JP4196652B2 - 電子表示媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキシブルなフィルム基板内面に形成された電極間に表示層が挟まれた電子表示媒体であって、基板表面にその電極と導通する部分が形成された電子表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリマーフィルム等の可撓性を有するフレキシブルな基板を用いた光学的な表示パネルは、ガラス基板を用いる表示パネルに比べて薄くて軽く、しかも曲げることが容易であるという利点を有し、電子ディスプレイ装置、特に携帯し、手に持ってその表示を見るタイプのものに多用されている。
【0003】
なかでも、コレステリック液晶を透明な樹脂材料中に分散した、自己保持型液晶と樹脂との複合体を用いる液晶表示デバイスは、安定したメモリー性を有するとともに、アクテイブな駆動回路が不要であり、単純なマトリクス駆動でも高精細表示が可能であることから注目され、さらに、高い反射コントラストが得られるものは反射型ディスプレイ用として注目されている。
【0004】
反射型ディスプレイは、高速表示と高解像度とを満たす他、フリッカがなく表示が見易い上、目が疲れないというマン・マシンインタフェース上の要請や、無電源状態で情報表示や情報保存が可能であるため、省エネによる環境保全上の要請をも満たすものである。特に、コレステリック液晶を透明な樹脂材料中に分散してなる自己保持型液晶と樹脂との複合体を用いた表示層および光導電層が積層され、電圧印加と露光とによって画像が表示される電子表示媒体は、紙の代替物として、または電子ディスプレイに表示された情報のハードコピー用として有力であるとともに、繰り返し書き換えができるため省資源による環境保全上の要請を満たす。
【0005】
パソコンや携帯電話、PHSを初めとする各種情報端末やインターネット等に代表される情報ネットワークの発達により情報量は益々増加の一途をたどり、ハードコピーのために必要な紙需要も増加傾向にある。したがって、紙に代わる情報表示媒体としての電子ペーパーの開発は急務であると考えられる。特に、近年は、文字情報であっても画像情報が多く含まれる傾向にあることから、画像情報を高精細に再現できる「電子ペーパー」が求められている。
【0006】
一方、電子ペーパーは、紙のようなフレキシビリティを確保するため、フィルム基材が使用され、そのフィルム基材に電極を形成し、その電極と外部接続用電極端子との間をプリント配線などで接続する方法が知られている。
【0007】
しかし、プリント配線部分と基板との熱膨張率の違いから、電子ペーパに変形や剥離が生じ易く、基板に切り込みを入れることにより剥離を防止しているものがある(特許文献1参照)。
【0008】
また、「電子ペーパー」を調光液晶シートとして活用するに当たり、製造コストの観点から、基板の一部を部分的に露出させて、リード線を接続し、そのリード線を外部電極端子に接続するものもある(特許文献2参照)。
【0009】
図1は、基板の一部を露出させた電子表示媒体の一例を示す断面構造である。
【0010】
図1に示す電子表示媒体は、一対の基板1a,1bの内面に電極2a,2bが形成され、その電極2a,2b間に液晶層5が挟まれている。そして、一対の基板1a,1bは互い違いに、一部分が剥離されて電極2a,2bを露出させ、その露出された電極部分と外部接続端子との間で導通をとるように構成されている。
【0011】
この構成において、上下の基板から電極部が露出する構造のため、その露出電極に外部接続端子が接続されると、その露出電極が横方向に引っ張られ、上下基板の剥がれが生じやすい。また、露出電極が左右に分かれており、外部接続端子との接続が煩雑である。さらに、基板がフレキシブルであるがゆえに、配線や電極パターンを微細加工することが難しく、引き出し線が断線しすい。また、電子ペーパーを曲げると、表示エリアや、表示エリアから露出電極にかけての引き出し線の断線、表示欠陥が生じやすい上、露出電極は、フィルム基板の端に形成されることから、曲げや屈曲、および外部端子との着脱の際の衝撃に弱いという問題がある。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−18914号公報(段落番号0013〜段落番号0016、図1〜図4)
【特許文献2参照】
特許第2724471号公報(実施例、図1〜図3)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑み、フレキシブルなフィルムを基材とする際の歩留まりの向上を図るとともに、使用の際の曲げや外部装置との着脱の繰り返しによっても電極引き出し線の断や、表示不良が生じない電子表示媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の電子表示媒体は、一対の基板それぞれに形成された電極間に、画像が表示される表示層を挟んだ電子表示媒体であって、
上記一対の基板それぞれは、上記表示層に重なる表示領域に隣接する非表示領域の、相互に異なる位置に開口部を有し、
上記電極は、上記一対の基板の上記表示領域に形成された第1電極部と、上記非表示領域のうちの上記開口部が形成された位置とは異なる位置に広がる第2電極部とを有するものであって、
上記第2電極部に接触するとともに該第2電極部が形成された基板に対向する基板上の開口部から覗く導電部材を備えたものであることを特徴とする。
【0015】
このように、対向する基板それぞれの非表示領域の、相互に異なる位置に開口部と第2電極部とが形成され、第2電極部に接触するとともに対向する基板上の開口部から覗く導電部材を備えられているので、開口部でその導電部材に接触することにより電極との導通が取れる。したがって、電極からコネクタなど電極端子への微細な配線を不要とし、曲げに対しても柔軟に対応が出来るとともに、曲げや、外部接続端子との繰返し接続を行っても、断線や基板剥がれによる画像欠陥が生じにくい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電子記録媒体の実施形態について説明する。
【0017】
図2は、本実施形態の電子表示媒体を示す図である。
【0018】
図2に示すように、電子表示媒体は、一対の基板1a,1b内面にそれぞれ電極2a、2bが形成され、それぞれの電極2a、2b間に、液晶を含有するカプセルからなる液晶層5と、遮光膜6と、光の照射により抵抗値が変化する光導電層4とが積層されている。
【0019】
各基板1a,1bには、液晶層5に重なる矩形の表示領域1a1,1b1と、その矩形の表示領域1a1,1b1に隣接する非表示領域の相互に異なる位置に開口部3a,3bを有する。
【0020】
電極2aは、上面を形成する基板1aの表示領域に形成された矩形の第1電極部2a1、およびその第1電極部2a1から非表示領域に広がる第2電極部2a2とを有し、第2電極部2a2は、下面の基板1b上の開口部3bに対向している。また、電極2bは、下面を形成する基板1bの表示領域に形成された矩形の第1電極部2b1、およびその第1電極部2b1から非表示領域に広がる第2電極部2b2を有し、第2電極部2b2は、上面の基板1a上の開口部3aと対向している。そして、第2電極部2a2と開口部3bとの間、および第2電極部2b2と開口部3aとの間には、それぞれ導電部材8が充填され、導電部材8それぞれは、第2電極部2a2,2b2と接触している。したがって、開口部3a,3bにおいてそれぞれの導電性部材8に接触すると電極2a,2bそれぞれと導通が取れるように構成されている。
【0021】
ここで、本実施形態の各開口部と第2電極部とは対向配置されているが、必ずしも対向配置する必要はない。
【0022】
導電性部材8には、導電ペースト(例えば、藤倉化成(株)「ドータイトD−550」商標)を使用すると、加熱することなく常温環境に放置した状態で電極2a,2bとの導通をとることができる。
【0023】
さらに、開口部3aは、下面を形成する基板1b表面の、開口部3bとは異なる位置に巻きまわされた導電性テープ7aで覆われ、開口部3bは、上面を形成する基板1a表面の、開口部3aとは異なる位置に巻きまわされた導電性テープ7bで覆われている。これらの導電性テープ7a,7bそれぞれは、開口部3a,3bで導電部材8とそれぞれ導通している。したがって、外部の接続端子を導電性テープ7a,7bそれぞれに接触させると各電極2a,2bと導通を取ることができる。
【0024】
ここで、導電性テープ7a,7bには、開口部3a,3bより少し広幅の銅箔テープが用いられ、開口部3a,3bの周囲に貼付される。
【0025】
電極2a,2bには、導電性を有する材料であれば特に制限はないが、導電性の他、さらに透明性を有する材料を用いることが好ましい。具体的にはNESA膜や酸化インジウム又は酸化インジウムと酸化錫との混合物からなるITO(indium tin oxide)膜などが用いられる。
【0026】
また基板に電極を形成する方法は特に制限されず、蒸着、スパッタリング等の方法によって形成される。
【0027】
電極2a,2bは、必要とする表示内容に応じてエッチングすることによりドットマトリクス表示用のストライプ状電極パターンとしたり、セグメント表示用電極パターンとすることもできるし、さらに、ストライプ状電極パターンとセグメント表示用電極パターンとを混在させてもよい。
【0028】
基板1a,1bには、可視光線に対して透明な可撓性の材料が用いられる。プラスチックフイルム基板の素材としては、ポリスチレン、ポリエーテルスルホンなどの非結晶性ポリマーや、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンや、ポリカーボネート、ナイロンなどのポリアミドをあげることができる。厚さは、0.3mm以下、好ましくは20〜200μmのものを使用することができる。また、透明基板1a,1bの表面には必要に応じて耐磨耗層、ガスバリア層、反射防止層、防汚層などの機能膜を形成してもよい。
【0029】
液晶層5には、高分子の支持多孔構造中にコレステリック液晶をドロップレット分散させたものでPDLC構造を形成することにより液晶のまわりにカプセルを形成したものを用いることができる。液晶層5を構成するコレステリック液晶には、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系などの正の誘電率異方性を有するネマチック液晶、またはこれらの混合物に、エステル誘導体、シアノビフェニル誘導体、ビスアニール誘導体などの、光学活性なカイラル剤を添加した材料が用いられる。
【0030】
本実施形態では、液晶層5が1層のものを用いるが、液晶層5を多数積層することもできる。その場合、電子ペーパーをカラー表示させるには、液晶層5を、青色を表示させる層、緑色を表示させる層、赤色を表示させる層の3層構造とすることができる。コレステリック液晶の螺旋ピッチは、ネマチック液晶に対するカイラル剤の添加量で調整する。例えば、表示色を青にする場合には、選択反射の中心波長を400〜500nm、表示色を緑にする場合には、選択反射の中心波長を500〜600nm、表示色を赤にする場合には選択反射の中心波長を600〜700nmの範囲になるようにする。コレステリック液晶の螺旋ピッチの温度依存性を補償する目的で捩れ方向が異なったり、あるいは逆に働く温度依存性を示す複数のカイラル剤を添加しても良い。
【0031】
液晶層5に、コレステリック液晶と透明樹脂からなる自己保持型液晶と樹脂との複合体を形成する場合には、コレステリック液晶の連続相中に網目状の樹脂を含むPNLC(Polymer Network Liquid Drystal)構造や、高分子の骨格中にコレステリック液晶をドロップレット状に分散させたPDLC(Polymer Dispred Liquid Crystal)構造を用いることができる。
【0032】
PNLC構造やPDLC構造は高分子と液晶を相分離させる方法、例えばアクリル系、チオール系、エポキシ系などの、熱や光、電子線などによって重合する高分子前駆体と液晶を混合し、均一相の状態から重合させて相分離させるPIPS(Polymerization Induced Phase Separatio)法、ポリビニルアルコールなどの液晶溶解度が低い高分子と液晶を混合し、攪拌懸濁させて液晶を高分子中にドロップレット分散させるエマルジョン法、熱可塑性高分子と液晶を混合し、均一相に加熱した状態から冷却して相分離させるTIPS(Thermally Induced Phase Separation)法、高分子と液晶をクロロホルムなどの溶媒に溶かし、溶媒を蒸発させて高分子と液晶を相分離させるSIPS(Solvent Induced Phase Separation)法などによって形成することができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
光導電層4には、電荷移動錯体型、共晶錯体型、積層型のいずれの形式を用いてもよい。具体的にはポリ−N−ビニルカルバゾール/2,4,7−トリニトロフルオレノン系、ビリリウム塩とポリカーボネートとの共晶体にトリフェニルメタン系化合物を分散させたもの、アゾ化合物やフタロシアニン化合物などの有機顔料からなる電荷発生材料と電荷担体の低分子輸送物質をポリエステル、ポリカーボネートなどの汎用樹脂中に溶解分散させた電荷輸送材料を層状に分離して形成したものなどを用いることができるが、特定の光の露光によって誘電率や導電率が大きく変化する機能を有するものであれば特に限定する必要はない。
【0034】
遮光層6には、例えば、ブラックポリイミド(日本化薬社(株)「BKR−105」)をスピンコート法で0.7μm厚に形成したり、ブラックポリイミド(大日本インキ(株)「CK7800L」)をスピンコーターで1.2μm厚に形成することができる。このようにして形成された遮光膜6は、可視光をほとんど透過させない。
【0035】
図3は、本実施形態の第2電極部と開口部のA−A'の断面図である。
【0036】
図3に示すように、各基板1a,1bは、非表示領域の相互に異なる位置に開口部3a,3bを有する。上面の基板1aに形成された第2電極部2a2は、下面の基板1bに形成された開口部3bに対向し、第2電極部2a2と開口部3bとの間には、導電部材8が充填される。また、下面の基板1bに形成された第2電極部2b2は、上面の基板1aに形成された開口部3aに対向し、第2電極部2b2に対向する開口部3aとの間には、導電部材8が充填される。なお、上面の基板1aと下面の基板1bとの間は接着剤10で貼り合わされる。
【0037】
開口部3aは、下面を形成する基板1b表面の、開口部3bとは異なる位置に巻きまわされた導電性テープ7aで覆われ、導電部材8は、その導電性テープ7aと導通している。
【0038】
上面の基板1aの開口部3aから液晶層5、遮光膜6、光導電層4が形成されていない非表示領域に充填された導電性部材8は、下面の基板1bに形成された第2電極部2b2と接触して電極2bと導通する。したがって、電極2bは、導電部材8と導通する導電性テープ7aを介して外部接続端子に接続される。
【0039】
同様に、開口部3bは、上面の基板1a表面の、開口部3aとは異なる位置に巻きまわされた導電性テープ7bで覆われ、その導電部材8は、その導電性テープ7bと導通している。
【0040】
下面の基板1bの開口部3bから液晶層5、遮光膜6、光導電層4が形成されていない非表示領域に充填された導電性部材8は、上面の基板1aに形成された第2電極部2a2と接触して電極2aと導通する。したがって、電極2aは、導電部材8と導通する導電性テープ7bを介して外部接続端子に接続される。
【0041】
図4は、本実施形態の電子表示媒体の平面図である。
【0042】
図4に示す電子表示媒体は、一対の基板1a、1bと、一対の基板の内面に形成された電極2a、2bと、上面の基板1aに形成された開口部を覆う導電性テープ7aと、下面の基板1bに形成された開口部を覆う導電性テープ7bとを有し、液晶層、遮光膜および光導電層を挟んで図中の破線部分10で接着されて貼り合わされている。
【0043】
PETフィルム基板(厚み125μm)1aにITO電極2aがパターニングされ、その上に、機能性薄膜印刷装置又はダイヘッドコーターやアプリケーターにより、コレステリック液晶がポリマーで封入されたカプセルを分散させた溶液を塗布する。
【0044】
このようなカプセルを分散させた液晶は2枚の透明な基板間に電界が印加されない場合は、カプセル内の液晶で光が反射し、液晶が乳白色に視認できる。
【0045】
また、2枚の透明な基板間に電界が印加される場合は液晶およびカプセル内の液晶が透明になる。
【0046】
PETフィルム基板(厚み125μm)1aにITO電極2aをパターニングし、その上に、機能性薄膜印刷装置又はダイヘッドコーターやアプリケーターにより、コレステリック液晶をポリマーで封入したカプセルを分散させた溶液が塗布される。
【0047】
コレステリック液晶溶液の塗布膜厚は、溶媒が蒸発した時のコレステリック液晶が、カプセルの直径と同程度あるいはそれ以上の膜厚となるように設定する。液晶を溶解する溶媒には、芳香族系、脂肪族系、アルコール系等の一般的なものを用いることができる。
【0048】
コレステリック液晶は、一対の透明基板が重ね合わされる領域よりも小さい領域に塗布される。
【0049】
ここで、本実施形態では、機能性薄膜印刷装置やダイヘッドコーターあるいはアプリケーターを用いて、コレステリック液晶の塗布を行っているが、例えばスクリーン印刷のように印刷版を使用するものや、ディスペンサやスプレーコーターのように塗布領域を移動させるものを用いても行うことができる。
【0050】
コレステリック液晶を塗布した後は基板を加熱又は常温放置して、溶媒を蒸発させる。加熱の方法としては、例えばホットプレートを用いてコレステリック液晶を塗布した基板をその上に載置する方法、温風の吹き付けによる方法、赤外線やマイクロ波の照射による方法、コレステリック液晶塗布基板1aのコレステリック液晶塗布面の裏側から加熱ステンレスロール等の加熱金属ロールを押し当てて加熱する方法等が挙げられる。
【0051】
本実施形態では、コレステリック液晶を塗布した上面の基板1aを常温で一日放置することにより、溶媒を蒸発させ、液晶層3を形成している。
【0052】
ここで、透明基板上の電極にコレステリック液晶を塗布する方法を示したが、透明基板上の電極と、もう一方の透明基板の電極上に形成されたコレステリック液晶との間に光導電体や遮光膜を形成する場合も、本塗布方法と同様に行うことができる。
【0053】
次いで、上面の基板1aのコレステリック液晶塗布面に、電極2bが形成された下面の基板1b(PET、厚さ125μm)を電極面がコレステリック液晶塗布面に接するようにして積層する。
【0054】
積層方法としては、コレステリック液晶を塗布した上面の基板1aを、光導電体4が塗布された下面の基板1bに合わせ、加熱ヒーターが内蔵された2本のローラー間を通過させるかことにより行う。あるいはコレステリック液晶が塗布された上面の基板1aを、加熱ヒーターを内蔵した平坦ステージに、電極2aが形成された面の裏面側で固定し、他方の下面の基板1bは、平坦ステージに固定された上面の基板1aの電極2aと、下面の基板1bの電極2bとが互いに内面を向き合うように位置あわせし加熱ヒーター内蔵の貼り付けヘッドに電極2bが形成された面の裏面側で吸着固定させることにより行う。
【0055】
基板ラミネーターは貼り付けヘッドに吸着固定された基板1bの電極2b面が、上面の基板1aのコレステリック液晶が塗布された面と互いに向き合うように位置合わせし、端部より、同じく内部に加熱ヒーターを内蔵した貼り付けローラーを移動させて順次積層する。
【0056】
本実施形態の電子ペーパーは、上面の基板1a上の電極2aおよび下面の基板1b上の電極2bと、外部接続端子との接続を行う、開口部3bを覆う導電性テープ7bとの間は、微細加工による配線パターニングが不要であり、従来から用いられる表示画像書き込み用コネクターと上面の電極2aおよび下面の電極2bとの位置合わせを行う必要がない。
【0057】
図5は、本実施形態の電子表示媒体の等価回路を示す図である。
【0058】
電子表示媒体に光書き込みを行う原理は、画素毎に光量調整された光が照射された状態で、それぞれコンデンサと抵抗との並列回路であらわされる光導電層および液晶層を含む電子表示媒体全体にパルス電圧を印加することにより、画素毎に表示状態と非表示状態とを切り替えるものである。すなわち、電子表示媒体は、液晶層と光導電層との直列回路であり、光導電層は、光の照射された画素が低インピーダンスとなり、光の照射されない画素が高インピーダンスとなる性質がある。そのため、液晶層に印加されるパルス電圧の分圧が変化し、液晶層の光学特性が画素毎に変化し、表示状態と非表示状態とが切り替わる。
【0059】
Caは、液晶層5の静電容量、Cbは、光導電層4の静電容量、Raは、液晶層5の抵抗値、Rbは有機光導電体層4の抵抗値をそれぞれ表している。
【0060】
電子表示媒体の電極2aと電極2bと間に印加される電圧をVとすると、一般に、液晶層5の抵抗値Raと光導電体層4の抵抗値Rbとは十分に大きいため、液晶層に印加される電圧Vaは、Va=(Cb/C)×Vとなる。
【0061】
ここで C=CaCb/(Ca+Cb)である。
【0062】
光導電層4として電荷移動錯体型または共晶錯体型の有機感光体を用いる場合には、単純に塗布膜厚を制御することによって、また積層型の有機感光体を用いる場合には、より単純に電荷輸送層の膜厚を制御することによって十分な分圧電圧を得ることができる。
【0063】
一方、液晶層5のスイッチング挙動は液晶層5を構成するコレステリック液晶の誘電率異方性、弾性率、螺旋ピッチ、高分子の骨格構造や側鎖、相分離プロセス、高分子と液晶の界面のモルフォロジ―、これらの総合によって決まる高分子と液晶の界面におけるアンカリング効果の程度などによって、制御することができる。
【0064】
具体的には、ネマチック液晶の種類や組成比、カイラル剤の種類、樹脂の種類、高分子樹脂の出発物質であるモノマー、オリゴマー、開始剤、架橋剤などの種類や組成比、重合温度、光重合のための露光光源、露光強度、露光時間、雰囲気温度、電子線重合のための電子線強度、暴露時間、雰囲気温度、塗布時の溶媒の種類や組成比、溶液濃度、ウエット膜厚、乾燥温度、温度降下時の開始温度、温度降下速度などがあるが、これらに限定されない。
【0065】
図6は、電子表示媒体に印加される電圧に対する液晶層のスイッチング挙動の一例を示す図である。
【0066】
図6に示す電子表示媒体の液晶層の分子配列は、所定の範囲内の電圧が印加されたときは、光の反射率が低いフォーカルコニック相に変化し、その範囲内より低いか、あるいは高いときは、光の反射率が高いフォーカルコニック相に変化する。
【0067】
本実施形態の電子表示媒体における液晶層5は、プレーナー相からフォーカルコニック相へ変化する閾値電圧は、露光光を照射した露光時にはVpfe、露光光を照射しない非露光時にはVpfu、フォーカルコニック相からプレーナー相へ変化する閾値電圧は、露光時にはVfpe、非露光時にはVfpuとなる。
【0068】
図7および図8は、電子表示媒体に画像を記録する際の電圧印加と露光のタイミングの一例、およびそれによる液晶層の反射率の変化を示す。
【0069】
第1段(A)は、交流パルスの印加状態、第2段(B)は、露光タイミング、第3段(C)は、露光された領域の反射率、第4段(D)は、露光されない領域の反射率を表わしている。
【0070】
図7(A)に示すように、先ず、Vfpu以上の交流パルス電圧Vbを期間T1印加する。すると、図7(C)、(D)に示すように、液晶層5は、露光とは無関係にプレーナー相となり高反射率を示し、その後、電圧Vbの印加が停止されても、プレーナー相が維持され、高い反射率が保持される。
【0071】
次に、図7(A)に示すように、Vpfe以上で、Vpfu以下の交流パルス電圧Vaを期間T2印加する。このとき、図7(B)(C)に示すように、露光が始まるまでは、プレーナー相が保持され、高い反射率が保持されているが、図7(B)に示すように、露光が開始されると、露光された領域は、図7(C)に示すように、液晶層3の分圧が増加し、液晶層5はプレーナー相からフォーカルコニック相に変化する。露光が終わっても、フォーカルコニック相はメモリ性があるので、液晶層5は低い反射率を保持する。 一方、露光を受けない領域は、図7(D)に示すように、Vpfe以上で、Vpfu以下の交流パルス電圧Vaが印加されることにより、形成されたプレーナー相が最後まで保持される。
【0072】
また、図8(A)に示すように、先ず、Vfpe以上、Vfpu以下の電圧Vcを印加しながら、図8(B)に示すように光導電層全体を露光することによって、図8(C)、(D)に示すように液晶層は、プレーナー相となり高反射率を示し、その後、電圧Vcの印加と露光が停止されても、プレーナー相が維持され、高い反射率が保持される。
【0073】
次に、図8(A)に示すように、Vpfe以上で、Vpfu以下の交流パルス電圧Vaを期間T2印加する。このとき、図8(B)(C)に示すように、露光が始まるまでは、プレーナー相が保持され、高い反射率が保持されているが、図8(B)に示すように、露光が開始されると、露光された領域は、図8(C)に示すように、液晶層3の分圧が増加し、液晶層5はプレーナー相からフォーカルコニック相に変化する。露光が終わっても、フォーカルコニック相はメモリ性があるので、液晶層5は低い反射率を保持する。 一方、露光を受けない領域は、図8(D)に示すように、Vpfe以上で、Vpfu以下の交流パルス電圧Vaが印加されることにより、形成されたプレーナー相が最後まで保持される。
【0074】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の電子表示媒体によれば、電極からコネクタなどの電極端子へ微細な配線を施す必要がなく、曲げに対しても柔軟に対応することができるとともに、曲げや、外部接続端子との繰り返し接続が行われても断線や基板剥がれによる画像欠陥が起こりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】基板の一部を露出させた電子表示媒体の一例を示す断面構造である。
【図2】本実施形態の電子表示媒体を示す図である。
【図3】本実施形態の第2電極部と開口部のA−A'の断面図である。
【図4】本実施形態の電子表示媒体の平面図である。
【図5】本実施形態の電子表示媒体の等価回路を示す図である。
【図6】電子表示媒体に印加される電圧に対する液晶層のスイッチング挙動の一例を示す図である。
【図7】電子表示媒体に画像を記録する際の電圧印加と露光のタイミングの一例、およびそれによる液晶層の反射率の変化を示す。
【図8】電子表示媒体に画像を記録する際の電圧印加と露光のタイミングの一例、およびそれによる液晶層の反射率の変化を示す。
【符号の説明】
1a,1b 基板
1a1,1b1 表示領域
2a,2b 電極
2a1,2b1 第1電極部
2a2,2b2 第2電極部
3a,3b 開口部
4 光導電層
5 液晶層
6 遮光層
7a,7b 導電性テープ
8 導電部材
10 接着剤

Claims (2)

  1. 一対の基板それぞれに形成された電極間に、画像が表示されるコレステリック液晶層を挟むと共に、導電部材と導電性テープを有する電子表示媒体であって、
    前記一対の基板それぞれは、前記コレステリック液晶層に重なる表示領域と、非表示領域とを有し、かつ、前記一対の基板それぞれは、穴部を有し、かつ、前記一対の基板のそれぞれの前記非表示領域は対向し、かつ、前記一対の基板のそれぞれの前記穴部は対向せず、かつ、前記穴部は非表示領域に存在し、
    前記電極は、前記一対の基板の前記表示領域に形成された第1電極部と、前記非表示領域のうちの、対向する基板の前記部に対向する位置に広がる第2電極部とを有
    前記導電性テープは、該穴部の形成された基板の、該基板に対向する相手基板に形成された第2電極部との間に前記導電性部材を挟んで該導電性部材に接触して、前記穴部を覆うとともに、前記第2電極部が設けられた該相手基板の裏面まで巻かれたものであることを特徴とする電子表示媒体。
  2. 前記電極間に、前記表示層を加えて、光の照射により抵抗値が変化する光導電層を挟んだものであることを特徴とする請求項1記載の電子表示媒体。
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