JP4198057B2 - 卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法 - Google Patents
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Description
鶏卵の卵白と卵黄内に複数の温度測定地点を設定し、温度測定地点の中で全殺菌処理過程を通じて卵黄と卵白の最低温度地点を各々設定し、前記最低温度地点の温度を計画された殺菌処理温度以上に殺菌必要時間維持して、卵白と卵黄が同時に殺菌されるようにする卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法に関する。
前記延長線上で卵黄に最も近接した卵白の二地点、前記卵殻に最も近接した卵白の二地点及び前記二つの球の中心点を設定して卵白の温度測定地点を設定し、この卵白の温度測定地点で測定した温度のうち最も低い温度を有する地点を卵白の最低温度地点として選定し、前記延長線上で卵黄に最も近接した卵白の二地点に対して最も近接した卵黄の二地点、これら卵黄の二地点と卵黄の中心点の間に二つの中間地点及び卵黄の中心点を温度測定地点として卵黄の温度測定地点を設定し、この卵黄の温度測定地点で測定した温度のうち最も低い温度を有する地点を卵黄の最低温度地点として選定し、
殺菌処理過程を通じて時間別に前記卵白及び卵黄の最低温度地点で温度を測定し、これを基準として殺菌処理温度及び殺菌処理温度維持時間を決めることを特徴とする、卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法に関する。
F2:log(t)=14.30389-0.2251287*T
F3:log(t)=14.06163-0.2252666*T
F4:log(t)=13.81366-0.2250048*T
F5:log(t)=13.68152-0.2248754*T
F6:log(t)=13.52736-0.2258101*T
F7:log(t)=13.05205-0.2251104*T
食卵を加熱手段を利用して加熱殺菌する時、加熱温度の制限を受けるが、卵白と卵黄は各々61±1℃及び65±1℃の前後で凝固を始める。前記卵白が殺菌計画温度範囲内の54〜59.5℃に到達するためには、鶏卵が最低限その温度以上の加熱媒体に直接的または間接的に接触する必要であるが、59.5℃以上では卵殻近くの卵白が凝固する比率が急激に高くなり、また、殺菌過程を短縮するためには初期高温(60℃以上)の加熱媒体で殺菌処理する必要があるが、この場合にも卵殻近くの卵白の凝固現象、卵白と卵黄の機能損傷と卵殻の破損現象が急激に高まるため、殺菌温度の範囲は59.5℃以下に制限する。
殺菌処理時間の範囲において、最短時間の場合、殺菌水準を5LOGとし、卵白のPH濃度を9とし、卵黄及び卵白の最低温度が各々59.5℃に到達した後、本発明による最少で3地点以上を測定した、卵白及び卵黄の最少で3地点以上の各々最低温度が、この最低温度を離脱しないように温度を調整する時、卵黄はこの計画温度に到達した後、4.56分、卵白は0.46分後に殺菌が完了する。
同様に最長時間の場合、殺菌水準を12LOGとし、卵白のPH濃度を8とし、卵黄及び卵白の最低温度が各々54℃に到達した後、本発明による最少3地点以上を測定した卵白及び卵黄の最少3地点以上の各々最低温度がこの最低温度を離脱しないように温度を調整する時、卵黄はこの計画温度に到達した後194分、卵白は46.1分後に殺菌処理が完了する。
前記の最低温度は殺菌処理する際の各時間での最低温度であり、冷却過程での計画温度維持時間を含むが、殺菌時間の範囲は卵白と卵黄が同時に満たされる範囲の59.5℃で最低5LOG水準時に殺菌処理時間は4.56分になり、54℃で最高12LOG水準時に殺菌処理時間は194分になり、この時間は計画温度に到達した後の実際殺菌所要時間である。
殺菌の温度と時間の範囲を見てみると、温度は54〜59.5℃であり、時間は前記温度範囲で卵白と卵黄の殺菌を同時に充足させる4.56〜194分であり、F3の上の領域に該当する時間と温度の集合が、卵黄に対する殺菌の範囲になり、F7の上の領域に該当する時間と温度の集合が卵白に対する殺菌の範囲になるが、但し、産卵直後農場で直ちに殺菌処理する時には卵白の殺菌範囲がLOG(時間;分)=13.82085-0.2246819*(温度;摂氏)を満足する時間と温度の軌跡まで拡張される。
この時、殺菌処理準備過程と計画温度到達までの時間及び冷却またはコーティングまでを含む全殺菌処理所要時間はさらに長くなり、その時間の範囲は鶏卵の状態、即ち、大きさ、保存温度、PH濃度と加熱手段、加熱媒体、及び加熱方式によって変わる。
TLw(t)=MIN
T(t)(W1、W2、…Wm、Wm+1、Wm+2、…Wi、…W11、W22…Wmm+1、Wmm+2…、Wii)
TLy(t)=MIN T(t)(Y1、Y2、…Yi、Yi+1、…Y11、Y22、…Yii+1、Yii+2、…Ym)
*TLwは殺菌処理開始から終了までの或る時点の卵白の最低温度である。
*TLyは殺菌処理開始から終了までの或る時点の卵黄の最低温度である。
*MIN T(t)はt秒における最低温度である。
*ここでtは時間であって、単位は秒である(0<t≦11,640)。
つまり、下記の条件を同時に充足すべきである。
1)Twp(tw)≦MIN
T(tw+k1)(W1、W2、…Wm、Wm+1、Wm+2、…Wi…W11、W22…Wmm+1、Wmm+2…、Wii)
2)Typ(ty)≦MIN
T(ty+k2)(Y1、Y2、…Yi、Yi+1、…Y11、Y22、…Yii+1、Yii+2、…Ym)
3)殺菌処理終了時点でk1-tw及びk2-tyは図1で意図する水準の殺菌に該当する殺菌計画温度で各々卵白及び卵黄の必要殺菌時間より大きいことが必要である(但し、0≦k1≦11,640、0≦k2≦11,640であり、k1、k2は秒単位である)。
前記式で、
*Twpは卵白の殺菌計画温度、
*twは卵白の殺菌計画温度範囲内の進入後、殺菌処理開始時の時間(秒)、
*k1は卵白の殺菌計画温度範囲内の進入後、殺菌完了前までの経過時間(秒)、
*MIN T(tw+k1)は卵白の殺菌計画温度範囲内の進入後、終了時までの各時点での卵白の最低温度、
*Typは卵黄の殺菌計画温度、
*tyは卵黄の殺菌計画温度範囲内の進入後、殺菌処理開始時の時間(秒)、
*k2は卵黄の殺菌計画温度範囲内の進入後、殺菌完了前までの経過時間(秒)、
*MIN T(ty+k2)は卵黄の殺菌計画温度範囲内の進入後、終了までの各時点での卵黄の最低温度である。
殺菌処理過程は一つの加熱媒体で計画温度到達時、加熱手段の温度を調整して、殺菌必要時間中は卵白と卵黄の最低温度が各々計画温度以上に維持されるように処理したり、コーティングなど付加的な過程を追加したり、連続作業による作業性を上げるために2つ以上の同一または相異なる温度の複数の加熱媒体を用いることができ、温度が異なる2つ以上の加熱媒体を使用する場合、卵白と卵黄の機能損傷や凝固の最少化のために、以後の加熱手段または加熱媒体の温度を以前の加熱手段または加熱媒体の温度より低く維持するのが好ましい。
摂氏5℃で冷蔵保管した卵白PH8の60gイサブラウン品種の褐色鶏卵の9LOG水準の殺菌過程の一例を見ると、摂氏26℃、湿度63%の大気中で30分露出させた後、59℃の水を加熱媒体とし、±0.1℃まで温度調節可能な水を加熱媒体とする水槽に投入する時、卵白と卵黄の最低温度は18.1及び17.4℃であり、計画温度を58℃に設定し、卵黄の最低温度がこの温度に到達する時、同一水槽内でこの最低温度を維持するように加熱媒体の温度を調整した。
卵白の最低温度は加熱媒体に投入した後、31.5分経過して58℃に到達した後、必要処理時間4.4分を含んで35.9分に殺菌が終了し、卵黄の最低温度は加熱媒体に投入した後、37.8分が経過して58℃に到達した後、必要処理時間17.7分を含んで55.5分に殺菌が終了するが、この時、加熱媒体から離脱した後、冷却時の58℃以上停滞時間1.3分を含んだ55.5分であり、処理後、鶏卵の状態は卵白が少し曇った状態であった。
つまり、加熱媒体から離脱した後、殺菌持続時間1.3分を考慮して54.2分に加熱媒体から離脱させることによって殺菌が終了した。
前記の場合には水槽間の移動やコーティングなど追加処理を殺菌処理途中でしようと考えて鶏卵を加熱媒体から離脱・再進入することなく、卵白や卵黄の最低温度が殺菌計画温度に到達した後、継続してそれ以上の温度を維持した場合である。つまり、最低温度離脱がない場合であり、単に冷却過程で卵黄の最低温度地点変化とその温度維持時間差のみがある場合であるが、もし次の加熱媒体への移動や急激な加熱温度の下降時には必ず卵白及び卵黄の最低温度が計画された温度を離脱しないようにする必要があり、また、最低温度地点変化とこれによる最低温度が殺菌処理維持時間を充足させるべきである。
殺菌処理時間は卵黄の最低温度が58℃で9LOG水準の殺菌を要求する時間を満足させる17.7分で、時間は加熱媒体やその方式に関係なく同一であり、ただし前記の場合、殺菌処理過程に要する全時間は55.5分であり、同一計画温度でも殺菌時、加熱手段、加熱媒体、加熱方式及び鶏卵の性質によって殺菌処理に要する全時間は異なり、同じ水準の殺菌でもその設定計画温度によって実際殺菌処理時間は同一であるが、全所要殺菌過程の時間は先に述べたように殺菌環境によって異なる。
表2は60gの褐色鶏卵であり、卵白のPH濃度が8である60個の鶏卵にSEを100,000CFU/mlずつ卵白と卵黄のWmとYm地点を中心点として注入した後、加熱媒体の温度が58.5℃であり、その加熱媒体に鶏卵が初期接触時に卵白と卵黄の最低温度が各々31.3及び30.4℃である実験対象60個の試験鶏卵を各12個ずつ5群に分けて殺菌処理時間を群別に60秒ずつ差をおいて、殺菌計画温度を56℃として5LOG水準の殺菌をした後、LB培地、SCP及びラムバク寒天培地で各々37℃で24時間鶏卵を培養した後、陽性試料PCRで殺菌の有無を検証した結果である(前記の場合、5LOG殺菌のために冷却過程まで含んだ卵黄及び卵白の最低温度が56℃以上で最少各々28及び7.6分以上とどまるべきであるが、この実験で卵黄及び卵白の最低温度が56℃に到達した時点は加熱媒体に投入した後、12.6分及び19.8分であり、計画温度到達後、前記温度を維持するようにする。)。
殺菌をすることにおいて問題となる部分の一つは、食卵を加熱する時、卵殻の破損問題であるが、前記の破損現象は産卵日齢、飼料摂取量、鶏舎内の温度及び加熱時鶏卵と加熱媒体の温度差から多くの影響を受け、強制換羽した鶏が産んだ鶏卵は54〜59.5℃まで加熱のためには最小限それ以上の加熱媒体に直・間接的な加熱方式が必要であるが、このような場合にも50%までも卵殻が破られて強制換羽した鶏が産んだ鶏卵は本発明の範囲から除く。
予熱過程の追加や最近商用化されている自動亀裂感知器を使用しても殺菌過程において完全に卵殻破壊による亀裂問題を解決できないことがあり、摂取飼料、産卵日齢、保管及び殺菌処理方式によって卵殻の破損状態が異なることがある。実際殺菌過程で予想できない亀裂を把握できるが、この場合、殺菌施設を利用して新鮮食卵と異なる殺菌鶏卵用途に活用するのが好ましい。つまり、半熟または茹で鶏卵に加工処理して消費させる方案である。このように加工した鶏卵は大体半分または部分的に処理されて他の食べ物に栄養的、味覚的、視覚的目的として消費されるが、卵黄が鶏卵の幾何学的な中心部に位置すればその商品性が高い。卵黄が卵殻にほとんど近接する時、消費者に視覚的な嫌悪感と卵黄以外の飲食に波及して、その商品性が減少する。したがって、卵黄が幾何学的な中心部に位置するようにする方法の追加が必要である。このために鶏卵を加熱媒体の内または外で図2のWooとWoを垂直軸に水平または上下に180度以上回転させることが必要であり、さらに好ましいことは垂直に回転をさせるが、各々の方向に交差するように1回以上回転させて遠心力によって卵黄が特定部位の卵殻近くに位置しないようにするのが好ましい。つまり、温度54〜100℃で5〜300分の間、殺菌範囲を拡大して殺菌しながら2つ以上の鶏卵を1段以上垂直に積載して加熱媒体内または外で上下に180度以上回転させるものの、回転方向が同一方向に720度以上回転せず、反対方向に1回以上交差回転させる方法である。この場合、図1の殺菌温度範囲を外れて鶏卵内部の最低温度が100℃まで拡張され、卵白や卵黄の熟成や物性的変化があるが、殺菌水準や食品として摂取側面では満足できるものである。
本発明の範囲は卵白と卵黄の最低温度を基準に図1で要求する温度とその温度維持時間を充足させることにあるので、卵殻の色、重量及び鶏卵の保管温度に影響を受けずに同一に適用される。
但し、殺菌処理時間は同一であるが、重量が大きいほど、そして加熱媒体接触開始時に鶏卵の温度が低いほど殺菌可能温度範囲進入時間が長くなり、同時に全体殺菌所要過程時間も長くなる。冷蔵鶏卵は常温保管鶏卵より全殺菌処理時間が長く、また、冷蔵鶏卵は同じ温度の加熱媒体に接触する時、常温鶏卵より卵殻の破損比率が高くなる。冷蔵保管鶏卵と常温保管鶏卵の全所要時間の差は、重量、保管温度の差、加熱媒体の温度及びその方式によって異なるが、加熱媒体の温度が低いほど殺菌可能温度進入時間が長くなり、全所要時間も長くなる。
重量が大きいほど殺菌可能温度到達時間が長くなり、全所要時間も長くなり、加熱媒体でさらに長く接触するので卵白や卵黄の機能損傷危険が高くなるので、これを最少化する温度と時間選択が必要である。特に、冷蔵鶏卵の殺菌はさらに精密な温度と時間選択と統制が必要であるが、現代の大部分の鶏卵選別器が重量を±0.1gまで細分して1g単位で重量を選別区分までするので、殺菌時これを利用して鶏卵間の重量差を最少化するのが好ましい。
実際商業的な殺菌鶏卵の量産時には冷却過程まで含んで計画された加熱手段及び加熱媒体の種類と数、その温度、加熱媒体内での移動時点及び所要時間、加熱方式などを全く同一にして十分な反復実験を通じて得た資料に基づいて実際量産に適用させる。つまり、卵黄と卵白の最低温度を時間別に測定して、その最低温度が計画された殺菌温度到達時点及びその温度で意図する殺菌水準の時間を維持するように各過程の時間と手続を設定して量産時に適用させ、殺菌後、殺菌の検証及び定期的で反復的な測定によって卵白や卵黄の機能低下や凝固現象がないように温度と時間の数値を修正して誤差を最少化するフィードバックも必要である。
殺菌検証だけでなく、卵白や卵黄の品質を代表的に示すHaugh Unit、Yoke Index及び減量現象などの品質測定も定期的に行うのが好ましく、但し、殺菌処理鶏卵はできるだけその品種、鶏群(Flock)、産卵後経過日及び卵白のPH濃度などが同一でなければならず、その重量の差も最少化しなければならず、同一鶏群の同一重量及び産卵日の鶏卵を共に殺菌処理することが理想的である。
殺菌過程で停電など急な作業環境変化によって、計画された殺菌処理不可または殺菌過程で計画対比低殺菌、過殺菌、卵白の熟成などのため正常な殺菌処理条件離脱事項が発生した時、対象鶏卵を他の用途に転換処理商品化する方式も追加されるのが好ましく、これは前の亀裂処理方案で言及された事項と同一である。
卵殻にもサルモネラ及び病原性細菌が多く感染するが、卵白や卵黄に伝えられた熱は卵殻を通じて伝えられ、卵殻が受けた熱量は卵白や卵黄より多く、熱によってサルモネラを殺菌するので卵白及び卵黄の殺菌充足は卵殻の殺菌も充足させ、また、類似な病原性細菌及び有害な微生物の殺菌効果も期待できる。
本明細書において“加熱手段”とは加熱媒体を含む加熱装置を意味し、例えば水槽などがある。また、“加熱媒体”とは熱を鶏卵に伝達して殺菌を可能にする媒体を意味する。加熱手段と媒体は鶏卵に均等に熱を伝達できる必要があり、その加熱媒体自体の温度及び卵白と卵黄の温度を摂氏±0.1度まで調節可能であるべきで、その加熱媒体の温度を調整することにおいて、鶏卵に直接または間接的に、連続的または間歇的に鶏卵に熱を伝達することを含む。
加熱媒体としては固体、液体または気体を用いることができ、取扱容易性と経済性を考慮して液体、例えば水、油、オイル、塩水などが好ましく、熱伝達効率を高めたり鶏卵全部位に加熱を均一にするために表面活性剤など化学的混合物を使用したり加熱媒体と鶏卵間の摩擦または鶏卵を加熱媒体内で回転をさせることができる。
加熱手段、加熱媒体、加熱源及び加熱方式に関係なく卵白と卵黄の最低温度が要求する水準の殺菌が達成できるように計画された温度で殺菌必要時間を維持するようにすることであるが、単一または2以上の加熱手段、加熱媒体、または加熱方式を用いることができ、複合的にも使うことができるが、殺菌処理過程では最低温度が殺菌計画温度に到達した後、加熱手段または加熱媒体内での移動や同一加熱媒体内での冷却過程を含んだ殺菌持続時間が殺菌水準による温度及び時間を充足させるべきである。
鶏卵を固体に固定させて加熱手段内で回転または往復運動させる場合、加熱死角地帯を招くことがあり、熱伝導率の差によって部分的な卵白の凝固現象が発生するが、加熱媒体や加熱方式に関係なく加熱媒体と鶏卵の間に全体的に均一な熱伝達が行われるべきであり、このために加熱媒体と卵殻の間に熱伝達死角地帯を最少化すべきである。
加熱媒体の熱伝達効率を高めて均一な温度達成のために、加熱手段や加熱媒体内で上下または左右方向への気泡の循環や摂動工程が追加されることができる。
予熱過程の主目的は卵殻の破損最少化のために冷蔵または常温保管温度の鶏卵に対して予熱過程を通じて卵殻と加熱媒体との接触時、その温度差を減らして卵殻の破損を最少化することであり、また、計画温度進入時間の改善効果であるが、その目的上、加熱媒体の温度は卵殻の温度と22℃以内にするのが好ましい。
殺菌処理途中またはその後、大気中の自然冷却または冷却媒体による強制冷却が必要であるが、冷却過程中、最適鶏卵品質維持と生存したサルモネラ菌の成長を最少化するために37±3℃で最小限にとどまり、5℃以下の温度に早期到達して前記温度で保管されるように維持すべきである。
冷却時には鶏卵の断熱現象がないか冷却媒体と鶏卵との相互摩擦及び移動が制限されない冷却方式が好ましい。
殺菌処理後または殺菌が持続される途中に、その後の有害性微生物による2次感染を防止するためにコーティングが好ましく、このために、まず、鶏卵卵殻表面の水分やこの物質を除去することで効果的にコーティングできる。前記両者の場合、鶏卵を図2のWooとWoを軸として横に水平または上下垂直(WooとWoが上下に)に殺菌過程中または殺菌後、大気中や加熱媒体の中で回転させるのが好ましい。これは特に水分乾燥時に効率性と作業性面でさらに好ましい。殺菌過程中または殺菌終了後、55-60℃加熱媒体で直ちに離脱した鶏卵を常温15℃-25℃、相対湿度60-80%の大気中で前記方式で30秒に1回以上の速度で回転する時、30秒内に卵殻をコーティングに満足するほどの水準に乾燥させることができるが、回転がない場合、水分が鶏卵の最低点に重力によって集まって停滞し、乾燥にだけ25分以上かかる。
加熱媒体としては水または水を主成分とした塩水などの液体がその取扱便利性と安全性の理由で用いることができるが、この場合に鶏卵がその固有の外部病原菌を遮断するために卵殻表面に有しているクチクラ(Cuticle)が水や液体に溶解されて殺菌後再びサルモネラ及び病原性細菌に感染される可能性が高くなり、卵殻に産卵時から あるが、洗浄または液体に接触する場合、クチクラが鶏卵卵殻から離脱して細菌の侵入に脆弱になり、これは鶏卵の品質及び安全性を脅かす。
したがって、液体、特に水で殺菌処理した場合、この機能を代替補完して外部の細菌から第2次感染を防ぐコーティングが好ましく、前記の再感染防止のためにクチクラ質の代用として鉱油(Mineral oil)または食用オイルで卵殻を塗布またはコーティングするのが好ましく、殺菌後のコーティングは細菌の再感染の予防だけでなく、鶏卵の保管性も高くし、このコーティング過程は必ず必要ではないが、その処理が好ましく、処理は殺菌中または包装前に実施できる。コーティングをすることにおいて卵殻部位に均等で十分にコーティング材質を塗布できるように鶏卵をコーティング材質に十分に接触させた状態で図2のWooとWoを軸で横に水平で回転させるのが効果的であり、この場合、鶏卵回転軸はコーティング材質から露出されないようにする。つまり、鶏卵の幾何学的中心が塗布媒質中に位置し、最少1回水平方向に回転するのが好ましい。
殺菌処理後、出荷前に包装が必要であるが、包装方法は現代の包装器が重量別に6、8、10、12、15、18、20、24、30及び36個単位で自動包装するのでこの施設を活用することができ、その包装材質としてはリサイクルまたは洗浄/殺菌後、再使用可能な紙、PE、PS、PET及びプラスチックを用いられる。細菌の再感染を防止するために密封可能な材質を使用したり真空包装もできる。
前記のように本発明によって鶏卵を殺菌する場合、一般鶏卵との差を見てみると次の通りである。
図7a乃至7cは本発明によって殺菌処理された鶏卵と一般鶏卵との経過日による状態変化を示したグラフであって、ハウユニット(Haugh Unit)、重量減少の変化及びYoke Heightを経過日によって比較分析したものである。前記ハウユニットは鶏卵の内部品質、特に卵白の品質を測定する代表的な基準であり、Yoke Heightは卵黄の品質を測定する基準であり、通常鶏卵は重量を基準に包装販売されていて時間の経過に伴って重量が減って包装に表記された基準値を外れることが発生するので、重量減少の変化も比較した。
殺菌鶏卵は殺菌しない鶏卵と外観及び肉眼比較時、卵殻を有する状態では肉眼でその差を区別するのが難しかった、しかし、卵殻を割って卵白と卵黄を見ると、殺菌鶏卵の場合ガラスなどの透視が可能な平面や、透明であるか明るい平面の物体において詳細に見れば、卵白が多少不透明に見えて一般鶏卵と差があり、卵黄は一般鶏卵と比較してみると殺菌鶏卵が卵黄が多少膨張して大きく見えた。
図7A、7B、及び7Cは本実験例による殺菌処理された鶏卵と一般鶏卵との経過日による状態変化に対する比較を示しており、グラフ上のPC(Pasteurized and cold storage)は殺菌処理後、冷蔵保管(5℃)した鶏卵であり、NC(Not pasteurized and coldstorage)は殺菌未処理後、冷蔵保管(5℃)した鶏卵であり、PR(Pasteurized and Room temperature)は殺菌処理後、常温保管(24〜26℃)した鶏卵であり、NR(Not pasteurized and Room temperature)は殺菌未処理後、常温保管(24〜26℃)した鶏卵である。
ハウユニット測定は電子式自動測定機(EGG MULTI Tester:EMT-5200、Robotmation Co.,Ltd, Japan)と手動方式(micrometer calipersと公式を利用して測定);Yoke Height=mm;ハウユニット=100 log(Albumen height-1.7鶏卵重量0.37 + 7.6)を併行して行い、卵白PH濃度8、重量60〜70gのイサブラウン褐色卵を(1)殺菌処理及びコーティング後、冷蔵(摂氏5℃)保管、(2)殺菌処理及びコーティング後、常温保管(25±2℃前後)、(3)未殺菌処理後、冷蔵保管、(4)未殺菌処理後、常温保管した4分類のサンプルを各々180個ずつ1、5、10、20、30及び60日経過後、各々ハウユニット、Yoke Height及び重量の平均値を測定比較したものである。
加熱媒体として水を使用して殺菌処理したり洗浄した場合、クチクラが失われて外部病原菌から感染最少化のためにコーティングするのが普遍的で理想的であるので殺菌後、鉱油を使用してコーティングした。
ハウユニットによる鶏卵内部の品質基準は国内の鶏卵品質等級案、米国USDA(農務部)、日本及びヨーロッパで基準がほとんど一致し、最上位等級(Grade AA>72ハウユニット)、その次の等級(Grade A60-72 ハウユニット)、そして食用としての最低範囲等級(Grade B<60ハウユニット)である。
前記ハウユニットを基準に比較する時、特に常温保管の場合60日保管した殺菌鶏卵が60日経過してもハウユニット60以上を維持し、未殺菌鶏卵5日数値と同様であり、10日数値より高くて非常にハウユニット側面で品質が優れており、冷蔵保管でも時間が経過するほど差が激しくなり、60日経過時3%以上数値の差があり、殺菌処理後、常温保管鶏卵も未殺菌処理した冷蔵保管鶏卵と比較した時ハウユニット側面ではほとんど同様な数値を示すことから、殺菌鶏卵はハウユニット側面で評価した鶏卵の内部、特に卵白の品質改善効果がある。特に、等級差によって販売値段の差がある流通体系では高い等級による収益性改善効果を期待することができる
卵黄の品質が主に評価できるYoke Heightも殺菌鶏卵が未殺菌処理鶏卵より冷蔵及び常温保管に関係なく数値が高く、時間が経過するほど差が大きくなり、常温で60日保管した時その数値差が60%まで出て、むしろ常温保管殺菌鶏卵が冷蔵保管未殺菌鶏卵より数値がさらに高いことが分かる。
鶏卵販売はほとんどその重量を基準に包装販売されるので重量変化も大きな意味があり、保管温度に関係なく殺菌鶏卵が未殺菌鶏卵より重量減少現象が少なく、保管温度に関係なく時間が経過するほど殺菌鶏卵と未殺菌鶏卵に重量減少数値の差の大きくなり、常温で60日保管した時、7倍以上重量減少の差が示され、冷蔵でも殺菌鶏卵が未殺菌鶏卵より30%以上重量減少改善の効果がある。
Claims (14)
- 加熱手段を利用して卵殻を有する状態の鶏卵を殺菌処理する方法において、
鶏卵の卵白と卵黄の、複数の温度測定地点を設定し、
温度測定地点の中で、全殺菌処理過程を通じて卵黄と卵白の最低温度地点を各々設定し、
前記最低温度地点の温度を殺菌処理温度以上に維持し、卵白と卵黄が同時に殺菌されるようにすることを含むことを特徴とする、卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。 - 最低温度地点が、卵白及び卵黄の各々少なくとも三つの温度測定地点で測定した温度の中でのその最低値を有する地点であることを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記鶏卵内部の最低温度地点の温度が、54〜59.5℃の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記鶏卵内部の最低温度地点の温度が、冷却過程を含む全殺菌処理過程を通じての最低温度であることを特徴とする、請求項1または3に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記鶏卵内部の最低温度地点の温度が、加熱手段に含まれた加熱媒体内への鶏卵の脱退及び進入過程、または加熱媒体間での鶏卵の移動過程の温度も含むことを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記加熱手段として、1つまたは同一もしくは相異なる2つ以上の加熱媒体を含む少なくとも一つ以上の加熱手段を用いることを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 殺菌処理温度の維持時間が、4.56〜194分であることを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記鶏卵の殺菌水準が、鶏卵内部のサルモネラ菌の水準を5乃至12Logに減少させることを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記卵黄の殺菌温度(摂氏;T)及び殺菌温度維持時間(分;t)が、卵黄の5LOG殺菌水準のサルモネラ菌が死滅する温度と時間を示す、
log(t)=14.06163−0.2252666*T
で表される、サルモネラ菌熱死滅曲線(TDTC)上またはこの曲線の上部領域であることを特徴とする、請求項8に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。 - 前記卵白の殺菌温度(摂氏;T)及び殺菌温度維持時間(分;t)が、pH9の卵白の5LOG殺菌水準のサルモネラ菌が死滅する温度と時間を示す、
log(t)=13.05205−0.2251104*T
で表される、サルモネラ菌熱死滅曲線(TDTC)上またはこの曲線の上部領域であることを特徴とする、請求項8に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。 - 前記サルモネラ菌が、サルモネラエンテリチジスであることを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記鶏卵の殺菌過程中に、加熱手段もしくは加熱媒体内で垂直及び/または水平方向に回転や摂動させる段階を追加的に含むことを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 前記鶏卵の殺菌過程中またはその後に、鶏卵の乾燥及びコーティング段階を追加的に含むことを特徴とする、請求項1に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
- 鶏卵の幾何学的中心が、乾燥またはコーティング媒体内で水平または垂直方向に30秒に1回以上の速度で回転することを特徴とする、請求項13に記載の卵殻を有する鶏卵の殺菌処理方法。
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