JP4191790B1 - 衝立 - Google Patents

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Abstract

【課題】不使用時にはコンパクトに折り畳むことができ、使用時には専用の台座等がなくとも自立可能で、デザイン性に富んだ装飾などを施すことが可能な衝立を提供する
【解決手段】複数の開閉部材12と、複数の開閉部材12を前後で挟む二本の開閉端部材14,16とが、基端部を貫通する支軸18を介して軸支されている。開閉端部材14,16は、開閉端部材14,16同士が対向する面に対して直角に位置して、開閉部材12の長手方向の一対の端面を覆う基板部分20,22を各々一体に備える。二本の開閉端部材14,16が支軸18を中心に全体が互いに開かれた状態で、開閉部材12及び開閉端部材14,16が基板部分20,22に支持されて自立する。
【選択図】図1

Description

この発明は、室内外の装飾や仕切り等として用いられる折り畳み式の衝立に関する。
室内に立てて部屋を仕切ったり目隠しするときに用いられる衝立には、衝立を使用しないときに目隠しの部分を折り畳むことができるものがある。例えば、特許文献1に開示されている衝立は、台板上に二本のポールの下端部が左右方向に回動可能に立設され、その二本のポールの間にプリーツ(折りひだ)が架設された構造を備え、使用時には二本のポールの上端部を左右に傾倒させてプリーツを広げて目隠し用の膜を作り、不使用時には二本のポールを起立させてプリーツを折り畳むことができる衝立である。
特開2004−332208号公報
しかし、特許文献1の衝立は、安定に立てておくための台板と、その台板とポールやプリーツの特殊な連結構造等を必要とし、複雑な構造で、コストのかかるものとなっている。さらに、二本のポールやプリーツの重量がポール受金具等の支持部材に局部集中する構造であるため、材料コストが掛かり、構造上耐久性にも問題があった。すなわち、ポールやプリーツの重量が増すと、振動や衝撃で破損し易くなるため、例えば、目隠し用の膜の面積をあまり広くすることができなかった。また、ポールやプリーツは比較的軽量の素材を選択しなければならないため、デザイン性や装飾性を高めるための工夫が制限され、例えば、比較的重量のある木製・金属製の装飾用パーツ等を多用することができなかった。
この発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、不使用時にはコンパクトに折り畳むことができ、使用時には専用の台座等がなくとも自立可能で、デザイン性に富んだ装飾などを施すことが可能な衝立を提供することを目的とする。
この発明は、複数の開閉部材と、前記複数の開閉部材を前後で挟む二本の開閉端部材とが、前記開閉部材と前記開閉端部材の基端部を貫通する支軸を介して軸支され、互いに隣接する前記開閉部材同士の開きを所定の角度に制限する位置決め部材を有した衝立であって、前記二本の開閉端部材には、前記開閉端部材同士が対向する面に対して直角に位置して、前記開閉部材の長手方向に沿った一対の端面を覆う基板部分が各々一体に設けられ、前記二本の開閉端部材が前記支軸を中心に全体が互いに開かれた状態で、前記開閉部材及び開閉端部材が前記基板部分に支持されて自立する衝立である。
前記支軸は、前記開閉部材および前記開閉端部材の各基端部の幅方向の中心位置に設けられ、前記開閉部材および前記開閉端部材の基端部は、前記支軸を中心として、前記開閉部材および前記開閉端部材の幅の1/2の半径の半円状に形成された寸法にアール加工されているものである。
さらに、前記開閉部材と前記開閉端部材が折り畳まれた状態で、前記複数の開閉部材はその長手方向側縁部全長に亘って、前記基板部分によって覆われるものである。
この発明の衝立によれば、従来のように、支持部材等の特定の部材として格別に耐久性の高い金属材料等を選定する必要性はなく、また、目隠し部分の軽量化のための一定の制約を緩和することができるので、構成部材の素材や大きさの設定について自由度が増し、木材、金属、プラスチックやその他の樹脂、紙などの素材を自由に選択し、デザイン性や装飾性に優れた衝立にすることができる。
また、開閉する部分を支持するための台座を別個に用意する必要がない。しかも、比較的大型の衝立であっても、一人で簡単に組み立てたり折り畳むことができる。
さらに、折り畳むと非常にコンパクトな形状になるため、持ち運びが容易で、収納場所もとらない。また、組み立てられたときに台座の機能を果たす基板部分が、折り畳まれたときに開閉部材等の長手方向側縁部を被覆するケースとして内部を保護するので、持ち運び等するときに内部を傷つけにくく、安全である。
以下、この発明の一実施形態について、図1〜図4に基づいて説明する。この実施形態の衝立10は、扇子のように開閉可能な折り畳み式の衝立であり、22枚の同一形状の開閉部材12と、開閉部材12と同一形状であって開閉部材12を前後で挟む2枚の開閉端部材14,16を備えている。開閉部材12は、図2(a)に示すように、略長方形の木製の板状の枠部材の内側の部分に、図示しない装飾用の格子や透かし彫りや組子などが設けられ、目隠しや飾りの他、採光や通風のための働きを兼ね備えている。また、開閉部材12の長手方向の基端部12cには、短辺の長さの1/2の半径の半円状に形成されたアール加工部分12bが設けられ、アール加工部分12bを形成する円の中心位置には、支軸18が挿通される貫通孔12aが形成されている。
複数の開閉部材12の一方の端に隣接した開閉端部材14は、図2(b)に示すように、開閉部材12と同一外形を有する略長方形の木製の板状の枠部材であり、その内側には開閉部材12と同様の図示しない装飾等が施されている。開閉部材12と同様の基端部14cには、貫通孔14aとアール加工部14bが設けられている。さらに、開閉端部材14の一方の長辺に沿った端面には、開閉端部材14の表面と直交するように、基板部分20が取り付けられている。基板部分20は、略長方形の木製の板であって、長辺の長さは、開閉端部材14の先端部14dから基端部14cの貫通孔14aまでの長さと等しい。同様に、開閉部材12の他方の端部にある開閉端部材16も、開閉部材12と同一外形を有する略長方形の木製の枠部材であり、開閉部材12と同様に先端部16cに、貫通孔16aとアール加工部16bが設けられている。さらに、開閉端部材16の一方の長辺から連続する側端面にも、略長方形の基板部分22が設けられている。基板部分22の長辺の長さも、開閉端部材16の端面に沿って基端部16cの貫通孔16aから先端部16dまでの長さに等しく、開閉端部材16の表面と直交するように取り付けられている。
ここで、基板部分20,22の短辺の幅は、22枚の開閉部材12と2枚の開閉端部材14,16の各厚みを合計した値にほぼ等しく設定されている。さらに、開閉端部材16と基板部分22が一体となった構造は、図2(c)に示すように、開閉端部材14と基板部分20が一体となった図2(b)の構造と同一のものである。
そして、22枚の開閉部材12は、開閉端部材14の裏面14eと開閉端部材16の表面16eで挟まれ、貫通孔12a,14a,16aには金属製の支軸18が挿通され、各部材が独立して回動できる状態に軸支されている。そして、外部に露出する支軸18の両端部分には、装飾性のあるキャップ24が被せられている。
互いに隣接する開閉端部材14,16と開閉部材12、および、隣接する開閉部材12同士は、開いた状態で互いに所定の角度で止まるように、位置決め部材位置決め部材26によって各々連結されている。各位置決め部材26は、所定の長さに切り揃えられた装飾性のある軟らかい紐であって、位置決め部材26の両端部は、開閉端部材14,16の先端部14d,16dの端面中央部に各々固着されている。
従って、位置決め部材26により連結され互いに隣り合う開閉部材12同士の広がりの角度は、図1に示すように、22枚の開閉部材12と開閉端部材14,16の計24枚の部材により、180°開いた扇状に形成される。各部材の先端部12d,14d,16dの中心間の間隔は、ほぼ各部材の短辺の長さより僅かに短く設定される。また、位置決め部材26の長さは、図1に示す扇状の半円弧の長さにほぼ等しく設定すればよい。これにより、図1に示すように、開閉端部材14と開閉端部材16が略180°に広げられたとき、22枚の開閉部材12が互いに均等な角度開いて順番に配置され、前後方向に隙間が生じない状態になる。
以上のように構成された衝立10が組み立てられると、図1に示すように、22枚の開閉部材12と開閉端部材14,16が扇型に配置された目隠し部分が基板部分20,22の上方に形成され、基板部分20,22は、外側の面が床に当接し、上記目隠し部分を安定に支持する。
次に、一般的な大きさの衝立10を折り畳むときの動作について、図3に基づいて説明する。折り畳む人は、図3(a)(b)に示すように、基板部分20を両手で持ち上げ、基板部分20を持って、開閉端部材14と開閉端部材16とが前後に重なる角度まで折り畳む。すると、この基板部分20を折り畳む動作の中で、基板部分20が支軸18を軸として基板部分22の方向に折り畳まれ、22枚の開閉部材12は順番に基板部分20の内側面に当接しながら基板部分20と共に移動し、基板部分22の側に集められる。このとき、支軸18側の基端部12c,14c,16c側の端面は、半径が基端部12c,14c,16cの円弧の円の半径に等しいアール加工部分12b,14b,16bが設けられているので、各部材が折り畳まれる動作は妨げられない。また、各部材を連結する位置決め部材26は軟らかい紐であるため、これも、各部材の折り畳まれる動作を妨げない。
折り畳まれた衝立10は、図4に示すように、ほぼ直方体のコンパクトな形態になる。開閉部材12は、ほぼ同一外形の開閉端部材14,16に挟まれて前後方向にきれいに重なる。そして、重ねられた開閉部材12の周囲は、開閉端部材14,16と基板部分20,22で囲まれ、保護される構造となる。
以上説明したように、この実施形態の衝立10は、組み立てられたときに基板部分20,22が台座の働きをするので、台座等を別個に用意する必要がない。また、折り畳む人は、基板部分20以外の部分を持って操作する必要がなく、一人でも容易に組み立てたり折り畳んだりすることができる。
さらに、折り畳むと非常にコンパクトな形状となるため持ち運び易く、また、収納場所もとらない。さらに、折り畳まれた状態で、基板部分20,22が開閉部材12等の周囲を被覆し、ケースとして内部を保護するので、持ち運ぶ際にも内部を傷つけ難いので扱いやすい。
次に、本発明の衝立の他の実施形態を図5に基づいて説明する。この実施形態の衝立30は、開閉部材12の本数を12本に減らし、さらに、位置決め部材26と装飾を兼用し、開閉部材12と開閉端部材14,16に貼り付けられた地紙36を備えたものである。地紙36は、開閉部材12の先端から支軸18の方向に所定の幅を有して貼着されたものである。
地紙36は、図5に示すように、各開閉部材12の両側に交互に折罫線38,40が設けられ、開閉部材12又は開閉端部材14,16が貼り付けられる貼付部36aと、隣接する貼付部36a同士の間を連結する連結部36bとに区切られている。
衝立30が組み立てられたとき、図5に示すように、11枚の開閉部材12は扇子を180°広げたような状態にほぼ均等な角度に配置される。そして、11枚の開閉部材12と開閉端部材14,16が扇型に配置されて、地紙36から成る装飾や目隠し部分が、基板部分20,22の上方に形成される。基板部分20,22は、外側の面が床に当接し、開閉部材12と地紙36を下方から支持して自立させる。
衝立30は、上記実施形態の衝立10と同様に図3(b)に示す要領で折り畳まれると、地紙18は、折罫線38で山折り、折罫線40は谷折りされ、各連結部36bは、両側に連続する2つの貼付部36aに挟まれるように互いに折り重なる。このとき、開閉端部材14,16の先端部14d,16dの短辺の長さ、及び連結部36aの先端部分の幅、及び貼付部36bの先端部分の幅は、いずれも等しく、連結部36aと貼付部36bは、開閉端部材14,16により前後方向に挟まれてきれいに重なる。かつ、開閉端部材14,16と直交する他の一対の側面は、基板部分20,22で挟まれ、地紙36の周囲が囲まれて保護される構造となる。そして、上記実施形態の衝立10と同様に、ほぼ直方体のコンパクトな形態になる。
この実施形態の衝立30によれば、衝立10と同様に簡単に折り畳むことができ、一般的な扇子のように、優れた装飾性や趣を備えた衝立を実現することができる。
なお、この発明の衝立は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、位置決め部材は、紐状の部材に代えて、各開閉部材の所定位置に配置されたストッパと受け部でも良く、開閉部材が所定位置に開いてその状態を保持可能なものであればよい。開閉部材の形状は、自由に設定することができ、また、折り畳む動作に支障が生じない範囲で、表面に種々の装飾が施すことができる。
また、基板部分の形状は、衝立が折り畳まれたときに、開閉部材を完全に被覆することができる形状でなくてもよい。すなわち、基板部分は、組み立てられたときに目隠し部分を支持して自立させることができ、かつ、折り畳まれたときに開閉部材の強度が弱い箇所等を必要な限度で保護することができるものであればよい。
また、衝立が組み立てられた状態や折り畳まれた状態で、基板部分を金具等で固定する等の固定構造を付加してもよい。また、衝立の所定の部位に、折り畳まれた状態で持ち運ぶための持ち手などを取り付けてもよい。
さらに、この衝立の大きさや用途は適宜設定可能なものであり、仕切等として用いられるものの他、例えば、家具やテーブル等の上に置かれる観賞用の置物として使用されるような小型の衝立であってもよい。
この発明の一実施形態の衝立の組立状態を示す正面図である。 この実施形態の衝立を構成する開閉部材12を示す斜視図(a)、開閉端部材14および基板部分20を示す斜視図(b)、他の開閉端部材16および基板部分22を示す斜視図(c)である。 この実施形態の衝立を折り畳む動作の途中の状態を示す正面図(a)、折り畳む動作が完了した状態を示す正面図(b)である。 この実施形態の衝立が折り畳まれた状態を示す斜視図である。 この発明の他の実施形態の衝立の組立状態を示す正面図である。
符号の説明
10,30 衝立
12 開閉部材
14,16 開閉端部材
12b,14b,16b アール加工部分
18 支軸
20,22 基板部分
26 位置決め部材

Claims (3)

  1. 複数の開閉部材と、前記複数の開閉部材を前後で挟む二本の開閉端部材とが、前記開閉部材と前記開閉端部材の基端部を貫通する支軸を介して軸支され、互いに隣接する前記開閉部材同士の開きを所定の角度に制限する位置決め部材を有した衝立において、
    前記二本の開閉端部材には、前記開閉端部材同士が対向する面に対して直角に位置して、前記開閉部材の長手方向の一対の端面を覆う基板部分が各々一体に設けられ、
    前記二本の開閉端部材が前記支軸を中心に全体が互いに開かれた状態で、前記開閉部材及び開閉端部材が前記基板部分に支持されて自立することを特徴とする衝立。
  2. 前記支軸は、前記開閉部材および前記開閉端部材の各基端部の幅方向の中心位置に設けられ、前記開閉部材および前記開閉端部材の基端部は、前記支軸を中心として、前記開閉部材および前記開閉端部材の幅の1/2の半径の半円状にアール加工されていることを特徴とする請求項1記載の衝立。
  3. 前記開閉部材と前記開閉端部材が折り畳まれた状態で、前記複数の開閉部材はその長手方向側縁部全長に亘って、前記基板部分によって覆われることを特徴とする請求項1または2記載の衝立。
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