JP4199143B2 - 有害金属元素の分析方法、及びその前処理方法 - Google Patents

有害金属元素の分析方法、及びその前処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、土壌中に含まれる有害金属元素分析のための前処理方法及び有害金属元素の分析方法に関する。
土壌の浄化修復対策では対象となる場所の汚染状態が不明確なことが多く、浄化修復対策を行う上では汚染状況を的確に把握するための事前調査を行うことが必須条件である。事前調査では、微量に含まれていても有害である物質を対象にしていることから、対象となる汚染物質の僅かな量の測定ができる技術が必要とされている。例えば、土壌中の有害金属の調査を行う場合には、土壌から溶出した検液中の有害金属元素などを法律の定める基準値未満か否かを特定する必要があり、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置等を使用する方法がJIS等で規定されている。
一方で、事前調査は広域な対象地から汚染区域を特定するために行うものである。従って分析結果を事前調査又は浄化修復対策に逐次反映させることで効率の良い調査が行える。従って、汚染濃度の分析は微量な量の測定ができる技術のほかに、結果を迅速に算出することが求められる。更に、現地での分析及び結果の算出によって、その結果を調査又は浄化修復対策に随時反映することができる。しかしICP発光分光分析装置は大容量の電源や局所排気を必要とするために現地での分析は困難である。
この様な問題を解決する技術として、キレート繊維に有害金属元素を吸着させて蛍光X線分析装置を用いて測定する方法が非特許文献1に開示されている。蛍光X線分析装置は可搬型の装置もあり、現地での迅速な分析が可能となっている。
また、対象となる有害金属を短時間で効率的に回収する方法として、ビスムチオールを陰イオン交換樹脂に担持させて、Seを選択的に回収する方法が特許文献1に、重金属固定化剤をpH3〜7内で添加してHgを回収し、更にpHを調整して残りの金属を回収する方法が、特許文献2にそれぞれ開示されている。
加瀬和夫、他3名、「157.土壌・地下水の新規現場分析技術」、地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会 第9回講演集、第9回地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会実行委員会、2003年6月、P.510−513 特開平10−310410号公報 特公平5−8080号公報
これらの方法は、現地での分析が容易である、という利点がある反面、現場で多元素を同時に、かつ迅速に特定することができないという問題点があった。
また、土壌中から溶出した有害金属元素をイオン交換樹脂やキレート繊維を用いて前処理する方法は、特定の有害金属元素を対象とした個別のイオン交換樹脂やキレート繊維を必要としている。有害金属元素の含有量が多ければ多量のイオン交換樹脂やキレート繊維が必要になる。有害金属元素を簡易的なディスク状のイオン交換樹脂やキレート繊維を用いて、有害金属元素を含む検液を通過させることでディスク中に捕集することも可能であるが、土壌汚染の事前調査では多数の分析をしなければならないためコストの上昇を招く。また再利用するには煩雑な操作と多量の試薬が必要となる。更に、イオン交換樹脂は溶液中に含まれる有害金属元素もしくは夾雑成分である鉄やアルミニウムといった金属元素
の量が多い場合には樹脂の必要量が多くなるため、捕集後の試料の厚さが増加し、蛍光X線分析装置で測定する際にも照射したX線が試料全体に行き届かずに本来の値よりも低い値を示したり、再現性が悪いという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、土壌中の少なくとも2種類以上の有害金属元素の分析を一度に、かつ短時間で行うことが可能な前処理方法及び有害金属元素分析方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の有害金属元素分析のための前処理方法は、土壌中の成分を含んだ第1の溶液に還元剤を添加して、前記第1の溶液中の夾雑成分を還元した第2の溶液を得る第1工程と、前記第2の溶液にビスムチオール又はビスムチオールIIを含有する錯化剤を添加して、前記第2の溶液中の有害な金属元素を前記錯化剤によって錯体化させて生成した錯化合物を含有する固体成分を生成させた第3の溶液を得る第2工程と、前記第3の溶液中の前記固体成分を抽出する第3工程とを有することを特徴とする。
また、前記還元剤はアスコルビン酸であることが好ましい。
また、更に、前記第3の工程以前に、前記溶液中に活性炭あるいはセルロースを添加する工程を有することが好ましい。
また、本発明の有害金属元素の分析方法は土壌中の成分を含んだ第1の溶液に還元剤を添加して、前記第1の溶液中の夾雑成分を還元した第2の溶液を得る第1工程と、前記第2の溶液にビスムチオール又はビスムチオールIIを含有する錯化剤を添加して、前記第2の溶液中の有害な金属元素を前記錯化剤によって錯体化させて生成した錯化合物を含有する固体成分を生成させた第3の溶液を得る第2工程と、前記第3の溶液中の前記固体成分を抽出する第3工程と、抽出された前記固体成分中の前記有害な金属元素を可搬型蛍光X線分析装置で定量する第4の工程とを有することを特徴とする。
また、前記還元剤はアスコルビン酸であることが好ましい。
また、更に、前記第1工程又は前記第2工程において、前記第1の溶液、前記第2の溶液又は前記第3の溶液中に活性炭又は/及びセルロースを添加することが好ましい。
本発明によれば、土壌中の少なくとも2種類以上の有害金属元素の分析を一度にかつ短時間で行うことができる。
まず、検液の調整方法について説明する。
検査対象となる土壌中の有害金属を溶解させた溶液を検液とし、この検液は公定法(環境省告示第19号)に定める溶出方法に準じて作製する。即ち、次の方法による。
(1) 土壌試料の調整
採取した土壌を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合する。
(2)検液の作製
試料6g以上を量り取り、1mol/lの塩酸200mlを300ml容量のポリエチレン容器にいれて、室温(おおむね25℃)常圧(おおむね1気圧)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、2時間連続して振とうする。
得られた試料液を10分から30分程度静置後、上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を取り、定量に必要な量を正確に量り取ってこの溶液を検液とする。本実施例の場合、20mlをろ液から分取して検液とする。このようにして得られた検液中に含有する有害金属元素の分析を以下の実施例のごとく行う。
まず、本発明の第1の実施例について説明する。
実施例1での土壌中の有害金属元素とは、カドミウム及びその化合物(以下Cdとする)、水銀及びその化合物(以下Hgとする)、セレン及びその化合物(以下Seとする)、鉛及びその化合物(以下Pbとする)、砒素及びその化合物(以下Asとする)を指す。
第1の実施例に係わる前処理方法及び分析方法を示したフローチャートを図1に示す。
土壌中の有害金属元素の分析方法は、土壌中の成分を含んだ第1の検液に還元剤を添加し、前記第1の検疫中の夾雑成分を還元した第2の検液を得る第1工程と、前記第2の検液にビスムチオール又はビスムチオールIIを含有する錯化剤を添加して、前記第2の検液中の有害な金属元素を前記錯化剤によって錯体化させて生成した錯化合物を含有する固体成分を生成させた第3の検液を得る第2工程と、生成した前記固体成分を抽出する第3工程と、可搬型蛍光X線分析装置(以下XRF装置とする)で有害金属元素を定量する第4の工程とで構成される。
まず第1工程は、第1の検液に還元剤であるアスコルビン酸を添加し、検液中の夾雑成分を還元して第2の検液を得る工程である。ここで夾雑成分とは検液中に含まれ、分析の対象とする有害金属元素以外の物質の中で特に、有害金属元素の測定を何らかの形で妨害する物質のことを言う。例えば、土壌中に多く含まれる鉄(以下Feとする)などは、後述する第2の工程で使用する錯化剤を本来分析時に必要な量よりも多く使用しなければならなかったり、後述する第4の工程における測定時に分析対象とする有害金属元素を同定するためのピークと干渉して測定を妨害したりするため、操作を阻害する。そこで夾雑成分を予め還元し、第2の工程で錯化剤と反応しないように、あるいは第4の工程で測定を妨害しないようにする必要がある。
従って、還元剤は夾雑成分に十分な還元作用を与えるものを採用するようにしなければならない。検液は一連の分析操作を行う前の初期の状態において、一般に淡い黄色を呈しており、還元剤を添加して夾雑成分が十分還元させられると、淡い黄色を呈する液体から透明な液体へと変化する。このように、液色等を目安に土壌の種類によって添加剤を調整しても良い。添加する還元剤は夾雑成分が還元できるものであれば特に限定されずに使用でき、例えばチオ硫酸ナトリウムなどでも良いが、アスコルビン酸は加熱をせずに短時間に還元できるという特徴があり、液体の変化をアスコルビン酸の添加と同時に確認することができ、現場での操作性が向上するためアスコルビン酸を用いることが好ましい。アスコルビン酸を使用する場合、第1の検液20mlに対して20%のアスコルビン酸溶液を最大0.5ml程度用いればよい。
第2の工程は、還元剤を添加した後の第2の検液に錯化剤であるビスムチオール又はビスムチオールIIを添加して、有害金属元素との錯化合物を生成する工程である。第1の工程で得られた夾雑物を還元した第2の検液に、ビスムチオールIIを添加する際には、3%程度の溶液を作成して添加し十分に攪拌する。攪拌は還元された有害金属元素とビスムチオール又はビスムチオールIIの錯化合物の形成反応を十分に行うため、1分以上攪拌を続けることが好ましい。例えば、3%のビスムチオールII溶液を第2の検液20mlに対して最大3ml用いればよい。
添加する錯化剤は有害金属と錯化合物を形成するものであり、例えば、o−フェナントロリン等の金属と錯化合物を形成するものであればどのようなものでも良いが、土壌中に多量に存在する鉄化合物(Fe)やアルミニウム化合物(Al)といった金属元素とは反応しないものが好ましい。また生じた沈殿物の粒成長を促進するために、攪拌後5分間以上静置するとよい。
第3の工程は、第3の検液中に固体成分として生成した錯化合物を抽出する工程である。第3の検液中の金属元素は錯化合物として生成すると固体成分として沈殿する。この沈殿物を第3の検液から分離して、後述する第4工程におけるXRF装置の分析試料とする。沈殿物の粒成長を促すことにより錯化合物を形成した金属元素を固体成分として抽出できる割合が高くなる。また、第3の検液から固体成分を抽出する方法は、液体から固体成分を抽出する方法ならばどのような方法でもよいが、メンブランフィルターなどのフィルターを用いてろ過を行い沈殿物として生成した固体成分を抽出することが好ましい。より効率よく行うには、ろ過した第3の検液(ろ液)を入れる容器を負圧状態にし、液体を吸引して分離する方法、例えば、アスピレーター、ポンプなどを使用して吸引ろ過をすると良い。吸引ろ過する方法を用いると、固体成分中の液体分をより少なくすることができるため、後述する第4の工程における
固体成分を乾燥させる時間を短縮することが可能であり、また、XRF装置への固体成分の移動を容易に行える。
また、錯化合物として沈殿した固体成分を抽出する際に、フィルター上の固体成分が後述する第4の工程におけるXRF装置のX線照射面積よりも狭い領域に分布させることが好ましい。
XRF装置では、固体あるいは液体の試料を分析用の試料室に導入し、この試料にX線を照射して、試料から発生する蛍光X線強度を測定することにより、物質の定性・定量を行っている。従って、第3の工程において抽出した固体成分の全量を試料室に導入し、全量に対してX線を照射し、蛍光X線強度を測定することが良い。また、試料室に導入した固体成分の設置位置が異なることによっても分析値の再現性が悪くなることがある。そのため、XRF装置測定用のX線照射部の照射径に合うような固体成分保持のためのスペー
サーを用意し、スペーサー内部の面積がXRF装置測定時の照射面積と同範囲もしくは小さくなるようにすることが好ましい。
このスペーサーは円筒状の治具で、スペーサーの材質としては、検液が酸性からアルカリ性と変化する場合があるため、耐薬品性を有するものが良い。又、固体成分の付着を防ぐために、表面が親水性を有する、例えば石英などが好ましい。スペーサーは吸引ろ過を行う際に、吸引ろ過用のろ過液を受ける容器内に設置できる大きさであることが更に好ましい。更に第3の工程において吸引ろ過をする際にスペーサーにフィルターをつけて設置すると、ろ過後にXRF装置へ固体試料を移動することが容易になる。またろ液を受ける容器内に予めスペーサーを設置してからろ過すると、固体成分の広がりを抑えて分析に寄与しない分を無くすことができ、また固体成分がろ過時の器具に吸着することを抑制しながらろ過することが可能である。
第4の工程は、XRF装置を用いて固体成分中の有害金属元素を定量する工程である。
XRF装置は分析の対象とする試料が固体でも液体でも良く、非破壊で分析することができるため、現場で扱う分析操作に用いるのに適している。抽出した固体成分は必ずしも完全に乾燥させる必要はないが、液体成分が多い状態であると、試料室に導入が難しくなるので、定量の操作をする前に十分乾燥させる。その後、乾燥させた固体試料をXRF装置の試料室に導入し、一定時間X線を照射して、固体成分から発生した蛍光X線の強度を測定する。予め既知量の有害金属元素を含有する固体成分を測定した結果から検量線を作成しておき、固体成分中の有害金属元素濃度を決定する。XRF装置を用いることで、有害金属元素の分析を現場で行うことが可能となり、その分析結果が即時事前調査や浄化・修復対策に反映できる。
XRF装置を用いた分析方法では、固体成分の抽出において吸引ろ過した後、更に固体成分を乾燥させて、XRF装置の試料室に導入する。固体成分は乾燥が進んでいるため崩れ易く、また飛散しやすいが、固体成分を抽出した容器からXRF装置の試料室へ固体成分を移動させなければならないため、ある程度の成形性が保たれていることが好ましい。成形性を高めるために、還元剤であるアスコルビン酸を添加し、夾雑成分を還元する第1工程又は錯化剤であるビスムチオールまたはビスムチオールIIを添加し、金属元素の錯化合物を生成する第2工程において、活性炭あるいはセルロースを添加すると良い。
(実験1)
ここで、活性炭あるいはセルロースの添加の有無による有害金属元素(Cd,As,Pb,Hg,Se)の固体成分への回収率とその成形性の違いを表1に示す。
ここでは、20%のアスコルビン酸水溶液0.5ml、3%のビスムチオールII溶液1.5mlを用いて前述した方法で有害金属元素を固体成分へ回収した。また、表1には添加した順番に左列より物質名を表記し、活性炭あるいはセルロースの添加量も表に併記する。
Figure 0004199143
表1の回収率とは検液中の有害な金属元素量に対する前述の方法で得られた固体成分中の金属元素量を百分率で示したものである。
表1から実験1−1〜1−5のいずれの場合も有害金属元素を高い回収率が得られていることが分かる。表1における成形性とは、例えば固体成分に亀裂が生じない、あるいは現場の環境により固体成分が飛散しないなどの固体成分の状態を示し、固体成分の移動操作が容易である場合には成形性を良い(○)とした。表1からセルロースを添加した実験1−3あるいは1−4の場合は成形性が良く(○)、実験1−1あるいは1−2の場合(×)よりも操作性が良いことを示している。但し、セルロースのみを多量に添加すると固体成分の抽出時のろ過時間が長時間化することがある。実験1−5の場合のように活性炭とセルロースの両方添加した場合、固体成分の崩れ易さの点では実験1-3あるいは1−4よりは劣るが(△)、ろ過時間を短縮する効果があるので、分析のための前処理方法としては両方加えることがより良い。
本発明による有害金属元素の分析方法として最も好ましい方法は、成形性及び操作性の双方が向上する、活性炭及びセルロースどちらも加える方法である。溶液によってはろ過に要する時間が長時間となる場合もあるので、そうした場合は活性炭あるいはセルロースの量を0.01g程度に減量して用いるなど、活性炭とセルロースの割合を調整して用いても良い。
(実験2)
本実験においては、予め検液中に含有される有害金属元素量をICP発光分光分析装置により測定し、この測定データと、以下に述べる前処理方法による有害金属元素回収量とを比較することで、前処理による有害金属元素の回収率を確認した。
使用した検液は、土壌試料の量6gを用い、1mol/l塩酸抽出液200mlを用いて抽出したものを準備し、この検液の一部を使って、予めICP発光分光分析装置により測定したところ、有害金属元素濃度が、Cd:4.5(μg/ml)、Pb:4.5(μg/ml)、As:4.5(μg/ml)、Hg:0.45(μg/ml)、Se:4.5(μg/ml)であった。この濃度の金属元素を検出できれば、より高濃度の場合も希釈によって検出することができ、土壌含有量調査のスクリーニング調査に十分使用可能である。なお、ICP発光分光分析装置による分析の結果、この検液には、鉄(以下Feとする):280(μg/ml)、アルミニウム(以下Alとする):130(μg/ml)、カルシウム(以下Caとする):170(μg/ml)、マグネシウム(以下Mgとする):80(μg/ml)、珪素(以下Siとする):80(μg/ml)、銅(以下Cuとする):5(μg/ml)未満、ニッケル(以下Niとする):5(μg/ml)
未満が夾雑成分として溶解していることも確認できた。
(実験2−1):検液に回転子を入れて攪拌しながら、20%のアスコルビン酸溶液を0.2ml添加した。その後、活性炭粉末0.5gを加え、更に2%のビスムチオールII溶液1mlを加えて1分間攪拌した。検液を5分間静置し、吸引ろ過などで生成した固体成分をろ過して検液と分離した。残りの検液中の有害金属元素をICP発光分光分析装置で分析し、固体成分への回収率を算出した。その結果を表2に示す。
(実験2−2):検液に回転子を入れて攪拌しながら、20%のアスコルビン酸溶液を0.5ml添加した。更に3%のビスムチオールII溶液1mlを加えて1分間攪拌した。検液を5分間静置し、実験2−1と同様な方法で固体成分への回収率を算出した。その結果を表2に示す。
(実験2−3):検液に回転子を入れて攪拌しながら、20%のアスコルビン酸溶液を2.0ml添加した。更に2%のビスムチオールII溶液1mlを加えて1分間攪拌した。検液を5分間静置し、実験2−1と同様な方法で固体成分への回収率を算出した。その結果を表2に示す。
(実験2−4):検液に回転子を入れて攪拌しながら、20%のアスコルビン酸溶液を0.5ml添加した。その後、活性炭粉末0.3gを加え、2%のビスムチオールII溶液0.5ml、更に0.25%のo−フェナントロリン溶液2mlを加えて1分間攪拌した。検液を5分間静置し、実験2−1と同様な方法で固体成分への回収率を算出した。その結果を表2に示す。
(実験2−5):検液に回転子を入れて攪拌しながら、20%のアスコルビン酸溶液を0.5ml添加した。その後、活性炭粉末0.3gを加え、2%のビスムチオールII溶液0.5ml、更に0.25%のo−フェナントロリン溶液を5ml加えて1分間攪拌した。検液を5分間静置し、実験2−1と同様な方法で固体成分への回収率を算出した。その結果を表2に示す。
(比較実験1):検液に回転子を入れて攪拌しながら、20%のアスコルビン酸溶液を0.5ml添加した。その後、活性炭粉末1.0gを加え、更に2%のビスムチオールII溶液0.5ml加えて1分間攪拌した。検液を5分間静置し、実験2−1と同様な方法で固体成分への回収率を算出した。その結果を表2に示す。Asなどの有害金属元素は十分な回収率で得られなかった。
Figure 0004199143
表2における実験2−1〜2−3はいずれも有害金属元素を高い回収率で得ることができることがわかる。実験2−1〜2−3の違いはアスコルビン酸(AA)とビスムチオール(BT2)の添加量の違い、及び活性炭(AC)の添加であるが、実験2−2の場合が最も回収率が良いことから、アスコルビン酸溶液20%を0.5ml、ビスムチオール溶液3%を1mlがより好ましいことがわかる。また、比較実験1に示すように、ビスムチオール溶液は0.5mlでは不十分であり、実験2−4に示すように1ml以上が好ましいといえる。実験2−5のように、o−フェナントロリンなどの錯化剤を追加している場合は有害金属元素を十分回収できているので、ビスムチオール溶液3%を1ml程度添加するか、もしくはo−フェナントロリンを合わせて使用しても良い。但しo−フェナントロリンを使用した場合、雑成分である鉄も固体成分として回収してしまうことから、ビスムチオールのみを添加することがより好ましい。
一方、前述した実験においては、有害金属元素を高効率で回収できたが、ビスムチオールIIはCuと反応することがあるため、Cuが検液中に多量に含まれる場合には、Cd、Pb、As、Se、Hgといった対象とする有害金属とビスムチオールIIとの錯化合物の形成反応が不十分となり、高効率で回収できなくなることがある。そのため、検液中にCuが多く含まれる場合は、図2のフローチャートに示すように、ビスムチオールIIの添加量を増やすことが好ましいため、後続の第4工程でビスムチオールIIと反応しやすい元素(Cu)を測定し、ビスムチオールIIの添加量を増やす必要があるかどうか判定するとよい。
例えば、検液中のCu濃度が32μg/mlでは抽出液を20ml分取してもCu以外の金属元素の沈殿として生じる固体成分に影響はないが,Cu濃度が160μg/mlではビスムチオールIIの量が不足するためCu以外の金属元素の回収率は低下する。
XRF装置で分析する場合には、Cu濃度が160μg/mlにおけるピーク強度は8.04keVのピークで約30000kcpsを越えたものについてはCu濃度に影響がある、と判断することができる。この場合には、検液に加えるビスムチオールIIの量をさらに追加して再度沈殿物を生成することにより回収する。
若しくは、CuのようにビスムチオールIIと反応しやすい元素の検液中の濃度をあらかじめ測定しておくことにより、ビスムチオールIIの添加量を増やす必要があるかどうか判定するという方法でもよい。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。実施例2での土壌中の有害金属元素とは、Cd、六価クロム化合物(以下Cr(VI)とする)、Hg、Se、Pb、Asの6つの有害金属元素を指す。
第2の実施例に係わる前処理方法及び分析方法を示したフローチャートを図3に示す。
土壌中の有害な金属元素を含んだ溶液にアルカリ金属の水酸化物塩水溶液をpH5.5以上になるように添加し、有害な金属元素の少なくとも一部の水酸化物を含有する第1の固体成分を生成させる第1工程と、pH5.5以上にした溶液中に錯化剤を添加し、有害な金属元素を錯化した錯化合物を含有する第2の固体成分を生成させる第2工程と、有害な金属元素の水酸化物を含有する第1の固体成分及びpH5.5以上にした溶液に錯化剤を添加し、金属元素の錯化合物を含有する第2の固体成分を抽出する第3の工程と、XRF装置で金属元素を定量させる第4の工程とで構成される。
まず第1工程は、水酸化ナトリウム溶液を検液がpH5.5以上になるように添加し、有害な金属元素の水酸化物を生成する工程である。検液は1mol/lの塩酸を用いて土壌に含有する金属元素を抽出しており、そのため初期状態では酸性である。従ってアルカリ溶液の添加によって中和され、有害金属元素の水酸化物が生じる。添加する溶液はアルカリ金属の水酸化物塩の水溶液なら特に限定されずに使用することができるが、水酸化ナトリウム等を使用すると良い。水酸化ナトリウムは苛性ソーダとして一般に多く用いられるもので、強アルカリであるので検液を中和するために必要な添加量が少量で良い。水酸化物の溶液を多量に添加して溶液の濃度を薄めることもない。溶液を使用することが好ましい。本実施例では5mol/lの水酸化ナトリウム溶液を使用した。水酸化ナトリウムの溶液は検液をよく攪拌しながら添加する。
更に、pHは5.5以上がより好ましい。後続の第2工程において、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(以下NaDDTCとする)を添加する際に、pH5.5以上でNaDDTCを添加することにより、Cdの錯化合物としての固体成分の生成がより向上するため、検液はpH5.5以上となることが良い。
次に第2工程では、NaDDTCを添加し、有害金属元素が錯化合物を生成させる。第2の工程は、pH5.5以上に調整した溶液中に錯化剤であるNaDDTCを添加して有害金属元素との錯化合物を生成する工程である。攪拌は還元された有害金属元素とNaDDTCの錯化合物の形成反応を十分に行うため、1分以上攪拌を続けることが好ましい。例えば、検液20mlに対して1%のNaDDTC溶液を最大1ml程度添加すればよい。
添加する錯化剤は有害金属と錯化合物を形成するものであり、例えば、o−フェナントロリン等の金属と錯化合物を形成するものであればどのようなものでも良いが、土壌中に多量に存在する鉄化合物(Fe)等の金属元素とは反応しないものが好ましい。また生じた沈殿物の粒成長を促進するために、攪拌後5分間以上静置するとよい。
更に第3工程では、有害金属元素の水酸化物及び錯化合物を固体成分として得る工程である。検液中の金属元素が水酸化物もしくは錯化合物として生成すると、検液中に固体成分として沈殿する。この沈殿物を検液から抽出して後述する第4工程でのXRF装置での分析試料とする。
また、検液から固体成分を抽出する方法は、液体から固体成分を抽出する方法ならばどのような方法でもよいが、メンブランフィルターなどのフィルターを用いてろ過を行い沈
殿物として生成した固体成分を抽出することことが好ましい。より効率よく行うには、ろ過した検液(ろ液)をいれる容器を負圧状態にし、液体を吸引して分離する方法、例えば、アスピレーター、ポンプなどを使用して吸引ろ過をすると良い。吸引ろ過する方法を用いると、固体成分中の液体分をより少なくすることができるため、後述する第4の工程における固体成分の乾燥時間を短縮することが可能であり、また、XRF装置への固体成分の移動も容易に行える。
また、錯化合物として沈殿した固体成分を抽出する際に、フィルター上の固体成分が後述する第4の工程におけるXRF装置のX線照射面積よりも狭い領域に分布させることが好ましい。
XRF装置では、固体あるいは液体の試料を分析用の試料室に導入し、この試料にX線を照射して、試料から発生する蛍光X線強度を測定することにより、物質の定性・定量を行っている。従って、第3の工程において抽出した固体成分の全量を試料室に導入し、全量に対してX線を照射し、蛍光X線強度を測定することが良い。また、試料室に導入した固体成分の設置位置が異なることによっても分析値の再現性が悪くなることがある。そのため、XRF装置測定用のX線照射部の照射径に合うような固体成分保持のためのスペーサーを用意し、スペーサー内部の面積がXRF装置測定時の照射面積と同範囲もしくは小さくなるようにすることが好ましい。
このスペーサーは円筒状の治具で、スペーサーの材質としては、検液が酸性からアルカリ性と変化する場合があるため、耐薬品性を有するものが良い。又、固体成分の付着を防ぐために、表面が親水性を有する、例えば石英などが好ましい。スペーサーは吸引ろ過を行う際に、吸引ろ過用のろ過液を受ける容器内に設置できる大きさであることが更に好ましい。この様にすると、第3の工程において、吸引ろ過をする際に、スペーサーにフィルターをつけて設置すると、ろ過後にXRF装置へ固体試料を移動することが容易になる。また予めスペーサーをろ液を受ける容器内に設置してからろ過すると、固体成分の広がりを抑えて分析に寄与しない分を無くすことができ、また固体成分がろ過時の器具に吸着することを抑制しながらろ過することが可能である。
第4の工程は、XRF装置を用いて固体成分中の有害金属元素を定量する工程である。
XRF装置は分析の対象とする試料が固体でも液体でも良く、非破壊で分析することができるため、現場で扱う分析操作に用いるのに適している。抽出した固体成分は必ずしも完全に乾燥させる必要はないが、液体成分が多い状態であると、試料室に導入が難しくなるので、定量の操作をする前に十分乾燥させる。その後乾燥させた固体試料をXRF装置の試料室に導入し、一定時間X線を照射して固体成分からの蛍光X線強度を測定する。予め既知量の有害金属元素を含有する固体成分を測定した結果から検量線を作成し、未知試料中の有害金属元素濃度を決定する。XRF装置を用いることで、有害金属元素の分析を現場で行うことが可能となり、その分析結果が即時事前調査や浄化・修復対策に反映できる。
XRF装置を用いた分析方法では、固体成分を抽出において吸引ろ過した後、更に固体成分を乾燥させて、XRF装置の試料室に導入するために固体成分を移動させるため、ある程度の成形性が保たれていると、固体成分が崩れるなどして欠損することなく、また、現場での環境に影響されることなく操作が容易になる。
水酸化ナトリウムを添加し、検液をpH5.5以上にして金属元素の水酸化物を生成する第1の工程又はNaDDTCを添加して金属元素の錯化合物を生成する第2の工程において活性炭あるいはセルロースを添加すると、固体成分の成形性がよくなる。また、活性
炭を添加することにより、有害金属元素の抽出率もよくなるため、水酸化ナトリウムを添加し、検液をpH5.5以上にする第1の工程の前において添加することがより好ましい。
(実験3)
本実験においては予め検液中に含有される有害金属元素量をICP発光分光分析装置により測定し、この測定データと、以下に述べる前処理方法による有害金属元素回収量を比較することで前処理による有害金属元素の回収率を確認した。
使用した検液は土壌試料の量6gを使用し、1mol/l塩酸抽出液200mlを用いて抽出したものを準備し、この検液の一部を使って予めICP発光分光分析装置により測定したところ、検液中の有害金属元素濃度が、Cd:4.5(μg/ml)、Pb:4.5(μg/ml)、Cr(VI):7.5(μg/ml)、As:4.5(μg/ml)、Hg:0.45(μg/ml)、Se:4.5(μg/ml)であった。この濃度の金属元素を検出できれば、より高濃度の場合も希釈によって検出することができ、土壌含有量調査のスクリーニング調査に十分使用可能である。なお、ICP発光分光分析装置による分析の結果、この検液には、Fe:280(μg/ml)、アルミニウム(以下Alとする):130(μg/ml)、カルシウム(以下Caとする):170(μg/ml)、マグネシウム(以下Mgとする):80(μg/ml)、珪素(以下Siとする):80(μg/ml)、銅(以下Cuとする):5未満(μg/ml)、ニッケル(以下Niとする):5未満(μg/ml)が夾雑成分として溶解していることも確認できた。
(実験3−1):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながら活性炭0.05g、セルロース0.02gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH5.5になるように添加して調整した。次に1%NaDDTC溶液1mlを加え、約1分間そのまま攪拌を続け、5分間静置した。その後、生成した固体成分を吸引ろ過により検液中から分離し、検液に残る有害金属元素の量をICP発光分光分析装置により分析した。分析値より固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(実験3−2):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながら活性炭0.1gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH5.5になるように添加して調整し、その後、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(実験3−3):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながら活性炭0.2gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH6.5になるように添加して調整し、その後、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(実験3−4):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながら活性炭0.2gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH7.5になるように添加して調整し、その後、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(実験3−5):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながらセルロース0.2gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH5.5になるように添加して調整し、その後、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(実験3−6):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながらセルロース0.2gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH6.5になる
ように添加して調整し、その後、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(実験3−7):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながらセルロース0.2gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH7.5になるように添加して調整し、その後、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(実験3−8):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながら活性炭0.2gを添加した。更に5mol/lの水酸化ナトリウム溶液でpH6になるように添加して調整し、その後、0.25%のo−フェナントロリン溶液を1ml添加して1分攪拌した。その後5分静置し、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。
(比較例2):検液をガラス製ビーカーにいれ、回転子を入れて攪拌しながら活性炭0.2gを添加した。更にアンモニア溶液でpH6になるように添加して調整し、その後、実験3−1と同様の操作を行い、固体成分への回収率を算出した。その結果を表3に示す。Cdなどの有害金属元素は十分な回収率で得られなかった。
表3には添加した物質の順番に左列より物質名を記した。また、検液中の金属元素の量に対する実施例2による方法で得られた沈殿物中の金属元素の量を100分率で示し回収率とした。
Figure 0004199143
表3における実験3−1〜3−8はいずれも有害金属元素を高い回収率で得ることができることがわかる。実験3−1〜3−7の違いは活性炭あるいはセルロースの添加量と水酸化ナトリウムの添加によって調整されるpHである。実験3−3あるいは3−6の場合が他の結果と比べて回収率が良いことから調整されるpHが6.5になることがより好ましい。また、実験3−8に示すように、NaDDTCの代わりにo−フェナントロリンを用いても固体成分へ金属元素を回収することが可能である。
一方で、比較実験2に示すように、アンモニア溶液でpHを調整した場合は、特にCd
の回収率が低下する。従って、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてpHを調整することが好ましい。
本発明の第1の実施例に係る有害金属元素分析のためのフロー図。 本発明の第1の実施例に係る有害金属元素分析のためのフロー図。 本発明の第2の実施例に係る有害金属元素分析のためのフロー図。

Claims (6)

  1. 土壌中の成分を含んだ第1の溶液に還元剤を添加して、前記第1の溶液中の夾雑成分を還元した第2の溶液を得る第1工程と、
    前記第2の溶液にビスムチオール又はビスムチオールIIを含有する錯化剤を添加して、前記第2の溶液中の有害な金属元素を前記錯化剤によって錯体化させて生成した錯化合物を含有する固体成分を生成させた第3の溶液を得る第2工程と、
    前記第3の溶液中の前記固体成分を抽出する第3工程とを有することを特徴とする有害金属元素分析のための前処理方法。
  2. 前記還元剤はアスコルビン酸であることを特徴とする請求項1記載の有害金属元素分析のための前処理方法。
  3. 更に、前記第1工程又は前記第2工程において、前記第1の溶液、前記第2の溶液又は前記第3の溶液中に活性炭又は/及びセルロースを添加することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の有害金属元素分析のための前処理方法。
  4. 土壌中の成分を含んだ第1の溶液に還元剤を添加して、前記第1の溶液中の夾雑成分を還元した第2の溶液を得る第1工程と、
    前記第2の溶液にビスムチオール又はビスムチオールIIを含有する錯化剤を添加して、前記第2の溶液中の有害な金属元素を前記錯化剤によって錯体化させて生成した錯化合物を含有する固体成分を生成させた第3の溶液を得る第2工程と、
    前記第3の溶液中の前記固体成分を抽出する第3工程と、
    抽出された前記固体成分中の前記有害な金属元素を可搬型蛍光X線分析装置で定量する第4工程とを有することを特徴とする有害金属元素の分析方法。
  5. 前記還元剤はアスコルビン酸であることを特徴とする請求項4記載の有害金属元素の分析方法。
  6. 更に、前記第1工程又は前記第2工程において、前記第1の溶液、前記第2の溶液又は前記第3の溶液中に活性炭又は/及びセルロースを添加することを特徴とする請求項4あるいは請求項5記載の有害金属元素の分析方法
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