JP4191878B2 - Spline shaft fitting structure for constant velocity joint - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の駆動力伝達機構に用いられる等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両において、エンジンからの駆動力を車軸に伝達するために駆動軸を介して一組の等速ジョイントが用いられている。例えば、車軸側には、バーフィールドタイプの等速ジョイントが連結され、一方、差動装置側には、トリポートタイプの等速ジョイントが連結される。
【0003】
ところで、近年、騒音、振動等の駆動力伝達系のガタを抑えること、例えば、内輪と駆動軸のガタに起因して発生する等速ジョイントの円周方向のガタを抑制することが要求されている。
【0004】
従来では、この内輪と駆動軸のガタを抑制するために、等速ジョイントの軸セレーションにねじれ角を設けたものがあるが、前記ねじれ角の方向とトルク負荷方向によって、内輪および駆動軸の強度、寿命にバラツキが生じるおそれがある。
【0005】
そこで、駆動軸の軸セレーションに左右の各駆動軸でそれぞれ逆方向、且つトルクの伝達方向に見て主負荷トルクの方向と同じ方向のねじれを付与し、その軸セレーションを内輪内径面のセレーションに圧入する技術的思想が開示されている(実公平6−33220号公報)。
【0006】
また、従来から、歯車等においてその歯面部にクラウニングを設ける技術的思想が開示されている(例えば、特開平2−62461号公報、特開平3−69844号公報、特開平3−32436号公報等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記実公平6−33220号公報に開示された技術的思想では、内輪内径面に形成されたセレーションの両端部に応力が集中し、しかも、左右の各駆動軸でねじれ角をそれぞれ逆方向に形成するために右側駆動軸と左側駆動軸とをそれぞれ使い分ける必要があり、駆動軸の種類が増大してその管理が煩雑となる不都合がある。
【0008】
特に、前記実公平6−33220号公報に開示された技術的思想を適用して等速ジョイントの製造を自動化した場合、製造装置の構成が複雑となるという問題がある。
【0009】
また、駆動軸の軸セレーションに対して、従来、歯車に形成されていたクラウニングを設けて嵌合した場合、前記嵌合部に付与される応力が軸セレーションの軸線方向に沿ったそれぞれの部位において異なるために、所定の部分に応力が集中するという不具合がある。
【0010】
本発明は、前記の不具合を考慮してなされたものであり、所定部分に応力が集中することを抑制するとともに、装置の全体構成を簡素化し、しかも駆動軸の管理を容易に遂行することが可能な等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、一方から他方に対して駆動源の回転駆動力を伝達するスプラインシャフトに対して等速ジョイントをスプライン嵌合させる嵌合構造において、
前記スプラインシャフトの端部にはクラウニングを有する複数のスプライン歯が形成され、前記クラウニングは、前記スプライン歯の略中央部に歯厚が略一定に形成された直線状歯部と、前記直線状歯部からそれぞれスプライン歯の端部側に向かって歯厚が徐々に減少するように形成された曲線状歯部とを有し、前記スプラインシャフトの端部側に形成されたクラウニングの歯厚を該スプラインシャフトの中心側に形成されたクラウニングの歯厚よりも小さく設定することにより、スプライン歯の中心からみて左右非対称のスプライン形状に形成されることを特徴とする。
【0012】
この場合、前記直線状歯部を略同一歯長からなる複数個に分割してもよいし、あるいは、前記直線状歯部に代替して、所定の曲率半径からなる複数の分割された曲線状歯部を所定間隔離間して形成するとよい。なお、前記直線状歯部の歯長または前記複数個に分割された直線状歯部の合計歯長は、それぞれ、スプライン歯の歯長全長の約1/5〜約1/2の範囲内に設定されると好適である。
【0013】
前記直線状歯部の中心を、スプライン歯の全長の中心と略一致するように設け、あるいはスプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって所定距離だけ偏位した位置に設定するとよい。
【0014】
また、本発明においては、複数個に分割された直線状歯部または曲線状歯部のなかでその中央に位置する直線状歯部または曲線状歯部の中心を、スプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって所定距離だけ偏位した位置に設定するとともに、スプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって偏位した位置は、スプラインシャフトと等速ジョイントとの嵌合部位に回転トルクが付与された際に応力が最小となる位置に対応させる。
【0015】
本発明によれば、スプライン歯の略中央部に形成されて歯厚が略一定である直線状歯部の中心、又は前記直線状歯部に代替して形成された複数個の曲線状歯部の中心をスプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって偏位させ、かつ、その偏位した位置を、スプラインシャフトと等速ジョイントとの嵌合部位に回転トルクが付与された際に応力が最小となる位置に対応させているので、スプライン歯の所定の部分に応力が集中することを抑制するとともに、等速ジョイントを圧入する際の圧入荷重を減少させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に係る等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0017】
図1において、参照数字10は、本発明の実施の形態に係る等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造が適用された駆動力伝達機構を示す。
【0018】
この駆動力伝達機構10は、スプラインシャフト12と、前記スプラインシャフト12の一端部に設けられ、図示しない車輪に回転駆動力を伝達するバーフィールドタイプの第1等速ジョイント14と、前記スプラインシャフト12の軸線方向に沿った他端部に設けられ、図示しない差動装置側に連結されるトリポートタイプの第2等速ジョイント16とから構成される。
【0019】
車輪側(アウトボード側)に設けられた第1等速ジョイント14は、図2に示されるように、カップ部18と軸部20とが一体的に形成されたアウタカップ22を有し、前記アウタカップ22の内壁面にはボール24が転動するボール転動溝26が形成される。前記カップ部18の開口部内には該開口部の内壁面に沿って断面円弧状のリテーナ28が設けられ、前記リテーナ28には複数のボール24がそれぞれ挿入される複数の孔部30が形成される。
【0020】
前記リテーナ28の内部にはインナ部材32が収納され、前記インナ部材32の外周には、周方向に沿って所定角度離間する複数のボール転動溝34が形成され、前記インナ部材32の中心部には、スプラインシャフト12の一端部に嵌合する軸孔36が貫通形成されている。
【0021】
なお、スプラインシャフト12の一端部側には、インナ部材32の軸孔36の環状溝に係合して抜け止めの作用を営むリング部材38が装着される。
【0022】
差動装置側(インボード側)に設けられた第2等速ジョイント16は、図5に示されるように、有底円筒部40と軸部42とが一体的に形成されたアウタカップ44を有する。前記アウタカップ44の内空部には、スプラインシャフト12の他端部に嵌合する軸孔46が貫通形成されたリング状のスパイダボス部48が設けられ、前記スパイダボス部48には等角度離間する略円柱状の3本のトラニオン50が半径外方向に向かって膨出形成される。前記トラニオン50には内側ローラ52が外嵌され、さらに前記内側ローラ52には略円筒状に形成されたホルダ54が外嵌される。前記ホルダ54の外周面には、周方向に沿って装着された複数のニードルベアリング56を介して外側ローラ58が外嵌される。
【0023】
なお、第1等速ジョイント14および第2等速ジョイント16のアウタカップ22、44の開口部は、両端部がそれぞれ大径バンド60aと小径バンド60bとによって緊締された蛇腹状のブーツ62によって閉塞される(図1参照)。
【0024】
前記スプラインシャフト12の一端部には、図3に示されるように、インナ部材32の軸孔36に嵌合する第1嵌合部64が形成され、その他端部には、図7に示されるように、トラニオン50を有するスパイダボス部48の軸孔46に嵌合する第2嵌合部66が形成されている。
【0025】
なお、前記インナ部材32の軸孔36およびスパイダボス部48の軸孔46の内周面には、第1嵌合部64および第2嵌合部66にそれぞれ噛合する複数の直線状のスプライン歯68が形成されている。前記軸孔36、46に設けられた各スプライン歯68は、略同一の歯厚からなりスプラインシャフト12の軸線と略平行となるように形成されている(図4および図7参照)。
【0026】
第1嵌合部64は、図3に示されるように、スプラインシャフト12の軸線に沿って所定の歯長からなり、該スプラインシャフト12の外周面の周方向に沿って形成された複数のスプライン歯70を有する。各スプライン歯70は、図4に示されるように、直線状の略平行な一組の稜線によって形成された直線状歯部72と前記直線状歯部72から歯長の両端部側に向かってそれぞれ曲線状の稜線によって形成された左側および右側曲線状歯部74a、74bとから構成されるクラウニングを有する。
【0027】
前記直線状歯部72は、スプライン歯70の略中央部に所定長にわたってその歯厚が略一定に形成され、該直線状歯部72の中心O1は、スプライン歯70の全長の中心Oと一致するように形成されている。一方、前記左側および右側曲線状歯部74a、74bは、その両端部に向かって歯厚がそれぞれ連続的に減少するように形成され、第1嵌合部64では、各スプライン歯70の一端部(左側曲線状歯部74a)の歯厚Aが他端部(右側曲線状歯部74b)の歯厚Bよりも小さく、A<Bとなるように形成されている(図4参照)。換言すると、左側曲線状歯部74aと右側曲線状歯部74bとでは、それぞれ端部側の歯厚が相違する異形のクラウニング形状となるように形成されている。
【0028】
スプラインシャフト12の他端部に形成された第2嵌合部66は、スプラインシャフト12の一端部に形成された第1嵌合部64と左右対称に形成される。すなわち、第2嵌合部66は、図7に示されるように、クラウニングが設けられた複数のスプライン歯70を有し、前記クラウニングは、歯厚が略一定の直線状歯部72と前記直線状歯部72から歯長の両端部に向かって歯厚が連続的に減少するように形成された左側および右側曲線状歯部74b、74aとから構成される。なお、第2嵌合部66では、各スプライン歯70の一端部(右側曲線状歯部74a)の歯厚Aが他端部(左側曲線状歯部74b)の歯厚Bよりも小さく、A<Bとなるように形成されている(図7参照)。
【0029】
第1および第2嵌合部64、66にそれぞれ形成された各スプライン歯70において、直線状の略平行な一組の稜線によって形成された直線状歯部72を複数個に分割して所定間隔離間するように形成してもよい。例えば、図8および図9に示されるように、直線状歯部72を短い歯長からなる第1乃至第3直線状歯部76a〜76cに分割し、その中央に位置する第2直線状歯部76bの中心O2をスプライン歯70の全長の中心Oと一致するように形成するとよい(第2の実施の形態)。なお、スプライン歯70の両端部をそれぞれ左側および右側曲線状歯部75a、75b(75b、75a)とし、前記第1乃至第3直線状歯部76a〜76cの間に中間曲線状歯部77を形成する。
【0030】
このように複数に分割された第1乃至第3直線状歯部76a〜76cとすることにより、該第1乃至第3直線状歯部76a〜76cと軸孔36、46の平行歯であるスプライン歯68とを圧接させる際、スプラインシャフト12の軸強度を維持しつつ、圧入代を分散させて圧入荷重を緩和し、且つ圧入時のカジリの発生を阻止することができる。
【0031】
この場合、直線状歯部72の歯長または第1乃至第3直線状歯部76a〜76cの合計歯長を、スプライン歯70の歯長全体の約1/5〜1/2の範囲で設定すると好適である。
【0032】
さらに、図10および図11に示されるように、前記第1乃至第3直線状歯部76a〜76cに代替して所定の曲率半径からなる第1乃至第3曲線状歯部78a〜78cによって構成してもよい(第3の実施の形態)。なお、スプライン歯70の両端部をそれぞれ左側および右側曲線状歯部79a、79b(79b、79a)とし、前記第1乃至第3曲線状歯部78a〜78cの間に中間曲線状歯部81を形成する。
【0033】
このように複数に分割された第1乃至第3曲線状歯部78a〜78cとすることにより、前記第1乃至第3曲線状歯部78a〜78cと軸孔36、46の平行歯であるスプライン歯68とが点接触した状態で圧入され、圧入荷重を軽減することができる。
【0034】
本発明の実施の形態に係る等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造が適用された駆動力伝達機構10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0035】
先ず、スプラインシャフト12の製造方法について説明する。
【0036】
図12に示されるように、超硬材料によって略直線状に形成された上下一組の転造ラック80a、80bの間に棒状の被加工物82を挿入し、相互に対向する一組の転造ラック80a、80bによって被加工物82を押圧した状態において、図示しないアクチュエータの駆動作用下に前記一組の転造ラック80a、80bを相互に反対方向(矢印方向)に変位させることにより、被加工物82の端部に対してクラウニングを有するスプライン加工がなされる。
【0037】
この場合、転造ラック80a、80bによってスプラインシャフト12の一端部および他端部に対してそれぞれスプライン加工が施される。なお、スプラインシャフト12の一端部(アウトボード側)および他端部(インボード側)に形成されたスプラインのクラウニング形状は、それぞれ対称に形成される(図4と図7、図8と図9、並びに、図10と図11とを比較参照)。
【0038】
続いて、インナ部材32の軸孔36に沿ってスプラインシャフト12を圧入し、前記スプラインシャフト12の一端部に形成されたスプラインを嵌合させることにより、第1等速ジョイント14がスプラインシャフト12の一端部に連結される。一方、スパイダボス部48の軸孔46に沿ってスプラインシャフト12の他端部に形成されたスプラインを嵌合させることにより、第2等速ジョイント16がスプラインシャフト12の他端部に連結される。
【0039】
スプラインを嵌合させる際、インナ部材32の軸孔36またはスパイダボス部48の軸孔46に対してスプライン歯70の歯厚が小さい方から圧入し、クラウニングの直線状歯部72が軸孔36、46の平行歯からなるスプライン歯68に圧接することにより、スプライン嵌合が形成される。従って、嵌合されたスプライン歯70はそれぞれ周方向に相対移動が規制されてガタが生じることがなく、且つ騒音、振動等の動力伝達系に起因するガタの発生を阻止することができる。
【0040】
さらに、略中央部に形成された直線状歯部72から端部側に向かって連続する左側曲線状歯部74aと右側曲線状歯部74bとを異なるクラウニング形状とすることにより、圧入する際、より一層円滑に圧入嵌合することができる。このようにして駆動力伝達機構10が製造される。
【0041】
本実施の形態では、スプラインシャフト12の一端部および他端部に形成されたスプライン歯70のクラウニングの形状をそれぞれ対称となるように配置することにより、左駆動軸および右駆動軸として機能する左右のスプラインシャフト12をそれぞれ同一構成とすることができる。従って、本実施の形態では、左側スプラインシャフトと右側スプラインシャフトとをそれぞれ用意して使い分ける必要がないため、複数の種類のスプラインシャフトの管理を行っていた従来技術に比して、管理コストを低減させることができる。また、左側スプラインシャフトと右側スプラインシャフトとをそれぞれ製造する機構を設ける必要がないため、装置全体の構成を簡素化することができる。
【0042】
この場合、等速ジョイントの種々の機種に対応させて複数の種類の転造ラックを準備する必要がないため、設備投資を抑制して製造コストの削減を図ることができる。
【0043】
次に、第1乃至第3の実施の形態に係るスプライン歯70のクラウニング形状にそれぞれ対応する第1乃至第3変形例を図13乃至図18に示す。
【0044】
図13および図14に示される第1変形例に係るスプライン歯のクラウニング形状84は、図4および図7に示される第1実施の形態に係るスプライン歯70の直線状歯部72の歯長の中心O1を歯厚が小さい端部側(A側)に所定距離だけ偏位させたものである。従って、第1変形例に係るスプライン歯のクラウニング形状84では、直線状歯部72の歯長の中心O1とスプライン歯70の全長の中心Oとが距離Lだけ離間している。
【0045】
図15および図16に示される第2変形例に係るスプライン歯のクラウニング形状86は、図8および図9に示される第2実施の形態に係るスプライン歯70の第2直線状歯部76bの歯長の中心O2を歯厚が小さい端部側に所定距離だけ偏位させたものである。従って、分割された第2直線状歯部76bの歯長の中心O2とスプライン歯70の全長の中心Oとは、距離Mだけ離間している。
【0046】
図17および図18に示される第3変形例に係るスプライン歯のクラウニング形状88は、図10および図11に示される第3実施の形態に係るスプライン歯70の第2曲線状歯部78bの歯長の中心O3を歯厚が小さい端部側に所定距離だけ偏位させたものである。従って、分割された第2曲線状歯部78bの歯長の中心O3とスプライン歯70の全長の中心Oとは、距離Nだけ離間している。
【0047】
このような第1乃至第3変形例に係るスプライン歯のクラウニング形状84、86、88が設けられた等速ジョイント14に対して応力が付与された場合の応力特性曲線Cを図19に示す。
【0048】
図19から諒解されるように、スプライン歯70の一端部から歯長の中心O側に向かって応力が徐々に減少しスプライン歯70の歯長の中心Oの手前の位置Pで応力が最小となり、さらに、前記スプライン歯70の歯長の中心Oの手前の位置Pから徐々に応力が増大している。インナ部材32の軸孔36とスプラインシャフト12の第1嵌合部64との嵌合部位に所定の回転方向のトルクが負荷された場合、発生する応力は前記応力特性曲線Cに示されるようにスプライン歯70の歯長全体で略一定ではなく、しかも、スプライン歯70の歯長の中心Oと最も応力が最小となる位置Pとが一致していない。
【0049】
第1乃至第3変形例に係るスプライン歯のクラウニング形状84、86、88では、前記応力特性曲線Cの応力が最小となる位置Pと直線状歯部72、第2直線状歯部76bまたは第2曲線状歯部78bの中心O1、O2、O3とがそれぞれ略一致するように嵌合させることにより、インナ部材32の軸孔36にスプラインシャフト12の一端部を圧入嵌合した際における前記圧入部の強度を保持して寿命を向上させることができる。この場合、応力が最小となる位置Pと、直線状歯部72、第2直線状歯部76bまたは第2曲線状歯部78bの中心O1、O2、O3とを対応させることにより、スプラインが形成された所定の部分に応力が集中することを抑制することができる。
【0050】
また、前記応力特性曲線Cの応力が最小となる位置Pと直線状歯部72、第2直線状歯部76bまたは第2曲線状歯部78bの中心O1、O2、O3とをそれぞれ略一致するように嵌合させることにより、インナ部材32の軸孔36に対してスプラインシャフト12の一端部を圧入した際の圧入荷重を軽減させて、より一層円滑に圧入することができる。
【0051】
なお、バーフィールドタイプの第1等速ジョイント14が連結されるスプラインシャフト12の一端部と、トリポートタイプの第2等速ジョイント16が連結されるスプラインシャフト12の他端部とにおいて、それぞれスプラインの歯長は僅かに異なるだけであり、実質的に同一のスプライン歯長とみなすことができるため、等速ジョイントの種類に拘わらず、本実施の形態に係る嵌合構造を適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0053】
すなわち、等速ジョイントを圧入する際の圧入荷重を減少させてガタの発生を阻止することができるとともに、スプライン歯の所定の部分に応力が集中することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造が適用された駆動力伝達機構の概略構成図である。
【図2】前記駆動力伝達機構を構成する第1等速ジョイントの縦断面図である。
【図3】前記第1等速ジョイントに連結されるスプラインシャフトの一端部の拡大図である。
【図4】図3に示すスプラインシャフトの一端部に形成されたスプライン歯の拡大図である。
【図5】前記駆動力伝達機構を構成する第2等速ジョイントの縦断面図である。
【図6】前記第2等速ジョイントに連結されるスプラインシャフトの他端部の拡大図である。
【図7】図6に示すスプラインシャフトの他端部に形成されたスプライン歯の拡大図である。
【図8】アウトボード側に設けられた第2の実施の形態に係るスプライン歯の拡大図である。
【図9】インボード側に設けられた第2の実施の形態に係るスプライン歯の拡大図である。
【図10】アウトボード側に設けられた第3の実施の形態に係るスプライン歯の拡大図である。
【図11】インボード側に設けられた第3の実施の形態に係るスプライン歯の拡大図である。
【図12】一組の転造ラックによって被加工物に対してスプラインを形成する状態を示す斜視図である。
【図13】アウトボード側に設けられ、図4のスプライン歯に対応する第1変形例に係るスプライン歯の拡大図である。
【図14】インボード側に設けられ、図7のスプライン歯に対応する第1変形例に係るスプライン歯の拡大図である。
【図15】アウトボード側に設けられ、図8のスプライン歯に対応する第2変形例に係るスプライン歯の拡大図である。
【図16】インボード側に設けられ、図9のスプライン歯に対応する第2変形例に係るスプライン歯の拡大図である。
【図17】アウトボード側に設けられ、図10のスプライン歯に対応する第3変形例に係るスプライン歯の拡大図である。
【図18】インボード側に設けられ、図11のスプライン歯に対応する第3変形例に係るスプライン歯の拡大図である。
【図19】スプライン歯の位置に対応して発生する応力特性曲線を含む説明図である。
【符号の説明】
10…駆動力伝達機構 12…スプラインシャフト
14、16…等速ジョイント 32…インナ部材
36、46…軸孔 48…スパイダボス部
50…トラニオン 64、66…嵌合部
68、70…スプライン歯 72、76a〜76c…直線状歯部
74a、74b、75a、75b、78a〜78c、79a、79b…曲線状歯部
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fitting structure for a constant velocity joint spline shaft used in a driving force transmission mechanism of a vehicle or the like.
[0002]
[Prior art]
In a vehicle such as an automobile, a set of constant velocity joints is used via a drive shaft to transmit driving force from an engine to the axle. For example, a barfield type constant velocity joint is connected to the axle side, while a tripod type constant velocity joint is connected to the differential side.
[0003]
By the way, in recent years, it has been required to suppress the play of the driving force transmission system such as noise and vibration, for example, to suppress the play in the circumferential direction of the constant velocity joint caused by the play of the inner ring and the drive shaft. Yes.
[0004]
Conventionally, in order to suppress the backlash between the inner ring and the drive shaft, some constant velocity joint shaft serrations are provided with a twist angle, but depending on the direction of the twist angle and the torque load direction, the strength of the inner ring and the drive shaft There is a risk of variations in life.
[0005]
Therefore, torsion of the drive shaft is given to the left and right drive shafts in opposite directions and in the same direction as the direction of the main load torque as seen in the torque transmission direction, and the shaft serration is used as the serration of the inner ring inner diameter surface. The technical idea of press-fitting is disclosed (Japanese Utility Model Publication No. 6-33220).
[0006]
Conventionally, a technical idea of providing crowning on a tooth surface portion of a gear or the like has been disclosed (for example, JP-A-2-62461, JP-A-3-69844, JP-A-3-32436, etc.) ).
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the technical idea disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 6-33220, stress concentrates on both ends of the serration formed on the inner surface of the inner ring, and the torsion angles are reversed in the left and right drive shafts, respectively. Therefore, it is necessary to use the right drive shaft and the left drive shaft separately, which increases the number of types of drive shafts and makes the management complicated.
[0008]
In particular, when the manufacture of the constant velocity joint is automated by applying the technical idea disclosed in the Japanese Utility Model Publication No. 6-33220, there is a problem that the configuration of the manufacturing apparatus becomes complicated.
[0009]
Further, when the shaft serration of the drive shaft is conventionally fitted with a crowning formed on a gear, the stress applied to the fitting portion is at each site along the axial direction of the shaft serration. Due to the difference, there is a problem that stress concentrates on a predetermined portion.
[0010]
The present invention has been made in consideration of the above-described problems, and can suppress the concentration of stress on a predetermined portion, simplify the overall configuration of the apparatus, and easily perform drive shaft management. An object of the present invention is to provide a spline shaft fitting structure for a constant velocity joint.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, the present invention provides a fitting structure in which a constant velocity joint is spline-fitted to a spline shaft that transmits a rotational driving force of a driving source from one to the other.
A plurality of spline teeth having a crowning are formed at an end of the spline shaft, and the crowning includes a linear tooth portion having a substantially constant tooth thickness at a substantially central portion of the spline tooth, and the linear tooth. Each having a curved tooth portion formed so that the tooth thickness gradually decreases toward the end side of the spline teeth from the portion, and the tooth thickness of the crowning formed on the end side of the spline shaft is By setting the thickness smaller than the tooth thickness of the crowning formed on the center side of the spline shaft, the spline shaft is formed in an asymmetrical spline shape as viewed from the center of the spline teeth.
[0012]
In this case, the linear tooth portion may be divided into a plurality of substantially identical tooth lengths, or a plurality of divided curved shapes having a predetermined radius of curvature instead of the linear tooth portion. The tooth portions may be formed with a predetermined interval. In addition, the total tooth length of the linear tooth part or the total tooth length of the linear tooth part divided into the plurality is within the range of about 1/5 to about 1/2 of the total length of the spline tooth length. Preferably it is set.
[0013]
The center of the linear tooth portion is provided so as to substantially coincide with the center of the total length of the spline teeth, or is set to a position displaced from the center of the total length of the spline teeth by a predetermined distance toward the end portion side of the spline shaft. Good.
[0014]
In the present invention, the center of the straight teeth or curved teeth located in the center among the straight teeth or curved teeth that are divided into a plurality, the center of the length of the spline teeth and sets a position offset by a predetermined distance toward the end side of the spline shaft from and deviation toward the center of the entire length of the spline teeth on the end side of the spline shaft position, the spline shaft and the constant velocity joint stress when the rotational torque is applied to the fitting portion between the Ru to correspond to the position where the minimum.
[0015]
According to the present invention, the center of a linear tooth portion formed at a substantially central portion of a spline tooth and having a substantially constant tooth thickness, or a plurality of curved tooth portions formed in place of the linear tooth portion. The center of the spline is deviated from the center of the total length of the spline teeth toward the end of the spline shaft, and the rotational position is applied to the fitting part of the spline shaft and the constant velocity joint. Since the stress is made to correspond to the position where the stress is minimized, it is possible to suppress the stress from being concentrated on a predetermined portion of the spline teeth and to reduce the press-fitting load when the constant velocity joint is press-fitted.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A preferred embodiment of a fitting structure for a constant velocity joint spline shaft according to the present invention will be described below in detail with reference to the accompanying drawings.
[0017]
In FIG. 1, reference numeral 10 indicates a driving force transmission mechanism to which a constant velocity joint spline shaft fitting structure according to an embodiment of the present invention is applied.
[0018]
The driving force transmission mechanism 10 includes a spline shaft 12, a first Barfield type constant velocity joint 14 that is provided at one end of the spline shaft 12 and transmits a rotational driving force to a wheel (not shown), and the spline shaft 12. The triport-type second constant velocity joint 16 is provided at the other end along the axial direction of the first and second gears and is connected to the differential device (not shown).
[0019]
As shown in FIG. 2, the first constant velocity joint 14 provided on the wheel side (outboard side) has an outer cup 22 in which a cup portion 18 and a shaft portion 20 are integrally formed, and the outer cup A ball rolling groove 26 on which the ball 24 rolls is formed on the inner wall surface of 22. A retainer 28 having an arcuate cross section is provided in the opening of the cup portion 18 along the inner wall surface of the opening. The retainer 28 has a plurality of holes 30 into which a plurality of balls 24 are inserted. The
[0020]
An inner member 32 is accommodated in the retainer 28, and a plurality of ball rolling grooves 34 that are spaced apart from each other by a predetermined angle along the circumferential direction are formed on the outer periphery of the inner member 32. A shaft hole 36 that fits into one end of the spline shaft 12 is formed therethrough.
[0021]
A ring member 38 that engages with the annular groove of the shaft hole 36 of the inner member 32 and serves to prevent the spline shaft 12 is attached to one end portion side of the spline shaft 12.
[0022]
As shown in FIG. 5, the second constant velocity joint 16 provided on the differential side (inboard side) has an outer cup 44 in which a bottomed cylindrical portion 40 and a shaft portion 42 are integrally formed. . In the inner space of the outer cup 44, there is provided a ring-shaped spider boss portion 48 through which a shaft hole 46 that fits into the other end portion of the spline shaft 12 is formed. The spider boss portion 48 is substantially spaced apart at an equal angle. Three cylindrical trunnions 50 are formed to bulge outward in the radial direction. An inner roller 52 is fitted on the trunnion 50, and a holder 54 formed in a substantially cylindrical shape is fitted on the inner roller 52. An outer roller 58 is fitted on the outer peripheral surface of the holder 54 via a plurality of needle bearings 56 mounted along the circumferential direction.
[0023]
The openings of the outer cups 22 and 44 of the first constant velocity joint 14 and the second constant velocity joint 16 are closed by a bellows-like boot 62 whose both ends are fastened by a large diameter band 60a and a small diameter band 60b, respectively. (See FIG. 1).
[0024]
As shown in FIG. 3, a first fitting portion 64 that fits into the shaft hole 36 of the inner member 32 is formed at one end portion of the spline shaft 12, and the other end portion is shown in FIG. Thus, the 2nd fitting part 66 fitted to the shaft hole 46 of the spider boss | hub part 48 which has the trunnion 50 is formed.
[0025]
A plurality of linear spline teeth 68 that mesh with the first fitting portion 64 and the second fitting portion 66 on the inner peripheral surfaces of the shaft hole 36 of the inner member 32 and the shaft hole 46 of the spider boss portion 48, respectively. Is formed. Each spline tooth 68 provided in the shaft holes 36 and 46 has substantially the same tooth thickness and is formed to be substantially parallel to the axis of the spline shaft 12 (see FIGS. 4 and 7).
[0026]
As shown in FIG. 3, the first fitting portion 64 has a predetermined tooth length along the axis of the spline shaft 12, and a plurality of splines formed along the circumferential direction of the outer peripheral surface of the spline shaft 12. Has teeth 70; As shown in FIG. 4, each spline tooth 70 is formed by a straight tooth portion 72 formed by a pair of straight and substantially parallel ridgelines, and toward both ends of the tooth length from the straight tooth portion 72. Each has a crowning composed of left and right curved teeth 74a and 74b formed by curved ridge lines.
[0027]
The straight tooth portion 72 is formed at a substantially central portion of the spline teeth 70 over a predetermined length with a substantially constant tooth thickness, and the center O 1 of the straight tooth portion 72 is the center O of the total length of the spline teeth 70. It is formed to match. On the other hand, the left and right curved tooth portions 74a and 74b are formed such that the tooth thickness continuously decreases toward the both end portions, and at the first fitting portion 64, one end portion of each spline tooth 70 is formed. The tooth thickness A of the (left curved tooth portion 74a) is smaller than the tooth thickness B of the other end portion (right curved tooth portion 74b) and A <B (see FIG. 4). In other words, the left curved tooth portion 74a and the right curved tooth portion 74b are formed to have irregular crowning shapes with different tooth thicknesses on the end side.
[0028]
The second fitting portion 66 formed at the other end of the spline shaft 12 is formed symmetrically with the first fitting portion 64 formed at one end of the spline shaft 12. That is, as shown in FIG. 7, the second fitting portion 66 has a plurality of spline teeth 70 provided with a crowning, and the crowning includes the linear tooth portion 72 and the straight line with a substantially constant tooth thickness. The left and right curved tooth portions 74b and 74a are formed so that the tooth thickness continuously decreases from the tooth portion 72 toward both ends of the tooth length. In the second fitting portion 66, the tooth thickness A of one end portion (right curved tooth portion 74a) of each spline tooth 70 is smaller than the tooth thickness B of the other end portion (left curved tooth portion 74b). <B is formed (see FIG. 7).
[0029]
In each spline tooth 70 formed in each of the first and second fitting portions 64 and 66, the linear tooth portion 72 formed by a set of straight and substantially parallel ridge lines is divided into a plurality of predetermined intervals. You may form so that it may space apart. For example, as shown in FIGS. 8 and 9, the straight tooth portion 72 is divided into first to third straight tooth portions 76 a to 76 c having a short tooth length, and the second straight tooth located at the center thereof. The center O 2 of the portion 76b may be formed so as to coincide with the center O of the total length of the spline teeth 70 (second embodiment). The both ends of the spline teeth 70 are the left and right curved teeth 75a and 75b (75b and 75a), respectively, and the intermediate curved teeth 77 are provided between the first to third linear teeth 76a to 76c. Form.
[0030]
Splines that are parallel teeth of the first to third linear teeth 76a to 76c and the shaft holes 36 and 46 are formed by using the first to third linear teeth 76a to 76c divided in this way. When press-contacting the teeth 68, while maintaining the axial strength of the spline shaft 12, it is possible to disperse the press-fitting allowance to alleviate the press-fitting load and to prevent galling during press-fitting.
[0031]
In this case, the tooth length of the straight tooth portion 72 or the total tooth length of the first to third straight tooth portions 76a to 76c is set in a range of about 1/5 to 1/2 of the entire tooth length of the spline tooth 70. It is preferable.
[0032]
Further, as shown in FIG. 10 and FIG. 11, the first to third curved teeth 78a to 78c having a predetermined curvature radius are used instead of the first to third linear teeth 76a to 76c. It may also be possible (third embodiment). Note that both end portions of the spline teeth 70 are left and right curved tooth portions 79a and 79b (79b and 79a), respectively, and an intermediate curved tooth portion 81 is provided between the first to third curved tooth portions 78a to 78c. Form.
[0033]
Splines that are parallel teeth of the first to third curved tooth portions 78a to 78c and the shaft holes 36 and 46 are formed by using the first to third curved tooth portions 78a to 78c thus divided into a plurality of parts. The press-fitting load can be reduced by press-fitting in a state where the teeth 68 are in point contact.
[0034]
The driving force transmission mechanism 10 to which the spline shaft fitting structure for a constant velocity joint according to the embodiment of the present invention is applied is basically configured as described above. The effect will be described.
[0035]
First, a method for manufacturing the spline shaft 12 will be described.
[0036]
As shown in FIG. 12, a rod-shaped workpiece 82 is inserted between a pair of upper and lower rolling racks 80a and 80b formed in a substantially straight line by a cemented carbide material, and a pair of rolling rolls facing each other. In a state where the workpiece 82 is pressed by the building racks 80a and 80b, the pair of rolling racks 80a and 80b are displaced in directions opposite to each other (arrow direction) under the driving action of an actuator (not shown). Spline processing having crowning is performed on the end of the workpiece 82.
[0037]
In this case, spline processing is applied to one end and the other end of the spline shaft 12 by the rolling racks 80a and 80b, respectively. Note that the crowning shapes of the splines formed at one end (outboard side) and the other end (inboard side) of the spline shaft 12 are formed symmetrically (FIGS. 4 and 7, FIGS. 8 and 9). And comparison between FIG. 10 and FIG. 11).
[0038]
Subsequently, the spline shaft 12 is press-fitted along the shaft hole 36 of the inner member 32, and the spline formed at one end of the spline shaft 12 is fitted, whereby the first constant velocity joint 14 is connected to the spline shaft 12. Connected to one end. On the other hand, the second constant velocity joint 16 is connected to the other end portion of the spline shaft 12 by fitting a spline formed at the other end portion of the spline shaft 12 along the shaft hole 46 of the spider boss portion 48.
[0039]
When the spline is fitted, the spline teeth 70 are press-fitted into the shaft hole 36 of the inner member 32 or the shaft hole 46 of the spider boss portion 48 from the side where the tooth thickness is small, and the linear tooth portion 72 of the crowning is the shaft hole 36, A spline fitting is formed by pressing against the spline teeth 68 composed of 46 parallel teeth. Therefore, relative movement of the fitted spline teeth 70 is restricted in the circumferential direction so that play does not occur, and play caused by a power transmission system such as noise and vibration can be prevented.
[0040]
Furthermore, by making the left curved tooth portion 74a and the right curved tooth portion 74b continuous from the straight tooth portion 72 formed at the substantially central portion toward the end side into different crowning shapes, when press-fitting, The press-fitting can be performed more smoothly. In this way, the driving force transmission mechanism 10 is manufactured.
[0041]
In the present embodiment, by arranging the crowning shapes of the spline teeth 70 formed at one end and the other end of the spline shaft 12 so as to be symmetrical, the left and right functions as the left drive shaft and the right drive shaft. The spline shafts 12 can have the same configuration. Therefore, in this embodiment, since it is not necessary to prepare and use the left spline shaft and the right spline shaft separately, the management cost is reduced as compared with the conventional technique that manages a plurality of types of spline shafts. Can be made. In addition, since it is not necessary to provide a mechanism for manufacturing the left spline shaft and the right spline shaft, the configuration of the entire apparatus can be simplified.
[0042]
In this case, since it is not necessary to prepare a plurality of types of rolling racks corresponding to various types of constant velocity joints, the equipment investment can be suppressed and the manufacturing cost can be reduced.
[0043]
Next, first to third modifications corresponding to the crowning shapes of the spline teeth 70 according to the first to third embodiments are shown in FIGS.
[0044]
The crowning shape 84 of the spline tooth according to the first modification shown in FIGS. 13 and 14 is the tooth length of the linear tooth portion 72 of the spline tooth 70 according to the first embodiment shown in FIGS. 4 and 7. The center O 1 is displaced by a predetermined distance to the end side (A side) where the tooth thickness is small. Therefore, in the spline tooth crowning shape 84 according to the first modification, the center O 1 of the tooth length of the linear tooth portion 72 and the center O of the total length of the spline tooth 70 are separated by a distance L.
[0045]
The crowning shape 86 of the spline tooth according to the second modification shown in FIGS. 15 and 16 is the tooth of the second linear tooth portion 76b of the spline tooth 70 according to the second embodiment shown in FIGS. The long center O 2 is displaced by a predetermined distance toward the end portion where the tooth thickness is small. Accordingly, the center O 2 of the tooth length of the divided second linear tooth portion 76 b and the center O of the total length of the spline teeth 70 are separated by a distance M.
[0046]
The crowning shape 88 of the spline tooth according to the third modification shown in FIGS. 17 and 18 is the tooth of the second curved tooth portion 78b of the spline tooth 70 according to the third embodiment shown in FIGS. The long center O 3 is displaced by a predetermined distance toward the end portion where the tooth thickness is small. Therefore, the center O 3 of the tooth length of the divided second curved tooth portion 78 b and the center O of the total length of the spline teeth 70 are separated by a distance N.
[0047]
FIG. 19 shows a stress characteristic curve C when stress is applied to the constant velocity joint 14 provided with the crowning shapes 84, 86, 88 of the spline teeth according to the first to third modifications.
[0048]
As can be understood from FIG. 19, the stress gradually decreases from one end of the spline teeth 70 toward the center O of the tooth length, and the stress is minimized at a position P before the center O of the tooth length of the spline teeth 70. Furthermore, the stress gradually increases from the position P before the center O of the tooth length of the spline teeth 70. When torque in a predetermined rotational direction is applied to the fitting portion between the shaft hole 36 of the inner member 32 and the first fitting portion 64 of the spline shaft 12, the generated stress is as shown in the stress characteristic curve C. The entire tooth length of the spline teeth 70 is not substantially constant, and the tooth length center O of the spline teeth 70 does not coincide with the position P where the stress is minimized.
[0049]
In the spline tooth crowning shapes 84, 86, 88 according to the first to third modifications, the position P and the straight tooth portion 72, the second straight tooth portion 76b or the second straight tooth portion 76b of the stress characteristic curve C are minimized. When one end portion of the spline shaft 12 is press-fitted into the shaft hole 36 of the inner member 32 by fitting so that the centers O 1 , O 2 , and O 3 of the two curved tooth portions 78b substantially coincide with each other. The strength of the press-fitting part in can be maintained and the life can be improved. In this case, by associating the position P where the stress is minimum with the centers O 1 , O 2 , and O 3 of the linear tooth portion 72, the second linear tooth portion 76b, or the second curved tooth portion 78b, It is possible to suppress the stress from being concentrated on a predetermined portion where the spline is formed.
[0050]
Further, the position P at which the stress of the stress characteristic curve C is minimized and the centers O 1 , O 2 , and O 3 of the linear tooth portion 72, the second linear tooth portion 76b, or the second curved tooth portion 78b, respectively. By fitting them so as to substantially match, the press-fitting load when one end of the spline shaft 12 is press-fitted into the shaft hole 36 of the inner member 32 can be reduced, and the press-fitting can be performed more smoothly.
[0051]
The spline is connected to one end of the spline shaft 12 to which the first constant velocity joint 14 of the barfield type is connected and the other end of the spline shaft 12 to which the second constant velocity joint 16 of the tripport type is connected. Since the tooth lengths of these are slightly different and can be regarded as substantially the same spline tooth length, the fitting structure according to the present embodiment can be applied regardless of the type of constant velocity joint. .
[0052]
【The invention's effect】
According to the present invention, the following effects can be obtained.
[0053]
That is, it is possible to reduce the press-fitting load when the constant-velocity joint is press-fitted to prevent the occurrence of play, and to suppress the concentration of stress on a predetermined portion of the spline teeth.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a driving force transmission mechanism to which a fitting structure of a constant velocity joint spline shaft according to an embodiment of the present invention is applied.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a first constant velocity joint constituting the driving force transmission mechanism.
FIG. 3 is an enlarged view of one end of a spline shaft connected to the first constant velocity joint.
4 is an enlarged view of spline teeth formed at one end of the spline shaft shown in FIG. 3. FIG.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view of a second constant velocity joint constituting the driving force transmission mechanism.
FIG. 6 is an enlarged view of the other end of the spline shaft connected to the second constant velocity joint.
7 is an enlarged view of spline teeth formed on the other end of the spline shaft shown in FIG. 6;
FIG. 8 is an enlarged view of spline teeth according to a second embodiment provided on the outboard side.
FIG. 9 is an enlarged view of spline teeth according to a second embodiment provided on the inboard side.
FIG. 10 is an enlarged view of spline teeth according to a third embodiment provided on the outboard side.
FIG. 11 is an enlarged view of spline teeth according to a third embodiment provided on the inboard side.
FIG. 12 is a perspective view showing a state in which a spline is formed on a workpiece by a set of rolling racks.
13 is an enlarged view of a spline tooth according to a first modification provided on the outboard side and corresponding to the spline tooth of FIG.
14 is an enlarged view of a spline tooth according to a first modification provided on the inboard side and corresponding to the spline tooth of FIG.
15 is an enlarged view of a spline tooth according to a second modification provided on the outboard side and corresponding to the spline tooth of FIG.
16 is an enlarged view of a spline tooth according to a second modified example provided on the inboard side and corresponding to the spline tooth of FIG. 9;
17 is an enlarged view of spline teeth according to a third modification provided on the outboard side and corresponding to the spline teeth of FIG.
18 is an enlarged view of a spline tooth according to a third modification provided on the inboard side and corresponding to the spline tooth of FIG. 11. FIG.
FIG. 19 is an explanatory diagram including stress characteristic curves generated corresponding to the positions of spline teeth.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 ... Driving force transmission mechanism 12 ... Spline shaft 14, 16 ... Constant velocity joint 32 ... Inner member 36, 46 ... Shaft hole 48 ... Spider boss part 50 ... Trunnion 64, 66 ... Fitting part 68, 70 ... Spline tooth 72, 76a -76c ... linear teeth 74a, 74b, 75a, 75b, 78a-78c, 79a, 79b ... curved teeth

Claims (4)

一方から他方に対して駆動源の回転駆動力を伝達するスプラインシャフトに対して等速ジョイントをスプライン嵌合させる嵌合構造において、
前記スプラインシャフトの端部にはクラウニングを有する複数のスプライン歯が形成され、前記クラウニングは、前記スプライン歯の略中央部に歯厚が略一定に形成された直線状歯部と、前記直線状歯部からそれぞれスプライン歯の端部側に向かって歯厚が徐々に減少するように形成された曲線状歯部とを有し、前記スプラインシャフトの端部側に形成されたクラウニングの歯厚を該スプラインシャフトの中心側に形成されたクラウニングの歯厚よりも小さく設定することにより、スプライン歯の中心からみて左右非対称のスプライン形状に形成され
前記直線状歯部の中心は、スプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって所定距離だけ偏位した位置に設定され、
スプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって偏位した位置は、スプラインシャフトと等速ジョイントとの嵌合部位に回転トルクが付与された際に応力が最小となる位置に対応することを特徴とする等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造。
In the fitting structure in which the constant velocity joint is spline fitted to the spline shaft that transmits the rotational driving force of the driving source from one side to the other,
A plurality of spline teeth having a crowning are formed at an end of the spline shaft, and the crowning includes a linear tooth portion having a substantially constant tooth thickness at a substantially central portion of the spline tooth, and the linear tooth. Each having a curved tooth portion formed so that the tooth thickness gradually decreases toward the end side of the spline teeth from the portion, and the tooth thickness of the crowning formed on the end side of the spline shaft is By setting it smaller than the tooth thickness of the crowning formed on the center side of the spline shaft, it is formed into an asymmetrical spline shape as seen from the center of the spline teeth ,
The center of the linear tooth portion is set at a position displaced from the center of the total length of the spline teeth by a predetermined distance toward the end portion side of the spline shaft,
The position displaced from the center of the total length of the spline teeth toward the end of the spline shaft corresponds to the position where the stress is minimized when rotational torque is applied to the mating part of the spline shaft and constant velocity joint. fitting structure of the spline shaft for a constant velocity joint, wherein to Rukoto.
請求項1記載の嵌合構造において、
前記直線状歯部を略同一歯長からなる複数個に分割し、所定間隔離間して形成されることを特徴とする等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造。
The fitting structure according to claim 1,
2. The spline shaft fitting structure for a constant velocity joint, wherein the linear tooth portion is divided into a plurality of substantially identical tooth lengths and spaced apart by a predetermined distance.
請求項1または2記載の嵌合構造において、
前記直線状歯部の歯長または前記複数個に分割された直線状歯部の合計歯長は、それぞれ、スプライン歯の歯長全長の約1/5〜約1/2の範囲内に設定されることを特徴とする等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造。
In the fitting structure according to claim 1 or 2,
The tooth length of the straight tooth portion or the total tooth length of the plurality of straight tooth portions is set within a range of about 1/5 to about 1/2 of the total length of the spline teeth. A spline shaft fitting structure for a constant velocity joint.
一方から他方に対して駆動源の回転駆動力を伝達するスプラインシャフトに対して等速ジョイントをスプライン嵌合させる嵌合構造において、
前記スプラインシャフトの端部にはクラウニングを有する複数のスプライン歯が形成され、前記クラウニングは、所定の曲率半径を有する複数の分割された曲線状歯部と、隣接する前記曲線状歯部同士の間に介在する中間曲線状歯部とを有し、前記曲線状歯部中の端部に位置するものはそれぞれスプライン歯の端部側に向かって歯厚が徐々に減少するように形成され、前記スプラインシャフトの端部側に形成されたクラウニングの歯厚を該スプラインシャフトの中心側に形成されたクラウニングの歯厚よりも小さく設定することにより、スプライン歯の中心からみて左右非対称のスプライン形状に形成され、
前記複数個に分割された曲線状歯部のなかでその中央に位置する曲線状歯部の中心は、スプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって所定距離だけ偏位した位置に設定され、
スプライン歯の全長の中心からスプラインシャフトの端部側に向かって偏位した位置は、スプラインシャフトと等速ジョイントとの嵌合部位に回転トルクが付与された際に応力が最小となる位置に対応することを特徴とする等速ジョイント用スプラインシャフトの嵌合構造。
In the fitting structure in which the constant velocity joint is spline fitted to the spline shaft that transmits the rotational driving force of the driving source from one side to the other ,
Wherein an end of the spline shaft plurality of spline teeth having crowned is formed, the crowning includes a plurality of divided curved teeth which have a predetermined radius of curvature, the curved teeth adjacent to Intermediate curvilinear tooth portions interposed therebetween, and those located at the end portions in the curvilinear tooth portions are formed so that the tooth thickness gradually decreases toward the end portion side of the spline teeth, By setting the tooth thickness of the crowning formed on the end side of the spline shaft to be smaller than the tooth thickness of the crowning formed on the center side of the spline shaft, the spline shape is asymmetrical with respect to the center of the spline teeth. Formed,
The center of the curved tooth portion located at the center of the plurality of divided tooth portions is a position displaced from the center of the total length of the spline teeth by a predetermined distance toward the end portion side of the spline shaft. Set to
The position displaced from the center of the total length of the spline teeth toward the end of the spline shaft corresponds to the position where the stress is minimized when rotational torque is applied to the mating part of the spline shaft and constant velocity joint. fitting structure of the spline shaft for a constant velocity joint, wherein to Rukoto.
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