JP4190142B2 - X線モノクロメータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は高分解能X線回折装置に使用するX線モノクロメータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分解能X線回折装置は「二結晶法」と呼ばれる測定手法をもとにして発展してきた。二結晶法では、単結晶の試料のロッキングカーブ(回折ピークについて回折X線の強度と回折角度との関係をグラフにしたもの)を測定する場合に、第1結晶でX線を回折させて単色化してから、これを試料(第2結晶)に照射している。第1結晶としてはシリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)の完全結晶を用いるのが普通である。この二結晶法では、第1結晶として、試料結晶と同じ結晶でかつ被測定格子面と同じ格子面(同じd値:格子面間隔)を回折面とするものを用いると、ロッキングカーブの角度分解能が最も高くなることが知られている。このように、第1結晶と試料結晶とが同じd値となるようなX線光学系を「平行配置」と呼んでいる。このような理想的な状態にすると、得られるロッキングカーブの半値幅が最も狭くなり、そのときのロッキングカーブの形状は理論的に予想される形状とほぼ一致する。
【0003】
あるいは、第1結晶と試料結晶とを全く同じにしなくても、d値が試料結晶の被測定格子面とほぼ等しくなるような第1結晶を用いても(これを、擬似平行配置という)、分解能が高くなる。例えば、GaAs単結晶やInP単結晶の{400}反射のロッキングカーブを得るために、第1結晶としてGeの完全結晶の{400}反射を用いることができる。
【0004】
第1結晶のd値と第2結晶のd値の差が大きくなると、波長分散による効果がコンボリューションの形で加わって、分解能が低下する。その結果、得られるロッキングカーブの半値幅も広くなってしまう。したがって、二結晶法を用いて最高の分解能でロッキングカーブを測定したいときには、試料結晶の種類と被測定格子面の面指数(反射面指数)とに応じて、そのd値にできるだけ近い第1結晶を選択するのが好ましい。ゆえに、試料結晶の種類と反射面指数とに応じて、第1結晶をこまめに交換して、その都度、X線光学系のアライメントを実施することが必要になる。
【0005】
しかしながら、二結晶法の結晶配置を組み替えてアライメントをし直すことは面倒であり、また、熟練を要する作業である。そこで、この作業を容易にするために、第1結晶の回りに第2結晶を回転調整できるような光学系を採用したり、X線源を第1結晶の回りに回転調整できるようにした光学系を採用したりする工夫がなされてきた(例えば、特開平1−86100)。しかしなお、結晶の交換作業とアライメント作業は必要であり、作業の面倒さは残り、効率的とは言えない。
【0006】
上述の第1結晶は普通は平板結晶であるが、これをチャンネルカットモノクロメータにすることも知られている。チャンネルカットモノクロメータは、モノリシックな単結晶のブロックに溝を加工したものであり、その溝の側面でX線を複数回回折させることで、単色化かつ平行化したX線ビームを取り出すことができる(例えば、特開平9−49899)。そして、チャンネルカットモノクロメータで偶数回(例えば、2回)回折させると、入射X線ビームに対して「平行な方向に」単色化・平行化したX線ビームを取り出すことができる。このように第1結晶の出射X線ビームが入射X線ビームに平行になれば、第1結晶を変更した場合でも、変更前と変更後とで、第1結晶からやって来るX線ビームの方向が互いに平行になるので、第1結晶を変更しても、X線管や試料部(ゴニオメータ部)を「回転」してアライメントする作業が不要になり(並進移動によるアライメントは必要であるが)、装置の設置スペースを最小に抑えることができる。
【0007】
チャンネルカットモノクロメータで得られるX線ビームは、基本的には、1回反射の平板結晶モノクロメータで得られるX線ビームと同等である。ただし、チャンネルカットモノクロメータを使ってX線ビームを「複数回」回折させると、出力されるX線ビームの反射率曲線の裾の部分の強度を極端に落とすことができ、これが複数回回折の効果である。チャンネルカットモノクロメータを使う場合でも、最高の分解能でロッキングカーブを測定するには、やはり、試料結晶の種類と反射面指数とに応じて、最適なd値のチャンネルカットモノクロメータに交換する必要がある。そして、チャンネルカットモノクロメータを交換すると、一般に、試料部を並進移動してアライメントする作業が必要になる。
【0008】
さらに、試料部の並進移動も不要にしたのが4結晶モノクロメータである(例えば、特開昭59−108945、特開平4−264299)。この4結晶モノクロメータは、2個のチャンネルカットモノクロメータを鏡面対称に組み合わせて構成することができる。この4結晶モノクロメータによって得られたX線ビームは、単色性・平行性ともに優れており、かつ、入射X線ビームと出射X線ビームとを同一直線上に配置することができる。4結晶モノクロメータで得られたX線ビームを用いて試料のロッキングカーブを測定すると、試料結晶の種類や反射面指数に依存せずに、常に、高分解能が得られる。しかしながら、この4結晶モノクロメータを使うと、二結晶法に比べて、X線強度が2桁くらい弱くなってしまう欠点がある。そのために、4結晶モノクロメータを使う場合は、(1)強力なX線源が必要になり、X線源が高価なものになってしまう、(2)強度をかせぐために測定時間を長くとる必要がある、などの問題点がある。したがって、モノクロメータの反射面としては、強度の大きなX線ビームを取り出せるような面指数しか使えない。
【0009】
次に、高分解能X線回折装置を用いた評価法の現状について述べる。薄膜化技術が普及するに伴い、高分解能X線回折装置の測定対象も、従来のバルク結晶から基板上の薄膜結晶へと広がっている。そのような薄膜の結晶状態を分類すると、(1)完全エピタキシャル層(pseudomorphic layer)、(2)基板結晶とエピタキシャル層の界面で転移が発生して歪が緩和したエピタキシャル層、(3)方位分布(モザイシティ)を持ったエピタキシャル層、(4)強く配向した多結晶薄膜、(5)無配向の多結晶薄膜、(6)アモルファス状態の薄膜、など多様化している。このような状況の中で、高分解能X線回折装置は、これまでに述べてきたロッキングカーブ測定だけではなくて、反射率測定(低角入射による全反射の近傍での反射率の測定)や、多結晶薄膜回折測定にも適用できるように、1台の装置で多様な機能を兼ね備えたものが求められるようになった。
【0010】
そこで、試料の状態に応じて、試料に照射するX線の平行性や波長域を調整するためのさまざまな入射光学系を用意する必要性が出てきている。そのための手段としては、モジュール化した入射光学ユニットを交換する方法や、結晶を取り外すことなく入射光学系を切り換える方法(例えば、特開平9−49811)が採用されている。しかし、モジュール化した入射光学ユニットを交換する方法は、各種の光学ユニットを取り揃える必要があるのでコスト高になり、また、交換後のファインチューニングが煩わしい。
【0011】
特開平9−49811号公報に開示された入射光学系を切り換える方法では、例えば、次の4通りの入射光学系を選択できる。
(1)ダイレクト取り出し。すなわち、結晶で反射させることなく、そのままX線ビームを通過させる。この入射光学系は、主に多結晶薄膜回折に利用できる。
(2)チャンネルカットモノクロメータ光学系。この入射光学系は、Ge{220}を反射面とするチャンネルカット結晶でX線を2回反射させる。これにより、CuKα2をカットしてCuKα1だけを取り出すことができる。この入射光学系は、主に反射率測定に利用できる。
(3)4結晶モノクロメータ高強度モード。この入射光学系は、Ge{220}を反射面とするチャンネルカット結晶を2個組み合わせており、例えば、エピタキシャル膜のロッキングカーブ測定に利用できる。
(4)4結晶モノクロメータ高分解能モード。この入射光学系は、Ge{440}を反射面とするチャンネルカット結晶を2個組み合わせており、分解能がきわめて良好なので、例えば、完全エピタキシャル層のロッキングカーブ測定に利用できる。
【0012】
このような4通りの入射光学系の切り換えは、CPU制御により、予め設定しておいた登録値になるように各調整軸を設定するだけでよい。したがって、切り換え作業は容易である。しかし、これ以外の入射光学系に設定しようとすると、オプション結晶が必要になる。オプション結晶を取り付けるには、次のような作業を実施することになる。まず、入射光学系に取り付けられている結晶を、機械的クランプを緩めることによって、保持ブロックごと取り外す。それから、オプション結晶を保持したブロックを機械的にクランプする。ただし、クランプされたときの結晶の位置および角度は、クランプの締め方の強さなどで変わるので、再現性は必ずしも良いとは言えない。したがって、光学系を再調整するか、あるいは、少なくとも以前の調整値に設定した後にファインチューニングする必要があり、手間がかかる。
【0013】
上述のオプション結晶としては、次のようなものが考えられる。
(1)ビーム幅を圧縮する非対称反射のチャンネルカットモノクロメータ。このモノクロメータは、X線ビームの強度を稼ぐ目的で利用される。すなわち、入射X線ビームの幅よりも出射X線ビームの幅が小さくなるような非対称反射を利用することで、出射ビームの単位幅当たりのX線強度を稼ぐことができる。ただし、対称反射に比べて角度分解能は落ちる。このモノクロメータは薄膜のX線反射率を測定するのに利用できる。X線反射率法は、薄膜の厚さや密度、及び、表面・界面の密度を評価できる手法である。この手法を、非常に薄い膜まで適用して、高精度に解析するためには、薄膜から反射してくるX線強度の変化を、8桁以上のダイナミックレンジで、すれすれの入射角から10度程度までの角度領域で測定する必要がある。そのためには、幅の狭い高強度の単色X線ビームが必要であり、そのために、このビーム幅圧縮用の非対称反射チャンネルカットモノクロメータを利用できる。
【0014】
(2)ビーム幅を拡大する非対称反射のチャンネルカットモノクロメータ。このモノクロメータは、上述のビーム幅圧縮とは逆に、入射X線ビームの幅よりも出射X線ビームの幅が拡大するような非対称反射を利用する。出射ビームの単位幅当たりのX線強度は小さくなるが、角度分解能は向上する。このモノクロメータは、例えばX線トポグラフィに利用でき、一度に撮影可能な面積を大きくできる。
【0015】
(3)擬似平行配置となるチャンネルカットモノクロメータ。すなわち、チャンネルカット結晶のd値と試料結晶のd値をほぼ等しくする。このモノクロメータを用いると、強度が強くて分解能も高いロッキングカーブを測定できる。エピタキシャル膜の厚さがどんどん薄くなる傾向があるので、エピタキシャル膜からの回折X線の強度が十分取れない場合があり、そのような場合に、このモノクロメータを利用できる。また、4結晶モノクロメータでは強度不足のためにまったく対応できないような次のような場合にも利用できる。(a)結晶に反りがある場合には、その影響を避けるために、試料上のX線照射幅を狭くすることがあり、そのような場合はX線の強度が小さくなる。(b)選択成長させた膜の微小領域の評価においては、X線の照射野自身を幅、高さとも細く絞って、狙った領域にX線を当てる必要がある。このとき、X線ビームの断面は幅20μm、高さ50μm程度まで絞られるので、X線の強度が小さくなる。(c)エピタキシャル薄膜結晶の状態を調べるために、ひとつの試料に対して二つ以上の回折ベクトルで調べる評価法が定着している。例えば、界面での歪みの緩和があるか否かを調べるために、{400}対称反射を観察するほかに、{511}反射や{422}反射を用いた非対称反射を観察することが普通に行われている。このような評価法は、4結晶モノクロメータを導入することで、いずれの反射も分解能良く測定できて、一応の成功を見た。しかし、上述の(a)(b)で説明したような強度不足が問題になる場合は、4結晶モノクロメータでは不十分であり、効率的に測定できない。結局、強度不足が問題となるこれらの場合には、分解能を良好に保ったまま強度のとれる「二結晶法」が有効な方法となり、試料結晶の格子面に対して擬似平行配置となるようなチャンネルカットモノクロメータが利用される。ただし、モノクロメータ結晶の交換とアライメントが必要である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
以上詳述したように、高分解能X線回折装置において、分解能を良好に保ったまま「強度」も十分に確保するには、二結晶法が適している。しかし、二結晶法を採用した場合に、さまざまな条件で測定を可能にするためには、入射光学ユニットを交換したり、入射光学系を切り換えたりする必要があって、作業性が悪い。
【0017】
そこで、この発明の目的は、貫通孔を形成したひとつのモノクロメータを使うだけで反射面の面方位を切り換えることができるX線モノクロメータを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明のX線モノクロメータは、単結晶のブロックを柱状に形成して、その軸方向に貫通するように貫通孔を形成し、この貫通孔の内面をX線ビームの反射面としたものである。このようなモノクロメータを使うと、貫通孔の軸線の回りにモノクロメータを回転させることで、X線が反射する面方位を変えることができる。また、貫通孔の軸線に垂直な回転中心線の回りにモノクロメータを回転させることで、モノクロメータに対するX線の入射角を変えることができる。
【0019】
このモノクロメータは、外形を多角柱にして、貫通孔の断面を円形にすることができる。外形を多角柱にすると、この多角柱の側面を利用することで、貫通孔の軸線の回りのモノクロメータの回転位置を特定の位置にセットするのが容易になる。好ましい実施形態では、外形を八角柱にする。単結晶としては立方晶を使うことができ、その場合、貫通孔の軸方向を立方晶の〈110〉方向に一致させて、八角柱の側面を構成する8個の平面の法線方位を〈100〉〈111〉〈110〉〈211〉の4種類にすることができる。
【0020】
このモノクロメータは、好ましくは、貫通孔の内面でX線ビームが2回反射してから出ていくように設計する。ただし、2回に限定するものではなく、その他の偶数回、例えば、4回または6回の反射をするようにしてもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
最初に、結晶の格子面の面指数(ミラー指数)の表現方法について簡単に説明する。この実施形態で使用しているシリコン結晶の結晶構造は立方晶なので、例えば(100)面に等価な格子面は、これを含めて6個存在する。そして、一般に、それらを代表して{100}というように波形のカッコで表現している。同様に、[100]方向についても、これを含めて6個の等価な方向を代表させて〈100〉というように山形のカッコで表現している。この明細書でも、そのような一般的な表現方法を採用している。シリコン結晶の代わりにゲルマニウム結晶を用いることもできるが、ゲルマニウム結晶も立方晶なので同様である。
【0022】
図1はこの発明の実施形態の斜視図である。このX線モノクロメータ10は、シリコンの単結晶ブロックを加工して作ったものである。このモノクロメータ10は外観が八角柱の形状をしていて、その八角形の断面の中央位置には、軸方向に貫通する円形断面の貫通孔11が形成されている。この貫通孔11の内面をX線の反射面として使う。このモノクロメータ10はトンネル状の貫通孔11の内面を反射面として使うので、以下、トンネルモノクロメータと呼ぶことにする。このトンネルモノクロメータ10は、断面がL形の支持台12と組み合わせて使用する。
【0023】
まず、トンネルモノクロメータ10の外側の形状を説明する。トンネルモノクロメータ10の側面は8個の平面14、16、18、20、22、24、26、28から形成されていて、トンネルモノクロメータ10の横断面は八角形をしている。図2はトンネルモノクロメータ10と支持台12の正面図である。トンネルモノクロメータ10の軸方向(図2の紙面に垂直な方向)はシリコン単結晶の〈110〉方向に一致している。トンネルモノクロメータ10の側面を構成する8個の平面のそれぞれの向きは次のようになっている。第1平面14(図2における上向きの平面)の法線方向はシリコン単結晶の〈100〉方向に一致している。右上向きの第2平面16の法線方向はシリコン単結晶の〈111〉方向に一致している。右向きの第3平面18の法線方向はシリコン単結晶の〈110〉方向に一致している。右下向きの第4平面20の法線方向はシリコン単結晶の〈211〉方向に一致している。下向きの第5平面22は上向きの第1平面14に平行である。左下向きの第6平面24は右上向きの第2平面16に平行である。左向きの第7平面26は右向きの第3平面18に平行である。左上向きの第8平面28は右下向きの第4平面20に平行である。このように、互いに平行な1対の平面が4組形成されている。これらの8個の平面は単一の仮想的な円筒面30に外接している。貫通孔11は円筒面30と同心である。
【0024】
右上向きの第2平面16の法線方向〈111〉は右向きの第3平面18の法線方向〈110〉に対して反時計回りに35.26°の角度をなしている。一方、右下向きの第4平面20の法線方向〈211〉は右向きの第3平面18の法線方向〈110〉に対して時計方向に54.74°の角度をなしている。したがって、これらの二つの法線方向〈111〉と〈211〉は互いに直交する。ゆえに、右上向きの第2平面16と右下向きの第4平面20は互いに直交する。また、上向きの第1平面14の法線方向〈100〉と右向きの第3平面18の法線方向〈110〉は互いに直交するので、第1平面14と第3平面18は互いに直交する。
【0025】
次に、L形の支持台12とトンネルモノクロメータ10との関係を説明する。L形の支持台12は、第1基準面32(図2では水平である)と、これに垂直な第2基準面34とを備えている。トンネルモノクロメータ10の下向きの第5平面22を支持台12の第1基準面32の上に載せてから、このトンネルモノクロメータ10を支持台12の第2基準面34に向かって押し付けると、トンネルモノクロメータ10の右向きの第3平面18が第2基準面34にぴったりと接触する。トンネルモノクロメータ10の第5平面22と第3平面18は互いに直交しているので、これらの平面は、支持台12の二つの基準面32、34(互いに直交する)にぴったりと接触できる。トンネルモノクロメータ10は、適当な押圧バネによってL形の支持台12に軽く押し当てることで支持台12に固定できる。ところで、このトンネルモノクロメータ10は、支持台12に対して4種類の姿勢をとることができる。すなわち、支持台12の第1基準面32に第5平面22を載せた第1姿勢と、第6平面24を載せた第2姿勢と、第4平面20を載せた第3姿勢と、第3平面18を載せた第4姿勢の4種類である。これらの4種類の姿勢を切り換えるということは、図1に示す回転中心線76(貫通孔11の軸線)の回りにトンネルモノクロメータ10を所定角度だけφ回転させることと等価である。換言すれば、所定の角度位置になるようにトンネルモノクロメータをφ回転させるという作業を容易にするために、トンネルモノクロメータの外形を八角柱にしているのである。
【0026】
次に、トンネルモノクロメータ10の側面に形成したスリットを説明する。トンネルモノクロメータ10の四つの平面22、24、26、28にはそれぞれスリット36、38、40、42が形成されている。図2ではこれらのスリットは破線で示されている。これらのスリットは、貫通孔11の内面で反射したX線がモノクロメータから出て行くときの開口になっている。図2において、第1スリット36は貫通孔11の内面から第5平面22までを貫通している。第2スリット38、第2スリット40、第3スリット42は、それぞれ、貫通孔11の内面から第6平面24、第7平面26、第8平面28までを貫通している。図1では、第2スリット38、第3スリット40、第4スリット42が見えている。各スリットは、トンネルモノクロメータ10の軸方向においては、背面側の端面に開口している。各スリットの軸方向の長さは同じではない。これについては後述する。
【0027】
次に、トンネルモノクロメータ10とX線ビームとの位置関係を説明する。図3(b)はトンネルモノクロメータ10の第1姿勢を示す正面図である。この第1姿勢は、トンネルモノクロメータ10の第5平面22を支持台12の第1基準面32に載せて、第3平面18を第2基準面34に接触させた状態である。図3(a)は図3(b)の3a−3a線断面図(水平断面図)である。図3(b)において、トンネルモノクロメータ10の貫通孔11の中心位置の高さにある仮想的な水平面44を考えると、この水平面44内においてX線ビームがトンネルモノクロメータ10に向かって進行してくる。図3(a)において、入射X線ビーム46は貫通孔11の内面上のP1点に入射する。P1点における接平面(貫通孔の内面に接する平面)は第3平面18(第2基準面34に接触している)に平行であり、その法線方向は〈110〉である。特性X線CuKα1線からなる入射X線ビーム46を、P1点における接平面に対して入射角度θで入射させた場合、θ=23.65°のときにシリコン単結晶の{220}面についての回折条件を満足して、X線が貫通孔11の内面で反射する。P1点で反射したX線は、貫通孔11の反対側の内面のQ1点でも同様に反射して、出射X線ビーム48として出ていく。この出射X線ビーム48はトンネルモノクロメータの背面側の端面54から出ていく。この出射X線ビーム48はシリコン単結晶の{220}面で反射したX線なので、図3(a)において220と表示してある。
【0028】
図3(a)において、入射角度θを53.35°にすると(これを入射X線ビーム50とする)、別の回折条件を満足する。この場合は、シリコン単結晶の{440}面についての回折条件を満足する。この入射条件でP1点で反射したX線は、貫通孔11の反対側の内面のR1点に到達し、このR1点でも同様に反射して、出射X線ビーム52として出ていく。この出射X線ビーム52は、今度は、第3スリット40を通過していく。もし第3スリット40を形成していなければ、2回反射の出射X線ビーム52は貫通孔11の内面に衝突してしまうが、第3スリット40を形成してあるために、モノクロメータに邪魔されずに出ていくことができる。第3スリット40の軸方向の長さLは、出射X線ビーム52がモノクロメータにぶつからないような長さにする必要がある。出射X線ビーム52はシリコン単結晶の{440}面で反射したX線なので、図3(a)において440と表示してある。
【0029】
次に、トンネルモノクロメータの第2姿勢を説明する。図4(b)はトンネルモノクロメータ10の第2姿勢を示す正面図である。この第2姿勢は、トンネルモノクロメータ10の第6平面24を支持台12の第1基準面32に載せて、第4平面20を第2基準面34に接触させた状態である。図4(a)は図4(b)の4a−4a線断面図である。入射X線ビーム56は貫通孔11の内面上のP2点に入射する。P2点における接平面は第4平面20(第2基準面34に接触している)に平行であり、その法線方向は〈211〉である。特性X線CuKα1線からなる入射X線ビーム56を、P2点における接平面に対して入射角度θで入射させた場合、θ=44.02°のときにシリコン単結晶の{422}面についての回折条件を満足して、X線が反射する。P2点で反射したX線は、貫通孔11の反対側の内面のQ2点でも同様に反射して、出射X線ビーム58として出ていく。この出射X線ビーム58は第4スリット42を通過していく。第4スリット42の軸方向の長さは、出射X線ビーム58がモノクロメータにぶつからないような長さにする必要がある。当然ながら、第3スリット40(図3(a))の必要長さと第4スリット42の必要長さは異なる。出射X線ビーム58はシリコン単結晶の{422}面で反射したX線なので、図4(a)において422と表示してある。上述のP2点は、空間上の位置としては、図3(a)の状態のP1点と同一位置にある。ただし、トンネルモノクロメータ10の貫通孔11の内面上の位置としては、別の位置にある。
【0030】
次に、トンネルモノクロメータの第3姿勢を説明する。図5(b)はトンネルモノクロメータ10の第3姿勢を示す正面図である。この第3姿勢は、トンネルモノクロメータ10の第4平面20を支持台12の第1基準面32に載せて、第2平面16を第2基準面34に接触させた状態である。図5(a)は図5(b)の5a−5a線断面図である。入射X線ビーム60は貫通孔11の内面上のP3点に入射する。P3点における接平面は第2平面16(第2基準面34に接触している)に平行であり、その法線方向は〈111〉である。特性X線CuKα1線からなる入射X線ビーム60を、P3点における接平面に対して入射角度θで入射させた場合、θ=14.22°でシリコン単結晶の{111}面についての回折条件を満足して、X線が反射する。P3点で反射したX線は、貫通孔11の反対側の内面のQ3点でも同様に反射して、出射X線62ビームとして出ていく。この出射X線ビーム62はトンネルモノクロメータの背面側の端面54のところから出ていく。この出射X線ビーム62はシリコン単結晶の{111}面で反射したX線なので、図5(a)において111と表示してある。
【0031】
図5(a)において、入射角度θを47.48°にすると(これを入射X線ビーム64とする)、別の回折条件を満足する。この場合は、シリコン単結晶の{333}面についての回折条件を満足する。この入射条件でP3点で反射したX線は、貫通孔11の反対側の内面のR3点に到達し、このR3点でも同様に反射して、出射X線ビーム66として出ていく。この出射X線ビーム66は第2スリット38を通過していく。第2スリット38の長さは、出射X線ビーム66がモノクロメータにぶつからないような長さにする必要がある。出射X線ビーム66はシリコン単結晶の{333}面で反射したX線なので、図5(a)において333と表示してある。
【0032】
次に、トンネルモノクロメータの第4姿勢を説明する。図6(b)はトンネルモノクロメータ10の第4姿勢を示す正面図である。この第4姿勢は、トンネルモノクロメータ10の第3平面18を支持台12の第1基準面32に載せて、第1平面14を第2基準面34に接触させた状態である。図6(a)は図6(b)の6a−6a線断面図である。入射X線ビーム68は貫通孔11の内面上のP4点に入射する。P4点における接平面は第1平面14(第2基準面34に接触している)に平行であり、その法線方向は〈100〉である。特性X線CuKα1線からなる入射X線ビーム68を、P4点における接平面に対して入射角度θで入射させた場合、θ=34.57°のときにシリコン単結晶の{400}面における回折条件を満足して、X線が反射する。P4点で反射したX線は、貫通孔11の反対側の内面のQ4点でも同様に反射して、出射X線ビーム70として出ていく。この出射X線ビーム70は第1スリット36を通過していく。第1スリット36の長さは、出射X線ビーム70がモノクロメータにぶつからないような長さにする必要がある。この出射X線ビーム70はシリコン単結晶の{400}面で反射したX線なので、図6(a)において400と表示してある。
【0033】
以上説明した4種類の姿勢と、各姿勢における可能な反射面指数についての一覧表を図12に示す。可能な反射面指数は全部で6種類あり、このトンネルモノクロメータは、取り出すX線を6通りに切り換えることができる。
【0034】
次に、このトンネルモノクロメータをX線回折装置のX線源と試料との間に配置する方法を説明する。図1において、支持台12は回転中心線72の回りに回転可能な回転台(図示せず)の上に載っている。回転中心線72の回りの回転をω回転と呼ぶことにする。このω回転は、トンネルモノクロメータ10に対するX線ビームの入射角を調整するためのものである。回転中心線72は図3に示すように、トンネルモノクロメータ10の貫通孔11の内面に接している。そして、回転中心線72と貫通孔11の内面とが接する位置がP1点である。このように回転中心線72が貫通孔11の内面に接していると、トンネルモノクロメータ10をω回転させたときに、貫通孔11の内面上のX線照射位置が変化しないという利点がある。ただし、回転中心線72は、貫通孔11の内面に接しない位置に設定することも可能である。
【0035】
X線源を固定しておいて、トンネルモノクロメータを動かして、所定の回折条件を満足させるには、次のようにする。図7(a)において、支持台12の上にトンネルモノクロメータ10を第1姿勢の状態で載せて、支持台12を回転中心線72の回りにω回転させると、トンネルモノクロメータ10を入射X線ビーム74に対して傾斜させることができる。入射X線ビーム74が貫通孔11の内面に対して23.65°の入射角度で入射するようにトンネルモノクロメータ10をω回転させれば、図3の{220}反射の状態と同じになる。
【0036】
図7(b)は第1姿勢のトンネルモノクロメータ10を回転中心線72の回りにω回転させて入射角度を53.35°にしたものである。こうすると図3の{440}反射と同じ状態になる。
【0037】
図8は第2姿勢のトンネルモノクロメータ10を回転中心線72の回りにω回転させて入射角度を44.02°にしたものである。こうすると図4の{422}反射と同じ状態になる。
【0038】
図9(a)は第3姿勢のトンネルモノクロメータ10を回転中心線72の回りにω回転させて入射角度を14.22°にしたものである。こうすると図5の{111}反射と同じ状態になる。
【0039】
図9(b)は第3姿勢のトンネルモノクロメータ10を回転中心線72の回りにω回転させて入射角度を47.48°にしたものである。こうすると図5の{333}反射と同じ状態になる。
【0040】
図10は第4姿勢のトンネルモノクロメータ10を回転中心線72の回りにω回転させて入射角度を34.57°にしたものである。こうすると図6の{400}反射と同じ状態になる。
【0041】
図11は立方晶の(110)極を中心とした標準ステレオ投影図である。このステレオ投影図に示されている3個の数字の組は、結晶の格子面の面指数(ミラー指数)を表している。円周上に載っている面指数は、〈100〉方向に垂直な面方位をもつ面指数のうちでブラッグ反射が得られる面指数である。図12に示した6種類の面指数は、いずれも、上述の円周上に載っている面指数(あるいは、その整数倍の面指数)である。なお、面指数では、格子面の表裏を区別するために裏の場合には数字の上に横線を付けるのが普通であるが、この図面では数字の前にマイナス符号を付けている。
【0042】
次に、各反射面で反射した6種類のX線の用途を説明する。{220}反射で得られるX線ビーム(図7(a))は、強度が比較的大きいので、反射率測定(試料表面に対してすれすれにX線を入射させて全反射近傍の反射率を測定するもの)に適している。また、この{220}反射は、2個のトンネルモノクロメータを鏡面対称に配置して4結晶モノクロメータとして使うこともでき、その場合は、ロッキングカーブを測定するのに適している。
【0043】
{440}反射で得られるX線ビーム(図7(b))は、{220}反射に比べて強度は小さいが高分解能であり、やはり、4結晶モノクロメータとして使って、ロッキングカーブを測定するのに適している。
【0044】
{400}反射で得られるX線ビーム(図10)は、擬似平行配置として使うことにより、ロッキングカーブの測定に適している。すなわち、GaAsの{400}面(あるいはその上に成長させたエピタキシャル膜)のロッキングカーブを測定するときに、シリコン結晶の{400}面で回折させたX線を使うことで、二結晶法の擬似平行配置の状況を作り出すことができる。シリコン結晶の{400}面のd値は、測定対象のGaAsの{400}面のd値に近い。
【0045】
{422}反射で得られるX線ビーム(図8)は、擬似平行配置として使うことにより、ロッキングカーブの測定に適している。すなわち、GaAsの非対称反射{422}面(あるいはその上に成長させたエピタキシャル膜)のロッキングカーブを測定するときに、シリコン結晶の{422}面で回折させたX線を使うことで、二結晶法の擬似平行配置の状況を作り出すことができる。
【0046】
{111}反射で得られるX線ビーム(図9(a))は、比較的強度が大きいので反射率測定に適している。
【0047】
{333}反射で得られるX線ビーム(図9(b))は、試料結晶の{511}反射に対する擬似平行配置として使うことにより、ロッキングカーブの測定に適している。{333}面の面間隔(d値)は{511}面の面間隔と同じになるので、例えば、GaAsの非対称反射{511}面(あるいはその上に成長させたエピタキシャル膜)のロッキングカーブを測定するときに、シリコン結晶の{333}面で回折させたX線を使うことで、二結晶法の擬似平行配置の状況を作り出すことができる。
【0048】
次に、実施形態のトンネルモノクロメータの寸法について説明する。図2において、仮想的な円筒面30の直径は10mmから数十mmである。貫通孔11の内径は、円筒面30の直径の3分の1から2分の1である。トンネルモノクロメータの軸方向(長手方向)の必要長さは、貫通孔11の内径と反射のブラッグ角との関連で定まる。上述の6種類の反射の中でブラッグ角が最も低角のものは{111}反射であり、CuKα1のX線波長に対して、入射角は14.22°である(図9(a))。トンネルモノクロメータの必要長さは、この一番低角の反射によって定まる。この場合、貫通孔11の内径を5mmと仮定すると、貫通孔の内面で2回反射するために必要な最低距離(二つの反射点の間の長手方向の距離)は約20mmとなる。実際の設計では、X線の入り口と出口に数mm程度の余裕を持たせるので、トンネルモノクロメータの必要長さは30mm程度となる。
【0049】
図2において、貫通孔11の内面の断面形状は円形ではなく、八角形としてもよい。すなわち、貫通孔11の内面の八角形の各辺を、外面の八角形の各辺と平行になるようにしてもよい。
【0050】
上述の実施形態では、八角柱のトンネルモノクロメータとL形の支持台とを組み合わせることで、4種類の姿勢を容易に設定できるようにしたが、トンネルモノクロメータを軸回りに自由に回転できて、かつ、任意の回転角度で停止できるような回転機構を設ければ(その場合は、八角柱である必要はない)、上述の6種類の反射よりも多くの反射を取り出すことができる。図2のような方位で切り出したトンネルモノクロメータの場合、原理的には、図11のステレオ投影図の円周上に位置するすべての面指数での反射を取り出すことが可能である。その場合は、上述の図12に示す6種類の反射のほかに、{311}{331}{511}の反射が可能である。また、非対称反射になるが{531}反射も可能である。
【0051】
【発明の効果】
この発明のX線モノクロメータは、ひとつの単結晶ブロックにトンネル状の貫通孔を形成して、この貫通孔の内面を反射面としたので、貫通孔の軸線の回りにモノクロメータを回転することによって反射面の面方位を切り換えることができる。したがって、いろいろな面指数で反射したX線を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のモノクロメータの実施形態の斜視図である。
【図2】トンネルモノクロメータと支持台の正面図である。
【図3】第1の姿勢のトンネルモノクロメータとX線ビームとの位置関係を示す平面断面図と正面図である。
【図4】第2の姿勢のトンネルモノクロメータとX線ビームとの位置関係を示す平面断面図と正面図である。
【図5】第3の姿勢のトンネルモノクロメータとX線ビームとの位置関係を示す平面断面図と正面図である。
【図6】第4の姿勢のトンネルモノクロメータとX線ビームとの位置関係を示す平面断面図と正面図である。
【図7】入射X線の方向を一定にしたときの第1の姿勢のトンネルモノクロメータの二つの設定状態を示す水平断面図である。
【図8】入射X線の方向を一定にしたときの第2の姿勢のトンネルモノクロメータの設定状態を示す水平断面図である。
【図9】入射X線の方向を一定にしたときの第3の姿勢のトンネルモノクロメータの二つの設定状態を示す水平断面図である。
【図10】入射X線の方向を一定にしたときの第4の姿勢のトンネルモノクロメータの設定状態を示す水平断面図である。
【図11】立方晶の(110)面の標準ステレオ投影図である。
【図12】可能な6種類の反射の面指数を示す一覧表である。
【符号の説明】
10 トンネルモノクロメータ
11 貫通孔
12 支持台
14 第1平面
16 第2平面
18 第3平面
20 第4平面
22 第5平面
24 第6平面
26 第7平面
28 第8平面
30 円筒面
32 第1基準面
34 第2基準面
36 第1スリット
38 第2スリット
40 第3スリット
42 第4スリット
72 ω回転の回転中心線
76 φ回転の回転中心線

Claims (6)

  1. 単結晶のブロックを柱状に形成して、その軸方向に貫通するように貫通孔を形成し、この貫通孔の内面をX線ビームの反射面としたX線モノクロメータ。
  2. 単結晶のブロックの外形を多角柱にして、その軸方向に貫通するように断面が円形の貫通孔を形成し、この貫通孔の内面でX線ビームが偶数回反射するようにしたX線モノクロメータ。
  3. 請求項1または2に記載のX線モノクロメータにおいて、前記単結晶は立方晶であり、前記貫通孔の軸方向は前記立方晶の〈110〉方向に一致していることを特徴とするX線モノクロメータ。
  4. 請求項2に記載のX線モノクロメータにおいて、前記多角柱は八角柱であり、この八角柱の側面は第1平面から第8平面までの8個の平面からなり、第1平面と第5平面は互いに平行であり、第2平面と第6平面は互いに平行であり、第3平面と第7平面が互いに平行であり、第4平面と第8平面は互いに平行であり、第1平面と第3平面は互いに垂直であり、第2平面と第4平面は互いに垂直であり、前記8個の平面は同一の仮想的な円筒面に外接していることを特徴とするX線モノクロメータ。
  5. 請求項4に記載のX線モノクロメータにおいて、前記単結晶は立方晶であり、前記貫通孔の軸方向は前記立方晶の〈110〉方向に一致しており、前記第1平面と第5平面の法線方向は前記立方晶の〈100〉方向に一致しており、前記第2平面と第6平面の法線方向は前記立方晶の〈111〉方向に一致しており、前記第1平面と第5平面の法線方向は前記立方晶の〈110〉方向に一致しており、前記第1平面と第5平面の法線方向は前記立方晶の〈211〉方向に一致していることを特徴とするX線モノクロメータ。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載のX線モノクロメータにおいて、前記柱状のブロックの側面に、前記貫通孔の内面で反射したX線ビームが出て行くための開口が形成されていることを特徴とするX線モノクロメータ。
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