JP4198232B2 - Nc工作機械におけるワーク加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、NC(数値)制御された工作機械で、金属ワークを加工する際の加工方法に関するもので、特に異種金属の複合ワークを加工する際の加工基準の設定方法に特徴がある加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
旋盤その他の工作機械でワークを加工する場合、加工に先立ってワークの加工基準を設定する必要がある。これは工作機械に取り付けられたワークの位置や姿勢が必ずしも一定しないため、ワークと工作機械の刃物との相対位置関係を予め正確に設定しておくことが正確な加工の前提となるからである。
【0003】
例えば旋盤の加工において、ワークの中間部にフランジや溝が設けられていてこのフランジや溝を基準にして加工を行う場合や、ワークの端部に切欠が設けられていてその切欠部分に孔加工を行う場合などは、そのフランジないし切欠を検出してZ軸方向やC軸方向の加工基準を設定する。
【0004】
このような場合の加工基準の設定は、例えば旋盤であれば、工具タレットにワーク検出用の検出プローブを取り付け、主軸チャックに把持されたワークのフランジ、溝、切欠などに検出プローブをゆっくりと接近させてゆき、ワークと検出プローブとが接触した瞬間の刃物台の座標や主軸位相をNC制御装置で読み取って加工基準を設定する。
【0005】
検出プローブは、ワークと検出プローブの接触針とが接触したときに、両者が電気的に導通されることを利用して、または当該接触により接触針がわずかに変位するのを利用して、ワークとの接触を検出している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
検出プローブのように、ワークとの接触位置を検出して加工基準を設定する方法は、ワークに凹凸がなければ利用することができない。ところが現場で加工されるワークの中には、ワーク内に異種金属が埋め込まれていて、その埋込位置を基準にしてワークの加工を行わなければならない場合がある。この場合、ワーク表面に異種金属の埋込位置と対応した凹凸がないと、加工基準を自動で設定することができない。そこでこのようなワークの加工基準を設定するときは、作業者が手作業で異種金属の埋込位置に刃物を位置合わせし、それを基準にして加工を行っている。
【0007】
しかしこのような手作業による加工基準の設定は、煩雑で時間がかかるばかりでなく、精度も悪いという欠点がある。そこでこの発明は、このような場合にワークの加工基準を自動的に設定することができる技術手段を得ることを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明のワーク加工方法は、工作機械の刃物台に非磁性体検出センサ、色差センサまたは光沢センサを取り付け、これらのセンサを母材中に異種金属が埋め込まれているワークの表面に近接させてワークとセンサとを相対移動させ、これらのセンサの出力値が変化したときの刃物台の座標ないし主軸位相をNC制御装置で読み取り、この読取値に基いてワークの加工基準を設定することにより、異種金属の埋込位置を基準にしてワークの加工を行うことを特徴とするものである。
【0009】
上記加工方法において、ワークと非磁性体検出センサ、色差センサまたは光沢センサとを一方向に相対移動させながら、センサの出力が変化したときの刃物台の位置ないし主軸の位相を第1検出値として記憶し、次にワークとセンサとを反対方向に相対移動させてセンサの出力が変化したときの刃物台の座標ないし主軸の位相を第2検出値として読み取り、当該第1検出値と第2検出値の両者からワークの加工基準を設定することができる。
【0010】
たとえば鉄を母材とするワークの中に、真鍮や銅の部材が埋め込まれている場合のように、母材と埋め込まれている金属との間に磁性体と非磁性体という差異があるときは、センサとして非磁性体検出センサを用いる。非磁性体検出センサとしては、たとえば磁界作用を利用した高周波発振型センサや、電界作用を利用した静電容量型センサが知られている。
【0011】
母材と埋込金属とがたとえばアルミニウムと真鍮である場合のように、磁性体と非磁性体であるという差はないけれども、金属表面の色相が異なるものであるときは色差センサを用いる。色差センサとしては、たとえば着色光を発する反射型光電センサが知られている。
【0012】
またたとえば母材がアルミニウムで埋め込まれた金属がステンレスの場合のように、両者の間に磁性体と非磁性体との差及び色差がないか、またはあってもその差異を検出するのが困難な場合には、金属表面の光沢を検出する光沢センサを用いることができる。光沢センサとしては、たとえば反射光の拡散率を検出する光電センサが知られている。
【0013】
色差センサや光沢センサを用いるときは、ワーク表面を旋削加工してワーク表面を所定の面粗さにして検出を行う。またこれらのセンサは、必要に応じて複数種を用いて複数種のセンサの出力変化の状態から異種金属の埋込位置をより正確かつ確実に検出できるようにすることも可能である。この場合、2種以上設けたセンサは必ずしも同一位置に設ける必要はなく、センサ相互の間隔が分かっていれば、NC装置で検出値の補正を行うことができる。
【0014】
【効果】
上記のようなこの発明の方法によれば、母材中に異種金属が埋め込まれているワークにおいて、その埋め込まれた異種金属の中心部分に孔加工や溝加工を行うというような加工を、表面に凹凸がないワークに対しても、全自動で行うことが可能になり、この種のワークの加工能率の向上と加工性との向上を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。図2に例示したワーク1は、単純な円筒形の鉄の母材1aの同一円周を等分する位置に母材の軸方向と平行な真鍮の丸棒1bが埋め込まれている構造で、要求される加工は真鍮の丸棒1bの中心部分に軸方向の高精度の孔加工を行うというものである。この種のワークは従来鉄のワークに孔加工を行い、そこに真鍮の中空パイプを嵌入し、次いで真鍮パイプの中心孔を仕上加工するという工程で製造されていたが、製造工数の低減を図るため、真鍮棒を埋め込んだ母材を製造し、母材の加工と真鍮の丸棒の中心への孔加工とを1回の機械加工で行うようにしたものである。
【0016】
このワークの加工は、NC装置付きのタレット旋盤で行われる。タレット2にはその工具装着ステーションに、非磁性体センサ3と、旋削加工用のバイトと、孔加工用のボーリングカッタとが装着される。旋盤にワーク1を装填してまず外周及び端面の旋削加工を行い、次いでタレット2の回転により非磁性体センサ3を割り出し、ワーク1の端面の真鍮の丸棒1bが埋め込まれている半径の位置に設定させる。次に刃物台を停止しセンサ3の出力を監視しながら、主軸4を低速回転させて埋め込まれた真鍮の丸棒1bを検出する。図の実施形態ではセンサ3を真鍮の丸棒1bの両方向から接近させ、真鍮の丸棒1bの径方向の両端位置であるA点とB点とを読み取り、その両読取値の中間位置を加工基準5に設定している。
【0017】
加工基準5の検出手順は、図3のフローチャートに示されている。まず素材(ワーク)1を旋盤のチャック6にローディングし、ワーク1の外周1c及び端面1dの旋削加工を行った後、非磁性体センサ3を割り出してワークのA点計測位置に接近させる。そして旋盤の主軸をC軸−方向(図2で右回り方向)に回転させ、センサ3が真鍮の丸棒1bを検出してその出力が変動したとき、C軸(主軸回転)を停止させ、A点のC軸座標を読み取る。
【0018】
次にセンサ3をB点計測位置に接近させる。具体的には主軸をC軸−方向に予め設定した角度だけ回転して、センサ3がA点を検出した真鍮の丸棒1bの反対側にくるようにする。次に主軸をC軸+方向に回転させ、センサ3が真鍮の丸棒1bを検出して出力が変動したとき、主軸回転を停止してB点のC軸座標を読み取る。そしてNC装置でA点とB点の座標から加工基準5の座標を算出する。この例ではA点の座標とB点の座標とを算術平均することにより、加工基準5の座標が算出される。そして算出された加工基準をNC装置に設定した後、センサ3を退避させタレット2を回転してボーリングカッタを割り出し、主軸を加工基準及びそれから等間隔に配置された他の真鍮の丸棒の配置位相に順次割り出して、各真鍮の丸棒1bの中心に孔加工を行う。
【0019】
以上の例では複数本埋設された真鍮棒の1本のみの位置を検出して加工基準を設定しているが、真鍮の丸棒の埋設間隔に誤差があるときは、上記手順を繰り返すことにより、それぞれの真鍮棒の埋設位置を検出し、それらの検出値の平均値から加工基準を設定するようにできる。また図の例ではセンサ3として非磁性体センサを用いているが、前述したように色差センサや光沢センサを用いることもできる。またタレットに取り付けられるホルダに検出物理量の異なる2種類のセンサを取り付けて、それら複数のセンサが検出した物理量に基いて埋設金属の位置を検出するようにすることもできる。これはたとえば母材と埋設金属との物理量の差異が小さく、一種類の物理量のみで検出したときには、検出信号と雑音信号との差が判然としないような場合に、他の物理量の検出値で検出信号と雑音信号とをふるい分けるような場合に有効である。
【0020】
以上の例は、主軸回りのワークの加工基準を設定する例であるが、図4、5に示す例は、母材1aの軸方向中間位置に異種金属1bが半径方向に埋め込まれているワークの例である。このような場合において異種金属1bの埋め込み位置を加工基準に設定するときは、非磁性体センサ3をワーク外周に接近させ、主軸をゆっくりと回転させながら刃物台をZ軸方向に移動させ、センサ3の出力値が変化したときの刃物台の位置からZ軸方向の加工基準を設定し、そのときの主軸位相を基準としてC軸方向の加工基準を設定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のNC旋盤の主軸、チャック、ワーク、タレット、センサの関係を模式的に示した正面図
【図2】図1のA−A矢視図
【図3】加工基準検出フローチャート
【図4】異種金属を半径方向に埋設したワークの場合の例を模式的に示す正面図
【図5】図4のワークを軸方向から見た説明図
【符号の説明】
1 ワーク
2 タレット
3 非磁性体センサ
4 主軸
5 加工基準
Claims (1)
- 刃物台に非磁性体検出センサ、色差センサまたは光沢センサを取り付け、これらのセンサを母材中に異種金属が埋め込まれているワークの表面に近接させてワークとセンサとを相対移動させ、これらのセンサの出力値が変化したときの刃物台の座標ないし主軸位相をNC制御装置で読み取り、この読取値に基いてワークの加工基準を設定することにより、異種金属の埋込位置を基準にしてワークの加工を行うことを特徴とする、NC工作機械におけるワーク加工方法。
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JP15676798A JP4198232B2 (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | Nc工作機械におけるワーク加工方法 |
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JPH11320341A JPH11320341A (ja) | 1999-11-24 |
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JP15676798A Expired - Fee Related JP4198232B2 (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | Nc工作機械におけるワーク加工方法 |
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1998
- 1998-05-20 JP JP15676798A patent/JP4198232B2/ja not_active Expired - Fee Related
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