JP4190031B2 - 子宮頸細胞の検定評価 - Google Patents

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Description

本発明は子宮頸細胞を含む組織サンプル中の細胞の検定評価に関する。より詳細には、子宮頸細胞の状態の評価に関し、正常なものと正常から何らかのズレのあるものを判別し、通常は子宮頸細胞に異常がある女性を検出するためのスクリーニング用に利用される。異常が発見されたサンプルはさらに詳細に検査され、子宮頸内の細胞の状態がさらに調査されることになる。悪性または前悪性状態であると判定されると、通常さらに大規模な診断が行われ、適切な処置が施される。
子宮頸のがんは女性において2番目に多いがんである。現在の検出方法はパパニコロウ染色法、別名PAPテストであり、これはスメアサンプル中の細胞を従来使用されている細胞染料を使用して染色し、細胞核と細胞質を顕微鏡を用いて視覚的に検出可能とする方法である。訓練された検査員が検査細胞の正常性またはそうでないかについて半主観的な評価を行う。PAPテストは世界的に受け入れられてはいるが、多大の労力を必要とすると共に人的なエラーを招きやすい。これは、最近よく発表されているように、一日中スメアサンプルを見続ける少数の人によって行われる評価の正確性に疑いが投げかけられていることからもわかる。
子宮頸細胞サンプル中の細胞の状態を評価する別の方法、ないしはより客観的な評価方法が有用かつ利点が多いということになろう。主観的な視覚的評価を必要とすることから生じる問題を取り除くか、少なくとも改善することによって恩恵が得られることになる。
哺乳類の体の組織中にある細胞は、特定の細胞集団に特異的であるか、または部分的に限定されるかのいずれかの細胞マーカーを発現することが知られている。異なる細胞集団はこれら個々の細胞マーカーによって区別できることになる。このように、ある細胞はその集団を規定するマーカーを発現することによって特定の細胞集団(たとえばリンパ系細胞)に属することが示されることになる。
これらの細胞マーカーはさまざまな種類の分子であり、蛋白質、脂質、炭水化物、ならびに糖蛋白質、糖脂質およびリポ蛋白質といったそれらの組み合わせが含まれる。
細胞マーカー類は所定の特異性を有する抗体などの結合性分子を利用して検出することが可能である。そうした結合性分子を、特定のマーカーを有する細胞、ひいては特定の細胞集団に属する細胞の定性的または定量的検出に利用することができる。
ホームズ(Holmes)らはすでに、肝臓中の正常肝細胞の抗原に特異的に結合するが肝細胞以外の細胞には結合できないモノクローナル抗体について記述している。数多くの移植および原発性ジメチルアミノアゾベンゼン誘発肝癌だけでなく、さまざまな肝臓疾患の患者の肝細胞では結合が検出されなかった(Tumour Progression Markers−ヨーロピアン・アソシエーション・フォア・キャンサー・リサーチ第6回会合会報、1981年10月12−15日、ブダペスト、471−481(1982);Liver(1983)、3:295−302;Int.J.Cancer(1982)、29:559−565;Cancer Research(1984)、44:1611−1624参照)。
本発明は、正常性を示す子宮頸細胞上の表面抗原のパターンを認めることが可能であり、それにより正常性が確定されたパターンからのズレを認識することができる、という認識に基づいている。便宜的には、抗体またはその他の特異的結合分子を細胞のマーカー抗原の定性および/または定量的検出に利用し、一以上のマーカーの発現の増大または減少あるいは消失を、疾患(または前疾患)の状態に関連付けできるようにする。スクリーニングの場合は、この方法によって正常から外れたサンプルを同定し、さらなる検査をすすめることが可能となる。すなわち、疑わしいサンプルは適切な資格者によりさらに詳細な検査をするように浮かび上がる。もし特定のサンプルにおける異常性が深刻または潜在的に深刻な場合はさらなる検査を行った後、おそらくはそのサンプルが取得された女性を治療するために適切なステップが取られることになる。治療の必要性に関する診断と決定ならびに治療の性質は臨床医に委ねられる。
本発明の運用においては、テストに実際に利用されるマーカー抗原類が同定される必要はない。究極的には、抗体又はその他の結合性分子のパネルが正常な子宮頸に関連づけられたパターンを有する子宮頸細胞を確定できると確認されること、およびそれら結合分子の結合の正常なパターンからのズレが病理学的状態の始まりに関連付けられることが重要なのである。これにより子宮頸細胞を含むサンプルにおける病状の始まりが、それら特異的結合分子の確立された正常パターンからの何らかのズレにより同定されることになる。
このことは子宮頸のさまざまな細胞に結合することができる5種類のモノクローナル抗体に関連付けた本明細書中のデータで例示される。子宮頸細胞を含む異常組織サンプルに対するこれら抗体の結合パターンは、正常な子宮頸サンプルに結合するパターンとは異なるので、異常を同定することができる。前の段落に示された要件を満たす限り、明らかにその他の特異的結合分子類も本発明の各様相に基づいて問題なく採用することができる。そうしたその他の分子類は、例示した抗体により結合される抗原に、同一または異なるエピトープにより結合するだろう。実際には、それらは全く異なる抗原に結合するかもしれない。
本発明の第一の側面では、子宮頸の細胞を含む組織サンプルの異常性を判定する方法が提供されるが、本法はサンプルに対する抗体の結合を判定し、その結合を正常な子宮頸細胞サンプルに対する当該抗体の結合パターンと比較することを包含する。正常な子宮頸細胞に対する抗体の結合パターンは、通常は本法の実施前に確立することができるだろう。
正常サンプルとテストサンプルに対する抗体の反応性を何らかの適当な手段により判定する。個々のリポーター分子により標識付けすることも可能な方法の1つである。このリポーター分子は検出可能な、かつ好ましくは測定可能な信号を直接的または間接的に発する。リポーター分子の結合は、直接的または間接的、例えばペプチド結合を通した共有的、または非共有的なものでもよい。ペプチド結合による結合は、抗体とリポーター分子をコードする遺伝子融合の組換え発現の結果としてもよい。
好ましい方式の1つは、各抗体と蛍光色素、リン光体またはスペクトル的に単離吸収または発光特性を示すレーザー染料との個々の共有結合によるものである。好適な蛍光色素としては、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリンおよびテキサスレッドなどが挙げられる。好適な色素産生染料としてはジアミノベンジジンが挙げられる。
その他のリポーター分子としては、着色された磁性または常磁性のラテックスビーズなど巨大分子のコロイド状粒子または粒状物質、および目視的に観察できるか、電子的に検出もしくはその他の方法で記録できる検出可能な信号を直接的または間接的に発することができる生物学的または化学的に活性な薬剤が挙げられる。これらの分子は、たとえば発色するか、変色するか、あるいは電気特性を変化させる反応を触媒する酵素でもよい。これらの分子は分子的に励起可能なもので、エネルギー状態における電子的遷移が特徴的なスペクトルの吸収または発光を起こすようなものである。これらにはバイオセンサーと共用する化学物質も含有させることができる。ビオチン/アビジンまたはビオチン/ストレプトアビジンおよびアルカリホスファターゼ検出システムを利用することができる。
結合の判定方式は本発明の特徴となるものではなく、当分野の熟練者は彼らの好みと一般的な知識に基づいて適切な方式を選択することができる。
個々の抗体リポーター接合体により発せられる信号を、正常サンプルおよびテストサンプル中で結合する関連抗体の絶対的または相対的定量可能データを引き出すために利用することができる。さらに、ヨウ化プロピジウムなどの一般的な核染色剤もサンプル採取したスメア(塗沫標本)中の全細胞集団を計測するのに利用することができ、少なくとも個々の抗体反応性が特定の子宮頸細胞集団と相関性を有する場合には、スメア中の全細胞数に係わる個々の細胞集団の定量比を得ることができる。
特定の細胞集団の絶対数の実際の増大または減少は、本発明の目的上必要とされる要件ではない。確立された正常性パラメータに対する何らかの抗体結合の検出の変化(と表現型細胞マーカーの示唆する変化)が、検出可能、かつ好ましくは定量可能であることが重要なのである。
加えて、白血球などの非上皮細胞は病理学的状況によっては子宮頸組織に進入することが知られている。これらの細胞は汎白血球マーカーに対する市販のモノクローナル抗体を利用することにより計測することができ、これを利用すればさらに分析のレベルを上げることになる。
対象標的に対して特異的な抗体は当分野で標準となっている技法を利用して得ることができる。抗体を産生させる方法としては、哺乳類(たとえばマウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジまたはサル)を蛋白質またはそのフラグメント、あるいは蛋白質またはフラグメントを発現する細胞またはウイルスで免疫する。標的ポリペプチドをコードするDNAで免疫することも可能である。抗体は当分野で周知のさまざまな技法を利用して免疫した動物から得ることができ、好ましくは対象抗原に抗体を結合させる方法を利用してスクリーニングする。たとえば、ウエスタン・ブロッティング法または免疫沈降法を利用することができる(アーミテージ[Armitage]ら、1992、Nature 357:80−82)。
モノクローナル抗体の産生は当分野では十分に確立されている。モノクローナル抗体は、組換えDNA技法によって当初の抗体の特異性を保持するその他の抗体またはキメラ分子を産生させることができる。そうした技法としては、抗体のイムノグロブリン可変領域または相補性決定部位(CDR)をコードするDNAを、異なるイムノグロブリンの定常部または定常部と枠組み構造領域をプラスした領域に導入する方法がある。たとえば、欧州特許第184187A号、英国特許第2188638A号または欧州特許公開明細書−A−0239400号を参照。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマに遺伝子突然変異またはその他の変化を引き起こさせることもできるが、その結果、産生抗体の結合特異性が変化するかもしれないし、しないかもしれない。
哺乳類をペプチドで免疫する代わりまたはペプチドによる免疫を補完するものとして、組換え手法で産生した表現されているイムノグロブリン可変ドメインのライブラリから、たとえば、その表面に機能的イムノグロブリン結合ドメインを示しているラムダ・バクテリオファージまたは繊維状バクテリオファージを利用して、標的に特異的な抗体を得ることもできる。たとえばWO92/01047参照。このライブラリは実験されていないもの、すなわち標的で免疫されていない生物から得た配列で構築されているか、あるいは対象抗原に曝露した生物(またはそのフラグメント)から得られた配列を利用して構築されたものである。
抗体は多くの方法によって変化させることができる。実際に(本発明における)“抗体”という用語は、必要とされる特異性の結合ドメインを有する何らかの特異性結合物質を含むものと解釈するものとする。したがってこれには、抗体フラグメント、誘導物、抗体の機能的相当物や相同体など、天然であれ合成であれイムノグロブリン結合ドメインを包含するすべてのポリペプチド類が含まれる。したがって、イムノグロブリン結合ドメインまたはその相当物を別のポリペプチドに融合させたものを含むキメラ分子類も含まれることになる。キメラ抗体類のクローニングおよび発現は、欧州特許公開明細書−A−0120694号および欧州特許公開明細書−A−0125023号に記述されている。
抗原結合の機能は抗体全体の各種フラグメントにより果たされることが示されている。結合フラグメントの例としては、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインで構成されるFabフラグメント;(ii)VHおよびCH1ドメインで構成されるFdフラグメント;(iii)単一抗体のVLおよびVH領域で構成されるFvフラグメント;(iv)VHドメインで構成されるdAbフラグメント(ワード[Ward]、E.S.ら、Nature 341、544−546(1989));(v)単離されたCDR領域;(vi)2つの結合Fabフラグメントを包む二価フラグメントであるF(ab’)2フラグメント;(vii)単鎖Fv分子(scFv)、ただしVHドメインとVLドメインは1つの抗原結合部位を形成するために2つのドメインを会合させるペプチド・リンカーにより結合されている(バード[Bird]ら、Science 242、423−426(1988);ヒューストン[Huston]ら、PNAS USA、85、5879−5883、1988);(viii)二重特異性単鎖Fvダイマー(PCT/US92/09965);ならびに(ix)遺伝子融合により構築された多価または多特異性フラグメントである“ダイアボディ類[diabodies]”(WO 94/13804;P.ホリジャー[Holliger]ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90、6444−6448、1993)などがある。
本発明に使用するモノクローナル抗体を産生することができるハイブリドーマはすでに寄託しており、これらはモノクローナル抗体自体と同様に、本発明の各様相を表すものである。即ち本発明は、ECACC 95020718、95020716、95020720、95020717および95020719として寄託されたそれぞれのハイブリドーマ、ならびに特異性が同一または変化した特異性の抗体を産生できるかどうかは問わず、これら各ハイブリドーマの突然変異物、誘導物および後代を提供するものである。
本発明はまた、組織サンプル中の子宮頸細胞の状態/状況の評価に使用されるその他の抗体の取得において得られるハイブリドーマおよび抗体類の使用も含む。すなわち、子宮頸の一以上の細胞型の表面に認められる抗原に結合することができるその他の抗体の使用も含まれる。そうした使用法としては、寄託ハイブリドーマから得られるすべての抗体によって捕捉される抗原の単離、ならびに前述のような免疫および/または“ファージライブラリ”のスクリーニングなどによってさらなる抗体を得る場合の抗原の使用も含まれる。抗原は、たとえば子宮頸細胞抽出物から免疫沈降により単離されるが、たとえばこれをさらなるモノクローナル抗体の生成、あるいは“ファージライブラリ”のスクリーニングなどに適宜使用することができる。
さらに、それら抗体の1つをコードする核酸も、それらハイブリドーマのいずれかから単離して、全抗体、抗体フラグメントまたは他のポリペプチドに融合させた抗体/抗体フラグメントのキメラを産生させるための組換え発現システムに使用することができる(たとえば、ペプチドタグまたは酵素等を用いた標識付け)。前述のように、キメラ抗体のクローニングと発現については、欧州特許公開明細書−A−0120694号および欧州特許公開明細書−A−0125023号に記述されている。
抗体および抗体フラグメントを含むポリペプチド類の組換え発現は当分野では周知である。
さまざまな宿主細胞中でポリペプチドをクローニングし、また発現させるシステムは周知となっている。好適な宿主細胞としては、バクテリア、哺乳類細胞、酵母およびバキュロウイルス系が挙げられる。異種ポリペプチドの発現用として当分野で入手可能な哺乳類細胞系としては、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター肝細胞およびその他多くのものがある。一般的な好ましいバクテリア宿主は大腸菌である。
プロモーター配列、ターミネーター・フラグメント、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子およびその他必要に応じた配列などの適当な制御配列を含む適切なベクターを選択または構築することができる。詳細については、たとえば、分子クローニング:ラボラトリー マニュアル:第2版、サンブルック(Sambrook)ら、1989、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー プレス刊を参照。トランスフォーメーションの方法は使用する宿主により異なるが、周知の事項である。
したがって、本発明は寄託ハイブリドーマから得られるすべての(すなわち一以上の)抗体が結合することができる抗原と結合できるすべての抗体または抗体フラグメントを包含する。同一の抗原に対する結合能力は、たとえば結合阻害検定または電気泳動でのバンドシフト検定により評価することができる。
本発明はまたさらに別の観点からは、ここに開示するように組織サンプル中の子宮頸細胞の性質または状態を評価する場合に、本発明の寄託ハイブリドーマから得られるものを含むすべての抗体または抗体フラグメントの使用をも提供するものである。
本発明のさらなる様相および実施態様は当分野の熟練技術者には明らかであろう。
本発明の実施態様を実施例によりさらに説明する前に、子宮頸の組織とそこに見られる種々の細胞型の間の関係を理解しておくことが役立つであろう。
正常および病的状態における子宮頸の細胞集団
子宮頸は基本的に2つの明確に区分された細胞型、すなわち、偏平上皮と円柱上皮で構成されており、それらはそれぞれ解剖学的に区別される組織領域に存在する。偏平上皮は子宮頸口(子宮頸os)の外部(exocervix)に存在し、一方円柱上皮は子宮頸管内(endocervix)に伸びている。これら2つの異なる上皮細胞型は子宮頸口付近の偏平−円柱接合部で交叉する。この偏平−円柱接合部は悪性腫瘍の大半が発生する場所であるため臨床的に重要である。診断を適正なものとするためには、子宮頸のスメアサンプルはこの領域からの細胞を含んでいなければならない。これが確実に行われるようにするためには、スメアは円柱細胞と同時に偏平上皮細胞も含んだものとしなければならない。
円柱細胞は子宮頸粘液の発生源である。それらの細胞は通常子宮頸内膜をライニングする単一細胞層となっており、深い襞で子宮頸腺を形成している。子宮頸腫瘍のわずかな比率(5%)は円柱細胞から派生する分泌腺悪性腫瘍である。
ある子宮頸では、いわゆる貯蔵細胞集団と呼ばれる立方細胞層が円柱細胞の下にある。貯蔵細胞の役割は明らかにはなっていないが、多くの研究者は円柱上皮の生成に至るものと考えている。
円柱上皮とは対照的に、偏平上皮は常に再生される多層のダイナミック幹細胞システムであって、ここにほとんどの子宮頸腫瘍(95%)が発生する。
幹細胞区画そのものは基底細胞層内の基底膜に隣接して存在する。幹細胞の分裂により、副基体、中間体および表皮細胞誘導物ができる。これらは従来それらの特性形態および偏平上皮内の場所に応じて定義されている。偏平上皮の最深層にある基底細胞からその表面の表皮細胞への転移は、段階的分化と子宮頸表面での表皮偏平上皮細胞の増殖の最終的分化に関係するとされている。
偏平−円柱接合部に隣接する転移領域(TZ)は、化生性(metaplastic)の偏平−上皮領域を含むことから臨床的重要性がある。これは思春期(成熟期)になって膣の酸性環境に応じて生じる。本明細書に提示したデータは、TZが存在するサンプルの割合も定量的に示すものである。
非限定的な例証として示す本発明の実施態様の例示
略語
ATCC−米国基準菌株保存機関;CIN−子宮頸上皮内腫瘍形成;CHAPS−(3−[コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート);CD−確立された細胞マーカーのCD(cluster designation)命名法;DAB−ジアミノベンジジン;ECACC−動物細胞培養ヨーロッパ保存機関;EDTA−エチレンジアミンテトラ酢酸;HLA−ヒト白血球抗原;HRPO−西洋ワサビペルオキシダーゼ;Ig−イムノグロブリン;kDA−キロダルトン;Mab−モノクローナル抗体;Mwt−分子量;NS1−非分泌型1;PAGE−ポリアクリルアミドゲル電気泳動;PBS−リン酸緩衝生理食塩水;PAP−パパニコロー塗抹標本試験;SDS−ドデシル硫酸ナトリウム;TBS−トリス緩衝生理食塩水;TZ−遷移域;W/V−重量/体積比。
細胞マーカー
ここに開示する研究は、標準的な条件下で所定の系統内における動物の分化過程が進むにつれて、細胞表面マーカーが得られたり、または失われることを示す。従って、これらのマーカーに対する特異的な反応性を示すモノクローナル抗体や他の結合分子は、分化過程に沿った正常な細胞の発達をモニターする手段を提供する。病理学的な条件下では、これらのマーカーの正常な増大または減少は撹乱されるかもしれない。従って、特定の細胞集団はその分化過程中における明確に判別される段階において増殖するか、または分裂停止するので、細胞表面マーカーの増大または減少が検出可能である。
ここに記載する抗体の反応性は、反応性の重複した連続体がヒト子宮頸に於ける正常な鱗状の上皮細胞を通して観察される状況を示している。
ここに示す5つのモノクローナル抗体の名称は次の命名法による;
1.CV3.6B5/F3/C2、ECACC95020718として寄託されたハイブリドーマ
2.2C7/B4/D6.、ECACC95020716として寄託されたハイブリドーマ
3.CV5.9G5.C6、ECACC95020720として寄託されたハイブリドーマ
4.HG3/E11/C4、ECACC95020717として寄託されたハイブリドーマ
5.BC4/E7/E5、ECACC95020719として寄託されたハイブリドーマ
本明細書では一般に、これらの抗体はその略称で記載する。ハイブリドーマは、1995年2月6日、英国SP4 0JGウィルトシャー、サリスベリー在の動物細胞培養ヨーロッパ保存機関(ECACC)、応用微生物&研究センター(Centre for Applied Microbiology & Research)に寄託されている。
このように;
基底細胞は、 6B5+ BC4− 9G5− HG3− 2C7−
パラ基底細胞は、6B5+ BC4+ 9G5− HG3− 2C7−
中間細胞は、 6B5− BC4+ 9G5+ HG3+ 2C7−
表在性鱗状体は、6B5− BC4− 9G5+ HG3+ 2C7−
円柱細胞は、 6B5+ BC4− 9G5− HG3− 2C7+
である。
これらの特徴的な抗体の反応性プロフィールによって、扁平上皮細胞の分化における明確に判別可能な段階が再現可能に規定される。加えて、それらの反応性プロフィールによって扁平上皮細胞と円柱上皮細胞を容易に区別することが出来る。
結果の簡単な説明
子宮頸癌腫細胞系の細胞表面と子宮頸扁平上皮の膜標本からの、6B5標的タンパク質の免疫沈降
(a)子宮頸癌腫細胞系C4II(Auersperg 1969.J.Natl.Cancer Inst.USA 43 151-173)の細胞表面タンパク質を乳糖ペルオキシダーゼ法によって放射性ヨウ素化を行った。細胞を界面活性剤CHAPS(3−[3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩)で溶解した。同量の溶解産物に対するテストMabを用いて免疫沈降を行った(Houlihanら、1992 J.Immunol.149 668-675)。その結果は、Mab 6B5が子宮頸上皮細胞系で、約181kDaと184kDaのコンポーネントを伴った細胞表面二量体タンパク質を検出していることを示している。
(b)標準的な膜抽出物を子宮頸扁平上皮のシートから作製した(Evans 1979.Laboatory techniques in biochemistry and molecular biology,Eds.Work and Work 7 1-266,Elservier)。ヨウ素ビーズ(Markwell 1982.Anlyt.Biochem.125 427-432)を用いて膜の放射ヨウ素化を行い、CHAPS中に溶解した。免疫沈降を上記の方法で実施した。その結果は、(a)に見られる子宮頸扁平上皮の膜会合フラクション中にもこのタンパク質の同様の形態が存在することを示している。
免疫沈降物は、還元条件下でSDS−PAGEによって解析し、オートラジオグラフィーを行った(Laemmli 1979.Nature 227 133-681)。
C4II細胞からの6B5標的のアフィニティー分離:
Houlihanら、1992(J.Immunol.149 668-675)に従って、アフィニティークロマトグラフィーを実施した。精製した6B5抗体をプロテインG−セファロースに結合して、ジメチルピメリミデートと架橋させた。2x108個のC4II細胞を界面活性剤CHAPS中に溶解した。マウスIg−セファロースとプロテインAセファロース(Sigma)を含み、予め液で充填されているカラムに溶解産物を通し、次いで6B5抗体カラムに通した。両方のカラムを10倍量の溶解緩衝液で洗浄し、次に50mMのトリエチレンアミン、pH11.5で溶出を行った。溶出液は2Mグリシン pH2.0で中和させ、ミクロウルトラフィルター法で濃縮し、還元条件下、およびクマシーブルー染色液の存在下で、SDS−PAGEで解析を行った。
180kDa生成物の単一バンドが特異的に6B5カラムによって分離され、還元された溶出液中に検出された。この化合物はネガティブコントロールである溶出液−マウスIg/プロテインAセファロースカラムには観察されなかった。ネガティブコントロールカラムには溶出間に浸出した免疫グロブリンH鎖が存在したが、マウスIg/プロテインA セファロース溶出液中には存在しなかった。
界面活性剤で溶解した子宮頸内膜試料の抗体2C7を用いた免疫ブロッティング:
子宮頸内膜組織をハンクス緩衝生理食塩水中で細かく刻み、CHAPS緩衝液(3−[3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩)に溶解した。界面活性剤可溶性試料は、30kD除去フィルターを用いて、ミクロウルトラフィルター法で濃縮を行った。還元条件下、ラムリ(Laemmli)試料緩衝液中で、1%アガロースゲルを用いてタンパク質を電気泳動的に分離した。タンパク質は、免疫ブロッティングによって微細穴性膜にトランスファーした。Mabを用いて同一のストリップについて標識を行い、組織培養上清をネガティブコントロールとして用いた。並行したストリップについて、糖タンパク質を染色する過ヨウ素酸−シッフ試薬と、一般タンパク質染色液としてクマシーブルー(方法は次の文献に基づいている:Moralesら、1993 Human Reproduction 8 78-83)を用いて染色を行った。組織培養上清を免疫ブロットネガティブコントロールとして用いた。
Mab 2C7は、過ヨウ素酸−シッフ試薬によって染色された試料に対応して、高い分子量域に移動したコンポーネントを特異的に検出している。この試料の大きな分子量(>500kDa)と過ヨウ素酸−シッフ試薬による検出は、ムチンの存在と一致している。MaBは、クマシーブルーによって染色される顕著に低い分子量の試料中のタンパク質に対してはどれとも反応性を示さなかった。
Mab 9G5を用いた、界面活性剤で溶解した子宮頸上皮の免疫ブロッティング:
扁平上皮を正常な子宮頸から酵素ディスパーゼ(Boehringer)を用いてシート状に分離した。シートは界面活性剤CHAPS(3−[3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩)中で溶解させた。サイトケラチンの豊富な抽出物を、フランク(Franke)らの方法によって1981(Exp.Cell Res.131 209-213)、CHAPS不溶性試料から調製した。界面活性剤(D)抽出物とサイトケラチン(C)抽出物の双方を、還元条件下で、SDS−PAGEを用いた(Laemmli 1970.Nature 227 133-681)電気泳動による分離に付し、タンパク質を微細孔膜にトランスファーして免疫ブロッティングを行った(Towbinら、1979.Proc.Natl.Acad Sci USA 76 4350-4354)。
Mab 9G5は、界面活性剤−溶解抽出物中に単一の40kDa生成物を検出したが、子宮頸扁平上皮のサイトケラチン抽出物中には検出しなかった。汎反応性サイトケラチン Mab AH3 (J.M.Houlihan Ph.D.による論文、ブリストル大学1993)をコントロールとして用いたが、サイトケラチン抽出物中からはケラチンが検出されている。
ヒト羊膜細胞からの9G5標的タンパク質のアフィニティークロマトグラフィーによる分離:
アフィニティークロマトグラフィーをHoulihanら、1992(J.Immunol.149 668-675)に従って実施した。精製したMab 9G5をプロテインGセファロースに結合し、ジメチルピメリミデートで橋渡しを行った。Holmsら、1990.(J.Immunol.144 3099-3015)の方法により、トリプシン中でインキュベート処理を行い、引き続きコラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼ処理によって、妊娠胎盤膜から2x108個の羊膜細胞を分離し、界面活性剤TX−100中に溶解した。マウスIgおよびプロテインAセファロースとMab 9G5カラムを含み、予め液で充填されているカラムに溶解産物を通した。Mab 9G5カラムを50mMトリエチレンアミン、pH11.5で溶出した。溶出液をミクロウルトラフィルター法で濃縮し、非還元条件下およびクマシーブルー染色液存在下でSDS−PAGEにより解析を行った。
単一の40kDa生成物が、Mab 9G5 アフィニティーカラムによって羊膜細胞溶解産物から分離された。この溶出液のフラクションを9G5 Mabを用いた免疫ブロッティングにより試験を行い、この時、関連のないIgG1 Mabをネガティブコントロールとして用いた。9G5は40kDa生成物に反応した。ネガティブコントロールMaBで標識したストリップはブランクである。
Mab HG3を用いた、界面活性剤で溶解した子宮頸上皮の免疫ブロッティング:
扁平上皮を正常な子宮頸から酵素ディスパーゼ(Boehringer)を用いてシート状に分離した。シートは界面活性剤CHAPS(3−[3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩)中で溶解させた。CHAPS可溶な試料の同量を加え、非還元および還元条件下で、SDS−PAGE(Laemmli 1970.Nature 227 133-681)を用いた電気泳動による分離に付した。タンパク質を微細孔膜にトランスファーして免疫ブロッティングを行った(Towbinら、1979.Proc.Natl.Acad Sci USA 76 4350-4354)。ストリップを並置して、Mab HG3による試験を行った。この試験では組織培養上清をネガティブコントロールとして用いた。
ネガティブコントロールブロットはブランクであった。
(NR−非還元;R−還元)
Mab HG3は、界面活性剤可溶な子宮頸鱗上皮中に、非還元および還元条件下のどちらにおいても、約180kDaの生成物を検出した。
Mab BC4を用いた、界面活性剤可溶および界面活性剤不可溶な子宮頸上皮の免疫ブロッティング:
扁平上皮を正常な子宮頸から酵素ディスパーゼ(Boehringer)を用いてシート状に分離した。シートは界面活性剤CHAPS(3−[3−コラミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸塩)中で溶解させた。CHAPS可溶性およびCHAPS非可溶性試料を同量となるように調製した。可溶性および非可溶性フラクションの同量を、SDS−PAGE(Laemmli 1970.Nature 227 133-681)を用いた電気泳動による分離に付した。界面活性剤可溶性フラクションを非還元および還元条件下で解析し、一方で界面活性剤非可溶性フラクションを還元条件下で試験した。タンパク質を微細孔膜にトランスファーして免疫ブロッティングを行った(Towbinら、1979.Proc.Natl.Acad Sci USA 76 4350-4354)。ストリップを並置して、Mab BC4による試験を行った。組織培養上清をネガティブコントロールとして用いた。
ネガティブコントロールブロットはブランクであった。
Mab BC4は、界面活性剤可溶な子宮頸扁平上皮抽出物中に、非還元条件下で、200−210kDaのタンパク質を検出したが、還元条件下では検出しなかった。子宮頸鱗上皮の界面活性剤非可溶性フラクション中には何の生成物も検出しなかった。
子宮頸生検(バイオプシー)
ここに於ける大部分のデータは、以下の理由によって、生検試料について行った広範な検査から得られたものである:
(a)一度の生検標本は、顕微鏡試験に付す為の幾つもの連続した組織切片(各5μmの厚さ)を提供する。全ての切片は従ってほぼ同一であり、互いを比較した時、様々な細胞集団が同じ場所に位置していた。従って細胞レベルにおける解剖学的構造中の類似性は、試料間で維持されている。
これは、異なる抗体の反応性を、試料間で、同じ細胞集団について研究し比較することを可能にする。
組織内の異なる細胞集団を個々の形態学と位置により同定できる。従って、生検試料中の、そうした細胞に対する個々の抗体の反応性は、決定の決め手となり、確立の決め手となる特異性を持つことが出来る。
(b)組織の病理学的変化は、正常な組織構築の破壊を伴う。従って、試料中で、抗体反応性だけを効果的に(そして病理学的条件に関連付けて)調査することができ、その場合、組織構築はインビボにおける状況を表している。
悪性化を促進する病理学的変化は、それぞれの段階グレードについて確立されたシステムに従って分類される:CIN I、IIとIII。病気が進行するとその場所(in situ)で癌腫に発展し、最後には顕症の腫瘍に発展する。
(c)もっとも重要なことは、抗体標的の発現調節が、子宮頸において病気が機能して起こったのかどうかを決定するために、生検試料が必要だったことである。正常な生検組織切片上で抗体の反応性プロフィールが得られたことで、それが枠組みとなり、対応した形で、異常スメアに対する反応性を判断することが出来た。本発明においては、正常および異常生検上でのそうした反応性によって、子宮頸スメアスクリーニングシステムで用いる抗体の選択が可能となった。
子宮頸スメア
スメア試料中の細胞は、生検の組織切片にみられるような位相幾何学的な関係を互いに維持していない。様々な細胞集団(上記のような)に対する特異性に基づいて選択された抗体について、その正常および病理学的スメア試料の定性的または定量的な情報の提供能力について調査を行った。これらの抗体によって数量化された、それらの絶対的または相対的な数は、これらの細胞集団における検出可能な変化を決定する手段を提供する。
組織分布
モノクローナル抗体が子宮頸上皮に対して作製されているとはいえ、胚的起源を共有する非子宮頸上皮上に存在していても、それらの標的エピトープに対しても反応することが予想される。従って、他の上皮組織中の、それらの組織分布の決定が行われ、そのレベルで詳しく同定することが可能となった。
生化学的データ
主として子宮頸羊膜と胎盤組織の抽出物を用いて生化学的データを得、還元または非還元条件下にてSDS−PAGEゲル上で電気泳動による分離を行った。分解されたコンポーネントのウェスタンブロットは、次にモノクローナル抗体のパネルで探索し、分子レベルでそれら個々の標的エピトープを明らかにすることができた。
所定の実験条件下での、そうした分解されたコンポーネントの検出は、標的抗原の分子構造についての情報を提供するものである。もし、還元および非還元条件下の両方で検出できれば、非コンホメーション的に依存したモノマー構造を有すると推論することが出来る。一方で、もし非還元条件下のみで検出されるならば、エピトープは、コンホメーション的に依存した構造上に存在する。
同定された試料を、抽出の方法によって、公知の細胞マーカークラスに分類することが出来る。例えば、界面活性剤を使用すると、望ましい量のサイトケラチンを含んだ抽出物は得られない。サイトケラチンは化学的文献によく報告されている、細胞質繊維状のタンパク質構造の複合したファミリーである。それらは生化学的並びに抗原的な度合いの変化に関連しており、ポリペプチドの種々の結合で、種々の上皮内で現れる。従って、与えられた上皮または上皮細胞は、そのサイトケラチンコンポーネントの特異的なパターンによって同定することが出来る[参考文献:Moll Rら、1982]。
さらに、Mab 9G5の例外はあるが、標的抗原の分子量によって、それがサイトケラチンファミリーに属している可能性を除外することが出来た。9G5エピトープが非サイトケラチン細胞マーカーであることを確かめる為に、汎−サイトケラチン反応性を有するモノクローナル抗体(AH3)を用いた。この抗体はすでに刊行物に記載されている[参考文献:Houlihan 1993]。
十分な、または適切な生検試料が入手可能でない場合には、子宮頸組織から得られ確立された癌腫細胞系を、そうした抽出物を調製するために用いた。
トリプシン感受性
トリプシンによるタンパク質分解に対する標的エピトープの敏感さを測定した。酵素の顕著な基質特異性(リジンとアルギニン残基に限定)は、さらに標的エピトープ同定の手段を提供するものである。
試料と方法
標準緩衝液と試薬は、、科学文献中に詳しく報告されている確立された方法に準じて調整したのでここでは詳細を記述しない。特記のない限り、全ての試薬は英国ドーセット州プールのSigma Chemical Co.より入手した。
免疫原と免疫化の準備
子宮頸細胞の3つの源:(A)スメア試料、(B)摘出子宮、そして(C)前癌状態のCIN生検試料について、それぞれ免疫原として使用する場合の潜在能力を評価した:
(A)
ルーチン試料からの子宮頸スメアを滅菌PBS中に分配して、2度洗浄した。子宮頸内部の様々な部位から採取したスメアに含まれる細胞の収量、組成、および生存率について試験を行った。スパチュラを用いた従来のやり方で子宮頸外から採取したスメアの細胞組成を、ブラシを用いて採取した子宮頸内膜のスメアと比較した。子宮頸外スメア中の扁平細胞の収量は様々であった;細胞数は106個に至り、50−60%の生存率であった。子宮頸内膜のスメアはかなり低い収量を示し、典型的には104個であり、これはまた主として扁平細胞を含んでいた。
また、子宮頸スメア試料のサイトスピン標本について、免疫組織学的に試験を行い、抗サイトケラチン抗体を用いて同定を行った。圧倒的大多数は鱗状体であり、標本はほとんど、基底細胞、パラ基底細胞、円柱上皮細胞を含んでいなかった。これによって、子宮頸スメアは、切片中に存在する子宮頸上皮細胞集団を十分に含んでいないので、これは免疫原として使用する上での効果的な試料源とはならないと結論された。
(B)
全摘子宮標本は、典型的には月経過多症または子宮筋腫の女性から得られる;これらにおいて、子宮頸は本質的に正常である。そうした標本は典型的には月経閉止期(38−45歳)のものである。全く正常な子宮頸生検試料から単一の細胞サスペンジョンを得る最適な方法を以下のようにして決定した。
過剰の基質組織をスカルペルで除去する。Ca2+/Mg2+を含有しないハンクス緩衝生理食塩水中の酵素ディスパーゼ II(1.2 units/ml,Boehringer Mannheim,英国サセックス)の溶液中に、組織のフラグメントを40℃で一晩、浮遊させた。この過程は上皮/基質結合を断裂させるため、シート状の上皮細胞を優しく薄くそいで分離することが出来る。これらを、Ca2+/Mg2+を含有しないハンクス緩衝生理食塩水中で、低速度遠心を行って洗浄し、0.05%トリプシン/0.02%EDTA(共にW/V)溶液中に再度懸濁した。撹拌しながら37℃で30分間、インキュベート処理を行った後、1.3mg(5mlの生理食塩水中)の大豆トリプシンインヒビターを添加して、トリプシン処理を停止させた。
トリプシンによる2度目の酵素消化によって、上皮シートは分散して、単一細胞サスペンジョンとなった。
大きなフラグメントは重力によって沈下させ、上清を除去した。細胞サスペンジョン液を16ゲージ針に通して細胞塊を粉砕し、100μmゲージのフィルターを通して濾過した。免疫原として使用する前に、細胞をPBSで2度、洗浄した。
(C)
正常な子宮頸生検に加えて、病理学的CIN II/III生検から得た免疫原も用いた。試料は、最初の一晩放置する酵素処理もトリプシン中で行ったことを除いて、同様に扱った。
免疫化の様式は、8週令の雌性Balb/cマウスを用い、プライミング量を用いた5×105細胞の初期腹腔内接種とこれに続く0.5−2×106の正常上皮細胞のさらに5回の免疫を2−3週間の期間をおいて行うことから構成されていた。
細胞表面コンポーネントの幾つかのタンパク質切断が起こり得るため、上皮細胞表面マーカーの完全性に対する酵素処理の効果を確かめた。これは、CD44、CD55そしてHLAクラス1抗原に対するその効果をモニターすることで決定したが、これらは全て子宮頸上皮細胞上に発現される。これらの確立された細胞表面マーカーは、市販のものから容易に入手できる適切なモノクローナル抗体によって検出することが出来る[参考文献:Knapp W,1989]。これらのマーカーは、37℃でトリプシンで長時間処理すると、失われるか減少してしまうことが見い出された。しかし、そうした影響を最小限化、すなわち、例えば、37℃で処理する時間を減少させ、代わりに4℃で一晩、初期インキュベーションを行う条件で酵素ディスパーゼを使用する方法を採用した結果、分散した細胞の表現型(phenotype)のプロフィールが、元々の子宮頸上皮のそれに非常に近く維持されることが確認された。
融合とハイブリドーマから得られた上清の分析
免疫化されたマウスから得られた脾臓細胞をNS1マウスミエローマ細胞と融合し、ハイブリッド細胞を数多くある出版物中に示された慣用的な方法によって選択した[参考文献:Kennet Rら、1980、及びSchrier Mら、1980]。モノクローナル抗体候補を、確立されている免疫組織学的手法[参照文献:Holmes CHら、1990]を用いて、子宮頸生検の組織切片上での反応性に基づいて選択を行った。
簡単に述べると、クライオスタット中で、凍結組織ブロックから5μmの厚さに切片を作製し、融解し、室温で1時間、空気乾燥し、氷冷アセトン中で10分間、固定を行い、間接的免疫ペルオキシダーゼ法によって免疫染色を行った。増殖しているハイブリドーマを含んだウェルから得られた上清について、室温で45分間、組織切片上でインキュベート処理を行った。TBSで5分間、洗浄を行った後、市販で入手可能なHRPOに結合されたウサギ抗−マウスIg試薬を10%正常ヒト血清を含んだTBSで最適濃度に希釈し、これを用いて30分間、インキュベート処理を行った。さらに2度、洗浄を行った後、切片をDABと過酸化水素で5分間、発達させた。5分間、水道水でスライドを洗浄して反応を停止させた後、切片をヘマトキシリンでカウンター染色を行い、脱水化し、ヒストクリアで標本を透明にして、DPXマウンタント中でスライドに載せた。
問題の抗体を分泌している候補のハイブリドーマは、限界希釈法によって安定的にクローン化された。そうしたクローンによって分泌される抗体について、免疫染色によって抗体特異性を確かめるために、以上のように再分析を行った。
また、ハイブリドーマによるIg産生も、市販で入手可能な試薬(デンマーク国コペンハーゲンのDako AS,)を用いて、ELISA法でスクリーニングを行った:最適濃度で1/2000に希釈したウサギ抗−マウスIg(製品番号:Z259)を固相補足試薬として用いた。ハイブリドーマから得られた上清を、60分間、インキュベートした。結合した抗体を、1/1000に希釈したHRPO結合ウサギ抗−マウスIg(製品番号:P260)で45分間、インキューベートして、検出した。両方のインキュベーション処理は室温で行った。試薬はPBSで希釈し、インキュベーションの間にウェルをPBS−0.025%トゥイーン(Tween)で洗浄した。
生化学的特性化
用いた方法は一般によく知られており、出版されている実験技術マニュアル中[参考文献:Harlow E and Lane D,1988及びWork and Work,1979]および、個人の出版物中[参考文献:Marchalonis,1969;Markwell,1982;及びLaemmli,1970]に報告されている。これらの研究で用いられた特異的な過程の詳細な記述は以前から刊行物に記載されている[参考文献:Holmes CHら、1990およびHoulihan JMら、1992]。
実施例1−Mab 6B5
IgG1のアイソタイプであるこの抗体は、子宮摘出標本の子宮頸から単離された扁平上皮細胞から調製された免疫原に対して作製した。
反応性
その特異性は主として、基底膜を含めた子宮頸の扁平上皮中のパラ基底細胞と基底細胞に対するものである。しかし、これは円柱上皮および非上皮性ストローマエレメントとの交叉反応も示す。
正常スメア中にパラ基底細胞が多数は存在しないとはいえ、抗体は存在する少数を同定する(なお、基底細胞はスメア試料中に普段は存在しない)。しかし、6B5反応性は病理学的状態では顕著に増加する。腫瘍では、6/7の扁平細胞癌腫が抗体反応性を示した。この反応性は1つの腺癌でも観察されたが、これは予期されたことである。なぜなら6B5は正常円柱細胞にもまた反応するからである。また、幾つかのCINにおいて、6B5の反応性の増加が見られる。9/15の標準的なものから悪化したCIN標本について試験を行ない、元々から存在する影響を受けていない上皮と比較すると、影響を受けた扁平上皮中には顕著な増加が存在した。
抗ストローマ反応性は生検試料中にのみ観察されるが、これはストローマエレメントがスメア試料中に存在しないからである。抗円柱細胞反応性は、意図された応用法においては干渉するとは予想されなかったが、これは適切なコントロールが存在してこの干渉効果を修正するからである(Mab 2C7の反応性を参照)。
(a)正常子宮頸上皮
試験数:90;患者数:44(TZを伴う症例数:21)
パラ基底細胞と基底膜は扁平上皮の中で強い反応性があった。円柱細胞もまた陽性であり、21/21の標本中で変異域において反応性の増加を伴った。
(b)前癌状態子宮頸上皮(CIN II/III またはIII)
試験数:42;患者数:30(CINを伴う症例数:15)
9/15のCIN標本において反応性は増大していた。
(c)子宮頸癌腫
5/7の扁平細胞癌腫と両方の腺癌において、抗体は強い反応性を示した。
組織分布
子宮頸中に分布が限定されているにも関わらず、標的エピトープは他の上皮組織にも存在する:
胎盤:
妊娠胎盤膜(羊膜と細胞栄養芽層)の上皮細胞は陽性である。合胞体栄養細胞下に存在する基底膜は陽性である。3カ月期胎盤の初期、両方の絨毛のある細胞栄養芽層と合胞体栄養細胞は陽性である。抗体は、絨毛外細胞円柱の細胞栄養芽層では異なる活性を示している:これらの円柱の基底にある細胞は陽性であるが、周辺にある細胞は陰性である。
腎臓: 糸球体 +;尿細管 −
膵臓: 管と腺房 +;固有層 −
結腸: 上皮 +;固有層 −
肝臓: 肝細胞 +;胆管/間充織細胞 −
子宮内膜: 腺上皮 −;固有層 −;子宮筋層 −;動脈 −
表皮(包皮):パラ基底細胞 +;基底膜 +;基底細胞 +/−;中間細胞−;表在性細胞 −
生化学
正常子宮頸における反応性が限定されているため、生化学的にこの抗体を同定するために、確立されている子宮頸癌腫細胞系C4IIを用いた。英国ポートンダウンECACCから入手したC4II細胞系[参考文献:Auersperg N and Hauvryl AP,1962及びAuersperg N,1969]は科学文献中によく報告されている。これはまたATCCにも、受託番号:CRL 1595として寄託されている。
Mab 6B5は、C4IIの細胞表面上に免疫沈降することにより、約181−184kDaの二量体生成物を検出する。次いで、この分子量を有する単一のコンポーネントは、正常なインビボ由来の子宮頸扁平上皮細胞の標識化された膜標本から直接的に免疫沈降される。しかし、ウェスタンブロッティングの結果、抗体は子宮頸抽出物上のこれらのコンポーネントを検出しない。これらを合わせて考えれば、これらのデータは、Mab 6B5は細胞表面(非サイトケラチン)タンパク質上のコンホメーション依存性のエピトープを検出することを示している。6B5標的もまた免疫アフィニティークロマトグラフィーによって高純度に単離してN末端シーケンシングに付した。
トリプシン感受性
抗体の反応性は、0.05%(W/V)のトリプシンに10分足らず暴露した後でもC4II細胞系において維持されている。しかし、胎盤膜または羊膜細胞における抗体反応性は0.1%(W/V)のトリプシンにたっぷり1時間暴露した後では失われる。従って、抗体標的はトリプシンに対してほんの少しだけ抵抗性がある。
実施例2−Mab 2C7
アイソタイプIgG1のこの抗体は、子宮摘出された標本の正常子宮頸から調製された免疫原に対して作製した。
反応性
抗体は、円柱上皮細胞に特異的に、かつそれだけに反応する。
(a)正常子宮頸上皮
試験数:83;患者数:43(TZを伴う症例数:24)
この抗体は、特異的に円柱上皮細胞と反応したが、それ以外の子宮頸内の細胞集団とは反応しなかった。扁平上皮はすべてのケースで陰性だった。
(b)前癌状態子宮頸上皮(CIN II/IIIまたはIII)
試験数:42;患者数:30(CINを伴う症例数:15)
正常または新生上皮に反応性は観察されなかった。ただ隣接する円柱上皮のみが染色された。
(c)子宮頸癌腫
予想されたように、試験した7/7の扁平癌腫に抗体は反応しなかった。しかし、試験した2つの腺癌の内の1つと反応した。
Mab 2C7の標的エピトープは円柱細胞だけに限られており、正常扁平上皮またはCIN病変のいずれにも発現されないと結論づけることが出来よう。スメア上の円柱細胞の存在は、扁平−円柱ジャンクションが採取されていることを示しており、従ってスメアは独自(または適切)であるため、抗体は役立つと考えられる。正しく採取されたスメアは、従って2C7反応性細胞を1−5%の範囲で含有する。
2C7標的エピトープは、6B5のそれと異なる。正常なスメア中では、両方の抗体が円柱細胞集団を同定する。しかし、6B5がパラ基底細胞と付加的に反応するのに対して、2C7はただ円柱細胞のみを検出する。従って、それらは、個別の反応プロフィールの解析によって、両方の細胞集団を表にして示す手段を提供する。
組織分布
胎盤: 胎盤膜中に羊膜および細胞栄養芽層、そして、3カ月期胎盤の初期と期間の終わりにおいて合胞体栄養細胞は陰性である。
膵臓: 管上皮 +
結腸: 腺上皮 +
扁桃: 重層上皮 −
表皮: 包皮 −
肝臓: 肝細胞 −;胆管 +/−
子宮内膜:上皮 −
生化学
子宮頸内膜上皮の界面活性剤抽出物を、CHAPSを含む緩衝液中で子宮頸内膜のフラグメントをインキュベート処理することで調製した。SDS−PAGEで分離した試料のウェスタンブロット上で、抗体はこれらの抽出物中で>400,000kDaの非分解性の高い分子量コンポーネントと反応した。このことは、その抽出された試料を大きな分子に対してSDS−PAGEより適した1%のアガロースゲル上に分けることによって、さらに調べられた。抗体は、過ヨウ素酸−シッフ塩基でも染色されるがクマシーブルーで染色されないフラクションに厳密に対応するコンポーネントと反応した。これは、標的エピトープが、ムチンまたはムチン会合生成物であることを示していた。
トリプシン感受性:
1時間までトリプシン処理された子宮頸組織の細胞標本と抗体が反応したので、標的エピトープはトリプシンに対して非感受性であるようである。
実施例3−Mab 9G5とHG3
両方の抗体はアイソタイプIgG1である。
Mab 9G5は、子宮摘出標本の正常子宮頸から単離した扁平上皮細胞から調製された免疫原に対して作製された。
Mab HG3は、病理学的CIN試料の子宮頸生検から調製した免疫原に対して作製された。
反応性
両抗体は、主として子宮頸内の表在性および中間扁平上皮と反応する。
(a)正常子宮頸上皮
試験数:83;患者数:44(TZを伴う症例数:Mab 9G5に対して21、Mab HG3に対して24)
両抗体は、正常子宮頸において、表在性および中間扁平上皮細胞に対して特異性を持つ類似の反応性のパターンを示す。両抗体とも、基底細胞には反応しない。しかし、Mab 9G5は幾つかの標本中でパラ基底細胞と反応し、反応性は上方のパラ基底層の内部で消失している。対照的にMab HG3はどの標本中のパラ基底細胞とも反応しない。
Mab 9G5は円柱細胞と反応しない。しかし、ごく少数の標本では、Mab HG3は円柱細胞と弱い反応性を示している。
(b)前癌状態子宮頸上皮(CIN II/IIIまたはIII)
試験数:42;患者数:30(CINを伴う症例数:15)
一般に、両抗体は、正常と異常の子宮頸上皮の間で、検出可能な差異を示している。CIN中で反応性は調節され、減少しているかまたは存在しないかのどちらであり、例えば、Mab 9G5の反応性は10/15の標本において顕著に減少している。これらの病変中で、正常扁平上皮と比べた時に、免疫染色(抗体反応性を示す)の濃さは細胞層の数に関して減少している。
(c)子宮頸癌腫
両方の抗体は、試験を行った7つの扁平細胞癌腫に対して異なる反応性を示した:
Mab 9G5は試験を行った3/7の標本において完全に非反応性であった。残りの4つの腫瘍は不均一な反応性を示した。
Mab HG3は扁平細胞癌腫の3/7に対して強い反応性を、2つの標本について幾らかの反応性を、残りの2つについては非反応性を示した。
不均一とは、特定の標本内で反応性と非反応性の両方を示す領域であると定義する。一般に、正常子宮頸中で同様の反応性があるにも関わらず、これらの腫瘍に対するMab 9G5の反応性はMab HG3のそれよりも限定されている。特に、Mab HG3が強い反応性を示した2つの腫瘍で、Mab 9G5は陰性であった。
2つの腺癌について試験した時に、Mab HG3は両方の腫瘍に反応したが、その一方でMab 9G5は両方に対して非反応性であった。
Mab 9G5とHG3は、同じ細胞集団上の異なった標的エピトープを認識する。しかし、これは以下の理由によって望ましくはこれらを協同して用いるべきであると考えられる;
(a) 中間および表在性細胞集団を構成する全ての細胞が両方の標的エピトープを発現しているかどうかは知られていない。もし、これらの細胞が通常それらを発現していても、それらの発現は細胞の段階または発情周期によって変わるかもしれない。
(b) 表在性上皮細胞は大部分は死んでいるか、または死につつある細胞集団であるため、それらの細胞表面マーカーはその検出可能性の点で不均一であることが想像されうる。
(c) 子宮頸スメアは主として表在性細胞および中間細胞から構成されており、円柱細胞とパラ基底細胞は少数である。従って、試料の臨床学的な状態について結論を得る上での決定的な因子は、これらの細胞に関する情報に基づいていると言える。
これらの理由によって、単一の抗体に依存することを避けるのは賢明であるかもしれない。従って、正常または病的状態にある、中間および表在性扁平細胞の絶対的または相対的な数を計算しまたは解析するために、両方の抗体を用いられよう。
組織分布
腎臓、膵臓: 陰性
肝臓と子宮内膜:
結腸: Mab 9G5 −;Mab HG3 +
扁桃: 重層上皮 +
表皮(包皮): 表在性および中間細胞 +
胎盤: 胎盤中の羊膜および細胞栄養芽層;膜 +
合胞体栄養細胞 +
[最初の3カ月期において、これらの栄養芽層集団は陰性であるか、またはほんの弱く染色されただけだった。]
生化学
Mab 9G5は羊膜と胎盤栄養芽層上皮と交叉反応を示す。免疫ブロット上で、この抗体は、界面活性剤抽出試料から、還元下および非還元条件下の両方で顕著な40KDaのコンポーネントを検出する。従って、9G5標的エピトープは非サイトケラチン単量体タンパク質上に存在するようであり、コンホメーションに依存していない。ミクロシーケンス解析によって、N末端がメチオニン残基によって疎外されることが分かっている。また、健全な(インタクトな)分子のタンパク質分解消化反応について、さらに進んだシーケンス解析が進行中である。Mab HG3は、羊膜と子宮頸の両方の界面活性剤可溶および膜試料の両方において、還元および非還元条件下で、180KDaのコンポーネントを検出する。従って、その標的エピトープもまた、コンホメーション非依存性の単量体タンパク質であるようである。
実施例4−Mab BC4
アイソタイプIgMのこの抗体は、CINを含む前癌状態子宮頸生検試料から単離された上皮細胞に対して作製された。
反応性
この抗体は主として子宮頸中のパラ基底細胞と中間細胞に反応する。
(a)正常子宮頸上皮
試験数:85;患者数:44(TZを伴う症例数:24)
典型的には、反応性はパラ基底層の上方の2−6細胞層に渡っており、従って中間扁平細胞の低層を含むことが出来る。基底細胞、表在性扁平細胞、および円柱細胞は陰性である。
Mab 6B5、9G5およびHG3の反応性と比べれば(表1参照)、この抗体の反応パターンによって、中間扁平細胞集団の数を適当な演繹法によって数値化することができる。
(b)前癌状態子宮頸上皮(CIN II/IIIまたはIII)
試験数:42;患者数:30(CINを含む症例数:15)
CIN標本中でのパラ基底細胞への反応性は、7/15の標本で全く観察されないか、または著しく分裂していた。反応性が完全に失われているケースでは、反応性の喪失が、正常組織と前癌状態組織の間の継目において不意に起こっていた。反応性が減少しているケースでは、それは免疫染色された細胞層の数に関係するものであった。
(c)子宮頸癌腫
抗体は試験を行った2/7の扁平細胞癌腫に反応した。これらの内、1つは反応性が不均一であった。
2つの腺癌は非反応性であった。
組織分布
胎盤: 全ての胎盤組織、最初の3カ月期と満期は共に陰性
腎臓: 陰性
膵臓: 陰性
結腸: 陰性
肝臓: 陰性
子宮内膜: 陰性
口腔: 扁桃に付随するパラ基底細胞と重層上皮は陽性
表皮(包皮):パラ基底細胞は陽性
生化学
界面活性剤−可溶抽出物と酵素分解させた子宮頸上皮組織の膜標本について行った免疫ブロット上で、標的エピトープを精査した。抗体は、非還元条件下のみで200KDaの構造を検出した。標的エピトープは従ってコンホメーション依存性の非サイトケラチンタンパク質上に存在するようである。
実施例5−子宮頸細胞の評価;PAP試験との比較
前述の実施例に記載した研究の成果として、抗体とそのヒト子宮頸中の上皮細胞集団に対して反応性を有する抗体のパネルを生成した。円柱細胞に特異的に反応するMab 2C7を除いて、一般に反応性は重複する。他の4つの抗体(6B5、BC4、9G5とHG3)の互いに重複する特異性は、子宮頸扁平上皮細胞それ自身の分化した系統株に並行する反応性の連続性を示している。抗体標的エピトープは、細胞が基底から最終的表在性鱗状体へと分化するにつれて、発現してまた消失する正常分化マーカーである可能性が最も高い。
ここで示したデータは、前癌状態(CIN)の始まり、または新生物による病的状態に伴って、細胞は分化の特定の段階で分裂停止することが出来るというシナリオを示唆している。その結果として、検出可能な細胞マーカーを発現している特定の細胞集団の増殖が起こるかもしれない。例えば、Mab 6B5の抗パラ基底細胞反応性は進度の進んだCIN II/IIIを示す標本において増大している。
同様に、病的状態によって、特徴的な細胞マーカーの喪失を同時に伴う細胞集団の増殖が起こるかもしれない。例えば、正常上皮中のパラ基底細胞にも反応するMab BC4の反応性は、CIN試料中では減少する。
中間および表在性鱗状体に対するMab 9G5とHG3の反応性は、前癌状態CIN試料中では顕著に減少している。これは、パラ基底段階に分化が停止する結果として、中間および表在性鱗状体の絶対数が減少することによるものでありえる。逆に、病理学的状況の結果として、関連する細胞マーカーそれ自身の喪失によるものでもありえる。
特定の細胞集団の絶対数の実質的な増加または減少が、本発明の目的にとって必須条件ではないことに注目されたい。すでに確立された正常性のパラメータに関する抗体結合のどのような検出可能な変化も本発明に関連しており本発明において利用されるものである。特定の理論または仮説は本発明の性質と展望を制限するものではない。
正常スメアに関する数値パラメータのデータバンクによって、比較される試験試料に対する“正常性の範囲”が確立される。確立されたパラメータに比した、どのような重要な変動も、臨床学的状態を査定するために、適切な資格を所持した人物によって個別診断が行われる必要性を示している。すなわち、さらなる検査のために、本発明を用いることで疑わしい試料が浮かび上がる。
実験結果
抗体9G5、HG3、6B5、BC4と2C7の反応性について、正常子宮頸スメア試料とCIN−2/CIN−3子宮頸スメア試料を用いて評価し、これらの試料はPAP試験でも解析された。その結果を表3と4に示す。
正常子宮頸スメア試料を病理学的スメア試料と並行して、膣鏡クリニックで集めた。初期スメアをガラススライド上に付着させてパパニコロウ染色を行ったあと、試料器機、スパチュラかブラシのどちらかを10mlのハンクス緩衝生理食塩水の中に置き、撹拌した。血液で明らかに汚染されている試料は捨てた。その結果として残った細胞サスペンジョンを次に2回、この緩衝液中で洗浄し、サイトスピンを作製するために用いた。
サイトスピンの各スポットは約104個の細胞を含んでいた。
MAb反応性を、ストレプトアビジン−ビオチン(Streptavidin-Biotin)、アルカリホスファターゼ検出システムを用いて、間接的免疫染色技術によって検出した。クロモゲン(Fuschin;Dakopatts)によって赤色に染色された。細胞核をマイヤーのヘマトキシリンを用いて対比染色した。
染色された細胞の%のスコアを分散した細胞を数えて決定し、赤色に染色された全細胞/核の全数を求めた。そうした標本中には細胞集塊がしばしば存在し、これらに対するMabの反応性は別のものとして示された。
スメア試料の正常またはCINの状態を、並行標本の細胞学的検査(PAP)に示されたように表示した。
表3は、5つのモノクロナーナル抗体の結合に対する正常性のパターンを知り得ることを示している。表4に見られるように、CIN試料において、同じ抗体の結合は、この正常性のパターンから外れている。
標本6と7の症例において、視覚的にこれらの試料が正常スメアと同様であることを示していることは注目すべきである。形態学的立場から言えば、細胞の大部分は明らかに表在性鱗状体であり、異常核化細胞は見あたらなかった。その他の標本では、例えば、1、2、3と10では、異常核化細胞は鮮明にはっきり見えた。
このように、子宮頸の細胞を含む試料への抗体の集団の結合に対する正常性のパターンを確立することができ、その結果、それらの抗体の試験試料への結合におけるパターンからのズレは、何らかの異常を示すものであり、更なる精査への必要性を保証する。
全てのここに挙げられた資料は本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
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Claims (7)

  1. サンプルに対する特異的結合物質の結合を判定することと、当該結合を、正常子宮頸細胞サンプルに対する前記特異的結合物質の結合パターンと比較することとを含む、子宮頸の細胞を含む組織サンプルの異常性を判定する方法において、前記特異的結合物質が、正常な子宮頸組織に存在する抗原に対して作製された異なる特異性を持つ複数のモノクローナル抗体のパネル又はその他の特異的結合分子類のパネルを含むことを特徴とする子宮頸の細胞を含む組織サンプルの異常性を判定する方法。
  2. 前記モノクローナル抗体が、英国SP4 0JG ウィルトシャー、サリスベリー在の動物細胞培養ヨーロッパ保存機関(ECACC)、応用微生物&研究センターに1995年2月6日寄託され、受託番号としてECACC 95020718、95020716、95020720、95020717および95020719を付与されたハイブリドーマから選択された一ハイブリドーマから得られる抗体を含む、請求項に記載の方法。
  3. 特異的結合物質が、英国SP4 0JG ウィルトシャー、サリスベリー在の動物細胞培養ヨーロッパ保存機関(ECACC)、応用微生物&研究センターに1995年2月6日寄託され受託番号としてECACC 95020718、95020716、95020720、95020717および95020719を付与されたハイブリドーマから選択された一ハイブリドーマから得られる一以上の抗体が結合することのできる子宮頸組織の抗原と結合できる一以上の抗体又は抗体フラグメントを含むものである、請求項に記載の方法。
  4. 英国SP4 0JGウィルトシャー、サリスベリー在の動物細胞培養ヨーロッパ保存機関(ECACC)、応用微生物&研究センターに1995年2月6日寄託されたハイブリドーマECACC 95020718、95020716、95020720、95020717および95020719から選択されるハイブリドーマ。
  5. 組織サンプル中の子宮頸細胞の状態または状況の評価に用いる一以上の特異的結合物質を得ることを目的とした、請求項4に記載のハイブリドーマの利用。
  6. 英国SP4 0JGウィルトシャー、サリスベリー在の動物細胞培養ヨーロッパ保存機関(ECACC)、応用微生物&研究センターに1995年2月6日寄託され受託番号としてECACC 95020718、95020716、95020720、95020717および95020719を付与されたハイブリドーマから選択された一ハイブリドーマから得られるイムノグロブリン抗原結合ドメインを含む特異的結合物質。
  7. 組織サンプル中の子宮頸の細胞の性質または状態を検定評価することを目的とした、請求項に記載の特異的結合物質の利用。
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