JP4198280B2 - 保護部材、包装部材及び冊子体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冊子体(例えば本、書籍、雑誌、パンフレット、カタログ、小冊子等があるが、これに限定しない)に包装部材を添付する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
平成6年に日本雑誌協会が、雑誌に現物見本を添付する場合の自主基準を緩和して、化粧品、シャンプー類、石鹸、洗剤等が添付可能となり、それらの関連出願が出願されている。
特開平9−104465号には「保護材及びそれを使用した包装体」が開示されている。課題は液体、粉体、粒状体などの試供品を収納した包装袋からなる商品サンプルを雑誌等に貼り込むに際して、破袋を引き起こす積載圧を有効に軽減できる保護材及びそれを使用した包装体を提供することである。
構成は、包装袋の周辺部に略合致する外枠部分と、該外枠部分の対向部位を繋ぐ少なくとも1本の連結部分とを備えたことを特徴とする保護材であり、この保護材に前記包装袋を沿わせてフィルム袋に収納してなる包装体である。
【0003】
また、段落番号(0021)には「…外枠部分21aの短辺と連結部分21bには、雑誌Mの天地方向に対応する方向に3本の切込み線βが形成されている。このように保護材20に切込み線βを形成して置くことにより、読者が雑誌Mの携帯時等において2つに折り曲げた時に保護材20も一緒に曲がるので都合がよい。」との記載がある。
しかし、従来技術の上記の特開平9−104465号の包装体では、保護材20の一面にしか切込み線βが入っていないため一方向にしか曲がらない。そのため「携帯時において2つに折り曲げた時」は問題ないが、「読者が雑誌を手にとって読む時」に問題がある。
【0004】
手にとって雑誌を読む際は、頁は雑誌の背部を中心に左右になだらかな山型になる。保護材(=保護部材)が一方向にしか曲がらない場合、保護材が曲がることで頁がなだらかに山型になり読みやすい頁と、保護材が曲がらないことで頁も突っ張ってなだらかに曲がらない読みにくい頁が生じる。
特に、液体、流動体、粉体、粒状体等の物品の容量が大きくなると問題が顕著になる。物品が化粧品の場合、サンプルとしての容量は1〜3cc程度の少量の場合があるため包装体の面積がが小さく、一方向にしか曲がらず読みにくいという問題は存在するがそれほど顕著ではないことがある。
しかし、物品がシャンプー、リンス等の場合は1回の使用量が10〜15ccと必ず大容量となり包装体の面積が大きくなるため、読みにくいという問題は顕著となる。そのため、従来技術ではシャンプー、リンス等大容量のサンプルを雑誌に添付することは不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決すべく、冊子体に包装部材(=包装体)を添付する場合に、読みにくい頁が生じない、保護部材、包装部材及び冊子体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、液体、流動体、粉体、粒状体等の物品を密封した2袋以上を連接した包装袋と、該包装袋と略同一寸法の保護部材とを、一体化して冊子体に添付する場合に使用するための保護部材において、前記保護部材は、前記包装袋の連接部に対応する箇所に切欠き部を有し、当該切欠き部で前後又は左右の2方向に曲がることを特徴とする保護部材である。このように保護部材が前後又は左右の2方向に曲がるため、手にとって雑誌等の冊子体を読む際、頁が両方向になだらかに山型になり、保護部材のため突っ張ってなだらかな山型にならない頁が生じない。また、シャンプー、リンス等の大容量サンプル(特に女性や髪の毛長い人を想定して)を添付する位置(冊子体での頁位置、頁内での添付位置)も制限不要(デザイン等に合わせた自由位置)となる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、前記包装袋が2袋を連接したものである場合に使用するための保護部材であって、前記保護部材の基材部には、前記包装袋を構成する各袋の内容物の入った部分の周囲に略相当する寸法の、左右に2つずつが一列に並んだ合計4つの矩形の貫通孔と、それらの中央に位置する切欠き部の幅を有する貫通孔とが設けられており、当該基材部の上面には、該左右に2つずつの矩形の貫通孔に略合致するそれぞれ2つずつの矩形の貫通孔を有するとともに、前記包装袋の連接部に対応する箇所に天地方向に線状の切欠き部を有する主保護部が貼着されており、前記包装袋をその2袋の内容物の入った部分が前記保護部材の中央の切欠き部の幅を有する貫通孔の左右の2つの貫通孔部に現れるようにセットして前記左右の2つずつの貫通孔の間の箇所を折れ線として観音開き状の扉を閉める様に保護部材を折り畳んだ時に、前記包装袋の連接部に対応する箇所に主保護部の切欠き部が来て、当該切欠き部で前後又は左右の2方向に曲がることを特徴とする請求項1記載の保護部材である。このように構成したので、包装袋のシール部分に保護部材の主保護部が接触し、内容物が貫通孔部分に位置するので、冊子体の中に綴じ込んでも圧がかからず破袋等することがない。そして、包装袋の連接部に切欠き部があるので保護部材が前後又は左右の2方向に曲がり、上記の効果がある。
【0008】
請求項3に記載の発明は、前記主保護部の前記線状の切欠き部とその両側の矩形の貫通孔との間の部分が切欠かれていることを特徴とする請求項2に記載の保護部材である。このような構成とすることにより、強度を保ちながら包装袋の印刷された部分をより見えるようにする効果がある。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいづれか一つの保護部材と包装袋を一体化したことを特徴とする包装部材である。
上記した保護部材と包装袋を一体化して包装部材としたので、2方向に曲がる包装部材が得られ、上記の作用効果が得られる。
【0010】
請求項5に記載の発明は、保護部材と包装袋を袋体に入れて一体化したことを特徴とする請求項4記載の包装部材である。
保護部材と包装袋を袋体に入れたので、保護部材と包装袋を固定又は接着等する必要がなく、特に、固定又は接着等をする必要がないため、それらの工程を削減しコスト低下を行なうと同時に、曲がり時に保護部材と包装袋の位置がずれることで曲げ応力集中を防ぐことも可能である。また、袋体を透明にすれば中身の包装袋が見える。上記の作用効果は生じている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の包装部材を添付したことを特徴とする冊子体である。
請求項4又は請求項5に記載の包装部材を添付したので冊子体を読む時、該包装部材が2方向(雑誌等が左右に開く場合は左右方向)になだらかに山型になり、保護部材のため突っ張ってなだらかな山型にならない頁が生じない。よって、どの頁も読みにくいということがない。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の保護部材1に包装袋2をセットするための説明図である。保護部材1は一点鎖線の位置の下側に切込み線を有し、包装袋2を上矢印のように保護部材1の中央にのせ、円弧状の矢印のように保護部材1を折り畳み図2にあるような包装部材7とする。
【0013】
図3は図1を正面から見た説明図である。基材部9に主保護部10を設けてあり、該主保護部10は切欠き3を有する。
図4は図1のA−A切断面のみを表した説明図である。保護部材1は貫通孔5を有し、該貫通孔5に包装袋2の内容物が入った部分が入り、枠部4の厚さにより積み重ねられたときの荷重から包装袋2を保護する。
【0014】
図5、図6は図1の保護部材1の別の実施の形態である。これらは包装袋2をセットし、円弧状の矢印のように切込み線8により折り畳んだとき、セットした包装袋2の印刷部分が良く見えるようになる。これは強度との関係で適宜の形状を選択すればよい。
【0015】
図7は保護部材1に包装袋2をセットした包装部材7を透明袋12に入れる状態の説明図である。
丁度包装部材7が入る大きさに合わせれば、特に保護部材1と包装袋2との貼着等を省略できる効果がある。
図8は包装袋2を3つ連接したものを包装部材7にしたものを示す説明図である。包装袋2を2連接したものと同様に切欠き3の部分で左右に曲がる。
【0016】
図9は本13に包装部材7を透明袋12に入れて貼着したものである。また、本13の上下の中央線14より上側に貼着したものである。このように上下の中央線14よりどちらかに寄せてあることにより、反転して積み重ねたとき、バランスが取れる。
【0017】
【実施例】
以下図面を用いて実施例を説明する。
<実施例1>
図1に示した包装袋2としてシャンプーとリンスを詰めたものを用いた。寸法は60mm×115mmで周囲に6mmのシール部があるものを用いた。内容物のある部分の厚さは0.9mmであった。保護部材1として厚さ0.2mmの厚紙を打ち抜き、それに1mmのボール紙を打ち抜いたものを貼り合わせ切欠き3を作ると共に、裏側より切込み線8を設けた。この保護部材1と前記包装袋2を図2のように周囲を貼着して一体として、図9の本13に天地方向に切込み3が平行(縦位置)になるように貼着した。
本を手に取って読んでも、違和感なく良好であった。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、保護部材が前後又は左右の2方向に曲がるため、手にとって雑誌等の冊子体を読む際、頁が両方向になだらかに山型になり、保護部材のため突っ張ってなだらかな山型にならない頁が生じない。また、シャンプー、リンス等の大容量サンプルを添付する位置も制限不要となる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、包装袋のシール部分に保護部材の主保護部が接触し、内容物が貫通孔部分に位置するので、冊子体の中に綴じ込んでも圧がかからず破袋等することがない。そして、包装袋の連接部に切欠き部があるので保護部材が前後又は左右の2方向に曲がり、上記の効果がある。
【0020】
請求項3に記載の発明は、強度を保ちながら包装袋の印刷された部分をより見えるようにする効果がある。
【0021】
請求項4に記載の発明は、保護部材と包装袋を一体化して包装部材としたので、2方向に曲がる包装部材が得られ、上記の作用効果が得られる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、保護部材と包装袋を袋体に入れたので、保護部材と包装袋を固定又は接着等する必要がなく、特に、固定又は接着等をする必要がないため、それらの工程を削減しコスト低下を行なうと同時に、曲がり時に保護部材と包装袋の位置がずれることで曲げ応力集中を防ぐことも可能である。また、袋体を透明にすれば中身の包装袋が見える。上記の作用効果は生じている。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の包装部材を添付したので冊子体を読む時、該包装部材が2方向(雑誌等が左右に開く場合は左右方向)になだらかに山型になり、保護部材のため突っ張ってなだらかな山型にならない頁が生じない。よって、どの頁も読みにくいということがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装部材の部品を分解して示した説明図である。
【図2】図1の包装部材をセットして包装部材とした状態を示す説明図である。
【図3】本発明の保護部材を正面から見た説明図である。
【図4】図1の保護部材をA−A面切断した切断面を示す説明図である。
【図5】本発明の保護部材ぼ別の実施の形態を示す説明図である。
【図6】本発明の保護部材ぼ別の実施の形態を示す説明図である。
【図7】本発明の包装部材を透明袋に入れる状態を示す説明図である。
【図8】本発明の包装部材の別の実施の形態を示す説明図である。
【図9】本発明の包装部材を本に添付した場合の説明図である。
【符号の説明】
1…保護部材 2…包装袋 3…切欠き 4…枠部 5…貫通孔 6…連接部
7…包装部材 8…切込み 9…基材部 10…主保護部 12…透明袋 13…本 14…上下中央線
Claims (6)
- 液体、流動体、粉体、粒状体等の物品を密封した2袋以上を連接した包装袋と、該包装袋と略同一寸法の保護部材とを、一体化して冊子体に添付する場合に使用するための保護部材において、前記保護部材は、前記包装袋の連接部に対応する箇所に切欠き部を有し、当該切欠き部で前後又は左右の2方向に曲がることを特徴とする保護部材。
- 前記包装袋が2袋を連接したものである場合に使用するための保護部材であって、前記保護部材の基材部には、前記包装袋を構成する各袋の内容物の入った部分の周囲に略相当する寸法の、左右に2つずつが一列に並んだ合計4つの矩形の貫通孔と、それらの中央に位置する切欠き部の幅を有する貫通孔とが設けられており、当該基材部の上面には、該左右に2つずつの矩形の貫通孔に略合致するそれぞれ2つずつの矩形の貫通孔を有するとともに、前記包装袋の連接部に対応する箇所に天地方向に線状の切欠き部を有する主保護部が貼着されており、前記包装袋をその2袋の内容物の入った部分が前記保護部材の中央の切欠き部の幅を有する貫通孔の左右の2つの貫通孔部に現れるようにセットして前記左右の2つずつの貫通孔の間の箇所を折れ線として観音開き状の扉を閉める様に保護部材を折り畳んだ時に、前記包装袋の連接部に対応する箇所に主保護部の切欠き部が来て、当該切欠き部で前後又は左右の2方向に曲がることを特徴とする請求項1記載の保護部材。
- 前記主保護部の前記線状の切欠き部とその両側の矩形の貫通孔との間の部分が切欠かれていることを特徴とする請求項2に記載の保護部材。
- 請求項1乃至請求項3のいづれか一つの保護部材と包装袋を一体化したことを特徴とする包装部材。
- 保護部材と包装袋を袋体に入れて一体化したことを特徴とする請求項4記載の包装部材。
- 請求項4又は請求項5に記載の包装部材を添付したことを特徴とする冊子体。
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