JP4190777B2 - 呼気カセット - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベンチレータのための呼気カセットに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ベンチレータに関する１つの問題は、クリーニングのための分解及びその後の再組立てである。これは、特に、呼気弁、流量計、圧力計、フィルタ等を含むことができるベンチレータの呼気区分に当てはまる。
【０００３】
したがって、呼気構成部材をクリーニングのために単純な作業で交換できるようにする単純で頑丈な装置が必要とされている。クリーニング後のベンチレータ部品（又はクリーンな部品）の正しい再組立てを保証することもこの場合重要である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、呼気構成部材をクリーニングのために単純な作業で交換できるようにする単純で頑丈な装置を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の構成では、呼気カセットにガス通路と、呼気弁と、流量計と、ロック機構とが設けられており、ロック機構が、ベンチレータに設けられた収容部とのロック相互作用及びロック解除相互作用を行うように形成されているようにした。
【０００６】
有利な改良及び実施例は従属請求項から明らかである。
【０００７】
【発明の効果】
ベンチレータの呼気区分のための所望の構成部材、例えば弁、流量計、圧力計等をカセットに配置することにより、クリーニングのための分解の必要性が低減される。カセット全体は、クリーニングのために単一のユニットとして適切に構成されている。カセット自体は例外的な場合にのみ分解される。
【０００８】
ベンチレータへのカセットの正しい挿入が、ベンチレータに設けられた収容区分と相互作用するロック機構によって保証される。
【０００９】
ロック機構は１つの有利な実施例において、カセットの上部に設けられた押しボタンを有している。押しボタンは、開放位置と閉鎖位置との間で移動することができ、開放位置においてはカセットを収容区分から取り外すことができ、閉鎖位置においてはカセットは収容区分にロックされている。ばね又は同様のものが、ロック位置に向かって加えられる力を押しボタンに作用させるために配置されている。押しボタンは、押しボタンに機械的に接続された１つ、又は有利には２つのボスと相互作用する。押しボタンのロック位置において、ボスは呼気カセットの外縁部よりも突出する。押しボタンの開放位置において、ボスは呼気カセットの外縁部よりも内方に位置する。ボスは、カセットを所定の位置にロックするために、収容区分に設けられた開口と相互作用する。
【００１０】
本発明による呼気カセットに関する付加的な詳細は、図面を参照した１つの実施例の以下の詳細な説明から明らかである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は、ガス接続部４Ａ，４Ｂを介して１つ又は２つ以上のガス供給源に接続することができるベンチレータ２を示している。ガスは、ガスミキサ６において調節及び混合され、ベンチレータ２の吸気区分８を通って呼吸系（図示せず）のための第１の接続部１０へ供給される。
【００１２】
ベンチレータという用語は、原則的に、呼吸補助を提供することができる全てのタイプの装置、すなわちレスピレータ、麻酔器等を指す。
【００１３】
ベンチレータ２は呼吸系のための第２の接続部１２をも有しており、これにより、ガスはベンチレータ２の呼気部に搬送され、この呼気部には呼気カセットが配置されている。次いでガスは排気部１６を介してベンチレータ２から排出される。
【００１４】
呼気カセット１４には、取扱いを容易にするためのハンドル１８と、呼気カセット１４を解離させるための押しボタン２０とが設けられている。押しボタン２０は、呼気カセット１４がレスピレータ若しくはベンチレータ２に正しく結合されていることを示すインジケータとしても働く。この機能については後で図２を参照により詳しく説明する。
【００１５】
図２は、原則的に呼気カセット１４をベンチレータに設けられた収容区分２２にロックするためにロッキング機構がどのように構成されることができるかを示している。押しボタン２０に加えて、ロッキング機構は、第１の開口２６Ａ及び第２の開口２６Ｂと相互作用する第１のボス２４Ａ及び第２のボス２４Ｂと、第１の機械的連結部２８Ａ及び第２の機械的連結部２８Ｂと、ロッド３０と、ばね３２とを有している。ロッド３０は、押しボタン２０に取り付けられており（又は押しボタンの一体的部分であり）、押しボタン２０の運動が、機械的連結部２８Ａ，２８Ｂによってボス２４Ａ，２４Ｂに伝達される（ボスの運動は押しボタン２０の運動方向に対して垂直方向である。
【００１６】
運動の伝達は、押しボタン２０とボス２４Ａ，２４Ｂとの同時運動を提供するあらゆる公知の機械的伝動装置を用いて行うことができる。直接伝動が有利である。なぜならば、摩擦ばめ伝動は、例えば摩耗等によって機能を損なわせるおそれがあるからである。
【００１７】
ラック及びピニオン構成が図２に示した態様に示されている。
【００１８】
ばね３２は押しボタン２０を図示の上部位置、すなわちロック位置に強制する。
【００１９】
解離時には、押しボタンが下部位置、すなわち開放位置へ押し下げられ、これによりボス２４Ａ，２４Ｂが呼気カセット１４の外縁部よりも内側へ引っ込められ、呼気カセット１４を取り外すことができる。
【００２０】
呼気カセット１４が収容区分２２に挿入される場合、ボス２４Ａ，２４Ｂは収容区分２２の壁部によって内方へ押圧され、これにより押しボタン２０は、下部の開放位置に向かって押し下げられる。ボス２４Ａ，２４Ｂが開口２６Ａ，２６Ｂの上端部よりも下降させられると、ボスは、押しボタン２０に加えられるばね３２の押圧力によって開口内へ押し出される。次いで押しボタン２０は上部位置を占め、これにより呼気カセットが正しく挿入されたことを明確に示す。
【００２１】
呼気カセット１４内を流過するガスのためのガス通路３４がこの図面に示されている。
【００２２】
図３は、呼気カセット１４の別の特徴を示している。図面は、収容区分２２への挿入又は収容区分２２からの取外し時の呼気カセット１４を側方から示している。この場合、呼気カセット１４はハンドル１８によって保持される。
【００２３】
収容区分２２はストッパ３６を有しており、このストッパ３６は、呼気カセット１４の後端部３８と相互作用するように配置されている。この実施例では、呼気カセット１４の前端部４０にロッキング機構が配置されている（ボス２４Ａが示されている）。
【００２４】
ストッパ３６は、呼気カセット１４の後端部２８が収容区分２２から押し出されることを防止する。
【００２５】
同時に、収容区分２２の底部４２には隆起した領域（非平坦接触面）４４（図面では誇張されている）が設けられている。隆起した領域により、呼気カセット１４が挿入される場合、ボス２４Ａ，２４Ｂが開口に滑り込む前に、所定の力を加えることが必要となる。つまり、この弾性的なテンションが呼気カセット１４の取外しを容易にする。なぜならば、ボス２４Ａ，２４Ｂを呼気カセット１４の外縁部の内側に引っ込ませるように押しボタン２０が押し下げられるやいなや、呼気カセットの前端４０が僅かに持ち上げられるからである。
【００２６】
図３にはさらにガス通路３４と、呼気弁４６と、流量計４８とが示されている。
【００２７】
図４は、呼気カセット１４に設けられたロック機構の択一的な態様を示している。既に説明した部材と同一の部材は同一の符号で示している。択一的な態様は、押しボタン２と、ロッド３０と、第１のボス（又はピストン）２４Ａと、第２のボス２４Ｂと、第１の回転体５０Ａと、第２の回転体５０Ｂと、板ばね５２とを有している。
【００２８】
押しボタン２０が押し下げられると、板ばねが押し下げられ、ボス２４Ａ，２４Ｂが回転体５０Ａ，５０Ｂと共に回転させられる。すなわち、ボス２４Ａ，２４Ｂは呼気カセットの外縁部に向かって移動させられ、呼気カセット１４を取り外すことができる。
【００２９】
呼気カセット１４が挿入される場合、呼気カセット１４は収容区分２２内へ押し込まれる。ボス２４Ａ，２４Ｂは呼気カセット１４の外縁内に押し込まれ、押しボタン２０は、回転体５０Ａ，５０Ｂ及び板ばね５２を介して引き下げられる。呼気カセット１４が十分に深く押し下げられると、ボス２４Ａ，２４Ｂは、板ばね５２の弾性力によって開口２６Ａ，２６Ｂ内へ突出させられ、押しボタン２０が持ち上げられ、呼気カセット１４のロック位置を示す。
【００３０】
説明された実施例の別の態様、例えば２つのボスではなく１つのボスを有する態様が可能である。このような単一のボスは、呼気カセットの前部に配置することができる。押しボタンは、ロックされた位置において突出し、開放位置において呼気カセットの上部と同じ高さになるように配置することができる。押しボタンの代わりに、２つの位置の間の移動を行うためのレバー又は同様のものを使用することができる。収容区分の底部に隆起領域を設ける代わりに、底部が傾斜しているか、ばね付加されたロッドが底部に設けられていることができ、このロッドは呼気カセットが結合されている時には押し込まれなければならない。択一的に、呼気カセットが収容区分に挿入される時に組込み弾性テンションの効果を得るために、呼気カセットに、隆起した領域、傾斜した領域又はばね付加されたロッドを備えた領域を設けることができる。前記のように、互いに垂直に運動を伝達するためのその他の機械的システムを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による呼気カセットを備えたベンチレータを示す図である。
【図２】ベンチレータに設けられた収容区分と相互作用する、呼気カセットに設けられたロック機構を示す図である。
【図３】呼気カセット及び収容区分を別の角度から見た図である。
【図４】呼気カセットに設けられた択一的なロック機構を示す図である。
【符号の説明】
２ ベンチレータ、 ４Ａ，４Ｂ ガス接続部、 ６ ガスミキサ、 ８ 吸気区分、 １０ 第１の接続部、 １２ 第２の接続部、 １４ 呼気カセット、 １６ 排気部、 １８ ハンドル、 ２０ 押しボタン、 ２２ 収容区分、 ２４Ａ，２４Ｂ ボス、 ２６Ａ，２６Ｂ 開口、 ２８Ａ，２８Ｂ 機械的連結部、 ３０ ロッド、 ３２ ばね、 ３４ ガス通路、 ３６ ストッパ、 ３８ 後端部、 ４０ 前端部、 ４２ 底部、 ４４ 突出した領域、４６ 呼気弁、 ４８ 流量計、 ５０Ａ，５０Ｂ 回転体、 ５２ 板ばね

Claims (5)

1. ベンチレータ（２）のための呼気カセット（１４）において、ガス通路（３４）と、呼気弁（４６）と、流量計（４８）とが設けられており、前記呼気カセットがさらにベンチレータ（２）における収容区分（２２）とのロック相互作用及びロック解除相互作用のために構成されたロック機構（２０，２４Ａ，２４Ｂ，２８Ａ，２８Ｂ，３０，３２；５０Ａ，５０Ｂ，５２）を含み、該ロック機構が、ベンチレータ（２）における収容区分とのロック相互作用及びロック解除相互作用のために構成されたロック機構（２０，２４Ａ，２４Ｂ，２８Ａ，２８Ｂ，３０，３２；５０Ａ，５０Ｂ，５２）に移動を付与することによって呼気カセット（１４）を解離するための押しボタン（２０）を含み、該押しボタン（２０）が、前記呼気カセットが収容区分（２２）から取り出されることができる開放位置と、前記呼気カセット（１４）が収容区分（２２）にロックされるロック位置との間を移動することができることを特徴とする、ベンチレータのための呼気カセット。
2. 前記呼気カセット（１４）が、収容区分（２２）のために構成された特定の外縁部を有しており、前記ロック機構（２０，２４Ａ，２４Ｂ，２８Ａ，２８Ｂ，３０，３２；５０Ａ，５０Ｂ，５２）において、押しボタン（２０）が呼気カセット（１４）の上部に配置されており、ロック位置に向かって押しボタン（２０）に力を加えるように配置されたばね装置（３２；５２）が設けられており、前記押しボタン（２０）と前記ばね装置（３２；５２）とに機械的に接続された少なくとも１つのボス（２４Ａ，２４Ｂ）とが設けられており、前記ボス（２４Ａ，２４Ｂ）が、押しボタンのロック位置において、呼気カセット（１４）の特定の外縁部よりも突出し、押しボタンの開放位置において、呼気カセット（１４）の特定の外縁部よりも内方に位置するようになっている、請求項１記載の呼気カセット。
3. 前記ボス（２４Ａ，２４Ｂ）が、呼気カセット（１４）を所定の位置にロックするために、収容区分（２２）に設けられた開口（２６Ａ，２６Ｂ）と相互作用する、請求項２記載の呼気カセット。
4. 前記ロック機構（２０，２４Ａ，２４Ｂ，２８Ａ，２８Ｂ，３０，３２；５０Ａ，５０Ｂ，５２）が、呼気カセット（１４）の一方の端部（４０）に配置されており、呼気カセット（１４）の他方の端部（３８）が、収容区分（２２）に設けられたストッパ（３６）と相互作用するように形成されており、呼気カセット（１４）と収容区分（２２）とが、非平面接触面（４４）を介して相互作用するように形成されており、これにより、呼気カセット（１４）と収容区分（２２）とを連結しかつロックするために必要な抵抗力を形成するようになっている、請求項１から３までのいずれか１項記載の呼気カセット。
5. ハンドル（１８）が設けられている、請求項１から４までのいずれか１項記載の呼気カセット。

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