JP4193911B2 - 記録方法及び記録再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばいわゆるDVD(デジタルビデオディスク或いはデジタルバーサタイルディスク)−RAMやDVD−RW(リライタブル)等のような光ディスクを中心とした光学情報記録部材に対して、レーザ光線等を用いた光学的な情報記録再生が可能であり、且つ、信号の圧縮伸長を行うために当該信号を一時記憶する手段を備え、光ディスク等の光学情報記録部材に対して高速かつ高密度に圧縮信号の記録再生を行う、記録方法及び記録再生装置に関するものである。
光ディスクに対して高速かつ高密度に圧縮信号の記録/再生を行う記録再生装置として、従来より、いわゆるDVD−RAM装置やDVD−RW装置、MD(ミニディスク)装置等が存在する。
これらの記録再生装置には、信号の圧縮/伸長を行うためや、外部からの振動等による記録/再生エラーの発生を防止するために、データを一時的に記憶する記憶手段(メモリ=トラックバッファ)が備えられている。
例えばMD装置は、音楽信号の約10秒間分に相当する4M(メガ)ビット容量のDRAM(ダイナミックRAM)等からなるトラックバッファを備えており、当該MD装置における光ディスクの再生時には、光ディスクから再生したデータをトラックバッファに一時記憶させ、このトラックバッファからデータを読み出して音楽信号を再生している間に、光ディスク上で次に再生すべきセクタ(トラック)上へ光学ヘッドのトレース位置を移動(キック或いはトラックジャンプ)させると共に、その再生すべきセクタ上で当該光学ヘッドを待機(光ディスクを回転させた状態で待機)させておくようにしている。
また、光ディスクへのデータ記録時には、記録すべき入力信号を圧縮してトラックバッファに記憶させ、トラックバッファ上に所定量だけ圧縮データが蓄積された時点で当該トラックバッファからその圧縮データを読み出して光ディスクに記録し、次の圧縮データをトラックバッファに記憶している間に、光ディスク上で次に記録すべきセクタ(トラック)上へ光学ヘッドのトレース位置を移動(キック或いはトラックジャンプ)させると共に、その記録すべきセクタ上で光学ヘッドを待機させておくようにしている。
このように、MD装置においては、トラックバッファを用いることで、光ディスクに対して間欠的なデータの記録/再生を行うようにしている。なお、外部からの振動等による記録/再生エラーの発生を防止するためにデータを一時的に記憶するトラックバッファは、ショックプルーフメモリと呼ばれている。
また、例えばDVD装置においては、MD装置と同様に、4Mビット分の容量のトラックバッファを備え、このトラックバッファを用いて可変転送レートでデータ転送を行うようにしている。
ここで、DVD装置のデータ転送レートを8Mbps(ビット/秒)とすると、4Mビット分のトラックバッファには0.5秒程度のデータを記憶することができるため、上述した光ディスクの所定セクタ上に光学ヘッドを待機させておく時間(キックさせている時間或いは回転待ち時間)も同様に0.5秒程度となる。
ただし、近年は、DRAMの価格も安くなってきており、従来から使用されてきた4MビットのDRAMの代わりに、16Mビット或いはそれ以上のDRAMを使用するのが一般的となってきている。16MビットのDRAMを使用した場合、8Mbpsのデータ転送レートで2秒間分のデータを一時的に記憶することが可能となり、64MビットのDRAMを使用すれば、8Mbpsのデータ転送レートで8秒間分のデータを一時的に記憶することが可能となる。
なお、上述したように、記録/再生されるデータを一時的に記憶するトラックバッファを備え、当該トラックバッファを利用して1つの転送レートの信号を記録/再生する技術は、例えば特開昭59−172169号公報や特開平5−128531号公報等にて開示されている技術に基づいている。また、レーザ光線を利用して高密度な情報の再生あるいは記録を行う技術についても公知であり、主に光ディスクを記録媒体として使用する場合において実用化されている。
ここで、光ディスクは、再生専用型、追記型、書き換え型に大別することができ、再生専用型としては、音楽情報を記録したコンパクト・ディスク(CD)や画像情報を記録したビデオCD(VCD)、DVD等として、また、追記型としては、CD−R、DVD−R等として商品化されている。さらに、書き換え型として、現在では、CD−RWやDVDRAM、DVD−RW等が映像、音声記録やパーソナルコンピュータ用のデータファイル等として商品化されつつある。
書き換え型は、レーザ光線等の照射条件を変えることにより2つ以上の状態間で可逆的に変化する記録薄膜を光ディスク上に設けることで実現されており、主なものとして光磁気型と相変化型がある。このうち相変化型の光ディスクは、レーザ光の照射条件を変化させることにより記録膜をアモルファス(非結晶)と結晶間で可逆的に状態変化させて信号を記録し、アモルファスと結晶の反射率の違いを光学的に検出して再生するものである。従って、当該書き換え型は、再生専用型や追記型と同様にレーザ光の反射率変化として信号の再生が可能であり、またレーザパワーを消去レベルと記録レベルの間で変調することによってオーバーライトが1ビームでできるため、装置構成を簡単にできるといったメリットがある。
また、既に商品化されている書き換え可能な光ディスクにおける信号の記録方法としては、さらなる高密度化のために、記録マークの前後のエッジ位置がデジタル信号の「1」に対応するパルス幅変調方式(以下、PWMと記す)が検討されている。なお、このPWM方式では、記録マークの幅が情報を持つため、記録マークを歪なく、すなわち前後対称に記録する必要がある。
ところで、従来より、例えば磁気テープ媒体を記録媒体として使用するテープ記録再生装置では、音声信号や動画像信号を記録する際に、記録時間の切り換え、例えば標準モード(標準時間モード)と長時間モードとの切り換えや、記録品質の切り換え、例えば標準モード(標準品質モード)と高品質モードとの切り換えなどが可能となっている。例えば、従来のアナログ記録を行うテープ記録再生装置において、これら記録時間の切り換えや記録品質の切り換えを実現する場合、具体的にはテープスピードを変化させることで対応しており、例えば記録時間を長時間(長時間モード)にする場合は、標準の記録時間(標準時間モード)の時よりもテープスピードを落とすなどして対応し、またこれに伴って再生時もテープスピードを落とすようにしている。なお、長時間モードの場合は、画質や音質もそれなりに落ちることになる。
一方、光ディスクを記録媒体として使用した場合においても、磁気テープ媒体を使用した場合と同じように、記録時間の切り換えや記録品質の切り換えを行えることが望まれる。このように、光ディスクを使用する記録再生装置において、記録時間の切り換えや記録品質の切り換えを実現する最も簡単な方法としては、例えば光ディスクを回転させる時の線速度を切り換えるようなことが考えられる。
ところが、光ディスクに信号を記録する場合、光ディスク上のレーザ照射部では、いわゆる蓄熱効果によって照射開始点より照射終点の方が高温に達するため、記録マーク形状が先端部(照射開始点)で細く終端部(照射終点)で太くなって涙滴状に歪むという問題がある。このような記録マーク形状の歪みは、再生波形の歪を引き起こすために、記録した信号が正しく読み出せないということの原因となる。なお、この記録マークの歪を低減する方法として、例えば一つの記録マークを複数の短パルス列の照射によって形成するオーバーライト方法(特開平3−185628号公報)及び、その波形を補正する方法(特開平6−12674号公報)が既に提案されているが、より高速且つ高密度の記録再生を行う場合には、光ディスク個々のばらつきや、光ディスクの記録回数、周囲の温度等の環境条件によって最適な記録条件が異なることにより、再生品質が悪くなるという新たな課題が発生する場合がある。
すなわち、光ディスクを記録媒体として使用する記録再生装置において、記録時間の切り換えや記録品質の切り換えを実現するために、例えば光ディスクの回転時の線速度を変化させて記録しようとすると、記録特性が悪くなると言う問題が発生する。なお、この問題は、共に熱記録の範囲で記録を行なう相変化媒体と光磁気媒体の何れの場合でも発生する。
したがって、光ディスクの回転時の線速度を変化させずに、記録時間の切り換えや記録品質の切り換えを実現できることが望まれる。
また、近年は、DVDのように圧縮伸長技術としていわゆるMPEG(Moving Picture Image Coding Experts Group)方式を採用した光ディスクやその記録再生装置が増えてきており、したがって、特に、当該MPEGを採用した光ディスクやその記録再生装置において記録時間の切り換えや記録品質の切り換えを実現できることが望まれる。このMPEGを採用した場合の記録時間や記録品質の一例としては、例えば、
転送レート8Mbpsで2時間分の記録を行う高品位記録モード、
転送レート4Mbpsで4時間分の記録を行うやや高品位なモード(以下、中品位記録モードと呼ぶ)、
転送レート2Mbpsで8時間分の記録を行う普通品位記録モード
のような各モードを考えることができ、これらモードを選択的に切り換え得ることが望まれる。なお、このように、MPEG方式を採用した記録再生装置において、記録時間を切り換えたり記録品質を切り換える記録モードを選択できるような装置は未だ存在していない。
但し、MPEG方式を採用した場合において、例えば普通品位記録モードのように低転送レートの長時間記録の記録モードを選択した場合、例えば速い速度で絵が動くような画像や、画面全体で絵がランダムに動くような画像では、画質(画像の品位)が極端に落ちるようになる虞がある。したがって、このように幾つかの記録モードがある場合には、それぞれの記録モードでの画質や音質を簡単に確認できることが望まれる。
次に、動画像や連続する音声情報を記録する場合、或いはこれを編集して記録再生を行う場合には、記録すべき情報の連続性を確保する必要があることから記録動作を一時的に停止することはできない。しかし、記録装置としては、あらゆる状態で連続記録を可能とすることが好ましい。
特に、編集により削除等を行うと、ディスク上の空き領域が点在するようになる。ここに動画の記録信号の記録を行おうとした場合、トラックバッファに書き込みまれる動画の記録信号の情報量が、該トラックバッファから読み出してディスクへに記録する動画の記録信号の情報量を上回ってしまうと、トラックバッファがオーバーフローすることとなるため、動画の記録信号を連続して記録できない虞がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、光ディスクを記録媒体として使用する場合において、トラックバッファのオーバーフローを防止して、ディスク上に点在する空き領域に対して連続した記録信号の記録を行うことができるような記録方法及び記録再生装置の提供を目的とする。
上述の課題を解決するための手段として、本発明に係る記録方法は、以下の特徴を有する。
(1)所定の容量を有する一時記憶手段により、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するステップと、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行うステップと、前記再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出するステップと、前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、前記一時記憶手段の容量を「C」として、「C/B>T」を満足する場合に、その空き領域を連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出すると共に、この検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行うステップとを有することを特徴とする記録方法
(2)所定の容量を有する一時記憶手段により、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するステップと、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行うステップと、前記再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出するステップと、前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記検出された空き領域の容量を「m」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出すると共に、この検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行うステップとを有することを特徴とする記録方法
(3)所定の容量を有する一時記憶手段により、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するステップと、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行うステップと、前記再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出するステップと、前記一時記憶手段へ記憶する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記検出された空き領域の容量を「m」として、
「C/B>T」及び
「m>(A×B×T)/(A−B)」
を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出すると共に、この検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行うステップとを有することを特徴とする記録方法
上述の課題を解決するための手段として、本発明に係る記録再生装置は、以下の特徴を有する。
(1)少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するために必要な所定の容量を有する一時記憶手段と、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、前記一時記憶手段の容量を「C」として、「C/B>T」を満足する場合に、その空き領域を連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段とを有することを特徴とする記録再生装置。
(2)少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するために必要な所定の容量を有する一時記憶手段と、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段とを有することを特徴とする記録再生装置。
(3)少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するために必要な所定の容量を有する一時記憶手段と、記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「mとして、
「C/B>T」及び
「m>(A×B×T)/(A−B)」
を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段とを有することを特徴とする記録再生装置。
請求項1記載の本発明に係る記録方法は、一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、前記一時記憶手段の容量を「C」として、「C/B>T」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、連続的な記録再生を可能とすることができる。
請求項2記載の本発明に係る記録方法は、一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記検出された空き領域の容量を「m」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、連続的な記録再生を可能とすることができる。
請求項3記載の本発明に係る記録方法は、一時記憶手段へ記憶する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記検出された空き領域の容量を「m」として、「C/B>T」及び「m>(A×B×T)/(A−B)」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、連続的な記録再生を確実に可能とすることができる。
請求項4記載の本発明に係る記録再生装置は、記録可能空き領域検出手段が、一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、前記一時記憶手段の容量を「C」として、「C/B>T」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、連続的な記録再生を可能とすることができる。
請求項5記載の本発明に係る記録再生装置は、記録可能空き領域検出手段が、一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、連続的な記録再生を可能とすることができる。
請求項6記載の本発明に係る記録再生装置は、記録可能空き領域検出手段が、一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「mとして、「C/B>T」及び「m>(A×B×T)/(A−B)」の容量以上の容量を有する空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する。このため、この空き領域に対して選択的に記録情報の記録再生を行うことで、連続的な記録再生を確実に可能とすることができる。
以下、本発明に係る記録方法及び記録再生装置の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1には、本発明の記録方法及び記録再生装置が適用される実施の形態としての光ディスク装置の概略構成を示す。なお、当該実施の形態の光ディスク装置では、圧縮伸長技術として例えばMPEG2を採用し、光ディスクの一例としてDVDを挙げている。また、図1の構成では、いわゆるDVD装置等において通常設けられている多くの部分については省略している。
この図1において、光ディスク1は、例えば相変化材料からなる記録型の光ディスクであり、当該実施の形態では、例えばいわゆるDVD−RWディスクを使用している。このDVD−RWディスクは、ディスク内でセクタ(トラック)が螺旋状に配され、線速度一定(CLV)で回転制御され、また、16セクタで1ブロックが構成されている。
図2は、このような光ディスク1のセクタブロックを概念的に表しているのであるが、この図2からわかるように、内周側のエリアEAで4セクタブロック(1ブロックが8セクタ)、外周側のエリアEBで8セクタブロック(1ブロックが8セクタ)となっており、ディスク回転周期がエリアEAで40msec、エリアEBで80msec程度となっている。ただし、実際のDVDは、上述したように1ブロックが16セクタであるため、図2の例は実際とは異なる。
この光ディスク1は、図示しないチャッキング機構によってスピンドルモータ2に固定される。スピンドルモータ2は、ドライバ7により回転駆動され、チャッキング機構によってチャッキングされている光ディスク1を回転駆動する。また、このスピンドルモータ2は、FGジェネレータと、ホール素子などの回転位置信号の検出手段とを備えている。このFGジェネレータからのFG信号及びホール素子からの回転位置信号は、回転サーボ信号としてドライバ7を介してサーボ部8に帰還されるようになっている。
光学ヘッド3は、半導体レーザを光源とし、コリメータレンズ、対物レンズ等の光学系によって、光ディスク1の所定のトラック上にレーザスポットを形成し、また、2軸アクチュエータにて対物レンズを駆動することにより、レーザスポットのフォーカシング及びトラッキングを行う。半導体レーザはレーザ駆動回路により駆動され、2軸アクチュエータはドライバ7により駆動される。
キー入力部10は、ユーザにより操作される複数のキーを備えており、ユーザからの記録開始や再生開始、記録停止、再生停止等を指示する各種のキー操作入力情報をシステムコントローラ9に供給するようになっている。
システムコントローラ9は、キー入力部10からのキー操作入力情報として、記録開始や再生開始、記録停止、再生停止等の各種キー操作入力情報に応じて、例えば信号処理部5,サーボ部8,アンプ部4及びAV符号化復号化部6等の各部のLSIを制御する。
次に、再生を行う場合、キー入力部10から再生開始の指令がなされ、システムコントローラ9は、当該指令に応じて後述するアンプ部4、サーボ部8及びドライバ7を制御する。具体的には、この再生時となると、まず、光ディスク1を回転制御すると共にレーザースポットを光ディスク1上に照射し、当該光ディスク1上の信号トラックに予め形成されているアドレス信号を読み取り、そのアドレス情報から再生すべき目的セクタ(トラック)を検出する。そして、その目的セクタ(トラック)上をレーザスポットで走査するように光学ヘッド3を移動制御する。この目的セクタへの移動が完了した後は、当該目的セクタからの信号再生を開始する。
この再生時において、アンプ部4は、光学ヘッド3により光ディスク1の目的セクタから再生されたRF信号を増幅すると共に、このRF信号から再生信号とトラッキング及びフォーカシングサーボ信号(トラッキングエラー及びフォーカスエラー信号)を形成する。
アンプ部4は、少なくとも再生信号の周波数特性を最適化するイコライザと、再生信号からビットクロックを抽出すると共に速度サーボ信号を形成するPLL器(位相ロックループ)と、このPLL器からのビットクロックと再生信号の時間軸との比較からジッタ成分を取り出すジッタ形成器とを備えており、前記ジッタ値をシステムコントローラ9に供給し、トラッキング及びフォーカシングサーボ信号及び速度サーボ信号をサーボ部8に、また、再生信号を信号処理部5に供給する。
サーボ部8は、アンプ部4からの速度サーボ信号、光学ヘッド3のフォーカシング及びトラッキングサーボ信号、及びスピンドルモータ2からの回転サーボ信号に基づいて、それぞれ対応する部位のサーボ制御を行う。具体的には、アンプ部4のPLL器がディスク回転速度に応じて形成した速度サーボ信号と、スピンドルモータ2からの回転サーボ信号とに基づいて、スピンドルモータ2を所定の回転速度で回転させるように、すなわち、光ディスク1を所定の一定線速度にて回転させるような回転速度サーボ制御信号を形成する。
なお、詳細については後述するが、当該実施の形態では、内部におけるデータ最大転送レートよりも速い記録速度(記録データ転送レート)/再生速度(再生データ転送レート)で光ディスク1の記録/再生を行うようになっている。このため、サーボ部8は、光ディスク1を当該記録速度/再生速度に合うような一定線速度にて回転させるための回転速度サーボ制御信号を形成する。また、サーボ
部8は、フォーカシング及びトラッキングサーボ信号に基づいて、光学ヘッド3が光ディスク1上に正確にフォーカシング及びトラッキングするための光学ヘッドサーボ制御信号を形成する。
これら回転速度サーボ制御信号と光学ヘッドサーボ制御信号は、ドライバ7に送られる。なお、これ以降、光ディスク1の記録速度(記録データ転送レート)を記録レートと呼び、光ディスク1の再生速度(再生データ転送レート)を再生レートと呼ぶことにする。
ドライバ7は、サーボ部8からの回転速度サーボ制御信号に応じてスピンドルモータ2を回転駆動すると共に、光学ヘッドサーボ制御信号に応じて光学ヘッド3の2軸アクチュエータを駆動する。当該実施の形態においては、当該ドライバ7が回転速度サーボ制御信号に応じてスピンドルモータ2を駆動することにより、光ディスク1を所定の線速度にて回転させ、また、当該ドライバ7が光学ヘッドサーボ制御信号に応じて光学ヘッド3の2軸アクチュエータを駆動することにより、光ディスク上でのレーザスポットのフォーカシング及びトラッキングが行われる。
この再生時における信号処理部5は、アンプ部4より供給された再生信号をA/D(アナログ/デジタル)変換し、このA/D変換により得られたデジタル信号から同期検出を行うと共に、このデジタル信号に施されているいわゆるEFM+信号(8−16変調信号)からNRZ(Non Return to Zero)データへのデコードを行い、さらにエラー訂正処理を行って、光ディスク1上のセクタのアドレスデータと再生データとを得る。信号処理部5にて得られたアドレスデータと同期信号はシステムコントローラ9に供給される。
ここで、前記再生データは、MPEGの可変転送レートで圧縮符号化されたデータであるため、当該実施の形態の光ディスク装置では、この再生データを例えば64MビットのDRAM(トラックバッファ7)に一時的に記憶させ、このトラックバッファ7の書き込み/読み出しを制御することで、その再生データの可変転送レートの時間変動分を吸収するようにしている。
なお、当該実施の形態にて使用するトラックバッファとは、圧縮したデータを一時記憶するバッファメモリのことを示しており、例えばDVDにおいて一般的に備えられている可変転送レートを吸収するためのバッファメモリや、MPEGのエンコードやデコード時に用いるバッファメモリを含む。
このトラックバッファ7の記憶容量及び記憶領域の管理、書き込み/読み出し制御は、信号処理部5を介して例えばシステムコントローラ9が行う。なお、データの圧縮符号化、データ再生時におけるトラックバッファ7の管理及び制御の動作の詳細については後述する。また、これ以降、トラックバッファ7への書き込みの速度(書き込みデータ転送レート)を書込レートと呼び、読み出しの速度(読み出しデータ転送レート)を読出レートと呼ぶことにする。当該トラックバッファ7から読み出された再生データは、信号処理部5を介してAV符号化復号化部(A−V ENDEC)6に供給される。
次に、この再生時におけるAV符号化復号化部6は、トラックバッファ7から読み出された再生データがMPEG2にて圧縮符号化され、かつ、オーディオデータとビデオデータが多重化されたデータであるため、多重化された圧縮オーディオデータと圧縮ビデオデータを分離すると共に、それぞれをMPEG2にて伸長復号化処理し、さらにD/A(デジタル/アナログ)変換して、オーディオ信号及びビデオ信号として端子11から出力する。この端子11から出力されたビデオ信号は、図示しないNTSC(National Television System Committee)エンコーダ等にて処理されてモニタ装置に表示され、オーディオ信号は、図示しないスピーカ等に送られて放音される。
なお、この再生時におけるAV符号化復号化部6での伸長復号化の速度(伸長復号化時のデータ転送レート、以下、伸長レートと呼ぶことにする)は、記録時に設定された後述する記録モードに応じた伸長レートとなされる。言い換えると、AV符号化復号化部6は、複数の伸長レートに応じた伸長復号化処理が可能となされており、記録時に設定された記録モードに応じて当該伸長レートを決定し、そのレートで伸長復号化を行う。この記録モードの情報は、コントロールデータとして記録データと共に光ディスク1に記録されており、当該コントロールデータが光ディスク1の再生時に読み出されてシステムコントローラ9に送られ、システムコントローラ9がこのコントロールデータに基づいてAV符号化復号化部6の伸長レートを設定する。D/A変換は、当該AV符号化復号化部6の外部で行うことも可能である。
次に、光ディスク1に記録を行う場合、ユーザは、キー入力部10を介して記録開始の指令を行う。システムコントローラ9は、この指令を検出すると、まず、光ディスク1を回転制御すると共に、レーザースポットを光ディスク1上に照射させ、光ディスク1上の信号トラックに予め形成されているアドレス信号を読み取り、そのアドレス情報から記録するべき目的セクタ(トラック)を検出する。そして、その目的セクタ(トラック)上にレーザスポットが位置するように光学ヘッド3を移動制御する。
この記録時には、記録すべきオーディオ及びビデオ信号が端子11を介して入力されており、これら信号はAV符号化復号化部6に供給される。AV符号化復号化部6は、このオーディオ信号及びビデオ信号をA/D変換し、16Mビットのトラックバッファ8に対して書き込み及び読み出し制御しながら後述する記録モードに応じた転送速度に対応してMPEG2の圧縮技術を用いて圧縮符号化処理を施し、さらにそれらを多重化して信号処理部5に供給する。
なお、当該実施の形態におけるトラックバッファ8は、16Mビットであることとしたが、これは、64Mビットの容量を有するものを設けてもよい。また、A/D変換は、AV符号化復号化部6の外部で行うようにしてもよい。
また、以下、このAV符号化復号化部6における圧縮符号化の速度(圧縮符号化時のデータ転送レート)を圧縮レートと呼ぶことにする(すなわち、AV符号化復号化部6は、記録モードに応じた複数の圧縮レートで圧縮符号化処理を行うこととなる。)。
次に、この記録時における信号処理部5は、AV符号化復号化部6からのデータを64Mビットのトラックバッファ7に一旦記憶制御し、これを光ディスク1への記録レートに応じた読出レートで当該トラックバッファ7から読み出してエラー訂正符号を付加すると共に、NRZとEFM+のエンコード処理を施し、さらにシステムコントローラ9から供給される同期信号を付加して記録データを形成する。なお、この記録時におけるトラックバッファ7の記憶容量及び記憶領域の管理、書き込み/読み出し制御の詳細については後述する。
このトラックバッファ7から読み出された記録データは、信号処理部5にてD/A変換され、記録信号としてアンプ部3に供給され、光学ヘッド3で光ディスク1上の目的セクタ(トラック)に記録される。
このときのシステムコントローラ9は、アンプ部4からのジッタ値をA/D変換して測定し、この測定ジッタ値に従って、記録時のアンプ部4における波形補正量を変更する。すなわち、光ディスク1に信号を記録する場合、アンプ部4では、信号処理部5からの信号を波形補正し、この波形補正した信号を光学ヘッド3のレーザ駆動回路へ供給するようになっている。
次に、記録/再生する際に設定される記録モードと、AV符号化復号化部6における圧縮/伸長レート、光ディスクの記録/再生レート及びトラックバッファ7の書込/読出レートの説明をする。
当該実施の形態では、入力される原画像信号或いは出力される再生画像信号の入力/出力レートは例えば10Mbpsとなっており、また、この記録/再生レートに対応して、AV符号化復号化部6における圧縮/伸長レートは、「8Mbps」,「4Mbps」及び「2Mbps」の計3つの圧縮/伸長レートを選択可能となっている。
8Mbpsの圧縮/伸長レートを選択した場合には、光ディスクに対して2時間分の記録/再生が可能となり(高品位記録モード)、4Mbpsの圧縮/伸長レートを選択した場合には、光ディスクに対して4時間分の記録/再生が可能となり(やや高品位なモード=中品位記録モード)、2Mbpsの圧縮/伸長レートを選択した場合には、光ディスクに対して8時間分の記録/再生が可能となっている(普通品位記録モード)。なお、各記録モードにおいて、固定転送レート(CBR)又は可変転送レート(VBR)も選択可能となっている。
また、例えば記録したい画像の解像度の設定や、カーレース等のスピードの速いシーン等を撮り分ける場合の設定や、記録時間優先で記録を行うための設定も可能となっており、これら各設定を行うことで光ディスクの記録時間を変更可能となっている。
画質優先の記録モードの選択や記録時間優先の設定は、キー入力部10に設けられた選択キーをユーザが操作、或いは、入力端子12からそれら選択や設定を行うための制御データを入力することにより行われる。これらキー入力部10からの入力情報、或いは入力端子12からの制御データは、システムコントローラ9に供給されるようになっており、システムコントローラ9は、その選択或いは設定内容に基づいて各部を制御するようになっている。
AV符号化復号化部6は、選択された記録モードや記録時間の設定に応じた圧縮/伸長レートとなるようなMPEG圧縮符号化/伸長復号化を行い得る構成となっており、システムコントローラ9からの制御により、当該圧縮/伸長レートに応じた圧縮符号化/伸長復号化処理を行う。
すなわち、ユーザによりキー入力部10或いは入力端子12から記録モードの選択や記録時間の設定入力がなされた場合、システムコントローラ9は、その入力内容に応じて、AV符号化復号化部6を制御してMPEGの圧縮符号化/伸長復号化における圧縮/伸長レートを設定する。このときシステムコントローラ9は、同時に、その記録モードの選択や記録時間の設定に応じて、64Mビットのトラックバッファ7の容量管理及び書き込み/読み出し制御、並びに書込/読出レートの設定をも行う。
以下、本実施の形態の光ディスク装置において、光ディスク1に信号を記録する場合の、記録モード及びAV符号化復号化部6の圧縮レート、トラックバッファ7の容量管理及び書き込み/読み出し制御及び書込/読出レートの動作について説明する。
記録時において、ユーザによりキー入力部10或いは入力端子12から記録モードの選択や記録時間の設定入力がなされると、システムコントローラ9は、まず、信号処理部5を介してトラックバッファ7の残記憶容量を確認し、また、その記録モードの選択や記録時間の設定入力された情報に従って、図3〜図5に示すように、当該トラックバッファ7の所定の上限容量(フル:FULL)と下限容量(エンプティ:EMPTY)の値をそれぞれ設定する。なお、図3〜図5の詳細については後述する。
次に、システムコントローラ9は、AV符号化復号化部6を制御し、記録モードの選択や記録時間の設定入力に応じた圧縮レートにて圧縮符号化処理を行わせ、その圧縮レートの圧縮符号化データを所定の記録単位にして、当該圧縮レートと同じ書込レートでトラックバッファ7に一時的に書き込ませる。これと同時に、システムコントローラ9は、サーボ部8を制御することで、光学ヘッド3を光ディスク1上の所望の記録すべきトラック(セクタ)上で待機状態(キック状態)に制御する。なお、このときAV符号化復号化部6での圧縮符号化処理は続行させ、トラックバッファ7への書き込みも続ける。
この状態にてトラックバッファ7への書き込みを続けることで、当該トラックバッファ7の残記憶容量が所定の上限容量(フル)の値になったとき、システムコントローラ9は、当該トラックバッファ7からデータを読み出し制御して信号処理部5に供給する。また、この状態のときは、トラックバッファ7からの読み出しと同時に書き込みも続行させる。ただし、このときトラックバッファ7からの読出レートは、光ディスク1への記録レートと同じレートとされる。光ディスク1の記録レートは、AV符号化復号化部6における最大圧縮レートよりも高速であるため、当該トラックバッファ7において書き込みと読み出しを同時に行った場合は、徐々にデータ蓄積量が減少していくこととなる。
信号処理部5は、光ディスク1の記録レートと同じ読出レートでトラックバッファ7から読み出された圧縮符号化データにエラー訂正符号を付加し、更にアドレスや同期信号を付加して、アンプ部4に供給する。当該アンプ部4からの信号はさらに光学ヘッド3に供給されることとなる。このとき、システムコントローラ9によって光学ヘッド3の待機状態を解除する。これにより、光ディスク1に対して信号が記録されることとなる。
次に、トラックバッファ7のデータ蓄積量が徐々に減少し、残記憶容量が下限容量(エンプティ)の値になったとき、システムコントローラ9は、次に記録すべきトラック(セクタ)上で待機状態(キック状態)となるようにサーボ部8を介して光学ヘッド3を制御すると共に、トラックバッファ7からの読み出しを停止制御する。そして、トラックバッファ7の残記憶容量が上限容量(フル)の値となるまで待つ。トラックバッファ7の残記憶容量が上限容量まで回復すると、システムコントローラ9は、トラックバッファ7からの読み出しを再開し、光学ヘッド3の待機状態を解除する。このような動作を繰り返し実行することで、光ディスク1に対して連続的な記録が行われることになる。
以下、図3〜図5を用いて、光ディスク1の記録時における、トラックバッファ7の容量管理及び書き込み/読み出し制御、及び書込/読出レートの制御の様子を詳細に説明する。
図3〜図5は、光ディスク1の記録時におけるトラックバッファ7の書き込み/読み出し制御、書込/読出レートの変化、及び、その容量変化の様子を示している。図3はAV符号化復号化部6における圧縮レートが2Mbps(トラックバッファ7の書込レートが2Mbps)の場合を示し、図4は圧縮レート(書込レート)が4Mbpsの場合を、図5は圧縮レート(書込レート)が8Mbpsの場合を示している。
また、この図3〜図5に示すA領域は、記録開始時において記憶容量が初期値0となっているトラックバッファ7に対してデータの書き込みが開始されてから、所定の上限容量(フル)までデータが書き込まれるまでの期間を示している。このA領域では、トラックバッファ7からの読み出しと光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は光ディスク1上の所望のトラック(セクタ)上で待機状態となっている。
図3〜図5に示すB領域は、所定の上限容量(フル)になっているトラックバッファ7からデータの読み出しが開始されてから、所定の下限容量(エンプティ)までデータが読み出されるまでの期間を示している。このB領域では、トラックバッファ7の読み出しと書き込みが同時に行われ、また、光ディスク1への記録も同時に行われる。
図3〜図5に示すC領域では、下限容量(エンプティ)となっているトラックバッファ7に対してデータが書き込まれることで、トラックバッファ7の容量が所定の上限容量(フル)となるまでの期間を示している。このC領域では、トラックバッファ7からの読み出しと光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は光ディスク1上の所望のトラック(セクタ)上で待機状態となっている。
図3〜図5に示すD領域は、B領域と同様に、トラックバッファ7の上限容量(フル)から下限容量(エンプティ)までデータの読み出しと同時に書き込みが行われる期間を示している。この間は、光ディスク1への記録も同時に行われる。
以下、それぞれ具体的に説明すると、圧縮レート(書込レート)が2Mbpsの場合を示す図3において、A領域では、トラックバッファ7に対して2Mbpsの書込レートで所定の上限容量(フル)までデータが書き込まれるが、トラックバッファ7からの読み出しと光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は所望のトラック(セクタ)上で待機状態となっている。
B領域では、前述したように光ディスク1への記録レートが10Mbpsとなっているため、その記録レートと同じ10Mbpsの読出レートで当該トラックバッファ7からデータが読み出される。なお、このB領域では、トラックバッファ7に対して2Mbpsの書込レートで書き込みが続行されているため、当該トラックバッファ7からは、10(Mbps)−2(Mbps)=8(Mbps)のレートに相当する速度で、徐々にデータ蓄積量が減少していくことになる。
このB領域にて徐々にデータ蓄積量が減少することで、トラックバッファ7の残記憶容量が所定の下限容量(エンプティ)まで減少した後の、C領域では、A領域の場合と同様に、トラックバッファ7に対して2Mbpsの書込レートで所定の上限容量までデータの書き込みのみが行われ、光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は所望のトラック(セクタ)上で待機状態となる。D領域についてはB領域と同様である。
次に、圧縮レート(書込レート)が4Mbpsの場合を示す図4において、A領域では、トラックバッファ7に対して4Mbpsの書込レートで所定の上限容量までデータが書き込まれるが、トラックバッファ7からの読み出しと光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は所望のトラック上で待機状態となっている。
B領域では、光ディスク1への記録レートが10Mbpsとなっているため、その記録レートと同じ10Mbpsの読出レートで当該トラックバッファ7からデータが読み出される。なお、この図4の場合、B領域では、トラックバッファ7に対して4Mbpsの書込レートで書き込みが続行されているため、当該トラックバッファ7からは、10(Mbps)−4(Mbps)=6(Mbps)のレートに相当する速度で、徐々にデータ蓄積量が減少していくことになる。
このB領域にて徐々にデータ蓄積量が減少することで、トラックバッファ7の残記憶容量が所定の下限容量まで減少した後の、C領域では、A領域の場合と同様に、トラックバッファ7に対して4Mbpsの書込レートで所定の上限容量までデータの書き込みのみが行われ、光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は所望のトラック(セクタ)上で待機状態となる。D領域についてはB領域と同様である。
次に、圧縮レート(書込レート)が8Mbpsの場合を示す図5において、A領域では、トラックバッファ7に対して8Mbpsの書込レートで所定の上限容量までデータが書き込まれるが、トラックバッファ7からの読み出しと光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は所望のトラック上で待機状態となっている。
B領域では、光ディスク1への記録レートが10Mbpsとなっているため、その記録レートと同じ10Mbpsの読出レートで当該トラックバッファ7からデータが読み出される。なお、この図5の場合、B領域では、トラックバッファ7に対して8Mbpsの書込レートで書き込みが続行されているため、当該トラックバッファ7からは、10(Mbps)−8(Mbps)=2(Mbps)のレートに相当する速度で、徐々にデータ蓄積量が減少していくことになる。
このB領域にて徐々にデータ蓄積量が減少することで、トラックバッファ7の残記憶容量が所定の下限容量まで減少した後の、C領域では、A領域の場合と同様に、トラックバッファ7に対して8Mbpsの書込レートで所定の上限容量までデータの書き込みのみが行われ、光ディスク1への記録は行われず、光学ヘッド3は所望のトラック(セクタ)上で待機状態となる。D領域についてはB領域と同様である。
このように、当該実施の形態によれば、光ディスク1への信号記録時に、AV符号化復号化部6での圧縮レート(トラックバッファ7の書込レート)が、光ディスク1への記録レートである10Mbpsに対して、2Mbps、4Mbps、8Mbpsと低く設定してあるため、A領域或いはC領域の待機状態(光ディスク1への記録待機状態)において、転送レートの差分を吸収して、記録する情報の連続性を確保した記録を行うことができる。
次に、当該実施の形態の光ディスク装置において、光ディスク1から信号を再生する場合の、記録モード及びAV符号化復号化部6での伸長レート、トラックバッファ7の容量管理及び書き込み/読み出し制御及び書込/読出レートの動作について説明する。
まず、再生時となると、システムコントローラ9は、サーボ部8を制御して、光学ヘッド3を光ディスク1上の所定のトラック上に移動制御し、所定のトラックから開始セクタのデータを読み出し制御する。この開始セクタには、コントロールデータが含まれている。このコントロールデータには、記録時の記録モードに関する情報、すなわち例えばAV符号化復号化部6における伸長レート(記録時における圧縮レートと同じレート)の情報等が含まれている。
システムコントローラ9は、このコントロールデータの伸長レートの情報に基づいて、図6〜図8に示すようにトラックバッファ7の所定の上限容量(フル:FULL)と下限容量(エンプティ:EMPTY)の値をそれぞれ設定する。また、信号処理部7を介してトラックバッファ7の残記憶容量を確認する。なお、図6〜図8の詳細については後述する。
また、システムコントローラ9は、サーボ部8を制御することで、光学ヘッド3により光ディスク1上の所望のトラックから、記録時の記録レートと同じ再生レートで信号を読み出し制御し、更に信号処理部5を介して再生データにエラー訂正処理等を施すと共に、トラックバッファ7に対してデータの書き込みを開始制御する。このときのトラックバッファ7への書込レートは、光ディスク1の再生レートと同じレートとなる。
次に、システムコントローラ9は、このトラックバッファ7に対してデータの書き込みを行うことで、該トラックバッファの容量が所定の下限容量(エンプティ)の値を越えたことを検出すると、トラックバッファ7からデータの読み出しを開始制御する。このトラックバッファ7から読み出されたデータは、AV符号化復号化部6に供給される。
なお、このときのトラックバッファ7からの読出レートは、先にコントロールデータに基づいて検出した伸長レートと同じレートとなる。また、システムコントロール9は、トラックバッファ7に対して読み出しと同時に書き込みも続行する。
トラックバッファ7の書込レートは光ディスク1からの再生レートと同じであり、一方でトラックバッファ7の読出レートはAV符号化復号化部6の伸長レートと同じになされており、光ディスク1の再生レート(メモリの書込レート)はAV符号化復号化部6における最大伸長レート(メモリの読出レート)よりも高速であるため、当該トラックバッファ7において書き込みと読み出しを同時に行ったとしても、徐々にデータ蓄積量は増加していくことになる。
AV符号化復号化部6は、トラックバッファ7から読み出されたデータを、先にコントロールデータに基づいて検出した伸長レートで伸長復号化し、さらにオーディオデータとビデオデータを分離し、D/A変換してそれぞれを出力する。
また、この状態にてトラックバッファ7への書き込みと読み出しを続けることで、トラックバッファ7の残記憶容量が所定の上限容量(フル)の値になった場合、システムコントローラ9は、次に再生すべきトラック(セクタ)上で待機状態(キック状態)となるようにサーボ部8を介して光学ヘッド3を移動制御する。同時に、システムコントロール9は、トラックバッファ7に対する書き込みを停止制御し、読み出しのみ続行させる。これにより、トラックバッファ7のデータ蓄積量は徐々に減少していくこととなる。
次に、システムコントローラ9は、トラックバッファ7のデータ蓄積量が徐々に減少し、残記憶容量が下限容量(エンプティ)の値になると、次に再生すべきトラックの再生を開始するように、サーボ部8を介して光学ヘッド3を制御すると共に、これにより光ディスク1から再生されたデータの書き込みを再開するようにトラックバッファ7を書き込み制御する。
その後は、トラックバッファ7の残記憶容量が上限容量まで達した時点で、光学ヘッド3を待機状態に制御し、かつ、トラックバッファ7への書き込みを停止制御する。このような動作を繰り返し実行することで、一連の記録情報を連続的に再生することができる。
次に、図6〜図8を用いて、光ディスク1の再生時における、トラックバッファ7の容量管理及び書き込み/読み出し制御、及び書込/読出レートの制御を詳細に説明する。この図6〜図8は、光ディスク1の再生時におけるトラックバッファ7の書き込み/読み出し制御、書込/読出レートの変化、及び、その容量変化の様子を示している。
図6はAV符号化復号化部6における伸長レートが2Mbps(トラックバッファ7の読出レートが2Mbps)の場合、図7は伸長レート(読出レート)が4Mbpsの場合を、また、図8は伸長レート(読出レート)が8Mbpsの場合をそれぞれ示している。
また、図6〜図8中のa領域は、再生開始時において記憶容量が初期値0となっているトラックバッファ7へデータの書き込みが開始されてから、所定の下限容量(エンプティ)までデータが書き込まれるまでの期間を示している。このa領域では、AV符号化復号化部6での伸長復号化は行われず、光ディスク1から再生されたデータをトラックバッファ7へ書き込むことのみが行われる。
図6〜図8中のb領域は、トラックバッファ7の残記憶容量が下限容量(エンプティ)に達した後、上限容量(フル)になるまでの期間を示している。なお、このb領域では、トラックバッファ7への再生データの書き込みと同時に読み出しも行われ、かつ、AV符号化復号化部6において伸長復号化も開始される。
図6〜図8中のc領域は、残記憶容量が上限容量(フル)に達した後、当該トラックバッファ7への書き込みが停止され、下限容量(エンプティ)までデータが読み出されるまでの期間を示している。このc領域では、光学ヘッド3は光ディスク1上の所望のトラック(セクタ)上で待機状態となっており、トラックバッファ7からは読み出しのみが行われる。
図6〜図8中のd領域は、b領域と同様に下限容量(エンプティ)から上限容量(フル)になるまでの期間を示している。このd領域では、トラックバッファ7への再生データの書き込みと同時に読み出しが行われ、かつ、AV符号化復号化部6において伸長復号化も行われている。
図6〜図8中のe領域は、c領域と同じであり、f領域はd領域と、g領域はc又はe領域と同じである。
以下、それぞれ具体的に説明すると、伸長レート(読出レート)が2Mbpsの場合を示す図6において、a領域では、光ディスク1から10Mbpsの再生レートでデータが再生され、トラックバッファ7には同じく10Mbpsの書込レートでデータが書き込まれる。このときのトラックバッファ7からはデータの読み出しは行われない。
b領域では、光ディスク1から10Mbpsの再生レートでデータが再生され、トラックバッファ7にも同じく10Mbpsの書込レートでデータが書き込まれると同時に、当該トラックバッファ7からはAV符号化復号化部6における伸長レートの2Mbpsと同じ読出レートでデータの読み出しが開始される。このb領域では、トラックバッファ7から2Mbpsの読出レートで読み出しを行うが、10Mbpsの書込レートで書き込みが続行されているため、当該トラックバッファ7には、10(Mbps)−2(Mbps)=8(Mbps)のレートに相当する速度で、徐々にデータ蓄積量が増加していくことになる。
c領域では、光ディスク1からのデータ再生が停止され、光学ヘッド3は所望のトラック(セクタ)上で待機状態となり、トラックバッファ7への書き込みも停止する。このため、c領域では、当該トラックバッファ7から2Mbpsの読出レートで徐々にデータ蓄積量が減少していくことになる。なお、このときAV符号化復号化部6では伸長復号化を続ける。
d領域はb領域と同様であり、e領域はc領域と、f領域はd領域と、g領域はc又はe領域と同様であるため説明は省略する。
次に、伸長レート(読出レート)が4Mbpsの場合を示す図7において、a領域では、光ディスク1からは10Mbpsの再生レートでデータが再生され、トラックバッファ7には10Mbpsの書込レートでデータが書き込まれ、当該トラックバッファ7からはデータの読み出しは行われない。
b領域では、光ディスク1から10Mbpsの再生レートでデータが再生され、トラックバッファ7にも10Mbpsの書込レートでデータが書き込まれると同時に、当該トラックバッファ7からはAV符号化復号化部6における伸長レートの4Mbpsと同じ読出レートでデータの読み出しが開始される。このb領域では、トラックバッファ7から4Mbpsの読出レートで読み出しを行うが、10Mbpsの書込レートで書き込みが続行されているため、当該トラックバッファ7には、10(Mbps)−4(Mbps)=6(Mbps)のレートに相当する速度で、徐々にデータ蓄積量が増加していくことになる。
c領域では、光ディスク1からのデータ再生が停止され、光学ヘッド3は所望のトラック(セクタ)上で待機状態となり、トラックバッファ7への書き込みも停止する。このため、c領域では、当該トラックバッファ7から4Mbpsの読出レートで徐々にデータ蓄積量が減少していくことになる。なお、このときAV符号化復号化部6では伸長復号化を続ける。
d領域はb領域と同様であり、e領域はc領域と、f領域はd領域と、g領域はc又はe領域と同様であるため説明は省略する。
次に、伸長レート(読出レート)が8Mbpsの場合を示す図8において、a領域では、光ディスク1からは10Mbpsの再生レートでデータが再生され、トラックバッファ7には10Mbpsの書込レートでデータが書き込まれ、当該トラックバッファ7からはデータの読み出しは行われない。
b領域では、光ディスク1から10Mbpsの再生レートでデータが再生され、トラックバッファ7にも10Mbpsの書込レートでデータが書き込まれると同時に、当該トラックバッファ7からはAV符号化復号化部6における伸長レートの8Mbpsと同じ読出レートでデータの読み出しが開始される。このb領域では、トラックバッファ7から8Mbpsの読出レートで読み出しを行うが、10Mbpsの書込レートで書き込みが続行されているため、当該トラックバッファ7には、10(Mbps)−8(Mbps)=2(Mbps)のレートに相当する速度で、徐々にデータ蓄積量が増加していくことになる。
c領域では、光ディスク1からのデータ再生が停止され、光学ヘッド3は所望のトラック(セクタ)上で待機状態となり、トラックバッファ7への書き込みも停止する。このため、c領域では、当該トラックバッファ7から8Mbpsの読出レートで徐々にデータ蓄積量が減少していくことになる。なお、このときAV符号化復号化部6では伸長復号化を続ける。
d領域はb領域と同様であり、e領域はc領域と、f領域はd領域と、g領域はc又はe領域と同様であるため説明は省略する。
このように、当該実施の形態によれば、光ディスク1からの信号再生時に、AV符号化復号化部6での伸長レート(トラックバッファ7の読出レート)が、光ディスク1への再生レートである10Mbpsに対して、2Mbps、4Mbps、8Mbpsと低く設定してあるため、c領域或いはe,g領域の待機状態(光ディスク1からの再生待機状態)に、各転送レートの差分を吸収することができ、一連の記録情報を連続的に再生することができる。
次に、当該実施の形態の光ディスク装置は、上述したような構成及び動作を基本として、さらに以下に説明するようなマルチ記録モードによる圧縮符号化/伸長復号化のテスト動作が可能となされている。なお、以下、マルチ記録モードによる圧縮符号化/伸長復号化のテストを、第1のテストモードと呼ぶことにする。
すなわち、当該実施の形態では、上述の8Mbps,4Mbps,2Mbpsの各圧縮/伸長レートでの圧縮符号化/伸長復号化による画質(記録品位)を確認可能とするために、例えば一つの画像信号を用いてそれぞれ8Mbps,4Mbps,2Mbpsの圧縮レートにて時分割しながら圧縮符号化を行い、それら時分割された各圧縮レートの圧縮データを、それら各圧縮レートに対応してトラックバッファ7上に設けられた各分割記憶領域に順次書き込むようにし、その後、これら分割記憶領域に記憶された各圧縮レートの圧縮データをそれぞれ対応する伸長レートにて読み出して伸長復号化を行い、モニタ装置等に表示することが可能となっている。
このマルチ記録モードによる圧縮符号化/伸長復号化によれば、元々同じ画質であった一つの画像信号を、異なる圧縮レートで圧縮符号化してトラックバッファ7上のそれぞれ異なる記憶領域に記憶することができるため、トラックバッファ7に別々に記憶された圧縮データを読み出してそれぞれ伸長復号化することにより、各圧縮/伸長レートによる圧縮符号化/伸長復号化後の画質を比較することができ、実際に光ディスク1に記録を行う前に、テスト的に圧縮/伸長レートを決定、すなわち記録モードを決定する事を可能とすることができる。
このようなマルチ記録モードによる圧縮符号化/伸長復号化のテスト動作(第1のテストモード)を実現する場合、本実施の形態の光ディスク装置では、以下のように動作する。
まず、第1のテストモードが指定されたことを示す、キー入力部10からのキー操作入力情報、或いは入力端子12からの制御データが供給されると、システムコントローラ9は、AV符号化復号化部6の符号化部(MPEGエンコーダ)をこの第1のテストモードに設定する。
第1のテストモードに設定されたAV符号化復号化部6は、記録すべき画像信号として供給された一つの画像データを、上述の8Mbps,4Mbps,2Mbpsの圧縮レートで時分割しながら圧縮符号化処理する。
すなわち、AV符号化復号化部6では、ワークRAMとしてのトラックバッファ8を用いて、それぞれMPEGにおける一つのGOP(group of picture)単位の各圧縮レートの圧縮データを時分割で形成する。なお、MPEG規格は既に公知なものであるため、詳細な説明は省略するが、GOPとは、一つ或いは複数のIピクチャと、0或いは複数のPピクチャやBピクチャとからなる、MPEGの単位である。これらの各圧縮レートの圧縮データは、システムコントローラ9の制御に基づき、トラックバッファ7の各分割記憶領域に、それぞれ記憶される。
例えば、画像データのデータ配列をD1,D2,D3,・・・とし、8Mbpsの圧縮レートに対応する圧縮データを8D1,8D2,8D3,・・・、4Mbpsの圧縮レートに対応する圧縮データを4D1,4D2,4D3,・・・、2Mbpsの圧縮レートに対応する圧縮データを2D1,2D2,2D3,・・・とし、また、8Mbps,4Mbps,2Mbpsの各レートに対応するトラックバッファ7上の各分割記憶領域をそれぞれ8Mbps領域、4Mbps領域、2Mbps領域とした場合、システムコントローラ9は、図9に示すようにトラックバッファ7の各分割記憶領域にアドレッシングを行いながら、各レートの圧縮データをそれぞれ振り分けて記憶制御し、図10に示すようにトラックバッファ7の100%記憶容量に達した時点で書き込みを終了制御する。
なお、64Mビット容量のトラックバッファ7の100%記憶領域を、8Mbps,4Mbps,2Mbpsに対応させて例えば8:4:2の割合で分割した場合、すなわち8Mbps領域と4Mbps領域と2Mbps領域の大きさを8:4:2の比率とした場合、8Mbps領域の実際の容量は36.6Mビット、4Mbps領域は18.3Mビット、2Mbps領域は9.1Mビットとなる。したがって、これら8Mbps領域,4Mbps領域,2Mbps領域に対して、それぞれ8Mbps,4Mbps,2Mbpsの各レートで圧縮データを記憶させた場合、各分割記憶領域が満杯になるまでの時間は、各分割記憶領域で共通の約4.5秒となる。
また、この図10の例では、100%の記憶容量まで圧縮データを記憶する例を示しているが、上限容量(フル)までとすることも可能である。
次に、この第1のテストモードにおいて、何れかの記録モード(圧縮/伸長レート)による再生の指示がなされると、システムコントローラ9は、その指示に対応して、トラックバッファ7から圧縮データを読み出し制御し、この読み出した圧縮データをAV符号化復号化部6に供給する。
例えば、8Mbpsの転送レートによる記録モードの再生指示がなされた場合、システムコントローラ9は、トラックバッファ7の8Mbps領域に記憶されている圧縮データを、8D1,8D2,8D3,・・・の順に読み出し制御し、これら圧縮データをAV符号化復号化部6に供給する。或いは、4Mbpsのレートによる記録モードの再生指示がなされた場合、システムコントローラ9は、トラックバッファ7の4Mbps領域に記憶されている圧縮データを、4D1,4D2,4D3,・・・の順に読み出し制御し、これら圧縮データをAV符号化復号化部6に供給する。或いは、2Mbpsのレートによる記録モードの再生指示がなされた場合は、トラックバッファ7の2Mbps領域に記憶されている圧縮データを、2D1,2D2,2D3,・・・の順に読み出し制御し、これら圧縮データをAV符号化復号化部6に供給する。
AV符号化復号化部6では、トラックバッファ7から供給された圧縮データを、各圧縮レートに対応する伸長レートでそれぞれ伸長復号化処理する。このAV符号化復号化部6により伸長復号化処理された画像信号は、端子11を介して図示しないモニタ装置に供給される。これにより、モニタ装置の表示画面には、第1のテストモード時の圧縮符号化/伸長復号化による各画像がそれぞれ4.5秒間分表示されることになる。
ユーザは、このモニタ装置の表示画面に表示される画像を見て、各記録モードにおける圧縮/伸長レート毎に画質を評価することとなる。このため、画質と記録時間の関係から所望の記録モードを選択することができ、最良の記録モードを設定可能とすることができる。
なお、この例では、トラックバッファ7の記憶容量を64Mビットとしているが、この64Mビットの記憶容量のDRAMの代わりに、例えば256Mビットの記憶容量のDRAMを用いた場合には、各分割領域においてそれぞれ18秒程度分のデータを記憶することが可能となる。従って、前記モニタ装置には、18秒程度分の画像が表示されることとなる。
次に、当該実施の形態の光ディスク装置には、上述のマルチ記録モードによる圧縮符号化/伸長復号化の第1のテストモードのみならず、マルチ記録モードによる記録/再生のテストモード、すなわち、実際の光ディスク1に対して記録/再生を行うテストモードも設けられている。以下、このマルチ記録モードによる記録/再生のテストモードを、第2のテストモードと呼ぶことにする。
この第2のテストモードでは、上述した高品位記録モード、中品位記録モード及び普通品位記録モードによって、実際に光ディスク1に対して記録/再生を行った場合の画質(記録品位)を確認可能とするために、例えば一つの画像信号を用いてそれぞれ8Mbps,4Mbps,2Mbpsの圧縮レートにて時分割しながら圧縮符号化処理を行い、この時分割された各圧縮レートの圧縮データを、図9を用いて説明したようにトラックバッファ7の各分割記憶領域に順次書き込み制御する。そして、トラックバッファ7の記憶容量を管理しながら、トラックバッファ7の各分割記憶領域に記憶された各圧縮データを順次読み出し制御し、光ディスク1上に順次(8D1,8D2,8D3,・・・,4D1,4D2,4D3,・・・,2D1,2D2,2D3,・・・の順番で)書き込み制御し、その後、この光ディスク1から必要に応じてデータを再生し、再度トラックバッファ7を介して読み出し、それぞれ対応する伸長復号化を行ってモニタ装置等に表示する。
この第2のテストモードによれば、元々同じ画質であった一つの画像信号を、異なる圧縮レートで圧縮符号化処理してトラックバッファ7上の異なる記憶領域に記憶制御することができ、また、光ディスク1上に記録することができるため、光ディスク1に記録された圧縮データを再生し、トラックバッファ7を介して読み出した圧縮データを伸長復号化処理することで、各圧縮/伸長レートによる圧縮符号化/伸長復号化及び光ディスク1の記録/再生後の画質を比較可能とすることができる。このため、好みの記録モードの選択を容易化することができる。
このような第2のテストモードの動作をさらに詳細に説明すると、まず、ユーザによる例えばキー入力部10からのキー操作入力情報、或いは入力端子12からの制御データによって、第2のテストモードの設定入力がなされると、システムコントローラ9は、AV符号化復号化部6の符号化部(MPEGエンコーダ)を第2のテストモードに設定する。
第2のテストモードに設定されたAV符号化復号化部6では、前述の第1のテストモードの時と同様に、記録すべき画像信号として供給された一つの画像データを、上述した8Mbps,4Mbps,2Mbpsの圧縮レートにて時分割しながら圧縮符号化処理する。すなわち、この第2のテストモードにおいても、AV符号化復号化部6は、ワークRAMとしてのDRAM8を用いて、それぞれMPEGにおける一つのGOP単位の各圧縮レートの圧縮データを時分割で形成する。
これらの各圧縮レートの圧縮データは、システムコントローラ9の制御により、トラックバッファ7の各分割記憶領域にそれぞれ記憶制御される。このトラックバッファ7の各分割記憶領域への書き込み動作も第1のテストモードと同様であり、システムコントローラ9は、図9を用いて説明したようにトラックバッファ7の各分割記憶領域にアドレッシングを行いながら、各レートの圧縮データをそれぞれ振り分けて記憶制御する。
この第2のテストモードの場合も、64Mビット容量のトラックバッファ7の100%記憶領域を、8Mbps領域と4Mbps領域と2Mbps領域の大きさを8:4:2の比率とすることができる。この場合、8Mbps領域,4Mbps領域及び2Mbps領域には、それぞれ8Mbps,4Mbps,2Mbpsの各レートお圧縮データを、それぞれ共通に約4.5秒分記憶することができる。
次に、トラックバッファ7の記憶容量が100%の記憶容量に達っすると、システムコントローラ9は、トラックバッファ7の残記憶容量の管理を継続しながら読み出し制御及び書き込み制御を継続し、8Mbps領域,4Mbps領域,2Mbps領域から時分割で順次読み出された圧縮データを信号処理部5に供給する。
信号処理部5では、トラックバッファ7の8Mbps領域,4Mbps領域,2Mbps領域から時分割で読み出された圧縮データに対して、エラー訂正符号を付加し、また、アドレスや同期信号を付加してアンプ部4に供給すると共に、各記録モードの圧縮/伸長レートを示す制御データをもアンプ部4に供給する。
アンプ部4に入力された各記録モードの信号は、さらに光学ヘッド3に供給され光ディスク1に記録されることとなる。
すなわち、このときのシステムコントローラ9は、サーボ部8を介してドライバ7を制御することで、光ディスク1上の所定の記録開始セクタの位置に光学ヘッド3を移動させると共にトラッキング及びフォーカスサーボを行わせ、トラックバッファ7の各分割記憶領域のデータ配列順番に対応する8D1,8D2,8D3,・・・,4D1,4D2,4D3,・・・,2D1,2D2,2D3,・・・の順番でデータを光ディスク1に記録制御する。
なお、この光ディスク1への記録の際に、トラックバッファ7の残記憶容量が下限容量になった時には、上述のように光ディスク1への記録を中断し、トラックバッファ7が上限容量に回復するまで記録待機状態となる。
ここで、この第2のテストモードにおいて重要なことは、8Mbps、4Mbps、2Mbpsの圧縮レートの圧縮データを、光ディスク1に順次記録できるようにするために、当該光ディスク1への記録レートを
8(Mbps)+4(Mbps)+2(Mbps)=14(Mbps)
よりも大きな値に設定する必要があることである。
すなわち、光ディスク1の記録/再生レートを、前述した基本構成のように10Mbpsとすると、この10Mbpsの記録レートでは8Mbps,4Mbps,2Mbpsの圧縮レートのデータを全て記録することができないため、第2のテストモードで光ディスク1の記録/再生を行う場合には、光ディスク1の回転速度を14Mbpsより高速な記録レートとなるように回転制御するようにしている。
次に、この第2のテストモードにおいて、上述したように光ディスク1の所定の記録セクタへのデータ記録が終了した後、ユーザにより例えばキー入力部10からのキー操作入力情報或いは入力端子12からの制御データによって、何れかの記録モードによる再生の指示がなされると、システムコントローラ9は、その指示に対応してサーボ部8及びドライバ7を制御し、光学ヘッド3にて光ディスク1から所望のデータを再生させ、この再生データをアンプ部4を介して信号処理部5に供給する。
信号処理部5は、再生データに対してエラー訂正処理等を施すのであるが、このとき、システムコントローラ9は、先にコントロールデータから検出した制御データ(記録モードの情報)に基づいて、信号処理部5から出力された圧縮データをトラックバッファ7に記憶制御し、さらに当該トラックバッファ7から圧縮データを読み出し制御してAV符号化復号化部6に供給する。
すなわち、この第2のテストモードにおいて、例えば8Mbpsの転送レートによる記録モードの再生指示がなされた場合、システムコントローラ9は、光ディスク1の所定の記録セクタから8Mbpsの圧縮レートで圧縮されたデータ(8D1,8D2,8D3,・・・の各圧縮データ)のみをその記録順に読み出し制御し、さらに信号処理部5での処理後の圧縮データをトラックバッファ7に順次書き込み制御する。そして、その後、このトラックバッファ7に記憶されている圧縮データをその書き込み順(8D1,8D2,8D3,・・・の順番)に読み出し制御し、各圧縮データをAV符号化復号化部6にて伸長復号化処理させる。
また、4Mbpsのレートによる記録モードの再生指示がなされた場合、システムコントローラ9は、光ディスク1から4Mbpsの圧縮レートで圧縮されたデータ(4D1,4D2,4D3,・・・の各圧縮データ)のみをその記録順に読み出し制御し、さらに信号処理部5での処理後の圧縮データをトラックバッファ7に順次書き込み制御する。そして、その後、このトラックバッファ7に記憶されている圧縮データをその書き込み順(4D1,4D2,4D3,・・・の順番)に読み出し制御し、各圧縮データをAV符号化復号化部6にて伸長復号化させる。
また、2Mbpsのレートによる記録モードの再生指示がなされた場合、システムコントローラ9は、光ディスク1から2Mbpsの圧縮レートで圧縮されたデータ(2D1,2D2,2D3,・・・の各圧縮データ)のみをその記録順に読み出し制御し、さらに信号処理部5での処理後の圧縮データをトラックバッファ7に順次書き込み制御する。そして、その後、このトラックバッファ7に記憶されている圧縮データをその書き込み順(2D1,2D2,2D3,・・・の順番)に読み出し制御し、各圧縮データをAV符号化復号化部6にて伸長復号化させる。
このように、AV符号化復号化部6により伸長復号化処理された画像信号を、端子11を介して図示しないモニタ装置に供給することで、モニタ装置には当該第2のテストモード時の圧縮符号化/伸長復号化及び記録/再生による各画像がそれぞれ表示されることとなる。
ユーザは、このモニタ装置の表示画面を見ることにより、各記録モードの記録モード毎に画質を評価することができ、画質と記録時間との関係から所望の記録モードを選択することができ、最良の記録モードを設定可能とすることができる。
この第2のテストモードによれば、第1のテストモードのようにトラックバッファ7の容量に左右されることなく、長時間分のデータを光ディスク1に記録することができるため、モニタ装置にも長時間分の画像を表示することができ、テスト画像の評価も充分に行うことが可能となる。
以上の説明から明らかなように、当該実施の形態の光ディスク装置は、圧縮伸長技術として例えばMPEG2を採用し、記録時間や記録品質に応じた各記録モードに対応する圧縮符号化処理/伸長復号化処理を行うようになっており、各記録モードの選択を行う場合に、光ディスク1の記録/再生レートを、圧縮符号化/伸長復号化時の最大レート(本実施の形態では8Mbps)より高いレートとなるような値、つまり光ディスク1の記録/再生速度をその記録/再生レートに固定した状態とし、さらに、トラックバッファ7の書き込み/読み出し制御を行う。これにより、各記録モードの切り換え選択を実現可能とすることができる。また、光ディスクの記録/再生時のレート(記録/再生レート)を固定、すなわち、光ディスクの回転時の線速度を固定しているため、線速度の変化に起因する記録特性の悪化を防止して良好な記録特性を得ることができる。
また、第1のテストモードでは、それぞれの記録品位(記録画像)を確認する場合に、一つの画像信号を用いてそれぞれの記録モードによる記録画質のチェックを可能とするために、当該一つの画像信号を少なくとも2つの圧縮レートで時分割しながら圧縮し、この時分割された各圧縮レートの圧縮データを、トラックバッファ7上の分割された記憶領域に順次書き込むようにしている。この第1のテストモードによれば、元々同じ画質であった一つの画像信号を、異なる圧縮レートで圧縮してトラックバッファに記憶することができるため、トラックバッファに別々に記憶された圧縮データを読み出して伸長することにより、2つの圧縮レートによる圧縮後の画質を比較することができ、圧縮レートをテスト的に決定することを可能とすることができる。
また、第2のテストモードでは、一つの画像信号を用いてそれぞれの記録モードによる記録画質のチェックができるようにするため、この一つの画像信号を少なくとも2つの圧縮レートで時分割しながら圧縮し、この時分割された各圧縮レートの圧縮データを、トラックバッファ7上の分割された記憶領域に順次書き込み、さらにトラックバッファ7の記憶容量を管理しながら、当該トラックバッファ7に記憶された各圧縮レートの圧縮データを順次読み出し、光ディスク上に別々に順次書き込むようにしている。
この第2のテストモードによれば、元々同じ画質であった一つの画像信号を、異なる圧縮レートで圧縮してトラックバッファに記憶できると共に光ディスクにも記録できるので、この光ディスクに別々に記録された圧縮データを読み出して、その後伸長することにより、2つの圧縮レートによる圧縮後の画質を長時間に渡って比較することができ、その結果、好みの記録モードで映像を再生することを可能とすることができる。
次に、当該実施の形態の例では、上述のように光ディスク1としてDVD−RWのディスクが設けられているのであるが、このDVD−RWのディスクの場合、全記録容量が4.7GB(ギガバイト)で、内周から外周までのアクセスに要する時間は例えば3sec程度となっている。
光ディスク1にデータが全く記録されていない状態で、内周側から外周側にかけて動画を記録する場合には、トラックバッファ7が空になることはない。しかし、この光ディスク1に対して何度か記録を行い、このうちの一部を消去することで(編集を行うことで)、例えば内周側及び外周側の1GBの領域が未記録で、この内周及び外周の間の2.7GBの領域が記録済みとなり、この2.7GBの領域をシークするのに2secの時間を要するとすると、トラックバッファ7の容量としては2sec以上の容量が必要となる。そして、トラックバッファ7がこの容量に満たない容量である場合には、前記シークする時間がないため、連続するデータは、内周側或いは外周側のいずれかの1GBの空き領域に記録する必要がある。
ここで、当該実施の形態の光ディスク装置は、トラックバッファ7が64Mビットの容量を有しているため、光ディスク1に対する転送レートが10Mbps、入力側の転送レートが2Mbps,4Mbps,8Mbpsとしても、それぞれ6.4sec、32sec、16sec、8sec分のデータを記憶しておけるため、この間に3secのシーク時間が発生しても、トラックバッファ7が空になることはなく、連続的なデータの記録を可能とすることができ、光ディスク1の容量が無駄となることはない。
具体的には、図11(a)は、光ディスク1上のデータ(音声情報及び映像情報等)を模式的に示す図であり、この例においては、コントロールデータに続いてデータのファイル1(File1)〜ファイル8(File8)がそれぞれディスク1上に記録されている。なお、コントロールデータが記録されている側がディスク内周側、データの一つであるファイル8(File8)が記録されている側がディスク外周側となっている。
ここで、ユーザが、光ディスク1上に記録されている全ファイル(ファイル1〜ファイル8)の中からファイル2,ファイル4,ファイル6,ファイル8を削除したとすると、図11(b)に示すように光ディスク1上に4つの分割された空き領域が形成される。
システムコントローラ9は、以下に説明する演算を行い、この演算結果に基づいて新たなデータを各空き領域に分割して記録することにより、一連のデータを連続して各空き領域に記録可能とし、また、各空き領域に分割して記録された各データを連続して再生可能としている。
図12に、システムコントローラ9が実行する記録制御のフローチャートを示す。このフローチャートは、当該DVD記録再生装置のメイン電源が投入されることでスタートとなり、システムコントローラ9がステップS1からステップS7の各ルーチンの実行を開始する。
まず、ステップS1では、システムコントローラ9が、光学ヘッド3を制御して光ディスク1の内周側に記録されているコントロールデータ(図4(a)参照)を再生し、これをトラックバッファ7に一旦記憶してステップS2に進む。
ステップS2では、システムコントローラ9が、このトラックバッファ7に記憶されたコントロールデータ中に記録されている、データ領域中に記録されているビデオファイル等のデータの開始アドレスと終了アドレスの位置から、光ディスク1上の一部又は全ての空き領域の開始アドレス及び終了アドレスを検出すると共に、該各空き領域の容量を計算してステップS3に進む。
ステップS3では、システムコントローラ9が、空き領域と次の空き領域との間に存在する各データ領域の大きさを計算すると共に、各データ領域のシークに要する時間であるシーク時間を検出してステップS4に進む。
このシーク時間は、光ディスク1がCLV制御であるため、空き領域の終了アドレスから次の空き領域の開始アドレスまでの間のアドレス差を計算し、システムコントローラ9内のROMに記憶されているシークテーブルを参照することでトラック移動本数を求め、このトラック移動本数に基づいて、後に説明する所定の係数演算を行うことで算出される。
次にステップS4では、システムコントローラ9が、2Mbps,4Mbps,8Mbpsでの各転送レート(各記録モード)毎に、連続記録再生可能な空き領域を検出し、連続再生に適していない空き領域を除いた各空き領域(連続再生を可能とする空き領域)に基づいて、記録順序を決定すると共に、この決定した全空き領域の容量に対して転送レートを乗算して記録可能時間を計算してステップS5に進む。
すなわち、
光ディスク1への記録再生の転送レートを A(Mbps)、
入力信号の圧縮後の転送レートを B(Mbps)、
トラックバッファ7の容量を C(Mb)、
所定のシーク時間を T(msec)、
所定の領域の記録時間を Tw(msec)、
所定の空き領域の記録容量を m(Mb)
とした場合、所定の空き領域にデータを記録する際に要する時間(記録時間Tw
)は、「Tw=m/A」となる。
ここで、記録済み領域をシーク中にトラックバッファ7を上限容量(フル)にしないためには、トラックバッファ7の容量Cを入力信号の転送レートBで記録している時間よりも、シーク時間Tを短くする必要がある(C/B>T)。なお、このシーク時間Tは、トラックを移動する時間及び回転待ち時間を含む時間である。
次に、一つ目の空き領域に記録したデータに連続するデータを2つ目の空き領域に記録するには、この2つ目の空き領域の記録中にトラックバッファ7が下限容量(エンプティ)近辺になるような所定以上の容量が必要となる。これは、2つ目の空き領域の容量が所定以上ないと、トラックバッファ7の記憶容量の残量が少なくならずに、次のシーク中にトラックバッファ7がオーバーフローしてしまうためである。
この場合、2つ目の空き領域が有すべき容量は、
「(A−B)/A> T/(m/A+T)」であり、
「m>(A×B×T)/(A−B)」である。
すなわち、転送レートの差に相当するトラックバッファ7の容量を、シーク時間Tでの転送レートBの容量が越えないようにしなければならない。前述のように、シーク時間Tは、入力信号の転送レートに応じて変化するため、実際に記録するときの転送レートBによって、記録に必要な空き領域の容量が変動することとなる。
具体的には、例えば外周から内周までの最大のシーク時間Tを3sec、入力信号の圧縮後の転送レートBを2Mbps、ディスク1への記録再生の転送レートAを10Mbpsとすると、空き領域の容量としては7.5Mb以上の容量が必要であり、シーク時間Tを3sec、入力信号の圧縮後の転送レートBを8Mbps、ディスク1への記録再生の転送レートAを10Mbpsとすると、空き領域の容量としては120Mb以上必要となる。
なお、例えばROMの中に予め演算した計算結果をテーブル化して記憶しておき、記録再生時にこれを参照してシーク時間や空き領域の容量等を得るようにしてもよい。
また、DVDRW(RW:リライタブル)の場合、1倍速でのディスクへの書き込み速度は11.08Mbps又は10.08Mbpsであるが、この例においては説明を簡素化するために、1倍速でのディスクへの書き込み速度を例えば10Mbpsとして説明している。
システムコントローラ9は、このような演算により全空き領域の容量を検出すると、ステップS5において、図13に示すように光ディスク1上の全空き領域の容量、及び各転送レート毎の記録可能時間(及び実効空き容量)をモニタ装置に表示制御してステップS6に進む。このように、各転送レート毎の記録可能時間(及び実効空き容量)等をモニタ装置に表示することで、ユーザは、所望の転送レートの選択が可能となる。
なお、この図13に示す例において、全空き領域の容量が2GBであるのに対して、実行空き領域が1.0GB、1.5GB等のように少なくなっているが、これは、記録に不適当と判断された空き領域(容量不足の空き領域)は使用せずに、記録に適当と判断された空き領域のみ使用して記録情報の記録を行うためである。
次に、ステップS6では、システムコントローラ9が、ユーザにより所望の転送レートの選択がなされたか否かを判別する。そして、所望の転送レートの選択がなされていない場合は(Noの場合は)転送レートの入力待ち状態となり、当該ステップS6を繰り返し実行し、所望の転送レートの選択がなされた場合は(Yesの場合は)ステップS7に進む。
ステップS7では、システムコントローラ9が、ユーザにより選択された転送レートに対応する連続記録再生可能な空き領域を検出すると共に、この記録順序を決定してステップS8に進む。ステップS8では、システムコントローラ9が、図1に示す端子11を介して記録すべきデータの入力がなされたか否かを判別し、データの入力がなされない場合は(Noの場合は)、データの入力がなされるまで当該ステップS8のルーチンを繰り返し実行し、データの入力がなされた場合は、ステップS9に進む。
ステップS9では、システムコントローラ9が、前記ステップS7において決定した記録順序に従って図1に示す端子11を介して供給されるデータを記録制御する。そして、ユーザから記録停止が指定されたタイミングで当該図12のフローチャートに示す全ルーチンの実行が終了となる。
なお、システムコントローラ9は、データの記録が終了すると、この記録したデータと記録位置(アドレス)に関する情報をコントロールデータとして光ディスク1の前記コントロール領域(図11(a)参照)に書き込み制御する。
データの具体的な記録形態は、図11(c)〜(e)に示すようになっている。図11(c)は転送レートが2Mbpsの場合の記録形態、図11(d)は転送レートが4Mbpsの場合の記録形態、図11(e)は転送レートが8Mbpsの場合の記録形態を示している。
まず、転送レートが2Mbpsの場合における図11(c)に示す例では、ファイル2、ファイル4、ファイル6、ファイル8のデータを消去することで形成された各空き領域の容量が順に大きく(容量:ファイル2<ファイル4<ファイル6<ファイル8)、ファイル3よりファイル5のトータル距離が短く、また、ファイル5よりファイル7のトータル距離が短くなっている。ファイル3よりファイル5のトータル距離が短いということは、ファイル3のシーク時間よりもファイル5のシーク時間の方が短くなっている(シーク時間:ファイル3>ファイル5)。また、ファイル5よりファイル7のトータル距離が短いということは、ファイル5のシーク時間よりもファイル7のシーク時間の方が短くなっている(シーク時間:ファイル5>ファイル7)。
このような空き領域の状況において、その空き領域の前段に位置するデータファイルをシークしている間にトラックバッファ7がフルとならなければその空き領域にデータを記録しても連続再生が可能となる。このため、転送レートが2Mbpsである場合には、図11(c)に示すように、まず、ファイル1のデータ領域をシークによりジャンプし、ファイル2を消去することで形成された空き領域にファイル11のデータを記録し、ファイル3のデータ領域をシークによりジャンプし、ファイル4を消去することで形成された空き領域にファイル12のデータを記録する。また、ファイル5のデータ領域をシークしてファイル6を消去することで形成された空き領域にファイル13のデータを記録し、ファイル7のデータ領域をシークしてファイル8を消去することで形成された空き領域にファイル14のデータを記録する。
次に、空き領域の状況が図11(b)に示す状況と同じ場合において、転送レートが4Mbpsである場合、転送レートが2Mbpsの場合よりもトラックバッファ7に記憶できる時間が短くなることで、例えばファイル1のデータ領域をシークによりジャンプしている間にトラックバッファ7がフルとなってしまうとすると、図11(d)に示すように、ファイル2を消去することで形成された空き領域は不適当と判断してデータの記録には用いない。
そして、ファイル3のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル4を消去することで形成された空き領域にファイル21のデータの記録を行い、同様にファイル5、ファイル7のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル6、ファイル8を消去することで形成された各空き領域にファイル22、ファイル23の各データをそれぞれ記録する。
次に、空き領域の状況が図11(b)に示す状況と同じ場合において、転送レートが8Mbpsである場合、転送レートが4Mbpsの場合よりもトラックバッファ7に記憶できる時間がさらに短くなることで、例えばファイル1及びファイル3のデータ領域をシークによりジャンプしている間にトラックバッファ7がフルとなってしまうとすると、図11(e)に示すように、ファイル2を消去することで形成された空き領域及びファイル4を消去することで形成された空き領域は不適当と判断してデータの記録には用いない。
そして、ファイル5のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル6を消去することで形成された空き領域にファイル31のデータの記録を行い、ファイル7のデータ領域をシークによりジャンプしてファイル8を消去することで形成された空き領域にファイル32のデータを記録する。
以上の説明から明らかなように、当該実施の形態の光ディスク装置は、
入力信号の圧縮後の転送レートを B(Mbps)、
トラックバッファ7の容量を C(Mb)、
所定のシーク時間を T(msec)
として「C/B>T」となる場合に、その空き領域を連続的な信号の記録再生が可能な空き領域と判断してデータの記録を行う。
また、
ディスク1への記録再生の転送レートを A(Mbps)、
入力信号の圧縮後の転送レート を B(Mbps)、
所定の領域の記録容量 を m(Mb)
所定のシーク時間 を T(msec)、
として「m>(A×B×T)/(A−B)」となる場合に、その空き領域を連続的な信号の記録再生が可能な空き領域と判断してデータの記録を行う。
これにより、編集等によりディスク1上に空き領域が点在する状態となった場合でも、動画等の連続した信号を切れ目無く記録再生可能とすることができる。
また、全空き領域の容量や、各転送レート(この場合は、2Mbps,4Mbps,8Mbps)での記録可能時間(及び実効空き容量)を表示することにより、ユーザに対して光ディスク1の空き領域の有効利用の判断材料を提供することができる。このため、記録により無駄となる光ディスク1の空き領域を削減可能とすることができる。
なお、上述の演算動作の説明では、「C/B>T」及び「m>(A×B×T)/(A−B)」の両方を満足する場合に、その空き領域を連続的な信号の記録再生が可能な空き領域と判断することとしたが、これは、「C/B>T」或いは「m>(A×B×T)/(A−B)」のいずれか一方で判断するようにしてもよい。
最後に、本発明は、一例として説明した上述の実施の形態に限定されることはない。このため、例えばDVDに限らずMO(magneto optical)ディスクやMD等に適用してもよい。また、圧縮/伸長レートを変えて記録/再生する信号も画像信号に限らず、オーディオ信号等としてもよい。さらに、光ディスク1の回転制御は、線速度一定(CLV)制御であることとしたが、これは、角速度一定(CAV)制御或いはいわゆるゾーンCAV制御等において、例えば光ディスク1の内周から外周までの間を半径毎に複数(例えば30領域程度)に分割し、トラックのアドレスをシステムコントローラが管理しながら各分割領域内で線速度を一定に制御するようにしてもよい。そして、この他であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明実施の形態の光ディスク装置の概略構成を示すブロック図である。 CLVディスクの概念図である。 記録時において、2Mbpsで圧縮されたデータをトラックバッファへ書き込み/読み出しする際のバッファ制御の様子を概念的に示す概念図である。 記録時において、4Mbpsで圧縮されたデータをトラックバッファへ書き込み/読み出しする際のバッファ制御の様子を概念的に示す概念図である。 記録時において、8Mbpsで圧縮されたデータをトラックバッファへ書き込み/読み出しする際のバッファ制御の様子を概念的に示す概念図である。 再生時において、2Mbpsで圧縮されたデータをトラックバッファへ書き込み/読み出しする際のバッファ制御の様子を概念的に示す概念図である。 再生時において、4Mbpsで圧縮されたデータをトラックバッファへ書き込み/読み出しする際のバッファ制御の様子を概念的に示す概念図である。 再生時において、8Mbpsで圧縮されたデータをトラックバッファへ書き込み/読み出しする際のバッファ制御の様子を概念的に示す概念図である。 8,4,2Mbpsの圧縮データが記憶されるトラックバッファの各分割記憶領域を概念的に示す概念図である。 8,4,2Mbpsの圧縮データをトラックバッファの各分割記憶領域へ書き込む際のバッファ容量変化の様子を概念的に示す概念図である。 光ディスク上に点在する空き領域、及び各転送レートに応じて各空き領域に記録される記録信号の記録位置を説明するためのディスクの模式図である。 本発明の実施の形態の光ディスク装置の記録動作を説明するためのフローチャートである。 各転送レート毎に算出され表示される記録可能時間等の表示例を示す図である。
符号の説明
1…光ディスク、2…スピンドルモータ、3…光学ヘッド、4…アンプ部、5…信号処理部、6…AV符号化復号化部、7…64Mビットのトラックバッファ、8…16Mビットのトラックバッファ、9…システムコントローラ、10…キー入力部、11…オーディオ,ビデオ信号の入出力端子、12…制御データの入力端子

Claims (6)

  1. 所定の容量を有する一時記憶手段により、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するステップと、
    記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行うステップと、
    前記再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出するステップと、
    前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、前記一時記憶手段の容量を「C」として、「C/B>T」を満足する場合に、その空き領域を連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出すると共に、この検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行うステップと
    を有することを特徴とする記録方法
  2. 所定の容量を有する一時記憶手段により、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するステップと、
    記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行うステップと、
    前記再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出するステップと、
    前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記検出された空き領域の容量を「m」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出すると共に、この検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行うステップと
    を有することを特徴とする記録方法
  3. 所定の容量を有する一時記憶手段により、少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するステップと、
    記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行うステップと、
    前記再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出するステップと、
    前記一時記憶手段へ記憶する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、前記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記検出された空き領域の容量を「m」として、
    「C/B>T」及び
    「m>(A×B×T)/(A−B)」
    を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出すると共に、この検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行うステップと
    を有することを特徴とする記録方法
  4. 少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するために必要な所定の容量を有する一時記憶手段と、
    記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、
    前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、
    前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、前記一時記憶手段の容量を「C」として、「C/B>T」を満足する場合に、その空き領域を連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、
    前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段と
    を有することを特徴とする記録再生装置。
  5. 少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するために必要な所定の容量を有する一時記憶手段と、
    記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、
    前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、
    前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「m」として、「m>(A×B×T)/(A−B)」を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、
    前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段と
    を有することを特徴とする記録再生装置。
  6. 少なくとも記録時における記録情報の転送レートの差を吸収するために必要な所定の容量を有する一時記憶手段と、
    記録媒体上の記録情報の少なくとも記録位置を示す位置情報が記録されている管理領域から該位置情報の再生を行う位置情報再生手段と、
    前記位置情報再生手段により再生された位置情報に基づいて、記録媒体上の記録情報が記録されている記録領域に対する空き領域を検出する空き領域検出手段と、
    前記一時記憶手段へ記録する複数の転送レートに関る記録モードから選択された記録情報の転送レートを「B」、記検出された各空き領域の間に存在する記録済み領域をシークするのに要する時間を「T」、記録時における記録媒体に対する記録情報の転送レートを「A」、前記一時記憶手段の容量を「C」、前記空き領域検出手段で検出された空き領域の容量を「mとして、
    「C/B>T」及び
    「m>(A×B×T)/(A−B)」
    を満足する場合に、その空き領域を、連続的な記録情報の記録再生が可能な空き領域として検出する記録可能空き領域検出手段と、
    前記記録可能空き領域検出手段により検出された空き領域に対して、前記一時記憶手段を介して記録情報の記録を行う記録手段と
    を有することを特徴とする記録再生装置。
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