JP4185222B2 - 多層構造型アクティブアンテナパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多層構造型アクティブアンテナパネルに関する。
【0002】
本発明は、多層構造型ビーム分割器を介して、1つまたは複数のビームを単一の放射素子パネルによって管理するための衛星用アクティブアンテナシステムを特に対象としているが、それに限定されるものではない。
【0003】
【従来の技術】
これらの衛星用アクティブアンテナシステムは、特に単一の放射パネル(n個の放射素子)によって管理されるビーム数(m)の観点から、ますます増大する複雑性を必要としている。したがって、ビーム分割器の複雑性と役割は高まっている。なぜならば、今や、一方においてm×1からm×nへの電力分配を確保しなければならなく、他方においてm×nから1×nへの再結合を確保しなければならないからである。つまり
− この場合、特にすべての信号に同一な電気的な経路を確保する上で、ルーティングはより密になる、したがってより難しくなる。つまり、損失が不可避的に増加する。
【0004】
− 複数のビームの存在は、分配および再結合機能間において、分割器自身内部でも振幅と位相の点で、各束の照度に関する原則を管理することを余儀なくさせる。したがって、分割器におけるチップ(減衰器、移相器)の集積化が必要であることは明らかである。
【0005】
最後に、周波数の不可避的な上昇は、アクティブアンテナ分配器を作製するのに従来用いられている技術やテクノロジーをますます適用不可能にさせている。
【0006】
現在、有機的な多層のPCB(プリント回路板)テクノロジーといわれるテクノロジーが、このビーム分割器問題に最も良く応えているテクノロジーではあるが、次のようないくつかの状況のもとでは多かれ少なかれ不適であることが示されている。
【0007】
− 使用周波数が20GHzを超える場合。この場合、このテクノロジーで使用可能な多層のRF相互接続技術(特にメッキスルーホール)は現在の技術のままでは限られている。
【0008】
− 分割器の内部自体においてチップを集積化する場合。なぜならば、多層のPCBの製作方法(貼り付け、圧力、熱接合)は、一般に多層中にはめ込みたいすべての立体素子に適しているわけではないからである。この欠点は、チップを分割器の外に移すことを余儀なくさせる。
【0009】
最後に、これらの分割器は(アンテナの平面に平行に)水平に積み重ねる型で構成される。このことはパフォーマンスにおいて多大な制約をもたらすとともに(一般に帯域の狭小化)、分割器に直角に配置される放射素子との相互接続による空間においても多大な制約をもたらす。
【0010】
実際のところ、この相互接続は、回路のいくつかの部分においてしかなされることができない。このことは「水平」分割器について主要な欠点をなしている。つまり、信号をこれらの部分へ伝搬させる上での損失の増加が容認でない程度になるとともに、これらの非常に狭い部分上におけるルーティングの密度は他の解決法に比べいかなる単純な利益ももたらさない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は上述の様々な欠点を解消することを目的とする。
【0012】
つまり、本発明は分割器の内部自体におけるチップの集積化を容易に可能にするアクティブアンテナパネルを目的とする。
【0013】
また、本発明は、相互接続や回路の観点からの必要空間が従来の技術に比べ低減されるようなパネルも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、1つの主平面を有し、かつ網状のn個の放射素子と、n個の放射素子に給電するための多層構造型のm本のビームの分割器とを含むアクティブアンテナパネルであって、分割器がビームの形成手段を支持するための形成層といわれるいくつかの第1の層と、これらの第1の層を電気的に相互に接続する第1の手段および放射素子に電気的に接続する第2の手段を支持するための接続層といわれるいくつかの第2の層とを含むアクティブアンテナパネルを提供する。
【0015】
本発明によれば、
− 形成層はアンテナの主平面にほぼ直角に延在する。
【0016】
− 形成層および接続層は、ビーム分割器が、モノブロックを構成するようにモールドによって組立てられる。
【0017】
− 放射素子は第2の接続手段に直接接続される。
【0018】
モールドテクノロジーを用いたこの垂直多層トポロジーは、接続層のうちの1つによる同一平面上でのRF三次元相互接続の再利用を可能にし、高性能広帯域三次元トランジッションを提供する今日知られている唯一の技術である。したがって、このトポロジーはコンセプトもテクノロジーも変えることなしに広い範囲のアプリケーションを対象にすることができる。
【0019】
1つの実施形態によれば、モノブロックは平坦な平行六面体であり、接続層はアンテナの平面にほぼ平行に延在しているとともに、第2の接続手段を有するフロント接続層と、第1の接続手段を有するリア接続層とを含んでおり、放射素子は前記フロント接続層上に直接はめ込まれる。
【0020】
したがって、「水平」解決法の諸部分のRF三次元相互接続ゾーンは分割器のフロントおよびリア接続層へ移される。なぜならば、これらの層の方が、スペースが大幅に広いからである。
【0021】
こうすることによって、RF三次元相互接続のルーティングはシンプルになるとともに、より最適化されやすくなる。また、信号を伝搬を行う上で水平多層の場合と同じ表面を用いることができる。
【0022】
本発明のその他の特徴は、添付の図を参照しながら、例としてのみ示されている実施形態についての以下の説明を読むことによって明らかになるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
アクティブアンテナパネル1は、放射素子の配列2とビーム分割器3とを含む。
【0024】
図示されている実施形態では、放射素子の配列2は8×8のマトリックス上に配分された64個の放射素子2iをもつ。これらの放射素子2iは専門家に知られている三次元テクノロジーで作製される。したがって、この作製についてはこれ以上詳述しない。
【0025】
ビーム分割器3はm本のビームを放射素子2iに給電するためのものである。ここに、mは1に等しいか、1より大きい整数である。図2aに図示されている実施形態では、mは6に等しい。
【0026】
ビーム分割器3は、放射素子2iに給電するために下記機能を実行する。
【0027】
− m個のRF信号源の電力分配(図示せず)
− 放射素子2iにおいて、所望のビーム方向及び変位を作り出すように、分配された電力の位相および振幅の処理
− 前記所望の変位を得るために放射素子2iに給電するように、位相および振幅の処理後における電力の再結合
これらの機能は、場合によっては複数のレベルをもつ電力分配手段5aと、場合によっては複数のレベルをもつ、位相および振幅の処理手段5bと再結合手段5cとを含む形成手段を介して実施される。これらの形成手段は形成層6といわれるいくつかの第1の層によって支持される。
【0028】
また、分割器3は下記電気的接続機能も実行する。
【0029】
− RF信号源への電力分配手段5aの接続
− 様々な電力分配レベルの相互接続
− 電力分配手段5aと処理手段5bとの接続
− 処理手段5bと再結合手段5cとの接続
− 様々な再結合レベルの相互接続
− 再結合手段5cと放射素子2iとの接続
これらの接続機能は、下記手段を含む接続手段によって実施される。
【0030】
− RF信号源への電力分配手段5aの接続、様々な電力分配レベルの相互接続および電力分配手段5aと処理手段5bとの接続を実施する第1の接続手段7a
− 処理手段5bと再結合手段5cとの接続、様々な再結合レベルの相互接続および再結合手段5cと放射素子2iとの接続を実施する第2の接続手段7b
これらの接続手段は、接続層といわれるいくつかの第2の層8によって支持される。
【0031】
本発明によれば、形成層6および接続層8は、ビーム分割器がモロブロック9を構成するようにモールドによって一緒に組み立てられる。なお、形成層6はアンテナの主平面Pにほぼ直角に延在する。
【0032】
図示されている実施形態では、モノブロック9は2つの大きな面10と11を有する平坦な平行六面体であり、これらの大きな面の表面は放射素子2iのマトリックスの表面に対応している。
【0033】
この構成において、接続層8は第2の接続手段7bを有するフロント接続層8aと、第1の接続手段7aを有するリア接続層8bとを含み、放射素子2iは前記フロント接続層8aに直接はめ込まれる。
【0034】
もちろん、様々な形成手段5a、5b、5cは、専門家であれば分かるあらゆるテクノロジー、たとえばマイクロ波高周波多層PCBテクノロジーを用いて作製可能である。
【0035】
このことは接続回路7aおよび7bについても同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1a】放射素子が分かれた形で図示された本発明によるアクティブアンテナパネルの概略透視図である。
【図1b】放射素子がはめ込まれた形で図示された図1aのアクティブアンテナパネルの概略透視図である。
【図2a】図1aおよび図1bのアクティブアンテナパネルのより詳細な概略分解図である。
【図2b】様々な層のモールド後における図2aのパネルの概略図である。
【図3a】本発明によるアクティブアンテナパネルの様々な形成層の概略図である。
【図3b】本発明によるアクティブアンテナパネルの様々な形成層の概略図である。
【図3c】本発明によるアクティブアンテナパネルの様々な形成層の概略図である。
【図4】本発明によるアクティブアンテナパネルのいくつかの接続層の様々な実施形態の概略図である。
【図5】本発明によるアンテナパネルのビーム分割器において装備される様々な機能の電気回路図である。
【符号の説明】
6 形成層
8a フロント接続層
8b リア接続層
5a 電力分配手段
5b 位相および振幅の処理手段
5c 再結合手段
3 ビーム分割器
9 モノブロック
10、11 モノブロックの大きい面

Claims (2)

  1. 1つの主平面を有し、かつn個の放射素子の配列と、n個の放射素子に給電するための多層構造型のm本のビーム分割器とを含むアクティブアンテナパネルであって、ビーム分割器がビームの形成手段を支持するための形成層といわれるいくつかの第1の層と、これらの第1の層を電気的に相互に接続する第1の接続手段および放射素子に電気的に接続する第2の接続手段を支持するための接続層といわれるいくつかの第2の層とを含み、
    形成層がアンテナの主平面にほぼ直角に延在し、
    形成層および接続層が、ビーム分割器がモノブロックを構成するようにモールドによって組立てられ、
    放射素子が第2の接続手段に直接接続されることを特徴とするアクティブアンテナパネル。
  2. モノブロックが平坦な平行六面体であり、接続層がアンテナの平面にほぼ平行に延在しているとともに、第2の接続手段を有するフロント接続層と、第1の接続手段を有するリア接続層とを含んでおり、放射素子が前記フロント接続層上に直接はめ込まれることを特徴とする請求項1に記載のアクティブアンテナパネル。
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