JP4187130B2 - How to maintain the freshness of green vegetables - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は緑色野菜の鮮度保持方法に関する。収穫した緑色野菜を保管、運搬、陳列等の流通に供すると、かかる流通過程において緑色野菜が黄変したり或は腐敗することがある。緑色野菜の黄変は主として葉緑素の分解に起因し、また腐敗は主としてその表面に付着している雑菌に起因すると考えられる。本発明は、収穫した緑色野菜に火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする鮮度保持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、野菜類の鮮度保持方法として、収穫した野菜類を低温オゾン水で洗浄する方法(特開平6−165637)、収穫した野菜類を重金属イオンを溶解したオゾン水で洗浄する方法(特開平8−228603)、収穫した野菜類を電解水で洗浄する方法(特開平10−151460)等が提案されている。ところが、これらの従来法には、洗浄処理に長い時間がかかり、それでもなお実際には処理後の野菜類の日持ちが悪く、またいずれも水を用いる湿式処理であるため、処理後の野菜類の表面に水が付着残存し、そのままでは流通に供し難いという問題がある。野菜類の鮮度保持方法としては別に、食品保存料或は鮮度保持剤を用いる方法も提案されている(特開平9−98754、特開平10−117680、特開平11−79923)。ところが、これらの従来法には、食品保存料或は鮮度保持剤として、野菜類に由来しない化学物質を用いるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、新たな化学物質を用いることなく、簡便な乾式処理で、緑色野菜に火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して鮮度保持を図る方法を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明者らは、上記の課題を解決するべく研究した結果、緑色野菜のなかでも収穫したブロッコリー、ケール及びプチヴェールについては、その表面に、所定の条件下で、低エネルギの電子線を照射することが正しく好適であることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、収穫したブロッコリー、ケール及びプチヴェールから選ばれる一つ又は二つ以上の緑色野菜の表面に、下記の式1を満足するP及び下記の式2を満足するQの条件下で、低エネルギの電子線を照射して、該緑色野菜に火傷が生じないようにしつつその黄変を防止することを特徴とする緑色野菜の鮮度保持方法に係る。
【0006】
【式1】
200≦P<1000
【式2】
1≦Q≦5
【0007】
式1及び式2において、
P;照射した電子線による緑色野菜表面でのエネルギ量(keV)
Q;照射した電子線による緑色野菜表面での吸収線量(kGy)
【0008】
本発明では、緑色野菜の表面に低エネルギの電子線を照射する。電子線は、照射した電子線による緑色野菜表面でのエネルギ量が200keV以上1000keV未満及び照射した電子線による緑色野菜表面での吸収線量が1kGy以上5kGy以下の条件下で照射する。かかる電子線の照射には電子線発生装置を用いる。
【0009】
電子線発生装置の線源から発生させた電子線のエネルギ量は、その出口(照射口)に到るまでの間で、該装置を構成する主として窓箔(通常はチタン)により減衰され、また出口から緑色野菜表面に到るまでの間で、双方の間の距離に応じた雰囲気により減衰される。照射した電子線による緑色野菜表面でのエネルギ量は、用いる電子線発生装置の構成及びその出口から緑色野菜表面に到るまでの間の距離に応じた雰囲気に基づいて計算できるのであり、かくして計算した値である。
【0010】
例えば、電子線発生装置の線源から発生させた電子線のエネルギ量が500keVであり、その窓箔が厚さ0.005cmで比重4.54g/cm3のチタンの場合、チタンの電子線阻止能(減衰能)は2287keV・cm2/gであるから{ICRU Report 37(1984)から引用、以下電子線阻止能の引用は同じ}、出口における電子線のエネルギ量は、500−2287×0.005×4.54で計算される448.1keVになる。そして出口から緑色野菜表面に到るまでの距離が5cmで、雰囲気が比重1.20×10-3g/cm3の空気の場合、空気の電子線阻止能は3637keV・cm2/gであるから、緑色野菜表面に当たる時の電子線のエネルギ量は、448.1−3637×5×1.20×10-3で計算される426.3keVになる。
【0011】
電子線発生装置の線源から発生させた電子線のエネルギ量すなわち照射した電子線のエネルギ量から以上のように計算される緑色野菜表面でのエネルギ量は200keV以上1000keV未満とする。原子力基本法によれば、エネルギ量が1000keV以上の電子線は放射線と定義されており、食品衛生法によれば、食品への放射線の照射は禁止されているからである。緑色野菜表面でのエネルギ量は、操作上、通常100〜900keVとするが、500〜900keVとするのが好ましい。
【0012】
照射した電子線による緑色野菜表面での吸収線量は、前述したように緑色野菜表面に所定エネルギ量の電子線を当てることにより緑色野菜表面に吸収される吸収線量の測定値である。緑色野菜表面での吸収線量はラジオクロミックフィルム線量計で測定できる。かかる緑色野菜表面での吸収線量は1kGy以上5kGy以下とする。緑色野菜表面での吸収線量が5kGyを超えると、処理した緑色野菜の表面に商品価値を損なう火傷が生じる。緑色野菜表面での吸収線量は、操作上、2〜4kGyとするのが好ましい。
【0013】
緑色野菜の表面に、照射した電子線による緑色野菜表面でのエネルギ量が200keV以上1000keV未満及び照射した電子線による緑色野菜表面での吸収線量が1kGy以上5kGy以下の条件下で、低エネルギの電子線を照射すると、かくして処理した緑色野菜を日持ちさせることができる。
【0014】
ところで、緑色野菜には、主として葉緑素の分解に起因して、外観上、腐敗よりも先に黄変するものと、主としてその表面に付着している雑菌に起因して、外観上、黄変することなく或は黄変よりも先に腐敗するものとがある。腐敗よりも先に黄変する緑色野菜(以下、A群の緑色野菜という)には、ブロッコリー、ケール、プチヴェール(ケールの改良品、株式会社増田採種場の登録商標)、コマツナ、クレソン、パセリ等があり、また黄変することなく或は黄変よりも先に腐敗する緑色野菜(以下、B群の緑色野菜という)には、ホウレンソウ、ナガネギ、ミツバ、ニラ、カイワレダイコン、ターサイ、ルッコラ、メキャベツ、キャベツ、セロリ、ハクサイ、チンゲンサイ等がある。
【0015】
本発明では、A群の緑色野菜のなかでも特に、ブロッコリー、ケール及びプチヴェールから選ばれる一つ又は二つ以上の緑色野菜の表面に、前記の式1を満足するP及び下記の式2を満足するQの条件下で、低エネルギの電子線を照射する。
【0016】
図1は、A群の緑色野菜について、前記したPとQとの関係を示すグラフである。図1中、1はP=200を示す直線、2はQ=1を示す直線、3はQ=5を示す直線である。A群の緑色野菜の場合には、かかる緑色野菜の表面に、図1中の斜線で示す区域内におけるP及びQの条件下で、低エネルギの電子線を照射すると、かくして処理した緑色野菜の黄変を少なくとも4日間は防止でき、したがってそれだけ日持ちさせることができる。かかるPとQとの関係は、A群の緑色野菜のうちでも、特にブロッコリー、ケール、プチヴェールに対して効果の発現が高い。
【0017】
B群の緑色野菜の場合には、かかる緑色野菜の表面に、下記の式3を満足するR及びSの条件下で、低エネルギの電子線を照射するのが好ましい。
【0018】
【式3】
970.5R-1.01≦S
【0019】
式3において、
R;照射した電子線による緑色野菜表面でのエネルギ量(keV)で、1000未満
S;照射した電子線による緑色野菜表面での吸収線量(kGy)で、5以下
【0020】
図2は、B群の緑色野菜について、前記したRとSとの関係を示すグラフである。図2中、4はS=970.5R-1.01を示す曲線、5はS=5を示す直線である。B群の緑色野菜の場合には、かかる緑色野菜の表面に、図2中の斜線で示す区域内におけるR及びSの条件下で、低エネルギの電子線を照射すると、かくして処理した緑色野菜の腐敗を少なくとも4日間は防止でき、したがってそれだけ日持ちさせることができる。かかるRとSとの関係は、B群の緑色野菜のうちでも、特にホウレンソウに対して効果の発現が高い。
【0021】
収穫したブロッコリー、ケール及びプチヴェールから選ばれる一つ又は二つ以上の緑色野菜の表面に、以上説明したようなエネルギ量及び吸収線量の条件下で低エネルギの電子線を照射するに際しては、これらの緑色野菜を転動させるのが有利である。緑色野菜を振動網或は回転ローラ上に載置し、転動させながら、その表面に電子線を照射すると、緑色野菜の全表面に万遍なく電子線が当たり、それだけ効率的に緑色野菜を日持ちさせることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態としては、下記の1)〜11)が挙げられる。下記の1)〜11)はいずれも、A群の緑色野菜であるブロッコリー、ケール又はプチヴェールについて、式1を満足するエネルギ量P(keV)及び式2を満足する吸収線量Q(kGy)の条件下で、かかる緑色野菜の表面に低エネルギの電子線を照射する場合である。
【0023】
1)収穫したブロッコリーを間欠的に反転する回転ローラ上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=224及び吸収線量Q(kGy)=1の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0024】
2)収穫したブロッコリーを間欠的に反転する回転ローラ上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=224及び吸収線量Q(kGy)=3の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0025】
3)収穫したブロッコリーを振動網上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=224及び吸収線量Q(kGy)=5の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0026】
4)収穫したブロッコリーを振動網上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=639及び吸収線量Q(kGy)=1の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0027】
5)収穫したブロッコリーを振動網上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=639及び吸収線量Q(kGy)=3の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0028】
6)収穫したブロッコリーを間欠的に反転する回転ローラ上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=639及び吸収線量Q(kGy)=5の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0029】
7)収穫したブロッコリーを間欠的に反転する回転ローラ上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=841及び吸収線量Q(kGy)=1の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0030】
8)収穫したブロッコリーを振動網上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=841及び吸収線量Q(kGy)=3の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0031】
9)収穫したブロッコリーを振動網上に載置し、転動させながらその表面に、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=841及び吸収線量Q(kGy)=5の条件下で、低エネルギの電子線を照射し、ブロッコリーに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ブロッコリーの鮮度保持方法。
【0032】
10)前記1)〜9)において、ブロッコリーに代え、ケールの表面に低エネルギの電子線を照射し、ケールに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、ケールの鮮度保持方法。
【0033】
11)前記1)〜9)において、ブロッコリーに代え、プチヴェールの表面に低エネルギの電子線を照射し、プチヴェールに火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して日持ちを良くする、プチヴェールの鮮度保持方法。
【0034】
【実施例】
試験区分1
実施例1
収穫したブロッコリー10個を、間欠的に反転する回転ローラ上に載置し、転動させながらその表面に、バンデグラーフ型電子加速器を線源とする電子線発生装置を用いて、ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)=224及び吸収線量Q(kGy)=1の条件下で、低エネルギの電子線を照射した。
【0035】
実施例2〜9及び比較例2〜5
ブロッコリー表面でのエネルギ量P(keV)及び吸収線量Q(kGy)を表1記載のように変え、その他は実施例1と同様にして、ブロッコリーの表面に低エネルギの電子線を照射した。
【0036】
日持ちについての評価
各例のブロッコリーを25℃の恒温室内に設置したプラスチック容器内に7日間密閉保存し、その間に黄変が認められたブロッコリーの個数割合(%)を経日的に求めて表1に示した。尚、比較例1は、収穫したブロッコリーの表面に低エネルギの電子線を照射しなかった場合であり、また比較例4及び5については、低エネルギの電子線照射後、24時間以内に、全数の50%以上に火傷が生じたので、日持ちについての評価を行なわなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
試験区分2
実施例10
収穫したケール10個を、間欠的に反転する回転ローラ上に載置し、転動させながらその表面に、バンデグラーフ型電子加速器を線源とする電子線発生装置を用いて、ケール表面でのエネルギ量P(keV)=224及び吸収線量Q(kGy)=1の条件下で、低エネルギの電子線を照射した。
【0039】
実施例11〜18及び比較例6〜10
ケール表面でのエネルギ量P(keV)及び吸収線量Q(kGy)を表2記載のように変え、その他は実施例10と同様にして、ケールの表面に低エネルギの電子線を照射した。
【0040】
日持ちについての評価
各例のケールを25℃の恒温室内に設置したプラスチック容器内に7日間密閉保存し、その間に黄変が認められたケールの個数割合(%)を経日的に求めて表2に示した。尚、比較例6は、収穫したケールの表面に低エネルギの電子線を照射しなかった場合であり、また比較例9及び10については、低エネルギの電子線照射後、24時間以内に、全数の50%以上に火傷が生じたので、日持ちについての評価を行なわなかった。
【0041】
【表2】
【0042】
試験区分3
実施例19
収穫したプチヴェール10個を、間欠的に反転する回転ローラ上に載置し、転動させながらその表面に、バンデグラーフ型電子加速器を線源とする電子線発生装置を用いて、プチヴェール表面でのエネルギ量P(keV)=224及び吸収線量Q(kGy)=1の条件下で、低エネルギの電子線を照射した。
【0043】
実施例20〜27及び比較例11〜15
プチヴェール表面でのエネルギ量P(keV)及び吸収線量Q(kGy)を表3記載のように変え、その他は実施例19と同様にして、プチヴェールの表面に低エネルギの電子線を照射した。
【0044】
日持ちについての評価
各例のプチヴェールを25℃の恒温室内に設置したプラスチック容器内に7日間密閉保存し、その間に黄変が認められたプチヴェールの個数割合(%)を経日的に求めて表3に示した。尚、比較例11は、収穫したプチヴェールの表面に低エネルギの電子線を照射しなかった場合であり、また比較例14及び15については、低エネルギの電子線照射後、24時間以内に、全数の50%以上に火傷が生じたので、日持ちについての評価を行なわなかった。
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、新たな化学物質を用いることなく、簡便な乾式処理で、収穫したブロッコリー、ケール及びプチヴェールから選ばれる一つ又は二つ以上の緑色野菜に火傷が生じないようにしつつその黄変を防止して鮮度保持を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明において、先に黄変する緑色野菜につき、かかる黄変を防止するための、緑色野菜表面におけるエネルギ量P(keV)と吸収線量Q(kGy)との関係を示すグラフ。
【図2】 参考として、先に腐敗する緑色野菜につき、かかる腐敗を防止するための、緑色野菜表面におけるエネルギ量R(keV)と吸収線量S(kGy)との関係を示すグラフ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for maintaining the freshness of green vegetables. If the harvested green vegetables are distributed for storage, transportation, display, etc., the green vegetables may turn yellow or rot during the distribution process. It is considered that yellowing of green vegetables is mainly caused by decomposition of chlorophyll, and spoilage is mainly caused by various bacteria adhering to the surface. The present invention relates to a freshness maintaining method that prevents yellowing of harvested green vegetables and improves the shelf life while preventing yellowing.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a method for maintaining the freshness of vegetables, a method of washing harvested vegetables with low-temperature ozone water (Japanese Patent Laid-Open No. 6-165537), and a method of washing harvested vegetables with ozone water in which heavy metal ions are dissolved (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 8). -228603), a method of washing harvested vegetables with electrolyzed water (Japanese Patent Laid-Open No. 10-151460), and the like. However, in these conventional methods, it takes a long time for the washing treatment, and yet the actual shelf life of the processed vegetables is still poor, and both are wet treatments using water. There is a problem that water remains attached to the surface and is difficult to distribute as it is. In addition to methods for maintaining the freshness of vegetables, methods using food preservatives or freshness-preserving agents have also been proposed (JP-A-9-98754, JP-A-10-117680, JP-A-11-79923). However, these conventional methods have a problem that chemical substances not derived from vegetables are used as food preservatives or freshness-preserving agents.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is to provide a method for preventing the yellowing of green vegetables and maintaining the freshness by using a simple dry process without using a new chemical substance and preventing the green vegetables from being burned. There is in place.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, as a result of researches to solve the above problems, the present inventors have found that broccoli, kale, and petit veil harvested among green vegetables have a low energy electron beam on the surface under predetermined conditions. It has been found that irradiating is correctly suitable.
[0005]
That is, the present invention is applied to the surface of one or two or more green vegetables selected from harvested broccoli, kale and petit veil under the conditions of P satisfying the following formula 1 and Q satisfying the following formula 2. Further, the present invention relates to a method for maintaining the freshness of green vegetables, characterized by irradiating a low energy electron beam to prevent yellowing of the green vegetables while preventing burns.
[0006]
[Formula 1]
200 ≦ P <1000
[Formula 2]
1 ≦ Q ≦ 5
[0007]
In Equation 1 and Equation 2,
P: The amount of energy (keV) on the green vegetable surface by the irradiated electron beam
Q: Absorbed dose (kGy) on the surface of green vegetables by irradiated electron beam
[0008]
In the present invention, the surface of green vegetables is irradiated with a low energy electron beam. The electron beam is irradiated under the condition that the amount of energy on the green vegetable surface by the irradiated electron beam is 200 keV or more and less than 1000 keV and the absorbed dose on the green vegetable surface by the irradiated electron beam is 1 kGy or more and 5 kGy or less. An electron beam generator is used for such electron beam irradiation.
[0009]
The amount of energy of the electron beam generated from the source of the electron beam generator is attenuated mainly by the window foil (usually titanium) constituting the device until reaching the exit (irradiation port). Between the exit and the green vegetable surface, it is attenuated by the atmosphere according to the distance between the two. The amount of energy on the green vegetable surface by the irradiated electron beam can be calculated based on the configuration of the electron beam generator used and the atmosphere according to the distance from the exit to the green vegetable surface, thus calculating It is the value.
[0010]
For example, when the energy amount of an electron beam generated from the source of the electron beam generator is 500 keV and the window foil is titanium having a thickness of 0.005 cm and a specific gravity of 4.54 g / cm 3 , the electron beam blocking of titanium. Since the capacity (attenuation capacity) is 2287 keV · cm 2 / g {quoted from ICRU Report 37 (1984), the following is the same for the electron beam stopping power}, the energy amount of the electron beam at the exit is 500-2287 × 0. It is 448.1 keV calculated by 0.005 × 4.54. When the distance from the exit to the green vegetable surface is 5 cm and the atmosphere is air with a specific gravity of 1.20 × 10 −3 g / cm 3 , the electron beam blocking power of air is 3637 keV · cm 2 / g. Therefore, the amount of energy of the electron beam when hitting the green vegetable surface is 426.3 keV calculated by 448.1-3637 × 5 × 1.20 × 10 −3 .
[0011]
The energy amount on the green vegetable surface calculated as described above from the energy amount of the electron beam generated from the radiation source of the electron beam generator, that is, the energy amount of the irradiated electron beam is set to be 200 keV or more and less than 1000 keV. This is because an electron beam having an energy amount of 1000 keV or more is defined as radiation according to the Nuclear Energy Basic Law, and irradiation of food with radiation is prohibited according to the Food Sanitation Law. The amount of energy on the green vegetable surface is usually 100 to 900 keV for operation, but is preferably 500 to 900 keV.
[0012]
The absorbed dose on the green vegetable surface by the irradiated electron beam is a measured value of the absorbed dose absorbed on the green vegetable surface by applying an electron beam of a predetermined energy amount to the green vegetable surface as described above. The absorbed dose on the green vegetable surface can be measured with a radiochromic film dosimeter. The absorbed dose on the surface of the green vegetable is 1 kGy or more and 5 kGy or less. When the absorbed dose on the surface of the green vegetable exceeds 5 kGy, a burn that impairs the commercial value occurs on the surface of the treated green vegetable. The absorbed dose on the green vegetable surface is preferably 2 to 4 kGy in terms of operation.
[0013]
Low energy electrons on the surface of the green vegetable under the condition that the amount of energy on the surface of the green vegetable by the irradiated electron beam is 200 keV or more and less than 1000 keV and the absorbed dose on the surface of the green vegetable by the irradiated electron beam is 1 kGy or more and 5 kGy or less. By irradiating the line, the processed green vegetables can be kept for a long time.
[0014]
By the way, green vegetables are yellowish in appearance, mainly due to the degradation of chlorophyll, and yellowing prior to rot, and mainly due to various bacteria adhering to the surface. Some rot before or even before yellowing. Broccoli, kale, petit veil (Kale improved product, registered trademark of Masuda Seed Co., Ltd.), Komatsuna, watercress, parsley for green vegetables that turn yellow before rotting (hereinafter referred to as Group A green vegetables) In addition, there are green vegetables that rot without yellowing or before yellowing (hereinafter referred to as Group B green vegetables) , Cabbage, celery, Chinese cabbage, chingensai, etc.
[0015]
In the present invention, among the green vegetables of Group A, in particular, P satisfying the above formula 1 and the following formula 2 are applied to the surface of one or more green vegetables selected from broccoli, kale and petit veil. A low-energy electron beam is irradiated under a satisfactory Q condition.
[0016]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between P and Q described above for Group A green vegetables. In FIG. 1, 1 is a straight line indicating P = 200, 2 is a straight line indicating Q = 1, and 3 is a straight line indicating Q = 5. In the case of Group A green vegetables, when the surface of such green vegetables is irradiated with a low energy electron beam under the conditions of P and Q in the area shown by oblique lines in FIG. Yellowing can be prevented for at least 4 days and can thus be kept for a long time. Such a relationship between P and Q is highly effective especially for broccoli, kale, and petit veil among the green vegetables of group A.
[0017]
In the case of Group B green vegetables, it is preferable to irradiate the surface of the green vegetables with a low energy electron beam under the conditions of R and S that satisfy the following Expression 3.
[0018]
[Formula 3]
970.5R -1.01 ≦ S
[0019]
In Equation 3,
R: The amount of energy (keV) on the green vegetable surface by the irradiated electron beam, less than 1000 S; Absorbed dose (kGy) on the green vegetable surface by the irradiated electron beam, 5 or less [0020]
FIG. 2 is a graph showing the relationship between R and S described above for Group B green vegetables. In FIG. 2, 4 is a curve indicating S = 970.5R -1.01 , and 5 is a straight line indicating S = 5. In the case of Group B green vegetables, when the surface of such green vegetables is irradiated with a low energy electron beam under the conditions of R and S in the area shown by oblique lines in FIG. Corruption can be prevented for at least 4 days and can thus be kept for longer. The relationship between R and S is highly effective especially for spinach among the green vegetables in Group B.
[0021]
When irradiating the surface of one or more green vegetables selected from harvested broccoli, kale and petit veil with a low energy electron beam under the conditions of the energy amount and absorbed dose as described above, It is advantageous to roll green vegetables. When green vegetables are placed on a vibrating net or a rotating roller and rolled, the surface is irradiated with an electron beam. Can be kept for a long time.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Examples of the present invention include the following 1) to 11). All of the following 1) to 11) are the energy amount P (keV) satisfying the expression 1 and the absorbed dose Q (kGy) satisfying the expression 2 for broccoli, kale or petit veil which are green vegetables of the group A. In this case, the surface of the green vegetable is irradiated with a low energy electron beam under the conditions.
[0023]
1) The harvested broccoli is placed on a rotating roller that reverses intermittently, and while being rolled, the energy amount P (keV) = 224 and absorbed dose Q (kGy) = 1 on the surface of the broccoli is rolled. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating it with a low energy electron beam to prevent yellowing of the broccoli and improving its shelf life.
[0024]
2) The harvested broccoli is placed on a rotating roller that reverses intermittently, and while rolling, the surface has an energy amount P (keV) = 224 and absorbed dose Q (kGy) = 3 on the surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating it with a low energy electron beam to prevent yellowing of the broccoli and improving its shelf life.
[0025]
3) Place the harvested broccoli on a vibrating net and roll it on the surface under the conditions of energy amount P (keV) = 224 and absorbed dose Q (kGy) = 5 on the broccoli surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating the electron beam and preventing yellowing of the broccoli and improving the shelf life.
[0026]
4) Place the harvested broccoli on a vibrating net and roll it on the surface under the conditions of energy amount P (keV) = 639 and absorbed dose Q (kGy) = 1 on the broccoli surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating the electron beam and preventing yellowing of the broccoli and improving the shelf life.
[0027]
5) Place the harvested broccoli on a vibrating net and roll it on the surface under the conditions of energy amount P (keV) = 639 and absorbed dose Q (kGy) = 3 on the broccoli surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating the electron beam and preventing yellowing of the broccoli and improving the shelf life.
[0028]
6) The harvested broccoli is placed on a rotating roller that reverses intermittently, and while rolling, the surface has an energy amount P (keV) = 639 and absorbed dose Q (kGy) = 5 on the broccoli surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating it with a low energy electron beam to prevent yellowing of the broccoli and improving its shelf life.
[0029]
7) The harvested broccoli is placed on a rotating roller that reverses intermittently, and while rolling, the surface has an energy amount P (keV) = 841 and an absorbed dose Q (kGy) = 1 on the broccoli surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating it with a low energy electron beam to prevent yellowing of the broccoli and improving its shelf life.
[0030]
8) Place the harvested broccoli on a vibrating net and roll it on the surface under the conditions of energy amount P (keV) = 841 and absorbed dose Q (kGy) = 3 on the broccoli surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating the electron beam and preventing yellowing of the broccoli and improving the shelf life.
[0031]
9) Place the harvested broccoli on a vibrating net and roll it on the surface under the condition of energy amount P (keV) = 841 and absorbed dose Q (kGy) = 5 on the broccoli surface. A method for maintaining the freshness of broccoli by irradiating the electron beam and preventing yellowing of the broccoli and improving the shelf life.
[0032]
10) In the above 1) to 9), instead of broccoli, the surface of the kale is irradiated with a low-energy electron beam so that the kale is not burned while preventing yellowing and improving the shelf life. Freshness retention method.
[0033]
11) In the above 1) to 9), instead of broccoli, the surface of the petit veil is irradiated with a low-energy electron beam to prevent yellowing of the petit veil and to improve the shelf life. How to maintain the freshness of petit veil.
[0034]
【Example】
Test category 1
Example 1
Place 10 harvested broccoli on a rotating roller that reverses intermittently and roll it on the surface using an electron beam generator with a van de Graaf type electron accelerator as the source. A low energy electron beam was irradiated under the conditions of energy amount P (keV) = 224 and absorbed dose Q (kGy) = 1.
[0035]
Examples 2-9 and Comparative Examples 2-5
The amount of energy P (keV) and absorbed dose Q (kGy) on the broccoli surface was changed as shown in Table 1, and the surface of the broccoli was irradiated with a low-energy electron beam in the same manner as in Example 1.
[0036]
Evaluation of shelf life The broccoli of each example was stored in a plastic container installed in a constant temperature room at 25 ° C. for 7 days, and the percentage (%) of broccoli in which yellowing was observed during that period was obtained over time. It was shown in 1. Comparative Example 1 is a case where the surface of the harvested broccoli was not irradiated with a low energy electron beam. In Comparative Examples 4 and 5, the total number was within 24 hours after the low energy electron beam irradiation. Since burns occurred in 50% or more, the shelf life was not evaluated.
[0037]
[Table 1]
[0038]
Test category 2
Example 10
10 harvested kales are placed on a rotating roller that reverses intermittently, and while rolling, an electron beam generator using a van de Graaf type electron accelerator as a source is used on the surface. A low energy electron beam was irradiated under the conditions of energy amount P (keV) = 224 and absorbed dose Q (kGy) = 1.
[0039]
Examples 11-18 and Comparative Examples 6-10
The amount of energy P (keV) and absorbed dose Q (kGy) on the surface of the kale was changed as shown in Table 2, and the surface of the kale was irradiated with a low-energy electron beam in the same manner as in Example 10.
[0040]
Evaluation of shelf life The kale of each example was stored in a plastic container installed in a thermostatic chamber at 25 ° C. for 7 days, and the percentage (%) of kales that were yellowed during that time was obtained over time. It was shown in 2. In Comparative Example 6, the surface of the harvested kale was not irradiated with a low-energy electron beam. In Comparative Examples 9 and 10, the total number was within 24 hours after irradiation with the low-energy electron beam. Since burns occurred in 50% or more, the shelf life was not evaluated.
[0041]
[Table 2]
[0042]
Test category 3
Example 19
10 harvested petit verts are placed on a rotating roller that reverses intermittently, and while rolling, the surface of the petit vert is used by using an electron beam generator with a van de Graaf type electron accelerator as a source. A low energy electron beam was irradiated under the conditions of energy amount P (keV) = 224 and absorbed dose Q (kGy) = 1.
[0043]
Examples 20-27 and Comparative Examples 11-15
The amount of energy P (keV) and absorbed dose Q (kGy) on the petit veil surface was changed as shown in Table 3, and the rest of the petit veil surface was irradiated with a low energy electron beam in the same manner as in Example 19. .
[0044]
Evaluation of shelf life The petit veil of each example was stored in a plastic container installed in a constant temperature room at 25 ° C. for 7 days, and the number ratio (%) of petit veil in which yellowing was observed during that period was obtained over time. Table 3 shows the results. In Comparative Example 11, the surface of the harvested petit veil was not irradiated with a low energy electron beam. For Comparative Examples 14 and 15, within 24 hours after irradiation with the low energy electron beam, Since burns occurred in more than 50% of the total, the shelf life was not evaluated.
[0045]
[Table 3]
[0046]
【The invention's effect】
As is clear from the above, the present invention described above can be applied to one or two or more green vegetables selected from harvested broccoli, kale and petit veil by simple dry processing without using a new chemical substance. There is an effect that the yellowing can be prevented and the freshness can be maintained while preventing burns.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the relationship between the amount of energy P (keV) and absorbed dose Q (kGy) on the surface of a green vegetable for preventing the yellowing of the green vegetable that yellows first in the present invention.
FIG. 2 is a graph showing a relationship between an energy amount R (keV) and an absorbed dose S (kGy) on a green vegetable surface for preventing such rotting for a green vegetable that rots earlier.
Claims (2)
【式1】
200≦P<1000
【式2】
1≦Q≦5
{式1及び式2において、
P;照射した電子線による緑色野菜表面でのエネルギ量(keV)
Q;照射した電子線による緑色野菜表面での吸収線量(kGy)}Low energy electrons on the surface of one or more green vegetables selected from harvested broccoli, kale and petit veil under the conditions of P satisfying the following formula 1 and Q satisfying the following formula 2. A method for maintaining the freshness of a green vegetable , comprising irradiating a line to prevent the green vegetable from being burned while preventing yellowing .
[Formula 1]
200 ≦ P <1000
[Formula 2]
1 ≦ Q ≦ 5
{In Formula 1 and Formula 2,
P: The amount of energy (keV) on the green vegetable surface by the irradiated electron beam
Q: Absorbed dose (kGy) on the surface of green vegetables by irradiated electron beam}
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