JP4199862B2 - データストリームのバッファリングを制御する方法及び装置 - Google Patents

データストリームのバッファリングを制御する方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一種類以上のデータセクタを含むデータストリームのバッファリングを制御する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
DVD(Digital Versatile Disc)プレーヤはディスクが一定速度で回転するディスク式装置である。これは必然的に基本的に一定のビットレートでビットストリームが送られることを意味する。同時にDVD規格は夫々のデータデコーダで実行されるビデオ及びオーディオ信号に対して可変ビットレート圧縮を使用する。これは一定ビットレート符号化よりも優れた画質及び音質を可能にする。可変圧縮ビットレートとディスク読出しビットレートとを基本的に一致させるために、DVD方式は可変ディスク読出しビットレートを使用しうる。これはディスクデータをやはり一定速度で読み出すが、適当な時間期間に亘って読み出しを中断することによって実行されうる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
係る要求に対応するため、DVDプレーヤではトラックバッファ又は機械的バッファMBと称される弾性バッファが実施される(図1参照)。トラックバッファMBがいっぱいになると、トラックバッファがいっぱいになった位置又は係る位置の前から始まるデータを再読出しするために、ピックアップの読出しヘッドは1又は2又はそれ以上のトラックに亘ってピックアップ制御Pによって戻して移動される。ディスクはモータMによって駆動される。ディスク速度に依存する一定のビットレートCBRは、増幅A及び誤り修正の後、トラックバッファMBの入力に供給される。トラックバッファMBの出力信号は、所望の形式及び所望の時間で少なくとも1つの可変ビットレートVBRデータストリームの形状で所望のデータを夫々のデータデコーダへ送る可変ビットレートスケジューラVBRSによって制御される。可変ビットレートVBRは、対応するデータ符号化を使用してディスクがマスタ作成されたスタジオの中のプログラムストリームエンコーダによって決められる。
【0004】
ジャンプバック動作を実行するのに必要な時間に亘って、データデコーダ又はプログラムストリームデコーダPSDは夫々、トラックバッファMBからのデータを最も消費しやすい。このトラックバッファの記憶容量は、最悪の場合でも全てのデコーダに対して最悪の場合のジャンプバック時間に亘るデータの量を供給するのに充分大きくなくてはならない。係るトラックバッファに必要とされるメモリは、DVDプレーヤの最も重要且つ乏しい資源のうちの1つである。設計、特にソフトウエア設計はこの資源を最適化する全ての可能性を使用せねばならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はトラックバッファリングの改善された方法を提供することを目的とする。この目的は請求項1記載の方法によって達成される。
本発明は、本発明による方法を使用する装置を提供することを更なる目的とする。この目的は請求項7記載の装置によって達成される。
【0006】
使用可能なバッファを最大限に使用し、全体としてのシステムスループットを最適化させるため、トラックバッファMBの機能的等価物は特にソフトウエア制御されたバッファの幾つかの段に亘って分布される。
第1の段は完全なピックアップデータストリームを記憶するピックアップバッファでありうる。
【0007】
第2の段は完全なピックアップデータストリームの一部として例えばビデオデータストリーム、オーディオデータストリーム、サブピクチャデータストリーム及び/又はハイライトデータストリームを記憶する一組の並列なPES(パケット化要素ストリーム)でありうる。
第3の段は例えば一組の並列なビデオデータデコーダ、オーディオデータデコーダ、サブピクチャデータデコーダ及び/又はハイライトデータデコーダでありうる。
【0008】
このアーキテクチャは、トラックバッファの出力のあとにデータストリームデマルチプレクサを配置し、トラックバッファはデータレート均等化のみに使用される既知のDVD「機械的バッファ」アーキテクチャとは異なる。
本発明によるアーキテクチャは以下の利点を提供する。
(a)いわゆるDSIパケットの中に配置されるジャンプ情報は、パケットがトラックバッファに入るときに分析され直接処理されうる。これによってより迅速なピックアップヘッドのジャンプ動作が行われる。
【0009】
(b)MPEG−2プログラムストリームで定義されるように可変ビットレートバイト供給スケジュールにデータストリームデマルチプレクサを非常に厳しく結びつける必要がない。従って、機械的バッファの記憶容量は同時にPCUパワーの不足を扱うために使用されうる。
(c)デマルチプレックスのための処理時間はかなり延長されえ、デマルチプレクサのソフトウエア実施を容易にさせる。
【0010】
(d)復号化される必要のないデータセクタ(データセクタはDVDシステム用の特定のデータパケット形式)、例えば単言語復号化の場合の多言語オーディオデータは、機械的バッファの続く段を通過する前にデータストリームから除去されうる。
(e)圧縮データデコーダ用のビットバッファの部分のうち、現時点でデータ復号化のために割り当てられる必要のない部分は、機械的バッファリングの代わりに使用されうる。この特定のビットバッファの使用は、所望の最悪の場合の機械的バッファサイズを減少させないが、殆どの典型的な再生シナリオにおいて機械的バッファリングをサポートしている。
【0011】
原理的には、本発明による方法は、現在の第1のデータレートを有し1つ以上のタイプのデータセクタを含むデータストリームのバッファリングを、通常該第1のデータレートと異なる現在の第2のバッファ出力データレートを必要とするデータストリームのデータを復号化するために制御することに適しており、
第1のバッファ段において該第1のデータレートを有するデータストリームのデータを中間記憶する段階と、
該データストリームのデータセクタを分析し、特定のタイプのデータセクタを続く第2のバッファ段の対応する部分に割り当てる段階と、
復号化されたデータの出現を制御するために続く第3のバッファ段において夫々のタイプのデータセクタのデータを該第2のデータレートで対応するデータ復号化ビットバッファへ供給する段階とを有し、
該第1、第2及び第3のバッファ段は該第1のデータレートと第2のデータレートとの間のバッファリングを共通に実行する。
【0012】
本発明による方法の有利な追加的な実施例は夫々の従属項に記載される。
原理的には本発明による装置は、現在の第1のデータレートを有し1つ以上のタイプのデータセクタを含むデータストリームのバッファリングを、通常該第1のデータレートと異なる現在の第2のバッファ出力データレートを必要とするデータストリームのデータを復号化するために制御し、
第1のバッファ段において該第1のデータレートを有するデータストリームのデータを中間記憶する手段と、
該データストリームのデータセクタを分析し、特定のタイプのデータセクタを続く第2のバッファ段の対応する部分に割り当てる手段と、
復号化されたデータの出現を制御するために続く第3のバッファ段において夫々のタイプのデータセクタのデータを該第2のデータレートで対応するデータ復号化ビットバッファへ供給する手段とを有し、
該第1、第2及び第3のバッファ段は該第1のデータレートと第2のデータレートとの間のバッファリングを共通に実行する。
【0013】
本発明による装置の有利な追加的な実施例は夫々の従属項に記載される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。図2中、入来ピックアップデータストリームPDSはまず、PDSデータセクタ用のピックアップバッファPSQの中に記憶される。続くデマルチプレクサ又はパケットアナライザPANは、例えばビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャデータ及び/又はハイライトデータ用のデータセクタを選択し、夫々のデータセクタをPESキューバッファ、例えばビデオセクタバッファVSQ、オーディオセクタバッファASQ、サブピクチャセクタバッファSPSQ及び/又はハイライトセクタバッファHSQに割り当てる。この割り当ては、夫々のアドレスポインタを使用すること、又は夫々のコピー動作によって実行されうる。望ましくはデマルチプレクサ即ちパケットアナライザPANは、いつピックアップバッファPSQがいっぱいであるか、又はいっぱいに近いかを決定し、対応するジャンプコマンドJCをピックアップ制御へ送信する。
【0015】
PESキューバッファからのデータは、デコーダドライバ即ちビットバッファフィーダBBF又は対応するデータデコーダビットバッファへの対応する数のビットバッファフィーダ、例えばビデオビットバッファVBB、オーディオビットバッファABB及び/又はサブピクチャビットバッファSPBBを通る。このデータ割り当ては、物理コピー動作によって実行されうる。デコーダドライバ即ちビットバッファフィーダBBFは、空きメモリセクタ信号バッファFMSQを通じてピックアップ制御へ対応する空きメモリセクタ信号FMSSを送信しうる。データデコーダビットバッファからのデータは対応するデータデコーダ、例えばビデオデコーダVD、オーディオデコーダAD及び/又はサブピクチャデコーダSPDへ供給される。オーディオデコーダはPMEGオーディオデコーダ及び/又はAC3オーディオデコーダでありうる。ハイライトデータセクタは、ハイライトセクタバッファHSQからハイライトデコーダHDへ直接通過しうる。ピックアップバッファPSQ、PESキューバッファ、及び/又はデータデコーダビットバッファは、その対応する記憶領域又は範囲が上述のバッファ機能に割り当てられた単一のメモリを使用しうる。
【0016】
望ましくは、DVDデマルチプレクサは完全にソフトウエアモジュールを基礎とする。このソフトウエアは、MPEG−2プログラムストリームパケットを含むDVDセクタのストリームを分析し、様々なデコーダに対するペイロードを送り、ペイロードの出現を制御する。
パケットアナライザ要求は、実際のデマルチプレックス動作を行う責任がある。これはピックアップバッファPSQからMPEG−2プログラムストリームパケットを含むDVDセクタを取り出す。これらのプログラムストリームパケットはPESバッファキューのうちの1つを決定するために分析される。各データデコーダに対して1つのPESバッファキューがある。パケットアナライザが正しいPESバッファキューを決定した後、DVDデータセクタはそのキューの中に整列される。
【0017】
望ましくはこのキュー整列動作は物理コピー動作を全く含まずポインタを渡すだけである。デコーダドライバ又はビットバッファフィーダBBFは、夫々のPESバッファキューからDVDデータセクタを取り出し、続いてデータをデコーダビットバッファの中にコピーする様々なデータデコーダフィーダ、例えばビデオフィーダ、MPEGオーディオフィーダ、AC3オーディオフィーダでありうる。今日入手可能なデコーダチップ、例えばSGS−トムソン社STi3520Aは、デコーダのハードウエア自体によって完全に制御されている連続ビットバッファメモリセグメントを必要とするため、通常ここで物理的コピー動作を実行することが必要である。
【0018】
しかしながら、上述のようにデコーダのハードウエアが夫々のジャンプアドレス又は共通のメモリ用のアドレスポインタを評価するのに、より小さなデータ部、例えば2048バイトのデータセクタに付加された相互連結リストが使用されれば、係る追加的なコピー動作は回避される。この手順は本出願人による同一出願の欧州特許出願第97119673.8号に更に詳細に記載されている。
【0019】
全ての段におけるデータ分布は可変である。データは段の間ではコピーされず、データブロックに対するアドレスポインタが渡されるだけでよいため、分布は連続的に変化する。
CPUアベイラビリティ問題を回避するため、現時点までに実行されうる全ての処理段階を実行することが望ましい。従って理想的には、全てのデコーダビットバッファをいっぱいにし、全ての他のキューを空にすることが望ましい。
【0020】
本発明は全ての種類の記憶媒体、特に例えば光ディスク及び磁気テープといった光学又は磁気記憶媒体用の再生装置に使用されうるが、現在又は短期の伝送データレートが現在又は短期の復号化データレートと異なる場合、復号化されるべきデータの伝送にも使用されうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】DVDプレーヤ用の従来の機械的バッファアーキテクチャを示す図である。
【図2】本発明による機械的バッファの実施例を示す図である。
【符号の説明】
A 増幅
ABB オーディオビットバッファ
AD オーディオデコーダ
ASQ オーディオセクタバッファ
BBF ビットバッファフィーダ
CBR 一定のビットレート
D ディスク
DMB トラックバッファ
FMSQ 空きメモリセクタ信号バッファ
FMSS 空きメモリセクタ信号
HD ハイライトデコーダ
HSQ ハイライトセクタバッファ
JC ジャンプコマンド
M モータ
MB トラックバッファ
P ピックアップ制御
PAN パケットアナライザ
PDS ピックアップデータストリーム
PSD プログラムストリームデコーダ
PSQ ピックアップバッファ
SPBB サブピクチャビットバッファ
SPD サブピクチャデコーダ
SPSQ サブピクチャセクタバッファ
VBB ビデオビットバッファ
VBR 可変ビットレート
VBRS 可変ビットレートスケジューラ
VD ビデオデコーダ
VSQ ビデオセクタバッファ

Claims (10)

  1. オリジナルデータストリームのデータを復号するため、バッファ処理入力データレートを有し、圧縮されたデータコードを含む1以上の種類のDVDフォーマットデータセクタを含む前記オリジナルデータストリームのバッファ処理を制御する方法であって、前記復号は前記バッファ処理入力データレートと異なる前記バッファ処理の出力データレートを要求し、前記バッファ処理は連続する3つのバッファステージを利用して実行され、
    当該方法は、
    前記オリジナルデータストリームのデータを前記バッファ処理入力データレートによりピックアップバッファを表す前記バッファステージの第1バッファステージに中間的に格納するステップと、
    前記格納されたデータストリームのデータセクタのタイプを解析し、前記第1バッファステージから受け取られた前記データセクタから復号対象となるビデオ、オーディオ、サブピクチャ又はハイライトデータセクタなどの特定タイプのデータセクタを、前記連続する3つのバッファステージの第2バッファステージを表す対応するバッファ処理部分に割当て又は格納するステップと、
    復号されたデータの提示を制御するため、前記第2バッファステージから各タイプのデータセクタからのデータを、前記連続する3つのバッファステージの第3バッファステージを表すビデオ、オーディオ及びサブピクチャ復号化ビットバッファに、該データ復号化ビットバッファが前記バッファ処理出力データレートによって連続するビットバッファメモリセグメントを対応するタイプのデータデコーダに提供するように供給するステップと、
    から構成され、
    前記第2バッファステージのバッファ処理部分のデータセクタは、前記オリジナルデータストリームの各セクションであり、
    前記第1、第2及び第3バッファステージは、前記バッファ処理入力データレートと前記バッファ処理出力データレートの間で前記バッファ処理を一緒に実行することを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、
    前記第1、第2及び第3バッファステージは、共通メモリに配置されることを特徴とする方法。
  3. 請求項1または2記載の方法であって、
    前記第2バッファステージの割当ては、アドレスポインタを用いて実行されることを特徴とする方法。
  4. 請求項1乃至3何れか一項記載の方法であって、
    前記第3バッファステージへの供給は、データ複製処理を利用して実行されることを特徴とする方法。
  5. 請求項1乃至4何れか一項記載の方法であって、
    前記データストリームは、光ディスクピックアップからのDVDデータストリームであことを特徴とする方法。
  6. 請求項1乃至5何れか一項記載の方法であって、
    前記第1、第2及び第3バッファステージに対するデータレート差のバッファ処理は、ソフトウェアにより制御されることを特徴とする方法。
  7. オリジナルデータストリームのデータを復号するため、バッファ処理入力データレートを有し、圧縮されたデータコードを含む1以上の種類のDVDフォーマットデータセクタを含む前記オリジナルデータストリームのバッファ処理を制御する装置であって、前記復号は前記バッファ処理入力データレートと異なる前記バッファ処理の出力データレートを要求し、前記バッファ処理は連続する3つのバッファステージを利用して実行され、
    当該装置は、
    前記オリジナルデータストリームのデータを前記バッファ処理入力データレートによりピックアップバッファを表す第1バッファステージに中間的に格納する手段と、
    前記格納されたデータストリームのデータセクタのタイプを解析し、前記第1バッファステージから受け取られた前記データセクタから復号対象となるビデオ、オーディオ、サブピクチャ又はハイライトデータセクタなどの特定タイプのデータセクタを、前記連続する3つのバッファステージの第2バッファステージを表す対応するバッファ処理部分に割当て又は格納する手段と、
    復号されたデータの提示を制御するため、前記第2バッファステージから各タイプのデータセクタからのデータを、前記連続する3つのバッファステージの第3バッファステージを表すビデオ、オーディオ及びサブピクチャ復号化ビットバッファに、該データ復号化ビットバッファが前記バッファ処理出力データレートによって連続するビットバッファメモリセグメントを対応するタイプのデータデコーダに提供するように供給する手段と、
    から構成され、
    前記第2バッファステージのバッファ処理部分のデータセクタは、前記オリジナルデータストリームの各セクションであり、
    前記第1、第2及び第3バッファステージは、前記バッファ処理入力データレートと前記バッファ処理出力データレートの間で前記バッファ処理を一緒に実行することを特徴とする装置。
  8. 請求項7記載の装置であって、さらに、
    前記第1、第2及び第3バッファステージが配置される共通メモリを有することを特徴とする装置。
  9. 請求項7または8記載の装置であって、
    前記データストリームは、光ディスクピックアップからのDVDデータストリームであことを特徴とする装置。
  10. 請求項9記載の装置であって、
    前記第2データレートにより前記第2バッファステージから各データセクタタイプからのデータを対応するデータ復号化ビットバッファに供給する手段は、フリーメモリが利用可能であるときを決定し、前記ピックアップコントロールに対応するフリーメモリセクタ信号を送信することを特徴とする装置。
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