JP4193405B2 - ポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキ - Google Patents

ポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルフィルム貼り合わせ金属板用グラビアインキ(以下、「ラミネート缶用グラビアインキ」という事がある)、及び該インキを塗布したポリエステルフィルムと金属板とを接着してなるポリエステルフィルム貼り合わせ金属板(以下、「ラミネート金属板」ということがある)とラミネート金属板を加工して作られる飲料缶または食缶(以下、「ラミネート缶」ということがある)に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、特開平05−96627号公報、特開平05−112361号公報に開示されているように飲料缶または食缶の金属製缶の外面に、あらかじめ印刷されたフィルムに接着剤をプレコートし、金属製缶用の金属板に熱ラミネートする方法が行なわれるようになってきている。この方法に用いられる印刷インキは、特開平7−216280号公報、特開平11−172184号公報、特開平2001−98192号公報に開示されているようにフィルムに対する接着性、残留溶剤、耐ブロッキング性、さらには加熱殺菌等の高熱水条件下においてもフィルムとの接着性が良好であることより、バインダー樹脂としてポリウレタン系樹脂が多く使用され、溶剤としてトルエンが使用されている。また、印刷の様式としては、同一絵柄を、大量かつ安価に生産できることからグラビア印刷が用いられている。接着剤は、特開平11−301921号公報、特開平08−34289号公報、ポリエステル−エポキシ系やポリエステル−ポリイソシアネート系接着剤が用いられている。
また、近年グラビア印刷業界では、地球環境の保護、安全衛生性の向上、各種法規制への対応の点から、従来のトルエンを主溶剤としたトルエン系インキから、トルエンを使用せずエステル、ケトン、アルコール系溶剤などを主成分とするノントルエン系インキへの移行が進んできている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノントルエン系インキにおいて、トルエン系グラビアインキの成分のうち、溶剤をトルエンから他の溶剤へ置き換え、溶剤以外の成分を同一としただけのインキでは、元のトルエンを主溶剤としたグラビアインキと比べ、印刷物の調子部の再現性、版かぶり性などの印刷適性が劣るという問題があった。また、軟包装用(フィルム用)グラビアインキは、現在急速にトルエン系からノントルエン系への移行が進んでいるが、そのインキをポリエステルフィルム貼り付け金属版用グラビアインキとして使用しても、印刷フィルムを熱ラミネートした後に金属板を缶に加工した場合、高熱水条件下でデラミネーションしてしまうという問題があり、特にネックイン加工、フランジ加工等の加工を施した部分が顕著であった。
本発明は、ノントルエン系のポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキでありながら、優れた印刷適性を有しかつ、一液型で優れた耐加工性、耐レトルト性を有するポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記した課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定成分を含むポリウレタン樹脂はエステル、アルコール系溶剤への溶解性が良好であり、該樹脂を主たるバインダーとしたグラビアインキは、ノントルエン系で調子部の再現性、版かぶり性などの印刷適性が向上するとともに、ネックイン加工、フランジ加工などの物性を確保できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、ポリウレタン樹脂(A)と、トルエンを実質的に含まない溶剤とを含むポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキであって、ポリウレタン樹脂全体に対して、数平均分子量1000〜4000のポリプロピレングリコール (PPG) を15重量%以上60重量%未満含み、アミン価が、1〜10mgKOH/樹脂1g、水酸基価が、0.05〜5.0mgKOH/樹脂1gであるポリウレタン樹脂(A)を4〜25重量%、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)を0.1〜0.9重量%、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランまたはN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランであるシランカップリング剤(C)を0.5〜5重量%含むポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキに関する。
【0009】
また、本発明は、ポリエステルフィルムに上記グラビアインキを塗布し、接着剤を介し金属と貼り合わせ熱圧着してなるポリエステルフィルム貼り合わせ金属板に関する。
【0010】
また、本発明は、上記金属板を加工してなる飲料缶または食缶に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリエステルフィルム貼り付け金属版用グラビアインキにおける各成分について以下に説明する。
【0012】
本発明における(A)成分であるポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂100重量部に対して、該樹脂中に数平均分子量Mn1000〜4000のポリプロピレングリコール(PPG)残基を15重量部以上60部重量未満含むことを特徴とするものである。即ち、下記化学式(1)で示される残基を樹脂骨格内に有している。
【0013】
【化1】
Figure 0004193405
【0014】
n : 17から68の整数
【0015】
本発明のポリウレタン樹脂(A)は、数平均分子量Mn1000〜4000のポリプロピレングリコール(PPG)、必要に応じて併用ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤、および必要に応じて末端封鎖剤などを反応して得ることができる。有機溶剤、特にエステル、ケトン、アルコールなどの溶剤に可溶なポリウレタン樹脂である。
【0016】
本発明のポリウレタン樹脂の構成成分であるポリプロピレングリコール(PPG)の数平均分子量が1000より小さいと該ポリウレタン樹脂の皮膜が硬くなる傾向にありポリエステルフィルムへの接着性が劣る。また数平均分子量が4000より大きい場合、該ポリウレタン樹脂の皮膜が脆弱になる傾向にありインキ皮膜の耐ブロッキング性が劣る。
【0017】
ポリウレタン樹脂100重量部に対してポリプロピレングリコール(PPG)が15重量部未満であると、該ウレタン樹脂のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性が劣る傾向にあり、またインキ皮膜の該溶剤への再溶解性が劣る傾向にあり、印刷物の調子再現性が劣る。また60重量部以上であると、印刷フィルムを熱ラミネートした後に金属板を缶に加工した場合、高熱水条件下でデラミネーションし易い傾向があり、特にネックイン加工、フランジ加工等の加工を施した部分で顕著である。
【0018】
本発明のポリウレタン樹脂に必要に応じて使用される併用ポリオールとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。
【0019】
例えば、酸化メチレン、酸化エチレン、テトラヒドロフランなどの重合体または共重合体のポリエーテルポリオール類(1);
エチレングリコール、1,2―プロパンジオール、1,3―プロパンジオール、2メチル−1,3プロパンジオール、2エチル−2ブチル−1,3プロパンジオール、1,3―ブタンジオール、1,4―ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(2);
【0020】
これらの低分子ポリオール類(2)と、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(3);
環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(4);
前記低分子ポリオール類(2)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(5);
ポリブタジエングリコール類(6);
ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(7);
1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(8)などが挙げられる。
【0021】
なお、前記ポリエステルポリオール類(3)のなかで、ジオール類(グリコール類)と二塩基酸とから得られる高分子ジオールは、ジオール類のうち5モル%までを前記水酸基を3つ以上有する低分子ポリオール類(2)に置換することが出来る。
【0022】
本発明のポリウレタン樹脂に使用されるジイソシアネート化合物としては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
例えば、1,5―ナフチレンジイソシアネート、4,4'―ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'―ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'―ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3―フェニレンジイソシアネート、1,4―フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライド;
ブタン―1,4―ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート;
シクロヘキサン―1,4―ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン―4,4'―ジイソシアネート、1,3―ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート;
ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等があげられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
本発明のポリウレタン樹脂に使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン―4,4’―ジアミンなどの他、2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ―2―ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0024】
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L−アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0025】
本発明のポリウレタン樹脂(A)は、従来公知の方法、例えば、特開昭62−153366号公報、特開昭62−153367号公報、特開平1−236289号公報、特開平2−64173号公報、特開平2−64174号公報、特開平2−64175号公報などに開示されている方法により得ることができる。
具体的には、ポリプロピレングリコール(PPG)および併用ポリオールとジイソシアネート化合物とをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、適当な溶剤中、すなわち、ノントルエン系グラビアインキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどのアルコール系溶剤;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤;あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤と反応させる二段法、あるいはポリプロピレングリコール(PPG)および併用ポリオール、ジイソシアネート化合物、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤を上記のうち適切な溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。
【0026】
これらの方法のなかでも、均一なポリウレタン樹脂を得るには、二段法によることが好ましい。また、ポリウレタン樹脂を二段法で製造する場合、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤のアミノ基の合計(当量比)が1/0.9〜1.3の割合になるように反応させることが好ましい。イソシアネート基とアミノ基との当量比が1/1.3より小さいときは、鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤が未反応のまま残存し、ポリウレタン樹脂が黄変したり、印刷後臭気が発生したりする場合がある。
【0027】
このようにして得られるポリウレタン樹脂は、本発明に用いられるブロック化ポリイソシアネート化合物(B)およびシランカップリング剤(C)と架橋する官能基、例えばアミノ基、水酸基を有していることが好ましい。
アミノ基含有ポリウレタン樹脂は、例えば、ポリウレタン樹脂合成時にアミン類の鎖伸長剤および(または)末端封鎖剤の量を調整し、ポリウレタン樹脂の末端をアミノ基とすることにより得ることができる。水酸基含有ポリウレタン樹脂は、例えば、鎖伸長剤として上記の分子内に水酸基を有するアミン類を用いることにより得ることができる。ポリウレタン樹脂のアミン価は1〜10mgKOH/樹脂1g、水酸基価は0.05〜5.0mgKOH/樹脂1gの範囲内とすることが好ましい。上記範囲以下である場合架橋が不十分となり易く、また、上記範囲以上であるとポリウレタン樹脂の耐溶剤性が劣る傾向にある。
【0028】
このようにして得られるポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、15,000〜100,000の範囲内とすることが好ましい。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が15,000未満の場合には、得られるインキの組成物の耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性などが低くなる傾向があり、100,000を超える場合には、得られるインキ組成物の粘度が高くなり、印刷被膜の光沢が低くなる傾向がある。
【0029】
本発明のポリウレタン樹脂(A)のインキにおける含有量は、インキの被印刷体への接着性を十分にする観点からインキの総重量に対して4重量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から25重量%以下が好ましく、更には6〜15重量%の範囲が好ましい。
【0030】
本発明に用いられるブロック化ポリイソシアネート化合物(B)は、本発明のポリウレタン樹脂(A)、およびブロック化ポリイソシアネート化合物と反応可能な官能基を有するその他のインキ成分との硬化剤として働く成分であり、ポリイソシアネート化合物のフリーのイソシアネート基をブロック化剤にてブロックしてなる化合物である。
【0031】
該ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの如き脂肪族ジイソシアネート類;
水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの如き環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソソアネート、2,6−ジイソシアネート−ベンジルクロライドの如き芳香族ジイソシアネート類;
トリフェニルメタン−4,4‘,4“−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4‘−ジメチルジフェニルメタン−2,2‘,5,5‘−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物の如き有機ポリイソシアネートそれ自体、
またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは、これらとグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体、あるいは上記した各有機ポリイソシアネート同志の環化重合体、更にはイソシアネート・ビウレット体等を挙げることができる。
【0032】
該ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)のイソシアネート基をブロックするブロック化剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノールなどのフェノール系;ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタムなどのラクタム系;
メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコールなどのアルコール系;ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム系;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系などのブロック化剤を好適に使用することができる。
【0033】
該ブロック化ポリイソシアネート(B)の含有量は、インキの総重量に対して0.1〜0.9重量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜0.3重量%である。該ブロック化ポリイソシアネート(B)の含有量が0.1重量%未満の場合、ネック加工性試験においてレトルト後に皺、ブリスターが発生する傾向があり、0.9重量%より多い場合、ブロック化剤が外れたことに起因する気泡が多量に発生する傾向がある。該ブロック化ポリイソシアネート(B)は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0034】
また、該ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)の反応速度を促進する必要がある場合は、必要に応じて硬化触媒を用いることが出来る。具体的には、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2-エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、オクチル錫オキサイド、2-エチルヘキサン酸鉛などの有機金属触媒などを挙げることができる。
【0035】
本発明に用いられるシランカップリング剤(C)は、インキにおける凝集力向上を達成するために用いられる成分であり、1分子中に、エポキシ基、1級アミノ基及び2級アミノ基から選ばれる官能基を少なくとも1個と珪素原子に直接結合する水酸基またはアルコキシ基を少なくとも1個有するシラン化合物である。
【0036】
該シランカップリング剤(C)の代表例としては、ジ(γ−グリシドキシプロピル)ジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−プロピルメチルジメトキシシランなどのジアルコキシシラン;
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのトリアルコキシシランなどを挙げることができる。これらのうち特にトリアルコキシシラン、更にはアミノ基を有するものを好適に使用することができる。
【0037】
シランカップリング剤(C)は、1分子中に、エポキシ基、1級アミノ基及び2級アミノ基から選ばれる官能基を有することによって樹脂成分との架橋に寄与し、また1分子中に、珪素原子に直接結合する水酸基またはアルコキシ基を有することによって金属表面、特に無機系顔料との密着性の向上に寄与する。シランカップリング剤(C)の含有量は、インキの総重量に対して0.5〜5重量%が好ましく、更に好ましくは1〜3重量%である。シランカップリング剤(C)の含有量が0.5重量%未満の場合、ネック加工性試験においてレトルト後に皺、ブリスターが発生する傾向があり、5重量%より多い場合、硬化が進み柔軟性に欠ける塗膜となり塗膜に亀裂が入ることがある。該シランカップリング剤(C)は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0038】
本発明のポリエステルフィルム貼り合わせ金属板用グラビアインキは、ポリウレタン樹脂(A)を必須成分として含み、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)およびまたはエポキシ基、1級アミノ基及び2級アミノ基から選ばれる官能基を1分子中に少なくとも1個有するシランカップリング剤(C)を含むが、更にインキとして必要とされる機能を有するため、着色剤、併用樹脂、有機溶剤などを含むことが出来る。その他、必要に応じて体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
【0039】
本発明のインキに必要とされる機能を有するために配合される着色剤としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機、無機顔料や染料を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。藍インキには銅フタロシアニン、透明黄インキにはコスト・耐光性の点からC. I. Pigment No
Yellow83を用いることが好ましい。
【0040】
無機顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、ベンガラ、アルミニウム、マイカ(雲母)などが挙げられる。白インキには酸化チタン、墨インキにはカーボンブラック、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
【0041】
着色剤はインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキの総重量に対して1〜50重量%の割合で含まれることが好ましい。また、着色剤は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0042】
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総重量に対して0.05重量%以上、ラミネート適性の観点から5重量%以下でインキ中に含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2重量%の範囲である。
【0043】
本発明のインキに必要に応じて併用される樹脂の例としては、本発明以外のポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。併用樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。併用樹脂の含有量は、インキの総重量に対して1〜25重量%が好ましく、更に好ましくは2〜15重量%である。
【0044】
本発明のインキは、樹脂、着色剤などを有機溶剤中に溶解および/または分散することにより製造することができる。具体的には、顔料をポリウレタン樹脂(A)により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
【0045】
また、本発明のインキ中に、シランカップリング剤及び(または)ブロック化ポリイソシアネートを含有させる方法としては、インキ製造時に配合する、インキ使用直前に添加する、あるいは、希釈溶剤で印刷に適した粘度に希釈した後の希釈インキに添加するなどの方法がある。シランカップリング剤及び(または)ブロック化ポリイソシアネートの含有量は、インキ(ベースインキ)を基準とするか、希釈インキを基準として計算を行うかにより値が変化する。本発明においては、インキ(ベースインキ)を基準として含有量の計算を行なっている。
【0046】
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
【0047】
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
【0048】
本発明のインキの色相としては、使用する着色剤の種類に応じて、プロセス基本色として黄、紅、藍、墨、白の5色があり、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色がある。更に透明黄、牡丹、朱、茶、金、銀、パール、色濃度調整用のほぼ透明なメジウム(必要に応じて体質顔料を含む)などがベース色として準備される。各色相のベースインキは、グラビア印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独でまたは混合されて各印刷ユニットに供給される。
【0049】
次いで、本発明のインキを用いた本発明のポリエステルフィルム貼り合わせ金属板について説明する。
本発明のポリエステルフィルム貼り合わせ金属板において、金属板と貼り合わせるポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムであればよいが、エステル反復単位の75〜100%がエチレンテレフタレート単位からなるものが好適である。エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位としては、フタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸等のエステル単位を挙げることができる。ポリエステルフィルムは、本発明のインキ、更には接着剤との付着性を向上させるために、その表面はコロナ放電処理等の表面処理を施したものが好ましい。
【0050】
本発明のポリエステルフィルム貼り合わせ金属板に使用される金属板としては、熱延鋼板、冷延鋼板;溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、鉄−亜鉛合金メッキ鋼板、亜鉛−アルミニウム合金メッキ鋼板、ニッケル−亜鉛合金メッキ鋼板、ニッケル−錫合金メッキ鋼板、ブリキ、クロムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ターンメッキ鋼板、ニッケルメッキ鋼板などの各種メッキ鋼板;ステンレススチール、ティンフリースチール、アルミニウム板、銅板、チタン板などの金属素材、及び必要に応じて、これらの金属素材に化成処理、例えば、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化膜処理などを行ったものを用いることができる。
【0051】
本発明のポリエステルフィルム貼り合わせ金属板は、例えば、下記方法によって製造することができる。まず、厚さ5〜30μm程度のポリエステルフィルムのコロナ放電処理面に、前記本発明のインキをグラビア印刷方式にて乾燥膜厚0.3〜3μm程度となるように塗布し、必要に応じてタックフリーの状態になるまで40〜80℃の温度で乾燥させる。ついで、上記のようにして得られたインキ層を形成したポリエステルフィルムの印刷表面に、スプレーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティングなどそれ自体既知の塗装手段にてにより接着剤を塗布し、150〜200℃の温度で乾燥させる。上記のようにして得られたグラビアインキ層、接着剤層を有するポリエステルフィルムを、金属板と貼り合わせ、約150℃〜250℃の温度で短時間(通常、2秒以下程度)で加熱ラミネートすることによって製造することができる。
【0052】
本発明のポリエステルフィルム貼り合わせ金属板は、飲料缶、食缶、雑缶、5ガロン缶などの缶用途やキャップなどの金属蓋用途に適する。さらに、魔法ビン、冷蔵庫外面などの家庭用機器の外面などにも適用できる。
【0053】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも重量基準によるものとする。
なお、水酸基は、樹脂1g中に含有する水酸基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070に従って行った値である。アミン価は、樹脂1g中に含有するアミノ基を中和するのに必要とする塩酸に当量の水酸化カリウムのmg数である。アミン価の測定方法については、後述のとおり行なった。分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)装置を用いて分子量分布を測定し、ポリスチレン換算分子量として求めた。粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
【0054】
(合成例1)
アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタジオールから得られる数平均分子量(以下Mnという)4,000のポリエステルジオール(PMPA4000)147.1部、Mn2000のポリプロピレングリコール(PPG2000)97.0部、イソホロンジイソシアネート39.7部および酢酸エチル90部を窒素気流下に90℃で6時間反応させ、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液373.8部を得た。次いでイソホロンジアミン15.8部、2―ヒドロキシエチルエチレンジアミン0.3部、ジ−n−ブチルアミン0.1部、酢酸エチル330部およびイソプロピルアルコール280部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液473部を室温で徐々に添加し、次に50℃で1時間反応させ、固形分30%、アミン価 1.0 mgKOH/樹脂1g、水酸基価 0.2mgKOH/樹脂1g、25℃における粘度8Pのポリウレタン樹脂溶液Aを得た。
【0055】
(合成例2〜)表1に示す原料を用い、合成例1と同様について、ポリウレタン樹脂B〜Iを得た。
【0056】
【表1】
Figure 0004193405
【0057】
[実施例1]
藍インキは、銅フタロシアニン藍12部、ポリウレタン樹脂溶液A 40部、メチルエチルケトン42部、イソプロピルアルコール6部の混合物を、白インキは酸化チタン白30部、ポリウレタン樹脂溶液A50部、メチルエチルケトン14部、イソプロピルアルコール6部の混合物を、それぞれボールミルで20時間混練藍、白の缶用グラビアインキ(ベースインキ)を得た。
【0058】
該ベースインキそれぞれ100部に対し、にN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン3.0部、ブロック化ポリイソシアネートB870N 0.1部を加え、さらに印刷時の粘度に調整するため、メチルエチルケトン40%、イソプロピルアルコール30%、酢酸プロピル20%、酢酸エチル10%からなる混合溶剤を用いて、25℃においてザーンカップNo.3で測定した粘度が18秒となるように希釈し、藍、白の缶用グラビアインキ(希釈インキ)を得た。
【0059】
該希釈された藍、白の缶用グラビアインキを使用し再溶解試験を行い、結果を表2に示した。なお、試験方法は、後述のとおり行なった。
次に、前記希釈された缶用グラビア藍インキを使用して、版深35μm〜3μmのグラビアグラデーション版(35μm〜10μmは10μm刻み、10μm〜3μmは1μm刻みで彫刻)を備えたグラビア印刷機により、厚さ12μmのコロナ放電処理ポリエチレンテレクタレートフィルム「E5100」(東洋紡績(株)製、商品名)のコロナ放電処理面に印刷し乾燥器温度40℃〜50℃で乾燥し、この印刷面に、連続して前記希釈された缶用グラビア白インキを使用して、版深35μmのグラビアベタ版を備えたグラビア印刷機により印刷を行い、藍白を重ねた印刷フィルムを得た。
【0060】
得られた印刷フィルムの、藍色部の調子部再現性について評価を行い、結果を表2に示した。なお、評価方法は、後述のとおり行なった。
また、得られた印刷フィルムの35μm藍白重ね印刷部において、テープ接着試験と耐ブロッキング試験を行い、結果を表2に示した。試験方法は、後述の通りに行なった。
次に、前記印刷フィルムの35μm藍白重ね印刷部に、熱硬化性エポキシ樹脂系接着剤を、乾燥塗膜重量が10g/m2となるように塗布し、予備乾燥させた。
次いで、缶用金属板としてティンフリースチール板を用い、接着剤層が設けられた前記印刷フィルムと缶用金属板とを接着層が缶用金属板と接するように重ね合わせ、ラミネーターを用いてロール圧4kg/cm2、ロール温度200℃にて加熱ラミネートし、更に200℃で2分間または、230℃で2分間加熱処理を施しポリエステルフィルム貼り合わせ金属板を得た。
次に、前記ポリエステルフィルム貼り合わせ金属板を使用して、耐熱水性試験及びネック加工性試験を行い、結果を表2に示した。なお、評価方法は、後述のとおり行なった。
【0061】
[実施例2〜及び比較例1〜4]表1に示す組成配合により合成したポリウレタン樹脂を用いて実施例1と同様にインキ(ベースインキ)を作成した。更に表2に示すシランカップリング剤、及びブロック化ポリイソシアネート化合物を添加し、実施例1と同様の混合溶剤で希釈し、藍、白の缶用グラビアインキ(希釈インキ)を得た。該希釈インキを用いて実施例1と同様に印刷、ラミネートを行いポリエステルフィルム貼り合わせ金属板を得た。それぞれについて同様の評価を行なった。結果を表2に示した。
【0062】
アミン価の測定方法は、下記の通りである。
[アミン価の測定方法]
試料を0.5〜2g精秤する。(試料量:Sg)精秤した試料に中性エタノール(BCG中性)30mLを加え溶解させる。得られた溶液を0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f)で滴定を行なう。溶液の色が緑から黄に変化した点を終点とし、この時の滴定量(AmL)を用い次の式(1)によりアミン価を求めた。
【0063】
【式1】
Figure 0004193405
【0064】
各性能評価の条件は下記の通りである。
[再溶解性試験]
作成した缶用グラビアインキをポリエステルフィルムに、インキを塗布し乾燥させた後、メチルエチルケトン40%、イソプロピルアルコール30%、酢酸プロピル20%、酢酸エチル10%からなる混合溶剤にて塗工面を溶解し、インキの溶解する状態を速やかに溶解するものを良好として目視にて5段階評価をした。混合溶剤を流した回数が5回未満で100%溶解する(○)、5回以上10回未満で100%溶解する(○△)、10回以上15回未満で100%溶解する(△)、15回流し80%以上溶解する(△×)、15回流し20%以上不溶部分が残る場合を(×)とし、合格レベルは○、○△である。
[調子部の再現性評価]
得られた印刷物において、藍インキの10μm〜3μm部分の網点再現性を、拡大鏡または目視にて評価した。各版深における網点が95%以上再現された状態で、網点再現性を有するとした。網点再現性3μm〜4μmを有するものが合格レベルである。
【0065】
[テープ接着試験]
得られた印刷物の35μm部分にセロハンテープ(ニチバン製、幅12mm)を貼り付け親指で5回強く擦った後、セロハンテープを徐々に引き離し途中から、急激に引き離してインキ皮膜の剥離の程度を調べた。インキがセロハンテープに転移する状態を次の5段階評価をした。セロハンテープにインキが100%転移しない(○)、急激に引き離したセロハンテープ部分にインキが20%程度転移するが、ゆっくり引き剥がした部分は100%転移しない(○△)、急激に引き剥がしたセロハンテープ部分に100%インキが転移するが、ゆっくり引き剥がした部分は100%転移しない(△)、急激に引き剥がしたセロハンテープ部分に100%インキが転移し、ゆっくり引き剥がした部分にも20%程度インキの程度がある(△×)、セロハンテープを張った部分が100%転移する(×)とし、実用レベルは○、○△であり、望ましい合格レベルは○である。
【0066】
[耐ブロッキング試験]
得られた印刷物の35μm部分に印刷面と非印刷面が接触するようにフィルムを重ね合わせ、10kgf/cm2の加重をかけ、40℃、80%RHの環境下に12時間経時させ、取り出し後、非印刷面へのインキの転移の状態を、5段階評価した。非印刷面へのインキの転移量0%(○)、転移量10%未満(○△)、転移量10%以上20未満%(△)、転移量20%以上30%未満(△×)、転移量30%以上(×)とし、合格レベルは、○、○△である。
【0067】
[耐熱水性試験]
作成したポリエステルフィルム貼り合わせ金属板を125℃、30分のレトルト処理を行い、外観(フィルムの剥離、ブリスターの発生、フィルムの皺等)を目視にて、5段階評価をした。フィルムの剥離、ブリスター及び皺の発生が見られないものを(○)、100cm2に1本程度の皺が見られるものを(○△)、明らかに皺が発生するもの(△)、皺の他にブリスターが発生するもの(△×)、フィルムが剥離するもの(×)とし、合格レベルは、○である。
【0068】
[ネック加工性試験]
作成したポリエステルフィルム貼り合わせ金属板を、代用試験として、深絞りエリクセン機を使用して直径25mm、高さ10mm、及び12mmに絞り、125℃、30分のレトルト処理を行い、[耐熱水性試験]と同様5段階評価をした。「高さ10mm絞り」が概ね3段ネック加工に、「高さ12mm絞り」が概ね4段ネック加工に相当する。
【0069】
【表2】
Figure 0004193405
【0070】
【発明の効果】
本発明において、一液型で、印刷適性が良好で、かつ加工性、耐レトルト性などの性能の良好なポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキが得られた。

Claims (3)

  1. ポリウレタン樹脂全体に対して、数平均分子量1000〜4000のポリプロピレングリコール (PPG) を15重量%以上60重量%未満含み、アミン価が、1〜10mgKOH/樹脂1g、水酸基価が、0.05〜5.0mgKOH/樹脂1gであるポリウレタン樹脂(A)を4〜25重量%、ブロック化ポリイソシアネート化合物(B)を0.1〜0.9重量%、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランまたはN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランであるシランカップリング剤(C)を0.5〜5重量%含むポリエステルフィルム貼り付け金属板用グラビアインキ。
  2. ポリエステルフィルムに請求項1に記載のグラビアインキを塗布し、接着剤を介し金属板と貼り合わせ熱圧着してなるポリエステルフィルム貼り合わせ金属板。
  3. 請求項2記載の金属板を加工してなる飲料缶または食缶。
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