JP4192584B2 - 未漂白クラフトパルプの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
広葉樹または針葉樹の木材チップからの未漂白クラフトパルプの製造方法であって、蒸解に先立ち、木材チップに蒸解液を予備浸透させ、蒸解性を改善し、パルプ収率を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パルプの蒸解工程は、蒸解釜の中で木材チップに蒸解液を加え加熱し、脱リグニン反応を行わせ、繊維成分を分離する工程である。クラフト法による蒸解には、バッチ式と連続式があるが、近年はクラフトパルプ工場の大型化に伴い、また、省力、省エネルギーの点でも有利な連続蒸解釜が主流となっている。クラフトパルプの連続蒸解釜の主な型式は、カミヤ型、エスコ型、M&D型などがあるが、中でも主なものはカミヤ型であり、国内の殆どのクラフトパルプ連続蒸解釜はカミヤ型である。
【0003】
カミヤ式連続蒸解釜には、開発の歴史に従って、1ベッセル液相釜、1ベッセル気相/液相型、2ベッセル気相/液相型、2ベッセル液相型の主な4つの型式がある。これらの型式の蒸解システムでは、それぞれ、木材チップへの蒸解液の浸透を良くし、蒸解性を改善するための工夫がなされている。
【0004】
木材チップへの蒸解液の浸透を良くするための装置として、まずスチーミングベッセルが挙げられる。木材チップはチップサイロよりチップビンに入り、チップ計量用コンベアスケールで計量され、低圧フィーダーによってスチーミングベッセルに連続的に送り込まれる。スチーミングベッセルはスクリューコンベア型の容器であり、ベッセル内へ蒸気が吹き込まれ、チップはスクリューでゆっくり移動し、この間に蒸気により加熱されチップ中の空気が追い出される。この脱気によりチップへの薬液の浸透が良くなると共に釜内でのチップの降下不良を防止する。この蒸気には生蒸気と抽出黒液のフラッシュ蒸気が使われ、加熱温度は120℃程度である。尚、近年、スチーミングを強化するために、チップビンでプレスチーミングする装置も開発されている(非特許文献1参照。)。
【0005】
連続蒸解釜の内部にも勿論、蒸解液の木材チップへの浸透装置あるいは部位(ゾーン)が設けられている。スチーミングベッセルで予熱されたチップはチップシュート循環ポンプで循環液と共にチップシュ−トを経て高圧フィーダーに入る。続いて頂部循環ポンプにより釜頂部に流送される。1ベッセル液相型の場合、釜内は蒸解液で満たされており、チップは釜頂部より徐々に下降し、浸透ゾーン、蒸解ゾーン、洗浄ゾーンを経て、パルプの蒸解が行われる。1ベッセル気相/液相型の場合、釜頂部に気相部がある点が1ベッセル液相型と異なるが、以降の浸透ゾーン、蒸解ゾーン、洗浄ゾーンは同じである。2ベッセル型の場合、気相/液層型も液層型も、蒸解液の浸透時間が短という1ベッセル型の欠点を改善するために、蒸解釜の前に、高圧予備浸透ベッセルを備えたものである。この高圧予備浸透ベッセルは、1ベッセル液相釜と同様な構造である。浸透の通常の条件は、9kg/cm3の圧力下、蒸解温度よりも低い120〜130℃の温度で、滞留時間30〜40分間の処理である。この予備浸透を終えたチップは、蒸解釜へ送られ、前記のように浸透ゾーン、蒸解ゾーン、洗浄ゾーンを経て、蒸解が行われる(非特許文献1参照。)。
【0006】
しかし、限られた森林資源の中で木材を有効に活用するために、近年は、蒸解薬液の浸透が不良である、いわゆる難蒸解性の木材チップの使用量が増え、難蒸解性チップ材単独あるいは難蒸解性材を高配合したチップ材からパルプを製造することが多くなって来ている。したがって、前述した蒸解液浸透装置や部位などのみでは、蒸解性不良となり、蒸解後の未漂白パルプのカッパー価が高くなり、後続の漂白工程における漂白薬品の消費量が増大したり、あるいは漂白パルプの白色度が低下するなどの問題が起きている。また、この問題の対策として、蒸解時に添加する活性アルカリ量を増やすと、未漂白パルプのカッパーの増大を防止できるが、セルロースの分解反応も促進されるため、未漂白パルプの粘度や収率が低下するという問題がある。この問題は、易蒸解性材と難蒸解性材とを混合蒸解する場合に特に深刻となる。
【0007】
クラフト蒸解におけるチップ材への蒸解液の浸透改善を目的とした、他の従来の技術としては、例えば、浸透段階専用釜を備えた連続式蒸解釜による蒸解において、木材チップを回転胴部を有する浸透段階専用釜内に入れ、連続的に通過させ、この間、有効アルカリ添加率を10.0%以上14.0%以下とし、液比を0.71L/kg以上3.0L/kg以下として蒸解液を浸透させた後、連続蒸解釜で蒸解する技術が示されている(特許文献1参照。)。また、クラフトパルプの強度特性の改良に関して、従来の浸透法の代わりに低温浸漬浸透法を用いることが開示されている(特許文献2参照。)。この低温浸漬浸透法は、スチーム処理後の木材チップを浸漬槽を用いて、温度約80〜110℃、時間0.5〜72時間、圧力約0〜15バールでアルカリ液に浸漬し、木材を少なくとも約8%溶解し、またリグニンをすくなくとも約15%溶解するものであり、次いで木材チップを蒸解温度145〜180℃へ上げて蒸解する。
【0008】
【非特許文献1】
「紙パルプ製造技術シリーズ▲1▼クラフトパルプ」紙パルプ技術協会編集、1996年4月25日、p.54〜68
【特許文献1】
特開平7-324291号公報
【特許文献2】
特開平9-3787号公報
【0009】
以上記載した木材チップへの蒸解液の浸透改善を目的とした従来の技術では、蒸解液の木材チップへの浸透は、チップ内部への蒸解液の拡散メカニズムによるため、チップ内部まで完全に蒸解液を浸透するには長時間を必要とする。従って、浸透装置や浸透部位では、チップと蒸解液とを十分な時間滞留させることが必要である。このため、浸透装置や浸透部位の容積が大きなものとなり、その投資コストは多額となってしまう。以上のように、木材チップへ蒸解液を効率良く十分に浸透させることができる技術の開発が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明が解決しようとする第1課題は、クラフトパルプの連続蒸解において木材チップへの蒸解液の予備浸透を十分に、且つ、効率良く行える技術の提供にあり、第2の課題は、本願発明の予備浸透により、蒸解性を改善し、パルプ収率を向上させることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
1ベッセル型連続蒸解釜あるいは2ベッセル型連続蒸解釜による木材チップのクラフト蒸解に先立ち、木材チップを圧縮比が圧縮前容積:圧縮後容積2:1〜4:1となるように圧縮し、圧縮した状態または圧解放後に、木材チップを膨潤させながら、蒸解液を含浸させることにより、木材チップ内部まで十分に蒸解液を含浸でき、これにより後続の連続蒸解釜の蒸解条件を緩和でき、低カッパー価の未漂白パルプを高収率で製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本願発明に適用できる木材チップは、広葉樹または針葉樹の木材チップである。蒸解性が通常レベル〜易レベルの木材チップを処理しても本願発明の効果は得られるが、特に難蒸解性の木材チップの単独品または該難蒸解性木材チップを高配合した混合材チップに本願発明の技術を適用すると、その効果が大きい。
【0013】
木材チップは、チップヤードあるいはチップサイロからコンベアで運ばれ、チップ篩別機に入り、微小サイズのチップやチップダストが除去され、更には粗大なチップが除かれ、チップサイズが整えられる。次いで、チップはチップビンに入る。一旦チップビンに貯えられたチップは、チップメーターで計量され低圧フィーダーによってスチーミングベッセルに送り込まれる。スチーミングベッセルでは容器内のスクリューコンベアでチップが移動する間に、蒸気を吹き込み、蒸気による加熱でチップ中の空気を追い出す。この脱気によりチップへの蒸解液の浸透が更に良くなる。本発明の蒸解液を含浸させる工程は、このスチーミングベッセルの前または後に設置できるが、スチーミングベッセル後のほうが蒸気加熱によりチップが柔軟化されるので本願発明のチップの圧縮も容易となる利点もある。使用する蒸気は生蒸気でも良いし、抽出黒液のフラッシュ蒸気でも良い。このスチーミングベッセルによる処理の条件は通常の公知の条件で行われる。スチーミングベッセルによる蒸気加熱を組み込むことが好ましいが、このスチーミングベッセルを省略することも可能である。
【0014】
本発明のチップへの蒸解液の含浸方法について説明する。チップは圧縮機またはスクリューフィーダーにかけられる。この圧縮機またはスクリューフィーダーはチップを圧縮できる装置であれば特に制限はないが、アンドリッツ社(Andritz社)のインプレッサファイナー(impressafiner)やバルメット社(Valmet社)のプレックススクリュー(Prex screw)が好適に用いられる。圧縮機では、チップの圧縮によってチップ中の気泡を追い出した後、圧解放時のチップの復元力を利用し、蒸解液をチップ内部まで浸透させる。蒸解液はチップの圧縮前または圧縮時に添加する。また、スクリューフィーダーを用いる場合、スクリューのピッチ間隔が出口に向かって徐々に狭くなるタイプが好ましい。スクリューフィーダーに蒸解液を充たし、これにチップを搬入し、これを押し出すことにより、チップは蒸解液に浸った状態でスクリューピッチ幅が狭い部分で押しつぶされ、出口から排出され、圧力が解放される。この時のチップの復元力で蒸解液がチップ内部まで浸透する。
【0015】
木材チップの圧縮比は、圧縮前容積:圧縮後容積=2:1〜4:1である。圧縮比が2:1に満たない場合、チップ内部への蒸解液の含浸が不十分となる。また、4:1を超える圧縮比を得るには大きな圧縮動力を必要とするので困難であると同時に、木材組織が著しく破壊され微細分化されるため、アルカリ可溶性物質の除去率は著しく向上するが、蒸解釜への移動が困難となるだけではなく、パルプ収率およびパルプ強度の低下を引き起こす。
【0016】
チップに含浸させる蒸解液は、クラフト蒸解法で使用される白液であれば良く、特に限定はない。白液の主成分は水酸化ナトリウムと硫化ナトリウムであり、その他の成分として、ポリサルファイド蒸解で使用する多硫化ナトリウムや、キノン系物質を含有していても良い。ポリファルファイド蒸解に本発明を適用すると、蒸解性改善やパルプ収率向上などの効果が特に大きい。
【0017】
使用するポリファルファイドの製造方法には、特に限定はなく、本願発明で使用できる。ポリファルファイドの製造方法には、まず、撥水処理した粒状活性炭を触媒にして蒸解液を空気酸化するMOXY法あるいはこれに類似した方法(例えば、特公昭50−40395号公報、特開昭61−257238号公報、特開昭61−259754号公報など)を挙げることができる。この方法では、ポリファルファイドは、蒸解液中の硫化ナトリウムから生成する。また、硫化物イオンを含むアルカリ性蒸解液を電気分解にかけ、チオ硫酸の副生を極めて少なくして高濃度のポリサルファイドを製造する方法(例えば、PCT国際公開WO095/00701号,WO97/0071号、特開平11−343106号公報、特開2000−247611号公報、特願2000−247612号公報など)がある。また、硫化ナトリウムを含有する蒸解液の分子状硫黄を溶解する方法もある。
【0018】
キノン系物質は、キノン化合物、ヒドロヒノン化合物、またはこれらの前駆体である。キノン化合物としては、例えば、アントラキノン、ジヒドロアントラキノン(例えば、1,4-ジヒドロアントラキノン)、テトラヒドロアントラキノン(例えば、1,4,4a,9a-テトラヒドロアントラキノン、1,2,3,4-テトラヒドロアントラキノン)、メチルアントラキノン(例えば、1-メチルアントラキノン、2-メチルアントラキノン)、メチルジヒドロアントラキノン(2-メチル-1,4-ジヒドロアントラキノン)、メチルテトラヒドロアントラキノン(例えば、1-メチルー1,4,4a,9a-テトラヒドロアントラキノン、2-メチル-1,4,4a,9a-テトラヒドロアントラキノン)などを挙げることができる。ヒドロキノン化合物としては、アントラヒドロキノン(一般に、9,10-ジヒドロキシアントラセン)、メチルアントラヒドロキノン(例えば、2-メチルアントラヒドロキノン)、ジヒドロアントラヒドロアントラキノン(例えば、1,4-ジヒドロー9,10-ジヒドロキシアントラセン)またはそのアルカリ金属塩など(例えば、アントラヒドロキノンのジナトリウム塩、1,4-ジヒドロー9,10-ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩)などを挙げることができる。また、前駆体としては、アントロン、アントラノール、メチルアントロン、メチルアントラノールなどが挙げられる。
【0019】
本願発明の蒸解液の含浸を終えたチップは、引き続き、高圧フィーダーにより連続蒸解釜へ送られる。連続蒸解釜では、1ベッセル液相型、1ベッセル気相/液相型、2ベッセル気相/液相型、2ベッセル液相型のいずれか一つの連続蒸解釜で公知の条件で浸透、蒸解、洗浄などの処理を施し、未漂白クラフトパルプを製造する。2ベッセル型連続蒸解釜の高圧予備浸透ベッセルでは、通常の浸透条件として、例えば、9〜11kg/cm3の圧力下、蒸解温度よりも低い110〜130℃の温度で、滞留時間30〜50分間の処理を挙げることができる。1ベッセル型連続蒸解釜または1ベッセル型連続蒸解釜の木釜では、通常の蒸解条件として、例えば、広葉樹材では、温度135〜180℃、時間4〜6時間、Hファクター300〜1,000の蒸解処理を挙げることができる。
【0020】
また、クラフト蒸解法の変法として、MCC、EMCC、Lo-solids、ITCなどの修正法による蒸解も公知の条件で適用できる。
【0021】
クラフト蒸解を終了した未晒しクラフトパルプのカッパー価は、広葉樹では14〜22にすることが好ましく、15〜18が更に好ましい。また、針葉樹では22〜32にすることが好ましく、24〜28が更に好ましい。
【0022】
【実施例】
次に実施例に基づき、本願発明を更に詳細に説明するが、本願発明はこれらに限定されるものではない。浸透用装置、チップの調整方法、蒸解液組成を以下に示す。
▲1▼チップへの浸透用装置:プレス圧力を調節できるプレス機を用いた。
▲2▼チップの調整方法:オーストラリア産のユーカリ材チップを30mm角、20mm角の篩を用いて篩い分け、この内の30mm角パス〜20mm角オンのチップを使用した。
▲3▼蒸解方法:バッチ式回転型蒸解釜を用いた。
▲4▼パルプ収率、粕率の測定:パルプ収率は6カットのフラットスクリーンを通過したものをパルプ重量(A)と、通過しなかったパルプ重量(B)から次式で計算した。
パルプ収率=100×A/(A+B)
粕率 =100×B/(A+B)
【0023】
【実施例1】
絶乾重量300gのチップをステンレス製バットに敷き、アルカリ濃度100g/l、硫化度30%の組成の蒸解液を1,000ml(液比=3.31l/kg)加え、これをプレス機にセットし、プレス圧10kgf/cm2で5秒間プレスした。圧縮比=2:1。この後、プレス圧解放後、30秒間静置した。このプレス−プレス解放−静置を3回繰り返した。この処理でチップに浸透した蒸解液の容積を測定し、測定値から活性アルカリ添加率を計算した(活性アルカリ添加率A%)。このチップを蒸解釜に入れ、絶乾燥チップあたりの活性アルカリ添加率5、8、10%となるように更に蒸解液を添加した(活性アルカリ添加率B%)。これに水を加えて液比=2.51とし、160℃、90分間蒸解した。Hファクターは700。蒸解後、カッパー価、パルプ収率、粕率を測定した。結果を表1に示す。活性アルカリ添加率とカッパー価に関係を図1−1に、カッパー価とパルプ収率の関係を図1−2に、カッパー価と粕率の関係を図1−3に示す。
【0024】
【比較例1】
チップへの蒸解液の浸透処理を行わず、蒸解時の活性アルカリ添加率を15、17、20%とした以外は、実施例1と同様に処理し、得られたパルプのカッパー価、パルプ収率、粕率を測定した。結果を表1、図1−1〜図1−3に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
図1−1の結果から、実施例1で得られる未漂白クラフトパルプのカッパー価を、同一活性アルカリ添加率(A+B)で比較例1と比較すると、カッパーが大きく低下していることから、本発明の浸透処理により脱リグニンが促進されていることがわかる。図1−2の結果から、同一カッパー価でのパルプ収率を比較すると、実施例1のほうが比較例1よりも収率が高い。図1−3の結果から、同一カッパー価で粕率を比較すると、実施例1と比較例1で差はない。
【0027】
【実施例2】
蒸解液を活性アルカリ濃度100g/l、硫化度30%、ポリサルファイドサルファー濃度5g/lのポリサルファイド蒸解液とした以外は実施例1と同様な処理を行った。得られたパルプのカッパー価、パルプ収率、粕率を測定した。結果を表2、活性アルカリ添加率とカッパー価に関係を図2−1に、カッパー価とパルプ収率の関係を図2−2に、カッパー価と粕率の関係を図2−3に示す。
【0028】
【比較例2】
蒸解液を活性アルカリ濃度100g/l、硫化度30%、ポリサルファイドサルファー濃度5g/lのポリサルファイド蒸解液とした以外は比較例1と同様な処理を行った。得られたパルプのカッパー価、パルプ収率、粕率を測定した。結果を表2、図2−1〜図2−3に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
図2−1の結果から、実施例1で得られる未漂白クラフトパルプのカッパー価を、同一活性アルカリ添加率(A+B)で比較例1と比較すると、カッパーが大きく低下していることから、本発明の浸透処理により脱リグニンが促進されていることがわかる。図2−2の結果から、同一カッパー価でのパルプ収率を比較すると、実施例1のほうが比較例1よりも収率が高い。図2−3の結果から、同一カッパー価で粕率を比較すると、実施例1と比較例1で差はない。以上のように、ポリサルファイド蒸解法でもクラフトパルプ蒸解法と全く同様な効果が得られる。
【0031】
【図1】
【0032】
【図2】
【0033】
【発明の効果】
1ベッセル型連続蒸解釜あるいは2ベッセル型連続蒸解釜による木材チップのクラフト蒸解に先立ち、木材チップを圧縮比が圧縮前容積:圧縮後容積2:1〜4:1となるように圧縮し、圧縮した状態または圧解放後に、木材チップを膨潤させながら、蒸解液を含浸させることにより、木材チップ内部まで十分に蒸解液を含浸でき、これにより後続の連続蒸解釜の蒸解条件を緩和でき、蒸解性を改善できると同時に、低カッパー価の未漂白パルプを高収率で製造することができる。
Claims (2)
- 広葉樹または針葉樹の木材チップをクラフト蒸解し、未漂白クラフトパルプを製造する方法であって、木材チップを圧縮比が圧縮前容積:圧縮後容積2:1〜4:1となるように圧縮し、圧縮した状態または圧解放後に蒸解液を含浸させ、次いで1ベッセル型連続蒸解釜または2ベッセル型連続蒸解釜で処理することを特徴とする、未漂白クラフトパルプの製造方法。
- 未漂白クラフトパルプのカッパー価が、広葉樹で14〜22であり、針葉樹で22〜32であることを特徴とする請求項1記載の未漂白クラフトパルプの製造方法。
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