JP4189096B2 - センサ駆動方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、LEDのような発光素子からの光をフォトダイオードなどの光電変換用の受光素子で受けて、その受光量の大小で発光素子と受光素子の間に存在する物体を検知するためのセンサ駆動方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
LEDによる発光部とフォトダイオードによる受光部とを対向させて配置し、遮光性の物体の存在を検知するセンサは、紙葉類などの搬送装置等で広く用いられる。
【0003】
発光部と受光部の間隔(光軸長と呼ぶ)は、機構配置上の都合などにより左右され、様々な長さが要求される。例えば、紙葉類を集積する部分の紙葉類の有無を確認するセンサの場合、集積部への紙葉類の落下を妨げない位置に両者を配置する必要が有るため、必然的に少なくとも集積部の短い方の内寸よりも長い間隔となる。
【0004】
受光部が紙葉類の有無を正常に検出するためには、光が遮蔽された状態と遮蔽されない状態の間で、受光光量に一定以上の差異が必要となり、そのため、光軸が長い場合には発光部の光量を相当程度に大きくする必要が有る。これは、受光光量が距離の自乗に反比例して減少するためである。
【0005】
LEDの発光量を増加するためには、流す電流値を増すことが必要であるが、長時間に亙る連続通電はLEDの温度上昇を伴い、発熱量との関係で連続で流せる電流量即ち発光量には限界が有る。
【0006】
このため、パルス駆動により間欠的に電流を流すことでデューティを低くし、短時間に多くの電流を流す方法が一般的に用いられる。この方法だとLEDに電流が流れる時間が短いので電流量が大きくても発熱による悪影響を受けない。このパルス駆動をダイナミック点灯と呼ぶ。
【0007】
このようなセンサの出力は、センサ毎にCPUのポートヘ接続する方式が一般的に使われており、ダイナミック点灯を行う場合はLED個別に専用のタイミングを発生させて点灯制御を行っていた。なお、連続点灯とダイナミック点灯を混在で使用した場合は連続点灯センサ群とダイナミック点灯センサ群にグループ分けし、ダイナミック点灯センサ群について同期点灯制御を行っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
連続点灯の場合には複数のLEDに流れる電流の総量が一定であるから電源ラインの電圧の揺らぎ等もなくノイズのない安定したセンサ出力を得ることができるが、この場合には発光量を増加させようとすると電力消費量が極めて大きくなる不都合がある。
【0009】
一方、パルス電流によるダイナミック点灯方式では点灯時のパルス電流により電源ラインの電圧に揺らぎが生じ、特に2個以上のLEDが同時にパルス駆動された場合は過大なパルス電流が流れ、電源ラインの揺らぎによるノイズが無視できない程度になる。
【0010】
そこで、この発明は、電力消費量が少なく、かつ過大な電流によるノイズの発生も軽減できるセンサ駆動方式を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明のセンサ駆動方式は、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のうちの少なくとも2個の発光素子を1個づつ繰り返し駆動して発光させるとともに残りの発光素子を連続駆動する駆動回路と、前記複数の発光素子に対応して配置され前記複数の発光素子とともにセンサを構成する複数の受光素子と、前記複数の受光素子からのアナログ出力をデジタルのセンサ出力として取り出す出力回路とを具備し、前記出力回路は、所定の期間毎にすべての受光素子に走査信号を順次繰り返し供給する手段を含み、前記走査信号は前記所定の期間をTとし、発光素子と受光素子の対数をnとしたときにT/nとなるパルス幅を有し、前記駆動回路は、前記繰り返し駆動される発光素子を前記所定の期間T毎に順次ずらして駆動するとともにT/n期間以上の時間発光させる駆動信号を発生させる手段を含むことを特徴として構成されている。
【0012】
また、この発明のセンサ駆動方式は、複数の発光素子と、前記複数の発光素子のうちの少なくとも2個の発光素子を1個づつ繰り返し駆動して発光させるとともに残りの発光素子を連続駆動する駆動回路と、前記複数の発光素子に対応して配置され前記複数の発光素子とともにセンサを構成する複数の受光素子と、前記複数の受光素子からのアナログ出力をデジタルのセンサ出力として取り出す出力回路とを具備し、前記出力回路は、所定の期間毎にすべての受光素子に走査信号を順次繰り返し供給する手段を含み、前記走査信号は前記所定の期間をTとし、発光素子と受光素子の対数をnとしたときにT/nとなるパルス幅を有し、前記走査信号は期間n・Tで一巡して受光素子に供給され、前記駆動回路は、前記少なくとも繰り返し駆動される発光素子が前記期間n・Tで一巡する最初の期間T1と最後の期間Tnに駆動される場合に、両者の発光時間が重複しないように最初の期間T1を少なくとも前記所定の期間だけ遅らせて発光させる駆動信号を発生させる手段を含むことを特徴として構成されている。
【0013】
更に、この発明のセンサ駆動方式は、複数の発光素子と、前記複数の発光素子を駆動して発光させる駆動回路と、前記複数の発光素子に対応して配置され前記複数の発光素子とともにセンサを構成する複数の受光素子と、前記複数の受光素子からのアナログ出力をデジタルのセンサ出力として取り出す出力回路とを具備し、前記出力回路は、走査信号を発生させる手段と、所定の期間毎にすべての受光素子の出力を順次繰り返し切り替える切り替え手段と、前記切り替え手段から得られた受光素子の出力をアナログの電圧値に変換する変換回路と、このアナログの電圧値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、前記複数の受光素子夫々の遮光検知レベルを予め設定するスライスレベルメモリと、前記A/Dコンバータの出力と前記設定された遮光検知レベルとを比較する比較回路と、この比較回路の出力を前記センサの出力として取り出す出力手段とを具備し、前記走査信号は前記所定の期間をTとし、発光素子と受光素子の対数をnとしたときにT/nとなるパルス幅を有することを特徴として構成される。
【0014】
この構成により消費電力を増大させずに発光素子からの光量を増加させることができ、又、複数発光素子の同時駆動を防止することにより過大なパルス電流が流れるのを防止して電源ラインの電圧の揺らぎに起因するノイズの発生も防止できるセンサ駆動方式を提供出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1はこの発明の第1の実施の形態であるセンサ制御ブロック図を示す。まず図1の方式の構成を説明する。
【0017】
図1において、n個のLED、L1、L2、…Lnが例えば紙葉搬送部の1側面に一列に配置される。搬送空間を挟んでこの1側面に対向する他側面には、LED、L1、L2、…Lnに対応してn個のフォトダイオードP1、P2、…Pnが一列に配置される。この紙葉搬送部は例えば一対の搬送ベルトで構成され、LED、L1、L2、…LnとフォトダイオードP1、P2、…Pnとが互いに極めて狭い空間を挟んで搬送ベルトに沿って配置されている。但し後で説明するが、2個のセンサのみは搬送ベルトからの紙葉の突出を検知するために互いに離れて配置されているものとする。
【0018】
LED、L1、L2、…Lnはドライブ回路11により個々にパルス駆動されるように接続される。通常、LED、L1、L2、…Lnは個々に入力電力に対する発光特性が異なるので、LED、L1、L2、…Lnに対して与えられるパルスの幅、波高値は個々に異なる値となる。従って、間に検知対象である紙幣がない状態で、たとえばLED、L1、L2、…LnからフォトダイオードP1、P2、…Pnに夫々供給される光量が略等しくなるように、或いはフォトダイオードP1、P2、…Pnから得られる検出電流量が略等しくなるように各々のLED、L1、L2、…Lnに対して与えられるパルスの幅、波高値が予め設定される。
【0019】
LED、L1、L2、…Lnに対してパルス駆動されるタイミングは光源発光タイミング生成部12により制御される。尚、各々のLEDがパルス駆動される期間は夫々数十マイクロ秒のオーダである。また、光源発光タイミング生成部12はセンサ切換タイミング生成部13により制御されている。このセンサ切換タイミング生成部13は図1に示すシステム全体の動作タイミングを決定する。
【0020】
フォトダイオードP1、P2、…Pnの出力電流は夫々スキャン回路であるスイッチ回路14の切換入力端子に接続される。スイッチ回路14の出力は電流電圧変換回路15に供給されるが、これはスイッチ回路14の制御端子に供給されるセンサ切換タイミング生成部13からのスキャン出力に応じて行われるものである。
【0021】
スイッチ回路14がセンサ切換タイミング生成部13によりスキャンされると、フォトダイオードP1、P2、…Pnからの出力電流が順次電流電圧変換回路15に供給されて、夫々対応する電圧値に変換される。フォトダイオードは電流源であるため、このように電流電圧変換回路15によって電流値を電圧値に変換する必要があるが、この実施の形態では、部品削減のため電流電圧変換回路15をスイッチ回路14の後に置き、複数センサで共通利用する。
【0022】
ここで、図2を参照してスイッチ回路14によるセンサ信号のスキャンタイミングを説明する。図2(a)に示すように、センサ切換タイミング生成部13からの最初のスキャン信号が期間t1だけスイッチ回路14へ供給される。尚、このとき最初のLEDL1が発光していればフォトダイオードP1の出力が取り出されて電流電圧変換回路15に供給される。続いてt1に隣接するt2の期間に次のスキャン信号がスイッチ回路14へ供給されると、図2(b)に示すようにフォトダイオードP2の出力が取り出される。以下同様にして、最後のtnの期間にスキャン信号がスイッチ回路14へ供給されるとフォトダイオードPnの出力が取り出され、期間T1におけるセンサ走査が一巡し、次の期間T2の最初のフォトダイオードP1の走査が再び行われる。後で詳述するが、この実施の形態では、連続駆動のLEDを除き、ダイナミック駆動のLEDについてはセンサ走査が一巡する期間T(T1,T2…)の間に1個のLEDが駆動されるようになっている。例えば、ダイナミック駆動のLEDがk個(L1−Ln)であれば、k個のLEDが駆動されるのにk・Tの時間が必要となる。
【0023】
但し、ダイナミック駆動のLEDの個数にかかわらず、すべてのフォトダイオードP1−Pnが走査される一巡の期間は、フォトダイオードの個数と個々の走査期間t(t1、t2、…)で決まる一定の期間T(t1,T2…)である。
【0024】
このようにして、すべてのフォトダイオードP1ないしPnが期間Tで一巡するように走査され、出力p1乃至pnが図3に示すように、順次電流電圧変換回路15へ多重化して取り出されてA/D変換される。ここで、前にも述べたように、連続駆動されるLEDに対応するフォトダイオードからは夫々の出力が取り出されるが、ダイナミック駆動されるLEDについては1つの期間Tについて1個のLEDのみが駆動され、これに対応するフォトダイオードからの出力のみが得られることになる。
【0025】
後で詳細に説明するが、各々のフォトダイオードの出力レベルが比較器17でスライスレベルと比較されて、紙葉の有り無しが比較結果メモリ19に格納される。このときのフォトダイオード各々の走査期間t1、t2、…tnの合計の一巡の期間を図2に示すようにT1とし、1回目の走査一巡期間T=T1とする。
【0026】
各々の走査期間t1、t2、…tnはいずれも等しく(T/n)、例えばt=数十マイクロ秒であるとすると、1回の走査期間Tもt・nマイクロ秒となり、極めて短い時間で1回の走査が終了する。このようにしてすべてのフォトダイオードP1ないしPnが期間T1,T2,…=Tで繰り返し走査される。即ち、走査期間Tがn個のフォトダイオードに分割して割り当てられ、順にtで時分割されて逐次フォトダイオードP1…Pnの出力の繰り返し取りこみ処理を行うことになる。この結果、この時分割走査で多重化されたフォトダイオード出力信号が図3のように時系列に並んで得られることになる。
【0027】
この実施の形態では、LED、L1、L2、…LnはフォトダイオードP1、P2、…Pnとの距離、即ち光軸長が例えば3mmと短い場合は連続点灯で使用し、例えば10cmと長い場合はダイナミック点灯制御を行って使用する。なお、各センサはそれぞれ連続点灯とダイナミック点灯の混在が可能である。
【0028】
電流電圧変換回路15から得られた電圧信号はアナログ信号であり、A/Dコンバータ16により順次デジタル信号に変換された後、比較器17の一方の入力端子に供給される。
【0029】
比較器17の他方の入力端子にはスライスレベルメモリ18の出力が供給されるように接続される。このスライスレベルメモリ18は、センサ1からセンサnまでのn個のセンサ、即ちフォトダイオードP1、P2、…Pnの個々の出力レベルから紙葉の有り無しを検知するためのスライスレベルを夫々予め設定して記憶するための複数のメモリエリアM1、M2…Mnを有している。
【0030】
例えば、搬送される紙葉が紙幣である場合には、紙幣の遮光性がその使用状態により様々に変化するので、どのような状態の紙幣も正確に検知できるようにセンサのスライスレベルが設定されなければならない。例えば、油がついた部分の紙幣は半透明状態になることが知られているが、このような状態の紙幣を検知するときには、紙幣の有り無しによるレベル変化が極めて小さいので、スライスレベルの設定は慎重に行われなければならない。
【0031】
フォトダイオードP1、P2、…Pnの個々の出力レベルとの比較から紙葉の有り無しを検知するためのスライスレベルを夫々予め設定して記憶するためのスライスレベルメモリ18の複数のメモリエリアM1、M2…Mnのアドレス指定は、センサ切換タイミング生成部13からの出力によってスイッチ回路14のフォトダイオードP1−Pnの出力の走査に同期して行われる。
【0032】
例えば、フォトダイオードP1からの出力がスイッチ回路14を介して電流電圧変換回路15に取り出されたときは、対応するメモリエリアM1がアドレス指定され、センサ1のスライスレベルが読み出され、比較器17でフォトダイオードP1のA/D変換出力レベルとの比較が行われる。スライスレベルより出力レベルが低ければ紙葉有りとの検出結果が得られる。
【0033】
フォトダイオードP1、P2、…Pnの個々の出力レベルとスライスレベルとの比較結果は、夫々比較結果メモリ19の対応するメモリエリアM11、M12…M1nに一時的に格納されてセンサ出力として一括してCPUに出力される。
【0034】
ここで、図1に示した実施の形態の第1の動作を図4のダイナミック点灯と連続点灯制御のタイミングに基づいて説明する。ここではフォトダイオードP1,P2が夫々対応するLED、L1,L2から例えば10cm離して設置され、残りのフォトダイオードP3乃至Pnは夫々対応するLEDL3乃至Lnと例えば3mmの近距離に設置されているものとする。従って、LEDL1,L2がダイナミック点灯制御、L3からLnは連続点灯制御である。
【0035】
ダイナミック点灯では、図4に示すように、1回目の走査期間T1が始まる前に、LEDL1を点灯してから光量が飽和するまでの時間を見こんで、最初のt1の走査タイミングで最初のフォトダイオードP1の出力が取り込まれる手前からLEDL1の発光即ち駆動を行う。実際には、LEDが駆動されてから発光光量がもっとも大きくなるのは、その駆動期間の最後の部分であり、この期間に合わせて走査タイミングtが設定される。
【0036】
1回目の走査期間T1では、最初のt1の走査タイミングに合わせてLEDL1のみを駆動してフォトダイオードP1の出力を取り込む。次のt2の走査タイミングではLEDL2は駆動されず、フォトダイオードP2からは出力は取り込まれない。t3乃至tnの走査のタイミングでは連続通電のLEDL3−Lnから出力が取り込まれる。このようにして、n個のフォトダイオードP1−Pnの走査タイミングt1−tnが一巡すると、続いて2巡目の走査期間T2がスタートする。
【0037】
尚、最初の走査タイミングt1ではLEDL1のダイナミック点灯のためのパルス電流が連続通電の電流と同時に流れるが、連続通電の電流は値が小さく、電源ラインの電圧の揺らぎは殆どなく、したがって、ノイズの発生もない。
【0038】
2回目の走査期間T2ではt1の走査タイミングでLEDL1は駆動されず、t2の走査タイミングが始まる僅か前に2番目のLEDL2を駆動し、フォトダイオードP2の出力が取り込まれている。t3乃至tnのタイミングでは、同様に連続通電のLEDL3−Lnから出力が取り込まれる。
【0039】
このように、フォトダイオードP1−Pn全体が一巡する1回の走査期間Tでは1個のLEDのみ点灯することで、ダイナミック点灯での複数のLED、ここでは2個のLEDL1、L2の同時点灯をしないように配慮している。
【0040】
n+1巡目の走査期間Tn+1が始まる僅か前に再びLEDL1が点灯され、最初のt1の走査タイミングでフォトダイオードP1の出力が取り込まれ、n+2巡目の走査期間Tn+1の最初の期間では再びLEDL2が点灯され、t2の走査タイミングでフォトダイオードP2の出力が取り込まれる。以下、同様にして、走査期間TがLEDの個数に対応する回数だけ繰り返され、センサ1乃至センサn出力が繰り返しCPUに供給される。
【0041】
尚、LEDL3−Lnは連続通電として説明したが、これらのLEDL3−LnもLEDL1,L2と同様に順次繰り返し駆動するようにし、すべてのLEDを順次ずらして繰り返し駆動してもよい。また、この場合の夫々のLEDの発光時間は発光光量の立ち上がりを考慮してT/n以上の時間に設定される。
【0042】
図5は連続点灯とダイナミック点灯の混在制御をセンサ数16で行った場合の実施形態である。この場合には、センサアレイの最初と最後のLEDL1とL16とをダイナミック点灯、中間に配置された残りのLEDL2からL15までを連続点灯で制御を行う。
【0043】
この実施形態では、ダイナミック点灯LEDL1、L16は最初の走査期間T1と最後の走査期間T16で図5のAにおいて斜線で示すように同時点灯が生じる。これを避けるため、図5Bに示すように、1回目の走査期間T1では、t1の走査タイミングでLEDL1のみを発光させる。この時は連続点灯のLEDL2乃至L15からは夫々t2乃至t15の走査タイミングでフォトダイオードP2−P15の出力を取り込む。もう一つのダイナミック点灯のLEDL16は16番目の走査期間T16で点灯され、t16のタイミングで出力P16が取り込まれる。
【0044】
このとき通常では2巡目の最初の走査期間T17にt1の走査タイミングでLEDL1が駆動されるが、この実施の形態ではLEDL1は駆動されない。従って、LEDL16のみの駆動となり、ダイナミック駆動のLEDについて同時駆動が生じない。
【0045】
即ち、この実施の形態では、図5のBに示したように、先頭のLEDL1の駆動のタイミングを2度目からは17回目のスキャン期間T17から一つづらしてT18の走査期間に移動させる。18回目の走査期間T18におけるフォトダイオードP1の最初の走査タイミングt1の開始に先立ってLEDL1が駆動される。
【0046】
このようにすれば、図5のBで示したように、走査期間T16の最後の走査タイミングt16で、ダイナミック点灯のLEDL16がt16に先立って駆動されても、17回目のスキャン期間T17の最初の部分ではもう一つのダイナミック点灯のLEDL1が駆動されないので、2個のダイナミック点灯LEDが略同時に駆動されることによる弊害はない。
【0047】
即ち、順次配列されたn個のセンサアレイの走査期間Tの最初の走査タイミングt1で駆動されるLEDと最後の走査タイミングtnで駆動されるLEDとを有するセンサ駆動回路の場合、n個のセンサを一巡する走査期間Tとセンサ数nとの積の期間n・Tに対して2順目以降では、最初の走査タイミングt1で走査されるLEDを最初の走査期間Tn+1では駆動せずに1走査周期Tだけずらせて駆動する。図5の実施の形態では17番目(16+1=17)の走査期間T17では駆動せずに18番目の走査期間T18に駆動されるようにダイナミック点灯の制御を行う。これによりダイナミック駆動のLEDの2個同時点灯による瞬間的な大電流に起因する不都合を避けることが可能となる。
【0048】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明によれば、消費電力を増大させずに発光素子からの光量を増加させることができ、又、複数発光素子の同時駆動を防止することにより過大なパルス電流が流れるのを防止して電源ラインの電圧の揺らぎに起因するノイズの発生も防止できるセンサ駆動方式を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の全体の構成を示すブロック図。
【図2】図1のスイッチ回路の動作を示すタイミングチャート。
【図3】図1のスイッチ回路の動作タイミングを示す図。
【図4】図1の実施の形態の動作を示すタイミングチャート。
【図5】この発明の他の実施の形態の動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
11…ドライブ回路。
12…光源発光タイミング生成部。
13…センサ切換タイミング生成部。
14…スイッチ回路。
15…電流電圧変換回路。
16…A/Dコンバータ。
17…比較器。
18…スライスレベルメモリ。
19…比較結果メモリ。
L1−Ln…LED。
P1−Pn…フォトダイオード。
Claims (9)
- 複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの少なくとも2個の発光素子を1個づつ繰り返し駆動して発光させるとともに残りの発光素子を連続駆動する駆動回路と、
前記複数の発光素子に対応して配置され前記複数の発光素子とともにセンサを構成する複数の受光素子と、
前記複数の受光素子からのアナログ出力をデジタルのセンサ出力として取り出す出力回路とを具備し、
前記出力回路は、所定の期間毎にすべての受光素子に走査信号を順次繰り返し供給する手段を含み、前記走査信号は前記所定の期間をTとし、発光素子と受光素子の対数をnとしたときにT/nとなるパルス幅を有し、
前記駆動回路は、前記繰り返し駆動される発光素子を前記所定の期間T毎に順次ずらして駆動するとともにT/n期間以上の時間発光させる駆動信号を発生させる手段を含むことを特徴とするセンサ駆動方式。 - 前記駆動回路は、発光タイミング生成部と、この発光タイミング生成部の出力に応じて前記少なくとも2個の発光素子に順次駆動信号を与える駆動部とを有することを特徴とする請求項1に記載のセンサ駆動方式。
- 前記出力回路は、前記走査信号を発生させる手段と、この発生された走査信号により前記受光素子の出力を順次切り替える切り替え手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のセンサ駆動方式。
- 前記出力回路は、前記切り替え手段から得られた受光素子の出力をアナログの電圧値に変換する変換回路と、このアナログの電圧値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、前記複数の受光素子夫々の遮光検知レベルを予め設定するスライスレベルメモリと、前記A/Dコンバータの出力と前記設定された遮光検知レベルとを比較する比較回路と、この比較回路の出力を前記センサの出力として取り出す出力手段とを具備することを特徴とする請求項3に記載のセンサ駆動方式。
- 複数の発光素子と、
前記複数の発光素子のうちの少なくとも2個の発光素子を1個づつ繰り返し駆動して発光させるとともに残りの発光素子を連続駆動する駆動回路と、
前記複数の発光素子に対応して配置され前記複数の発光素子とともにセンサを構成する複数の受光素子と、
前記複数の受光素子からのアナログ出力をデジタルのセンサ出力として取り出す出力回路とを具備し、
前記出力回路は、所定の期間毎にすべての受光素子に走査信号を順次繰り返し供給する手段を含み、前記走査信号は前記所定の期間をTとし、発光素子と受光素子の対数をnとしたときにT/nとなるパルス幅を有し、前記走査信号は期間n・Tで一巡して受光素子に供給され、
前記駆動回路は、前記少なくとも繰り返し駆動される発光素子が前記期間n・Tで一巡する最初の期間T1と最後の期間Tnに駆動される場合に、両者の発光時間が重複しないように最初の期間T1を少なくとも前記所定の期間だけ遅らせて発光させる駆動信号を発生させる手段を含むことを特徴とするセンサ駆動方式。 - 前記駆動回路は、発光タイミング生成部と、この発光タイミング生成部の出力に応じて前記繰り返し駆動される発光素子に順次駆動信号を与える駆動部とを有することを特徴とする請求項1又は5に記載のセンサ駆動方式。
- 前記駆動回路は、個々の受光素子に割り当てられた取り込みタイミングより以前に立ち上がるように、対応する発光素子にパルス駆動信号を与える手段を含むことを特徴とする請求項2又は6に記載のセンサ駆動方式。
- 前記出力手段は、前記比較回路の出力を前記受光素子の夫々に対応して記憶し、一括して出力する比較結果メモリを含む請求項2又は6に記載のセンサ駆動方式。
- 複数の発光素子と、
前記複数の発光素子を駆動して発光させる駆動回路と、
前記複数の発光素子に対応して配置され前記複数の発光素子とともにセンサを構成する複数の受光素子と、
前記複数の受光素子からのアナログ出力をデジタルのセンサ出力として取り出す出力回路とを具備し、
前記出力回路は、走査信号を発生させる手段と、所定の期間毎にすべての受光素子の出力を順次繰り返し切り替える切り替え手段と、
前記切り替え手段から得られた受光素子の出力をアナログの電圧値に変換する変換回路と、このアナログの電圧値をデジタル値に変換するA/Dコンバータと、前記複数の受光素子夫々の遮光検知レベルを予め設定するスライスレベルメモリと、前記A/Dコンバータの出力と前記設定された遮光検知レベルとを比較する比較回路と、この比較回路の出力を前記センサの出力として取り出す出力手段とを具備し、前記走査信号は前記所定の期間をTとし、発光素子と受光素子の対数をnとしたときにT/nとなるパルス幅を有することを特徴とするセンサ駆動方式。
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