JP4198427B2 - 酸化ニオブナノシート液晶及びその製造方法 - Google Patents

酸化ニオブナノシート液晶及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化ニオブナノシート液晶及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイなど光学素子に用いられる液晶(結晶と液体の中間状態のことで、系を構成する粒子の重心に関する長距離秩序は失われているが粒子の配向に関する長距離秩序が保たれている相)は、すべて有機化合物をメソゲン(適当な状況において液晶相を形成する物質)としている。これら実用化されているものを含め膨大な数の有機液晶が知られているのに対し、無機化合物をメソゲンとする液晶は少ない。その中でも、層状無機化合物のナノシート(層状無機化合物の剥離層)をメソゲンとするものは、古くから知られている層状粘土鉱物と水和V2 5 (V2 5 ゾルやV2 5 ゲルと通称される)の他には、昨年報告された、H3 Sb3 2 14のみである。
【0003】
というのも、層状無機化合物ナノシートコロイドの液晶としては、粘土鉱物、水和V2 5 、H3 Sb3 2 14などのナノシート液晶は限られた条件下(ゲル化させる、流動などのせん断をかける、高濃度コロイドに限定される、など)でしか形成されず(例えば、【非特許文献1】および【非特許文献2】参照)、系の取り扱いの自由度が小さくなるためである。
【0004】
しかも、これらの系では、液晶を形成する条件は非常に限定されている。また、ゲル化されたラポナイト(粘土鉱物の一種)で、約1cm3 のサイズで配向が揃った液晶が観察されている(【非特許文献7】参照)が、数cm3 以上のオーダーで配向が揃った液晶は報告されていない。すなわち、従来のものは、いずれもmmオーダーのサイズの毛細管や薄層セルを用いて実験されているのが現状である。
【0005】
ただし、無機化合物をメソゲンとする液晶は有機メソゲンと比べれば少ないが、ナノシート以外の無機メソゲンも含めれば、かなりの数になる(【非特許文献3】参照)。
【0006】
ところで、層状ニオブ酸化物とは、厚さが1nm程度の酸化物結晶層が積層し、その酸化物結晶層間にイオン交換可能な陽イオン(交換性カチオン)が位置した結晶構造を有する酸化物で、ニオブが酸化物結晶層中の主要な金属成分であるものである。なお、以下では、厚さが1nm程度の無機結晶層の積層した構造を有する無機化合物一般(ニオブ酸化物以外の粘土鉱物などを含む広範な物質群)を表すときには、層状無機化合物と呼称する。
【0007】
この層状ニオブ酸化物(K4 Nb6 17,HTi NbO5 など)を有機アンモニウムイオン(テトラブチルアンモニウムイオン、プロピルアンモニウムイオンなど)を含む水溶液で処理すると、コロイドが得られる。そのコロイド中では、酸化物は剥離(層状結晶の層間が媒質中で無限に膨潤し、各層が均一に分散した状態になる)しており、厚さ1nm程度のシート(層状無機化合物の剥離層であるナノシート)が分散している。近年、このコロイド(このようなナノシートが溶媒に分散してできるコロイドを以下ナノシートコロイドと呼ぶ)から、ナノシートを再積層させるなどの方法による機能材料創製の試みも盛んに行われている。
【0008】
【非特許文献1】
I.Langmuir,J.Chem.Phys.,1938,6,P.873−896
【0009】
【非特許文献2】
J.−C.P.Gabriel,F.Camerel,B.J.Lemaire,H.Desvaux,P.Davidson,P.Batail,Nature 2001,413,P.504−508
【0010】
【非特許文献3】
J.−C.P.Gabriel,P.Davidson,Adv.Mater.2000,12,P.9−20.
【0011】
【非特許文献4】
S.Lamarque−Forget,O.Pelletier,I.Dozov,P.Davidson,P.Martinot−Lagarde,J.Livage,Adv.Mater.2000,12,P.1267−1270.
【0012】
【非特許文献5】
P.A.Buining,A.P.Philipse,H.N.W.Lekkerkerker,Langmuir 1994,10,P.2106−2114.
【0013】
【非特許文献6】
F.M.van der Kooij,K.Kassapidou,H.N.W.Lekkerkerker,Nature 2000,406,P.868−871.
【0014】
【非特許文献7】
J.−C.P.Gabriel,C.Sanchez,and P.Davidson.J.Phys.Chem.,1996,100,P.11139−11143.
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このナノシートコロイドそのものを対象とする、組成、形態、物性等の制御の試みはなされていない。
【0016】
本願発明者らは、K4 Nb6 17ナノシートコロイドの物性を研究する過程で、コロイドが流動性を失ってゲル化する現象を見出した。この事実はK4 Nb6 17ナノシートにおいて、溶媒とナノシートとが共存するコロイド状態が、再積層など溶媒を除去した固体では発現し得ない特異な性質を有することを示している。
【0017】
本発明は、K4 Nb6 17ナノシートコロイドの物性をさらに検討する過程での、コロイドが容易に液晶を形成するという発見(正確には、広い濃度範囲で液晶になるので、ナノシートコロイドを調製した段階で液晶となっている場合がほとんどである)に基づくものである。
【0018】
すなわち、本発明は広い濃度範囲で、静置状態(重力場下)において数cm3 以上のオーダーで配向が揃った酸化ニオブナノシート液晶及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕酸化ニオブナノシート液晶において、層状ニオブ酸化物の剥離層をメソゲンとするリオトロピック液晶からなり、前記層状ニオブ酸化物がK4 Nb6 17であることを特徴とする。
【0020】
〔2〕酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、層状ニオブ酸化物を有機アンモニウムイオンを含む水溶液で処理し、水に分散させてコロイド化し、前記層状ニオブ酸化物は、炭酸カリウムと酸化ニオブを2.1:3.0のモル比で混合粉砕して容器に入れ、電気炉中で1100℃にて10時間焼成して得られるK4 Nb6 17であることを特徴とする。
【0021】
〔3〕上記〔2〕記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17を塩化プロピルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対して塩化プロピルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、耐圧反応容器中、120℃で1週間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする。
【0022】
〔4〕上記〔2〕記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17を塩化プロピルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対して塩化プロピルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、室温で2週間、は80℃で3日間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする。
【0023】
〔5〕上記〔2〕記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17をブチルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対してブチルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、耐圧反応容器中、120℃で1週間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする。
【0024】
〔6〕上記〔2〕記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17をブチルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対して塩化ブチルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、室温で2週間、は80℃で3日間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする。
【0025】
〔7〕上記〔3〕、〔4〕、〔5〕又は〔6〕記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記後処理は、前記反応終了後4000rpmで30分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、水で2回洗浄し、遠心分離後沈降物に出発K4 Nb6 171gあたり100mlの割合で水を加え、よく振盪して分散させることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
本発明では、層状ニオブ酸化物であるK4 Nb6 17のナノシートをメソゲンとするリオトロピック液晶(メソゲンが溶媒と共存することによって形成される液晶)を提供する。この液晶は、K4 Nb6 17を有機アンモニウムイオン(プロピルアンモニウムイオンまたはブチルアンモニウムイオン)を含む水溶液で処理した後、剥離によって得られるナノシートをメソゲンとし、水に分散させてコロイド化することにより得られ、広い濃度範囲で常温での静置状態(重力場下)において数cm3 以上のオーダーで配向が揃っている。
【0028】
なお、リオトロピック液晶について更に敷衍すると、高分子液晶の一種であり、1965年に全芳香族ポリアミド(通称:アラミド)のアルキルアミドあるいは硫酸の濃厚溶液がネマチィック相を示すことが報告された。ポリ(4−フェニレンテレフタルアミド)はその代表例である。
【0029】
【化1】
Figure 0004198427
上記化学式に示すように、リオトロピック液晶は、分子全体が比較的剛直な化学構造を有し、そのリオトロピック液晶溶液からいわゆる液晶紡糸によって、高弾性率・高強度繊維が得られることから脚光を浴びることになった。
【0030】
以下、詳細に述べると、本発明の酸化ニオブナノシート液晶は、以下の特徴を有する。
【0031】
(1)コロイドを静置するだけで液晶となる。つまり、流動させるなどの処置は必要ない。
【0032】
(2)非常に広い濃度範囲で液晶となる。この濃度範囲は、ナノシート以外の無機メソゲンからなる液晶と比べても広い。例えば、V2 5 ナノシートコロイドはV2 5 が0.5質量%以上(【非特許文献4】参照)で、ロッド状ベーマイト〔水和酸化アルミニウムAlO(OH)の一種〕コロイドは、ロッドの形状によって大きく変化するが、ベーマイト0.7−10体積%以上で(【非特許文献5】参照)、プレート状ギブサイト〔水酸化アルミニウムAl(OH)3 の一種〕コロイドはギブサイト16体積%以上(【非特許文献6】参照)でしか液晶を形成しないと報告されているのに対し、K4 Nb6 17ナノシートコロイドは0.004質量%(体積%もほぼ同じ値)でも液晶を形成する。
【0033】
特にK4 Nb6 17は低濃度コロイドで液晶化することが特徴である。このことは、光学素子として用いる際に、光のスループットを向上させる点で大きなメリットとなる。
【0034】
次に、有機液晶に対しての無機化合物の利点を説明する。
【0035】
有機液晶の技術は極めて多岐にわたるが、有機化合物に対する無機化合物のメリットとして以下のようなことが挙げられる。
【0036】
(1)無機化合物は、有機化合物と比べて組成、構造、電子状態が多様であり、液晶にもそれらを反映させられる。すなわち、有機液晶にはない電気的、光学的、磁気的性質を発現させることができる。
【0037】
(2)無機化合物は有機化合物に比べて安定であり、特殊な圧力や温度条件下でも使用可能な液晶材料を作製することができる。
【0038】
このように、特に、層状ニオブ酸化物は、光化学的に活性な(光に応答して周囲との間で電子やエネルギーを授受することが可能であり、水を分解する光触媒として研究されている)物質であるので、特異な液晶系として機能する可能性がある。
【0039】
以下、本発明の応用分野について述べる。
【0040】
現在、有機液晶が用いられている様々な表示材料や光学材料を代替する応用が考えられる。液晶表示素子では、電場や磁場によってメソゲンの配向の変化をさせ、これにより液晶の複屈折を制御し透過光の色調を調整している。液晶の複屈折は、メソゲンの形態、配向、誘電率などによって変化するが、これらのファクターは、酸化ニオブナノシートと有機分子とでは非常に異なっているので、現在の液晶素子とは特性の異なる光学素子を作製可能である。
【0041】
また、コロイド状態の液晶を基板に転写することによって、メソゲンを基板上で配向させることが可能であり、このような材料も様々な光学素子への応用が可能である。一例を挙げれば、無機の偏光素子がある(現在の偏光素子は有機高分子でできており、安定性などに欠点がある)。光学素子以外の材料、例えば光エネルギー変換材料(湿式光電池)などへの応用も可能と思われる。
【0042】
〔実施例〕
層状ニオブ酸化物K4 Nb6 17と塩化プロピルアンモニウムイオン水溶液とを反応させると、有機アンモニウムイオンが、層状ニオブ酸化物の層間にインターカレートされた層間化合物が生成する。この層間化合物を水に分散させるとナノシートコロイドが得られる。このコロイドが液晶である(調製条件によるが、広い濃度範囲で液晶になるので、一般的な条件下ではほとんどの場合ナノシートコロイドを調製した段階で液晶となる)。
【0043】
炭酸カリウムと酸化ニオブ(V)を、2.1:3.0のモル比で混合粉砕して容器としてのアルミナ匣鉢に入れ、電気炉中で1100℃にて10時間焼成し、層状ニオブ酸化物K4 Nb6 17を得た。この酸化物を塩化プロピルアンモニウム水溶液または塩化ブチルアンモニウム水溶液にK4 Nb6 17に対して塩化プロピルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、耐圧反応容器中、120℃で1週間加熱した(もっと穏やかな条件、例えば室温で2週間、80℃で3日間などでもよい)。反応終了後、4000rpmで30分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、水で2回洗浄した。遠心分離後沈降物に出発K4 Nb6 171gあたり100mlの割合で水を加え、よく振盪して分散させた。
【0044】
以上の操作によって、K4 Nb6 17のナノシートコロイドが得られた。
【0045】
以下、本発明のK4 Nb6 17ナノシートゾルの液晶特性とマクロ配向について説明する。
【0046】
厚さ1mmのセル中におかれた〔Nb6 174-濃度9.6×10-3mol dm-3のゾルの、典型的な偏光顕微鏡像(直交ニコル下)を図1に示す。なお、図1(d)において、1はスライドガラス、2はスペーサー(ガラス)、3はカバーガラス、4は試料(K4 Nb6 17ナノシートゾル)、5は白色光、6は偏光子(ポラライザー)、7は鋭敏色板(レターデーション=530nm)、8は偏光子(アナライザー)、9はCCDカメラである。
【0047】
観察されたマーブル模様と、試料の複屈折性に起因する様々な干渉色は、液晶相に特徴的なものである。液晶相の種類の同定は行っていないが、ネマティック相のほか、ラメラ相、コラムナ相である可能性も考えられる。
【0048】
本ニオブ酸塩ナノシート系の液晶状態は非常に安定であった。9.6×10-3mol・dm-3(=0.004wt%)という低い〔Nb6 174-濃度においても複屈折性が観察された。無機ナノシート分散系コロイドの複屈折性は、V2 5 やH3 Sb3 2 14で既に報告されているが、これらの系ではある濃度以下で等方相への相転移を示す(例えば、V2 5 系では<0.5vol%で等方相への転移が起こる)。
【0049】
スメクタイト型粘土鉱物のコロイドはせん断応力下や高濃度のゲル状態のみ複屈折性を示す。ナノシート以外の異方性無機固体からなるコロイド液晶系も報告されているが、ベーマイトロッド系では0.7−10wt%、ギブサイト平板系では約16vol%で等方相へ転移する。本系では0.004wt%においても等方相転移が観察されていないので、相転移濃度は他系に比べて低いと言える。
【0050】
本液晶性ゾルでは、試料を入れた試験管(直径1 cm)を数秒回転させることで、cmスケールでのマクロ配向が誘起された。図2(a)及び(b)に直交ニコル下で観察された配向試料(〔Nb6 174-濃度9.6×10-4mol・dm-3)の写真を示す。試料の配向ドメインは、直交ニコルが地面(水平線)に対して45°の傾きで設置されたときに最も明るくなり、この方位が「対角位」であることが分かった。一方、ドメインは「消光位」(「対角位」から45°回転した方位)においてもっとも暗くなった。配向ドメインは特に試験管壁に沿って観察されており、マクロ配向が試験管壁に沿ったせん断流によって誘起されていることが示された。
【0051】
更に、本液晶ゾルは、数分間静置することで、重力によっても配向した。重力による配向は試験管壁周辺のみならず、試料全体において観察された。図2(c)と図2(d)に示すように、直交ニコル下で観察された配向試料(〔Nb6 174-濃度9.6×10-4mol・dm-3)の写真を示す。
【0052】
直交ニコルを消光位とした場合、試料全体が明るく〔図2(c)〕、対角位とした場合は全体が暗く〔図2(d)〕なり、cmスケールのマクロ配向ドメインが生成したことが示された。
【0053】
無機(ナノシート、ロッド、プレート)液晶ゾルのcmスケールでの配向については、少数ながら報告がある。これらの系では、連続的なせん断、磁場の印加、および注意深いゲル化によってマクロ配向が実現されている。
【0054】
本発明は重力による無機コロイドのマクロ配向の初めての例である。
【0055】
本系の高いマクロ配向能(重力によってさえ引き起こされる)は、鋭敏色板を用いた界面付近の試料の顕微鏡観察によって、さらに例証された。鋭敏色板を用いたのは、複屈折性ドメインの光軸の方位に関する情報を得るためである(そのような情報は直交ニコルだけでは得られない)。
【0056】
直交ニコル間に単独でおかれた鋭敏色板は、その鋭敏色板の光学レターデーション(試料の厚さと複屈折率の積)である530nmに対応する干渉色を示す。鋭敏色板のZ’方向(遅い光の振動方向)が配向ドメインの光軸と平行におかれたとき、試料の光学レターデーションは鋭敏色板のレターデーションに加算され、その結果、青色の干渉色が観察される。一方、鋭敏色板のZ’方向と試料光軸が垂直である場合、干渉色は黄色となる。図1(b)と図1(c)は、直交ニコルと鋭敏色板を用いて撮影された、〔Nb6 174-濃度9.6×10-4mol・dm-3の試料(厚さ0.2mmのセル中)の顕微鏡像である。固(ガラス)−液界面〔図1(b)〕および気(泡)−液界面〔図1(c)〕周辺において、鋭敏色板Z’方向(図中の太い矢印)と平行な部分は青色に、垂直な部分は黄色となっている。これらの干渉色から判断すると、試料の光軸は固(ガラス)−液界面〔図1(b)〕および気(泡)−液界面〔図1(c)〕に沿って配向していることになる。この結果から、サブ−mmのオーダーでニオブ酸塩ナノシートの配向が界面張力により誘起されていることが示された。
【0057】
マクロ観察に鋭敏色板を用いることによって、試験管中で配向した試料の光軸を、地面(水平線)に対して垂直方向と決定した。図2(e)は、鋭敏色板をそのZ’方向が地面(水平線)に対して垂直となるようにセットした状態で観察した、直交ニコル下の試料の写真である。
【0058】
このセットアップでは、試料全体にわたって青色に見える。試料の色と鋭敏色板の方位との関係は、試料の光軸の方位が鋭敏色板のZ’方向と平行、すなわち地面(水平線)に対して垂直であることを示している。鋭敏色板を水平にセットした場合には、試料は黄色く見えた〔図2(f)〕。この結果は、光軸が地面に垂直であることを支持する。本発明は、マクロ配向した無機液晶の光軸を鋭敏色板によって決定した初めての例である。
【0059】
ニオブ酸塩ナノシートゾルの液晶が容易にマクロ配向することは、〔Nb6 174-ナノシートの大きな横方向サイズによって説明できる。K4 Nb6 17剥離ナノシートの横方向の平均的な大きさは、原子間力顕微鏡(AFM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって、約1−2μmと求められている。このサイズは、他の無機コロイド、例えば、ベーマイトのロッド、ギブサイトのプレート、スメクタイト型粘土鉱物やV2 5 やH3 Pb3 2 14のナノシートなどのサイズよりも極めて大きい。
【0060】
配向の高い安定性は、Onsagerの理論によって説明できる。Onsager理論によれば、板状粒子のコロイドでは、液晶メソゲン粒子の排除体積が大きいと、粒子は高度に配向し、液晶状態が安定化される(すなわち、等方相−ネマティック相転移が起こる臨界濃度が低下する)。
【0061】
本系は、新規なゾル状異方性ナノハイブリッドとして利用可能である。そのような応用のための第一段階として、ナノシートコロイドと色素をハイブリッド化させ、色素の可視吸収スペクトルの二色比を求めた。いくつかの層状固体で既に明らかになっているように、カチオン性シアニン色素は負電荷を帯びた〔Nb6 174-ナノシートに静電的に吸着される。よって、無機液晶メソゲンの色素修飾の最初の例として、ニオブ酸塩層とカチオン性シアニン色素とをハイブリッド化させた。ゾルにシアニン色素溶液を加えて遠心分離(11000rpm、30分)を行ったところ、上澄みは無色になり、すべての色素がナノシートに吸着したことが示された。
【0062】
図3は色素を添加した試料の偏光可視スペクトルを示す。
【0063】
この図に示すように、580nm付近にシャープな吸収帯(J−吸収帯)が見られ、これはシアニン色素が吸着過程で形成したJ−会合体の存在を示す。J−会合体の存在は、色素がナノシートに固定化されたことの明確な証拠である。なぜなら、元の色素水溶液にはモノマー(523nm付近に極大吸収を有する)しか存在しないからである。
【0064】
マクロ配向した色素修飾ゾルの配向度は、偏光可視スペクトルによって求められた。この色素のJ−会合体の双極子はニオブ酸塩層に対してフラットなので、J−吸収帯の二色比から見積もることができる。垂直偏光を用いて測定したJ−吸収帯(図3)は、水平偏光によって測定した吸収帯(図3)よりも大きな吸光度を示した。このことは、色素双極子とナノシートとが、ともに地面(水平線)に対して垂直に選択配向していることを示す。
【0065】
この方位は、鋭敏色板を用いて決定した光軸の方位と一致する。色素の吸収帯の二色比は、〔Nb6 174-濃度の増加とともに増大した(図3の挿入図)。この結果は、〔Nb6 174-濃度が高くなるとナノシートの配向が促進されることを示している。これは、Onsagerの理論に基づく予測、すなわち異方性粒子のコロイドではコロイド濃度が高いほど配向度が大きくなるという予測と一致する。
【0066】
以上より、本発明の層状ニオブ酸塩ナノシートゾルの液晶性を示した。得られた液晶は、重力による数cm3 以上のオーダーのマクロ配向を容易に示した。また、せん断流動や界面張力によっても配向した。カチオン性シアニン色素をナノシートに固定化させ、色素双極子をマクロに配向させた。この結果は、本系および関連コロイド系を機能分子の異方的でソフトな固定化媒体として利用可能なことを示す。
【0067】
4 Nb6 17の半導体的性質と吸着分子をナノメートルレベルで面内配向させる特異な能力を利用することで、粘土などからは得ることのできない特異な材料へと展開できるだろう。層状ニオブ酸塩とチタン酸塩の剥離は、最近盛んに研究されている。これらの物質も液晶性を示し得ると思われるので(例えば、本願発明者らは最近〔TiNbO5 - のコロイド(ゾル)が流動複屈折を示すことを見出している)、これら一群の材料の研究から、将来、さまざまな機能材料の創製が可能になるであろう。
【0068】
〔実験例〕
4 Nb6 17・3H2 Oは、K2 CO3 とNb2 5 の混合物を焼成して調製した。K4 Nb6 17・3H2 O1gを、0.2mmol・dm-3プロピルアミン塩酸塩水溶液58cm3 と、353Kで3日間反応させた。反応生成物は、遠心分離後、水で2回洗浄した。得られた湿潤固体を100−1000cm3 の水に再分散させ、ゾルを得た。色素修飾ゾルは、カチオン性シアニン色素の塩(臭化1,1’−ジエチル−2,2’−シアニン)の5×10-5mol・dm-3水溶液0.5cm3 を4.5cm3 のゾルに添加して調製した。〔Nb6 174-濃度の異なる複数のゾルを用いた。ゾル中の最終〔Nb6 174-濃度は、9.6×10-3−9.6×10-4mol・dm-3(約0.1−1wt%)に設定した。
【0069】
試料は、カラーCCDカメラを取り付けた偏光顕微鏡(オリンパス製BX−50)を用いて観察した。観察時の試料セル、偏光子、鋭敏色板(オリンパス製U−TP530)のセットアップは、図1(d)に示した。試験管内で配向した試料の写真はデジタルカメラで撮影した。撮影の際には、偏光板、鋭敏色板を用いた。偏光可視スペクトルは、分光光度計(日本分光製Ubest−55)を用い、偏光板を入射単色光と試料との間に置いて測定した。
【0070】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0071】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、層状無機化合物の剥離によって得られるナノシートをメソゲンとし、常温での静置状態において、広い濃度範囲で安定な液晶を得ることができる。
【0072】
また、cmオーダーでメソゲンの配向を揃わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明かかる液晶ゾルの顕微鏡イメージである。
【図2】 本発明にかかる液晶性ゾルの偏光観察した状態を示す図である。
【図3】 本発明にかかる波長と吸光度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 スライドガラス
2 スペーサー(ガラス)
3 カバーガラス
4 試料(K4 Nb6 17ナノシートゾル)
5 白色光
6 偏光子(ポラライザー)
7 鋭敏色板(レターデーション=530nm)
8 偏光子(アナライザー)
9 CCDカメラ

Claims (7)

  1. 層状ニオブ酸化物の剥離層をメソゲンとするリオトロピック液晶からなり、前記層状ニオブ酸化物がK4 Nb6 17であることを特徴とする酸化ニオブナノシート液晶。
  2. 層状ニオブ酸化物を有機アンモニウムイオンを含む水溶液で処理し、水に分散させてコロイド化し、前記層状ニオブ酸化物は、炭酸カリウムと酸化ニオブを2.1:3.0のモル比で混合粉砕して容器に入れ、電気炉中で1100℃にて10時間焼成して得られるK4 Nb6 17であることを特徴とする酸化ニオブナノシート液晶の製造方法。
  3. 請求項2記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17を塩化プロピルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対して塩化プロピルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、耐圧反応容器中、120℃で1週間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする酸化ニオブナノシート液晶の製造方法。
  4. 請求項2記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17を塩化プロピルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対して塩化プロピルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、室温で2週間、は80℃で3日間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする酸化ニオブナノシート液晶の製造方法。
  5. 請求項2記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17をブチルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対してブチルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、耐圧反応容器中、120℃で1週間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする酸化ニオブナノシート液晶の製造方法。
  6. 請求項2記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記K4 Nb6 17をブチルアンモニウム水溶液に、K4 Nb6 17に対して塩化ブチルアンモニウムの量が過剰となる仕込み比で浸漬させ、室温で2週間、は80℃で3日間加熱して反応させた後、後処理することを特徴とする酸化ニオブナノシート液晶の製造方法。
  7. 請求項3、4、5又は6記載の酸化ニオブナノシート液晶の製造方法において、前記後処理は、前記反応終了後4000rpmで30分間遠心分離を行い、上澄みを除去した後、水で2回洗浄し、遠心分離後沈降物に出発K4 Nb6 171gあたり100mlの割合で水を加え、よく振盪して分散させることを特徴とする酸化ニオブナノシート液晶の製造方法。
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