JP4201468B2 - ヘリコプタによるスリングシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のヘリコプタにより貨物を吊架して運搬するスリングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヘリコプタのスリング運用は単機のヘリコプタを用いて行われている。このスリング運用については、主に米軍において単機のヘリコプタによりスリングされた貨物の運動や、機体を含めたシステムの運動の解析や実験が多数行われ、これにより得られた速度や機動に関する制限、貨物の最適な吊るし方等のノウハウが現在のスリング運用規程の基礎となっている。
【0003】
また、スリング運用の際に貨物の動揺を抑制する方法も、従来種々提案されている。例えば、特開平7−285499号公報には、スリングして運搬する長尺物資に略上下方向に向けて垂直安定板を取り付け、垂直安定板により長尺物資の動揺を抑制するようにしたものが開示されている。
【0004】
この単機のヘリコプタによるスリング運用は、飛行規程に規定される制限内で熟練した操縦士により慎重に実行されることにより、十分な安全性が確保され、現在のヘリコプタ運用には欠かせない形態となっている。
【0005】
一方、単機によるスリング運用の概念を発展して、例えば図12、図13或いは図14に示すように、複数のヘリコプタによって貨物をスリングして運搬する構想もある。
【0006】
図12に示すスリングシステムは、2機のヘリコプタ101、102を用い、これらヘリコプタ101、102に各々ワイヤ104を懸架してスプレッダーバー105をその両端部において吊架し、更にスプレッダーバー105の両端部に各々スリングワイヤ106を懸架して、これらスリングワイヤ106により貨物108を吊架し、スプレッダーバー105によりヘリコプタ101と102の間隔を保ちながら貨物108を運搬するものである。
【0007】
図13に示すスリングシステムは、2機のヘリコプタ111、112を用い、ヘリコプタ111、112に各々スリングワイヤ114を懸架して長尺の貨物115を、貨物115の両端部において直接吊架して運搬するものである。
【0008】
また、図14に示すスリングシステムは、3機のヘリコプタ121、122、123を用い、これらヘリコプタ121、122、123に各々ワイヤ125を懸架して三角形状に連結した三本のスプレッダーバー127を各々の頂点部において吊架し、更にこれらスプレッダーバー127を連結した三角形の頂点部に各々スリングワイヤ130を懸架して、これらのスリングワイヤ130により貨物133を吊架し、三本のスプレッダーバー127により3機のヘリコプタ121、122、123の相互の間隔を保ちながら貨物133を運搬するものである。
【0009】
上記の複数のヘリコプタを用いるスリングシステム(以下、Multi-Helicopter Sling System の頭文字を取ってMHSSとも言う)では、重量の大きい貨物の運搬が可能であることから、従来の単機による空輸限界を越える作業が可能になると共に、複数の小型のヘリコプタを用いることができるので、大型のヘリコプタを用いる場合に比べて維持費等が少なくなり、経済的に有利となる。
【0010】
このMHSS運用に際しては、複数のヘリコプタのうちの1機をマスター機とし、他のヘリコプタをスレーブ機として、マスター機及びスレーブ機の全てに熟練操縦士を搭乗させ、スレーブ機の操縦士にはマスター機の操縦士からの適切かつ絶対的な指示のもとに機体を操縦させるようにして、マスター機の操縦士によりシステム全体を誘導することが考えられる。
【0011】
このように、複数のヘリコプタのうちの1機のマスター機のみがシステム全体の誘導を司り、他のヘリコプタはマスター機の操縦士からの指示に従って操縦するシステム制御方法の概念は、マスター・スレーブ制御と呼ぶことができ、このシステム制御方法を発展させれば、ヘリコプタの機体数が増えても、複数のスレーブ機に厳密な順位付けを行うことにより、理論上はシステムを制御することが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構想のMHSSでは、マスター機及びスレーブ機の各操縦士として、充分に訓練された熟練した操縦士が必要になると共に、各操縦士相互間の極めて緊密な連携が必要となる。
【0013】
しかも、マスター機の操縦士は、単機でのスリング運用とは比べものにならない程の高いワークロードに曝されることになる。即ち、マスター機の操縦士は、単機でのスリング運用と同様に、スリングする貨物の誘導を第1にして自機の操縦を行うが、同時にシステム全体をどの方向或いは高度にするか、そのためにはスレーブ機をどの方角、高度に操縦させれば良いか等の指示をスレーブ機毎に無線を介して音声により指示する必要がある。
【0014】
また、スレーブ機に与えた指示に対して、スレーブ機の操縦士から機体性能の制限や地理的な制限で達成不能であることが知らされれば、マスター機の操縦士は、即座にシステムの飛行経路を修正して、全体が破綻しないようにコントロールする必要がある。
【0015】
この操縦士のワークロードを軽減する方法としては、例えば高度保持や水平飛行等の機能を有する自動飛行制御装置(AFCS)を利用したり、各機に副操縦士を搭乗させることが考えられるが、AFCSは単機での運用しか考慮されていないため実用化には不十分であり、また副操縦士を搭乗させることは人件費等の増加となって運用コストの点で不利となる。
【0016】
なお、上記のMHSS運用に関しては、例えば AHS Journal Vol.30 "Simulation of the Helicopter Sling Load Systems" において運動の解析等の研究が行われているが、この研究においても実用化に足る明快なシステム像は得られていない。
【0017】
以上のことから、MHSSは未だ実用化されるに至っていない。
【0018】
従って、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、特に、従来の単機でのヘリコプタ運用能力を損なうことなく、複数のヘリコプタによる貨物のスリング運搬を安全かつ簡単に実施できるヘリコプタによるスリングシステムを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載のヘリコプタによるスリングシステムの発明は、複数のヘリコプタに各々ワイヤを吊下して、これらワイヤによりスプレッダーバーを吊架し、該スプレッダ−バーにスリングワイヤを懸架して、スリングワイヤにより貨物を吊架して運搬するヘリコプタによるスリングシステムにおいて、上記複数のヘリコプタのうち所定の1機をマスター機、他機をスレーブ機とし、上記マスター機及びスレーブ機には、各々速度検出手段、高度検出手段、機体姿勢検出手段、位置検出手段及び操舵量検出手段を設けると共に、上記マスター機には、スリング飛行のプログラムを格納すると共に、該プログラムに従って自機の飛行を制御するためのマスター制御器と、該マスター制御器からの指令を操舵量に変換して自機の操舵装置を操舵すると共に、該マスター機の上記操舵量検出手段で検出される自機の操舵装置の操舵量を速度量に変換して上記マスター制御器に供給するマスター飛行制御手段とを設け、上記スレーブ機には、上記プログラムに従って自機の飛行を制御するためのスレーブ制御器と、該スレーブ制御器からの指令を操舵量に変換して自機の操舵装置を操舵すると共に、該スレーブ機の上記操舵量検出手段で検出される自機の操舵装置の操舵量を速度量に変換して上記スレーブ制御器に供給するスレーブ飛行制御手段とを設け、上記ワイヤには、該ワイヤの張力を検出するワイヤ張力検出手段と、該ワイヤの縦横位置を検出して上記スプレッダーバーの離着陸を検出するためのワイヤ縦横位置検出手段とを設け、上記スリングワイヤには、該スリングワイヤの張力を検出するスリングワイヤ張力検出手段と、該スリングワイヤの縦横位置を検出して上記貨物の離着陸を検出するためのスリングワイヤ縦横位置検出手段とを設け、上記マスター制御器と上記スレーブ制御器とを情報伝達手段を介して結合して、上記マスター機及びスレーブ機によるスリング飛行を制御することを特徴とする。
【0020】
請求項1の発明によると、複数のヘリコプタのうちの1機をマスター機、他機をスレーブ機として、マスター機のマスター制御器とスレーブ機のスレーブ制御器とを情報伝達手段を介して結合し、マスター制御器に格納されたスリング飛行のプログラムに従って、マスター・スレーブ制御によりマスター機及びスレーブ機による貨物のスリング飛行を制御するので、従来の単機でのヘリコプタ運用能力を損なうことなく、複数のヘリコプタによる貨物のスリング運搬を安全かつ簡単に実施することが可能となる。
【0022】
また、マスター機及びスレーブ機の相対位置を常に適正に保ちながら、離着陸を含む貨物のスリング運搬が安全かつ簡単に実施することが可能になる。
【0023】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のヘリコプタによるスリングシステムにおいて、上記マスター機及びスレーブ機の各位置検出手段は、ディファレンシャルGPSにより自機位置を検出することを特徴とする。
【0024】
請求項の発明によると、マスター機及びスレーブ機の相対位置をより高精度で検出することができるので、マスター機及びスレーブ機の相対位置をより適正に保つことが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のヘリコプタによるスリングシステムの実施の形態について、図1乃至図11により説明する。
【0030】
図1は本発明を実施するMHSSの概要を示す図であり、図2はヘリコプタの操舵装置を示す図、図3はシステムブロック図、図4はシステム全体の管制フローチャート、図5は各機体の位置検出を説明するための図、図6は離陸モードにおけるマスター機とスレーブ機とのフローチャート、図7は離陸モード時の上昇速度例を示す図、図8から図11は離陸モード時の順次の飛行状態を示す図である。
【0031】
図1に示すMHSSは、2機のヘリコプタ1、2を用い、これらヘリコプタ1、2に各々ワイヤ4を吊下してスプレッダーバー5をその両端部において吊架し、更にスプレッダーバー5の両端部に各々スリングワイヤ6を懸架して、これら両スリングワイヤ6により貨物8を吊架し、一方のヘリコプタ1をマスター機、他方のヘリコプタ2をスレーブ機として、スプレッダーバー5によりマスター機1とスレーブ機2との間隔を保ちながら貨物8をスリングして運搬するものである。
【0032】
各ワイヤ4は、ワイヤ張力検出器11を介して対応するマスター機1又はスレーブ機2に吊下すると共に、各ワイヤ4には、スプレッダーバー5への連結部近傍に、主として離着陸時にワイヤ4が縦位置にあるか横位置にあるかを検出してスプレッダーバー5と地面との位置関係を検出するためのワイヤ縦横位置検出器12を取り付ける。
【0033】
また、各スリングワイヤ6も、スリングワイヤ張力検出器13を介してスプレッダーバー5に懸架すると共に、貨物8の近傍には、主として離着陸時にスリングワイヤ6が縦位置にあるか横位置にあるかを検出して貨物8と地面との位置関係を検出するためのスリングワイヤ縦横位置検出器14を取り付ける。
【0034】
マスター機1及びスレーブ機2の各操舵装置には、図2に示すように、操縦桿15を操舵してM/R縦サイクリック・ピッチを調整する縦サイクリック用アクチュエータ16及びM/R横サイクリック・ピッチを調整する横サイクリック用アクチュエータ17と、コレクティブコントロールペダル18を操舵してM/Rコレクティブ・ピッチを調整するコレクティブ用アクチュエータ19と、ヨーコントロールペダル20を操舵してT/Rピッチを調整するヨー用アクチュエータ21とを設ける。
【0035】
また、マスター機1には、図3にシステムブロック図を示すように、マスター制御器23及びマスター飛行制御器24を設ける。マスター制御器23は、主としてシステムを管理するもので、MHSSのプログラムを格納して自機の飛行を制御する。このマスター制御器23には、機体に共通に設けられている各種機体センサ、即ち対気速度計25、高度計26、機体姿勢計27、外気温度計28、加速度計29、及び位置検出装置30を接続すると共に、ワイヤ4に関するワイヤ張力検出器11及びワイヤ縦横位置検出器12、スリングワイヤ6に関するスリングワイヤ張力検出器13及びスリングワイヤ縦横位置検出器14を接続し、更にマスター/スレーブモード選択スイッチ31を接続する。
【0036】
マスター飛行制御器24は、自機の操舵装置を制御するもので、マスター制御器23からの制御指令に基づいて操舵装置の適正な操舵量を算出し、その算出した操舵量を対応するアクチュエータ16、17、19、21に供給して、操縦桿15、コレクティブコントロールペダル18、及びヨーコントロールペダル20を操舵する。また、このマスター飛行制御器24には、操舵装置の操舵量を検出するパイロット操舵量検出装置32を接続し、このパイロット操舵量検出装置32で検出された操舵量を速度量に変換してマスター制御器23に供給する。
【0037】
スレーブ機2もマスター機1と同様に構成し、このスレーブ機2のスレーブ制御器とマスター機1のマスター制御器23とをケーブル33を介して接続して、マスター機1とスレーブ機2との間で情報を伝達しながらマスター・スレーブ制御によりシステムを運用する。
【0038】
なお、図1ではスレーブ機2を1機としたが、図3に示すようにスレーブ機2を複数n機用いる場合には、各スレーブ機を上記と同様に構成する。この場合、スプレッダーバー5は(n+1)本をエンドレスに連結して多角形状とし、その各頂点部にマスター機1を含む各機からワイヤ張力検出器11を介してワイヤ4を連結すると共に、スリングワイヤ張力検出器13を介してスリングワイヤ6を連結して貨物8を吊架するようにする。また、各ワイヤ4にはスプレッダーバー5との連結部近傍にスプレッダーバー5と地面との位置関係を検出するためのワイヤ縦横位置検出器12を取り付けると共に、各スリングワイヤ6にも貨物8との連結部近傍に貨物8と地面との位置関係を検出するためのスリングワイヤ縦横位置検出器14を取り付け、対応する機の各検出器11、12、13、14を当該機の制御器に接続して、各スレーブ機2のスレーブ制御器とマスター機1のマスター制御器23とを各々ケーブル33を介して接続する。
【0039】
本実施の形態では、図4にシステム全体の管制フローチャートを示すように、スリングシステムの開始において、先ず複数機による運用か単機による運用かを判断し、複数機による運用の場合には、各機においてマスター/スレーブモード選択スイッチ31により自機がマスター機かスレーブ機かを選択してから飛行モードに移行する。飛行モードでは、先ず離陸モードを行い、その後、水平加速、水平(巡行)飛行、旋回、及び水平減速の各飛行モードを適宜選択的に行い、最後に着陸モードを行ってスリングシステムを終了する。
【0040】
なお、各飛行モードにおいて、いずれかの機が性能低下や故障により飛行が継続できなくなった場合には、緊急システムとして飛行条件を変更して飛行を継続するか、或いは貨物8を切り離してスリングシステムを終了する。また、単機による運用の場合には、単機自動飛行システムに移行する。
【0041】
ここで、各機の位置検出装置30では、例えばディファレンシャルGPS(以下、D−GPSと略記する)により自機の3次元位置を計測すると共に、他機との3次元相対位置を計測する。このD−GPSでは、例えば図5に示すように位置が正確に判明している地上局35を用い、各機及び地上局35において同じGPS衛星36を用いて同時に位置計測を行う。その結果、地上局35の計測値に生じる計測誤差が各機での計測値にも存在するものとして、各機での計測値を地上局35での計測誤差によって補正する。或いは、地上局35と4個のGPS衛星との合計5個の信号を用いて各機の位置を計測する。また、単にマスター機1とスレーブ機2との間の3次元相対位置を計測する場合には、同時に同じGPS衛星からの信号を使って各々の3次元位置を計測する。
【0042】
このように、自機の3次元位置及び他機との3次元相対位置をD−GPSにより計測することで、各位置を例えば約10cmの誤差範囲の高精度で計測することができる。
【0043】
本実施の形態では、基本的には、各機において地上局35を使用して各々の正確な3次元位置を計測し、その結果からスレーブ機1がマスター機2との3次元相対位置を把握する。このため、マスター機1からはスレーブ機2に位置計測命令と、マスター機1の各3次元位置情報と、補正情報とを送信し、スレーブ機2ではそれらの情報を受信して自機の3次元位置を計測し、適正な位置を取るように操縦すると共に、自機の3次元位置をマスター機1に送信する。
【0044】
また、地上局35が使用できない場合には、マスター機1はスレーブ機2に位置計測命令を送信すると共に、自機位置を計測してその結果をスレーブ機2に送信し、スレーブ機2はマスター機1からの位置計測命令により自機位置を計測して、計測位置とマスター機1の位置情報とにより相対位置を把握する。
【0045】
なお、図5では、マスター機1と2機のスレーブ機2との合計3機を用いて、貨物8をスリング運搬する場合を示している。
【0046】
次に、上記の離陸、水平加速、水平巡行、旋回、減速及び着陸の各飛行モードについて説明する。
【0047】
(離陸モード)
離陸は、マスター機1のマスター制御器23に記憶したプログラムに従って、高度を参照しながら上昇速度又は加速度を制御することにより、垂直上昇のみが可能で、面内横滑りしないように行う。ただし、機首方向については、マスター機1の操縦士がヨーコントロールペダル20を踏むことにより上昇中も任意に設定できるようにする。
【0048】
この離陸モードは、大きく以下の2つのフェーズに分かれる。
(1) 機体が接地した状態から、機体、スプレッダーバー及び貨物を順次に持ち上げ、超低空ホバリングを維持する。
(2) ホバリングから適正な加速度で上昇し、事前に予め地上でプログラミングした高度で停止する。
【0049】
以下、図6に示すマスター機とスレーブ機とのフローチャート、図7に示す上昇速度例、及び図8から図11に示す順次の飛行状態説明図により、離陸モードについて説明する。なお、ここでは2機のスレーブ機2を用いるものとする。
【0050】
先ず、全機のエンジンが始動して離陸がOKになったら、マスター機1の操縦士により離陸モードを選択してマスター制御器23に入力し、マスター機1のマスター制御器23から各スレーブ機2のスレーブ制御器に対応するケーブル33を介してプログラムされた上昇速度情報を送信する。
【0051】
マスター機1では、自機のマスター制御器23からの上昇速度情報をマスター飛行制御器24に供給して、マスター機1の特性に合わせて操舵量を補正し、その補正された操舵量に基づいて縦サイクリック用、横サイクリック用、コレクティブ用、及びヨー用の4個のアクチュエータ16、17、19、21のうちの所要のアクチュエータにより操舵装置を操舵する。
【0052】
また、各スレーブ機2では、マスター機1から送信された上昇速度情報を自機のスレーブ制御器を経てスレーブ飛行制御器に供給して、同様に各スレーブ機2の特性に合わせて操舵量を補正し、その補正された操舵量に基づいて所要のアクチュエータにより操舵装置を操舵する。これにより各機は、プログラムされた略同等の上昇速度で離陸を開始する。
【0053】
なお、この離陸初期においては、例えば図7に示すように、離陸開始から10sec までに1m/sec の低速度に達するように上昇速度を連続的に増加させ、その後は1m/sec の低速度を維持して上昇させる(低速等速上昇)。
【0054】
上昇中、各機では、高度計26、ワイヤ張力検出器11、ワイヤ縦横位置検出器12、スリングワイヤ張力検出器13、及びスリングワイヤ縦横位置検出器14により、自機の高度、スプレッダーバー5を吊架したワイヤ4の張力及び縦横位置、貨物8を吊架したスリングワイヤ6の張力及び縦横位置を計測し、各スレーブ機2ではこれらの計測値を各々ケーブル33を経てマスター機1に送信する。
【0055】
また、マスター機1は、各スレーブ機2との相対位置が適正となるように各スレーブ機2に修正指令を送信しながら上昇する。この相対位置の修正は、各機に搭載された位置検出装置30からのD−GPSによる3次元位置情報を受信して行い、その高度がプログラムされている高度に対してある範囲を越えた場合に、上昇速度の増減で指示する。各スレーブ機2は、この上昇速度の変化分を操舵量に変換して操舵する。
【0056】
低速等速上昇により、図8に示すように全機がスプレッダーバー5の離陸直前の位置に到達して、各ワイヤ縦横位置検出器12においてワイヤ4の縦位置が検出されたら、その時点でプログラムに従ってマスター機1から各スレーブ機2に上昇速度を微速度、例えば図7に示すように0.1m/sec まで下げる指令を送信し、これにより各ワイヤ張力検出器11で検出されるワイヤ4の張力が略一定値となるまで全機を微速度で上昇させる(微速上昇)。
【0057】
この微速上昇により、各ワイヤ張力が略一定値になったことが検出されたら、上昇速度を再び低速度まで連続的に増加して、スプレッダーバー5を持ち上げる。
【0058】
その後、全機が適切な相対位置を保ちながら上昇して(低速等速上昇)、図9に示すように貨物8の離陸直前の位置に到達し、各スリングワイヤ縦横位置検出器14においてスリングワイヤ6の縦位置が検出されたら、その時点で再びマスター機1から各スレーブ機2に上昇速度を微速度まで下げる指令を送信し、各スリングワイヤ張力検出器13で検出されるスリングワイヤ6の張力がほぼ一定値に落ち着くまで全機を微速度で上昇させる(微速上昇)。
【0059】
この微速上昇により、各スリングワイヤ6の張力がほぼ一定値になったことが検出されたら、上昇速度を上記の低速度まで連続的に増加させ、図10に示すように貨物8を持ち上げる。
【0060】
その後、全機を適切な相対位置を保ちながら、図11に示すように所定の高度まで低速等速上昇させる。
【0061】
なお、上昇中、各機は、機体姿勢、速度、加速度、風向き、ワイヤ4の縦横位置及びスリングワイヤ6の縦横位置等を監視して横滑りしないように制御するが、これらの操舵は他の機体には伝達せず、また各スレーブ機2はマスター機1のマスター制御器23からの指令を優先して処理する。
【0062】
(水平加速モード)
ヘリコプタの水平加速は、操縦桿15を前方へ出す操舵、即ちサイクリック操舵と、コレクティブコントロールペダル18を踏み込む操舵、即ちM/Rコレクティブ操舵との連携により、いわゆるカップリングの特性を考慮した操舵により得られる。また、マスター機1のマスター制御器23の故障等により、自動操縦から突然手動操縦に切り替わった事態を考慮すると、デカップリングは行わない方がシステムとして有利である。そこで、水平加速モードでのマスター機1の操縦方法は、基本的には従来の単機運用時と同じとする。
【0063】
また、水平加速においては、貨物8の振動の収束の早さが重要であり、スリング運用では空気力は振動の減衰項として働くので、出来るだけ早く所望の速度に達するのが望ましい。
【0064】
しかし、ロータ性能以上の加速は失速を引き起こし、1機でも失速に陥ると、高度の低下や系の不安定を引き起こして、システム全体のバランスを取り戻すのが困難になることが予想されるので、マスター機1及び各スレーブ機2の中で、最小の性能の機体の限界加速度を上限として水平加速を行う。
【0065】
このように、水平加速は、マスター機1の操縦士の操縦で行うが、その加速度は全機の性能から決定し、もし誤って過大な操舵が行われても、各機の性能を越える操舵は行わないようにする。即ち、最小の性能の機体の限界加速度に抑えるように、各機の飛行制御器により操舵装置を制御する。
【0066】
先ず、マスター機1の操縦士は、加速のための操舵を行う。この操舵量は、パイロット操舵量検出装置32で検出し、マスター飛行制御器24で水平加速度に変換してマスター制御器23に供給し、このマスター制御器23から各々ケーブル33を経て対応するスレーブ機2に送信する。
【0067】
各スレーブ機2では、マスター機1からの水平加速度を当該スレーブ機2のスレーブ制御器で受信してスレーブ飛行制御器に供給し、スレーブ飛行制御器で操舵量に変換して操舵装置に操舵を指令する。なお、各スレーブ機2での水平加速度の操舵量への変換は、各機の特性を考慮して行う。これにより、全ての機体に等しい水平加速度が得られるようになる。
【0068】
その後、機体が目標速度に近づき、マスター機1の操縦士が徐々に加速度を小さくすることにより、最終的にシステムは目標速度に安定する。
【0069】
この水平加速の間のマスター機1の操舵は、全てのスレーブ機2に送信されてスレーブ機2の操舵が変更される。更に、各スレーブ機2では、マスター機1からの指令による操舵の他に、D−GPSにより自機とマスター機1との相対位置を検出して、正規の位置となるように加速度の修正を行う。この相対位置の修正は、マスター機1との距離が所定値からずれたとき、この間に平均ずれ速度よりも小さい速度で所定値に戻すように操舵することにより行われる。
【0070】
(水平巡行モード)
水平巡行は、所定の高度を所定の速度で飛行するだけなので、マスター機1は自機の機体センサで高度、姿勢及び位置を判断し、自機の目標の高度及び速度を維持して水平飛行するように、微小な修正操舵を加えて自機の水平飛行を継続する。このときの修正操舵は各スレーブ機2には伝えられない。
【0071】
また、各スレーブ機2は、自機の高度及び姿勢、マスター機1との相対位置が各々所定の範囲に収まるように自動修正操舵を行いながら水平飛行を継続する。ここで、マスター機1との相対位置の修正は、上記の水平加速の場合と同様にして行われる。
【0072】
(旋回モード)
旋回は、高度の増減を伴わない面内旋回とする。この旋回では、貨物8の遠心力によって内側の機体に貨物の荷重が分担される。この結果、内側の機体が失速してシステムとしての安定を失うことがあるので、旋回時には貨物8の荷重の分担を一定に維持するようにシステム全体を傾斜させる。また、旋回では、内側の機体の速度が遅く、外側の機体の速度が速くなるので、外側の機体の速度性能、及びロータ性能の差による旋回能力や横滑り特性を考慮して行う。
【0073】
そこで、本実施の形態では、水平巡行飛行の速度で、スプレッダーバー5を含む貨物8の重心の高度変化がないように、予め決定されている旋回ルートで旋回を行う。各機の旋回ルート及び操舵指令は、マスター機1との相対位置と、その時の速度とを時間の関数として、各機の制御器に記憶しておく。
【0074】
旋回ルート及び旋回開始時期はマスター機1から指示し、旋回開始時期に達したら、各機の制御器は自機の飛行制御器に速度指令を送り、これにより飛行制御器は速度を操舵量に変換して自機の操舵装置を操舵する。
【0075】
旋回中、各スレーブ機2はD−GPSにより自機とマスター機1との相対位置を検出し、その相対位置関係が所定の範囲に収まるように修正操舵する。この修正操舵は水平巡行飛行の場合と同じであり、その操舵は他の機には伝えない。
【0076】
(減速モード)
減速では、貨物8の振動を効果的に抑えるように、貨物8の質量をm、システム全体の質量をMとするとき、その速度において貨物8が受けている空気力のM/mの前進方向の推力成分を減じるように操縦する。具体的には、貨物8に作用する進行方向に対して逆向きの空気力による力と、減速による進行方向への加速度による力(慣性力)とを釣り合わせる。
【0077】
即ち、空気力による力をfv、減速による慣性力をfmとすると、
fv=k・v2 (k:形状による係数、v:貨物の速度)
fm=m・v′(m:貨物の質量、v′:加速度)
であるから、機体の水平飛行速度をVcr、減速開始からの時間をtとして、
v=Vcr/{1+(k/m)・Vcr・t}
v′=−{(k/m)・Vcr2 }/{1+(k/m)・Vcr・t}2
となるように減速する。ただし、v=0となる時間は無限大であるから、一定の制限を設けてフレアによる減速を行い、最後の停止操作では、有害でない範囲で貨物8の揺れを残してホバリング状態に入る。
【0078】
この減速飛行はどの機も同じであるので、各機は各々の特性を考慮して操舵方法を決定し、その操舵量を時間の関数として各機の制御器に記憶しておく。
【0079】
マスター機1は減速の指令を減速開始の時期と共に各スレーブ機2に送信し、減速開始時期に達したら各機は各々の制御器に記憶されている操舵量で操舵して減速する。この飛行モードでも、各スレーブ機2は、D−GPSにより自機とマスター機1との相対位置を監視し、自機とマスター機1との相対位置関係が所定の範囲に収まるように修正操舵を行いながら飛行する。
【0080】
(着陸モード)
着陸は、地上誘導員とマスター機1の操縦士との無線連絡で行われることもあるが、プログラムされた下降速度でも行われる。このプログラムされた下降速度での着陸モードでは、例えば上記した離陸モードとは逆のパターン、即ち図7において上昇速度を下降速度とし、時間軸の正方向を逆方向としたパターンで行なう。
【0081】
先ず、第1の設定高度まで所定の低速度で下降したら、下降速度を所定の微速まで低下させて、微速下降しながら各スリングワイヤ縦横位置検出器14がスリングワイヤ6の横位置を検出することによって貨物8の接地を検出する。
【0082】
貨物8の接地を検出したら、下降速度を所定の低速度に上げて第2の設定高度まで下降し、その後、再び上記の微速まで下降速度を低下させて、微速下降しながら各ワイヤ縦横位置検出器12がワイヤ4の横位置を検出することによってスプレッダーバー5の着地を検出する。
【0083】
スプレッダーバー5の着地を検出したら、下降速度を所定の低速度に上げて下降し、その後、下降速度を低下させながら機体を着地させる。
【0084】
この下降の間、マスター機1は各スレーブ機2の高度を監視し、各スレーブ機2に適正な相対位置をとるように修正指令を与える。
【0085】
以上、各飛行モードについて説明したが、マスター機1は、飛行中にマスター制御器23において各スレーブ機2からの速度、高度及び位置の各情報を絶えず受信して各スレーブ機2の状態を把握しているので、いずれかの機が性能低下または故障等により飛行が継続できなくなったときには、マスター機1のマスター制御器23は操縦士に異常を知らせると共に、対応処理を実行する。
【0086】
この対応処理では、条件を変更すればホバリングを含む飛行が可能な場合には、可能な飛行条件に変更して飛行を続行し、飛行続行が不可能な場合には、マスター機1の操縦士に不可能がことを知らせ、これにより操縦士において貨物8の投下を含む対策を講じさせるようにする。
【0087】
本実施の形態によるMHSSによると、複数のヘリコプタのうちの1機をマスター機1とし、他をスレーブ機2して、マスター機1のマスター制御器23とスレーブ機2のスレーブ制御器とをケーブル33を介して接続し、各機の3次元位置及び各機相互間の3次元相対位置をD−GPSにより計測しながら、マスター制御器23に格納されたスリング飛行のプログラムに従って、マスター・スレーブ制御によりマスター機1及びスレーブ機2によるスリング飛行を制御して貨物8を運搬するようにすることから、従来の単機でのヘリコプタ運用能力を損なうことなく、複数のヘリコプタの相対位置を高精度に保ちながら、貨物8を安全かつ簡単にスリング運搬することができる。
【0088】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、情報伝達手段としてケーブル33を用いて、マスター機1とスレーブ機2との間で相互に情報を伝達するようにしたが、ケーブル33に代えて光ファイバを用いたり、無線通信手段を用いることもできる。例えば光ファイバを用いる場合には、大量の情報を伝達することができると共に、電磁波の強い空域でも情報を確実に伝達することができるので、より高精度の制御を安定して行うことができ、また無線通信手段を用いる場合には、ケーブルや光ファイバを用いる場合のような結線作業が不要になると共に、運用中のこれらの不慮の切断も生じることがないので、安定した情報伝達が可能となる。
【0089】
また、貨物8にD−GPSによる位置検出装置や加速度検出器を取り付け、これらの出力をマスター機1のマスター制御器23に入力して、より高精度のMHSSを構築することもできる。
【0090】
更に、上記実施の形態では、各ワイヤ4にワイヤ縦横位置検出器12を取り付けたが、任意の1本のワイヤ4にのみワイヤ縦横位置検出器12を取り付けて運用することもできる。同様に、スリングワイヤ縦横位置検出器14についても、任意の1本のスリングワイヤ6にのみ取り付けて運用することもできる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明した本発明のヘリコプタによるスリングシステムによると、複数のヘリコプタのうちの1機をマスター機、他機をスレーブ機として、マスター機のマスター制御器とスレーブ機のスレーブ制御器とを情報伝達手段を介して結合し、マスター制御器に格納されたスリング飛行のプログラムに従って、マスター・スレーブ制御によりマスター機及びスレーブ機による貨物のスリング飛行を制御することから、従来の単機でのヘリコプタ運用能力を損なうことなく、複数のヘリコプタによる貨物のスリング運搬を安全かつ簡単に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるヘリコプタによるスリングシステムの概要を示す図である。
【図2】同じく、図1に示すヘリコプタの操舵装置を示す図である。
【図3】同じく、ヘリコプタによるスリングシステムの全体ブロック図である。
【図4】同じく、ヘリコプタによるスリングシステムの運用を説明する管制フローチャートである。
【図5】同じく、ヘリコプタによるスリングシステムにおいて各機体の位置検出を説明するための図である。
【図6】同じく、図4に示す離陸モードでのマスター機及びスレーブ機の動作を説明するフローチャートである。
【図7】同じく、離陸モード時の上昇速度例を示す図である。
【図8】同じく、離陸モードでのスプレッダーバーの離陸直前状態を示す図である。
【図9】同じく、離陸モードでの貨物の離陸直前状態を示す図である。
【図10】同じく、離陸モードでの貨物の離陸直後の状態を示す図である。
【図11】同じく、離陸モードでの貨物離陸後の低速等速上昇状態を示す図である。
【図12】従来のヘリコプタによるスリングシステムの一例を説明するための図である。
【図13】同じく、他の例を説明するための図である。
【図14】同じく、更に他の例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ヘリコプタ(マスター機)
2 ヘリコプタ(スレーブ機)
4 ワイヤ
5 スプレッダーバー
6 スリングワイヤ
8 貨物
11 ワイヤ張力検出器
12 ワイヤ縦横位置検出器
13 スリングワイヤ張力検出器
14 スリングワイヤ縦横位置検出器
15 操縦桿
16 縦サイクリック用アクチュエータ
17 横サイクリック用アクチュエータ
18 コレクティブコントロールバー
19 コレクティブ用アクチュエータ
20 ヨーコントロールペダル
21 ヨー用アクチュエータ
23 マスター制御器
24 マスター飛行制御器
25 対気速度計
26 高度計
27 機体姿勢計
28 外気温度計
29 加速度計
30 位置検出装置
31 マスター/スレーブモード選択スイッチ
32 パイロット操舵量検出装置
33 ケーブル
35 地上局
36 GPS衛星

Claims (2)

  1. 複数のヘリコプタに各々ワイヤを吊下して、これらワイヤによりスプレッダーバーを吊架し、該スプレッダ−バーにスリングワイヤを懸架して、スリングワイヤにより貨物を吊架して運搬するヘリコプタによるスリングシステムにおいて、
    上記複数のヘリコプタのうち所定の1機をマスター機、他機をスレーブ機とし、
    上記マスター機及びスレーブ機には、各々速度検出手段、高度検出手段、機体姿勢検出手段、位置検出手段及び操舵量検出手段を設けると共に、
    上記マスター機には、
    スリング飛行のプログラムを格納すると共に、該プログラムに従って自機の飛行を制御するためのマスター制御器と、
    該マスター制御器からの指令を操舵量に変換して自機の操舵装置を操舵すると共に、該マスター機の上記操舵量検出手段で検出される自機の操舵装置の操舵量を速度量に変換して上記マスター制御器に供給するマスター飛行制御手段とを設け、
    上記スレーブ機には、
    上記プログラムに従って自機の飛行を制御するためのスレーブ制御器と、
    該スレーブ制御器からの指令を操舵量に変換して自機の操舵装置を操舵すると共に、該スレーブ機の上記操舵量検出手段で検出される自機の操舵装置の操舵量を速度量に変換して上記スレーブ制御器に供給するスレーブ飛行制御手段とを設け、
    上記ワイヤには、
    該ワイヤの張力を検出するワイヤ張力検出手段と、
    該ワイヤの縦横位置を検出して上記スプレッダーバーの離着陸を検出するためのワイヤ縦横位置検出手段とを設け、
    上記スリングワイヤには、
    該スリングワイヤの張力を検出するスリングワイヤ張力検出手段と、
    該スリングワイヤの縦横位置を検出して上記貨物の離着陸を検出するためのスリングワイヤ縦横位置検出手段とを設け、
    上記マスター制御器と上記スレーブ制御器とを情報伝達手段を介して結合して、上記マスター機及びスレーブ機によるスリング飛行を制御することを特徴とするヘリコプタによるスリングシステム。
  2. 上記マスター機及びスレーブ機の各位置検出手段は、ディファレンシャルGPSにより自機位置を検出することを特徴とする請求項に記載のヘリコプタによるスリングシステム。
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