JP4203396B2 - 延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてプレス加工される自動車足廻り部品等を対象とし、0.7mm〜6.0mm程度の板厚で、引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板に関するものである。
近年、自動車の環境問題を契機に燃費改善対策としての車体軽量化、部品の一体成形化によるコストダウンのニーズが強まり、プレス加工性に優れた高強度熱延鋼板の開発が進められてきた。従来、かかる加工用高強度熱延鋼板としては、フェライト+マルテンサイト組織、フェライト+ベイナイト組織からなる混合組織のもの、或いはベイナイト、フェライト主体のほぼ単相組織のものが広く知られている。
なかでも、フェライト+マルテンサイト組織においては、延性が高く、疲労特性に優れる特性をもつことから、自動車ホイール等への適用が進められている。例えば、特開平6−33140号公報には、フェライト+マルテンサイト組織において、AlとNの添加量を調整することで、固溶Nを残存させ、高い時効硬化性を得ることで、より疲労強度の高いフェライト+マルテンサイト鋼について開示されており、特開平6−128688号公報では、フェライト+マルテンサイト組織のフェライト相の硬度を調整することで、耐久比を向上させ、延性と疲労強度を両立させる技術について開示されている。また、特開2000−319756号公報ではフェライト+マルテンサイト組織にCuを添加することで、高い延性を保ちつつ飛躍的に疲労特性を向上させる技術が開示されているが、いずれも、熱延工程で十分なフェライトを確保するためにSi添加量が高くなるため、熱延工程で、Siスケールと呼ばれる表面の凹凸疵が発生する場合があり、製品での外観が損なわれる場合が生じた。また、足回り部品等の高強度熱延鋼板は、通常、プレス成形した後に化成処理と塗装が施される。しかし、化成皮膜の生成が良くない(化成処理性が悪い)ケースや、塗装後の塗膜の密着が悪いケースなどの問題が生じる場合があった。
特開平6−33140号公報 特開平6−128688号公報 特開2000−319756号公報
本発明は上記した従来の問題点を解決するためになされたものであって、引張強度が590N/mm2 以上の高強度化に伴う延性の低下を防ぎ、更に、Siスケールの発生を防ぐことで、延性に優れた高強度熱延鋼板において、化成処理性を格段に向上するものである。即ち、本発明は延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板およびその鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するためになされた本発明の延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板は、
(1)質量%で、
C :0.02以上、0.08%以下、
Si:0.50%以下、
Mn:0.50以上、3.50%以下
P :0.03%以下、
S :0.01%以下、
Al:0.15以上、2.00%以下、
を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼組成であって、下記の2つの式を満たし、
Mn+0.5×Al<4 (1)
0.3×Al+Si−2×Mn≧−4 (2)
該鋼板の金属組織が粒径2μm以上のフェライトの割合が40%以上であるフェライトとマルテンサイトの2相組織で、引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板、
(2)質量%で、更に、
Ti:0.003%以上、0.20%以下、
Nb:0.003%以上、0.04%以下、
V :0.003%以上、0.20%以下、
の1種または2種以上を含有する(1)に記載の引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板、
(3)質量%で、更に、
Ca :0.0005%以上、0.01%以下、
Zr :0.0005%以上、0.01%以下、
REM:0.0005%以上、0.05%以下、
の1種または2種を含有する(1)または(2)に記載の引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板、
(4)(1)から(3)の鋼組成からなる鋳片を、圧延終了温度をAr3 点以上として熱間圧延を終了したのち20℃/sec以上の冷却速度にて650℃以上、750℃以下にまで冷却し、次いで2秒以上、15秒以下、空冷したのち、さらに再度冷却し、300℃未満の温度にて巻き取ることを特徴とする引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法、
である。
本発明によれば引張強度が590N/mm2 以上の高強度であって穴拡げ性、延性および化成処理性に優れた高強度熱延鋼板を経済的に提供することができるので本発明は高い加工性を有する高強度熱延鋼板として好適である。また、本発明の高強度熱延鋼板は車体の軽量化、部品の一体成形化、加工工程の合理化が可能であって、燃費の向上、製造コストの低減を図ることができるものとして工業的価値大なものである。
従来のフェライト+マルテンサイト鋼では延性を確保するために十分なフェライト組織分率を確保する必要があり、高いSi添加が必須であった。しかしながら、Si添加量が高くなるとSiスケールと呼ばれる表面の凹凸疵が発生する場合があり、製品での外観が損なわれ、化成処理性が劣化することが知られている。本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、フェライト+マルテンサイト鋼において、フェライト分率を十分に得るために、Al添加が有効であることを見出し、MnとAl、Si成分を調整し、且つ、フェライト結晶粒をできる限り一定値以上の粒径とすることによって、低いSi添加においても十分な延性が得られることを知見し、更に、AlとMnを調整することで化成処理性の劣化を抑制できることを知見し、本発明を完成するに至った。即ち、鋼板の特定の金属組織を、低C−低Si−高Al成分系で、MnとAl、Siが特定の関係で得ることによって、延性及び化成処理性の両立する高強度熱延鋼板が得られることを本発明者らは新たに見出したものである。更にはその工業的に有利な製造方法を見出したものである。
以下、鋼組成の各元素の規定理由について説明する。
Cは0.02%以上、0.08%以下とする。Cはマルテンサイト相を強化して強度を確保するに必要な元素であって0.02%未満では、所望の強度を確保することが困難になる。一方、0.08%を超えると延性の低下が大きくなるため、0.02%以上、0.08%以下とする。
Siは、有害な炭化物の生成を抑えフェライト組織主体+残マルテンサイトの複合組織を得るために重要な元素であるが、化成処理性を悪化させ、また、Siスケールも発生するため、0.5%を上限とする。0.25%超では、熱延鋼板の製造時に前記の金属組織を得るための温度管理が厳しい場合があるので、Si含有量は、0.25%以下が更に好ましい。
Mnは、強度の確保に必要な元素であり、このためには0.50%以上の添加を必要とする。しかし、3.5%を超えて多量に添加するとミクロ偏析、マクロ偏析が起こりやすくなり穴拡げ性を劣化させる他、化成処理性の劣化も見られることから、延性を劣化させず化成処理性を確保するためにはMnの範囲を0.50%以上、3.50%以下とする必要がある。
Pはフェライトに固溶してその延性を低下させるので、その含有量は0.03%以下とする。また、SはMnSを形成して破壊の起点として作用し著しく穴拡げ性、延性を低下させるので0.01%以下とする。
Alは、本発明において重要な元素の一つで、延性と化成処理性の両立に必要な元素であり、このため0.15%以上の添加を必要とする。Alは、従来より熱延鋼板において脱酸に必要な元素であり、通常0.01〜0.07%程度添加してきた。本発明者らは、低C−低Si系でAlを著しく多量に含有させた鋼組成をベースに金属組織の異なる高強度熱延鋼板で各種実験を行い、本発明に至ったものである。すなわち、Alが0.15%以上で、前記の金属組織を形成することにより化成処理性を損なうことなく、延性を大幅に向上できることを見出した。Alは、2.0%で延性向上効果が飽和してしまうばかりか、2.0%超の添加では延性と化成処理性の両立が逆に困難になってしまうので、0.15%以上、2.0%以下とする。
延性と化成処理性の両立には、MnとAlの関係の規定も重要である。理由は不明であるが、Si0.5%以下の条件において、図1に、示すように、
Mn+0.5×Al<4 (1)
の条件の場合、化成処理性が損なわれない事を本発明者らは新たに見出した。
熱延鋼板はROT冷却の非常に短い時間にて組織制御を完了しなければならない。これまで、冷却中の組織制御はSi添加量を増加させることで調整していたが、Si添加量が増大すると化成処理性の劣化を招くという課題があり、化成処理性が必要な鋼種の延性の劣化は避けられなかった。そこで、延性を劣化させることなく、化成処理性の改善できる手法について本発明者らは鋭意検討し、Siと同じくフェライトフォーマーの元素で化成処理性の劣化を引き起こすことがなく、更に他の材質劣化を起こさない元素としてAlを見出した。更に、これまで、明確ではなかった、低Si−高Al添加における短時間での組織制御について検討重ねることで、特に0.15%以上の高Al添加域の低Si−高Al領域においてはSi、Al、Mn添加を考慮しなくては短時間での組織制御が困難であることを見出し、個々の効果を明確化することで式(2)の右辺を得るに至り、この値が−4以上のとき、熱延ROTのような短時間の処理によっても十分なフェライト相か確保でき、高い延性を得ることが出来る。一方、この値が−4未満のとき、フェライト相は十分に成長できず、延性の劣化を引き起こす。これより、式(2)の条件を得るに至った。 0.3×Al+Si−2×Mn≧−4 (2)
Ti、Nb、VはTiC、NbC、VCなどの微細な炭化物を析出させ高強度を可能にする。この目的のためにはTiを0.003以上、0.20%以下、Nbを0.003%以上、0.04%以下、Vを0.003%以上、0.20%以下の1種または2種以上を添加することが必要である。Ti、Nb、Vとも、0.003%未満では、析出強化による強度上昇を得ることが困難であり、Tiが0.20%、Nbが0.04%、Vが0.20%を超えると析出物が多量に生成しすぎて延性が劣化するからである。尚、Ti、Nb、Vは、析出物を更に有効に活用するには、Tiで0.020%以上、Nbで0.010%以上、Vで0.030%以上の含有が好ましい。
Ca、Zr、REMは硫化物系介在物の形態を制御し穴拡げ性の向上に有効な元素である。この形態制御効果を有効ならしめるためにはCa、Zr、REMの1種または2種を0.0005%以上の添加するのが望ましい。一方、多量の添加は硫化物系介在物の粗大化を招き、清浄度を悪化させて本発明の低C−低Si−高Al成分系であっても延性を低下させるのみならず、コストの上昇を招くので、CaとZrの上限を0.01%とし、REMの上限を0.05%とする。尚、REMとしては、例えば、元素番号21、39、57〜71の元素である。
不可避不純物としては、例えば、N≦0.01%、Cu≦0.3%、Ni≦0.3%、Cr≦0.3%、Mo≦0.3%、Co≦0.05%、Zn≦0.05%、Na≦0.02%、K≦0.02%、B≦0.0005%で含有していても本発明を逸脱するものではない。
フェライト粒径の大きさは、本発明において最も重要な指標の一つである。本発明者らは鋭意研究した結果、粒径が2μm以上のフェライトの占める面積率が40%以上となると延性に優れた鋼板になることも見出した。図2に粒径2μm以上のフェライトの占める割合と伸びの関係をしめすが、粒径が2μm以上のフェライト粒の割合が40%以上になると鋼板は高い延性を示す。
これは、粒径が2μm未満の場合には個々の結晶粒が十分回復、成長しておらず、延性低下の原因となったと思われる。このことより、穴拡げ性、延性を良好にして両立させるには、粒径が2μm以上のフェライト粒の割合を40%以上とする必要がある。なお、より顕著な効果を得るには粒径が3μm以上のフェライト粒の割合を40%以上とするのが望ましい。尚、粒径は各粒の面積を円相当径に換算して求めることができる。
高強度熱延鋼板における金属組織はフェライトとマルテンサイトよりなるものとする。ここで、鋼組織には粒径2μm以上のフェライトが40%以上含まれるので、金属組織はフェライト40%以上のフェライト+マルテンサイト2相組織となる。例えば、本発明の金属組織としては、2μm以上の粒径のフェライトが40%以上で、残部が2μm未満の粒径のフェライトとマルテンサイトのもの、又は、2μm以上の粒径のフェライトが40%以上で残部がマルテンサイトのみのものとすることができる。このようにマルテンサイトを60%以下とするのは、マルテンサイトの量がこれより多くなると延性の低下が著しく大きくなるからである。但し、残留オーステナイトが通常のX線回折強度で測定した場合に1%程度含有していても、本発明のフェライト+マルテンサイト2相組織を逸脱するものではない。また、熱延鋼板の表面近傍に、極薄(例えば0.1 〜0.3 mm程度)の炭素等の鋼組成が若干低下した領域が一部存在し、金属組織が若干異なるとしても、熱延鋼板の板厚方向の大部分が上記のフェライト+マルテンサイト2相組織で粒径2μm以上のフェライトが40%以上含まれる金属組織であれば本発明の作用効果を有するものである。
本発明は上記の鋼組成と金属組織を有する高強度熱延鋼板と、更にその鋼板を工業的に有利に製造するための高強度熱延鋼板の製造方法である。
高強度熱延鋼板を熱間圧延により製造するに際して、本発明の低C−低Si−高Al成分系では、仕上げ圧延終了温度はフェライト域圧延による延性の低下を抑制するためAr3 点以上とすることが好ましい。しかし、あまり高温にすると金属組織の粗大化による強度及び延性の低下を招く場合があるので仕上げ圧延終了温度は1050℃以下が望ましい。鋳片を加熱するか否かは、鋼板の圧延条件により適宜決めればよいし、熱延鋼板を熱間圧延中に次の熱延鋼板又は鋳片を接合して連続圧延するかは、本発明の金属組織が得られるなら適宜選択することができる。尚、鋼溶製は、転炉方式でも電炉方式でも、溶解して鋼組成が得られれば良い。また、不純物などの制御のための、溶銑予備処理、精錬、脱ガス処理などは適宜選択すれば良い。
仕上圧延終了直後に鋼板を急速冷却することはフェライト分率を確保するために重要であって、その冷却速度は20℃/sec以上が好ましい。20℃/sec未満では強度低下および延性低下の原因となるパーライトが生成するためである。尚、250℃/secでパーライトの抑制効果は飽和するが、250℃/sec以上でもフェライト結晶粒が成長してフェライト結晶粒径が2μm以上を金属組織の40%以上確保するには有効である。600℃/sec超では、フェライト結晶粒の成長効果も飽和し、逆に、熱延鋼板の形状の維持が現状では容易でなので600℃/sec以下が望ましい。
鋼板の急速冷却を一旦停止して空冷を施すことはフェライトを析出してその占有率を増加させ、延性を向上させるために重要である。しかしながら、空冷開始温度が650℃未満では穴拡げ性に有害なパーライトが早期より発生する。一方、空冷開始温度が750℃を超える場合にはフェライトの生成が遅く空冷の効果が得にくいばかりでなく、その後の冷却中におけるパーライトの生成が起こりやすいので望ましくない。従って、空冷開始温度は650〜750℃とするのが好ましい。また、空冷時間が15秒を超えてもフェライトの増加は飽和するばかりでなく、パーライトの生成により強度、延性が低下すること、また、その後の冷却速度、巻取温度の制御に負荷がかかるので工業的に好ましくない。従って、空冷時間は15秒以下とする。なお、空冷時間が2秒未満ではフェライトを十分析出させることはできないので好ましくない。また、本発明の空冷には、その後の金属組織の生成に影響を及ぼさない程度に、熱延鋼板表面付近のスケール改質の目的で霧状の冷媒を少量吹き付けることも含まれる。
空冷後は再度該熱延鋼板を急速に冷却するが、その冷却速度はやはり20℃/sec以上を必要とする。20℃/sec未満では有害なパーライトが生成し易くなるから好ましくない。 200℃/secでベイナイトの生成はほぼ飽和する。尚、600℃超では、鋼板が部分的に過冷される場合があり、局部的に硬質変動が発生するため好ましくはない。
そして、この急冷の停止温度、即ち巻取温度は300℃未満とする。巻取温度が300℃以上とすると十分なマルテンサイトが得られず、延性の劣化を招くからである。
以上のように本鋼組成と熱延条件の組み合わせにより、鋼板の金属組織が粒径2μm以上のフェライトの割合が40%以上であるフェライト+マルテンサイト2相組織であって、引張強度590N/mm2 以上である穴拡げ性、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板を製造することができる。更に、本発明鋼板の表面に表面処理(例えば亜鉛メッキ、潤滑処理等)が施されていても本発明の効果を有し、本発明を逸脱するものではない。
次に本発明を実施例に基づいて説明する。
表1に示す成分の鋼を溶製し、常法に従い連続鋳造でスラブとした.符号A〜Zが本発明に従った成分の鋼で符号aの鋼はC、Pの添加量、bの鋼はMn添加量、cの鋼はAl添加量、dの鋼はSi、Alの添加量、eの鋼はSi及び、Ti、V添加量、fの鋼はSiとNb添加量が、gの鋼はAlの添加量が本発明の範囲外である。また、aの鋼は式(1)が、bの鋼は式(1)、(2)が本発明の範囲外である。
これらの鋼を加熱炉中で1200℃以上の温度で加熱し、熱間圧延にて板厚2.6〜3.2mmの熱延鋼板を得た。熱延条件については表2及び表3に示す。
表2及び表3のうち、A4は冷却速度が低めに外れ、B3、F3は空冷開始温度、E3、G3は巻取り温度がそれぞれ本発明の範囲外である。また、J2は空冷時間が短くなっている。
このようにして得られた熱延鋼板について引張試験および化成処理試験を行った。各試験片のTS、El、および化成処理性を表2及び表3に示す、図3に強度と伸びの関係を示す。本発明鋼は比較鋼と比べて伸びが高くなっており、優れていることがわかる。
注1)引張強度、延性
JIS Z 2201に準拠して、試験片はJIS5号を用いて引張試験を行った。
注2)鋼板の金属組織
金属組織観察においては、ナイタールで腐食後、走査電子顕微鏡にてフェライト、マルテンサイトを同定し、粒径2μm以上のフェライトの面積率を画像解析により測定した。注3)化成処理性
熱延鋼板の化成処理性は、表面スケールを除去後に、化成処理液SD5000(日本ペイント社製)を用い、処方どおり脱脂、表面調整を行った後化成処理を行った。化成処理皮膜の判定は、SEM(2次電子線像)により、均一に皮膜が形成されているものは○、皮膜が一部形成されていないものは×と判定した。
Figure 0004203396
Figure 0004203396
Figure 0004203396
Al、Mnと化成処理の関係を示すグラフである。 2μm以上のフェライト分率と延性の関係を示すグラフである。 延性と強度の関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C :0.02以上、0.08%以下、
    Si:0.50%以下、
    Mn:0.50以上、3.50%以下
    P :0.03%以下、
    S :0.01%以下、
    Al:0.15以上、2.00%以下、
    を含有し、残部鉄及び不可避的不純物からなる鋼組成であって、下記の2つの式を満たし、
    Mn+0.5×Al<4 (1)
    0.3×Al+Si−2×Mn≧−4 (2)
    該鋼板の金属組織が粒径2μm以上のフェライトの割合が40%以上であるフェライトとマルテンサイトの2相組織で、引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板。
  2. 質量%で、更に、
    Ti:0.003%以上、0.20%以下、
    Nb:0.003%以上、0.04%以下、
    V :0.003%以上、0.20%以下、
    の1種または2種以上を含有する請求項1に記載の引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板。
  3. 質量%で、更に、
    Ca :0.0005%以上、0.01%以下、
    Zr :0.0005%以上、0.01%以下、
    REM:0.0005%以上、0.05%以下、
    の1種または2種を含有する請求項1または請求項2に記載の引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板。
  4. 請求項1または請求項2または請求項3の鋼組成からなる鋳片を、圧延終了温度をAr3 点以上として熱間圧延を終了したのち20℃/sec以上の冷却速度にて650℃以上、750℃以下にまで冷却し、次いで2秒以上、15秒以下、空冷したのち、さらに再度冷却し、300℃未満の温度にて巻き取ることを特徴とする引張強度が590N/mm2 以上であることを特徴とする、延性及び化成処理性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法。
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