JP4201140B2 - 操作子 - Google Patents

操作子 Download PDF

Info

Publication number
JP4201140B2
JP4201140B2 JP2004139422A JP2004139422A JP4201140B2 JP 4201140 B2 JP4201140 B2 JP 4201140B2 JP 2004139422 A JP2004139422 A JP 2004139422A JP 2004139422 A JP2004139422 A JP 2004139422A JP 4201140 B2 JP4201140 B2 JP 4201140B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage value
hall element
voltage
pad
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004139422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005321592A (ja
Inventor
孝志 田村
健二 廣坂
泰樹 今泉
秀和 工藤
裕介 西岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Korg Inc
Original Assignee
Korg Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Korg Inc filed Critical Korg Inc
Priority to JP2004139422A priority Critical patent/JP4201140B2/ja
Publication of JP2005321592A publication Critical patent/JP2005321592A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4201140B2 publication Critical patent/JP4201140B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)
  • Switches That Are Operated By Magnetic Or Electric Fields (AREA)

Description

本発明は、磁界の強さに応じた大きさの電圧を出力するホール素子を用いた操作子に関する。
従来より、電子楽器においては、自然楽器により発生される楽音の特性を忠実に模倣し、その楽音の特性により近い楽音を発生するものが実現されている。例えば、演奏操作子に対する打撃演奏の打撃後の加圧を検出し、この検出された打撃後の加圧の状態に応じて楽音信号を制御するようにし、打撃後の加圧状態に応じて楽音の音量、音色等を調節して楽音を発生させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平5−165469号公報(第3−6頁、第2図)
ところで、打撃される打撃面を有した演奏操作子を備えた電子楽器においては、打撃の強さを調節することにより、打撃後の加圧状態に応じて楽音の音量、音色等を調節して楽音を発生させるものが実現されているが、操作者が指で押下操作する電子楽器の操作面上の操作子については、操作者が操作子を押下操作する押下強度を自由に調節することにより、楽音の音量、音色等を調節して発生させるものは実現されていないという問題があった。
また、従来の操作子においては、操作者が押下するボタンと、信号の電圧を出力する素子との距離に基づいて出力電圧を調節し、更に、両者の微小な距離における電圧の変化を精度良く検出するセンサは実現されていないという問題があった。
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたもので、操作者が押下するボタンと、信号の電圧を出力する素子との距離に基づいて出力電圧を変化させ、更に、両者の微小な距離における電圧の変化を精度良く検出することが可能な操作子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、所定形状の磁石を自身の下面全体が平坦となるように埋め込んだパッドボタンと、
磁界の強さに応じた大きさの電圧を出力するホール素子を、前記磁石に対応する位置に取り付けた自身の上面が平坦な基板と、
前記パッドボタンの平坦な下面と前記基板の上面との間に設けられた弾力性のあるパッドクッションと、を備え、
前記パッドボタンが押下操作されていない場合には前記磁石と前記ホール素子との距離がこの両者が接触しない所定値に保たれる一方、前記パッドボタンが押下されるとその押下強度に応じて、前記磁石と前記ホール素子との距離が前記所定値よりも短くなるように構成され
前記ホール素子から出力された電圧に基づいて処理を行う制御手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記パッドボタンが押下操作されないときに前記ホール素子から出力された電圧が、予め定められた最小電圧値よりも小さい場合には、この前記ホール素子から出力された電圧を最小電圧値として設定し記憶する最小電圧値記憶手段と、
前記パッドボタンが押下操作されたときに前記ホール素子から出力された電圧が、予め定められた最大電圧値よりも大きい場合には、この前記ホール素子から出力された電圧を最大電圧値として設定し記憶する最大電圧値記憶手段と、
前記最大電圧値記憶手段に記憶された前記最大電圧値と、前記最小電圧値記憶手段に記憶された前記最小電圧値との差が所定電圧値以上の場合には、前記最大電圧値と前記最小電圧値との差から算出した数値を、前記操作子がオンされたことを示す範囲の下限電圧値を示すノートオン電圧値として設定するノートオン電圧値設定手段と、
このノートオン電圧値から前記所定電圧値を減算した数値を前記操作子がオフされたことを示す範囲の上限電圧値を示すノートオフ電圧値として設定するノートオフ電圧値設定手段と、を備えたことを特徴とするようにした
このような発明により、パッドボタンが押下操作されていない場合には磁石とホール素子との距離がこの両者が接触しない所定値に保たれているが、操作者によりパッドボタンが押下されるとその押下強度に応じて、磁石とホール素子との距離が所定値よりも短くなり、この距離が短くなった状態での磁石から発生する磁界の強さに応じた電力をホール素子が出力するので、押下操作の押下強度を自由に調節してホール素子から電圧を出力させることが可能である。従って、操作者が押下するパッドボタンと、信号の電圧を出力するホール素子との距離に基づいて出力電圧を変化させ、更に、両者の微小な距離における電圧の変化を精度良く検出することが可能となる。しかも、最小電圧値記憶手段が、パッドボタンが押下操作されないときにホール素子から出力された電圧が、予め定められた最小電圧値よりも小さい場合には、このホール素子から出力された電圧を最小電圧値として設定し記憶する一方、最大電圧値記憶手段が、パッドボタンが押下操作されたときにホール素子から出力された電圧が、予め定められた最大電圧値よりも大きい場合には、このホール素子から出力された電圧を最大電圧値として設定し記憶する機能を有し、更に、最大電圧値記憶手段に記憶された最大電圧値と最小電圧値記憶手段に記憶された最小電圧値との差が所定電圧値以上の場合にはこの最大電圧値と最小電圧値との差から算出した数値をノートオン電圧値として設定し、このノートオン電圧値から前記所定電圧値を減算した数値をノートオフ電圧値として設定するので、ノートオン電圧値とノートオフ電圧値との差が所定電圧値となり、ホール素子から出力された電圧を検出する検出手段の感度が低い場合でも、容易にノートオン電圧値とノートオフ電圧値とを判別して、操作子の動作および処理を実行することができるようになる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の操作子において、
前記磁石の向きに応じて反転した、前記ホール素子から出力された電圧値に対して反転処理を行う反転処理手段を備え、
前記反転処理手段は、
前記最小電圧値記憶手段に記憶された前記最小電圧値が、前記最大電圧値記憶手段に記憶された前記最大電圧値よりも大きいか否かを判定する電圧値判定手段と、
前記最小電圧値が前記最大電圧値よりも大きい場合には、前記パッドボタンが押下操作されたときの前記ホール素子から出力された電圧の絶対値を、前記ホール素子から出力された電圧値として設定する一方、前記最小電圧値が前記最大電圧値よりも大きくない場合には、前記パッドボタンが押下操作されたときの前記ホール素子から出力された電圧を、前記ホール素子から出力された電圧値として設定する出力電圧設定手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、操作者が押下するボタンと、信号の電圧を出力する素子との距離に基づいて出力電圧を変化させ、更に、両者の微小な距離における電圧の変化を精度良く検出することが可能になるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態の操作子の概略構成を示す説明図である。本実施の形態の操作子10は、例えば電子楽器の操作面上に設けられたものであって、上面が平坦な基板1と、この基板1の上面側に後述するパッドフレーム32によって、例えば8箇所等の複数の所定箇所に配置されたパッドボタン3と、基板1の下面側においてこれらのパッドボタン3のそれぞれに埋め込まれた後述する磁石31に対応する位置に取り付けられたホール素子2と、これらのホール素子2のそれぞれに接続されて基板1に設けられ、ホール素子2に対して温度補償を行う温度補償回路4と、各ホール素子2から出力された電圧を選択してオペアンプ回路6を介して出力するセレクタ5と、このセレクタ5から出力された電圧に基づいて処理を行うマイクロコントローラ7と、マイクロコントローラ7から出力されたデータを格納するRAM71とを備えて構成されている。
なお、マイクロコントローラ7が信号処理を行うことにより生成し出力された発音データは、電子楽器内部に設けられたデジタル信号処理部(DSP)に送信され、デジタル信号処理部(DSP)がこの発音データに基づいて音源9に設けられた図示しないスピーカにより楽音を発音するようになっている。
図2(a)、(b)、(c)、(d)は、パッドボタン3を示す説明図である。図2に示すように、パッドボタン3は、シリコンゴムを成形したものであって、操作者により押下される肉厚板状部分と、この肉厚板状部分の下部に成形された、肉厚板状部分よりも2〜3mm等の所定幅だけ面積が広い台状部分とにより構成されている。台状部分の下部の中央には、所定形状の磁石が台状部分の下面全体が平坦となるように埋め込まれている。
図3(a)、(b)は、パッドボタン3をパッドフレーム32に取り付けた状態を示す説明図である。図3(a)は、パッドボタン3およびパッドフレーム32を示す正面図、図3(b)は、パッドボタン3およびパッドフレーム32を示す下面図である。パッドフレーム32は、パッドボタン3を嵌め込むための開口部分を有する例えば8個の板部材を一列に配置したものを枠で固定して構成されている。そして、パッドボタン3は、図3(a)、(b)に示すように、その肉厚板状部分をパッドフレーム32の開口部分に嵌め込み、肉厚板状部分の上部がパッドフレーム32の上面よりも上側に出てくるようにして取り付けられている。
図4(a)、(b)は、パッドフレーム32にパッドボタン3を取り付け、更にパッドクッション33を取り付けた状態を示す説明図である。図4(a)は、パッドボタン3、パッドフレーム32、パッドクッション33を示す正面図、図4(b)は、パッドボタン3、パッドフレーム32、パッドクッション33を示す下面図である。パッドクッション33は、図6(a)に示すように、シリコンゴムを薄肉板状に成形し、この薄肉板状の平坦部331の例えば8箇所の所定箇所において、パッドボタン3の台状部分を支持する支持部332が平坦部331よりも4mm程度の所定距離だけ上位置に配置され、この支持部332の周縁部には、鉛直下方向外側に丸まった形状となるR部333が成形され、このR部333が平坦部331に続くように連結されて成っている。そして、パッドクッション33は、パッドフレーム32に各パッドボタン3を取り付けた後、各パッドボタン3の台状部分の下面を支持部の上面に合わせ載置するようにしてパッドクッション33をパッドフレーム32に取り付けられている。
なお、パッドクッション33の平坦部331には、支持部332、R部333、後述する基板1の上面で囲まれる空間内の空気を抜き取るための空気抜き穴が設けられており、この空気抜き穴は、平坦部331の内部を通り平坦部331の端部まで貫通している。また、支持部332の下面には、複数の矩形上の凸部が一定間隔で配列されて形成されており、パッドボタン3が押下操作されてパッドボタン3の下面に押されて支持部332が基板1の上面に押し付けられたときに支持部332の下面が基板1の上面に張り付かないようになっている。
図5(a)、(b)は、パッドフレーム32にパッドボタン3、パッドクッション33を取り付け、更に基板1を取り付けた状態を示す説明図である。図5(a)は、パッドボタン3、パッドフレーム32、パッドクッション33、基板1を示す正面図、図5(b)は、パッドボタン3、パッドフレーム32、パッドクッション33、基板1を示す上面図である。基板1は、下面側の例えば8箇所の所定箇所に、磁界の強さに応じた大きさの電圧を出力するホール素子2が取り付けられている。このホール素子2は、後述するように磁石31が近付いて磁界が強まることに応じた大きさの電圧を出力し、図10(b)に示すように、磁石31から発生した磁界の強さに比例した電圧を出力する。即ち、ホール素子2は、図10(a)に示すように、磁石31との距離Lに反比例した大きさの電圧を出力するようになっている。
そして、基板1は、上面をパッドクッション33の平坦部の下面に貼り合わせるようにして取り付けられている。このとき、各ホール素子2は、各パッドボタン3の下面に埋め込まれた磁石31に対応する位置となるようになっている。
図9は、パッドボタン3に埋め込まれた磁石31のS極、N極の向きに応じて反転した、ホール素子から出力された電圧値に対して反転処理を行うための反転回路を示す説明図である。この反転回路は、ホール素子2に接続された電流を増幅させる増幅器21と、この増幅器21に接続された、ホール素子2から出力された電圧の絶対値を検出する絶対値検出回路25と、絶対値検出回路25に接続された増幅器21と、この増幅器21に接続されたバイアス回路23とにより構成されている。絶対値検出回路25は、複数のダイオードから成るブリッジ回路22により構成されている。
図11は、温度変化によりホール素子2から出力される電圧が変化した場合に、ホール素子2に対して温度補償を行う温度補償回路を示す説明図である。温度補償回路は、図11に示すように、一定電圧を出力する定電圧源41と、温度に比例した電流を出力する温度センサー42と、温度センサー42から出力された電流を増幅する電流増幅器43と、定電圧源41と電流増幅器43およびホール素子2の接続点とに接続された抵抗44とを備えて構成されている。
温度センサー42は、直列に接続された2個のダイオードから成り、その一方のダイオードのアノード端子が定電圧源41に接続され、他方のダイオードのカソード端子が電流増幅器43に接続されている。電流増幅器43は、トランジスタから成り、そのコレクタが定電圧源41に接続され、ベースが温度センサー42に接続され、エミッタがホール素子2に接続されている。
(本実施の形態における操作子の構成によって生じる効果)
続いて、本実施の形態における操作子10が、上述のような構成を有することによって生じる効果について以下に詳細に説明する。まず、パッドボタン3が操作者により押下操作されていない場合には、図6(a)に示すように、パッドクッション33の支持部332がR部333により持ち上げられてパッドボタン3の台状部分に埋め込まれた磁石31とホール素子2との距離が、この両者が接触しない所定値に保たれている。
ここで、操作者がパッドボタン3を指で押して押下操作すると、図6(b)に示すように、パッドボタン3が押下されたその押下強度に応じてR部333が潰れて撓み、支持部332が基板1に押し付けられて、磁石31とホール素子2との距離が所定値よりも短くなるようにパッドボタン3が下方に移動する。そして、磁石31から発生する磁界の強さに応じた電力がホール素子2から出力される。従って、操作者が押下するボタンと、信号の電圧を出力する素子との距離に基づいて出力電圧を変化させ、更に、両者の微小な距離における電圧の変化を精度良く検出することが可能になる。
このとき、操作者が指をパッドボタン3から離すと潰れて撓んでいたR部333が、潰れていた形状が徐々に膨らんでいって元の丸まった形状となりパッドボタン3が上方に移動する。ここで、パッドボタン3が上方に移動するときに、R部333が、潰れて小さく丸まった形状となっていたものがこれよりも大きい元の丸まった形状に戻るため、この戻る瞬間に跳ね返り等が発生することがないので、操作者の指にパッドボタン3からクリック感として伝わる反発力がなくなり、操作者は、クリック感を生じる反発力によって妨げられることなく、自由に押下強度を調節してパッドボタン3を押下操作することができる。
従来の操作子においては、図7(a)に示すように、支持部332の周縁部に鉛直下方向外側に直線状の形状となるスカート部333aが成形されている。操作者が、図7(b)に示すようにして、パッドボタン3を押下操作し、スカート部333aが潰れて撓んだ後、操作者がパッドボタン3から指を離すと、潰れて撓んでいたスカート部333aが、潰れていた形状が徐々に膨らんだ後、撓みが無くなって直線状になるときに跳ね返りが起こって元の直線状の形状に戻るため、強い反発力を生じてパッドボタン3が上方に移動する。このため、パッドボタン3が上方に移動するときに、操作者の指にパッドボタン3の上面からクリック感として強い反発力が伝わり、操作者は、この反発力に妨げられて自由に押下強度を調節してパッドボタン3を押下操作することができなかった。
本実施の形態における操作子10では、所定形状の磁石31を自身の下面全体が平坦となるように埋め込んだパッドボタン3と、磁界の強さに応じた大きさの電圧を出力するホール素子2を、磁石31に対応する位置に取り付けた自身の上面が平坦な基板1と、パッドボタン3の平坦な下面と基板1の上面との間に設けられた弾力性のあるパッドクッション33と、を備え、パッドボタン3が押下操作されていない場合には磁石31とホール素子2との距離がこの両者が接触しない所定値に保たれる一方、パッドボタン3が押下されるとその押下強度に応じて、磁石31とホール素子2との距離が所定値よりも短くなるように構成されている。更に、パッドクッション33の周縁部は、鉛直下方向外側に丸まった形状となるR部333とこれに続く、基板の上面に載置されるための平坦部331とを備えて構成されている。
従って、パッドボタン3が上方に移動するときに、操作者の指にパッドボタン3からクリック感として伝わる反発力がないので、操作者は、パッドボタン3の押下強度を調節する指の力がこの反発力によって妨げられることがなく、自由に押下強度を調節してパッドボタン3を押下操作することができる。
なお、本実施の形態における操作子10では、磁石31が近付いて磁界が強まることに応じた大きさの電圧を出力として、図10(a)、(b)に示すように、磁石31から発生した磁界の強さに比例した電圧を出力する、即ち、磁石31とホール素子2との距離が小さくなり磁界が強まることに応じて大きい電圧を出力するホール素子2を用いたが、この場合とは逆に磁石31から発生した磁界の強さに反比例した電圧を出力するホール素子2を用いても良い。この場合には、ホール素子2は、磁石31とホール素子2との距離が小さくなり磁界が強まることに応じて小さい電圧を出力し、磁石31がホール素子2から離れて距離が大きくなり磁界が弱まることに応じて強い電圧を出力する。
(反転回路における反転処理)
続いて、図9に示す反転回路を用いてホール素子から出力された電圧値に対して行う反転処理について詳細に説明する。まず、パッドボタン3に埋め込まれた磁石31の向きが、S極が上側となりN極が下側となって、磁石31の磁界の強さに応じてホール素子2から負電圧が出力されると、この負電圧は、増幅器21により増幅され絶対値検出回路25のダイオードブリッジ22に出力される。そして、ダイオードブリッジ22によって、この負電圧が正電圧に反転され増幅器21により増幅されてセレクタ5側へ出力される。このように、ダイオードブリッジ22を用いた反転回路によって、磁石31のS極、N極の向きを逆にして埋め込まれてホール素子2から負電圧が生じた場合であっても、ホール素子2から出力される電圧値に対して反転処理を行い、常に正電圧をセレクタ5に対して出力させることが可能となる。
(温度補償回路における動作)
続いて、図11に示す温度補償回路がホール素子2に対して行う温度補償の動作について詳細に説明する。まず、例えば温度上昇が生じてホール素子2の温度特性によりホール素子2から出力される電圧が低下した場合には、定電圧源41からの電流が温度センサー42に出力されると、温度センサー42の負の温度特性によりこの電流が温度上昇に比例して高められる。そして、この高められた電流が温度センサー42から出力され、電流増幅器43によって増幅されてホール素子2に出力されるので、ホール素子2での電圧値が高められて、温度上昇により低下していたホール素子2の電圧が回復する。従って、温度上昇が生じた場合においても一定の電圧をホール素子2からセレクタ5に対して出力させることが可能となる。
また、温度低下が生じてホール素子2の温度特性によりホール素子2から出力される電圧が上昇した場合には、温度センサー42の負の温度特性によりこの電流が温度低下に比例して低下するので、温度低下により上昇していたホール素子2の電圧が低下し、温度低下が生じた場合においても一定の電圧をホール素子2からセレクタ5に対して出力させることが可能となる。
更にここで、定電圧源41と電流増幅器43およびホール素子2の接続点とに接続されることにより、温度センサー42と並列に接続された抵抗44によって、定電圧源41から温度センサー42に出力される電流が変動する。このため、この抵抗44を必要に応じて適宜交換することにより、温度センサー42から出力される電流を調整してホール素子2に出力される電流を任意に調整し、ホール素子2の電圧値が正確に元に戻るように調整することが可能である。
(最小電圧設定処理)
続いて、ホール素子2から出力された電圧に基づいて行う、操作子10をオンオフする動作に関する処理について図13、14、15、16に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。まず、図13に示すフローチャート図を用いて、ホール素子2から出力される電圧の最小電圧設定処理について説明する。マイクロコントローラ7は、この処理を行う対象となるパッドボタン3を識別する番号「n」を最初に「0」に設定する(ステップS1301)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3が操作者によって押下操作されていない場合に、予め設定された最小電圧値(図13に示すVmin)の初期値をRAM71から読み出し、ホール素子2から出力された電圧(図13に示すPad)がこの初期値よりも小さいか否かを判定する(ステップS1302)。
次に、ホール素子2から出力される電圧が最小電圧値の初期値よりも小さい場合(ステップS1302のYES)には、マイクロコントローラ7は、このホール素子2から出力された電圧を新たな最小電圧値として更新設定し、RAM71に記憶する(ステップS1305)。
また、ホール素子2から出力される電圧が最小電圧値の初期値よりも小さくない場合(ステップS1302のNO)には、マイクロコントローラ7は、ステップS1303の処理を実行する。次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」に「1」を加えて「1」に設定する(ステップS1303)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さいか否かを判定し(ステップS1304)、小さい場合には(ステップS1304のYES)、ステップS1302〜S1303の処理を繰り返し行う。一方、8個のパッドボタン3全てについて最小電圧設定処理が終了し、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さくない場合には(ステップS1304のNO)、処理を終了する。なお、上述の磁石31から発生した磁界の強さに反比例した電圧を出力するホール素子2を用いた操作子10では、ステップS1302においてパッドボタン3が操作者によって押下操作された場合に、マイクロコントローラ7は、ホール素子2から出力された電圧が初期値よりも小さいか否かを判定し、以降の処理を行う。
(最大電圧設定処理)
続いて、図14に示すフローチャート図を用いて、ホール素子2から出力される電圧の最大電圧設定処理について説明する。マイクロコントローラ7は、この処理を行う対象となるパッドボタン3を識別する番号「n」を最初に「0」に設定する(ステップS1401)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3が操作者によって押下操作された場合に、予め設定された最大電圧値(図14に示すVmax)の初期値をRAM71から読み出し、ホール素子2から出力された電圧がこの初期値よりも大きいか否かを判定する(ステップS1402)。
次に、ホール素子2から出力される電圧が最大電圧値の初期値よりも大きい場合(ステップS1402のYES)には、マイクロコントローラ7は、このホール素子2から出力された電圧を新たな最大電圧値として更新設定し、RAM71に記憶する(ステップS1405)。
また、ホール素子2から出力される電圧が最大電圧値の初期値よりも大きくない場合(ステップS1402のNO)には、マイクロコントローラ7は、ステップS1403の処理を実行する。次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」に「1」を加えて「1」に設定する(ステップS1403)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さいか否かを判定し(ステップS1404)、小さい場合には(ステップS1404のYES)、ステップS1402〜S1403の処理を繰り返し行う。一方、8個のパッドボタン3全てについて最大電圧設定処理が終了し、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さくない場合には(ステップS1404のNO)、処理を終了する。なお、上述の磁石31から発生した磁界の強さに反比例した電圧を出力するホール素子2を用いた操作子10では、ステップS1402においてパッドボタン3が操作者によって押下操作されていない場合に、マイクロコントローラ7は、ホール素子2から出力された電圧が初期値よりも大きいか否かを判定し、以降の処理を行う。
続いて、操作子10がオンされたことを示す範囲の下限電圧値であるノートオン電圧値と、操作子10がオフされたことを示す範囲の上限電圧値であるノートオフ電圧値を設定する処理について、図15に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。まず、マイクロコントローラ7は、この処理を行う対象となるパッドボタン3を識別する番号「n」を最初に「0」に設定する(ステップS1501)。
次に、マイクロコントローラ7は、先に最小電圧設定処理のステップS1305において更新設定した最小電圧値と、最大電圧設定処理のステップS1405において更新設定した最大電圧値をRAM71から読み出し、最大電圧値と最小電圧値との差が例えば100mV等の所定電圧値よりも大きいか否かを判定する(ステップS1502)。
次に、最大電圧値と最小電圧値との差が100mVよりも大きい場合には(ステップS1502のYES)、マイクロコントローラ7は、最大電圧値と最小電圧値との差を2で除算した数値を算出し、これをノートオン電圧値(図15に示すVon)として設定しRAM71に記憶する(ステップS1505)。
次に、マイクロコントローラ7は、ステップS1505において算出したノートオン電圧値をRAM71から読み出し、このノートオン電圧値から100mVを減算した数値を算出し、これをノートオフ電圧値(図15に示すVoff)として設定しRAM71に記憶する(ステップS1506)。
一方、最大電圧値と最小電圧値との差が100mVよりも小さい場合には(ステップS1502のNO)、マイクロコントローラ7は、最大電圧値と最小電圧値の設定処理にエラーがあるものとして処理を終了する。次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」に「1」を加えて「1」に設定する(ステップS1503)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さいか否かを判定し(ステップS1504)、小さい場合には(ステップS1504のYES)、ステップS1502〜S1503の処理を繰り返し行う。一方、8個のパッドボタン3全てについてノートオン電圧値とノートオフ電圧値を設定する処理が終了し、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さくない場合には(ステップS1504のNO)、処理を終了する。
従って、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3が押下操作されないときにホール素子から出力された電圧が、予め定められた最小電圧値よりも小さい場合には、このホール素子から出力された電圧を最小電圧値として設定しRAM71に記憶し、パッドボタンが押下操作されたときにホール素子から出力された電圧が、予め定められた最大電圧値よりも大きい場合には、このホール素子から出力された電圧を最大電圧値として設定しRAM71に記憶する。
この処理により、操作者は、パッドボタン3を押下操作していないときの電圧を最小電圧値とすることができ、更に、予め定められた最大電圧値よりも大きい電圧となるようにパッドボタン3を押下操作して、このときの任意の押下強度に応じた電圧を、最大電圧値として設定させることができる。
そして、RAM71に記憶された最大電圧値と前記最小電圧値との差が所定電圧値以上の場合には、最大電圧値と最小電圧値との差を2で除算した数値をノートオン電圧値として設定し、このノートオン電圧値から所定電圧値を減算した数値をノートオフ電圧値として設定する。この処理により、ノートオン電圧値とノートオフ電圧値との差が所定電圧値となるので、ホール素子2から出力された電圧を検出する検出手段の感度が低い場合でも、容易にノートオン電圧値とノートオフ電圧値とを判別して、操作子10の動作および処理を実行することができる。なお、上述の磁石31から発生した磁界の強さに反比例した電圧を出力するホール素子2を用いた操作子10では、ステップS1505において算出した数値を操作子10がオフされたことを示す範囲の下限電圧値であるノートオフ電圧値として設定し、ステップS1506において算出した数値を操作子10がオンされたことを示す範囲の上限電圧値であるノートオン電圧値として設定し、以降の処理を行う。
続いて、操作子10をノートオンまたはノートオフさせるためのパッドスキャン処理について、図16に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。このパッドスキャン処理は、マイクロコントローラ7により、例えば5〜8msec等の所定周期毎に実行される。まず、マイクロコントローラ7は、この処理を行う対象となるパッドボタン3を識別する番号「n」を最初に「0」に設定する(ステップS1601)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さいか否かを判定し(ステップS1602)、小さい場合には(ステップS1602のYES)、ステップS1603の処理を実行する。一方、8個のパッドボタン3全てについてこのパッドスキャン処理が終了し、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さくない場合には(ステップS1602のNO)、パッドスキャン処理を終了する。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3が操作者によって押下操作された場合に、上述のノートオン電圧値とノートオフ電圧値の設定処理において設定したノートオフ電圧値をRAM71から読み出し、ホール素子2から出力された電圧がこのノートオフ電圧値よりも小さいか否かを判定する(ステップS1603)。
次に、ホール素子2から出力された電圧がノートオフ電圧値よりも小さい場合には(ステップS1603のYES)、マイクロコントローラ7は、現在の時点での識別する番号「0」のパッドボタン3の動作状態を確認し、ノートオンとなっているか否かを判定する(ステップS1608)。
次に、識別する番号「0」のパッドボタン3がノートオンとなっている場合には(ステップS1608のYES)、マイクロコントローラ7は、識別する番号「0」のパッドボタン3の動作状態をノートオフとし、ステップS1610の処理を実行する(ステップS1609)。
また、ホール素子2から出力された電圧がノートオフ電圧値よりも小さくない場合には(ステップS1603のNO)、マイクロコントローラ7は、RAM71からノートオン電圧値を読み出し、ホール素子2から出力された電圧がこのノートオン電圧値よりも大きいか否かを判定する(ステップS1604)。
次に、ホール素子2から出力された電圧がノートオン電圧値よりも大きい場合には(ステップS1604のYES)、マイクロコントローラ7は、現在の時点での識別する番号「0」のパッドボタン3の動作状態を確認し、ノートオフとなっているか否かを判定する(ステップS1605)。
次に、識別する番号「0」のパッドボタン3がノートオフとなっている場合には(ステップS1605のYES)、マイクロコントローラ7は、ホール素子2から出力された電圧の数値を用いて、以下の計算式(1)に基づいてベロシティを算出し、ステップS1607の処理を実行する(ステップS1606)。
「Vel」=(Pad−Vmin)/(Vmax−Vmin)…………(1)
(ここで、「ベロシティ」:Vel、「ホール素子2から出力された電圧」:Pad、「最大電圧値」:Vmax、「最小電圧値」:Vminであるとする。)
一方、識別する番号「0」のパッドボタン3がノートオンとなっている場合には(ステップS1605のNO)、マイクロコントローラ7は、ステップS1610の処理を実行する。
次に、マイクロコントローラ7は、ステップS1606において算出したベロシティを用いて、このベロシティでパッドボタン3がノートオンされたものとして、識別する番号「0」のパッドボタン3の動作状態をノートオンとし、ステップS1610の処理を実行する(ステップS1607)。このベロシティでパッドボタン3がノートオンされことにより、ベロシティの数値に応じた楽音に対応した発音データがマイクロコントローラ7が信号処理を行うことにより生成される。
そして、この発音データは、電子楽器内部に設けられたデジタル信号処理部(DSP)に送信され、デジタル信号処理部(DSP)が発音データに基づいた音量や音色の楽音を音源9に設けられた図示しないスピーカにより発音する。
またここで、ステップ1604において、ホール素子2から出力された電圧がこのノートオン電圧値よりも大きくない場合には(ステップS1604のNO)、識別する番号「0」のパッドボタン3の動作状態をノートオンまたはノートオフに変える処理を行わず、そのままステップS1610の処理を実行する。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」に「1」を加えて「1」に設定し、ステップS1602以降の処理を繰り返し行う(ステップS1610)。
続いて、パッドボタン3に埋め込まれた磁石31のS極、N極の向きに応じて反転した、ホール素子から出力された電圧値に対して行うマイクロコントローラ7における反転処理について、図17に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。このマイクロコントローラ7における反転処理は、上述のノートオン電圧値とノートオフ電圧値の設定処理の後に実行される。まず、マイクロコントローラ7は、この処理を行う対象となるパッドボタン3を識別する番号「n」を最初に「0」に設定する(ステップS1701)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3に埋め込まれた磁石31のS極、N極の向きに応じてホール素子から出力された電圧値が反転した場合において上述のノートオン電圧値とノートオフ電圧値の設定処理で設定した、ノートオン電圧値、ノートオフ電圧値をRAM71から読み出し、ノートオフ電圧値がノートオン電圧値よりも大きいか否かを判定する(ステップS1702)。
次に、ノートオフ電圧値がノートオン電圧値よりも大きい場合には(ステップS1702のYES)、マイクロコントローラ7は、磁石31の向きに応じてホール素子から出力された電圧値が反転したものとして、この場合の操作者のパッドボタン3の押下操作によってホール素子2から出力された電圧からその電圧の絶対値を抽出し、この絶対値をホール素子2から出力された電圧として設定する(ステップS1706)。
一方、ノートオフ電圧値がノートオン電圧値よりも大きくない場合には(ステップS1702のNO)、マイクロコントローラ7は、磁石31の向きに応じてホール素子から出力された電圧値が反転していないものとして、この場合の操作者のパッドボタン3の押下操作によってホール素子2から出力された電圧を、そのままホール素子2から出力された電圧として設定する(ステップS1703)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」に「1」を加えて「1」に設定する(ステップS1704)。
次に、マイクロコントローラ7は、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さいか否かを判定し(ステップS1705)、小さい場合には(ステップS1705のYES)、ステップS1502以降の処理を繰り返し行う。一方、8個のパッドボタン3全てについてこのマイクロコントローラ7における反転処理が終了し、パッドボタン3を識別する番号「n」が「8」よりも小さくない場合には(ステップS1705のNO)、この反転処理を終了する。
従って、マイクロコントローラ7は、RAM71に記憶されたノートオフ電圧値が、RAM71に記憶されたノートオン電圧値よりも大きいか否かを判定し、ノートオフ電圧値がノートオン電圧値よりも大きい場合には、パッドボタンが押下操作されたときのホール素子から出力された電圧の絶対値を、ホール素子から出力された電圧値として設定する一方、ノートオフ電圧値がノートオン電圧値よりも大きくない場合には、パッドボタンが押下操作されたときのホール素子から出力された電圧を、ホール素子から出力された電圧値として設定する。この処理により、磁石31のS極、N極の向きを逆にして埋め込まれてホール素子2から負電圧が生じた場合であっても、ホール素子2から出力される電圧値に対してマイクロコントローラ7における反転処理を行い、常に正電圧をセレクタ5に対して出力させることが可能となる。
続いて、単一のパッドボタン3で複数の楽音を音源9に設けられた図示しないスピーカから同時に発音させる、パッドボタン3に複数音の構成音設定がされているモードについて説明する。このモードでは、上述のパッドスキャン処理のステップS1606の処理で算出したベロシティの数値の変化に応じて、パッドボタン3に構成音設定された複数音のそれぞれに対して設定されるベロシティが変動するモード、即ち、「Velocity Sensitiveモード」におけるノートオンの処理について、図18に示すフローチャート図に基づいて詳細に説明する。まず、マイクロコントローラ7は、上述のパッドスキャン処理のステップS1607の処理により、ベロシティで複数音の構成音設定がされたパッドボタン3がノートオンされたか否かを判定する(ステップS1801)。ノートオンされていない場合には(ステップS1801のNO)、処理を終了する。
次に、このパッドボタン3がノートオンされた場合には(ステップS1801のYES)、パッドボタン3の複数音のそれぞれの構成音に対してノートオンがされ、音源9に設けられた図示しないスピーカにより発音されたか否かを判定する(ステップS1802)。ここで、パッドボタン3の複数音のそれぞれの構成音に対して後述する第2のベロシティが設定され、それぞれの構成音がノートオンされている場合には(ステップS1802のYES)、処理は終了する。
次に、パッドボタン3に複数音の構成音設定がされ、ベロシティの数値に応じた楽音が発音されていない場合には(ステップS1802のNO)、マイクロコントローラ7は、複数音のそれぞれの構成音に対して第2のベロシティを設定する(ステップS1803)。即ち、それぞれの構成音に対して予め定められているベロシティとの比率割合に応じて第2のベロシティが設定される。
例えば、パッドボタン3に対して、2つの楽音に対応した「F3」、「C3」のコードが設定され、「F3」、「C3」の間に「2」:「1」の比率割合が予め定められている場合には、図12に示すように、ベロシティが「80」であるとすると、「F3」のコードに対する第2のベロシティとして、その「80」の数値にそのまま設定し、「C3」のコードに対する第2のベロシティとして、その「80」を「2」で除算した「40」の数値を設定する。
次に、マイクロコントローラ7は、複数音のそれぞれの構成音に対して設定した第2のベロシティが「1」よりも小さいか否かを判定する(ステップS1804)。
第2のベロシティが「1」よりも小さい場合には(ステップS1804のYES)、この第2のベロシティに対応した楽音の発音データを生成できず、音源9に設けられた図示しないスピーカから発音できないため、マイクロコントローラ7は、この第2のベロシティを発音データを生成できる範囲の下限値である「1」として設定する(ステップS1806)。
また、第2のベロシティが「1」よりも小さくない場合には(ステップS1804のNO)、マイクロコントローラ7は、ステップS1805の処理を実行する。
次に、マイクロコントローラ7は、複数音のそれぞれの構成音に対して設定した各第2のベロシティを用いて、これらの第2のベロシティでそれぞれの構成音をノートオンとし、ステップS1802の処理を実行する(ステップS1805)。なお、この「Velocity Sensitiveモード」とは異なる「Fixed Velocity」モードでは、ベロシティの数値に応じて、「F3」、「C3」のコードに対する第2のベロシティを変化させる処理を行わずに、予め「F3」、「C3」のコードに対して固定設定された数値を、ベロシティの数値に関わらずそのまま第2のベロシティとして設定する。
(本実施の形態における操作子の変形例)
図8(a)、(b)は、本実施の形態における操作子10の変形例の構成を示す説明図であり、操作子10の変形例におけるパッドボタン3、パッドフレーム32、パッドクッション33、基板1を示す正面断面図である。この変形例においては、パッドフレーム32のパッドボタン3を保持する部分において、パッドボタン3がその摺動面に沿って正確に鉛直方向にのみ摺動移動するように案内する摺動部321が設けられている。
また、パッドボタン3には、肉厚板状部分の上面にこの摺動部321を覆うように蓋状部分が成形されている。その他の構成については、図3、4、5、6に示す操作子10と略同様であり、説明を省略する。
この操作子10の変形例のおいては、操作者のパッドボタン3の押下操作のときにパッドフレーム32の摺動部321の摺動面をパッドボタン3の肉厚板状部分の側面が摺動することにより、図8(b)に示すように、パッドボタン3が摺動部321に案内されて正確に鉛直上下方向にのみ移動する。このため、操作者がパッドボタン3の蓋状部分上面の中央以外の一部を押下することにより、蓋状部分上面に均一に操作者の指の力が加わらない場合においても、正確に鉛直上下方向にのみパッドボタン3が移動する。
従って、パッドボタン3が傾いて磁石31が傾いた状態でホール素子2に近付くことで、押下操作で同じ押下強度であってもホール素子2から出力される電圧がばらついて不安定となることが防止され、押下強度に応じた電圧が安定して出力される。
なお、以上本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことも可能である。また、本発明の操作子は、電子楽器等に限られず、様々な電子機器、工業用製品に適用することも可能である。
磁界の強さに応じた大きさの電圧を出力するホール素子を用いた操作子において利用することが可能である。
操作子10の構成を示す説明図である。 パッドボタン3の構成を示す説明図である。 パッドボタン3をパッドフレーム32に取り付けた状態を示す説明図である。 パッドフレーム32にパッドボタン3を取り付け、更にパッドクッション33を取り付けた状態を示す説明図である。 パッドフレーム32にパッドボタン3、パッドクッション33を取り付け、更に基板1を取り付けた状態を示す説明図である。 操作子10の構成を示す説明図である。 操作子10の構成を示す説明図である。 操作子10の構成を示す説明図である。 ホール素子から出力された電圧値に対して反転処理を行うための反転回路を示す説明図である。 ホール素子2から出力される電圧と、ホール素子2と磁石31の距離、磁石31から発生した磁界の強さとの関係を示す説明図である。 ホール素子2に対して温度補償を行う温度補償回路を示す説明図である。 複数音の構成音設定がされたパッドボタン3におけるノートオンの処理を説明する説明図である。 最小電圧設定処理を示すフローチャートである。 最大電圧設定処理を示すフローチャートである。 ノートオン電圧、ノートオフ電圧設定処理を示すフローチャートである。 パッドスキャン処理を示す説明図である。 マイクロコントローラ7における反転処理を示す説明図である。 複数音の構成音設定がされたパッドボタン3におけるノートオンの処理を示す説明図である。
符号の説明
10 操作子
1 基板
2 ホール素子
3 パッドボタン
4 温度補償回路
5 セレクタ
6 オペアンプ
7 マイクロコントローラ
8 デジタル信号処理部
9 音源
31 磁石
32 パッドフレーム
33 パッドクッション
331 平坦部
332 支持部
333 R部

Claims (2)

  1. 所定形状の磁石を自身の下面全体が平坦となるように埋め込んだパッドボタンと、
    磁界の強さに応じた大きさの電圧を出力するホール素子を、前記磁石に対応する位置に取り付けた自身の上面が平坦な基板と、
    前記パッドボタンの平坦な下面と前記基板の上面との間に設けられた弾力性のあるパッドクッションと、を備え、
    前記パッドボタンが押下操作されていない場合には前記磁石と前記ホール素子との距離がこの両者が接触しない所定値に保たれる一方、前記パッドボタンが押下されるとその押下強度に応じて、前記磁石と前記ホール素子との距離が前記所定値よりも短くなるように構成され
    前記ホール素子から出力された電圧に基づいて処理を行う制御手段を更に備え、
    前記制御手段は、
    前記パッドボタンが押下操作されないときに前記ホール素子から出力された電圧が、予め定められた最小電圧値よりも小さい場合には、この前記ホール素子から出力された電圧を最小電圧値として設定し記憶する最小電圧値記憶手段と、
    前記パッドボタンが押下操作されたときに前記ホール素子から出力された電圧が、予め定められた最大電圧値よりも大きい場合には、この前記ホール素子から出力された電圧を最大電圧値として設定し記憶する最大電圧値記憶手段と、
    前記最大電圧値記憶手段に記憶された前記最大電圧値と、前記最小電圧値記憶手段に記憶された前記最小電圧値との差が所定電圧値以上の場合には、前記最大電圧値と前記最小電圧値との差から算出した数値を、前記操作子がオンされたことを示す範囲の下限電圧値を示すノートオン電圧値として設定するノートオン電圧値設定手段と、
    このノートオン電圧値から前記所定電圧値を減算した数値を前記操作子がオフされたことを示す範囲の上限電圧値を示すノートオフ電圧値として設定するノートオフ電圧値設定手段と、を備えたことを特徴とする操作子。
  2. 請求項1に記載の操作子において、
    前記磁石の向きに応じて反転した、前記ホール素子から出力された電圧値に対して反転処理を行う反転処理手段を備え、
    前記反転処理手段は、
    前記最小電圧値記憶手段に記憶された前記最小電圧値が、前記最大電圧値記憶手段に記憶された前記最大電圧値よりも大きいか否かを判定する電圧値判定手段と、
    前記最小電圧値が前記最大電圧値よりも大きい場合には、前記パッドボタンが押下操作されたときの前記ホール素子から出力された電圧の絶対値を、前記ホール素子から出力された電圧値として設定する一方、前記最小電圧値が前記最大電圧値よりも大きくない場合には、前記パッドボタンが押下操作されたときの前記ホール素子から出力された電圧を、前記ホール素子から出力された電圧値として設定する出力電圧設定手段と、を備えたことを特徴とする操作子。
JP2004139422A 2004-05-10 2004-05-10 操作子 Expired - Fee Related JP4201140B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004139422A JP4201140B2 (ja) 2004-05-10 2004-05-10 操作子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004139422A JP4201140B2 (ja) 2004-05-10 2004-05-10 操作子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005321592A JP2005321592A (ja) 2005-11-17
JP4201140B2 true JP4201140B2 (ja) 2008-12-24

Family

ID=35468935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004139422A Expired - Fee Related JP4201140B2 (ja) 2004-05-10 2004-05-10 操作子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4201140B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012185152A (ja) * 2011-02-15 2012-09-27 Canon Inc 力覚センサ、ロボット装置、ロボットハンド及び検出装置

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4578427B2 (ja) * 2006-03-28 2010-11-10 株式会社豊田中央研究所 応力温度測定装置
JP5187856B2 (ja) * 2009-11-20 2013-04-24 ビー・エル・オートテック株式会社 触覚センサ
JP5500957B2 (ja) 2009-11-26 2014-05-21 キヤノン株式会社 磁気式力覚センサ
WO2011074211A1 (en) 2009-12-15 2011-06-23 Canon Kabushiki Kaisha Magnetic force sensor
US9983757B2 (en) * 2012-01-20 2018-05-29 Microchip Technology Incorporated Inductive touch sensor using a flexible coil
CN108388005A (zh) 2013-07-04 2018-08-10 核心光电有限公司 小型长焦透镜套件
CN109120823B (zh) 2013-08-01 2020-07-14 核心光电有限公司 具有自动聚焦的纤薄多孔径成像系统及其使用方法
US9392188B2 (en) 2014-08-10 2016-07-12 Corephotonics Ltd. Zoom dual-aperture camera with folded lens
KR102263924B1 (ko) 2015-08-13 2021-06-11 코어포토닉스 리미티드 비디오 지원 및 스위칭/비스위칭 동적 제어 기능이 있는 듀얼-애퍼처 줌 카메라
CN111965919B (zh) 2016-05-30 2022-02-08 核心光电有限公司 旋转滚珠引导音圈电动机
WO2018007981A1 (en) 2016-07-07 2018-01-11 Corephotonics Ltd. Linear ball guided voice coil motor for folded optic
KR102261024B1 (ko) 2017-11-23 2021-06-04 코어포토닉스 리미티드 컴팩트 폴디드 카메라 구조
KR102091369B1 (ko) 2018-02-05 2020-05-18 코어포토닉스 리미티드 폴디드 카메라에 대한 감소된 높이 페널티
CN111936908B (zh) 2018-04-23 2021-12-21 核心光电有限公司 具有扩展的两个自由度旋转范围的光路折叠元件
WO2020039302A1 (en) 2018-08-22 2020-02-27 Corephotonics Ltd. Two-state zoom folded camera
WO2021220080A1 (en) 2020-04-26 2021-11-04 Corephotonics Ltd. Temperature control for hall bar sensor correction
KR20240001277A (ko) 2020-05-30 2024-01-03 코어포토닉스 리미티드 슈퍼 매크로 이미지를 얻기 위한 시스템 및 방법
US11637977B2 (en) 2020-07-15 2023-04-25 Corephotonics Ltd. Image sensors and sensing methods to obtain time-of-flight and phase detection information
WO2022259154A2 (en) 2021-06-08 2022-12-15 Corephotonics Ltd. Systems and cameras for tilting a focal plane of a super-macro image
WO2023079482A1 (en) * 2021-11-08 2023-05-11 Viscount International S.P.A. Electronic music keyboard

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012185152A (ja) * 2011-02-15 2012-09-27 Canon Inc 力覚センサ、ロボット装置、ロボットハンド及び検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005321592A (ja) 2005-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4201140B2 (ja) 操作子
US6815604B2 (en) Electronic percussion instrument
TWI277021B (en) Interactive multi-sensory reading system electronic teaching/learning device
US6815602B2 (en) Electronic percussion instrument with impact position-dependent variable resistive switch
US8410348B1 (en) Closing position sensor
US8013233B2 (en) Keyboard apparatus
US9583087B2 (en) Musical sound control device, musical sound control method, program storage medium and electronic musical instrument
US8481841B2 (en) Musical tone control system for electronic keyboard instrument
US8324488B2 (en) Pedal apparatus of an electronic musical instrument
US12003196B2 (en) Button type actuator, button type actuator feedback system comprising same, and control method therefor
US8859877B2 (en) Damper drive device for musical instrument, and musical instrument
JP5056197B2 (ja) 演奏支援装置及び演奏装置
CN107871491B (zh) 电子打击乐器及发音控制方法
JP2011107296A (ja) 電子鍵盤楽器
US20190304421A1 (en) Button with enhanced expression facilities
US10418011B1 (en) Button
JP2009210597A (ja) 打楽器
JP2016057374A (ja) 操作子の操作検出装置
JP4161914B2 (ja) 電子ドラム用打撃パッド及び電子ドラム
JPH0727513Y2 (ja) 鍵盤楽器用感圧センサ
US20230186885A1 (en) Electronic stringed instrument, musical sound control method and recording medium
EP0120690A2 (en) A remote control and transmission system for piano rendition
JP7052234B2 (ja) 圧力検出装置および電子打楽器
JP2579230Y2 (ja) 電子弦楽器
JP2004361985A (ja) 打楽器型楽音制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080731

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081001

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081001

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111017

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121017

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131017

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees