JP4202702B2 - 表示体 - Google Patents

表示体 Download PDF

Info

Publication number
JP4202702B2
JP4202702B2 JP2002267627A JP2002267627A JP4202702B2 JP 4202702 B2 JP4202702 B2 JP 4202702B2 JP 2002267627 A JP2002267627 A JP 2002267627A JP 2002267627 A JP2002267627 A JP 2002267627A JP 4202702 B2 JP4202702 B2 JP 4202702B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
light
substrate
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002267627A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004103525A (ja
Inventor
晋一 半田
裕史 中島
研一 久芳
弘之 白金
勝 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2002267627A priority Critical patent/JP4202702B2/ja
Priority to GB0615953A priority patent/GB2426866B/en
Priority to GB0505094A priority patent/GB2409338B/en
Priority to US10/527,502 priority patent/US7733018B2/en
Priority to PCT/JP2003/011731 priority patent/WO2004025997A1/ja
Priority to GB0615954A priority patent/GB2430075B/en
Publication of JP2004103525A publication Critical patent/JP2004103525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4202702B2 publication Critical patent/JP4202702B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム状基材を用いて構成されたエレクトロルミネッセンス素子(EL素子)を照明用として利用して各種の表示を行なう、ポスター、看板、もしくは案内板等の用途に適した表示体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
広報、広告、案内、もしくは注意の目的で、文字や絵を形成したシートや板状物に照明を当てて、見えやすく構成した各種の表示体が知られている。例えば、(1)箱の内部に蛍光灯を数本配列した箱型の照明器具の前面に、乳白色のアクリル樹脂板に文字や絵を形成した電飾看板、(2)前面を透明ガラス板とした箱の奥にポスターを貼り、箱内の左右もしくは上下から照明を当てたもの、もしくは(3)LEDによる発光表示体等である。
【0003】
これらの表示体は、それぞれ一定の性能を有するものの、(1)および(2)においては、照明を配置するために、厚みがかさむ欠点があり、人が接近しない場所ではともかく、人が接触し得るような場所では使いにくい。また、(3)においては、厚みは減らせるものの、通常、文字やごく簡単なパターンの表示に限られ、色彩や濃度の変化を伴なうものの表示が困難である。
【0004】
そこで、エレクトロルミネッセンス素子を照明用として用い、厚みを減らして、かつ、文字や絵の表示が可能な表示体が提案された。(例えば、特許文献1、および特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−13898号公報(第2頁段落「0008」、「0015」)
【特許文献2】
特開2001−15264号公報(第2頁段落「0006」、第4頁「0022」)
【0006】
上記の特許文献1、および特許文献2記載の発明においては、EL素子を、二枚のガラス板ではなく二枚の合成樹脂シートを用いて構成し、より薄型化、よりフレキシブル化を図っているものの、いずれにおいても、EL素子の封止を外周部で行なっているため、外周部と、外周部以外の封止がなされていない箇所とで、EL素子の剛性や熱膨張性等の機械的性質が不均一になる上、封止がなされてない箇所では、二枚の合成樹脂シートの間隔を一定に保つことができないため、EL素子の表面の平面性が保てないことがある上、表示体を曲面に適用した際に、二枚の合成樹脂シート間にはさまれた第1電極、EL発光層、および第2電極等からなるEL発光部が加圧されて、損傷する恐れがあった。
【0007】
また、上記の特許文献1記載の発明においては、表示パネルは、適宜のポスターや文字と絵を組み合せたもの等であり、必要な部分が透明または半透明に形成された、樹脂フィルム状のものである。さらに、特許文献2記載の発明においては、気体の表面に、印刷法等により遮光部を形成して発光部をパターン化することで発光パターンを形成したものとされている。従って、上記の特許文献1、および特許文献2記載の発明においては、文字や絵の表示が制約を受け、自由なデザインを表現することが難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、EL素子を用いて構成された表示体におけるEL素子を、二枚のシート状基材を用いて構成した際に、周縁部にのみ封止剤層を形成して封止を行なうと、EL素子の剛性や熱膨張性が不均一になることを解消すること、また、二枚のシート状基材間の間隔を一定に保つことができないことに基づく欠点を解消することを課題とする。また、文字や絵の表示をより自由に行なうことを可能にすることも課題とする。
【0009】
【課題を解決する手段】
発明者の検討によれば、二枚のフィルム状基材の間を、周縁部のみならず、周縁部を含めた全面に封止剤層を適用して封止することにより、EL素子の剛性や熱膨張性が均一になり、また、二枚のフィルム状基材の間が固定されるために、二枚のフィルム状基材の間隔を常に一定に維持することができ、課題を解決することができた。あるいは、上側にフィルム状基材を伴なわない場合においても、EL素子の剛性や熱膨張性を均一化することができた。また、従来、文字や絵の表示に制約があった点を、光透過性パターンとして形成することにより、解消することができた。
【0010】
第1の発明は、透明性を有する第1の電極、EL発光層、および透明性を有する第2の電極が順に積層された積層構造からなるEL発光部が、透明性を有する第1のフィルム状基材上に余白を残して積層され、前記EL発光部上および前記第1のフィルム状基材の余白上を連続的に被覆する封止剤層を介して透明性を有する第2のフィルム状基材が積層された積層体によりEL素子が構成されており、前記EL素子は、前記第1のフィルム状基材側および前記第2のフィルム状基材側の両方が、通電時に蛍光発光の視認可能な側であり、前記EL素子の前記蛍光発光の視認可能な側に光透過性パターン層が積層されているとともに、前記EL発光部の第1又は第2の電極と前記EL発光層との間に絶縁層パターンが介在する、透明性を有するフレキシブル表示体であって、前記光透過性パターン層が前記EL素子を構成する各層とは別の透明フィルムに積層されたものであり、該透明フィルムの光透過性パターン層側が前記蛍光発光の視認可能な前記第1または/および第2のフィルム状基材側に向かい合うように設けられていることを特徴とする表示体に関するものである。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1および前記第2のフィルム状基材は、互いに向かい合う側の面の一方もしくは両方に、ガスバリア性または/および水蒸気バリア性を有するバリア性層が積層されたものであり、該バリア性層は、無機酸化物の薄膜の一層もしくは二層以上からなり、該バリア性層と第1もしくは第2のフィルム状基材との間に、または該バリア性層の第1もしくは第2のフィルム状基材側とは反対側に、合成樹脂層が積層されていることを特徴とする表示体に関するものである。
【0012】
第3の発明は、透明性を有する第1の電極、EL発光層、および透明性を有する第2の電極が順に積層された積層構造からなるEL発光部が、透明性を有するとともに第1のフィルム状基材上に余白を残して積層され、前記EL発光部上および前記第1のフィルム状基材の余白上に第2のフィルム状基材を伴なわずに連続的に被覆する透明性を有する封止剤層が積層された積層体によりEL素子が構成されており、前記EL素子は、前記第1のフィルム状基材側および前記封止剤層側の両方が、通電時に蛍光発光の視認可能な側であり、前記EL素子の前記蛍光発光の視認可能な側に、光透過性パターン層が積層されているとともに、前記EL発光部の第1又は第2の電極と前記EL発光層との間に絶縁層パターンが介在する、透明性を有するフレキシブル表示体であって、前記EL発光部の第1又は第2の電極と前記EL発光層との間に絶縁層パターンが介在するとともに、ものであり、該透明フィルムの光透過性パターン層側が前記蛍光発光の視認可能な前記フィルム状基材側または/および前記封止剤層側に向かい合うように設けられていることを特徴とする表示体に関するものである。
【0013】
第4の発明は、第3の発明において、前記第1のフィルム状基材は、前記EL発光部が積層される側に、ガスバリア性または/および水蒸気バリア性を有するバリア性層が積層されたものであり、該バリア性層は、無機酸化物の薄膜の一層もしくは二層以上からなり、該バリア性層と第1のフィルム状基材との間に、または該バリア性層の第1のフィルム状基材側とは反対側に、合成樹脂層が積層されていることを特徴とする表示体に関するものである。
【0016】
の発明は、第1〜第4いずれかの発明において、前記の光透過性パターン層が、光遮蔽性シートを基材として開孔部により構成されたものであることを特徴とする表示体に関するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施例の表示体の積層構造を示す断面図である。図2〜図5は、EL発光部の種々の態様のものの構造構造を示す図である。図6は、ほかの実施例の表示体の積層構造を示す断面図である。また、図7は、さらに別の実施例の表示体の積層構造を示す断面図である。
【0018】
図1に示すように、本発明の表示体1は、上面にバリア性層3が積層された第1のフィルム状基材2上に種々の層が積層された積層構造からなるEL素子の第1のフィルム状基材2の下面にパターン層11が積層されたもので、バリア性層3上に、第1の電極4、発光層5、第2の電極からなるEL発光部7が第1の電極4がバリア性層3側を向くように積層されている。ここで、EL発光部7は、フィルム状基材2のバリア性層3上に余白を残して積層されたものである。この第2の電極6上およびバリア性層3の余白上には、両者を連続的に被覆する、上面が平端面をなす透明な封止剤層8が積層されており、さらに封止剤層8の上面には、バリア性層9および第2のフィルム状基材10が順に記載されている。
【0019】
前段落の説明において、バリア性層3および9は、EL素子全体の気密性を向上させ、EL素子の寿命を延ばす意味で重要であるが、本発明の課題を解決する意味ではバリア性層3および9の両方もしくは一方を省くこともできる。バリア性層3および9を省くときは、表示体のEL素子は、第1のフィルム状基材2上に、第1の電極4、EL発光層5、および第2の電極6とが順に積層された積層構造からなるEL発光部7が、第1の電極4が第1のフィルム状基材2側を向くようにして、第1のフィルム状基材2上に余白を残して積層され、前記EL発光部7上(即ち、第2の電極6上)および前記第1のフィルム状基材2の余白上には、両者を連続的に被覆する、上面が平端面をなす封止剤層8が積層されており、さらに封止剤層8の上面には第2のフィルム状基材10が順に積層されたものである。このような表示体の積層構造は、前段落において、図1を用いて説明した表示体1から、二つのバリア性層3および9を省いたものに相当するので、図示を省略する。
【0020】
以上の二例の説明においては、バリア性層3の余白部もしくはフィルム状基材2の余白部には、EL発光部7が存在しないことを前提に説明したが、電極の取り出し、もしくはそのほかの必要性により、EL発光部7のうち、第1の電極4または/および第2の電極6がバリア性層3の周縁部(EL素子の周縁部)もしくはフィルム状基材2の余白部に至るまで延長されていてもよい。ただし、EL発光層5は、気密を必要とするので、EL素子の周縁部のすべてにわたって、バリア性層3の余白部もしくはフィルム状基材2の余白部を残していることが好ましい。
【0021】
EL発光部7は、第1の電極4、EL発光層5、および第2の電極6とが順に積層された積層構造からなるものであると説明したが、EL発光部7は、次に、図2〜図5を引用して代表例を説明するように種々の積層構造を採り得る。
【0022】
図2に示すように、EL発光部7は、図中の下側の第1の電極(仮に陽極とする。)と上側の第2の電極(仮に陰極とする。)との間に、有機蛍光体を主体とする有機発光体層が積層されたものであり得る。
【0023】
図3に示すように、EL発光部7は、陽極上に、正孔(ホール)輸送層、有機発光体層、電子輸送層、および陰極が順に積層されたものであり得る。ここで、正孔(ホール)輸送層、もしくは電子輸送層のいすれか一方を省いてもよい。
【0024】
図4に示すように、EL発光部7は、陽極上に、有機発光体層兼正孔(ホール)輸送層、電子輸送層、および陰極が順に積層されたものであり得る。
【0025】
図5に示すように、EL発光部7は、陽極上に、正孔(ホール)輸送層、電子輸送層兼有機発光体層、および陰極が順に積層されたものであり得る。
【0026】
図2〜図5に示した以外にも、EL発光部の積層構造としては、種々のものがあり得るが、いずれのEL発光部7も、図1を引用して説明したEL素子の積層構造、もしくはそこからいずれか一方もしくは両方のバリア性層を省いたEL素子の積層構造中に、EL発光部7として置き換えることができる。
【0027】
第1のフィルム状基材2と第2のフィルム状基材10とは、いずれも原則的には同様な可撓性基材(フレキシブル基材)で構成され、通常は、種々の樹脂フィルムのうちから、用途に合わせて選択されるが、さらに、厚みが200μm程度以下の薄板ガラス(もしくはシート状の薄膜ガラス)も可撓性基材として使用可能であり、ここで言うフィルム状基材の概念に含めるものとする。第1のフィルム状基材2と第2のフィルム状基材10とは、同じ素材で構成されていても、互いに異なる素材で構成されていてもよい。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、特に限定されないが、耐溶剤性、耐熱性の比較的高いものであることが好ましい。また、用途にもよるが、水蒸気、もしくは酸素等のガスを遮断するガスバリアー性を有する素材であることが好ましい。樹脂フィルムを構成する具体的な樹脂としては、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、もしくは非晶質ポリオレフィン等が挙げられるが、この他でも条件を満たす高分子材料であれば使用可能であり、また上記した樹脂の出発原料であるモノマーを2種類以上用いて共重合させて得られる共重合体であっても良い。
【0028】
表示体1を作動させて得られる表示が観察者に見えるために、第1のフィルム状基材2と第2のフィルム状基材10の少なくとも、一方は透明性を有するものであることが好ましく、後に述べるように、透明性を有するフィルム状基材側の電極も透明性を有するものであることが好ましい。また、第1のフィルム状基材2および第2のフィルム状基材10の両方を、透明性を有するものとし、両方の電極も透明性を有するものとした表示体1は、透明性を有するものとして使用することができる。また、第1のフィルム状基材2および第2のフィルム状基材10の厚みは、50μm〜300μmであることが好ましく、またEL素子全体の厚みは、100μm〜700μmであることが好ましい。
【0029】
本発明の表示体1におけるEL素子は、基本的には、第1のフィルム状基材2と第2のフィルム状基材10との間に発光部7が挟まれ、封止剤により封止されているものであるが、第1のフィルム状基材2および第2のフィルム状基材10は、さらに、ガスバリア性または/および水蒸気バリア性を有するバリア性層が積層されたものであることが好ましい。EL発光部7のEL発光層5を構成する有機蛍光体が、酸素等の気体、もしくは水蒸気、特に後者の水蒸気により、蛍光発光性が失われやすいためである。
【0030】
バリア性層3および9は、バリア性を有する樹脂でも構成し得るが、高いバリア性を得るためには、無機酸化物の蒸着もしくはスパッタリングによる薄膜で構成することが好ましい。このような無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、もしくは酸化カリウム等を例示することができ、一種もしくは二種以上を用いることができるが、中でも、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、もしくは酸化チタンを使用することが好ましい。また、窒化ケイ素も用いることができる。バリア性層3および9の厚みとしては、0.01μm〜0.5μm程度である。EL素子が透明性を要する場合には、少なくとも透明性を要する側のバリア性層の厚みを過度に厚くせず、バリア性層の透明性を確保することが好ましい。
【0031】
バリア性層3および9は、上記のような無機酸化物の薄膜の一層で構成し得るが、同種の無機酸化物からなる二層以上、もしくは異種の無機酸化物からなる二層以上で構成されていてもよい。また、無機酸化物の薄膜の一層もしくは二層以上でバリア性層を構成する際に、バリア性層3とフィルム状基材2の間もしくはバリア性層9とフィルム状基材2の間、またはバリア性層3のフィルム状基材2側とは反対側もしくはバリア性層9のフィルム状基材10側とは反対側に、適宜な合成樹脂層を積層してもよい。また、二層以上の無機酸化物の薄膜でバリア性層を構成する際に、それらの無機酸化物の薄膜の間に適宜な合成樹脂層を積層してもよい。
【0032】
上記のバリア性層、および必要に応じて設ける合成樹脂層は、フィルム状基材の片面に積層することにより、フィルム状基材のバリア性を向上させることができるが、片面に積層すると、バリア性層、合成樹脂層、およびフィルム状基材の熱膨張挙動が異なるため、得られるEL素子がカールしやすい傾向がある。図1を引用して説明したように、EL素子の両面に、フィルム状基材およびバリア性層がそれぞれ一層ずつ積層されていれば、全体としては、一応の対称性が得られるが、EL素子の両面の温度が異なるような使われかたもあり得るので、そのような場合には、各々のフィルム状基材の両面に、バリア性層、および必要に応じて設ける合成樹脂層が対称になるよう積層して用いることがより好ましい。
【0033】
本発明の表示体1における第1の電極4および第2の電極6は、例えば、第1の電極が陽極であり、その場合、第2の電極が陰極である。具体的な陽極の材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、金、もしくはポリアニリン等を、また、具体的な陰極の材料としては、マグネシウム合金(MgAg他)、アルミニウム合金(AlLi、AlCa、AlMg他)、もしくは金属カルシウムを挙げることができる。陽極の材料および陰極の材料とも、複数の材料の混合されたものであってもよい。陽極または/および陰極の形成は、これらの材料を用いて、蒸着もしくはスパッタリング等の方法により、一面に層を形成することによるか、もしくは一面に形成された層を、感光性レジストを用いてパターンエッチングすることにより、所定の電極パターンとすることにより、行なうことができる。なお、本発明のEL素子1を全体が透明なものとするには、陽極および電極を透明性のある材料で構成する必要があるが、上記の材料のうち、陽極の材料として上げたものは透明性を有しているので、問題がなく、また、陰極の材料として挙げたものは、厚みによっては透明性が得られないので、透明性が確保出来る程度の、例えば、500nm以下、より好ましくは300nm以下の電極とすることが好ましい。また、本発明の表示体1において、通電時のEL発光部7の発光が、素子の片側から視認可能とするためには、第1のフィルム状基材2および第1の電極4(必要に応じ、バリア性層3も含めてである。)を、いずれも透明な素材で構成するか、もしくは第2の電極および第2のフィルム状基材(必要に応じ、バリア性層9も含めてである。)をいずれも透明な素材で構成することが好ましい。
【0034】
EL発光部7の有機発光体層は、一般的に用いられる有機発光体(有機蛍光発光体)を用いて構成することができ、具体的な有機発光体として、ピレン、アントラセン、ナフタセン、フェナントレン、コロネン、クリセン、フルオレン、ペリレン、ペリノン、ジフェニルブタジエン、クマリン、スチリル、ピラジン、アミノキノリン、イミン、ジフェニルエチレン、メロシアニン、キナクリドン、もしくはルブレン、または、これらの誘導体からなるものを挙げることができる。また、有機発光体層兼正孔輸送層、もしくは電子輸送層兼有機発光体層は、上記した有機発光体に、以降に述べる正孔輸送材料もしくは電子輸送材料を併用することにより構成することができる。有機発光体層、有機発光体層兼正孔輸送層、もしくは電子輸送層兼有機発光体層の形成は、これらの層を構成する素材を用いた蒸着やスパッタリングにより行なうほか、これらの層を構成する素材を適宜な溶剤に溶解もしくは分散、好ましくは溶解して得られる塗液を用いた、塗布、印刷、インクジェット、もしくはディスペンサによる適用によって行なう。以降の正孔輸送層もしくは電子輸送層の形成も上記と同様にして行なうことができる。
【0035】
EL発光部7の正孔輸送層を構成するための正孔輸送材料としては、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポリフィリン、オキサジアゾール、トリフェニルアミン、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、ピラゾリン、テトラヒドロイミダゾール、ヒドラゾン、スチルベン、もしくはブタジエン、または、これらの誘導体を挙げることができる。また、正孔注入バッファー形成用組成物として市販されている、例えばポリ(3、4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(略称PEDOT/PSS、バイエル社製、商品名;Baytron P AI 4083、水溶液として市販。)等も、正孔輸送材料として使用することができる。
【0036】
EL発光部7の電子輸送層を構成するための電子輸送材料としては、アントラキノジメタン、フルオレニリデンメタン、テトラシアノエチレン、フルオレノン、ジフェノキノンオキサジアゾール、アントロン、チオピランジオキシド、ジフェノキノン、ベンゾキノン、マロノニトリル、ニジトロベンゼン、ニトロアントラキノン、無水マレイン酸、もしくはペリレンテトラカルボン酸、または、これらの誘導体を挙げることができる。
【0037】
封止剤層8は、EL発光部7を二枚のフィルム状基材2および10の間にはさんで積層することにより、また、両フィルム状基材の間を周縁部においては直接的に接着することにより、EL発光部7を密封する共に、EL発光部7内の有機発光体を、酸素等の気体、もしくは水蒸気、特に後者の水蒸気から遮断するためのものである。あるいは、第2のフィルム状基材10を伴なわずに、EL発光部7上および第1のフィルム状基材2上(バリア性層3を伴なう場合にはバリア性層3上である。)に連続的に封止剤層8が積層されていても、同様に、EL発光部7内の有機発光体を、酸素等の気体、もしくは水蒸気、特に後者の水蒸気から遮断することが可能になる。従って、封止剤層8を構成する封止剤の素材としては、第1および第2のフィルム状基材との接着性、もしくはバリア性層3および9との接着性、並びに、EL発光部7、特に第2の電極6との接着性を持つものであることが好ましい。
【0038】
具体的な封止剤としては、熱可塑性のアクリル系樹脂、もしくは熱硬化性のエポキシ系樹脂(二液硬化型)、ゴム変性エポキシ系樹脂、もしくは二液硬化型ウレタン系樹脂を主成分とするものが好ましく、いずれも、さらにイソシアネート化合物が添加されたものであってもよい。
【0039】
硬化性の封止剤としては、熱硬化性のものに加えて、アクリレート系化合物を含む電離放射線硬化性(通常は紫外線(UV)硬化性であるが、可視光硬化型のものもある。)のものを用いることもできる。熱硬化性の樹脂を主成分とする封止剤を用いるときは、硬化に必要な温度がEL素子を構成する各素材を損なわない温度条件で硬化させる必要があり、電離放射線硬化性の樹脂を主成分とする封止剤を用いるときは、電離放射線の照射条件を、EL素子を構成する各素材を損なわない照射条件で硬化させる必要がある。具体的には、UV硬化型アクリル樹脂(ラジカル硬化型アクリル系)、UV硬化型エポキシ系(カチオン硬化型エポキシ系)、二液硬化型エポキシ系、もしくは可視光硬化型アクリル系接着剤を挙げることができる。
【0040】
封止剤層8の厚みは、EL発光部7が介在する部分で、20μm〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100μm〜500μmである。なお、EL発光部7が無い部分では、EL発光部7の厚み分だけ、封止剤層8の厚みが増すことになるが、実際には、EL発光部7は、0.1μm〜2.5μm程度と薄いため、封止剤層8全体としては、厚みは一定であるとみなせる。
【0041】
封止剤層8の形成は、封止剤層8を構成するための封止剤を、封止の対象物に適用したのち、対象物を重ね合わせて圧着することにより行なう。
【0042】
封止剤の準備は、封止剤の種類にもよるが、必要な封止剤の素材を用い、二液硬化型であるときは、主剤および硬化剤を所定の配合比で混合し、必要に応じて溶剤もしくは希釈剤を加えて、適用するのに適した粘度に調整する。本発明においては、封止剤層8はEL素子1の大部分を占めるので、異物や気泡が適用する封止剤中に存在すると、得られるEL素子の外観および表示性能が損なわれるため、適当な手段で濾過して異物を除いたり、遠心脱泡機を用いて脱泡することが好ましい。
【0043】
封止剤を適用し得る面としては、図1を引用して説明した例であれば、(1)フィルム状基材2の上面にバリア性層3が積層されたもののバリア性層3側にEL発光部7が積層されたものにおける、EL発光部7が積層されていないバリア性層3の露出面、およびEL発光部7のバリア性層とは反対側の面である第2の電極の露出面、ならびに(2)フィルム状基材10の下面にバリア性層9が積層されたもののバリア性層9側の面がある。(1)は言わば、素子側であり、(2)が封止板側である。封止剤は、これら、(1)および(2)の封止剤を適用する面の一方、もしくは両方に適用することができる。
【0044】
封止剤の適用は、適宜な方法により行なえるが、例えば、注射器やディスペンサーの様な、加圧式で一定量を吐出可能な機器を用いて、適用する面の一端に線状もしくは帯状に封止剤を吐出し、その後、吐出された線状もしくは帯状の封止剤に、ロッド状、ブレード状等のドクターを接触させ、ドクターと、封止剤を適用する面との間隔を一定に保ったまま移動させて、塗付量を規制しつつ封止剤を延ばすことにより、所定の面状に封止剤を適用することができる。このほか、スリットから封止剤を押出しつつ、スリットと適用面とを相対的に移動させて行なう方法、薄層クロマトグラフにおける薄層形成用のアプリケータを用いて行なう方法、もしくはシルクスクリーン印刷等も利用できる。
【0045】
貼り合わせは、例えば、封止剤が適用された素子の上に、気泡が混入しないよう、封止板を静かに重ね、必要に応じて、加圧することにより行なう。その後、用いた封止剤の種類に応じて、加熱して封止剤を硬化させるか、もしくは焼成する、または紫外線を照射して封止剤を架橋させることにより硬化させる、等の手段を講じる。
【0046】
パターン層11は、EL素子が発光して得られる光が透過し得るものであれば、原則的にどのようなものでもよい。例えば、パターン層11は、先に挙げた特許文献1におけるように、遮光部で囲まれた、非遮光部がパターンとして形成されたものであり得る。このようなパターン層11は、遮光部をベタ印刷(均一一様な印刷の意味である。)することにより形成することができる。パターン層11が、このような遮光部で囲まれた非遮光部(光透過部)からなるパターンを有するものであるときは、EL素子を発光させると、非遮光部からなるパターンの形状に発光した発光パターンを視認することができる。
【0047】
前段落のパターンとは逆に、パターン層11は、非遮光部(光透過部)で囲まれた遮光部からなるパターンを有するものであってもよい。これらのような、遮光部と非遮光部とからなるパターンは、印刷によって形成することができる。以降の説明の印刷も含め、印刷によってパターン層11を形成すると、パターン層11の形成が効率的であり、印刷の対象として、裁断した一枚ずつのシート状物のみならず、連続シート状物も扱える。
【0048】
印刷によって形成されるパターンは、ベタ印刷によるものに限ることなく、網点を用いた印刷によって形成されたものであってもよい。網点が占有する割合(網点面積率)は、通常、最小点の数%から100%まで、自由に変更可能である。印刷によって形成されたパターンにおける網点は、網点面積率が100%の部分を除き、各網点どうしの間に隙間を有しているので、網点を用いた印刷によって形成されたパターンは、各網点自体が光透過性が無くても、光を透過し得るから、このようなパターンを有するパターン11を形成したときは、各網点どうしの隙間の大小に基づき、光の透過量が変化した発光パターンを視認することができる。
【0049】
一般的な印刷においては、各網点が着色された、言わば、ポジパターンによりパターンが形成されていることが多いが、これとは逆に各網点を着色せず、非網点部を着色して、言わば、網点パターンのネガパターンによりパターン層11を構成してもよい。
【0050】
パターンの説明の最初に、非遮光部が遮光部で囲まれたパターンや、遮光部が非遮光部で囲まれたパターンを挙げたが、これらにおける非遮光部を網点(網点面積率が100%のものや高いもの(例えば80%以上のもの)を除く。)で形成した網点パターンとしてもよく、網点パターンはポジパターンでもネガパターンでもよい。また、非遮光部が遮光部で囲まれたパターンや、遮光部が非遮光部で囲まれたパターンにおいて、遮光部を、「遮光」の意味と若干矛盾するが、比較的、網点面積率の低い(例えば0〜50%程度)の網点で形成してもよい。
【0051】
ところで、印刷によりインキが付着した箇所は、光透過性の無いものであると捉えられがちであるが、着色剤として、染料、もしくは粒径が波長に比してごく小さい顔料を用いて調製された透明インキを用いた印刷により形成された箇所は透明性(着色透明性である。)を帯びるから、仮にベタ印刷により形成されたとしても、光を透過することができるので、本発明におけるパターン層11を構成し得る。
【0052】
従って、遮光部と非遮光部とからなるパターン、網点によるパターン、もしくは透明インキを用いて形成されたパターンは、いずれも本発明における表示体1のパターン層11を構成することができ、要は、パターン層11は、光透過性部分がパターン状に形成された光透過性パターン層であればよい。
【0053】
パターン層11は、通常の印刷手法に加えて、インクジェット方式、電子写真方式によっても形成することができ、この明細書においては、これらインクジェット方式、および電子写真方式も印刷の範ちゅうに含めるものとする。なぜなら、これらの手法は、細かく見ると、製版工程、および印刷工程を有し、インクについても、インクジェット方式においては、通常のインキに類似しており、電子写真方式においては、乾式であれば、溶剤を欠くものの、バインダ樹脂と着色剤を含んでいて、電子写真の結果物においては、インキが乾燥した塗膜とほとんど同じ着色部を与えるからである。また、パターン層11の形成は、フィルム状基材2、もしくは10に直接に印刷により行なう以外に、一旦、別の剥離性基材の剥離性面に印刷により行なった後、改めて、フィルム状基材2上に転写する転写方式によって行なってもよく、この転写方式も印刷の範ちゅうに含めるものとする。なお、本発明の表示体1が一方のフィルム状基材(10)を伴なわない場合には、封止剤層8が上記の印刷もしくは転写の対象面になることもある。
【0054】
パターン層11は、図6に示すように、フィルム状基材2の下面に積層されたフィルム状基材2とは別の透明フィルム12に積層されたものであってもよく、積層する位置は、透明フィルム12のフィルム状基材2側であっても、透明フィルムのフィルム状基材2側とは反対側であってもよい。いずれにせよ、パターン層11が積層された透明フィルム12とフィルム状基材2との積層は、熱融着、もしくは接着剤を介したラミネート等により行なうことができる。透明フィルム12は、EL素子を構成するための層を何ら伴なっていないので、予め、透明フィルムにパターン層11を積層すれば、パターン層11を積層する際の条件を格別考慮しなくても、パターン層形成時に、EL素子の損傷を招く恐れが無い利点がある。
【0055】
パターン層11は、上記した以外にも、パターン状、もしくは網点状等の開孔部を有する遮光性シートを用いて構成することもできる。この方式は、開孔部の形成に、打抜きやレーザー照射による切り抜き等の工程を要するが、得られたパターン層11は、印刷手法によるものにくらべ、耐久性が高く、遮光部と非遮光部との区別が明瞭に形成され、得られる発光パターンも鮮明である。
【0056】
本発明の表示体1は、上記のような構成を有しており、EL素子は、フィルム状基材、封止剤層、薄層のバリア性層、EL発光部を構成するいずれも薄層の各層等から構成され、かつ、パターン層11もインキの塗膜、透明インキにインキの塗膜を有するもの、もしくは開孔部を有する遮光性シートで構成し得るので、全体として厚みが薄く、軽量、かつフレキシブルであり、表示体1を丸めたり、円柱面の側面に沿わせて固定する等、ガラス等の板状の基板を用いた表示体1では不可能な使用の態様を採ることができる。
【0057】
また、フィルム状基材をEL素子の基板側、または基板側および封止板側に用いたので、従来の板状の基板を用いた場合には、基板を一枚ずつ加工して、EL素子を製作していたのを、ロール状のフィルム状基材を供給して加工し、再びロール状に巻き上げる方式を採ることができ、種々の加工を連続的に行なうことが可能になる。
【0058】
本発明の表示体1におけるEL素子は、図1を引用して説明した例で言えば、第2の電極を金属の不透明の電極として構成し、第1のフィルム状基材側より観察するタイプとして構成することも、第1の電極を不透明な電極として構成し、かつ第2の電極を透明もしくは半透明な電極として構成することも、あるいは、いずれの層も透明になるよう構成して、非表示の状態では全体として透明なタイプとすることもできる。
【0059】
本発明の表示体1におけるEL素子は、単に、全面を一様な発光が得られるものとして構成することもできるが、第1の電極4または/および第2の電極6をパターン状に構成し、かつ、EL発光層5を、発光色の異なる、例えば、赤色発光用、緑色発光用、および青色発光用の各色発光用の微細区域が配列したものとして構成することにより、一般的なカラー表示を行なわせることができる。
【0060】
本発明の表示体1は、要素を付加して、次のような使い方をすることも可能である。
【0061】
図7に示すように、EL発光部の第1の電極4とEL発光層5との間に、絶縁性の素材からなる層に貫通孔の開孔部を有する絶縁層パターン13を介在させると、絶縁パターン13の開孔部に相当する位置では、蛍光発光が起こるが、開孔部以外の位置では、蛍光発光が起こらないので、結局、開孔部のパターン状の発光を得ることができ、パターン層11のパターンと、パターンどうしの併用が可能になる。絶縁層パターン13を介在させる位置としては、EL発光層5と第2の電極6との間でもよい。このEL素子1は、非通電時には、EL素子1の色が見えるので、第2の電極が金属の不透明層で構成されていれば、その色が見え、全体が透明であれば、EL素子1を通しての透視が可能になる。なお、この場合、蛍光発光は全面にわたって一様になるよう構成されていてもよいし、前段落で説明したようなカラー表示用に構成されていてもよい。
【0062】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、EL素子部の周縁部を含めた全面に封止剤層を形成して封止を行なっているので、EL素子部の剛性や熱膨張性が全面に渡って均一であり、また、EL素子部の両面のフィルム状基材間の間隔を一定に保つことが可能で、全体がフレキシブルであり、光透過性パターンを積層したことにより、文字や絵の表示を自由に行なうことが可能な表示体を提供することができる。
【0063】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、フィルム状基材にバリア性層が積層されているので、EL発光部、特に有機発光体が、酸素等の気体や水蒸気により、蛍光発光性が失われることの防止をより確実に行なうことが可能なEL素子を提供することができる。
【0064】
請求項3の発明によれば、EL素子部の周縁部を含めた全面に封止剤層を形成して封止を行なっているので、EL素子部の剛性や熱膨張性が全面に渡って均一であり、また、全体がフレキシブルであり、光透過性パターンを積層したことにより、文字や絵の表示を自由に行なうことが可能な表示体を提供することができる。
【0065】
請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、フィルム状基材にバリア性層が積層されているので、EL発光部、特に有機発光体が、酸素等の気体や水蒸気により、蛍光発光性が失われることの防止をより確実に行なうことが可能なEL素子を提供することができる。
【0066】
請求項1、3の発明によれば、前記請求項1、3の発明の効果に加え、光透過性パターン層が印刷手法により形成した絵柄層であり得るので、光透過性パターン層の形成を効率的に行なうことが可能なEL素子を提供することができる。
【0067】
さらに、印刷手法による絵柄層がEL素子とは別の透明フィルムに積層されたものであるので、透明フィルムに予めパターン層を積層してから、EL素子に適用することにより、パターン層の形成に伴なうEL素子の損傷を防止することが可能なEL素子を提供することができる。
【0068】
請求項の発明によれば、請求項1〜請求項4いずれかの発明の効果に加え、パターン層の耐久性が高く、得られる発光パターンが鮮明なEL素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示体の断面図である。
【図2】EL発光部の各層を説明する図である。
【図3】正孔輸送層、電子輸送層を伴なったEL発光部を説明する図である。
【図4】有機発光体層兼正孔輸送層を有するEL発光部を説明する図である。
【図5】電子輸送層兼有機発光体層を有するEL発光部を説明する図である。
【図6】本発明の別の態様の表示体を示す断面図である。
【図7】本発明のさらに別の態様の表示体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 表示体
2、10 フィルム状基材
3、9 バリア性層
4、6 電極
5 EL発光層
7 EL発光部
8 封止剤層
11 パターン層
12 透明フィルム

Claims (5)

  1. 透明性を有する第1の電極、EL発光層、および透明性を有する第2の電極が順に積層された積層構造からなるEL発光部が、透明性を有する第1のフィルム状基材上に余白を残して積層され、前記EL発光部上および前記第1のフィルム状基材の余白上を連続的に被覆する封止剤層を介して透明性を有する第2のフィルム状基材が積層された積層体によりEL素子が構成されており、
    前記EL素子は、前記第1のフィルム状基材側および前記第2のフィルム状基材側の両方が、通電時に蛍光発光の視認可能な側であり、前記EL素子の前記蛍光発光の視認可能な側に光透過性パターン層が積層されているとともに、前記EL発光部の第1又は第2の電極と前記EL発光層との間に絶縁層パターンが介在する、透明性を有するフレキシブル表示体であって、
    前記光透過性パターン層が前記EL素子を構成する各層とは別の透明フィルムに積層されたものであり、該透明フィルムの光透過性パターン層側が前記蛍光発光の視認可能な前記第1または/および第2のフィルム状基材側に向かい合うように設けられていることを特徴とする表示体。
  2. 前記第1および前記第2のフィルム状基材は、互いに向かい合う側の面の両方に、ガスバリア性または/および水蒸気バリア性を有するバリア性層が積層されたものであり、該バリア性層は、無機酸化物の薄膜の一層もしくは二層以上からなり、該バリア性層と第1もしくは第2のフィルム状基材との間に、または該バリア性層の第1もしくは第2のフィルム状基材側とは反対側に、合成樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の表示体。
  3. 透明性を有する第1の電極、EL発光層、および透明性を有する第2の電極が順に積層された積層構造からなるEL発光部が、透明性を有するとともに第1のフィルム状基材上に余白を残して積層され、前記EL発光部上および前記第1のフィルム状基材の余白上に第2のフィルム状基材を伴なわずに連続的に被覆する透明性を有する封止剤層が積層された積層体によりEL素子が構成されており、
    前記EL素子は、前記第1のフィルム状基材側および前記封止剤層側の両方が、通電時に蛍光発光の視認可能な側であり、前記EL素子の前記蛍光発光の視認可能な側に、光透過性パターン層が積層されているとともに、前記EL発光部の第1又は第2の電極と前記EL発光層との間に絶縁層パターンが介在する、透明性を有するフレキシブル表示体であって、
    前記EL発光部の第1又は第2の電極と前記EL発光層との間に絶縁層パターンが介在するとともに、ものであり、該透明フィルムの光透過性パターン層側が前記蛍光発光の視認可能な前記フィルム状基材側または/および前記封止剤層側に向かい合うように設けられていることを特徴とする表示体。
  4. 前記第1のフィルム状基材は、前記EL発光部が積層される側に、ガスバリア性または/および水蒸気バリア性を有するバリア性層が積層されたものであり、該バリア性層は、無機酸化物の薄膜の一層もしくは二層以上からなり、該バリア性層と第1のフィルム状基材との間に、または該バリア性層の第1のフィルム状基材側とは反対側に、合成樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項3記載の表示体。
  5. 前記の光透過性パターン層が、光遮蔽性シートを基材として開孔部により構成されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4いずれかに記載の表示体。
JP2002267627A 2002-09-13 2002-09-13 表示体 Expired - Fee Related JP4202702B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002267627A JP4202702B2 (ja) 2002-09-13 2002-09-13 表示体
GB0615953A GB2426866B (en) 2002-09-13 2003-09-12 A display
GB0505094A GB2409338B (en) 2002-09-13 2003-09-12 EL element
US10/527,502 US7733018B2 (en) 2002-09-13 2003-09-12 EL and display device having sealant layer
PCT/JP2003/011731 WO2004025997A1 (ja) 2002-09-13 2003-09-12 El素子、それを用いた表示体
GB0615954A GB2430075B (en) 2002-09-13 2003-09-12 A display

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002267627A JP4202702B2 (ja) 2002-09-13 2002-09-13 表示体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004103525A JP2004103525A (ja) 2004-04-02
JP4202702B2 true JP4202702B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=32266067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002267627A Expired - Fee Related JP4202702B2 (ja) 2002-09-13 2002-09-13 表示体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4202702B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102221461B1 (ko) * 2020-05-08 2021-02-26 심만식 플렉서블 전계 발광 소자를 위한 구조

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4923401B2 (ja) * 2004-11-16 2012-04-25 大日本印刷株式会社 発光表示パネル及びその製造方法
JP2008277270A (ja) * 2007-03-30 2008-11-13 Dainippon Printing Co Ltd 発光型有機el表示パネル
JP5076994B2 (ja) * 2007-03-30 2012-11-21 大日本印刷株式会社 発光型有機el表示パネル
JP4968471B2 (ja) * 2007-10-11 2012-07-04 大日本印刷株式会社 発光型有機el表示パネル
JP5711664B2 (ja) * 2008-12-02 2015-05-07 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ 照明装置及び方法
WO2010125623A1 (ja) * 2009-04-30 2010-11-04 シャープ株式会社 表示装置
TWI418526B (zh) 2009-07-08 2013-12-11 Nippon Electric Glass Co 玻璃板
JP2012079469A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Brother Ind Ltd 有機el素子およびその製造方法
JP2020129430A (ja) * 2017-05-30 2020-08-27 富士フイルム株式会社 有機エレクトロルミネッセンス積層体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102221461B1 (ko) * 2020-05-08 2021-02-26 심만식 플렉서블 전계 발광 소자를 위한 구조

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004103525A (ja) 2004-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW587348B (en) Multi substrate organic light emitting devices
TWI301038B (en) Electrolumenscent organic light emitting device and production method thereof
WO2005098802A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス表示装置
US20100078630A1 (en) Organic Electroluminescence Element, Method for Manufacturing the Same, Image Display Unit and Illuminating Device
JP4202702B2 (ja) 表示体
US10224379B2 (en) Organic light emitting diode device with different laminated structures
JP2008277270A (ja) 発光型有機el表示パネル
JP5663262B2 (ja) レーザ熱転写方法、それを用いた有機膜パターニング方法及び有機電界発光表示装置の製造方法
JP2004111158A (ja) 発光表示パネル
JP4968471B2 (ja) 発光型有機el表示パネル
JP2008311044A (ja) エリア発光型有機el表示パネル
US7733018B2 (en) EL and display device having sealant layer
JP4957175B2 (ja) エリア発光型有機el部材とエリア発光型有機el部材付設物品、およびエリア発光型有機el部材の作製方法
US6078138A (en) Organic thin film electroluminescence display unit
JP5076994B2 (ja) 発光型有機el表示パネル
US20040085020A1 (en) Pattern display apparatus
JP2004103526A (ja) El素子
JP5499836B2 (ja) 高精細パターン形成用凸版、板状感光性樹脂積層体、電子パターンの製造装置および有機el素子の製造装置
JP2007323814A (ja) エリア発光型有機el表示パネルおよび階調制御方法
JP2008108545A (ja) 封止基板及びその製造方法、エレクトロルミネッセンス素子パネルの製造方法
JP4924318B2 (ja) 発光型有機el表示パネル
JP2004103471A (ja) El素子
JP2012216810A (ja) 有機el素子及びその製造方法
JP4924246B2 (ja) エリア発光型有機el表示パネル
JP5292863B2 (ja) 有機電界発光表示装置及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070717

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20070717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080609

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080908

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081007

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees