JP4186563B2 - 光源制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源制御装置に係わり、特に、光源から出力された光ビームを被走査面上に走査させる光走査装置に用いられ、互いに異なる第1の目標光量及び第2の目標光量の各々に対して前記光源の出力光量を調整し、前記第1の目標光量及び前記第2の目標光量に対する光量調整結果に基づいて当該光源の出力光量特性を求めると共に、求めた前記出力光量特性に基づいて前記光源の出力光量を制御する光源制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザプリンタや電子写真複写機等、光走査装置によって、光ビームを感光体上に走査させて画像を形成する画像形成装置がある。図17に、一般的な光走査装置の構成を示す。図17に示すように、光走査装置200では、光源として、端面発光型の半導体レーザ(以下、「LD」と称す)202Aを用い、LD202から出力された光ビームは、レンズ204により平行光化した後、側面に複数の反射面を有し、一定速で回転するポリゴンミラー206へと入射されるようになっている。そして、ポリゴンミラー206の反射面により反射された走査光ビームは、fθレンズ208を透過することにより、感光体表面での走査速度が一定となるように走査速度を補正されてから感光体へ照射されるようになっている。
【0003】
このような光走査装置では、LDの出力光量を検知し、検知結果が所定光量となるようにLDの駆動電流を調整することで、LDの出力光量制御が行われている。例えば、端面発光型のLD202Aでは、LDパッケージ内に、LDの出力光量を検知するための検知手段として、LDから後方に出力された光ビームを受光するフォトダイオード(以下、「PD」と称す)が設けられており、このPDによりLDの後方出力を検知することにより、LDの出力光量を検知することができるようになっている。
【0004】
また、近年は、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)と称される複数の発光点を有する面発光型のLDを安価に作成できるようになってきたことから、図18に示すように、光走査装置200の光源として、従来の端面発光型のLD202Aに代えて、面発光型のLD202Bを用いることも検討されている。この面発光型のLD202Bは、端面発光型のLDのように後方出力がなく、何れの発光点からも一方方向にのみ光ビームが出力されるため、図19に示す如く面発光型のLD202Bとは別に検知手段としてのPD210が設けられ、レンズ204により面発光型のLD202Aからの出力光を平行光化した後、ハーフミラー212によりその一部をPD210へと案内すると共に、レンズ214により集光してPD210に入射させることで、出力光量を検知する方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。なお、以下では、端面発光型と面発光型のLDを特に区別しない場合は、LD202と称して説明する。
【0005】
ここで、光学部材の特性により、被走査面上での光量は必ずしも走査領域において均一にならないため、均一な濃度の階調画像等を形成しようとしても光ビーム走査位置によって濃度むらが発生する問題がある。また、画像形成装置では、一定電圧に帯電された感光体上の光ビームの照射部のみが除電され、ビーム照射部と非照射部との電位差によりトナー現像が行われるが、感光体の感度むらや感光体の軸方向の帯電むらによっても光ビーム走査位置による濃度むらは発生する。
【0006】
このため、感光体上のレーザ走査位置に応じてLDの出力光量を補正する技術が提案されている(特許文献2参照)。この技術は、図17、18に示すように、感光体上のレーザ走査位置に対する無補正状態の光量プロファイルが、例えば走査方向両端部で光量が減少するような場合、LD202の出力を両端部で増加させるように補正係数を変化させ、補正後の均等な光量プロファイルを得るものである。
【0007】
一般に、LDの駆動電流に対する出力光量特性(以下、「LDの出力光量特性」と称す)は、単純な比例関係になく、駆動電流が閾値以下の場合は、駆動電流が増加してもほとんど光出力はなく、閾値を超えると駆動電流に比例して光量が出力する。したがって、駆動電流を単純に補正係数(α)倍しただけでは所望の光量とはならない。
【0008】
このため、この特許文献2に記載の技術では、図20に示すように、基準光量となる感光体要求光量としての光量P1の他に、LDの出力光量特性を求めるための参考光量としての光量P2を用い、光量P1およびP2を得るためのLDの駆動電流値I1、I2(実際には、LDにI1、I2の駆動電流を供給するための制御データ値)を求めて、以下の式(1)、(2)により、発光効率η及び閾値値電流 Ithを算出することにより、LDの出力光量特性を求めている。
【0009】
η=(P2−P1)/(I2−I1) …(1)
Ith=I1−(P1/η) …(2)
このように発光効率η及びしきい値電流 Ithを算出することで、濃度むらを補正するため必要とされる所望の光量を得るための駆動電流Iを容易に求めることができる。例えば、光量P1の1.3倍(α=1.3)の光量を得るための駆動電流Iは、以下の式(3)のように設定すればよい。
【0010】
I=(I1−Ith)×1.3 + Ith …(3)
ただし、発光効率η及びしきい値電流 Ithの計算精度を低下させないためには、光量P1及びP2は、ある程度以上のレベル差があるほうが良く、特許文献2では、P2=P1×2とした例が記述されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平4−355986号公報
【特許文献2】
特開平11−291548公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、図21に示すように、参照光量として用いる光量P2を感光体要求光量としての光量P1に固定係数をかけた値に設定していたため、P1とP2の大小関係が固定であり、必要以上にLDを劣化する恐れがあるという問題があった。
【0013】
詳しくは、図22に示すように、濃度むらを補正するために実際に使用する光量範囲の最大光量(実使用光量上限)が光量P2よりも低い場合は、光量P2を得るためのLDの駆動電流を測定する際に、必要以上の光量でLDを点灯させることになり、感光体要求光量が大きくなる程、LDの劣化が加速してしまう。
【0014】
また、LDが破壊されないためには、
P2<LD光量上限
の条件を満たす必要があり、LD光量の実使用光量上限は、
LD光量の実使用光量上限<P2<LD光量上限
となるため、光量P2により実際に使用可能なLDの光量範囲(実使用光量範囲)が制限されてしまうという問題もあった。すなわち、図22に示すように、感光体要求光量が高くなると、実使用光量上限がLD光量上限に達する前に、光量P2がLD光量上限に達してしまってLDの光量調整を行うことができなくなるため、それ以上の光量では実際には使用できなくなり、画像形成に本来使用可能な光量範囲(図22の▲1▼参照)よりも、実際に使用可能な光量範囲(図22の▲2▼参照)が狭くなってしまう。光学部材特性や感光体感度等のばらつきによる必要光量が大きく変動する画像形成装置には対応できなかった。
【0015】
光量P2をP1よりも小さくすることも考えられるが、単純にP2をP1よりも小さくしただけでは、実際に使用する光量の最小値がP1よりも低く、要求される絶対光量も小さい場合には、光量P2は極めて低い出力レベルとなる。LD光量が小さくなると、PDから受光光量に応じて出力される出力電流も小さくなって、相対的にノイズの影響が大きくなるため、光量検知精度が低下してしまう。特に、VCSELを用いる場合は、PDにに入射する光量がさらに小さくなる可能性があるため、ノイズの影響がより深刻になる。
【0016】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、光源の劣化を防止し、且つ実際に光源の使用可能な光量範囲を広く保つことができる光源制御装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、光源から出力された光ビームを被走査面上に走査させる光走査装置に用いられ、前記光源の出力光量制御の際に基準として用いられる基準光量である第1の目標光量、及び前記第1の目標光量とは光量が異なり、出力光量特性を求める際に参考光量として用いられる第2の目標光量の各々に対応させて前記出力光量特性を求める際に前記光源の出力光量を調整し、前記第1の目標光量及び前記第2の目標光量に対する光量調整結果に基づいて当該光源の出力光量特性を求めると共に、求めた前記出力光量特性に基づいて前記光源の出力光量制御を行う光源制御装置であって、前記第2の目標光量は、前記第1の目標光量の増加に応じて増加する光量であり、前記出力光量特性を求める際に、前記第1の目標光量より前記第2の目標光量が大きく、かつ前記第2の目標光量が前記光源が出力可能な最大光出力での光量に達する場合には、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さな目標光量となるように大小関係を切替える切替手段を有する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、切替手段により、第1の目標光量と第2の目標光量との大小関係を切替えることができるので、一方の目標光量が光源が出力可能な最大光出力に達して光量調整ができなくなった場合には、当該目標光量の大きさを小さくし、もう一方の目標光量が最大光出力に到達するまで光量調整がを行可能な光量範囲を広げることができる。
【0019】
なお、上記の光源制御装置においては、前記第1の目標光量が、画像形成装置の感光体要求光量など、前記光源の出力光量制御時に基準として用いられる基準光量である場合には、請求項2に記載されているように、前記切替手段は、前記第2の目標光量を変更して前記大小関係を切替える、ようにするとよい。
【0020】
また、上記の光源制御装置においては、請求項3に記載されているように、前記切替手段は、外部から入力された信号に基づいて、前記大小関係を切替えるようにしてもよいし、請求項4に記載されているように、前記第1の目標光量を予め定められた所定の閾値と比較し、当該比較結果に基づいて、前記切替手段の切替を制御する切替制御手段を更に有し、切替制御手段の制御により自動的に前記大小関係が切替えられるようにしてもよい。
【0021】
切替制御手段の制御により大小関係を切替える場合は、簡単で且つ確実な制御のためには、請求項5に記載されているように、前記閾値は、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さくするように切替える場合と、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも大きくするように切替える場合とで同一にするとよい。
【0022】
また、制御の自由度を高くするためには、請求項6に記載されているように、前記閾値は、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さくするように切替える場合と、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも大きくするように切替える場合とで異なるようにするとよい。
【0023】
この場合、高光量時の光源保護、低光量時の光検知精度の確保、及び光量切替頻度の低減のためには、請求項7に記載されているように、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さくするように切替える場合に用いる閾値(以下、第1の閾値)を、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも大きくするように切替える場合に用いる閾値(以下、第2の閾値)よりも大きくするとよい。また、請求項8に記載されているように、前記大小関係の初期状態を設定する初期設定手段を更に有し、初期状態を任意に変更可能とするとよい。
【0024】
請求項9に記載されているように、前記光源から出力された光ビームの少なくとも一部を検知する検知手段と、前記検知手段による検知光量を所定のレベルと比較する比較手段と、前記第1の目標値に応じて定められた第1の基準値と、第2の目標値に応じて定められた第2の基準値との何れか一方を選択する選択手段と、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記検知光量が前記選択手段により選択された基準値と略一致するように前記光源の出力光量を調整する調整手段と、を備え、前記切替制御手段が、前記選択手段により第1の基準値が選択されて、調整手段により調整が行われた際の前記検知手段による検知結果、又は前記第1の基準値を前記第1の目標光量に相当する値として用いればよい。従来より一般的な光走査装置の光源制御装置には、上記の検知手段、比較手段、選択手段、調整手段が備えられているので、第1の目標光量の代わりに、上記の如く検知手段の検知結果や第1の基準値を用いることで、切替制御手段を容易に実現可能である。
請求項10に記載されているように、前記第2の目標光量は、前記第1の目標光量に固定係数を掛けた値であり、前記第2の目標光量が前記光源が出力可能な最大光出力での光量に達していない場合には前記固定係数は1より大きく、前記第2の目標光量が前記光源が出力可能な最大光出力での光量に達する場合には前記固定係数は1より小さいことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明に係る実施形態の1例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明を図17や図18で示したような光走査装置200の光源として用いられるLDを駆動するLD駆動装置に適用した場合を例に説明する。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1には、第1の実施の形態に係わるLD駆動装置10が示されている。図1に示すように、このLD駆動装置10は、光走査装置の光源としてのLD202及び当該LD202の出力光量を検知する検知手段としてのPD210と接続されて用いられる。なお、PD210は、LD202が端面発光型である場合は、LDパッケージ内に当該LD202の後方出力を検知するように内蔵されているフォトダイオードを用いればよい。また、LD202が面発光型、すなわちVCSELの場合には、図18で示したように、ハーフミラー212によりLD202の出力光の一部を取りだし、この取出された出力光を受光するようにPD210を配置すればよい。
【0027】
また、LD駆動装置10は、直流電流源12、変調電流源14、変調電流源16、デジタルアナログ変換器(以下D/A)18、D/A20、比較器22、スイッチ24、基準電圧生成回路26、及びCPU28を備えている。このLD駆動装置10では、LD202には、直流電流源12、変調電流源14、及び変調電流源16のそれぞれからの出力電流の総和が駆動電流として供給されるようになっている。
【0028】
詳しくは、直流電流源12は、D/A18を介して、CPU28と接続されており、変調電流源14も、D/A18を介して、CPU28と接続されている。直流電流源12及び変調電流源14には、CPU28から出力されたデジタル信号(以下、DATA_A)がD/A18によりアナログ信号に変換されて入力される。
【0029】
直流電流源12及び変調電流源14の出力電流は、所定の比率となっており、CPU28からの出力信号DATA_Aに比例して、両者の電流源からの出力電流値の合計が変化するようになっている。すなわち、CPU28により、直流電流源12及び変調電流源14の出力電流値が制御されている。CPU28は、直流電流源12及び変調電流源14の出力電流値の合計がLD202が点灯開始する閾値電流Ithとなるように制御する。
【0030】
変調電流源16は、D/A20を介して、CPU28と接続されている。変調電流源16には、CPU28からのデジタル信号(以下、DATA_B)がD/A20によりアナログ信号に変換されて入力される。
【0031】
また、変調電流源16は、内部にD/A30を備えている。このD/A30には、CPU28からデジタル信号(以下、DATA_C)が入力され、このデジタル信号をアナログ信号に変換する。
【0032】
変調電流源16は、CPU28からの出力信号DATA_Bに対して信号DATA_Cを乗じた値に比例した電流値の電流を出力するようになっている。すなわち、変調電流源16は、信号DATA_Bに応じた大きさの電流が、信号DATA_Cにより補正されて出力する。なお、変調電流源16は、信号DATA_Cの値が中央値(例えば4ビット信号であればDATA_C=8)のときに、信号DATA_Bに応じた大きさの電流の倍率を1倍、すなわち補正無しとなるようになっている。
【0033】
また、変調電流源14、16には、外部(例えば本LD駆動装置10によりLD202を駆動する光走査装置を搭載した画像形成装置本体側)から画像データが入力されるようになっており、変調電流源14、16は、画像データに基づいて、各々の電流出力をON/OFFするようになっている。このように、画像データに基づいて、変調電流源14、16の電流出力をON/OFFすることで、LD202を画像データに基づいて発光させることができる。すなわち、LD202は、直流電流源12、変調電流源14、及び変調電流源16からの出力電流の総和が駆動電流として供給されて、該駆動電流に応じた光量の光を出力するが、変調電流源14、16からの出力電流が画像データに基づいてON/OFFされるため、画像データがOFFの場合には、直流電流源12からの出力電流しか供給されず、駆動電流が閾値電流Ithより小さくなるため発光せず、画像データがONの場合のみ発光させることができる。
【0034】
LD202から出力された光の一部は、PD210に受光され、PD210からは受光量に応じた電流が出力される。PD210から出力された受光量に応じた出力電流は、負荷抵抗32によって電圧(以下、モニタ電圧)VMに変換されて、比較器22に入力されるようになっている。
【0035】
この比較器22は、スイッチ24とも接続されており、このスイッチ24により、LD202の光量を調整するための基準値として、異なる2レベルの基準電圧VREF1、VREF2の何れか一方が選択されて入力されるようになっている。すなわち、スイッチ24が、本発明の選択手段に対応している。
【0036】
また、スイッチ24には、CPU28からVREF選択信号が供給されるようになっており、スイッチ24は、このVREF選択信号に基づいて基準電圧VREF1、VREF2の何れか一方を選択するようになっている。なお、本実施の形態では、スイッチ24は、VREF選択信号がH(ハイレベル)の場合にVREF1、L(ロウレベル)の場合にVREF2を選択するようになっている。
【0037】
比較器22は、入力されたモニタ電圧VMと、基準電圧VREF1又はVREF2とを比較し、比較結果をCPU28へ出力する。すなわち、比較器22が本発明の比較手段に対応している。
【0038】
CPU28は、本発明の調整手段としての機能を担っており、比較器22による比較結果に基づいて、より詳しくは、モニタ電圧VMが基準電圧VREF1又はVREF2と略一致するように、信号DATA_A、DATA_Bを設定するようになっている。これにより、LD202の出力光量を、基準電圧VREF1又はVREF2に対応する所定光量に調整することが可能となる。以下、基準電圧VREF1、VREF2に対応する光量をそれぞれ光量P1、P2と称す。この光量P1、P2が、本発明の第1の目標光量、第2の目標光量に対応する。
【0039】
なお、本実施の形態では、光走査装置から最終的に出力されるビーム光量が一定であっても、PD210に入射する光量は一定にはならないため、前述の負荷抵抗32を可変抵抗として、負荷抵抗32の抵抗値を変更することでゲイン調整を行って、光走査装置から最終的に出力されるビーム光量に対するモニタ電圧VMが一定になるようにしている。
【0040】
基準電圧生成回路26は、光量調整に用いる前述の基準電圧VREF1、VREF2を生成してスイッチ24へ供給するものであり、本実施の形態では、外部からの基準光量設定電圧VREFが入力され、この基準光量設定電圧VREFに基づいて、基準電圧VREF1、VREF2を生成するようになっている。
【0041】
なお、基準光量設定電圧VREFは、画像形成装置において所定濃度の画像を得るための感光体要求光量に応じて設定されるものである。画像形成装置では、一般に、温度、湿度の変化、機差、適用記録材料の紙質、及びこれらの経時的な変化といった環境変化や仕様の違いから出力画像濃度が変化するため、この変化に応じて、感光体要求光量も変化する。基準光量設定電圧VREFは、出力画像の濃度が薄くなった場合には、濃度を濃くするためにより大きな値に設定され、出力画像の濃度が濃くなった場合には、濃度を薄くするためにより小さな値に設定される。
【0042】
また、基準電圧生成回路26には、外部からの光量切替信号が入力されるようになっている。この光量切替信号は、「P1<P2」と、「P1>P2」の何れが好ましい状態であるかを示すものである。基準電圧生成回路26は、この光量切替信号に基づいて、生成する基準電圧VREF2の電圧値を変更し、基準電圧VREF1に対する基準電圧VREF2の大小関係を切換えることができるようになっている。すなわち、基準電圧生成回路26が、本発明の切替手段として機能する。
【0043】
なお、以下では、光量切替信号がH(ハイレベル)の場合は、「VREF1<VREF2」、L(ロウレベル)の場合は、「VREF1>VREF2」となるように、基準電圧VREF2の電圧値を変更する場合を例に説明するが、基準切替信号のH/Lと、基準電圧VREF1及びVREF2の大小関係との対応は、逆であってもよい。
【0044】
具体的には、本実施の形態では、一例として、光量切替信号がH、すなわち「VREF1<VREF2」に設定された場合は、
VREF1=VREF、VREF2=VREF×1.25、
にするようになっている。すなわち、P2=P1×1.25となり、「P2>P1」の関係が成り立つ。
また、光量切替信号がL、すなわち「VREF1>VREF2」に設定された場合は、
VREF1=VREF、VREF2=VREF×0.75、
にするようになっている。すなわち、P2=P1×0.75となり、「P2<P1」の関係が成り立つ。なお、VREF1、VREF2の値は、これに限定されるものではない。
【0045】
CPU28は、LD駆動装置10の全体の動作を司るものであり、このCPU28には、外部から制御信号として、光量切替信号、同期信号、及び走査位置データが入力されるようになっており、この制御信号に基づいて制御を行う。なお、同期信号は、画像形成装置において画像形成を行う際に、画像形成装置の他の部材の動作と同期をとるためのものであり、1ページの画像の書出しタイミングを制御するための垂直同期信号と、主走査方向の画像の書出しタイミングを制御するための水平同期信号とがある。また、走査位置データは、光走査装置による光ビームの走査位置を示すものであり、同期信号と同期されている。また、前述した形成する画像を示す画像データも、この同期信号に同期してLD駆動装置10に入力されるようになっている。
【0046】
CPU28は、光量切替信号に基づいて、光量P1が得られるようにデジタル信号DATA_A、DATA_Bを設定して、光量P1、P2となるようにのLD202の光量調整を行って、LD202の出力光量特性を定め、光量調整後は、DATA_Cが中央値の場合にLD202の出力光量を感光体要求光量である光量P1にするためのDATA_A、DATA_Bの設定値を保持する。
【0047】
なお、本実施の形態では、この光量切替信号は、スイッチやメモリなどにより初期値が設定されており、立ち上げ直後は、この初期値が用いられて光量切替信号が生成されて、LD駆動装置10に入力されるようになっている。また、光量P1、P2の大小関係の切替えが望まれる場合に、例えば、画像形成装置の出力画像の画質によりユーザが光量切替が必要と判断したり、所定枚数プリントされた場合に画像形成装置に設けられたタッチパネルディスプレイにメッセージを表示して、光量切替が必要なことが報知された場合には、ユーザによりスイッチを切替えたり、又はタッチパネルディスプレイの操作によりメモリの格納情報が変更されることで、光量切替信号が反転されてLD駆動装置10に入力されるようになっている。
【0048】
また、CPU28は内部にメモリ34を備えており、この内部メモリ34には、図17、18で示した如く、画像形成装置による出力画像上に生じる濃度ムラを補正するように、光走査装置による光ビームの走査位置に応じて求められた補正係数が予め記憶されている。CPU28は、画像形成のために画像データに基づいてLD202の点灯させる際には、同期信号に同期して、走査位置データで示される走査位置に対応する補正係数を内部メモリ34から読み出し、読み出した補正係数に応じて値のデジタル信号DATA_Cを出力することで、変調電流源16の出力を光ビームの走査位置に応じた補正係数により補正するようになっている。これにより、LD202に供給される駆動電流が変化し、図17、18で示した如くLD202の出力光量が走査位置に応じて補正される。すなわち、画像形成領域内では、濃度むらを補正するようにLD202の光量がP1を基準に増減される出力光量制御が行われることになる。
【0049】
次に、本実施の形態の作用を説明する。図2に、LD駆動装置10の電源投入後にCPU28により実行される制御処理ルーチンの一例を示す。以下、この図を参照して、LD駆動装置10の動作を説明する。なお、以下では、主として、「P2>P1」とするように光量切替信号がHに設定されている場合を例に説明する。この場合は、LD駆動装置10では、基準電圧生成回路26により、VREF1=VREF、VREF2=VREF×1.25となるように、基準電圧VREF1、VREF2が生成される。
【0050】
図2に示すように、LD駆動装置10は、電源投入されると、まずステップ100において、以下に説明する初期光量調整が行われる。
【0051】
[初期光量調整]
初期光量調整は、基準光量設定電圧VREFにより定められる所定光量の出力光量が得られるように、LD202の出力光量特性に応じて、デジタル信号DATA_A,DATA_Bの値を設定するものであり、この初期光量調整時は、画像データがON状態にされて、変調電流源14、16の駆動がONされるようになっている。
【0052】
初期光量調整時では、CPU28は、まず、VREF選択信号をHにして、スイッチ24に基準電圧VREF1を選択させると共に、「DATA_B=0」、「DATA_C=中央値」に設定して、変調電流源16から電流出力が得られないようにした状態で、DATA_Aの値を0から除々に増加させていく。
【0053】
これにより、直流電流源12と変調電流源14の出力電流値が除々に増加していき、この直流電流源12と変調電流源14からの出力電流値の和を駆動電流としたLD202の発光が開始される。
【0054】
このとき得られたモニタ電圧VMは、比較器22において基準電圧VREF1と比較され、CPU28では、モニタ電圧VMが「VM>VREF1」となった時点、すなわち、図3に示すように、LD202の出力光量がP1になった時点のDATA_Aの値K1を記憶する。以下、このときのDATA_Aの値をK1とする。
【0055】
その後は、CPU28では、VREF選択信号をH→Lに切換えて、DATA_Aの値をさらに増加させていく。そして、モニタ電圧VMが「VM>VREF2」となった時点、すなわち、図3に示すように、出力光量がP2になった時点のDATA_Aの値K2を記憶する。
【0056】
上記のようにしてK1、K2を取得したら、CPU28では、取得したK1、K2を用いて、図4に示すように、直流電流源12と変調電流源14の出力電流値の和をLD202が発光を開始する閾値電流Ithにするためのデジタル信号値THを次式(4)により求める。
【0057】
TH=K1−(K2/(1.25−1)) …(4)
また、直流電流源12と変調電流源14の出力電流値の和が閾値電流Ithの場合に、光量P1でLD202を発光させるためのデジタル信号値S1を次式(5)により求める。
【0058】
S1=K1−TH …(5)
このようにして、デジタル値TH、S1を求めたら、初期光量調整は終了される。
【0059】
なお、上記では、光量切替信号の初期設定が「P2>P1」の場合を例に説明したが、「P2<P1」の場合には、DATA_Aの値を0から除々に増加していき、まず、モニタ電圧VMが「VM>VREF2」になった、すなわち出力光量がP2になるK2を取得してから、「VM>VREF1」になった、すなわち出力光量がP1になるK1を取得する。そして、式(4)中の数値1.25を0.75に変更して、デジタル値TH、S1を求めればよい。
【0060】
初期光量調整後は、CPU28は、「DATA_A=TH」、「DATA_B=S1」と設定する。これにより、「DATA_C=中央値」に設定されている場合は、LD202に対して、基準光量設定電圧VREFにより定められる基準光量設定電圧VREFにより定められる感光体要求光量、すなわち光量P1の出力光量が得られるように駆動電流が供給され、LD202の出力光量を光量P1に調整することができる。
【0061】
図2に示すように、このような初期光量調整後は、CPU28では、電源がOFFされるまでは(ステップ110)、画像形成が開始されるまで(ステップ102)待機する。画像形成装置に画像形成指示が入力されるなどして、同期信号(垂直同期信号)が入力されると、画像形成が開始されたと判断して、ステップ102で肯定判定されて、ステップ104に進んで、通常光量調整を行い、ステップ106で画像形成点灯制御を行う。そして、当該画像形成が終了するまでは、次のステップ108で否定判定されて、ステップ104に戻り、この通常光量調整及び画像形成点灯制御が繰り返し実行される。すなわち、通常光量調整を行いながら画像形成点灯制御を行なう。なお、本実施の形態では、1主走査毎に、通常光量調整が行われて、画像形成制御により、1主走査分の画像を書き込むようになっている。そして、画像形成が終了したら、ステップ108で肯定判定されて、ステップ110に進み、電源投入中は、ステップ110からステップ102に戻り、再び待機状態となる。以下に、通常光量調整及び画像形成制御について詳細に説明する。
【0062】
[通常光量調整]
通常光量調整は、初期光量調整後の熱などの外乱によるLD202の出力光量特性が変化したとしても、基準光量設定電圧VREFにより定められる所定光量の出力光量が得られるように、初期光量調整で求めたTH、S1の値を調整するものであり、この通常光量調整時も画像データがON状態にされて、変調電流源14、16の駆動がONされるようになっている。また、前述したように、「DATA_A=TH」、「DATA_B=S1」に設定されている。
【0063】
通常光量調整時には、CPU28は、まず、VREF選択信号をHにして、スイッチ24に基準電圧VREF1を選択させると共に、「DATA_C=中央値」に設定する。この状態で、比較器22による比較結果に基づいて、モニタ電圧VMがVREF1と略等しくなるように、すなわちLD202の出力光量がP1になるように、DATA_Aの値、すなわちTHを調整する(以下、APC1という)。
【0064】
続いて、VREF選択信号をLにして、スイッチ24に基準電圧VREF2を選択させると共に、「DATA_C=中央値×1.25」に設定する。この状態で、比較器22による比較結果に基づいて、モニタ電圧VMがVREF2と略等しくなるように、すなわちLD202の出力光量がP2になるように、DATA_Bの値、すなわちS1を調整する(以下、APC2という)。
【0065】
なお、上記では、光量切替信号の初期設定が「P2>P1」の場合を例に説明したが、「P2<P1」の場合には、APC2のときのDATA_Cを、「DATA_C=中央値×0.75」に設定すればよい。
【0066】
このようなAPC1及びAPC2を光走査装置による光ビームの1主走査毎など所定周期で繰返し行うことで、たとえ熱などの外乱によりLD202の出力光量特性が変化したとしても、該変化に応じて、TH、S1を調整(補正)することができ、「DATA_C=中央値」の設定時のLD202の出力光量を基準光量設定電圧VREFにより定められる所定光量に調整することができる。なお、APC1及びAPC2は必ずしも連続で行う必要はなく、例えば光走査装置による光ビームの1主走査毎に交互に行うようにしてもよい。
【0067】
[画像形成制御]
画像形成制御は、光走査装置による光ビームの走査位置に応じてLD202の出力光量を補正しながら、形成したい画像を示す画像データに基づいてLD202を点灯させるものであり、この画像形成制御時には、通常光量制御後の「DATA_A=TH」、「DATA_B=S1」に設定されている。
【0068】
また、画像形成制御時には、同期信号と同期して、形成したい画像を示す画像データが入力されるので、LD202の点灯を画像データに基づいてON/OFFすることができる。このとき、「DATA_C=中央値」であれば、LD202は、基準光量設定電圧VREFにより定められる感光体要求光量、すなわち光量P1が得られるように発光するが、画像形成制御時には、さらに、同期信号と同期して走査位置データも入力され、CPU28は、入力された走査位置データが示す走査位置に対応する補正係数を内部メモリ34から読み出して、「DATA_C=中央値×補正係数」に設定する。
【0069】
これにより、LD202へ供給される駆動電流が、光走査装置200による光ビームの走査位置に応じた補正係数に基づいて補正される。したがって、LD202を形成したい所望の画像データに基づいて点灯する際に、その出力光量を光走査装置200による光ビームの走査位置に応じて、濃度ムラを解消するように補正することができる。
【0070】
なお、図2の制御処理ルーチンは一例として示したものであり、上記の初期光量設定、通常光量設定、及び画像形成制御の各処理の順序や実行タイミングなどは上記に限定されるものではない。
【0071】
ところで、LD駆動装置10には、光量P1、P2の大小関係の切替えが望まれる場合には、ユーザの操作により光量切替信号が反転されて入力される。本実施の形態に係わるLD駆動装置10は、この光量切替信号に応じて、基準電圧生成回路26により生成される基準電圧VREF2の電圧値を変更し、光量P1、P2の大小関係の切替えることができるようなっている。
【0072】
例えば、「P2>P1」よりも、「P2<P1」が望ましい状態となると、光量切替信号がH→Lに反転されて入力され、この場合、基準電圧生成回路26では、「VREF2=VREF×1.25」から「VREF2=VREF×0.75」に変更することにより、「P2<P1」にする。また、「P2<P1」よりも、「P2>P1」が望ましい状態となると、光量切替信号がL→Hに反転され、この場合、基準電圧生成回路26では、「VREF2=VREF×1.25」に変更して、「P2>P1」にする。
【0073】
前述したように、CPU28では、光量切替信号に応じて、APC2の際のDATA_Cの設定に用いる中央値に乗算する数値(乗算係数)が設定される。例えば、「P2>P1」よりも、「P2<P1」が望ましい状態となり、光量切替信号がH→Lに反転された場合には、乗算係数が1.25から0.75に変更され、APC2時には「DATA_C=中央値×0.75」と設定される。
【0074】
また、反対に、「P2<P1」よりも、「P2>P1」が望ましい状態となり、光量切替信号がL→Hに反転された場合には、乗算係数が0.75→1.25に変更され、APC2時には、「DATA_C=中央値×1.25」と設定される。
【0075】
このように、光量切替信号の反転に伴なう基準電圧VREF2の変更に応じて、乗算係数を変更することで、光量P1、P2の大小関係を切替えても、「DATA_C=中央値」の設定時のLD202の出力光量が基準光量設定電圧VREFにより定められる感光体要求光量、すなわち光量P1となるように、通常光量調整を行なうことができる。
【0076】
上記のように、本実施の形態では、光量P1を目標にする光量調整(APC1)と、光量P2を目標にする光量調整(APC2)とを行う場合に、外部から入力される光量切替信号に応じて、VREF2の値を変更することで光量P2を変更して、光量P1、P2の大小関係の切替えることができる。これにより、図5に示すように、感光体要求光量が高くなったら、光量切替信号を反転させて、「P2>P1」から「P2<P1」となるように、光量P2の大きさを切替えることができ、実使用光量の上限がLD最大光出力に達する前に、光量P2がLD最大光出力に到達することがなくなる。したがって、光量調整を実行可能な光量範囲(▲3▼参照)を、画像形成に本来使用可能な光量範囲(▲4▼参照)よりも広くすることができ、この本来使用可能な光量範囲で実際に画像形成を行うことが可能となる。すなわち、従来よりも実使用光量範囲を広く保つことが可能となる。
【0077】
また、感光体要求光量が高くなったら「P2<P1」とすることで、従来よりも光量調整時のLDの最大光量を低くすることができ、LDの劣化を防止することができる。また、感光体要求光量が低い場合には、「P2<P1」となるように、光量P2を変更することができるため、ノイズの影響を心配せずともよい。これにより、感光体要求光量が大きく変動する、すなわち光学部材特性や感光体感度などのばらつきが大きい画像形成装置にも適用できる。
【0078】
なお、上記では、外部からの光量切替信号の入力により、光量P2の大きさを切換えるようにした場合を例に示したが、本発明はこれに限定されるものではない。LD駆動装置10において、光量切替信号を生成し、「P1<P2」と、「P1>P2」の何れが好ましい状態であるかをに応じて、光量P2の大きさが自動的に切換えられるようにしてもよく、この場合の例を第2の実施の形態として以下に説明する。
【0079】
<第2の実施の形態>
図6に、第2の実施の形態に係わるLD駆動装置10を示す。なお、図6では、第1の実施の形態と同一の部材については同一の部材符号を付与しており、以下では詳細な説明を省略する。
【0080】
図6に示すように、第2の実施の形態に係わるLD駆動装置10は、第1の実施の形態に対して、本発明の切替制御手段として、光量切替信号生成回路40が更に設けられている。この光量切替信号生成回路40は、感光体要求光量としての光量P1が、「P1<P2」と、「P1>P2」との何れが好ましい状態であるかを判断し、この判断結果に基づいた光量切替信号を生成するものであり、基準電圧生成回路26及びCPU28と接続されている。すなわち、基準電圧生成回路26及びCPU28には、光量切替信号生成回路により生成された光量切替信号が入力されるようになっている。
【0081】
このように、光量切替信号生成回路40を設けたことにより、光量P1、P2の大小関係の切替えが必要な場合には、ユーザが光量切替信号を反転させる作業を行わずとも、自動的に、光量切替信号を反転させることができる。この光量切替信号生成回路40は、光量切替信号生成回路40では、光量P1と所定の閾値を比較し、該比較結果に応じて光量切替信号を生成すればよい。以下、具体的に光量切替信号生成回路40の例を説明する。
【0082】
[第1実施例]
図7に光量切替信号生成回路40の第1実施例を示す。図7に示すように、この光量切替信号生成回路40は、比較器50を備え、この比較器50のマイナス側入力端子には基準光量設定電圧VREFが入力され、プラス側入力端子には予め設定された所定の閾値示す判定信号VSETが入力されるようになっている。また、比較器50では、入力されたVREFをVSETと比較し、当該比較結果を示す信号を光量切替信号として出力するようになっている。したがって、比較器50からは、「VREF<VSET」の場合は、Hレベルの光量切替信号が出力され、「VREF>VSET」の場合は、Lレベルの光量切替信号が出力される。
【0083】
このような光量切替信号生成回路40を用いることにより、図8に示すように、「VREF=VSET」としてAPC1を行った場合のLD202の出力光量をPSETとすると、「P1<PSET」の場合は、光量切替信号がHであるため、「P2>P1」になり、感光体要求光量が高くなり、「P1>PSET」になると、光量切替信号がH→Lに切換えられるため、「P2<P1」にすることができる。
【0084】
このように、第1実施例では、VREFをVSETと比較する、すなわち光量P1を1つの閾値PSETと比較するだけで良いので、簡単な回路で且つ確実な制御が実現可能となる。
【0085】
なお、基準光量設定電圧VREFの代わりに、APC1によりLD202の出力光量をP1に調整した時のモニタ電圧VMを用いることもでき、この場合、図9に示すように、比較器50のマイナス側端子にモニタ電圧VMを入力すれば、図8のように光量切替信号のレベルを切換えることができる。
【0086】
[第2実施例]
図10に光量切替信号生成回路40の第2実施例を示す。図10に示すように、この光量切替信号生成回路40は、2つの比較器60、62と、ゲート回路64とを備え、比較器60、62のマイナス側入力端子には基準光量設定電圧VREFが入力され、プラス側入力端子には予め設定された互いに異なるレベルの所定の閾値示す判定信号VSET1、VSET2(なお、VSET>VSET2)が入力されるようになっている。比較器60、62の出力は、ゲート回路64に接続されており、比較器60、62では、入力されたVREFを、VSET1、VSET2と比較し、それぞれの比較結果を示す信号をゲート回路64に入力する。
【0087】
ゲート回路64では、入力された信号をOR又はAND演算して、当該演算結果を示す信号を光量切替信号として出力するようになっている。また、このゲート回路64では、OR演算及びAND演算を選択的に切替可能となっており、VREFが増加傾向にある場合にはOR演算が選択され、VREFが減少傾向にある場合にはAND演算が選択されるようになっている。
【0088】
図11に示すように、ゲート回路64においてOR演算が行われると、「VREF<VSET1」の場合は、Hレベルの光量切替信号が出力され、「VREF>VSET1」の場合は、Lレベルの光量切替信号が出力される。また、ゲート回路64においてAND演算が行われると、「VREF<VSET2」場合は、Hレベルの光量切替信号が出力され、「VREF>VSET2」の場合は、Lレベルの光量切替信号が出力される。
【0089】
したがって、基準光量設定電圧VREFをVSET1、VSET2としてAPC1を行った場合のLD202の出力光量をそれぞれPSET1、PSET2とすると、感光体要求光量が高くなっていくと、VREFが増加傾向にあるため、ゲート回路64ではOR演算がなされ、P1が「P1<PSET1」から「P1>PSET1」になると、光量切替信号がH→Lに切換えられるため、「P2<P1」にすることができる。また、感光体要求光量が低くなっていくと、VREFが減少傾向にあるため、ゲート回路ではAND演算がなされ、P1が「P1>VSET2」から「P1<VSET2」になると、光量切替信号がL→Hに切換えられるため、「P2>P1」にすることができる。
【0090】
このように、第2実施例では、「P2>P1」から「P2<P1」への切替条件であるVSET1(すなわちPSET1)、「P2<P1」から「P2>P1」への切替条件であるVSET2(すなわちPSET2)を独立に設定可能であるため、制御の自由度が高くすることができる。また、「VSET1>VSET2」(すなわちPSET1>PSET2)とすることで、光出力が大きい場合のLD202の保護、及び光出力が小さい場合の光検知精度の確保を確実に行うことができる。
【0091】
なお、基準光量設定電圧VREFの代わりにモニタ電圧VMを用いることもでき、この場合は、図12に示すように、比較器60、62のマイナス側端子にモニタ電圧VMを入力すれば、図11のように光量切替信号のレベルを切換えることができる。
【0092】
[第3実施例]
図13に光量切替信号生成回路40の第3実施例を示す。図13に示すように、この光量切替信号生成回路40は、比較器70と、抵抗R1、R2、R3を備え、比較器70のマイナス側入力端子には基準光量設定電圧VREFが入力され、プラス側入力端子には予め設定された所定の閾値示す判定信号VSETが入力されるようになっている。比較器70では、入力されたVREFをVSETと比較し、当該比較結果を示す信号を光量切替信号として出力するようになっている。また、抵抗R1、R2は、電源電圧VCCをR1:R2に分配するように直列接続されており、比較器70にはこの分配された電圧が判定信号VSETとして入力されるようになっている。また、直列接続した抵抗R1及び抵抗R2の接続点Aは、抵抗R3を介して、比較器70の出力と接続されており、抵抗R3に流れる電流Iの方向が、比較器70からの出力信号、すなわち光量切替信号のレベルに応じて変化するようになっている。
【0093】
例えば、基準光量設定電圧VREFを0にすると、比較器70の出力は最大レベルとなり、抵抗R3から抵抗R2に電流Iが流れる。この結果、比較器70に入力される判定信号VSETは、電流Iが無い時に比べ、(I×R2)分だけ高い電圧になる。このときのVSETは、前述の第2実施例のVSET1に相当する。
【0094】
また、VREFが、このVSET1を越えると、比較器70の出力は最小レベルとなり、抵抗R1から抵抗R3に電流Iが流れる。この結果、比較器70に入力される判定信号VSETは、電流Iが無い時に比べ、(I×R2)分だけ電圧になる。このときのVSETは、前述の第2実施例のVSET2に相当する。
【0095】
このように光量切替信号生成回路40を構成にすることで、図14に示すように、「VREF<P1」から「VREF>P1」になると、光量切替信号がH→Lになり、「VREF>VSET2」から「VREF<VSET2」になると、光量切替信号がL→Hになると共に、「VSET2<VREF<VSET1」の間は、直前の状態が継続されるように、ヒステリシス特性を持たせることができる。これにより、VREF2、すなわちP2の切替回数を低減することができ、P2の光量切替に伴う微妙な測定誤差の発生を防止することができる。
【0096】
なお、基準光量設定電圧VREFの代わりにモニタ電圧VMを用いることもでき、この場合は、図15に示すように、比較器70のマイナス側端子にモニタ電圧VMを入力すれば、図14のように光量切替信号のレベルを切換えることができる。
【0097】
なお、上記では、初期状態として「P2>P1」が設定されている場合を示しているが、初期状態を「P2<P1」とすることが望ましい場合には、例えば、図16のように、光量切替信号生成回路40に、初期設定手段としての付加回路80を付加し、比較器70の出力をこの付加回路80と接続し、付加回路80を介して光量切替信号を出力するように構成することで対応できる。なお、図16は、基準光量設定電圧VREFを用いる場合を示しているが、モニタ電圧VMを用いる場合も同様に構成すればよい。
【0098】
この付加回路80は、詳しくは、図16に示すように、フリップフロップ82及びANDゲート回路84を備え、比較器70から出力された光量切替信号は、フリップフロップ82のCK端子及びANDゲート回路84に入力されるようになっている。フリップフロップ82のD端子には、データ信号として所定電圧Vccが入力され、フリップフロップ84の出力端子であるQ端子は、ANDゲート84と接続されている。したがって、フリップフロップ82は、比較器70からの光量切替信号がHの場合にはH、Lの場合にはLの出力信号を、すなわち比較器70の光量切替信号をそのままANDゲート回路84へ入力するようになっている。また、フリップフロップ82のRS端子には、外部からリセット信号が入力されるようになっており、フリップフロップ82ではこのリセット信号の入力中は、出力がリセットされて、Lレベルの信号出力となる。
【0099】
ANDゲート回路84は、比較器70及びフリップフロップ82からの入力信号をAND演算し、その結果を最終的な光量切替信号として出力するようになっている。ANDゲート回路84からは、通常は、比較器70から出力された光量切替信号がそのまま最終的な光量切替信号として出力されるが、フリップフロップ82にリセット信号が入力中は、比較器70からの出力はキャンセルされて、最終的な光量切替信号はLとされる。すなわち、電源投入時の一定時間だけリセット信号を入力して、比較器70の出力を無効にし、Lの光量切替信号を出力させれば、初期状態を「P2<P1」に切換えることができる。
【0100】
このように、光量切替信号生成回路40では、付加回路80を設けたことで、初期状態の設定をリセット信号のみで任意に変更することができる。例えば、APCの精度を重視する場合には、初期状態を「P2>P1」とし、光源としてのLD202の長寿命化を重視する場合には、初期状態を「P2<P1」にすればよい。
【0101】
上記第1乃至第3実施例に示したように、光量切替信号生成回路40では、光量P1と所定の閾値を比較し、該比較結果に応じた光量切替信号を生成することができる。またこのような光量切替信号生成回路は、感光体要求光量である光量P1に相当する値として、外部から入力される基準光量設定電圧VREF(基準電圧VREF1)や、APC1によりLD202の出力光量をP1に調整した時のモニタ電圧VMを用いることで容易に実現可能である。
【0102】
なお、第1及び第2の実施の形態では、CPU28及びD/A変換器18、20、30を備え、CPU28から制御信号として出力されるデジタル信号DATA_A、DATA_B、DATA_CをD/A変換器18、20、30によりアナログ信号に変換して用いることで、CPU28によりLD駆動装置10の全体の動作を制御するように構成した場合を例に説明したが、アナログ回路により同様の機能を構成するようにしてもよい。
【0103】
また、上記第1、第2の実施の形態では、1つのビームを出力するLD202を光源として用いた場合を例に説明したが、複数のLD、或いはVCSELのように1チップで複数のビームを出射可能なLDを用いた複数ビーム光源を使用する場合は、以上に説明したような制御を各ビームについて各々行う事で、同様な発明の効果を得られる。
【0104】
また、第2の実施の形態では、LD202の出力光量を検出して光量切替信号を生成するための光量検出センサとして、光量調整用のPD210を利用する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光量調整用のPD210とは別に、光量切替信号生成用の光量検出センサを設けてもよい。
【0105】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、光源の劣化を防止し、且つ実際に光源の使用可能な光量範囲を広く保つことができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係わるLD駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 第1の実施の形態に係わるLD駆動装置においてCPUにより電源投入後に開始される制御処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】 第1の実施の形態に係わる初期光量調整時の電流設定を説明するためのグラフである。
【図4】 第1の実施の形態に係わる通常光量制御時の電流設定を説明するためのグラフである。
【図5】 第1の実施の形態に係わるLD駆動装置による光量制御を説明するための、感光体要求光量に対するLDの出力光量を示すグラフである。
【図6】 第2の実施の形態に係わるLD駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 第2の実施の形態に係わる光量切替信号生成手段の第1実施例を示す回路図である。
【図8】 光量切替信号生成手段の第1実施例の動作を説明するためのグラフである。
【図9】 光量切替信号生成手段の第1実施例の変形例である。
【図10】 第2の実施の形態に係わる光量切替信号生成手段の第2実施例を示す回路図である。
【図11】 光量切替信号生成手段の第2実施例の動作を説明するためのグラフである。
【図12】 光量切替信号生成手段の第2実施例の変形例である。
【図13】 第2の実施の形態に係わる光量切替信号生成手段の第3実施例を示す回路図である。
【図14】 光量切替信号生成手段の第3実施例の動作を説明するためのグラフである。
【図15】 光量切替信号生成手段の第3実施例の変形例である。
【図16】 光量切替信号生成手段の第3実施例の変形例である。
【図17】 従来の端面発光型LDを光源に用いた光走査装置の構成図である。
【図18】 従来の面発光型LDを光源に用いた光走査装置の構成図である。
【図19】 図18の光走査装置における光量検知を行う部分の詳細構成図である。
【図20】 従来の電流設定を説明するためのグラフである。
【図21】 従来の2つの目標光量の関係を示すグラフである。
【図22】 従来の光量制御を説明するための、感光体要求光量に対するLDの出力光量を示すグラフである。
【符号の説明】
10 LD駆動装置
12 直流電流源
14、16 変調電流源
18、20、30 デジタルアナログ変換器
22 比較器(比較手段)
24 スイッチ(選択手段)
26 基準電圧生成回路(切替手段)
34 メモリ
40 光量切替信号生成回路(切替制御手段)
80 付加回路(初期状態設定手段)
202 LD(光源)
210 PD(検知手段)
P1 光量(第1の目標光量)
P2 光量(第2の目標光量)
Claims (10)
- 光源から出力された光ビームを被走査面上に走査させる光走査装置に用いられ、前記光源の出力光量制御の際に基準として用いられる基準光量である第1の目標光量、及び前記第1の目標光量とは光量が異なり、出力光量特性を求める際に参考光量として用いられる第2の目標光量の各々に対応させて前記出力光量特性を求める際に前記光源の出力光量を調整し、前記第1の目標光量及び前記第2の目標光量に対する光量調整結果に基づいて当該光源の出力光量特性を求めると共に、求めた前記出力光量特性に基づいて前記光源の出力光量制御を行う光源制御装置であって、
前記第2の目標光量は、前記第1の目標光量の増加に応じて増加する光量であり、前記出力光量特性を求める際に、前記第1の目標光量より前記第2の目標光量が大きく、かつ前記第2の目標光量が前記光源が出力可能な最大光出力での光量に達する場合には、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さな目標光量となるように大小関係を切替える切替手段を有する、
ことを特徴とする光源制御装置。 - 前記切替手段は、前記第2の目標光量を変更して前記大小関係を切替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の光源制御装置。 - 前記切替手段は、外部から入力された信号に基づいて、前記大小関係を切替える、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光源制御装置。 - 前記第1の目標光量を予め定められた所定の閾値と比較し、当該比較結果に基づいて、前記切替手段の切替を制御する切替制御手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の光源制御装置。 - 前記閾値は、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さくするように切替える場合と、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも大きくするように切替える場合とで同一である、
ことを特徴とする請求項4に記載の光源制御装置。 - 前記閾値は、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さくするように切替える場合と、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも大きくするように切替える場合とで異なる、
ことを特徴とする請求項4に記載の光源制御装置。 - 前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも小さくするように切替える場合に用いる閾値が、前記第2の目標光量を前記第1の目標光量よりも大きくするように切替える場合に用いる閾値よりも大きい、
ことを特徴とする請求項6に記載の光源制御装置。 - 前記大小関係の初期状態を設定する初期設定手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の光源制御装置。 - 前記光源から出力された光ビームの少なくとも一部を検知する検知手段と、
前記検知手段による検知光量を所定のレベルと比較する比較手段と、
前記第1の目標値に応じて定められた第1の基準値と、第2の目標値に応じて定められた第2の基準値との何れか一方を選択する選択手段と、
前記比較手段による比較結果に基づいて、前記検知光量が前記選択手段により選択された基準値と略一致するように前記光源の出力光量を調整する調整手段と、を備え、
前記切替制御手段が、前記選択手段により第1の基準値が選択されて、調整手段により調整が行われた際の前記検知手段による検知結果、又は前記第1の基準値を前記第1の目標光量に相当する値として用いる、
ことを特徴とする請求項4乃至請求項8の何れか1項に記載の光源制御装置。 - 前記第2の目標光量は、前記第1の目標光量に固定係数を掛けた値であり、前記第2の目標光量が前記光源が出力可能な最大光出力での光量に達していない場合には前記固定係数は1より大きく、前記第2の目標光量が前記光源が出力可能な最大光出力での光量に達する場合には前記固定係数は1より小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の光源制御装置。
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