JP4202844B2 - 複合材料の成形治具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合材料の成形に用いられ、離型性に優れ、高精度で成形物を製造することができる複合材料の成形治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来の技術の成形物1に中型2が装着された状態を示す一部の斜視図である。軽量でかつ高強度が要求される航空機および宇宙機の機体、主翼、尾翼などの主要構造部には、断面がC字状またはI字状の補強部材もしくは断面がI字状の桁部材などの複数の部分構造部3が、平坦状または所定の曲率で湾曲した板状の基材4に均等なピッチで配置される。このような構造を有する成形物1は、複合材料から成る。
【0003】
このような成形物1をオートクレーブ(略称A/C)法などによって一体成形するために、プリフォームされた成形前の成形物1には成形治具が装着され、加圧された状態で加熱して硬化させ、所要の形状精度に賦形される。前記成形治具には、基材4を下から支持する下型および各部分構造部3の上フランジ5に上方から臨む上型の他に、金属またはFRP(Fiber Reinforced Plastics)から成り、各部分構造部3の凹所6に装着される中型2が用いられる。この中型2は、図6に示されるように、単一の一体構造の中型2aが使用されるか、または図7に示されるように、長手方向にテーパ状に分割された中型2bが採用される。
【0004】
また、前記成形治具は、成形物1の熱収縮による変形を防止するため、プリプレグ(Prepreg)が硬化した後の成形物と同等の熱収縮量を有する材料が用いられる。このような成形物と同等の熱収縮量を有する材料としては、高価な低熱膨張鋳鉄、インバー合金およびFRPなどが用いられる。
【0005】
他の従来の技術(たとえば、特許文献1参照)では、下型である下側治具表面に成形物を積層して基材を形成し、この基材上に、部分構造部である部分部材を所定位置に配置するために、前記基材の上方に架設されたロケータと呼ばれる固定側位置決め装置および固定側位置決め装置から垂下されるスライディングロケータと呼ばれる可動側位置決め装置が用いられている。
【0006】
このような構成を採用することによって、中型である桁成形型を基材上で3次元的に位置調整し、基材の所定位置に配置された部分部材を桁成形部材とともにオートクレーブ内に搬入し、加熱、加圧することによって基材に部分部材を一体に接合できるようにして、成形治具のコストの高騰の原因となっていた上型である上側治具を不要とし、部分部材の高さ精度を向上し、低コスト化および高精度化が図られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−99529号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述の図5〜図7に示される従来の技術では、成形後に成形物1から成形治具を離脱させる離型時において、成形時の成形物1のスプリングインなどの変形、ならびに成形物1と中型2との摩擦および付着力などが大きく影響するため、複数の部分構造部3からの中型2の離型には多大な労力が必要であるという問題がある。
【0009】
また、前記部分構造部3からの中型2の離型は、基材4から各部分構造部3を剥離してしまうことを防止するために、成形物1の長手方向に沿って中型2を矢符7で示される方向に移動させて、その中型2を成形物1から抜き取らなければならず、離型に極めて多くの手間を要し、生産性が悪いという問題がある。
【0010】
さらに、前記中型2は、成形物1の熱収縮による変形を防止するために、硬化後の成形物と同等の熱収縮量を有する低熱膨張鉄やインバー合金などの高価な材料が用いられているため、成形治具の製作に高コストを要するという問題がある。
【0011】
さらに、前述の他の従来の技術では、成形後に中型である桁成形型を部分部材から離型するに際して、桁成形型は部分部材の長手方向に沿って長尺であるので、前述の図5〜図7に示される従来の技術と同様に、離型に手間を要し、生産性が悪いという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、低コストで、離型性に優れかつ高精度で成形することができる複合材料の成形治具を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、複合材料から成る長尺の成形物を支持する下型と、
前記成形物に上方から臨み、成形物の形状を上方から規定する上型と、
下型および上型間に配置される前記成形物の形状を側方から規定する中型と、
前記成形物と中型との間に介在され、成形物と熱変形量がほぼ等しい材料から成る薄肉の離型部材とを含むことを特徴とする複合材料の成形治具である。
【0014】
本発明に従えば、複合材料から成る成形物を製造するに際して、成形物は、下型によって下方から形状が規定され、上型によって上方から形状が規定され、中型によって側方から形状が規定される。成形物と中型との間には、成形物と熱変形量のほぼ等しい離型部材が介在され、成形後に中型を離型部材から容易に外すことができる。また、中型が外された離型部材は、薄肉であるため、離型部材を弾性変形させることによって成形物から容易に分離して外すことができる。
【0015】
このように成形物と中型との間に離型部材を介在させることによって、中型の材質が成形物の熱収縮量と同等の熱収縮量を有する材料に限定されず、前記従来の技術のように、低熱膨張鋳鉄およびインバー合金などの高価な材料を用いる必要がなくなり、成形治具のコストを削減することができる。
【0016】
また、前記離型部材は、薄肉とし、作業者が手作業で弾性変形させることができるので、成形物に大きな力を作用させずに離型部材を成形物から迅速に外すことができる。これによって前記従来の技術のように、基材から部分構造部を剥離してしまうという不具合の発生を防止することができ、成形後の成形物から中型、下型および上型を容易に抜去することができ、高精度の成形物を効率よく製造することができる。
【0017】
請求項2記載の本発明は、前記中型は、長手方向に分割された複数の中型部分を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、成形物に装着された状態の離型部材から各中型部分を個別に抜き取ることができ、したがって各中型部分に作用する離型部材からの摩擦力が小さくて済み、中型の離型時の抜き取り作業を容易化することができる。
【0019】
請求項3記載の本発明は、前記中型は、長手方向に分割された複数の中型部分を含み、前記長手方向に隣接する各中型部分間には、空隙が介在されることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、各中型部分の間に空隙を設けることによって、各中型部分の熱膨張による伸びを吸収することができる。これによって成形物への中型の熱膨張による影響を可及的に少なくして、成形物の寸法精度の高精度化を図ることができる。
【0021】
請求項4記載の本発明は、前記複数の中型部分が着脱可能に連結される連結部材を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、各中型部分は連結部材によって連結されるので、各中型部分の位置決めが容易化される。また、連結部材は各中型部分に対して着脱可能であるので、各中型部分が連結部材によって相互に連結されていない状態で、成形前においては、成形物へ各中型部分を容易に装着することができ、成形後においては、各中型部分を成形物に装着された離型部材から容易に離脱させることができ、中型の装着および離脱の作業が容易化される。
【0023】
請求項5記載の本発明は、前記複数の中型部分に個別に着脱可能に連結され、各中型部分に対して成形物から離反する方向に衝撃力を与える離型補助手段を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、離型補助手段によって各中型部分に成形物から離反する方向に衝撃力を作用させることができるので、手作業で直接各中型部分を引き抜く場合に比べて、各中型部分に瞬間的に大きな力を作用させて、各中型部分を容易に成形物から離脱させることができる。これによって離型時の労力を低減し、離型に要する時間を短縮することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の複合材料の成形治具20を示す一部の断面図であり、図2は成形治具20の一部の分解斜視図である。本実施の形態では、航空機および宇宙機などの機体および主翼などの高強度が要求される繊維強化複合材料から成るパネル状構造材を製作するための成形治具について説明する。なお、本実施の形態において、「成形物」は成形前と成形後とでは性状が異なり、「成形前」および「成形後」のいずれか一方である場合と両者を意味する場合とがあるため、説明上の必要に応じて「成形前の成形物」または「成形後の成形物」と記載し、特に成形前の材料である場合には「成形材料」と記載する。
【0026】
本実施の形態の成形治具20は、複合材料から成る成形物21を支持する下型22と、前記成形物21に上方から臨み、成形物21の形状を上方から規定する上型23と、下型22および上型23間に配置される前記成形物21の形状を側方から規定し、長手方向に分割された複数の中型部分24を有する中型25と、前記成形物21と中型25との間に介在される薄肉の離型部材26と、前記複数の中型部分24が着脱可能に連結される連結部材27と、各中型部分24に対して成形物21から離反する方向に衝撃力を与える離型補助手段であるスライドハンマ28(図3参照)と、前記下型22上の上型23、中型25、離型部材26および連結部材27を上方から気密に覆い、シリコンゴムなどの耐熱性および可撓性を有する合成樹脂製のバッグ48とを含む。
【0027】
前記成形前の成形物21は、下型22の上方(図1の上方)に臨む下型表面31上に乗載される板状の基材32と、基材32上に相互に間隔をあけて平行に乗載される断面がI字状の複数の部分構造部33とを有する。これらの基材32および各部分構造部33は、繊維強化材に熱硬化性樹脂から成るマトリックス
(matrix)を含浸させ、増粘して半硬化状態(Bステージともいう)に加工されたプリプレグ(Prepreg)を積層(レイアップともいう)して配向制御され、熱膨張および熱収縮による熱変形量を見込んだ所定形状(本実施の形態では板状およびI字状)にプリフォーム成形された複合材料によって実現される。
【0028】
前記強化繊維は、航空機および宇宙機の機体などのように高強度が要求される構造体を構築する場合、代表的にはカーボン繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、ケブラー繊維およびアルミナ繊維などが用いられる。また、マトリックスとして用いられる熱硬化性樹脂は、代表的にはエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、およびフェノール樹脂などが用いられる。
【0029】
前記下型22は、アルミニウム合金製の板状体によって実現され、前記成形物21が乗載される下型表面31は予め定める型形状を有する。本実施の形態では、下型表面31は平面であるが、要求される成形物21の下面形状に応じて所定の湾曲率で上方または下方に凸に湾曲した球面または円筒形の一部などの3次元形状が採用されてもよい。このような下型22は、前記アルミニウム合金に代えて鋼鉄製であってもよく、安価な材料を使用することができる。
【0030】
前記上型23は、複数のアルミニウム合金製の細幅の板状体によって実現され、要求される成形物21の上面形状に応じて、下方に臨む上型表面34の形状および下型表面31からの高さが決定される。本実施の形態では、上型表面34は平面であり、下型表面31から垂直に一定の高さに図示しない位置決め装置のフレームにボルトなどによって正確に位置決めされて固定されている。このような上型23は、前記アルミニウム合金に代えて鋼鉄製であってもよく、安価な材料を用いることができる。
【0031】
前記中型25の各中型部分24は、その長手方向に垂直な断面が略凹状に形成され、成形物21に相互に対向する3つの第1〜第3成形面35,36,37を有し、残余の第4表面38側には長手方向両側の各端面39,40にわたって貫通する嵌合溝41が形成される。各中型部分24は、成形物21に装着された状態において、長手方向に相互に対向する各端面39,40が、前記長手方向に間隔ΔLをあけて離間しており、対向する各端面39,40間には空隙42がそれぞれ介在される。
【0032】
前記間隔ΔLは、各中型部分24の加熱による熱変形量に基づいて決定され、たとえば(各中型部分24の長手方向の長さ)×(中型部分24の材料の線膨張係数)×(成形物21の加熱成形温度−加熱成形時の室温)によって求められる値以上に選ばれる。このような空隙42によって、各中型部分24の熱膨張による伸びを吸収し、成形後の温度低下に伴う収縮を吸収することができる。これによって成形物21への中型25の熱変形による影響を可及的に少なくして形状不良箇所の発生を抑制し、成形後の成形物21の寸法精度を向上することができる。
【0033】
各中型部分24には、後述するスライドハンマ28を取付けるための離型用ねじ孔46と、前記連結部材27を連結するための連結用ねじ孔47とがそれぞれ形成される。離型用ねじ孔46は、各中型部分24の嵌合溝41に関して上下方向両側の突条部分51,52のうち上方に配置される一方の突条部分51の長手方向中央部に、成形物21の部分構造部33ウエブ53に臨む第1成型面35に垂直な軸線を有するように形成される。また、連結用ねじ孔47は、嵌合溝41の底部でかつ各突条部分51,52に連なる基部54の長手方向中央部に、前記第1成型面35に垂直な軸線を有するように形成される。
【0034】
各中型部分24の連結用ねじ孔47には、連結部材27の複数の軸孔55に挿通されたビス56の軸部がそれぞれ螺着され、連結部材27に各中型部分24が互いに間隔ΔLをあけて高精度でかつ容易に着脱可能に取付けられる。また、ビス56は合成樹脂製のバッグ48で気密に被う前に取外され、連結部材27の熱膨張による伸びの影響を抑制する。
【0035】
前記離型部材26は、その長手方向に垂直な断面が前記各中型部分24に装着することができる凹状の長尺材とされる。この離型部材26の厚みTは、作業者が手指で充分の弾性変形させることができる程度の薄肉とされる。
【0036】
この離型部材26は、成形物21と熱変形量がほぼ等しい材料から成り、具体的には同一材料によって形成され、本実施の形態ではカーボン繊維強化プラスチック(略称CFRP)から成る。ここに、「成形物21と熱変形量がほぼ等しい」とは、成形時の加熱による熱膨張量および成形後の冷却による熱収縮量が成形物21と同一である場合と、歪みおよび強度などの要求される機械的特性から無視できる程度、たとえば±1%〜±3%の誤差を有する場合とを含むものとする。
【0037】
このような離型部材26は、成形前に連結部材27によって一直線状に整列して連結された各中型部分24に第1〜第3成形面35〜37を覆うように装着され、第1〜第3成形面35〜37および離型部材26に液状の離型剤を塗布し、乾燥後に、前記連結部材27によって連結された各中型部分24とともに、成形前の成形物21に装着される。前記離型剤としては、たとえばシリコン系の離型剤が用いられる。
【0038】
図3は、成形後の成形物21から上型23および中型25を取外す手順を説明するための図である。たとえばオートクレーブによって加熱・加圧して硬化した成形後の成形物21からシリコンゴム製のバッグ48およびシリコンゴム製のパッド49が除去され、上型23および中型25が取外される。各上型23は、前記フレームに対する連結状態を解除し、成形物21を剥離しないように上方Aへ持上げることによって成形物21から分離される。中型25は、各中型部分24から連結部材27を取外し、各中型25に離型補助手段であるスライドハンマ28を装着し、成形物21の長手方向に垂直でかつ成形物21から離反する方向Bに衝撃力を作用させることによって、容易に離脱させることができる。
【0039】
前記スライドハンマ28は、中央に直円柱状の案内孔60が形成される直円筒状の操作部材61と、この操作部材61の案内孔60よりもわずかに小さい外径を有する直円筒状に形成され、案内孔60に挿入される案内軸62と、案内軸62の軸線方向一端部に固定される係止片63とを含む。
【0040】
これらの操作部材61、案内軸62および係止片63は、金属から成る。前記操作部材61は、案内孔60に案内軸62が挿通された状態で、案内軸62に対して軸線方向C1,C2に移動自在である。案内軸62の軸線方向他端部の外周部には、各中型25の取付用ねじ孔46に螺合する外ねじ64が刻設され、この外ねじ64を取付用ねじ孔46に螺着した状態で、操作部材61を成形物21から離反する方向C2に弾みをつけて移動させることによって、その操作部材61は慣性によって係止片63に当接して打撃する。この打撃による衝撃力が案内軸62を介して中型部分24に伝達され、瞬間的に大きな衝撃力を離脱方向に作用させて、各中型部分24を前記離反する方向C2とほぼ平行に移動させて、容易に成形物21から抜き取ることができる。
【0041】
このようにしてスライドハンマ28を用いて両側の全ての中型部分24を成形物21から離脱させることによって、中型25を短時間で、多くの手間および労力を要することなく容易に取外すことができる。しかも、中型25には成形前に予め離型部材26が装着されるので、成形後の硬化によって成形物21への離型部材26の付着力が高くなっているのに対し、各中型部分24と離型部材26とは成形前後でそれほど付着力の変化はなく、成形後の成形物21と離型部材26との摩擦力に比べて、離型部材26と各中型部分24との摩擦力は小さく、これによってもまた各中型25を離型部材26から容易に離脱させることができる。
【0042】
図4は、上型23および中型25が除去された成形後の成形物21から離型部材26を取外す手順を説明するための図である。前述のようにして上型23と両側の中型25とが取外された成形物21には、離型部材26が付着しているため、これらの離型部材26を手指で矢符D方向および矢符E方向に引張って成形物21から引き剥がすことによって、各離型部材26を成形物21から離脱させて、離型することができる。
【0043】
このような離型部材26は、前述したように手指の力程度で容易に弾性変形させることができるので、離型作業に多くの時間および労力を要せず、短時間で容易に各離型部材26を成形後の成形物21から取外すことができる。
【0044】
以上のように成形治具20が構成されるので、複合材料から成る成形物21を製造するに際して、成形後に中型25を離型部材26から容易に外すことができる。また、中型25が外された離型部材26は、薄肉であるため、離型部材26を弾性変形させることによって成形物21から容易に分離して外すことができる。
【0045】
また、成形物21と中型25との間に離型部材26を介在させることによって、中型25の材質が成形物21の熱収縮量と同等の熱収縮量を有する材料に限定されず、前記従来の技術のように、低熱膨張鋳鉄およびインバー合金などの高価な材料を用いる必要がなくなり、成形治具20のコストを削減することができる。
【0046】
さらに、前記離型部材26は薄肉とし、作業者が手作業で弾性変形させることができるので、成形物21に大きな力を作用させずに離型部材26を成形物21から迅速に外すことができる。これによって前記従来の技術のように、基材4から部分構造部3を剥離してしまうという不具合の発生を防止することができ、成形後の成形物21から中型25、下型22および上型23を容易に抜去することができ、高精度の成形物21を効率よく製造することができる。
【0047】
さらに、中型25が複数の中型部分24に分割されることによって、成形物21に装着された状態の離型部材26から各中型部分24を個別に抜き取ることができ、したがって各中型部分24に作用する離型部材26からの摩擦力が小さくて済み、中型25の離型時の抜き取り作業を容易化することができる。
【0048】
さらに、各中型部分24の間に空隙を設けることによって、各中型部分24の熱膨張による伸びを吸収することができる。これによって成形物21への中型25の熱膨張による影響を可及的に少なくして、成形物21の寸法精度の高精度化を図ることができる。
【0049】
さらに、各中型部分24は連結部材27によって連結されることによって、各中型部分24の位置決めが容易化される。また、連結部材27は各中型部分24に対して着脱可能であるので、各中型部分24が連結部材27によって相互に連結されていない状態で、成形前においては、成形物21へ各中型部分24を容易に装着することができ、成形後においては、各中型部分24を成形物21に装着された離型部材26から容易に離脱させることができ、中型25の装着および離脱の作業が容易化することができる。
【0050】
さらに、離型補助手段を用いることによって各中型部分24に成形物21から離反する方向に衝撃力を作用させることができるので、手作業で直接各中型部分24を引き抜く場合に比べて、各中型部分24に瞬間的に大きな力を作用させて、各中型部分24を容易に成形物21から離脱させることができる。これによって離型時の労力を低減し、離型に要する時間を短縮することができる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、成形物と中型との間には、離型部材が介在され、成形後に中型を離型部材から容易に外すことができる。また、中型が外された離型部材は、薄肉でかつ成形物と熱変形量がほぼ等しい材料から成るため、離型部材を弾性変形させることによって成形物から容易に分離して外すことができる。このように成形物と中型との間に離型部材を介在させることによって、中型の材質が成形物の熱収縮量と同等の熱収縮量を有する材料に限定されず、前記従来の技術のように、低熱膨張鋳鉄およびインバー合金などの高価な材料を用いる必要がなくなり、成形治具のコストを削減することができる。また、前記離型部材は、薄肉とし、作業者が手作業で弾性変形させることができるので、成形物に大きな力を作用させずに離型部材を成形物から迅速に外すことができる。これによって前記従来の技術のように、基材から部分構造部を剥離してしまうという不具合の発生を防止することができ、成形後の成形物から中型、下型および上型を容易に抜去することができ、高精度の成形物を効率よく製造することができる。
【0052】
請求項2記載の本発明によれば、成形物に装着された状態の離型部材から各中型部分を個別に抜き取ることができ、したがって各中型部分に作用する離型部材からの摩擦力が小さくて済み、中型の離型時の抜き取り作業を容易化することができる。
【0053】
請求項3記載の本発明によれば、各中型部分の間に空隙を設けることによって、各中型部分の熱膨張による伸びを吸収することができる。これによって成形物への中型の熱膨張による影響を可及的に少なくして、成形物の寸法精度の高精度化を図ることができる。
【0054】
請求項4記載の本発明によれば、各中型部分は連結部材によって連結されるので、各中型部分の位置決めが容易化される。また、連結部材は各中型部分に対して着脱可能であるので、各中型部分が連結部材によって相互に連結されていない状態で、成形前においては、成形物へ各中型部分を容易に装着することができ、成形後においては、各中型部分を成形物に装着された離型部材から容易に離脱させることができ、中型の装着および離脱の作業が容易化される。
【0055】
請求項5記載の本発明によれば、離型補助手段によって各中型部分に成形物から離反する方向に衝撃力を作用させることができるので、手作業で直接各中型部分を引き抜く場合に比べて、各中型部分に瞬間的に大きな力を作用させて、各中型部分を容易に成形物から離脱させることができる。これによって離型時の労力を低減し、離型に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の複合材料の成形治具20を示す一部の断面図である。
【図2】成形治具20の一部の分解斜視図である。
【図3】成形後の成形物21から上型23および中型25を取外す手順を説明するための図である。
【図4】上型23および中型25が除去された成形後の成形物21から離型部材26を取外す手順を説明するための図である。
【図5】従来の技術の成形物1に中型2が装着された状態を示す一部の斜視図である。
【図6】単一構造の中型2aを成形物1から取外す状態を示す一部の断面図である。
【図7】分割された中型2bを成形物1から取外す状態を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
20 成形治具
21 成形物
22 下型
23 上型
24 中型部分
25 中型
26 離型部材
27 連結部材
28 スライドハンマ
31 下型表面
32 基材
33 部分構造部
34 上型表面
35,36,37,38 成形面
39,40 端面
42 空隙
41 嵌合溝
46 離型用ねじ孔
47 連結用ねじ孔
51,52 突条部分
53 部分構造部33のウエブ
54 基部
60 案内孔
61 操作部材
62 案内軸
63 係止片

Claims (5)

  1. 複合材料から成る長尺の成形物を支持する下型と、
    前記成形物に上方から臨み、成形物の形状を上方から規定する上型と、
    下型および上型間に配置される前記成形物の形状を側方から規定する中型と、
    前記成形物と中型との間に介在され、成形物と熱変形量がほぼ等しい材料から成る薄肉の離型部材とを含むことを特徴とする複合材料の成形治具。
  2. 前記中型は、長手方向に分割された複数の中型部分を含むことを特徴とする請求項1記載の複合材料の成形治具。
  3. 前記中型は、長手方向に分割された複数の中型部分を含み、前記長手方向に隣接する各中型部分間には、空隙が介在されることを特徴とする請求項1記載の複合材料の成形治具。
  4. 前記複数の中型部分が着脱可能に連結される連結部材を含むことを特徴とする請求項2または3記載の複合材料の成形治具。
  5. 前記複数の中型部分に個別に着脱可能に連結され、各中型部分に対して成形物から離反する方向に衝撃力を与える離型補助手段を含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の複合材料の成形治具。
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