JP4200268B2 - 電磁リレーの製造方法、電磁リレー及び電磁リレーの製造装置 - Google Patents
電磁リレーの製造方法、電磁リレー及び電磁リレーの製造装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁リレーの製造方法、電磁リレー及び電磁リレーの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、製品を検査する検査装置による検査工程と、検査結果に基づいて特性調整を調整装置で行う調整工程とを組立工程に組み込んだ製造方法がある(特開平7−13609号公報参照)。また、製品系列の番号をバーコード化し、バーコード番号をキーとして、生産・品質の実績データを収集する製品の検査工程の管理に係る方法もある(特開昭63−285999号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者の従来例では、検査装置(後工程)より、特性調整工程(前工程)へ検査結果のフィードバックを行うために無駄な時間が発生するという問題があった。すなわち、特性調整の目標値の修正結果が検査結果に反映されるまでに、多くのワークが後工程へ流れてしまうという問題があった。また、後者の従来例では、品質の管理は可能であるが、品質の制御が不可能であるという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、電磁リレーの品質安定が図れる製造方法、品質が安定した電磁リレー、該電磁リレーを製造することができる製造装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、電磁リレーを構成する各部品要素の所定の特性を測定する複数の特性測定工程と、特性測定された部品要素を順次組み付ける複数の組立工程と、順次組立工程を経る度に各工程で得られる部品ブロックあるいは全ての組立工程を経て得られる電磁リレーの特性を特性調整手段で調整する特性調整工程と、特性調整工程による調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性検査手段で検査する特性検査工程とを有する電磁リレーの製造方法において、各部品要素の特性測定工程に、それぞれの部品要素にIDをバーコードで付与するバーコード付与手段を備え、部品要素の特性測定データはそれぞれに付与したバーコードで示すIDに対応付けてデータベースに登録するとともに、部品ブロック並びに電磁リレーの特性測定データは当該部品ブロックあるいは電磁リレーを構成する何れかの部品要素のID又は何れの部品要素のIDとも異なり且つバーコード付与手段によって付与するバーコードで示す新たなIDに対応付けて前記データベースに登録し、特性調整工程においては部品ブロック並びに電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている各部品要素の特性測定結果を前記データベースから読み出し、読み出した特性測定結果に基づいて部品ブロック又は電磁リレーの所定の特性の調整目標値を調整目標値演算手段で演算し、該調整目標値を前記部品ブロックあるいは電磁リレーに付与されたバーコードのIDに対応付けて前記データベースに登録するとともに、特性調整手段で調整目標値に基づいた特性調整を行うことを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記調整目標値演算手段による調整目標値の演算を、部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果の値の関数で調整目標値を表す関係式を用いて行うことを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記調整目標値演算手段は、前記調整目標値と、部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果との対応関係を表したテーブルから当該調整目標値を演算することを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記関係式が、調整対象の部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性値に所定の係数を乗じた項を含むものであり、当該部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果が複数ある場合に、前記調整目標値演算手段は、前記係数の値が所定の条件を満たす項のみを含む関係式を用いて最終的な調整目標値の演算を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記特性検査工程で特性調整後の部品ブロック並びに電磁リレーのバーコードを読み取って、該バーコードで示されるIDに対応付けて、特性検査手段による特性検査結果を前記データベースに登録し、前記特性検査手段による特性検査結果に応じて前記特性調整手段により当該部品ブロックの特性を再調整する際に、バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている前回の調整目標値並びに前記特性検査結果を前記データベースから読み出し、当該調整目標値及び特性検査結果に基づいて前記調整目標値演算手段にて新たな調整目標値を演算するとともに、前記特性調整手段により該調整目標値に基づいた特性調整を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、前記特性検査手段による部品ブロック又は電磁リレーの特性検査結果に応じて、前記特性調整工程における前記特性値の許容範囲を変化させることを特徴とする。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、前記特性検査手段による部品ブロック又は電磁リレーの特性検査結果に応じて、当該部品ブロック又は電磁リレーの特性に関連する部品要素の前記特性測定手段による特性測定結果に対する許容範囲を変化させることを特徴とする。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、電磁リレーの品種に関連するデータを前記バーコードのIDに対応付けて前記データベースに登録し、前記特性調整工程並びに特性検査工程においては前記バーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている前記品種に関連するデータを前記データベースから読み出し、読み出したデータに応じて調整目標値及び検査結果の許容範囲を変更することを特徴とする。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、前記特性検査工程では、特性調整後の部品ブロック又は電磁リレーのバーコードを読み取って、該バーコードで示されるIDに対応付けて、特性検査手段による検査結果を上記データベースに登録し、前記特性調整工程においては、部品ブロック又は完成された電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている各部品要素の特性測定結果を前記データベースから読み出し、読み出した特性測定結果又は前記特性検査手段による検査結果を切り替えて、何れか一方を調整目標値演算手段に与え、与えられた結果に基づいて調整目標値演算手段により前記部品ブロック又は電磁リレーの所定の特性の調整目標値を演算させることを特徴とする。
【0014】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、新たなロットの調整目標値を演算する際に、新たなロットの電磁リレーの1個目から所定個数目までの調整目標値演算に、前のロットの電磁リレーの製造時に前記データベースに登録収集した前のロットの各部品ブロック又は電磁リレーの検査結果を用い、所定個数目を超える個数に対応する調整目標値を演算する際には、1個目から所定個数まで製造された各部品ブロック又は電磁リレーに対応してデータベースに登録収集されている各部品要素の特性測定結果を前記検査結果から切り替えて用いることを特徴とする。
【0015】
請求項11の発明は、請求項1の発明において、調整目標値演算手段によって、少なくとも一つの部品要素の特性測定結果から演算される調整目標値と、少なくとも一つの検査結果から演算される調整目標値を用いて最終的な調整目標値を算出することを特徴とする。
【0016】
請求項12の発明は、請求項2の発明において、前記調整目標値により調整した部品ブロック又は電磁リレーの特性の検査を行って当該検査結果と予め想定した検査結果とを比較し両者が異なり且つ不良と判断される場合には、前記関係式を修正した上で調整目標値の再演算を行い、この演算結果により再調整を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項13の発明は、請求項3又は11の発明において、演算された調整目標値を用いて特性調整工程で調整対象の部品ブロック又は電磁リレーを調整した後、特性検査工程での特性検査を行う際に、この検査により得られた検査結果が予め予想される検査結果から所定範囲を超えた場合に異常と判断して通知することを特徴とする。
【0018】
請求項14の発明は、請求項1〜13の何れかの発明において、特性調整工程では、同じ特性調整を行う特性調整手段を備えた調整用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性調整を何れかの調整用ステーションの特性調整手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーに係る部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする。
【0019】
請求項15の発明は、請求項14の発明において、特性検査工程での検査結果に基づいて各調整用ステーションで特性調整された部品ブロック又は電磁リレーの歩留まりを各調整用ステーションのID毎に算出して、歩留まりの悪い調整用ステーションを抽出する工程を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項16の発明は、請求項1〜13の何れかの発明において、特性検査工程では、同じ特性検査を行う特性検査手段を備えた検査用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性検査を何れかの検査用ステーションの特性検査手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値、検査結果を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、検査を行った検査用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする。
【0021】
請求項17の発明は、請求項16の発明において、特性検査工程での検査結果に基づいて各検査用ステーションで特性検査された部品ブロック又は電磁リレーの歩留まりを各検査用ステーションのID毎に算出して、歩留まりの悪い検査用ステーションを抽出する工程を備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項18の発明は、請求項1〜13の何れかの発明において、特性調整工程では、同じ特性調整を行う特性調整手段を備えた調整用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性調整を何れかの調整用ステーションの特性調整手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録し、特性検査工程では、同じ特性検査を行う特性検査手段を備えた検査用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性検査を何れかの検査用ステーションの特性検査手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値、検査結果及び調整ステーションのIDを、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、検査を行った検査用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする。
【0023】
請求項19の発明は、請求項18の発明において、特性検査工程での検査結果に基づいて各検査用ステーションで特性検査された部品ブロック並びに電磁リレーの歩留まりを各調整用ステーションのIDと各検査用ステーションのIDとの組み合わせ毎に算出して、歩留まりの悪い組み合わせ関係にある調査用ステーションと検査用ステーションを抽出する工程を備えたことを特徴とする。
【0024】
請求項20の発明は、請求項14の発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、当該再調整の回数が所定のしきい値を越える場合に当該部品ブロック又は電磁リレーを不良と判断し、当該不良と判断した部品ブロック又は電磁リレーに係る部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、当該特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする。
【0025】
請求項21の発明は、請求項20の発明において、前記特性調整工程における再調整の回数を、当該特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDに関連付けて登録することを特徴とする。
【0026】
請求項22の発明は、請求項20又は21の発明において、前記組立工程において部品要素を交換した場合に、前記特性調整工程における再調整の回数をゼロにリセットすることを特徴とする。
【0027】
請求項23の発明は、請求項22の発明において、前記組立工程で部品要素を交換した後の前記特性調整工程においては、当該部品ブロック又は電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されているIDが付与された調整用ステーションにて特性調整を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項24の発明は、請求項1の発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロックの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲外であるが予め設定した警告範囲内に収まる場合には、当該部品ブロックに付与されているバーコードで示されるIDに対応付けて、特性値が前記警告範囲内であることを示すラベルを前記データベースに登録することを特徴とする。
【0029】
請求項25の発明は、請求項24の発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロックの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、当該再調整の回数が所定のしきい値を越えたときに、当該再調整後の特性値が前記警告範囲内に収まる場合に前記ラベルを登録することを特徴とする。
【0030】
請求項26の発明は、請求項24又は25の発明において、前記ラベルに対応付けたIDを示すバーコードが付与された部品ブロックにて構成される電磁リレーの特性検査結果が所定の規格内に収まっている場合、前記特性調整工程において、前記警告範囲を含む範囲を新たな許容範囲とすることを特徴とする。
【0031】
請求項27の発明は、請求項1〜26の何れかに記載の製造方法によって製造される電磁リレーであって、複数の部品要素並びに部品ブロックを順次組み付けて構成され、部品要素又は部品ブロックの特性測定結果、特性調整の目標調整値、検査結果をデータベースに対応付けて登録するためのIDを示すバーコードを、少なくとも完成状態で外部より読み取り可能な部位に印して成ることを特徴とする。
【0032】
請求項28の発明は、請求項1〜26の何れかに記載の製造方法によって請求項27記載の電磁リレーを製造する電磁リレーの製造装置であって、特性測定工程で得られる特性測定結果のデータを特性測定手段から取得する特性測定工程用のネットワーク端末と、特性調整工程で得られる調整目標値のデータを調整目標値演算手段から取得する特性調整工程用のネットワーク端末と、特性検査工程で得られる特性検査結果のデータを特性検査手段から取得する特性検査工程用のネットワーク端末と、各ネットワーク端末との間でネットワークを通じて通信を行う管理用サーバーとを備え、各部品ブロック並びに電磁リレーに付与されたバーコードで示すIDに対応付けて、前記各データをそれぞれのネットワーク端末から受信して登録するとともに、調整目標値の演算や、再度の特性調整時に、調整目標値の演算に用いるデータとして登録されている調整目標値や検査結果が各工程用のネットワーク端末により読み出されるデータベースを前記管理用サーバーに設けたことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
まず、本実施形態における電磁リレーについて簡単に説明する。この電磁リレーは、図3及び図4に示すように両端が磁極部11a,11bとなるようにコイル12が巻装されたコ字状の鉄心11と、長手方向の中央部で揺動自在に枢支され、両端部13a,13bが鉄心11の各磁極部11a,11bに対向するアマチュア(接極子)13と、両端部に可動接点15a,15bが固着され、アマチュア13の長手方向に略平行に沿うように中央部にて成型体17によりアマチュア13と一体に形成された接点ばね16と、可動接点15a,15bが接離自在に接触する固定接点18a,18bと、鉄心11の両磁極部11a,11b間に配設され、中央部と両端部19a,19bがそれぞれ異極に着磁された永久磁石19とを備えている。なお、永久磁石19の中央部では一方の端部19b側に偏って着磁されており、他方の端部19aに対して上記端部19bの起磁力が大きくなっている。また、接点ばね16には成型体17の側方に突出してアマチュア13及び成型体17を揺動自在に支持する支持片(図示せず)が形成されている。
【0034】
次に、上記電磁リレーの動作について簡単に説明する。この電磁リレーでは、コイル12への通電が停止されている定常時には、図3(a)に示すように永久磁石19の起磁力でアマチュア13の一方の端部13bが鉄心11の一方の磁極部11bに吸着された状態になっている。このとき、接点ばね16の一方の端部に固着されている常閉(NC)側の可動接点15bが固定接点18bと接触している。いま、アマチュア13の吸着されていない側の端部13aが鉄心11の他方の磁極部11aに吸着されるようにコイル12に通電を行うと、アマチュア13の上記端部13aが鉄心11の上記磁極部11aに吸引され、アマチュア13が揺動して鉄心11の磁極部11aに吸着される。この際、接点ばね16の他方の端部に固着されている常開(NO)側の可動接点15aが固定接点18aと接触する。この状態はコイル12に通電を行っている間保持される。そして、コイル12への通電を停止すると、上述したように永久磁石19の起磁力が偏っているために、アマチュア13の一方の端部13bが鉄心11の一方の磁極部11bに吸着された上記定常状態に復帰する。
【0035】
このように本実施形態の電磁リレーは、コイル12への通電を停止した状態では常閉接点が閉成し、コイル12への通電を行っている状態では常開接点が閉成する、いわゆる単安定型のバランスアマチュアタイプのものである。
【0036】
図1は本実施形態の製造装置全体の概要図を示しており、同図中に一点破線で囲んだI〜Vは部品要素(以下、部品と称する)から部品ブロック(以下、半完成品と称する)を経て最終完成品(完成された電磁リレー)を得るまでの工程を示しており、工程Iは、電磁リレーを組み立てる際の最初の組み付けに用いる部品a(例えば、コイル12が巻装された鉄心11に永久磁石19を組み付けたもの)の特性を測定する工程を示し、工程IIは、他の部品b(例えば、成型体17によって接点ばね16が一体に形成されたアマチュア13)の特性を測定するとともに測定後の部品bを部品aに組み付けて半完成品Aを得る工程を示す。ここで、説明を簡単にするために半完成品Aを得る工程をI,IIの2つの工程で示すが、本来的には製造しようとする半完成品Aの組み付ける部品点数に対応した工程が存在するものである。また、半完成品Aも一つとは限らず製造しようとする電磁リレーの部品点数に対応した数の半完成品が存在し、これらの半完成品同士並びに半完成品と部品の組み付けによって最終的な完成品が得られるのである。さて上記半完成品Aを得た後の工程IIIは半完成品Aの特性調整を行う工程を示し、工程IVは半完成品Aの特性を検査する工程を示し、工程Vは暫定的な完成品Bの特性を検査して、最終完成品を得る工程を示している。
【0037】
図2は図1に示した本実施形態の製造装置におけるデータの管理システムの概要を示しており、各工程においては、データ登録手段2a〜2gや、後述する演算処理部5などを構成するクライアント用のコンピュータPC1〜PC4が設けられ、これらのクライアント用コンピュータPC1〜PC4がネットワークNWを介して管理用サーバKPに接続され、管理用サーバKP側に設けたデータベースDBに対するデータの登録や、読み出しがネットワークNWを介して行われるようになっている。但し、以下の説明でデータベースDBに対するデータの登録や読み出しは管理用サーバKPとの間でネットワークNWを介した通信により行われるものとし、この通信に関しては従来周知の技術を用いて実現可能であるから説明を省略する。
【0038】
次に各工程I〜Vにおける処理を図1に基づいて説明する。
【0039】
まず、工程Iでは部品aの特性を測定する特性測定手段1aが設けられ、この特性測定手段1aにより部品a固有の特性を測定する。例えば、部品aが上記コイル12が巻装された鉄心11に永久磁石19を組み付けたものであれば、永久磁石19の吸引力などである。
【0040】
この測定結果に対応付けて部品aを特定する固有のIDを生成するとともに、データベースDBに当該IDに対応付けて部品aの特性データ(上記測定結果のデータ)を登録するデータ登録手段2aと、データ登録手段2aにより生成された上記IDをバーコードとして部品aに印刷、レーザ等による焼き付けなどの適宜の方法で付与するバーコード付与手段3aとを工程Iに備える。なお、部品aにバーコードを印す位置は以降の工程III〜Vに設けられるバーコード読み取り手段4a〜4eが読み取り可能な位置に設定されることは勿論である。この工程Iで特性測定結果のデータベースDBへの登録とIDを示すバーコードを付与した後、部品aは次の工程IIに送られる。
【0041】
工程IIでは部品bの特性を測定する特性測定手段1bが設けられ、この特性測定手段1bにより部品b固有の特性を測定する。例えば、上記成型体17によって接点ばね16が一体に形成されたアマチュア13であれば、接点ばね16のばねコンプライアンスなどである。
【0042】
そして、この測定結果に対応付けて部品bを特定する固有のIDを生成するとともに、データベースDBに当該IDに対応付けて部品bの特性データ(上記測定結果のデータ)を登録するデータ登録手段2bと、データ登録手段2bにより生成された上記IDをバーコードとして部品bに印刷、レーザ等による焼き付けなどの適宜の方法で付与するバーコード付与手段3bとを工程IIに備える。なお、部品bにバーコードを印す位置もまた以降の工程III〜Vに設けられるバーコード読み取り手段4a〜4eが読み取り可能な位置に設定されることは勿論である。さてこの工程IIにおいて、部品bを部品aに組み付けることで半完成品Aが組み立てられ、この半完成品Aが次の工程IIIに送られることになる。
【0043】
ここで、工程IIIは3つのサブ工程III-1,III-2,III-3からなり、サブ工程III-1は半完成品Aの調整前の特性を測定する工程を示し、サブ工程III-2は調整前の特性測定が終了した半完成品Aの特性を調整する工程を示し、サブ工程III-3は特性調整後の半完成品Aの特性を測定する工程を示している。まずサブ工程III-1に半完成品Aが送られてくると、バーコード読み取り手段4aが部品a,bに印されたバーコードを読み取って付与されているIDデータをデータ登録手段2cに渡す。また、半完成品Aの調整前の特性(例えば、アマチュア13を常閉状態から常開状態へ移行させるために必要なコイル12への印加電圧である感動電圧)を測定する特性測定手段1cが測定結果をデータ登録手段2cに渡す。
【0044】
一方、データ登録手段2cは、部品a,bの何れか一方(例えば、部品a)のIDを、以降の工程III-2,III-3,IV,Vにおける工程管理のための属性IDとして採用し、当該IDに対応付けて半完成品Aの調整前の特性測定結果並びに部品bの特性測定結果のデータをデータベースDBに登録する。すなわち、これ以降は部品aに付与されたIDが半完成品A、完成品B並びに最終完成品のIDとして用いられることになる。但し、部品a又はbのIDを採用する代わりに、これらのIDと異なるIDをバーコードとして半完成品Aに付与するようにしても構わない。
【0045】
サブ工程III-1からサブ工程III-2に半完成品Aが送られてくると、バーコード読み取り手段4bが半完成品Aのバーコード(いまの場合は部品aに印されたバーコード)を読み取って付与されているIDデータを演算処理部5へ渡す。演算処理部5は照合手段5aにより当該IDに対応してデータベースDBに登録されている部品a,bの特性測定結果を読み出す(照合する)。そして、読み出した特性測定結果と、予め登録されている各部品a,bに対応して設定されている規格としての特性値とに基づいて半完成品Aの所定の特性の調整目標値を調整目標値演算手段5bによって演算し、その演算結果と調整前に測定した特性測定結果とに基づいて特性調整手段6による特性調整量を決定し、特性調整手段6を制御して半完成品Aの上記特性を調整目標値に一致させるように調整する。なお、上記調整目標値のデータはデータ登録手段2dによって上記IDに対応付けてデータベースDBに登録される。
【0046】
そして、調整後の半完成品Aは次のサブ工程III-3に送られる。このサブ工程III-3では、バーコード読み取り手段4cが半完成品Aのバーコードを読み取って付与されているIDデータをデータ登録手段2eへ渡す。そして特性測定手段1dにより調整後の半完成品Aの特性を測定し、測定結果が予め設定されている特性値の許容範囲内に収まっているか否かを判定し、その測定結果をデータ登録手段2eに渡すとともに、測定結果が上記許容範囲を外れる場合には、特性の再調整を行うために当該半完成品Aを最初のサブ工程III-1に戻す。そして、データ登録手段2eでは、バーコード読み取り手段4cで読み取った上記IDに対応付けて特性測定手段1dによる上記特性測定結果をデータベースDBに登録する。
【0047】
サブ工程III-3で特性測定結果が許容範囲内に収まっていると判定された半完成品Aは次の工程IV、つまり特性検査工程へ送られる。この工程IVでは、まずバーコード読み取り手段4dが半完成品Aのバーコードを読み取って付与されているIDデータをデータ登録手段2fへ渡す。そして特性検査手段7aにより半完成品Aの所定の特性が予め設定される規格を満たすか否かの検査を行い、検査において規格を満たす場合にその半完成品Aは良品と判断されて、次の工程Vに送られる。一方、検査において規格を満たさない場合には、その半完成品Aは不良品と判断されて次の工程Vには送られず、必要に応じて工程IIIに戻して再調整が行われる。そして、データ登録手段2fでは、バーコード読み取り手段4dで読み取った上記IDに対応付けて特性検査手段7aによる上記検査結果(良不良の判断結果並びに特性検査結果の値)をデータベースDBに登録する。なお、特性検査は1種類だけとは限らず、図示例では、例えば最初の特性検査(検査1)で感動電圧の検査を行い、2番目の特性検査(検査2)で加速試験等の検査を行っている。
【0048】
最後の工程Vは最終完成品を得るための特性検査工程であって、まずバーコード読み取り手段4eが良品と判断された半完成品A、すなわち暫定的な完成品Bのバーコードを読み取って付与されているIDデータをデータ登録手段2gへ渡す。そして特性検査手段7bにより電磁リレーの規格として設定されている特性値が得られるか否かを検査し、この検査において規格を満たす場合には良品と判断され、最終完成品となる。一方、検査において規格を満たさない場合には良品と判断されず、必要に応じて工程IIIに戻して再調整等が行われる。そして、データ登録手段2gでは、バーコード読み取り手段4eで読み取った上記IDに対応付けて特性検査手段7bによる上記検査結果(良不良の判断結果並びに特性検査結果の値)をデータベースDBに登録する。
【0049】
このようにして部品aに付したIDに基づいて組み付ける部品bや半完成品Aの特性、特性調整を行った際の特性調整量、並びに検査結果がデータベースDBに登録されることで、このIDに基づいて製造された電磁リレーの部品の特性測定結果、完成品の検査結果、また特性調整時の調整量をデータベースDBから読み出すことができて、製品である電磁リレーの製造管理及びその品質の制御が容易に行えることになる。
【0050】
ところで、上記特性調整の工程IIIにおいて調整する特性は、具体的には電磁リレーとしての特性検査に一番影響のあるもの、例えば上述した感動電圧である。一方、調整対象の特性を感動電圧とした場合、部品aの測定対象の特性は永久磁石19の吸引力となり、部品bの測定対象の特性は接点ばね16のばねコンプライアンスとなる。既に説明したように永久磁石19は中央部と両端部19a,19bが異極に着磁されるものであり、その着磁には従来周知の着磁装置が用いられる。永久磁石19の吸引力そのものを測定することが困難な場合には、電磁石を利用する上記着磁装置の着磁電圧あるいは、永久磁石19を着磁する際の着磁位置を吸引力の代用特性とすることも可能である。また、接点ばね16のばねコンプライアンスは、アマチュア13に作用する磁気吸引力の変化に対する接点ばね16の変位量、すなわち接点ばね16のばね負荷曲線の傾きを表している。
【0051】
而して、感動電圧を調整する方法としては、例えば、部品bの接点ばね16をいわゆるレーザフォーミングにより曲げ加工する方法があり、このときの曲げ量で接点ばね16のばねコンプライアンスを調整することが可能であって該曲げ量が特性調整量に対応する。すなわち、特性調整手段6で接点ばね16をレーザフォーミングにより曲げ加工し、その曲げ量を調整することで特性(感動電圧)を調整目標値に一致させるように調整を行うのである。
【0052】
さて本実施形態の調整目標値演算は次のように行う。すなわち、図5(a)に示すように同一のID(同図では@を先頭に付した5桁の数字で示されている)に対応する属性データ中、例えば演算処理部5では部品aの特性測定値(永久磁石19の吸引力)X1並びに部品bの特性測定値(接点ばね16のばねコンプライアンス)X2を読み出し、図5(b)に示すように調整目標値演算手段5bにより各々の特性測定値X1,X2と調整目標値Y1,Y2との間にX1とY1及びX2とY2の関数で表される関係式を導入し、この関係式によって個々に算出された調整目標値Y1,Y2から最終的な調整目標値Yを算出するようにしている。
【0053】
次に上記調整目標値演算の具体的な方法について説明する。
【0054】
まず最終的な目標値Yを算出する上では、上述した調整目標値の演算に関係式を用いるが、その関係式が複数のパラメータ(属性データ)を持つ方法を採用する。ここで部品aの特性測定値(永久磁石19の吸引力)X1並びに部品bの特性測定値(接点ばね16のばねコンプライアンス)X2と各調整目標値Y1,Y2との関係式を以下に示す。但し、これらの関係式は1次関数になるとは限らない。
【0055】
Y1=5X1+2
Y2=6X2−1.5
ここで各々の関係式の傾きを用いて
Y=5X1+6X2+C(Cは定数)
と表したとき、あるX1,X2のときのYの値を上式に代入して、Cを求める。
【0056】
例えばX1=10(但し、9.8mNを1として正規化した値)、X2=0.5(但し、1mmを9.8mNで除した値を1として正規化した値)、Y=60%Vの場合、C=7となり、最終的にY=5X1+6X2+7という関係式が得られる。
【0057】
このように部品a,bの特性測定値の関数で調整目標値を表す関係式を用いて調整目標値の演算を行うようにすれば、調整目標値の演算が定量的に行え、そのため部品a,bの特性測定値がどのくらい特性検査結果に効くかを予測することができるという利点がある。
【0058】
上記関係式をテーブルで表しても良い。つまり調整目標値Y1,Y2と永久磁石19の吸引力X1及び接点ばね16のばねコンプライアンスX2の関係が複雑で式に表しにくい場合、テーブルで表現することで、上記吸引力X1及びばねコンプライアンスX2によって容易に調整目標値Yを求めることができる。表1〜表3はこのテーブルの例を示している。なお、以下の説明では永久磁石19の吸引力X1を9.8mNを1として正規化した値で表し、接点ばね16のばねコンプライアンスX2を1mmを9.8mNで除した値を1として正規化した値で表す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
さて、上述のように複数の部品特性測定値を用いて、それぞれの調整目標値を演算し、これらの調整目標値を用いて最終的な調整目標値を演算する場合において、それぞれの調整目標値の関係式における係数(1次式の場合には比例定数)と予め設定している閾値とを比較し、係数が大きい関係式を採用するようにしても良い。
【0063】
ここで5つの部品特性測定値を用いる例の場合について説明する。
【0064】
この場合、それぞれの部品特性測定値に対応する調整目標値Y1〜Y5は以下の様に表される。
【0065】
Y1=α1X1+β1
Y2=α2X2+β2
Y3=α3X3+β3
Y4=α4X4+β4
Y5=α5X5+β5
そしてこれらを纏めると、
Y=α1X1+α2X2+α3X3+α4X4+α5X5+C
となる。尚Cは定数である。
【0066】
ここで上記のα1〜α5とCの値は実験や過去のデータから求められるが、採用する部品特性測定値(パラメータ)が多くなると、Cの値が一意的に求められない場合が多い。そこでα1〜α5の値と、予め設定した閾値αを比較して、閾値αの方が大きい場合、用いる部品特性測定値の値が変わっても調整目標値の変化が少ないため、その部品特性測定値を無視する。
【0067】
例えば、α<α1、α4 、またα>α2、α3、α5の場合、調整目標値は部品特性測定値X1、X4のみを用いて、
Y=α1X1+α4X4+C
とすることで、パラメータ(部品特性測定値)を減らすことができ、演算を容易にすることができる。
【0068】
さて、上述の工程IV又は工程Vにおいて不良と判断した半完成品A又は完成品Bを工程IIIへ戻して再調整を行うのであるが、このとき、再調整時の調整目標値の再演算も演算処理部5が行う。この際調整時の調整目標値の演算の例を以下に説明する。
【0069】
例えば部品aに付与されたIDが@00001に属する半完成品A又は完成品Bが再調整対象となって、その特性検査後のデータ構造が、
@00001
+60 …1回目の調整目標値(感動電圧)
+65 …特性検査結果値(感動電圧)
+不良 …特性検査の良否判断
であって、特性検査の良品幅(規格値)が50%V〜60%Vと設定されている場合、当該半完成品A又は完成品Bは特性検査目標値の中央値から5%V外れていることになる。そこで工程IIIで再調整を行うにあたって、演算処理部5の調整目標値演算手段5bは、以下の関係式より再調整時の調整目標値を再度求める。
【0070】
Y( 2回目 )=Y(1 回目 )−△Y
△Y=γ×特性検査結果の誤差(この場合は5%V) (尚γは定数)
ここで仮にγ=0.5とすると、△Y=2.5となる。よって再調整時の調整目標値は62.5%Vとなる。
【0071】
この調整目標値に基づいて1回目と同様に特性調整手段6によって特性調整が行われることになる。尚このときの再調整時の調整目標値とその後の検査結果は、バーコードにより示されるIDに基づいてデータベースDBにデータ登録手段2d,2gによりそれぞれ書き込まれる。
【0072】
このようにして特性検査で不良と判断された半完成品A又は完成品Bも再調整を行うことで、良品とすることができるのである。
【0073】
図6は本実施形態のおおまかな処理の流れを示しており、スタート後、工程I,IIからなる部品a,bの特性測定工程(S1)を終了後、2つの部品a,bを組み立てて得られる半完成品Aが工程IIIに送られ(S2)、工程IIIでは半完成品Aのバーコードを読み取り(S3)、次に読み取ったバーコードのIDに基づいて部品特性測定値をデータベースDBからロードし(S4)、調整目標値を演算処理部5で演算する(S5)。この演算後、特性調整手段6で特性調整を行い(S6)、調整後の特性値が許容範囲内に収まっているか否かを判定し(S7)、収まっていなければステップS3に戻って再度特性調整を繰り返し、許容範囲内に収まっていれば、そのときの調整目標値をデータベースDBに登録する(S8)。そして次の工程IVに入ると、半完成品Aのバーコードを読み取り(S9)、次に特性検査手段7で特性検査を行い(S10)、その検査結果をデータベースDBに登録する(S11)とともに、その検査結果値が規格した範囲内に有るか否かを判断し(S12)、範囲内に有れば良品とするが(S13)、範囲外であれば再調整のためにステップS3に戻る。なお、工程Vにおける処理は工程IVにおける処理とほぼ共通であるから説明は省略する。
【0074】
ところで、検査工程IV,Vで不良と判断された半完成品A又は完成品Bの再調整を行うことが困難な場合には、以下のような処理を行うことが望ましい。すなわち、半完成品A又は完成品Bの不良率が上昇傾向となった場合に特性調整工程(工程III)における許容範囲を狭くするのである。通常は特性調整工程における許容範囲に対して特性検査工程(工程IV,V)における規格範囲が広くなっているので、特性調整工程における許容範囲を狭くすることで特性検査工程において規格範囲を外れる不良品の発生率(不良率)を低減することができる。例えば、特性調整工程における初期の許容範囲を50%V〜60%V、特性検査工程における規格範囲を50%V〜70%Vとした場合、不良率が所定のしきい値を越えたときに特性調整工程における許容範囲を50%V〜55%Vとするのである。なお、特性調整工程における許容範囲を狭くする代わりに、例えば着磁装置の設定を調整して部品aの永久磁石19の吸引力を変えることで不良率の低減を図ることができる。
【0075】
(実施形態2)
本実施形態は、電磁リレーの品種に関連するデータをバーコードのIDに対応付けてデータベースDBに登録し、特性調整の工程III並びに特性検査の工程IV,Vにおいてはバーコードを読み取って、バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている品種に関連するデータをデータベースDBから読み出し、読み出したデータに応じて調整目標値及び検査結果の許容範囲を変更する点に特徴がある。
【0076】
ここで、電磁リレーの品種に関連するデータとしては、例えば電磁リレーの型(シングルスティブル型、ラッチング型)、定格電圧(1.5V,3V,…,12V,24Vなど)あるいは極性(正極又は逆極)などの品種を表すデータ(以下、品種コードという)と、各品種コードに対応する調整目標値の許容範囲や検査結果の規格範囲などのデータがある。
【0077】
而して、従来の製造工程において品種(例えば定格電圧)が異なる2種類の電磁リレーを製造する場合、図7(a)に示すように一方の品種ロのロットの製造が終了するまでは他方の品種イの部品を工程に流すことができず、工程が稼働しない無駄な時間が生じてしまう。
【0078】
それに対して本実施形態では、各部品a,b等のIDに対応付けて品種コード等のデータをデータベースDBに登録して管理しているので、図7(b)に示すように一方の品種ロに連続して他方の品種イの製造を行っても、各工程I〜Vにおいてバーコードで示されるIDに対応付けてデータベースDBから品種コード等のデータを読み出し、各々の品種に応じた部品の組み合わせ、調整目標値の許容範囲、検査結果の規格範囲等をリアルタイムで切り替えることができ、従来のように品種の切替時にも全ての工程が稼働しており、無駄な時間が生じることがないものである。故に、各工程I〜Vにおける品種の管理が不要となり、複数の品種が混在する場合の生産性の向上が図れる。
【0079】
(実施形態3)
実施形態1では、演算処理部5の調整目標値演算手段5bが部品の特性測定値を用いて調整目標値の演算を行っているが、本実施形態では、例えば部品の特性測定値を用いて調整目標値を演算する場合と、既に製造された半完成品A又は完成品Bの特性検査工程IV,Vにおける特性検査結果を用いて調整目標値を演算する場合とを任意に選択してデータベースDBから読み出すように切り替える手段(図示せず)を備えている点に特徴がある。
【0080】
次のこの切り替え手段を用いて調整目標値の演算の精度を上げる方法の例を説明する。
【0081】
この方法は切り替え手段を用いて、同一ロット内では最初のN個の製造に当たっては、データベースDBに登録されている前のロットの特性検査結果のデータを利用して調整目標値を演算し、不良発生時には、実施形態1において説明した再調整方法の何れかを用いて再調整を行う。
【0082】
そしてN個の半完成品A又は完成品Bの製造が終了するまでの間は、それぞれ部品特性測定値、調整目標値、特性検査結果をデータベースDBに登録しておき、N+1個目以後の製造時にはN個までに収集した部品特性測定値を用いて調整目標値を演算する。この場合、N個のデータに基づいて前のロットとの違いのある部品特性測定値の関係式の係数を修正し、調整目標値を算出する。このようにすることで調整目標値の演算の精度を上げることができるのである。
【0083】
なお、上記N個のNの数を任意に設定するスイッチ手段(図示せず)を付加することでデータ収集の個数の設定を任意にすることができる。
【0084】
(実施形態4)
上記実施形態1では、最終的な目標調整値を算出する方法として、複数の部品特性測定値(パラメータ)を用いて個々の目標調整値を演算し、その演算結果から最終的な目標値を算出しているが、本実施形態では、少なくとも一つの部品特性測定値から調整目標値を演算し、またデータベースDBに登録されている少なくとも一つの特性検査結果を用いて調整目標値を演算し、これらの演算値から最終的な調整目標値を算出する処理を持つ点に特徴がある。
【0085】
つまり、具体的には部品特性測定値から演算した調整目標値を用いて調整したサンプル製品の特性検査を行い、その特性検査結果が予め予測していた結果と異なる場合、実施形態1において説明した関係式を修正するのであるが、良、不良の判断が不良の場合には、データベースDBに登録した当該サンプル製品の1回目の調整目標値Y( 1回目 )と、改めて読み出した少なくとも一つの特性検査結果とを用いて、個々の調整目標値の演算を行い、この演算結果を用いて最終的な調整目標値を算出する処理を行い、再調整を行うのである。
【0086】
ここで係数の修正方法としては、次のような例がある。
【0087】
1)特性検査結果が良品の上限を超えている不良品の場合には、係数を小さくする。
【0088】
2)特性検査結果が良品の下限を超えている不良品の場合には、係数を大きくする。
【0089】
そして実際の特性検査結果が良品範囲内であるが、予想と異なる場合には関係式の係数の修正のみを行う。
【0090】
このようにしてサンプル製品の特性検査結果を用いて部品特性測定値から演算する調整目標値の関係式を修正することで、精度良い調整や再調整が行える。
【0091】
ここで、特性検査の工程IV、Vに、部品特性測定値から演算さた調整目標値を用いてサンプル製品を調整して、特性検査を行い、その特性検査結果が予想と著しく異なる場合、異常検知手段によって特性調整手段6或いは特性検査手段7に異常があることを報知するようにしても良い。
【0092】
(実施形態5)
本実施形態では、図1に示す特性調整を行う工程IIIにおいて、図8に示すように特性調整手段6を備えた複数の調整用ステーション30A…を設けるとともに、それぞれに調整用ステーションを識別するIDを付与し、工程IIからの半完成品Aが送られてきた場合には、それを何れかのステーションに入れて調整を行うようになっている。尚図示例では6つの調整用ステーション30A〜30Eを設けているが、実際にはもっと多く設けられる。
【0093】
而して本実施形態では、バーコードで示されるIDに対応付けて調整後にデータ登録手段2dによりデータベースDBに調整を行った調整用ステーション30A…のIDのデータを登録することで、バーコードで示されるID下のデータを調べることで、調整用ステーション30A…毎の検査歩留まりが判ることになる。
【0094】
つまり次の特性検査を行う工程IV,Vにおいて、特性検査が行われ、その検査結果がバーコードで示されるIDに対応付けてデータベースDBに登録されるのであるが、この検査結果として登録する良、不良の判断結果は管理用サーバーKPにおいて、不良と判断された半完成品A又は完成品Bに対して特性調整を行った工程IIIの調整用ステーション30A…のID毎の不良発生数の集計が図9に示すように行われ、不良発生数が他の調整用ステーションよりも多い調整用ステーションが有る場合には、管理用サーバーKPは工程IIIのクライアント用コンピュータPC2へ通知を行う。これにより工程III側で校正が必要な調整用ステーションが判ることになる。図9の場合には調整用ステーション30Bの不良発生数が他の調整用ステーション30A,30C…に比べて10倍以上あるため、通知対象となる。
【0095】
なお、本実施形態の検査終了時にデータベースDBに登録されるデータ構造は次のようになる。
【0096】
@バーコードID
+@調整用ステーションのID
+特性検査の結果値
+特性検査の判断(良、不良)
…
(実施形態6)
本実施形態では、図1に示す半完成品A又は完成品Bの特性検査を行う工程IV,Vにおいて、図10に示すように特性検査手段7を設けた複数の検査用ステーション40A…を設けるとともに、それぞれの調整用ステーションを識別するIDを付与し、工程III又は工程IVからの半完成品A又は完成品Bが送られてきた場合には、それを何れかのステーションに入れて調整を行うようになっている。なお図示例では6つの検査用ステーション40A〜40Eを設けているが、実際にはもっと多く設けられる。
【0097】
而して本実施形態では、バーコードで示されるIDに対応付けて調整後にデータ登録手段2e,2fによりデータベースDBに特性検査を行った特性検査用ステーション40A…のIDのデータを登録することで、バーコードで示されるID下のデータを調べることで、検査用ステーション40A…毎の検査歩留まりが判ることになる。
【0098】
つまり、特性検査が行われると、その検査結果がバーコードで示されるIDに対応付けてデータベースDBに登録されるであるが、この検査結果として登録する良、不良の判断結果は管理用サーバーKPにおいて、不良と判断された半完成品A又は完成品Bに対して特性検査を行った検査用ステーション40A…のID毎の不良発生数の集計が図11に示すように行われ、不良発生数が他の検査用ステーションよりも多い検査用ステーションが有る場合には、管理用サーバーKPは工程IV又は工程Vのクライアント用コンピュータPC3、PC4へ通知を行う。これにより工程IV又は工程V側で校正が必要な検査用ステーションが判ることになる。図11の場合には検査用ステーション40Cの不良発生数が他の検査用ステーション40A,40B,40D…に比べて10倍以上あるため、通知対象となる。
【0099】
なお本実施形態の検査終了時にデータベースDBに登録されるデータ構造は次のようになる。
【0100】
@バーコードID
+@検査用ステーションのID
+特性検査の結果値
+特性検査の判断(良、不良)
…
これにより管理用サーバーKPでは、調整用ステーションと検査用ステーションの組合せによる製品の歩留まりが判ることになる。
【0101】
(実施形態7)
本実施形態は実施形態5,6の調整用ステーション30A…のID、検査用ステーション40A…のIDの登録を併用するようにしたものである。
【0102】
つまり本実施形態の検査終了時にデータベースDBに登録されるデータ構造は次のようになる。
【0103】
@バーコードID
+@調整用ステーションのID
+@検査用ステーションのID
+特性検査の結果値
+特性検査の判断(良、不良)
…
而して本実施形態では、管理用サーバーKPにおいて、不良と判断された半完成品A又は完成品Bに対して特性調整を行った調整用ステーション30A…のIDと特性検査を行った検査用ステーション40A…のIDとの組合せ毎の不良発生数の集計が図12に示すように行われ、不良発生数が他の組合せよりも多い組合せが有る場合には、管理用サーバーKPは工程III〜Vのクライアント用コンピュータPC2〜PC4へ通知を行う。これにより工程III〜V側で校正が必要なそれぞれのステーションが判ることになる。図12の場合には30Aと40Bの組合せが、他の組合せに比べて3倍以上あるため、通知対象となる。
【0104】
(実施形態8)
実施形態1では、特性調整の工程IIIにおいて調整後の特性値が予め設定されている許容範囲内に収まるまで再調整を繰り返しているが、ある程度再調整を繰り返しても特性値が許容範囲内に収まらなければ、その半完成品Aは不良であると判断するのが妥当である。
【0105】
そこで本実施形態では、特性調整の工程IIIにおける再調整の回数と、調整を行った調整用ステーション30A…のIDとを、調整対象の半完成品AのIDに対応付けてデータベースDBに登録し、データベースDBに登録されている再調整の回数が所定のしきい値を越える場合にはその半完成品Aを不良と判断して次の工程IVには送らないようにしている。このようにすれば、再調整の回数に基づいて不良品を早期に排除することができる。
【0106】
また本実施形態では、不良と判断した半完成品Aを最初の工程Iに戻して部品a又はbを交換し、部品a又はbが交換された半完成品Aを工程III〜Vで再度調整及び検査を行うようにしている。なお、部品a又はbを交換した半完成品Aについては、バーコードで示されるIDに対応付けて部品交換済みの経歴を示すフラグをデータベースDBに登録する。
【0107】
ここで、部品交換後の半完成品Aを工程IIIで特性調整する際に、工程IIIのクライアントコンピュータPC3からなる演算処理部5でデータベースDBからデータを読み取ってそのデータに登録されている調整用ステーションのIDから再調整する調整用ステーションを決定する、すなわち、部品交換前に特性調整を行った調整用ステーションで部品交換後の特性調整を行うようにすれば、調整用ステーションによる調整ばらつきの影響を排除でき、再調整を効率よく行うことができる。なお、部品交換のために半完成品Aを工程Iに戻した場合には、半完成品AのIDに対応付けてデータベースDBに登録している再調整の回数をゼロにリセットし、部品交換の頻度を減少させるようにしている。
【0108】
一方、部品交換後の半完成品Aを工程IIIで特性調整した場合において、再調整の回数が再びしきい値を越えてしまったときには、もはや部品交換を行うことなく、調整不良品として次の工程IVには送らない。なお、部品交換済みか否かはデータベースDBに登録されている上記フラグによって判別される。
【0109】
(実施形態9)
実施形態8では再調整をしきい値まで繰り返す間に特性値が許容範囲内に収まらなければその半完成品Aを不良品と判断しているが、通常、特性調整における許容範囲は最終的な特性検査(工程Vの特性検査)における規格値の許容範囲よりも狭くしているので、特性調整の許容範囲を僅かに外れた半完成品Aであっても最終的な特性検査で良品と判定される可能性がある。
【0110】
そこで本実施形態では、上述のように特性調整の許容範囲からは外れるが最終的な特性検査で良品と判定される可能性がある範囲を警告範囲と定義し、調整後の特性値がこの警告範囲内に収まる場合には、当該半完成品Aに付与されているバーコードで示されるIDに対応付けて、特性値が警告範囲内であることを示すラベル(以下、警告表示ラベルという)をデータベースDBに登録する処理を有する点に特徴がある。なお、この処理は再調整の回数がしきい値を越えたときに行うことが望ましく、これにより、できる限り再調整を行うことで不良品の削減が図れるという利点がある。
【0111】
例えば、特性調整(感動電圧)の許容範囲が50〜60%Vで最終的な特性検査における規格値の許容範囲が50〜70%Vであるときに、調整後の特性値が許容範囲の上限を僅かに(例えば1〜2%V)外れた場合には、当該半完成品Aを不良とせず、警告表示ラベルをIDに対応付けてデータベースDBに登録し、後の工程IV,Vに流す。
【0112】
そして、工程Vにおいて行う特性検査で警告表示ラベルが付与された完成品Bが規格値の許容範囲内に収まった場合には、特性調整工程において、警告範囲を含む範囲(50〜62%V)を新たな許容範囲とする。これにより、警告表示ラベルで区別される半完成品A又は完成品Bが不必要に増えることを防止できる。
【0113】
【発明の効果】
請求項1の発明は、電磁リレーを構成する各部品要素の所定の特性を測定する複数の特性測定工程と、特性測定された部品要素を順次組み付ける複数の組立工程と、順次組立工程を経る度に各工程で得られる部品ブロックあるいは全ての組立工程を経て得られる電磁リレーの特性を特性調整手段で調整する特性調整工程と、特性調整工程による調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性検査手段で検査する特性検査工程とを有する電磁リレーの製造方法において、各部品要素の特性測定工程に、それぞれの部品要素にIDをバーコードで付与するバーコード付与手段を備え、部品要素の特性測定データはそれぞれに付与したバーコードで示すIDに対応付けてデータベースに登録するとともに、部品ブロック並びに電磁リレーの特性測定データは当該部品ブロックあるいは電磁リレーを構成する何れかの部品要素のID又は何れの部品要素のIDとも異なり且つバーコード付与手段によって付与するバーコードで示す新たなIDに対応付けて前記データベースに登録し、特性調整工程においては部品ブロック並びに電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている各部品要素の特性測定結果を前記データベースから読み出し、読み出した特性測定結果に基づいて部品ブロック又は電磁リレーの所定の特性の調整目標値を調整目標値演算手段で演算し、該調整目標値を前記部品ブロックあるいは電磁リレーに付与されたバーコードのIDに対応付けて前記データベースに登録するとともに、特性調整手段で調整目標値に基づいた特性調整を行うので、部品ブロック並びに電磁リレーを構成する部品要素の特性測定値を用いて調整目標値を演算することができ、そのため組み立てられた個々の部品ブロックあるいは電磁リレーに応じた特性調整が可能となり、完成した電磁リレーの品質の制御が容易になる。
【0114】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記調整目標値演算手段による調整目標値の演算を、部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果の値の関数で調整目標値を表す関係式を用いて行うので、調整目標値の演算が定量的に行え、そのため部品要素の特性測定値が、どのくらい特性検査結果に効くかを予測することができる。
【0115】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記調整目標値演算手段は、前記調整目標値と、部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果との対応関係を表したテーブルから当該調整目標値を演算するので、調整目標値の算出を容易に行える。
【0116】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記関係式が、調整対象の部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性値に所定の係数を乗じた項を含むものであり、当該部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果が複数ある場合に、前記調整目標値演算手段は、前記係数の値が所定の条件を満たす項のみを含む関係式を用いて最終的な調整目標値の演算を行うので、複数の特性測定結果を用いて簡単に調整目標値の演算を行うことができる。
【0117】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記特性検査工程で特性調整後の部品ブロック並びに電磁リレーのバーコードを読み取って、該バーコードで示されるIDに対応付けて、特性検査手段による特性検査結果を前記データベースに登録し、前記特性検査手段による特性検査結果に応じて前記特性調整手段により当該部品ブロックの特性を再調整する際に、バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている前回の調整目標値並びに前記特性検査結果を前記データベースから読み出し、当該調整目標値及び特性検査結果に基づいて前記調整目標値演算手段にて新たな調整目標値を演算するとともに、前記特性調整手段により該調整目標値に基づいた特性調整を行うので、個々の部品ブロック又は電磁リレー毎に特性の再調整を行うことができる。
【0118】
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れかの発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、前記特性検査手段による部品ブロック又は電磁リレーの特性検査結果に応じて、前記特性調整工程における前記特性値の許容範囲を変化させるので、例えば、特性検査工程の特性検査で不良率が上昇傾向となった場合に、特性調整工程における特性値の許容範囲を狭めることで不良率の上昇を抑制することができる。
【0119】
請求項7の発明は、請求項1〜6の何れかの発明において、前記特性検査手段による部品ブロック又は電磁リレーの特性検査結果に応じて、当該部品ブロック又は電磁リレーの特性に関連する部品要素の前記特性測定手段による特性測定結果に対する許容範囲を変化させるので、例えば、特性検査工程の特性検査で不良率が上昇傾向となった場合に、特性測定工程における特性測定値の許容範囲を狭めることで不良率の上昇を抑制することができる。
【0120】
請求項8の発明は、請求項1〜7の何れかの発明において、電磁リレーの品種に関連するデータを前記バーコードのIDに対応付けて前記データベースに登録し、前記特性調整工程並びに特性検査工程においては前記バーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている前記品種に関連するデータを前記データベースから読み出し、読み出したデータに応じて調整目標値及び検査結果の許容範囲を変更するので、各工程における品種の管理が不要となり、複数の品種が混在する場合の生産性の向上が図れる。
【0121】
請求項9の発明は、請求項1〜8の何れかの発明において、前記特性検査工程では、特性調整後の部品ブロック又は電磁リレーのバーコードを読み取って、該バーコードで示されるIDに対応付けて、特性検査手段による検査結果を上記データベースに登録し、前記特性調整工程においては、部品ブロック又は完成された電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている各部品要素の特性測定結果を前記データベースから読み出し、読み出した特性測定結果又は前記特性検査手段による検査結果を切り替えて、何れか一方を調整目標値演算手段に与え、与えられた結果に基づいて調整目標値演算手段により前記部品ブロック又は電磁リレーの所定の特性の調整目標値を演算させるので、調整目標値の演算に、特性検査結果か、部品要素の特性測定値の何れかを選択することができる。
【0122】
請求項10の発明は、請求項9の発明において、新たなロットの調整目標値を演算する際に、新たなロットの電磁リレーの1個目から所定個数目までの調整目標値演算に、前のロットの電磁リレーの製造時に前記データベースに登録収集した前のロットの各部品ブロック又は電磁リレーの検査結果を用い、所定個数目を超える個数に対応する調整目標値を演算する際には、1個目から所定個数まで製造された各部品ブロック又は電磁リレーに対応してデータベースに登録収集されている各部品要素の特性測定結果を前記検査結果から切り替えて用いるので、調整目標値の演算精度を上げることができる。
【0123】
請求項11の発明は、請求項1の発明において、調整目標値演算手段によって、少なくとも一つの部品要素の特性測定結果から演算される調整目標値と、少なくとも一つの検査結果から演算される調整目標値を用いて最終的な調整目標値を算出するので、特性検査結果と部品要素の特性測定値とから演算される調整目標値の両方を用いて調整することができる。
【0124】
請求項12の発明は、請求項2の発明において、前記調整目標値により調整した部品ブロック又は電磁リレーの特性の検査を行って当該検査結果と予め想定した検査結果とを比較し両者が異なり且つ不良と判断される場合には、前記関係式を修正した上で調整目標値の再演算を行い、この演算結果により再調整を行うので、再調整に用いる調整目標値の演算結果を精度良くし、その結果精度良い再調整を可能とする。
【0125】
請求項13の発明は、請求項3又は11の発明において、演算された調整目標値を用いて特性調整工程で調整対象の部品ブロック又は電磁リレーを調整した後、特性検査工程での特性検査を行う際に、この検査により得られた検査結果が予め予想される検査結果から所定範囲を超えた場合に異常と判断して通知するので、突発的な異常発生を発見でき、その原因を探ることができる。
【0126】
請求項14の発明は、請求項1〜13の何れかの発明において、特性調整工程では、同じ特性調整を行う特性調整手段を備えた調整用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性調整を何れかの調整用ステーションの特性調整手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーに係る部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録するので、特性調整を行った調整用ステーション毎の歩留まりの把握が可能となる。
【0127】
請求項15の発明は、請求項14の発明において、特性検査工程での検査結果に基づいて各調整用ステーションで特性調整された部品ブロック又は電磁リレーの歩留まりを各調整用ステーションのID毎に算出して、歩留まりの悪い調整用ステーションを抽出する工程を備えたので、校正の必要な調整用ステーションが判る。
【0128】
請求項16の発明は、請求項1〜13の何れかの発明において、特性検査工程では、同じ特性検査を行う特性検査手段を備えた検査用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性検査を何れかの検査用ステーションの特性検査手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値、検査結果を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、検査を行った検査用ステーションに付与されているIDを登録するので、検査用ステーションの歩留まりの把握が可能となる。
【0129】
請求項17の発明は、請求項16の発明において、特性検査工程での検査結果に基づいて各検査用ステーションで特性検査された部品ブロック又は電磁リレーの歩留まりを各検査用ステーションのID毎に算出して、歩留まりの悪い検査用ステーションを抽出する工程を備えたので、校正の必要な検査用ステーションが判る。
【0130】
請求項18の発明は、請求項1〜13の何れかの発明において、特性調整工程では、同じ特性調整を行う特性調整手段を備えた調整用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性調整を何れかの調整用ステーションの特性調整手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録し、特性検査工程では、同じ特性検査を行う特性検査手段を備えた検査用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性検査を何れかの検査用ステーションの特性検査手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値、検査結果及び調整ステーションのIDを、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、検査を行った検査用ステーションに付与されているIDを登録するので、調整用ステーションと検査用ステーションとの組み合わせによる歩留まりの把握ができる。
【0131】
請求項19の発明は、請求項18の発明において、特性検査工程での検査結果に基づいて各検査用ステーションで特性検査された部品ブロック並びに電磁リレーの歩留まりを各調整用ステーションのIDと各検査用ステーションのIDとの組み合わせ毎に算出して、歩留まりの悪い組み合わせ関係にある調査用ステーションと検査用ステーションを抽出する工程を備えたので、校正の必要な調整用ステーションと検査用ステーションとの組み合わせが判る。
【0132】
請求項20の発明は、請求項14の発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、当該再調整の回数が所定のしきい値を越える場合に当該部品ブロック又は電磁リレーを不良と判断し、当該不良と判断した部品ブロック又は電磁リレーに係る部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、当該特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録するので、再調整を効率よく行うことができる。
【0133】
請求項21の発明は、請求項20の発明において、前記特性調整工程における再調整の回数を、当該特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDに関連付けて登録するので、再調整の回数に基づいて不良品を早期に排除することができる。
【0134】
請求項22の発明は、請求項20又は21の発明において、前記組立工程において部品要素を交換した場合に、前記特性調整工程における再調整の回数をゼロにリセットするので、部品要素の交換頻度を減少させることができる。
【0135】
請求項23の発明は、請求項22の発明において、前記組立工程で部品要素を交換した後の前記特性調整工程においては、当該部品ブロック又は電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されているIDが付与された調整用ステーションにて特性調整を行うので、調整用ステーションによる調整ばらつきの影響を排除できる。
【0136】
請求項24の発明は、請求項1の発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロックの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲外であるが予め設定した警告範囲内に収まる場合には、当該部品ブロックに付与されているバーコードで示されるIDに対応付けて、特性値が前記警告範囲内であることを示すラベルを前記データベースに登録するので、調整後の特性値が許容範囲を外れた場合であっても、完成した電磁リレーの特性検査において検査規格内に収まる可能性のある部品ブロックをラベルで区別し、ラベルで区別した部品ブロックの品質管理が可能となる。
【0137】
請求項25の発明は、請求項24の発明において、前記特性調整工程では、調整後の部品ブロックの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、当該再調整の回数が所定のしきい値を越えたときに、当該再調整後の特性値が前記警告範囲内に収まる場合に前記ラベルを登録するので、できる限り再調整を行うことで不良品の削減が図れる。
【0138】
請求項26の発明は、請求項24又は25の発明において、前記ラベルに対応付けたIDを示すバーコードが付与された部品ブロックにて構成される電磁リレーの特性検査結果が所定の規格内に収まっている場合、前記特性調整工程において、前記警告範囲を含む範囲を新たな許容範囲とするので、ラベルで区別される部品ブロックが不必要に増えることを防止できる。
【0139】
請求項27の発明は、請求項1〜26の何れかに記載の製造方法によって製造される電磁リレーであって、複数の部品要素並びに部品ブロックを順次組み付けて構成され、部品要素又は部品ブロックの特性測定結果、特性調整の目標調整値、検査結果をデータベースに対応付けて登録するためのIDを示すバーコードを、少なくとも完成状態で外部より読み取り可能な部位に印して成るので、各工程でのIDの読み取りができ、部品要素並びに部品ブロックの組み付け、調整、検査の各工程でのデータと完成された電磁リレーの諸データとを纏まった形で管理することが可能となり、安定化した品質の電磁リレーを得ることができる。
【0140】
請求項28の発明は、請求項1〜26の何れかに記載の製造方法によって請求項27記載の電磁リレーを製造する電磁リレーの製造装置であって、特性測定工程で得られる特性測定結果のデータを特性測定手段から取得する特性測定工程用のネットワーク端末と、特性調整工程で得られる調整目標値のデータを調整目標値演算手段から取得する特性調整工程用のネットワーク端末と、特性検査工程で得られる特性検査結果のデータを特性検査手段から取得する特性検査工程用のネットワーク端末と、各ネットワーク端末との間でネットワークを通じて通信を行う管理用サーバーとを備え、各部品ブロック並びに電磁リレーに付与されたバーコードで示すIDに対応付けて、前記各データをそれぞれのネットワーク端末から受信して登録するとともに、調整目標値の演算や、再度の特性調整時に、調整目標値の演算に用いるデータとして登録されている調整目標値や検査結果が各工程用のネットワーク端末により読み出されるデータベースを前記管理用サーバーに設けたので、管理用サーバーで各工程のデータの一元的な管理が行え、品質の安定した電磁リレーの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の製造装置の概要構成図である。
【図2】同上の製造装置の管理システムの概要構成図である。
【図3】(a)(b)は同上における電磁リレーの要部を示す概略構成図である。
【図4】同上における電磁リレーの要部を示す斜視図である。
【図5】同上における複数の部品特性測定値を用いて目標調整値を求める場合の説明図である。
【図6】同上の動作説明用のフローチャートである。
【図7】実施形態2の動作説明図である。
【図8】実施形態5の特性調整の工程における調整用ステーションの説明図である。
【図9】同上における調整用ステーションの不良発生数の集計結果を示すグラフである。
【図10】実施形態6の特性検査の工程の検査用ステーションの説明図である。
【図11】同上における検査用ステーションの不良発生数の集計結果を示すグラフである。
【図12】実施形態7の調整用ステーションと検査用ステーションとの組合せ毎の不良発生数の集計結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1a,1b 特性測定手段
2a〜2g データ登録手段
3a,3b バーコード付与手段
4a〜4e バーコード読取手段
5 演算処理部
5a 照合手段
5b 調整目標演算手段
6 特性調整手段
7a,7b 特性検査手段
I〜V 工程
a,b 部品
A 半完成品
B 完成品
DB データベース
Claims (28)
- 電磁リレーを構成する各部品要素の所定の特性を測定する複数の特性測定工程と、特性測定された部品要素を順次組み付ける複数の組立工程と、順次組立工程を経る度に各工程で得られる部品ブロックあるいは全ての組立工程を経て得られる電磁リレーの特性を特性調整手段で調整する特性調整工程と、特性調整工程による調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性検査手段で検査する特性検査工程とを有する電磁リレーの製造方法において、各部品要素の特性測定工程に、それぞれの部品要素にIDをバーコードで付与するバーコード付与手段を備え、部品要素の特性測定データはそれぞれに付与したバーコードで示すIDに対応付けてデータベースに登録するとともに、部品ブロック並びに電磁リレーの特性測定データは当該部品ブロックあるいは電磁リレーを構成する何れかの部品要素のID又は何れの部品要素のIDとも異なり且つバーコード付与手段によって付与するバーコードで示す新たなIDに対応付けて前記データベースに登録し、特性調整工程においては部品ブロック並びに電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている各部品要素の特性測定結果を前記データベースから読み出し、読み出した特性測定結果に基づいて部品ブロック又は電磁リレーの所定の特性の調整目標値を調整目標値演算手段で演算し、該調整目標値を前記部品ブロックあるいは電磁リレーに付与されたバーコードのIDに対応付けて前記データベースに登録するとともに、特性調整手段で調整目標値に基づいた特性調整を行うことを特徴とする電磁リレーの製造方法。
- 前記調整目標値演算手段による調整目標値の演算を、部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果の値の関数で調整目標値を表す関係式を用いて行うことを特徴とする請求項1記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記調整目標値演算手段は、前記調整目標値と、部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果との対応関係を表したテーブルから当該調整目標値を演算することを特徴とする請求項1記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記関係式が、調整対象の部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性値に所定の係数を乗じた項を含むものであり、当該部品ブロックの特性に関連する部品要素の特性測定結果が複数ある場合に、前記調整目標値演算手段は、前記係数の値が所定の条件を満たす項のみを含む関係式を用いて最終的な調整目標値の演算を行うことを特徴とする請求項2記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性検査工程で特性調整後の部品ブロック並びに電磁リレーのバーコードを読み取って、該バーコードで示されるIDに対応付けて、特性検査手段による特性検査結果を前記データベースに登録し、前記特性検査手段による特性検査結果に応じて前記特性調整手段により当該部品ブロックの特性を再調整する際に、バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている前回の調整目標値並びに前記特性検査結果を前記データベースから読み出し、当該調整目標値及び特性検査結果に基づいて前記調整目標値演算手段にて新たな調整目標値を演算するとともに、前記特性調整手段により該調整目標値に基づいた特性調整を行うことを特徴とする請求項1記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性調整工程では、調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、前記特性検査手段による部品ブロック又は電磁リレーの特性検査結果に応じて、前記特性調整工程における前記特性値の許容範囲を変化させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性検査手段による部品ブロック又は電磁リレーの特性検査結果に応じて、当該部品ブロック又は電磁リレーの特性に関連する部品要素の前記特性測定手段による特性測定結果に対する許容範囲を変化させることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電磁リレーの製造方法。
- 電磁リレーの品種に関連するデータを前記バーコードのIDに対応付けて前記データベースに登録し、前記特性調整工程並びに特性検査工程においては前記バーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている前記品種に関連するデータを前記データベースから読み出し、読み出したデータに応じて調整目標値及び検査結果の許容範囲を変更することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性検査工程では、特性調整後の部品ブロック又は電磁リレーのバーコードを読み取って、該バーコードで示されるIDに対応付けて、特性検査手段による検査結果を上記データベースに登録し、前記特性調整工程においては、部品ブロック又は完成された電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されている各部品要素の特性測定結果を前記データベースから読み出し、読み出した特性測定結果又は前記特性検査手段による検査結果を切り替えて、何れか一方を調整目標値演算手段に与え、与えられた結果に基づいて調整目標値演算手段により前記部品ブロック又は電磁リレーの所定の特性の調整目標値を演算させることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の電磁リレーの製造方法。
- 新たなロットの調整目標値を演算する際に、新たなロットの電磁リレーの1個目から所定個数目までの調整目標値演算に、前のロットの電磁リレーの製造時に前記データベースに登録収集した前のロットの各部品ブロック又は電磁リレーの検査結果を用い、所定個数目を超える個数に対応する調整目標値を演算する際には、1個目から所定個数まで製造された各部品ブロック又は電磁リレーに対応してデータベースに登録収集されている各部品要素の特性測定結果を前記検査結果から切り替えて用いることを特徴とする請求項9記載の電磁リレーの製造方法。
- 調整目標値演算手段によって、少なくとも一つの部品要素の特性測定結果から演算される調整目標値と、少なくとも一つの検査結果から演算される調整目標値を用いて最終的な調整目標値を算出することを特徴とする請求項1記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記調整目標値により調整した部品ブロック又は電磁リレーの特性の検査を行って当該検査結果と予め想定した検査結果とを比較し両者が異なり且つ不良と判断される場合には、前記関係式を修正した上で調整目標値の再演算を行い、この演算結果により再調整を行うことを特徴とする請求項2記載の電磁リレーの製造方法。
- 演算された調整目標値を用いて特性調整工程で調整対象の部品ブロック又は電磁リレーを調整した後、特性検査工程での特性検査を行う際に、この検査により得られた検査結果が予め予想される検査結果から所定範囲を超えた場合に異常と判断して通知することを特徴とする請求項3又は11記載の電磁リレーの製造方法。
- 特性調整工程では、同じ特性調整を行う特性調整手段を備えた調整用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性調整を何れかの調整用ステーションの特性調整手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーに係る部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の電磁リレーの製造方法。
- 特性検査工程での検査結果に基づいて各調整用ステーションで特性調整された部品ブロック又は電磁リレーの歩留まりを各調整用ステーションのID毎に算出して、歩留まりの悪い調整用ステーションを抽出する工程を備えたことを特徴とする請求項14記載の電磁リレーの製造方法。
- 特性検査工程では、同じ特性検査を行う特性検査手段を備えた検査用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性検査を何れかの検査用ステーションの特性検査手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値、検査結果を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、検査を行った検査用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の電磁リレーの製造方法。
- 特性検査工程での検査結果に基づいて各検査用ステーションで特性検査された部品ブロック又は電磁リレーの歩留まりを各検査用ステーションのID毎に算出して、歩留まりの悪い検査用ステーションを抽出する工程を備えたことを特徴とする請求項16記載の電磁リレーの製造方法。
- 特性調整工程では、同じ特性調整を行う特性調整手段を備えた調整用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性調整を何れかの調整用ステーションの特性調整手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録し、特性検査工程では、同じ特性検査を行う特性検査手段を備えた検査用ステーションを複数備えて、部品ブロック並びに電磁リレーの特性検査を何れかの検査用ステーションの特性検査手段で行い、当該部品ブロック又は電磁リレーにかかる部品要素の特性測定結果、調整目標値、検査結果及び調整ステーションのIDを、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、検査を行った検査用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の電磁リレーの製造方法。
- 特性検査工程での検査結果に基づいて各検査用ステーションで特性検査された部品ブロック並びに電磁リレーの歩留まりを各調整用ステーションのIDと各検査用ステーションのIDとの組み合わせ毎に算出して、歩留まりの悪い組み合わせ関係にある調査用ステーションと検査用ステーションを抽出する工程を備えたことを特徴とする請求項18記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性調整工程では、調整後の部品ブロック並びに電磁リレーの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、当該再調整の回数が所定のしきい値を越える場合に当該部品ブロック又は電磁リレーを不良と判断し、当該不良と判断した部品ブロック又は電磁リレーに係る部品要素の特性測定結果、調整目標値を、データベースに登録する際の関連付けに用いるバーコードで示されるIDに対応付けて、当該特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDを登録することを特徴とする請求項14記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性調整工程における再調整の回数を、当該特性調整を行った調整用ステーションに付与されているIDに関連付けて登録することを特徴とする請求項20記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記組立工程において部品要素を交換した場合に、前記特性調整工程における再調整の回数をゼロにリセットすることを特徴とする請求項20又は21記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記組立工程で部品要素を交換した後の前記特性調整工程においては、当該部品ブロック又は電磁リレーに付与されているバーコードを読み取って、当該バーコードで示されるIDに対応付けて登録されているIDが付与された調整用ステーションにて特性調整を行うことを特徴とする請求項22記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性調整工程では、調整後の部品ブロックの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲外であるが予め設定した警告範囲内に収まる場合には、当該部品ブロックに付与されているバーコードで示されるIDに対応付けて、特性値が前記警告範囲内であることを示すラベルを前記データベースに登録することを特徴とする請求項1記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記特性調整工程では、調整後の部品ブロックの所定の特性を特性測定手段によって測定するとともに調整後の特性値が所定の許容範囲内に収まるまで再調整を行い、当該再調整の回数が所定のしきい値を越えたときに、当該再調整後の特性値が前記警告範囲内に収まる場合に前記ラベルを登録することを特徴とする請求項24記載の電磁リレーの製造方法。
- 前記ラベルに対応付けたIDを示すバーコードが付与された部品ブロックにて構成される電磁リレーの特性検査結果が所定の規格内に収まっている場合、前記特性調整工程において、前記警告範囲を含む範囲を新たな許容範囲とすることを特徴とする請求項24又は25記載の電磁リレーの製造方法。
- 請求項1〜26の何れかに記載の製造方法によって製造される電磁リレーであって、複数の部品要素並びに部品ブロックを順次組み付けて構成され、部品要素又は部品ブロックの特性測定結果、特性調整の目標調整値、検査結果をデータベースに対応付けて登録するためのIDを示すバーコードを、少なくとも完成状態で外部より読み取り可能な部位に印して成ることを特徴とする電磁リレー。
- 請求項1〜26の何れかに記載の製造方法によって請求項27記載の電磁リレーを製造する電磁リレーの製造装置であって、特性測定工程で得られる特性測定結果のデータを特性測定手段から取得する特性測定工程用のネットワーク端末と、特性調整工程で得られる調整目標値のデータを調整目標値演算手段から取得する特性調整工程用のネットワーク端末と、特性検査工程で得られる特性検査結果のデータを特性検査手段から取得する特性検査工程用のネットワーク端末と、各ネットワーク端末との間でネットワークを通じて通信を行う管理用サーバーとを備え、各部品ブロック並びに電磁リレーに付与されたバーコードで示すIDに対応付けて、前記各データをそれぞれのネットワーク端末から受信して登録するとともに、調整目標値の演算や、再度の特性調整時に、調整目標値の演算に用いるデータとして登録されている調整目標値や検査結果が各工程用のネットワーク端末により読み出されるデータベースを前記管理用サーバーに設けたことを特徴とする電磁リレーの製造装置。
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