルエレメント200−2bによる再生へと続く。
他方、ステップS121で、選択可能でなければ(ステップS121:No)、プレイリストセット制御情報126SD−1が保持する、一意に選択されるべきプレイリスト126の番号を参照して(ステップS122)、この番号のプレイリスト126が選択されたものとしてステップS124以降の処理を続行する。
このような処理のうち、プレイリストセット制御情報126SD−1及びプレイリスト126の属性情報によるプレイリスト選択処理は、例えば次のように実行される。
即ち図25において、プレイリストセット126S内において、各プレイリスト126に付加された属性情報が、プレイリスト別に一つずつ読み出される(ステップS131)。これと並行して、情報記録再生装置500側において、選択判断情報の入力が行われる(ステップS132)。係る選択判断情報は、例えば、同時間帯に記録された番組群中の一つの番組を指示するユーザ入力情報であったり、パレンタルブロックやアングルブロックを選択する旨のユーザ入力情報であったりする。或いは、情報記録再生装置500において、その機能に応じて設定された再生可能な解像度、再生可能なチャネル数などのシステムパラメータや、ユーザにより設定された再生可能な機能を示す設定情報であってもよい。
続いて、ステップS131及びS132で取得された情報が相互に比較されて、ステップS132で所得された選択判断情報の内容が、ステップS131で読み出された属性情報により示されるプレイリストの属性に適合するか否かが判定される(ステップS133)。ここで、適合すれば(ステップS133:Yes)、当該適合する属性を有するプレイリスト126が選択されて(ステップS134)、一連の選択処理が終了する。
他方、適合しなければ(ステップS133:No)、プレイリストセット126S中の最後のプレイリスト126(即ち、プレイリスト#m)であるか否かが判定される(ステップS135)。ここで、最後のプレイリスト126でなければ(ステップS135:No)、ステップS131に戻って、次のプレイリストの属性情報が読み出され、以降の処理が繰り返して実行される。
このような処理の繰り返しの中で、最後のプレイリスト126であると(ステップS135:Yes)、情報記録再生装置500側からの選択判断情報がいずれのプレイリストの属性にも適合しないことになる。そこで、所定の代替処理が実行された後に(ステップS136)、一連の選択処理が終了する。
以上説明したように、第2選択方式によれば、属性情報及びセレクタブルフラグに従って、プレイリストセット126Sに含まれる複数のプレイリスト126のうち、所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択可能となる。或いは、映像再生機能や音声再生機能に鑑みて、情報記録再生装置500で再生可能であるコンテンツ情報に対応するプレイリスト126を選択可能となる。
(第3選択方式)
次に図26から図29を参照して、第3選択方式について説明する。ここに図26は、第3選択方式で用いられるタイトルエレメント200−2(図8参照)の他の例におけるデータの論理構成を模式的に示すものであり、図27は、そのうちプレイリストセット制御情報のデータ構造の詳細を模式的に示すものである。図28は、第3選択方式における一つのプレイリストによる再生動作を示すフローチャートであり、図29は、このうち当該一つのプレイリストを選択する選択動作を示すチャートである。
図26に示すように、第3選択方式におけるタイトルエレメント200−2cは、図8に示したタイトルエレメント200−2の場合と同様に、プリコマンド200PR、ポインタ200PTにより指定されるプレイリストセット126S、ポストコマンド200PS及びネクスト情報200−6Nを含んで構成されている。
そして、タイトルエレメント200−2cには特に、選択条件をプレイリスト毎に格納するプレイリストセット制御情報126SD−2が格納されている。
図27に示すように、プレイリストセット制御情報126SD−2は、例えば再生時に要求されるビデオ解像度、再生時にハイビジョン対応が要求されるか否か、再生時にサラウンドスピーカシステムが要求されるか否か、再生時にステレオが要求されるか否か等々の選択条件#1〜#mが、プレイリスト番号#1〜#mに対応付けて格納されている。より具体的には、例えば、(i)予め番号付けさ
れている、各種の選択条件に係るパラメータの番号と、(ii)このパラメータについてどのような比較演算を行うのか、(iii)比較演算する際の比較対照となる値
(閾値)又は他のパラメータの番号などの詳細が、格納されている。そして、これらのうち一つ又は複数の条件で、一つのプレイリスト126が選択可能な構造が採用されている。
このため、プレイリストセット制御情報126SD−2に従えば、情報記録再生装置500側のプレーヤにおける機能について設定されたシステムパラメータ等とこれらの選択条件を照合することで、プレイリストセット126S中から一つのプレイリスト126を選択できる。尚、プレイリストセット制御情報126SD−2には、タイトルエレメント200−2cの再生において使用するプレイリスト126についてのみ選択条件等の情報を記述しておけば十分である。
従って、当該情報記録媒体の再生時には、プレイリストセット制御情報126SD−2に記述された選択条件に従って、各プレイリストセット126S中の複数のプレイリスト126のうち、情報記録再生装置500の機能を最大限に活用するコンテンツ情報、或いは所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択する制御が可能となる。
図28に示すように、第3選択方式では、タイトル再生の一貫として当該タイトルエレメント200−2cによる再生が開始されると、先ず当該タイトルエレメント200−2c中のプレイリストセット制御情報126SD−2の選択条件が参照されて、プレイリストセット126S中のプレイリスト126の選択が行われる(ステップS141)。次に、当該プレイリストセット126Sに含まれるプリコマンド200PRが実行される(ステップS142)。次に、選択されたプレイリスト126の再生が行われ(ステップS143)、続いて、ポストコマンド200PSが実行され(ステップS144)、更に、ネクスト情報200−6Nが参照されて(ステップS145)、当該タイトルエレメント200−2cによる再生は終了され、次のタイトルエレメント200−2cによる再生へと続く。
このような処理のうち、プレイリストセット制御情報126SD−2の選択条件によるプレイリスト選択処理は、例えば次のように実行される。
即ち図29において、先ずプレイリストセット制御情報126SD−2の選択条件が、プレイリスト別に一つずつ読み出される(ステップS151)。これと並行して、情報記録再生装置500側において、選択判断情報の入力が行われる(ステップS152)。係る選択判断情報は、例えば、同時間帯に記録された番組群中の一つの番組を指示するユーザ入力情報であったり、パレンタルブロックやアングルブロックを選択する旨のユーザ入力情報であったりする。或いは、情報記録再生装置500において、その機能に応じて設定された再生可能な解像度、再生可能なチャネル数などのシステムパラメータや、ユーザにより設定された再生可能な機能を示す設定情報であってもよい。
続いて、ステップS151及びS152で取得された情報が相互に比較されて、ステップS152で所得された選択判断情報の内容が、ステップS151で読み出されたプレイリスト選択条件に適合するか否かが判定される(ステップS153)。ここで、適合すれば(ステップS153:Yes)、当該適合する選択条件を持つプレイリスト126が選択されて(ステップS154)、一連の選択処理が終了する。
他方、適合しなければ(ステップS153:No)、プレイリストセット制御情報126SD−2中の最後のプレイリスト126(即ち、プレイリスト#m)に係る選択条件であるか否かが判定される(ステップS155)。ここで、最後のプレイリスト126でなければ(ステップS155:No)、ステップS151に戻って、次のプレイリスト126に係る選択条件が読み出され、以降の処理が繰り返して実行される。
このような処理の繰り返しの中で、最後のプレイリスト126であると(ステップS155:Yes)、情報記録再生装置500側からの選択判断情報がいずれのプレイリストの選択条件にも適合しないことになる。そこで、所定の代替処理が実行された後に(ステップS156)、一連の選択処理が終了する。
以上説明したように、第3選択方式によれば、プレイリスト別の選択条件に従って、プレイリストセット126Sに含まれる複数のプレイリスト126のうち、所望の番組、所望のパレンタルブロック、所望のアングルブロックなど、所望のコンテンツ情報に対応するものを選択可能となる。或いは、映像再生機能や音声再生機能に鑑みて、情報記録再生装置500で再生可能であるコンテンツ情報に対応するプレイリスト126を選択可能となる。
(再生時のアクセスの流れ)
次に図30を参照して、本実施例における特徴の一つであるAU(アソシエートユニット)情報132及びPU(プレゼンテーションユニット)情報302を用いた情報記録再生装置500における再生時のアクセスの流れについて、光ディスク100の論理構造と共に説明する。ここに図30は、光ディスク100の論理構造との関係で、再生時におけるアクセスの流れ全体を概念的に示すものである。
図30において、光ディスク100の論理構造は、論理階層401、オブジェクト階層403及びこれら両階層を相互に関連付ける論理−オブジェクト関連付け階層402という三つの階層に大別される。
これらのうち論理階層401は、再生時に所望のタイトルを再生するための各種論理情報と再生すべきプレイリスト(Pリスト)及びその構成内容とを論理的に特定する階層である。論理階層401には、光ディスク100上の全タイトル200等を示すディスク情報110dが、ディスク情報ファイル110(図3参照)内に記述されており、更に、光ディスク100上の全コンテンツの再生シーケンス情報120dが、プレイリスト情報ファイル120(図3参照)内に記述されている。より具体的には、再生シーケンス情報120dとして、各タイトル200に含まれる一又は複数のタイトルエレメント200−2に対して夫々、一又は複数のプレイリストセット126Sの構成が記述されている。更に、各プレイリストセット126Sは、一又は複数のプレイリスト126を含んでおり、各プレイリスト126には、一又は複数のアイテム204(図13参照)の構成が記述されている。そして、再生時におけるアクセスの際に、このような論理階層401によって、再生すべきタイトル200を特定し、これに対応するプレイリスト126を特定し、更にこれに対応するアイテム204を特定する。
続いて、論理−オブジェクト関連付け階層402は、このように論理階層401で特定された情報に基づいて、実体データであるTSオブジェクトデータ140dの組み合わせや構成の特定を行うと共に論理階層401からオブジェクト階層403へのアドレス変換を行うように、再生すべきTSオブジェクトデータ140dの属性とその物理的な格納アドレスとを特定する階層である。より具体的には、論理−オブジェクト関連付け階層402には、各アイテム204を構成するコンテンツの固まりをAU132という単位に分類し且つ各AU132をPU302という単位に細分類するオブジェクト情報データ130dが、オブジェクト情報ファイル130(図3参照)に記述されている。
ここで、「PU(プレゼンテーションユニット)302」とは、複数のエレメンタリーストリームを、再生切り替え単位ごとに関連付けてまとめた単位である。仮に、このPU302中にオーディオストリームが3本存在すれば、このビジョンを再生中には、ユーザが自由に3本のオーディオ(例えば、言語別オーディオなど)を切り替えることが可能となる。
他方、「AU(アソシエートユニット)132」とは、一つのタイトルで使用するTSオブジェクト中の、ビデオストリームなどのエレメンタリーストリームを複数まとめた単位であり、一又は複数のPU302の集合からなる。より具体的には、PU302を介して間接的に、エレメンタリーストリームパケットID(ES_PID)を各TSオブジェクト毎にまとめた単位である。このAU132は、例えば多元放送における相互に切り替え可能な複数の番組或いは複数のプログラムなど、コンテンツから考えて相互に特定関係を有する複数の番組或いは複数のプログラムなどの集合に対応している。そして、同一のAU132に属したPU302は、再生時にユーザ操作により相互に切り替え可能な複数の番組或いは複数のプログラムを夫々構成する一又は複数のエレメンタリーストリームの集合に対応している。
従って、再生すべきAU132が特定され、更にそれに属するPU302が特定されれば、再生すべきエレメンタリーストリームが特定される。即ち、図12に示したPATやPMTを用いないでも、光ディスク100から多重記録された中から所望のエレメンタリーストリームを再生可能となる。
尚、このようなAU132及びPU302を夫々定義する、AU情報132I及びPU情報302Iのより具体的なデータ構成については、後に詳述する。
ここで実際に再生されるエレメンタリーストリームは、PU情報302から、エレメンタリーストリームのパケットID(図12参照)であるES_PIDによって特定或いは指定される。同時に、再生の開始時間及び終了時間を示す情報が、エレメンタリーストリームのアドレス情報に変換されることにより、特定エレメンタリーストリームの特定領域(或いは特定時間範囲)におけるコンテンツが再生されることになる。
このようにして論理−オブジェクト関連付け階層402では、各アイテム204に係る論理アドレスから各PU302に係る物理アドレスへのアドレス変換が実行される。
続いて、オブジェクト階層403は、実際のTSオブジェクトデータ140dを再生するための物理的な階層である。オブジェクト階層403には、TSオブジェクトデータ140dが、オブジェクトデータファイル140(図3参照)内に記述されている。より具体的には、複数のエレメンタリーストリーム(ES)を構成するTSパケット146が時刻毎に多重化されており、これらが時間軸に沿って配列されることにより、複数のエレメンタリーストリームが構成されている(図11参照)。そして、各時刻で多重化された複数のTSパケットは、エレメンタリーストリーム毎に、論理−オブジェクト関連付け階層402で特定されるPU302に対応付けられている。尚、複数のPU302と、一つのエレメンタリーストリームとを関連付けること(例えば、切り替え可能な複数の番組間或いは複数のプログラム間で、同一のオーディオデータに係るエレメンタリーストリームを共通で利用したり、同一のサブピクチャデータに係るエレメンタリーストリームを共通で利用すること)も可能である。
このようにオブジェクト階層403では、論理−オブジェクト関連付け階層402における変換により得られた物理アドレスを用いての、実際のオブジェクトデータの再生が実行される。
以上のように図30に示した三つの階層により、光ディスク100に対する再生時におけるアクセスが実行される。
(各情報ファイルの構造)
次に図31から図38を参照して、本実施例の光ディスク100上に構築される各種情報ファイル、即ち図3を参照して説明した(1)ディスク情報ファイル110及びプレイリスト情報ファイル120、並びに(2)オブジェクト情報ファイル130におけるデータ構造の具体例について説明する。
(1)ディスク情報ファイル及びプレイリスト情報ファイル:
図31から図37を参照して、これらのファイルの具体例における各構成要素及び構成要素間の階層構造について説明する。ここに、図31から図37は、これらのファイルの階層構造を模式的に示す概念図である。尚、図31から図37において、既に図3から図9等を参照して説明したファイル、データ或いは情報等と同様のものには同様の参照符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
先ず、図31に示すように、本具体例に係る「タイトル情報セット」は、図3等に示したディスク情報ファイル110及びプレイリスト情報ファイル120を含んでなる情報セットである。
タイトル情報セットは、一つのディスクヘッダ112x、複数のタイトル情報200(タイトル情報#1、…、#n)、複数のプレイ(P)リストセット126S(Pリストセット#1、…、#n)及びその他の情報から構成されている。
(1−1)ディスクヘッダ:
先ず図31に示したタイトル情報セットのうち、ディスクヘッダ112xについて、図31及び図32を参照して説明する。
図31において、ディスクヘッダ112xは、同図中で右上段に分岐する形で示されており、同図中で上から順に、図3に示したディスク総合情報112に対応する情報として、バージョン番号、タイトル総数、タイトル情報総数、プレイ(P)リストセット総数等の各種情報用の複数フィールドを有する。ディスクヘッダ112xは、図3に示したタイトルポインタ114−1に対応する情報用のテーブルとして、タイトル開始アドレステーブルを有しており、図3に示したプレイリストセットポインタ124に対応する情報用のテーブルとして、プレイ(P)リストセット開始アドレステーブルを有する。ディスクヘッダ112xは、各タイトルセットの属性を示すタイトルセット属性を示す情報用のフィールドを有する。更にディスクヘッダ112xは、タイトルテーブル112xtt及びプレイリストセットテーブル112xptを有する。
このように複数のフィールド及び複数のテーブルを有するディスクヘッダ112xは、ディスク上記録領域全域の複数のタイトルを統括的に管理するためのものである。
ここに、「バージョン番号」は、当該規格におけるバージョン番号であり、例えばISO646によれば、コード“0070”とされる。「タイトル総数」は、ディスク上記録領域全域のタイトルの総数であり、「タイトル情報総数」は、ディスク上記録領域全域のタイトル情報の総数である。「プレイリストセット総数」は、ディスク上記録領域全域のプレイリストセットの総数であり、「タイトル開始アドレステーブル」は、タイトルセットの先頭からの相対的なバイト番号として、各タイトルの開始アドレスを示す。このバイト番号は、例えば0からカウントされる。「プレイリストセット開始アドレステーブル」は、タイトルセットの先頭からの相対的なバイト番号として、各プレイリストセットの開始アドレスを示す。このバイト番号は、例えば0からカウントされる。「タイトルセット属性」は、例えばタイトルセットのデータ長さ、タイトルセットで用いる文字の種類(日本語、英語など)、タイトルセットの名称等のタイトルセットの属性を示す。
図32において、タイトルテーブル112xttは、同図中で右上段に分岐する形で示されており、同図中で上から順に、複数のタイトルメニュー開始アドレス情報#1、…、#n及び複数のタイトルコンテンツ開始アドレス情報#1、…、#nを、番号別に対をなす形式で記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「タイトルメニュー開始アドレス」は、タイトルセットの先頭からの相対的なバイト番号として、各タイトルメニューを含むタイトル情報の開始アドレスを示す。このバイト番号は、例えば0からカウントされる。タイトルメニュー開始アドレス“0”は、ディスク全体に関するメニューであるディスクメニューに割り当てられる。「タイトルコンテンツ開始アドレス」は、タイトルセットの先頭からの相対的なバイト番号として、各コンテンツタイトルを含むタイトル情報の開始アドレスを示す。ここに「コンテンツタイトル」とは、各タイトルのコンテンツを示すタイトルである。このバイト番号は、例えば0からカウントされる。タイトルコンテンツ開始アドレス“0”は、例えばタイトル再生初期に無条件に再生されるファーストプレイタイトルに割り当てられる。
図32において、プレイリストセットテーブル112xptは、同図中で右下段に分岐する形で示されており、複数のプレイ(P)リストセット開始アドレス#1、…、#mを記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「プレイリストセット開始アドレス」は、タイトルセットの先頭からの相対的なバイト番号として、各プレイリストセットの開始アドレスを示す。このバイト番号は、例えば0からカウントされる。
(1−2)タイトル情報:
次に図31に示したタイトル情報セットのうち、タイトル情報200について、図31及び図33を参照して説明する。
図31において、タイトル情報200は、同図中で右中段に分岐する形で示されており、同図中で上から順に、図4に示したタイトル総合情報200−1に対応するタイトルエレメントの総数を示す情報200−1xを記録するためのフィールドを有し、更に、複数のタイトルエレメント200−2(タイトルエレメント#1、…、#k)及びその他の情報200−5を記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「タイトルエレメント総数」は、当該タイトル情報に含まれるタイトルエレメントの総数を示す。
図33において、各タイトルエレメント200−2は、同図中で右に分岐する形で示されており、同図中で上から順に、“プレイリストセット番号”が記述されるポインタ200PT、候補総数、適用可能な一又は複数のプレイ(P)リスト番号(即ち、Pリスト#1、…、#k)が記述されるPリスト識別情報200PNを記録するための複数フィールドを有する。更に、Pリストプリコマンド200PR、Pリストポストコマンド200PS及び、次に再生されるべきタイトルエレメントを示すネクスト情報200−6N等を記録するための複数フィールドを有する。尚、タイトルエレメント200−2中のその他の情報とは、例えば、シーケンシャル型や分岐型等のタイトルの種類等の各タイトルエレメントに関する情報である。
ここに、「プレイリストセット番号が記述されるポインタ200PT」は、プレイリストセットのID(識別)番号を示すポインタである。「候補総数」は、当該ポインタ200PTにより指定されるプレイリストセット中においてタイトルエレメントの選択候補となりえるプレイリストの総数を示す。「Pリスト識別情報200PN」は、かかる選択候補となりえる一又は複数のプレイリストのID(識別)番号を示す。かかるPリスト識別情報200PNを設けたことにより、一つのプレイリストセット中に異なるタイトル再生のために選択候補となるプレイリストを含ませることができ、一つのプレイリストセットを異なるタイトルエレメントで兼用することが可能となる。一方、「Pリストプリコマンド200PR」、「Pリストポストコマンド200PS」及び「ネクスト情報200−6N」等については、前述の通りである。
(1−3)プレイリストセット:
次に図31に示したタイトル情報セットのうち、プレイリストセット126Sについて、図31及び図34から図37を参照して説明する。
図31において、プレイリストセット126Sは、同図中で右下段に分岐する形で示されており、同図中で上から順に、図5に示したプレイリストセット総合情報126−1に対応する情報として、プレイ(P)リスト総数及び複数のプレイリスト(PL)プレゼンテーション(PLプレゼンテーション#1、…、#i)を含んでなる情報126−1xを記録するためのフィールドを有する。更に、プレイリストセット126Sは、複数のプレイ(P)リスト126(即ち、Pリスト#1、…、#i)、アイテム定義テーブル126−3及びその他の情報126−4を記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「プレイリスト総数」は、当該プレイリストセット中のプレイリストの総数を示す。PLプレゼンテーション#1、…、#iは夫々Pリスト#1、…、#iに対応する属性情報であり、図23に示される属性情報に相当する。
図34に示されるように、各PLプレゼンテーション126−1xiは、同図中で右上段へ分岐する形で示されており、同図中で上から順に、ビデオコーデック、ビデオ解像度、ビデオアスペクト比、ビデオフレームレート、オーディオチャネル割当等を示す情報を記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「ビデオコーデック」は、当該プレイリストセットに係る映像情報記録時に使用され、よってその再生時に使用すべきビデオコーデックの種類を示す。「ビデオ解像度」は、当該プレイリストセットのうちメインパス(即ち、主映像を提供するビデオストリーム)に対応するプレイリストに係る映像情報記録時に使用されたビデオ解像度を示す。「ビデオアスペクト比」は、当該プレイリストセットのうちメインパスに対応するプレイリストに係る映像情報記録時に使用されたビデオアスペクト比を示す。「ビデオフレームレート」は、当該プレイリストセットのうちメインパスに対応するプレイリストに係る映像情報記録時に使用されたビデオフレームレートを示す。「オーディオチャネル割当」は、当該プレイリストセットのうちメインパスに対応するプレイリストに係る音声情報記録時に使用されたオーディオチャネルの割当を示す。
図34において、各プレイリスト126は、同図中で右中段へ分岐する形で示されており、同図中で上から順に、当該プレイリスト126のデータ長さを示す情報、プレイリストヘッダ、複数のプレイリストエレメント126−2(即ち、Pリストエレメント#1、…、#i)等を記録するための複数フィールドを有する。
ここに、プレイリストの「長さ」は、次に続くプレイリストの長さをバイト数で示す。これは、「長さ」フィールド自体を含まないデータ長さを示す。「プレイリストヘッダ」は、当該プレイリストに含まれるプレイリストエレメントの総数、当該プレイリストの再生時間、当該プレイリストの名称等の情報を示す。
更に図35において、各プレイリストエレメント126−2は、同図中で右へ分岐する形で示されており、同図中で上から順に、マスタープレイ(P)アイテムについてのアイテム番号を示すポインタ126PT、サブパス総数、複数のサブパス情報126−2sub(即ち、サブパス情報#1、…、#k)、ネクスト情報126−6N、プレイ(P)アイテムについてのプリコマンド126PR、プレイ(P)アイテムについてのポストコマンド126PS及びその他の情報126−6等を記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「ポインタ126PT」、「プリコマンド126PR」及び「ポストコマンド126PS」については、前述の通りである。また、「サブパス総数」は、当該プレイリストエレメント内に存在するサブパスの総数を示す。「ネクスト情報126−6N」は、次に再生されるべきプレイリストエレメントを示す。
更に図36において、各サブパス情報126−2subは、同図中で中央へ向かって右へ分岐する形で示されており、同図中で上から順に、サブパスタイプ及びスレーブプレイ(P)アイテム総数、並びに複数のスレーブプレイ(P)アイテム情報126−subPT(即ち、スレーブPアイテム情報1、…、#k)を記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「サブパスタイプ」は、各種メニュー表示などサブパスによって如何なる表示が行われるかを示す。「スレーブPアイテム総数」は、当該サブパスにおけるスレーブプレイアイテムの総数を示す。
そして、各スレーブプレイ(P)アイテム情報126−subPTは、同図中で中央から右端へ向かって分岐する形で示されており、同図中で上から順に、スレーブプレイ(P)アイテム番号及びマスタープレイ(P)アイテムのスタートPTSを記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「スレーブPアイテム番号」は、当該サブパスにおけるプレイアイテムのID(識別)番号を示す。「マスタープレイアイテムのスタートPTS(プレゼンテーションタイムスタンプ)」は、マスタープレイアイテムの再生時間軸上における当該スレーブアイテムの再生時刻を示す。
他方で、図34において、アイテム定義テーブル126−3は、同図中で右下段へ分岐する形で示されており、同図中で上から順に、プレイ(P)アイテムの総数、複数のプレイ(P)アイテム204(即ち、Pアイテム#1、…、#n)等を記録するための複数フィールドを有する。
ここに、「プレイアイテムの総数」は、当該アイテム定義テーブルにおけるアイテム204の総数を示す。
図37において、各アイテム204は、同図中で中央へ向かって右上側へ分岐する形で示されており、同図中で上から順に、プレイ(P)アイテム種類、ストリームオブジェクトプレイ(P)アイテム204-stream等を記録するための複
数フィールドを有する。
ここに、「プレイ(P)アイテム種類」は、当該プレイアイテムの種類を示す。例えば、動画用のストリームオブジェクトのためのアイテムであれば、コード“00h”とされ、静止画用のオブジェクトのためのアイテムであれば、コード“10h”とされ、各種メニュー用のオブジェクトのためのアイテムであれば、コード“20h”とされる。
更に、ストリームオブジェクトプレイ(P)アイテム204-streamは、同図
中で中央から右端へ向かって分岐する形で示されており、同図中で上から順に、各プレイアイテムに係る、ES(エレメンタリーストリーム)インデックス番号、INタイム(INポイント)、OUTタイム(OUTポイント)等を示す情報を有する。
ここに、「ESインデックス番号」は、INタイム及びOUTタイムが適用されるエレメンタリーストリームのID(識別)番号及び種類を示す。また、「INタイム(INポイント)」及び「OUTタイム(OUTポイント)」については、前述の通りであり、例えば90kHzの時間ベースで、当該アイテムの再生時刻及び終了時刻が記述される。
尚、図37において、アイテム定義テーブル126−3は、このようなストリームオブジェクト用、即ち動画用のアイテム204に代えて、静止画オブジェクト用のアイテム204-stillを含んでもよい。この場合には、アイテム204-stillは、プレイアイテムの種類を示す情報、静止画オブジェクトプレイ(P)アイテム等を有する。
尚、以上説明したタイトル情報セットにおける各々のデータ量は、固定バイトであってもよいし、可変バイトであってもよい。更に各フィールドは、必要な個数分の各テーブルを追加可能な構造を有してもよい。
(2)オブジェクト情報ファイル:
次に図38を参照して、オブジェクト情報ファイル130について一具体例を挙げて詳細に説明する。ここに図38は、オブジェクト情報ファイル130内に構築されるAU(アソシエートユニット)テーブル131(図3参照)及びこれに関連付けられるES(エレメンタリーストリーム)マップテーブル134(図3参照)におけるデータ構成の一具体例を図式的に示すものである。
図38に示すように本具体例では、オブジェクト情報ファイル130内には、オブジェクト情報テーブル(オブジェクト情報table)が格納されている。そして、このオブジェクト情報テーブルは、図中上段に示すAUテーブル131及び下段に示すESマップテーブル134から構成されている。
図38の上段において、AUテーブル131は、各フィールド(Field)が必要な個数分のテーブルを追加可能な構造を有してもよい。例えば、AUが4つ存在すれば、該当フィールドが4つに増える構造を有してもよい。
AUテーブル131には、別フィールド(Field)に、AUの数、各AUへのポインタなどが記述される「AUテーブル総合情報」と、「その他の情報」とが格納されている。
そして、AUテーブル131内には、各AU#nに対応する各PU#mにおけるESテーブルインデックス#m(ES_table Index #m)を示すAU情報132Iとして、対応するESマップテーブル134のインデックス番号(Index番号=…)が記述されている。ここで「AU」とは、前述の如く例えばテレビ放送でいうところの“番組”に相当する単位(特に、“マルチビジョン型”の放送の場合には、切り替え可能な複数の“ビジョン”を一まとめとした単位)であり、この中に再生単位であるPUが一つ以上含まれている。また、「PU」とは、前述の如く各AU内に含まれる相互に切り替え可能なエレメンタリーストリームの集合であり、PU情報302Iにより各PUに対応するESテーブルインデックス#が特定されている。例えば、AUでマルチビューコンテンツを構成する場合、AU内には、複数のPUが格納されていて、夫々のPU内には、各ビューのコンテンツを構成するパケットを示す複数のエレメンタリーストリームパケットIDへのポインタが格納されている。これは後述するESマップテーブル134内のインデックス番号を示している。
図38の下段において、ESマップテーブル134には、フィールド(Field)別に、ESマップテーブル総合情報(ES_map table総合情報)と、複数のインデックス#m(m=1,2,…)と、「その他の情報」とが格納されている。
「ESマップテーブル総合情報」には、当該ESマップテーブルのサイズや、総インデックス数等が記述される。
そして「インデックス#m」は夫々、再生に使用される全エレメンタリーストリームのエレメンタリーストリームパケットID(ES_PID)と、それに対応するインデックス番号及びエレメンタリーストリームのアドレス情報を含んで構成されている。
本実施例では例えば、このアドレス情報、即ちESアドレス情報134dとして、前述のようにエレメンタリーストリームがMPEG2のビデオストリームである場合には、Iピクチャの先頭のTSパケット番号とこれに対応する表示時間のみが、ESマップテーブル134中に記述されており、データ量の削減が図られている。
このように構成されているため、AUテーブル131から指定されたESマップ134のインデックス番号から、実際のエレメンタリーストリームのエレメンタリーストリームパケットID(ES_PID)が取得可能となる。また、そのエレメンタリーストリームパケットIDに対応するエレメンタリーストリームのアドレス情報も同時に取得可能であるため、これらの情報を元にしてオブジェクトデータの再生が可能となる。
以上説明した光ディスク100のデータ構造によれば、もし新しいタイトルを光ディスク100に追加する場合でも、簡単に必要な情報を追加できるので有益である。逆に、例えば編集等を行った結果、ある情報が不要になったとしても、単にその情報を参照しなければよいだけであり、実際にその情報をテーブルから削除しなくてもよい構造となっているため有益である。
尚、図38では、上段のAUテーブル131から参照しないES_PIDについても、下段のESマップテーブル134のインデックス別に記述してあるが、当該参照しないES_PIDについては、このように記述する必要はない。但し、このように参照しないES_PIDをも記述することで、より汎用性の高いESマップテーブル134を作成しておけば、例えば、オーサリングをやり直す場合など、コンテンツを再編集する場合にESマップテーブルを再構築する必要がなくなるという利点がある。
ここで図31から図38を参照して説明した一具体例の如きデータ構造を有する光ディスク100を再生する際の各種ファイル等の再生順序について説明を加える。
先ず、図31に示したタイトル情報セットのうち、ディスクヘッダ112xが再生される。その一貫として図32に示したタイトルテーブル112xttが再生され、そのうちタイトルメニュー開始アドレス又はタイトルコンテンツ開始アドレスが取得される。
次に、この取得されたアドレス情報に従って、図31に示したタイトル情報200の再生が開始される。より具体的には、図33に示したタイトルエレメント200−2の再生が行われ、プレイリストセット番号が取得される。更に、プレイリスト#1〜#kへのポインタ200PTが取得される。尚、ポインタ200PTによってプレイリスト126を指定する構成を採ることで、前にタイトルエレメント200−2の再生により特定されたプレイリストセット内にある複数のプレイリストを、複数のタイトル間で共用可能となる。
次に、図32に示したプレイリストセットテーブル112xptが再生され、プレイリストセット開始アドレスが取得される。これに基づいて、図34に示したプレイリストセット126Sの再生が開始され、先ずPLプレゼンテーション126−1xiが再生される。
次に、要求機能情報の一例たるPLプレゼンテーション126−1xiと、当該光ディスク100を再生中の情報再生システムの再生機能(即ち、ビデオパーフォーマンス、オーディオパーフォーマンス等)とが比較されることで、図34に示したプレイリストセット126S中から、最適なプレイリスト126が一つ選択される。
次に、この選択されたプレイリスト126の再生が行われる。より具体的には、図35に示したプレイリストエレメント126−2の再生が行われる。この際、先ずプリコマンド126PRが実行され、続いて、図36に示したマスターPアイテム番号が取得され、図37に示したアイテム定義テーブルが参照されることで、該当するアイテム204が再生される。このアイテム204の再生は、実際には、ストリームオブジェクトPアイテム204-streamを再生することで得
られるESインデックス番号、INタイム及びOUTタイムに従って、該当するTSオブジェクトを再生することで行われる(図38参照)。その後、図35に示したポストコマンド126PSが実行され、更に、ネクスト情報126−6Nに従って、次に再生すべきプレイリストエレメントの指定が行われて、その再生が同様に繰り返して行われる。
以上図1から図38を参照して詳細に説明したように、本実施例によれば、例えば複数の番組或いは複数のパレンタルブロックやアングルブロック等を含む、大量のコンテンツ情報を、一つのタイトルとして効率的に記録することが可能となり、更に比較的容易にしてそれらの番組等のうち所望のものを選択して再生することが可能となる。
尚、上述の実施例では、情報記録媒体の一例として光ディスク100並びに情報再生記録装置の一例として光ディスク100に係るレコーダ又はプレーヤについて説明したが、本発明は、光ディスク並びにそのレコーダ又はプレーヤに限られるものではなく、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種情報記録媒体並びにそのレコーダ又はプレーヤにも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報記録媒体、情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、情報記録再生装置及び方法、記録又は再生制御用のコンピュータプログラム、並びに制御信号を含むデータ構造もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。