JP4185086B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
一般に、連続したフレームで構成される動画像のデータ圧縮では、前後するフレームの相関を利用してデータの圧縮を行うことで圧縮効率を高めている。このように前後するフレームの相関を利用した予測符号化方式としては、MPEG(Moving Picture Experts Group)−2やMPEG−4などがよく知られている。
本例の画像伝送システムは、動画像を構成する前後するフレームの相関を利用してデータの圧縮を行う画像符号化装置381と、符号化されたストリームを再生可能な画像データに復号化する画像復号化装置382とをネットワーク383を介して接続して構成されている。
画像符号化装置381では、まず、カメラなどの映像入力部391から出力された映像信号をA/D変換器392でデジタル化する。A/D変換器392から出力されたデジタル画像データをフレームメモリ393に格納する。フレームメモリ393では、例えば、MPEG−4やAVC(Advanced Video Coding)においてはマクロブロックと呼ばれる16×16の正方ブロックにフレームを分割し、これをマクロブロック単位で符号化処理部394へ出力する。
これに従って、符号化対象となるデータを入力した符号化処理部394は、所定の符号化処理を行い、符号化ストリームをストリームバッファ397へ出力する。また、符号化処理部394は、符号化ストリームを復号化処理部395へ出力する。符号化ストリームを入力した復号化処理部395は、符号化されたデータを復号化して、復号化された画像データを予測用フレームメモリ396に格納する。
符号化ストリームを入力したストリームバッファ397は、符号化ストリームを通信制御部398へ出力する。通信制御部398は、TCP/IPなどの所定の通信手順に従って、ネットワーク383を介して、画像復号化装置382へ符号化ストリームを送信する。
復号化された画像データを入力したフレームメモリ405から出力された画像データをD/A変換器406でアナログ信号へ変換する。このアナログ信号はモニタなどの映像出力部407で再生される。
しかしながら、近年では、撮像素子の高性能化に伴い、HDTV(High Definition TeleVision)などのように100万画素を超える非常に高い解像度を有する動画像が増えてきている。これに伴い、画像符号化装置381により符号化対象とする動画像についても、高解像度化が進んでおり、予測用フレームメモリ396、404に必要なメモリ量が増大してしまうといった問題があった。
すなわち、処理手段が、処理対象となる画像のフレームを親フレームとし、当該親フレームを複数に分割して生成されるフレームを子フレームとし、それぞれの子フレームに対して、子フレーム内の相関を用いる方式或いは子フレーム間の相関を用いる方式を使用して、画像を符号化又は復号化する。
従って、子フレームを単位として画像の符号化又は復号化が行われるため、子フレーム間の相関を用いる方式において、参照フレームとして記憶することが必要なデータ量を子フレームに相当する小さいデータ量とすることができる。これにより、例えば高解像度の動画像を処理するような場合においても、フレーム間の相関に基づいて符号化を行う予測符号化方式を使用して画像を処理するに際して、予測用のフレームを記憶するためのメモリに必要となる容量を小さくすることができる。
また、処理対象となる画像としては、例えば、連続した複数のフレームから構成される動画像が用いられるが、静止画像が用いられてもよい。
また、1つの親フレームが分割されて生成される複数の子フレームの数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、親フレームを複数の子フレームに分割する態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、親フレーム内で隣接する画素位置の画素を異なる子フレームに含めるように、当該親フレームを構成する画素を複数の子フレームに分配して、生成される複数の子フレームの間の相関が高くなるようにするのが好ましい。
また、子フレーム内の相関としては、例えば、同一の子フレーム内で隣接する画素位置の画素値の相関などが用いられる。
また、子フレーム間の相関としては、例えば、異なる子フレーム間で対応する画素位置の画素値の相関などが用いられる。
また、子フレームを復号化する方式としては、当該子フレームが符号化された方式に対応した方式が用いられる。
すなわち、前記処理手段は、連続した複数の親フレームを処理する場合に、子フレーム間の相関を用いる方式として、所定の親フレームに属する複数の子フレームの中で1番目に処理される子フレームを参照フレームとする方式を使用する。
従って、例えば図3に示されるパターンAや図4に示されるパターンCのように、親フレームに属する1番目に処理される子フレームが参照フレームとされることにより、参照フレームに異常が発生して他の子フレームの符号化や復号化ができなくなってしまうことを抑制することができる。
ここで、或る子フレームの参照フレームとしては、例えば、当該或る子フレームが属する親フレームに属する他の子フレームが用いられてもよく、或いは、他の親フレームに属する子フレームが用いられてもよい。
従って、例えば図3に示されるパターンBのように、各親フレーム毎に、独立して、子フレーム間の相関が用いられることにより、或る親フレームに属する参照フレームに異常が発生しても、他の親フレームに属する子フレームの符号化や復号化ができなくなってしまうことを防止することができる。
すなわち、前記処理手段は、処理対象となる画像の親フレームに属する複数の子フレームについて平均画像のフレームを生成し、当該平均画像のフレームを子フレームとみなして、当該平均画像のフレームについては子フレーム内の相関を用いる方式を使用するとともに、他の子フレームについては当該平均画像のフレーム又は1つ前のフレームを参照フレームとして子フレーム間の相関を用いる方式を使用して、符号化又は復号化する。
従って、或る親フレームから生成された複数の子フレームについて、これら複数の子フレームの平均画像のフレーム又は1つ前のフレームを参照フレームとして、それ以外の子フレームが符号化又は復号化されるため、参照フレームと子フレームとの相関性を高めて、フレーム間相関での符号化効率を高めることができる。また、平均画像のフレームではフレーム内の相関が高くなるため、フレーム内相関での符号化効率を高めることができる。
また、複数の子フレームの平均画像のフレームとしては、種々な平均化が行われてもよく、例えば、縦横(高さと幅)の画素配置が同一である複数の子フレームについて各画素位置の画素の画素値の平均値から構成されるフレームを用いることができる。
すなわち、前記処理手段は、画像を符号化する場合に、1つのフレームを分割して生成される複数のフレームの中の1つ以上のフレームを更に分割することを1回以上繰り返して行って、子フレームより小さいサイズのフレームを生成して符号化する。
従って、親フレーム及び子フレームのほかに、更に小さいサイズのフレームを生成することができる。
従って、親フレーム、子フレーム、及び更に小さいサイズのフレームが存在する場合に、必要なサイズのフレームのみを復号化することにより、復号化処理の効率化を図ることができる。一例として、画像符号化装置により種々なサイズのフレームを生成して符号化し、複数の画像復号化装置のそれぞれが自装置に適したサイズのフレームまでを復号化して、それより大きいサイズのフレームについては復号化しないことにより、処理の効率化を図ることができる。
また、フレームの分割を繰り返して行う回数としては、種々な回数が用いられてもよい。
すなわち、前記画像符号化装置では、符号化入力手段が、処理対象となる画像を入力する。分割手段が、前記符号化入力手段により入力された画像のフレームを親フレームとして、当該親フレームを複数に分割したフレームを子フレームとして生成する。符号化手段が、前記分割手段により生成された子フレームを、それぞれの子フレームに対して、子フレーム内の相関を用いる方式或いは子フレーム間の相関を用いる方式を使用して、符号化する。符号化記憶手段が、子フレーム間の相関を用いる場合における参照フレームを記憶する。符号化出力手段が、前記符号化手段により符号化された画像を出力する。
また、前記画像復号化装置では、復号化入力手段が、符号化された画像を入力する。復号化手段が、前記復号化入力手段により入力された符号化された画像に基づいて、符号化に使用された方式に対応した方式により、子フレームを復号化する。復号化記憶手段が、子フレーム間の相関を用いる場合における参照フレームを記憶する。結合手段が、前記復号化手段により復号化された子フレームを結合して親フレームを生成する。復号化出力手段が、前記結合手段により生成された親フレームの画像を出力する。
従って、子フレーム間の相関を用いて子フレームを符号化又は復号化する場合に当該相関の相手として参照されるフレームである参照フレームとして、親フレームが用いられる場合と比べて、子フレームを用いることにより、参照フレームのサイズを小さくすることができ、画像符号化装置や画像復号化装置において、参照フレームを記憶するために必要となる記憶容量を小さくすることができる。
また、画像を入力する手段としては、例えば、画像を撮像入力してその画像のデータを取得する手段や、或いは、他の装置から出力される画像のデータを入力する手段などを用いることができる。
また、画像を出力する手段としては、例えば、画像を表示出力する手段や、或いは、他の装置へ画像のデータを出力する手段などを用いることができる。
また、画像符号化装置と画像復号化装置との間では、例えば、符号化された画像の伝送が行われてもよく、或いは、符号化された画像が記録媒体に記録された形で受け渡されてもよい。
本発明に係る方法では、装置において各手段が各種の処理を実行する。
本発明に係るプログラムでは、装置を構成するコンピュータに実行させるものであって、各種の機能を当該コンピュータにより実現する。
本発明に係る記録媒体では、装置を構成するコンピュータに実行させるプログラムを当該コンピュータの入力手段により読み取り可能に記録したものであって、当該プログラムは各種の処理を当該コンピュータに実行させる。
本明細書では、フレーム間の相関を用いた符号化を予測符号化と呼んでいる。予測符号化方式では、特に、連続したフレームを有する動画像などにおいて、符号化対象となるフレームとその前後のフレームとの高い相関性を利用して、前後のフレームから該当するフレームの画素情報を予測する。このような符号化により、画像情報の圧縮を行うことができる。
また、フレーム間の相関を用いて符号化を行ったフレームをP(Prediction)フレームと呼び、フレーム内の画素相関のみを用いて符号化を行ったフレームをI(Intra)フレームと呼ぶ。これらのIフレーム、Pフレームという概念は、例えば本実施例では符号化対象とする単位が分割された子フレームなどの単位であるという点を除いては、MPEG−2やMPEG−4などの規格で一般に用いられているI、Pという概念と同様である。
また、本実施例では、分割元となるもともとのフレームを親フレームと呼び、親フレームが分割されたフレームをそれぞれ子フレームと呼ぶ。また、子フレームを分割したものをそれぞれ孫フレームと呼び、以降も同様である。
図1には、本発明の一実施例に係る画像伝送システムの一例を示してある。
本例の画像伝送システムは、映像入力部11と接続された画像符号化装置1と、映像出力部39と接続された画像復号化装置2とをネットワーク3を介して接続して構成されている。
本例の画像符号化装置1は、A/D(Analog to Digital)変換器12と、フレームメモリ13と、フレーム分割部14と、符号化処理部15と、符号化処理制御部16と、復号化処理部17と、予測用フレームメモリ18と、ストリームバッファ19と、通信制御部20を備えている。
本例の画像復号化装置2は、通信制御部31と、ストリームバッファ32と、復号化処理部33と、予測用フレームメモリ34と、フレームメモリ35と、復号化処理制御部36と、フレーム結合部37と、D/A(Digital to Analog)変換器38を備えている。
カメラなどの映像入力部11により映像が撮像などされて映像信号(画像信号)が取得される。画像符号化装置1では、映像入力部11から出力された映像信号を入力してA/D変換器12でデジタル化し、A/D変換器12から出力されたデジタル画像データをフレームメモリ13に格納する。デジタル画像データを入力したフレームメモリ13は、フレーム分割部14へデジタル画像データを出力する。デジタル画像データを入力したフレーム分割部14は、所定の方式で親フレームを子フレームに分割する。分割された子フレームのデータは、再度フレームメモリ13に格納され、子フレーム毎に符号化処理部15により符号化される。
符号化処理制御部16は、符号化処理部15により行われる符号化処理の状況に応じて、主に、符号化処理の打切り制御を行う。
符号化ストリームを入力したストリームバッファ19は、符号化ストリームを通信制御部20へ出力する。通信制御部20は、TCP/IPなどの所定の通信手順に従って、ネットワーク3を介して、画像復号化装置2へ符号化ストリームを送信する。
画像復号化装置2では、通信制御部31が、ネットワーク3を介して画像符号化装置1から符号化ストリームを受信し、受信した符号化ストリームをストリームバッファ32へ出力する。ストリームバッファ32は、入力した符号化ストリームを復号化処理部33へ出力する。復号化処理部33は、入力した符号化ストリームを復号化し、復号化された画像データをフレームメモリ35に格納する。また、復号化処理部33は、復号化データを予測用フレームメモリ34に格納する。ここで、復号化処理部33は、復号化しようとしているフレームが予測を用いて符号化されている場合には、予測用フレームメモリ34に格納されている予測用フレームデータを用いて復号化を行う。
復号化処理制御部36は、復号化処理部33により行われる復号化処理の状況に応じて、主に、復号化処理の打切り制御を行う。
この映像信号は、モニタなどの映像出力部39により再生される。
まず、符号化処理について説明する。
図2には、フレーム分割部14によりフレームを分割する方式の一例を示してある。
本例では、動画像を構成する各フレーム(親フレーム)について、1枚の親フレーム41を4枚の子フレーム61、62、63、64に分割する。
図2において、画素位置51は、親フレーム41における(2n−1,2m−1)の画素位置を示す。画素位置52は、親フレーム41の(2n,2m−1)の画素位置を示す。画素位置53は、親フレーム41の(2n−1,2m)の画素位置を示す。画素位置54は、親フレーム41の(2n,2m)の画素位置を示す。
ここで、n、mはそれぞれ1以上の整数であり、座標は(幅方向の画素位置、高さ方向の画素位置)を表す。具体的には、親フレーム41の幅=W、親フレーム41の高さ=Hとして、n=1、2、3、・・・、W/2であり、m=1、2、3、・・・、H/2である。
ここで、例えば、一般に自然画像では隣接画素間に強い相関性があり、解像度が高くなるほど近傍画素との相関は強くなる傾向にあるため、本例の方式でフレームを分割することにより、分割された子フレーム61〜64同士は近似性が高くなり強い相関性を有する。本例では、このような子フレーム61〜64同士の強い相関性を利用して、子フレーム61〜64間に例えば従来の予測符号化方式と同様な符号化処理を行う。この場合、予測用フレームメモリ18、34としては、子フレーム分のメモリサイズが必要となる。
フレーム符号化シーケンスとして、図3にはパターンA及びパターンBを示してあり、図4にはパターンCを示してある。本例では、これら3つのパターンA、B、Cのうちのいずれかを固定的に或いは可変に設定して使用する。
また、図5にはパターンDを示してある。なお、本例では、パターンDと比べてパターンA、B、Cの方が好ましいことからパターンA、B、Cを使用するが、パターンDを使用することも可能である。
本例では、2枚の親フレーム71、72(又は、3枚以上の親フレーム)において、最初の1枚の子フレーム81についてはフレーム内での画素相関を用いて符号化されてIフレームとなっており、続く7枚(又は、それ以上)の子フレーム82〜88については子フレーム間の相関を用いて符号化されてPフレームとなっている。
また、親フレーム中で1番目の子フレームであるPフレームの予測先は前の親フレームに属する子フレームの中で1番目に符号化された子フレームとなっており、親フレーム中で2番目以降のそれぞれの子フレームであるPフレームの予測先は当該親フレームに属する子フレームの中で1番目に符号化された子フレームとなっている。つまり、親フレーム71に含まれる2、3、4番目の子フレーム82、83、84と親フレーム72に含まれる1番目の子フレーム85は親フレーム71に含まれる1番目の子フレーム81との間の相関を用いて符号化され、親フレーム72に含まれる2、3、4番目の子フレーム86、87、88は当該親フレーム72に含まれる1番目の子フレーム85との間の相関を用いて符号化される。
本例では、各親フレーム91、92において、最初の1枚の子フレーム101、105についてはフレーム内での画素相関を用いて符号化されてIフレームとなっており、続く3枚の子フレーム102〜104、106〜108については子フレーム間の相関を用いて符号化されてPフレームとなっている。
このように、各親フレーム91、92に属する子フレームの中で1番目に符号化される子フレーム101、105が全てIフレームとして符号化される。
また、それぞれのPフレームの予測先としては、1フレーム前に符号化した子フレームを予測用フレームとして用いる。具体的には、Pフレームである子フレーム102〜104は、それぞれ、1つ前に符号化された子フレーム101〜103との間の相関を用いて符号化される。また、Pフレームである子フレーム106〜108は、それぞれ、1つ前に符号化された子フレーム105〜107との間の相関を用いて符号化される。
なお、他のパターンの例として、各親フレーム91、92において、2番目以降に符号化されるそれぞれの子フレーム102〜104、106〜108は、1番目に符号化される子フレーム101、105との間の相関を用いて符号化され、当該1番目に符号化される子フレーム101、105を予測先とするようなパターンを用いることもできる。本例では、いずれのパターンが用いられてもよい。
本例では、3枚の親フレーム111、112、113(又は、4枚以上の親フレーム)において、最初の1枚の子フレーム121についてはフレーム内での画素相関を用いて符号化されてIフレームとなっており、続く11枚(又は、それ以上)の子フレーム122〜132については子フレーム間の相関を用いて符号化されてPフレームとなっている。
また、Iフレームを有する親フレーム111においては、2番目以降に符号化されたそれぞれの子フレーム122〜124は、1番目に符号化された子フレーム121との間の相関を用いて符号化され、当該1番目に符号化された子フレーム121を予測先とする。また、Iフレームを有しない各親フレーム112、113に属するそれぞれの子フレーム125〜28、129〜132の予測先は、1つ前の親フレーム111、112に属する子フレームの中で1番目に符号化された子フレーム121、125となっており、具体的には、子フレーム125〜128のそれぞれは子フレーム121との間の相関を用いて符号化され、子フレーム129〜132のそれぞれは子フレーム125との間の相関を用いて符号化される。
本例では、2枚の親フレーム141、142(又は、3枚以上の親フレーム)において、最初に符号化される1枚の子フレーム151についてはフレーム内での画素相関を用いて符号化されてIフレームとなっており、続く7枚(又は、それ以上)の子フレーム152〜158については子フレーム間の相関を用いて符号化されてPフレームとなっている。
また、それぞれのPフレームの予測先としては、1フレーム前に符号化した子フレームを予測用フレームとして用いる。具体的には、Pフレームである子フレーム152〜158は、それぞれ、1つ前に符号化された子フレーム151〜157との間の相関を用いて符号化される。
本例の符号化ストリームは、ストリーム全体のヘッダ情報(Sequence Header)161に続いて、子フレーム毎のヘッダ情報(Header)162、164、166、168と符号化された画像データ(Video data)163、165、167、169との組が4枚分配置されて構成される。
子フレーム毎のヘッダ情報162、164、166、168は、それぞれ、所定のヘッダ情報部(Header Info)171と、親フレームのフレーム番号の情報(frame_num)172と、子フレームのフレーム番号の情報(sub_frame_num)173から構成されている。
子フレーム毎のヘッダ情報162、164、166、168は、該当する子フレームの復号化に必要なパラメータなどの情報を含む。
子フレーム毎の符号化画像データ163、165、167、169は、該当する子フレームの画像データが符号化されたデータである。
本例では、ストリーム全体のヘッダ情報161には、例えば従来の符号化方式で用いられているヘッダ情報と同様な情報に加えて、フレーム符号化シーケンスのパターンを示すヘッダ情報(frame_sequence)が付加される。
また、本例では、子フレーム毎のヘッダ情報162、164、166、168には、それぞれ、例えば従来の予測符号化方式で用いられているのと同様なヘッダ情報部171に加えて、親フレームのフレーム番号の情報172と子フレームのフレーム番号の情報173が付加される。これにより、子フレームを正常に復号化することを可能とする。
また、子フレームのフレーム番号の情報173により、同一の親フレームに属するそれぞれの子フレームの種類を識別することができる。本例では、1枚の親フレームを4分割としており、子フレームのフレーム番号の情報173としては0、1、2、3の4つの値をとる。例えば、図2に示される例では、子フレーム61のフレーム番号の情報を0とし、子フレーム62のフレーム番号の情報を1とし、子フレーム63のフレーム番号の情報を2とし、子フレーム64のフレーム番号の情報を3とすることにより、それぞれの復号化した子フレーム61〜64が親フレーム41に対していずれの画素位置51〜54に該当するかを識別することができる。
本例の画像符号化装置1では、所定の長さの時間であるフレームリフレッシュ間隔毎に、フレームメモリ13内の画像データが最新の画像データにリフレッシュされるとする。この場合、親フレーム1枚分つまり子フレーム4枚分の符号化処理をフレームリフレッシュ間隔内に終える必要がある。
なお、本例では、符号化処理制御部16がフレームリフレッシュ間隔毎にフレームリフレッシュ信号をフレームメモリ13へ出力することにより、フレームメモリ13内の画像データを次のデータへリフレッシュさせる。
次の親フレーム182から生成された4枚の子フレームの符号化処理195〜198については、3枚目の子フレームの符号化処理197が終了した時点でフレームリフレッシュ間隔を超過している。仮に、更に4枚目の子フレームの符号化処理198を行うと、次の親フレーム183に関する1枚目の子フレームの符号化処理199以降の符号化処理に影響が生ずるため、本例の符号化処理制御部16では符号化処理を打ち切るための符号化打切り制御信号を符号化処理部15へ送信する。
符号化処理部15は、符号化打切り制御信号を入力すると、そのときに処理中である親フレーム182について残りの子フレームの符号化処理198を中止し、次の親フレーム183に該当する子フレームの符号化処理199〜202を開始する。
図8には、本例の復号化処理制御部36により復号化処理を制御する様子の一例を示してある。
本例の画像復号化装置2では、所定の長さの時間である映像出力リフレッシュ間隔毎に、フレームメモリ35内の画像データが最新の画像データにリフレッシュされるとする。この場合、親フレーム1枚分つまり子フレーム4枚分の復号化処理を映像出力リフレッシュ間隔内に終える必要がある。
なお、本例では、復号化処理制御部36が映像出力リフレッシュ間隔毎に映像出力リフレッシュ信号をフレームメモリ35へ出力することにより、フレームメモリ35内の画像データを次のデータへリフレッシュさせる。
図8において、最初の親フレーム211に属する4枚の子フレームの復号化処理221〜224については、映像出力リフレッシュ間隔内に復号化処理を終えているため問題ない。
次の親フレーム212に属する4枚の子フレームの復号化処理225〜228については、3枚目の子フレームの復号化処理227が終了した時点で映像出力リフレッシュ間隔を超過している。仮に、更に4枚目の子フレームの復号化処理228を行うと、次の親フレーム213に関する1枚目の子フレームの復号化処理229以降の復号化処理に影響が生ずるため、本例の復号化処理制御部36では復号化処理を打ち切るための復号化打切り制御信号を復号化処理部33へ送信する。
復号化処理部33は、復号化打切り制御信号を入力すると、そのときに処理中である親フレーム212について残りの子フレームの復号化処理228を中止し、次の親フレーム213に属する子フレームの復号化処理229〜232を開始する。
まず、パターンDのフレーム符号化シーケンスを用いた場合には、符号化されたストリームを符号化された順番に順次復号化する必要があるため、復号化処理において打切り制御が為されると、次のIフレームが現れるまでは、打ち切られた子フレーム以降の子フレーム(Pフレーム)の復号化ができなくなる。
これに対して、パターンA、B、Cでは、復号化処理の打切り制御が発生しても、後続する子フレームを復号することが可能である。
パターンCのフレーム符号化シーケンスを用いた場合には、各親フレーム111、112、113の1枚目の子フレーム121、125、129が予測先となっているため、例えばパターンAと同様に、符号化処理や復号化処理が途中で打ち切られても、後続する子フレームを処理することが可能である。
本例のフレーム結合方式は、図2に示されるフレーム分割方式に対応しており、概略的には逆の向きの処理を行う。
具体的には、或る親フレーム251について、分割された4枚の子フレーム241〜244が正常に復号化されてフレームメモリ35に格納された場合には、これらの子フレーム241〜244を結合して1枚の親フレーム251を構成する。
なお、子フレーム241は親フレーム251中の(2n−1,2m−1)に相当する画素位置261の集合であり、子フレーム242は親フレーム251中の(2n,2m−1)に相当する画素位置262の集合であり、子フレーム243は親フレーム251中の(2n−1,2m)に相当する画素位置263の集合であり、子フレーム244は親フレーム251中の(2n,2m)に相当する画素位置264の集合である。
なお、本例では、リアルタイム性を保った再生を行うことができ、つまり画像符号化装置1の側で送り出す子フレームの数を制御することができるため、符号量の制御が容易であり、画像復号化装置2で受信したストリームを再生するまでに要する時間の低遅延化を実現することができる。
また、図3、図4、図5に示される各パターンA、B、C、Dでは、Iフレームが生成される親フレームにおいて、図2に示される左上の子フレーム(A1)61をIフレームとしたが、この代わりに、他の位置の子フレーム(B1、C1、D1)62、63、64をIフレームとすることも可能である。
また、本例の符号化方式及び復号化方式では、予測用フレームの枚数として、過去に符号化した1枚を用いる場合を示したが、これに限定されず、2枚以上の予測用フレーム(予測先)が用いられてもよい。
また、MPEG−2やMPEG−4などの規格の中には、符号化対象とする画像よりも時間軸上で未来にあたる画像を予測フレームにするBフレームという概念が存在する。本例では、過去の画像を予測フレームとして、このようなBフレームを用いていないが、本例のように子フレームの単位で予測符号化する場合にBフレームを用いることも可能である。
従って、例えば、親フレームを4枚の子フレームに分割する場合には、親フレームを予測符号化する場合と比べて、予測用フレームメモリ18、34には(1/4)の解像度の子フレームを格納すればよく、予測用フレームメモリ18、34に必要なメモリサイズを(1/4)倍にすることができる。これにより、例えば高解像度の動画像を処理するような場合においても、予測用フレームメモリ18、34に必要となるメモリ量を削減して節約することができ、高能率な処理を実現することができる。
また、本例の画像復号化装置2では、通信制御部31の機能により復号化入力手段が構成されており、復号化処理部33の機能や復号化処理制御部36の機能により復号化手段が構成されており、予測用フレームメモリ34の機能により復号化記憶手段が構成されており、フレーム結合部37の機能により結合手段が構成されており、映像出力部39へ画像を出力する機能により復号化出力手段が構成されている。また、これら各種の機能により処理手段が構成されている。
なお、第1実施例の場合と異なる点について詳しく説明し、同様な部分については説明を省略する。
本例では、子フレームの平均画像を用いて予測符号化を行う。
図10には、子フレームの平均画像を作成する様子の一例を示してある。
具体的には、同一の親フレームを分割して生成された4枚の子フレーム281〜284について、平均化部271により各画素位置の画素値の平均値を取得し、各画素位置の画素値として当該平均値を有する画像フレームを子フレーム281〜284の平均画像291として作成する。
なお、平均化部271の機能は、例えば、画像符号化装置1のフレーム分割部14或いは符号化処理部15などに備えられる。
本例では、1枚の親フレーム301について、最初に平均画像311のフレームをIフレームとして符号化し、続いて、平均画像311のフレームを予測の参照先(予測先)として、3枚の子フレーム312、313、314のそれぞれをPフレームとして符号化する。他の例として、1枚の親フレーム301について、最初に平均画像311のフレームをIフレームとして符号化し、続いて、1つ前のフレーム311、312、313を予測の参照先(予測先)として、3枚の子フレーム312、313、314のそれぞれをPフレームとして符号化する構成とすることも可能である。つまり、子フレーム312のみについて平均画像311のフレームを予測先とし、子フレーム313は子フレーム312を予測先とし、子フレーム314は子フレーム313を予測先としてもよい。
また、残りの1枚の子フレーム315については、画像復号化装置2において復号化した平均画像311のフレーム及び他の3枚の子フレーム312、313、314を用いて復元することが可能であるため、画像符号化装置1では子フレーム315については符号化を行わず画像復号化装置2に対して送信することも行わない。ここで、残りの1枚の子フレーム315を復元する機能は、例えば、画像復号化装置2の復号化処理部33に備えられる。
なお、本例においても、例えば、図3や図4や図5に示されるのと同様なフレーム符号化シーケンスを用いることができ、この場合、Iフレームは平均画像のフレームに限定するのが好ましい。
また、平均画像Z1を参照フレームとして子フレームA1、B1、C1を符号化する場合には、例えば、H.264符号化方式(規格ISO/IEC 14496−10)などで用いられている小数画素精度の動きベクトル探索を行うことで、子フレームA1、B1、C1の画素位置の画素を平均画像Z1から予測することができるため、予測精度が向上し、高い符号化効率を得ることができる。また、平均画像を作らない場合においても、同様に小数画素精度の動き探索で子フレームA1、B1、C1の画素位置の画素を予測することが可能である。
なお、第1実施例の場合と異なる点について詳しく説明し、同様な部分については説明を省略する。
本例では、符号化対象となるフレームを繰り返して分割して符号化する。
図12には、フレーム分割部14によりフレームを分割する方式の一例を示してある。
本例では、親フレーム321を4枚の子フレーム331、332、333、334に分割し、更に、そのうちの1枚の子フレーム331を4枚の孫フレーム341、342、343、344に分割する。
本例では、1枚の親フレーム351について、1枚目の子フレーム361を分割した4枚の孫フレーム371〜374の中で、1枚目の孫フレーム371をIフレームとして符号化するとともに、この孫フレーム371を予測先として、2、3、4枚目の孫フレーム372、373、374のそれぞれをPフレームとして符号化してあり、また、1枚目の子フレーム361を予測先として、2、3、4枚目の子フレーム362、363、364のそれぞれをPフレームとして符号化している。
このような符号化データを復号化する場合には、まず、孫フレーム群の中で予測先となっている孫フレーム371を復号化し、復号化された当該孫フレーム371を参照フレームとして、残りの孫フレーム372、373、374を復号化する。全ての孫フレーム371〜374を復号化すると、これらの孫フレーム371〜374から子フレーム361を再構成し、この子フレーム361を参照フレームとして、残りの子フレーム362、363、364を復号化する。
例えば、デジタルシネマのように大きな画像サイズ(例えば、4096画素×2048画素)の符号化を行う場合には、親フレームを子フレームに分割しても、子フレームの画像サイズは標準テレビ画像の解像度よりも高い。このような場合には、処理能力が低い画像復号化装置では子フレーム1枚すら所定処理時間内に復号化することができない、又は、画像復号化装置で子フレーム分のフレームメモリを確保することができないこともある。
ここで、本例では、親フレームを子フレームに分割して更に孫フレームに分割した場合を示したが、更に細かく分割を繰り返すような態様が用いられてもよい。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係るシステムや装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
Claims (6)
- 画像符号化装置により動画像を符号化し、当該符号化された動画像を画像復号化装置により復号化する画像処理システムにおいて、
前記画像符号化装置は、処理対象となる動画像を入力する符号化入力手段と、
前記符号化入力手段により入力された動画像を構成するフレームを親フレームとして、分割後のフレーム間に高い相関性が保たれるように当該親フレームを複数個に分割したフレームを子フレームとして生成する分割手段と、
前記分割手段により1つの親フレームから分割された複数個の子フレームについて平均画像のフレームを生成し、当該平均画像のフレームについてはフレーム内符号化方式を使用するとともに、前記複数個から1個を除いた子フレームについては当該平均画像のフレーム又は1つ前の子フレームを参照フレームとして予測符号化方式を使用して、これらのフレームを符号化する符号化手段と、
前記予測符号化方式による符号化に用いる参照フレームを記憶する符号化記憶手段と、
前記符号化手段により符号化された画像を出力する符号化出力手段と、を備え、
前記画像復号化装置は、符号化された画像を入力する復号化入力手段と、
前記復号化入力手段により入力された符号化された画像から、前記1つの親フレームに対応する前記平均画像のフレーム及び前記複数個から1個を除いた子フレームを復号化するとともに、前記複数個から除かれた1個の子フレームを復元する復号化手段と、
復号化された参照フレームを記憶する復号化記憶手段と、
前記復号化手段により復号化された子フレーム及び復元された子フレームを結合して親フレームを生成する結合手段と、
前記結合手段により生成された親フレームの画像を出力する復号化出力手段と、を備えた、
ことを特徴とする画像処理システム。 - 請求項1に記載の画像処理システムにおいて、
前記符号化手段は、予測符号化方式を使用する場合、小数画素精度の動きベクトル探索を行って、符号化する子フレームを参照フレームから予測するようにした、
ことを特徴とする画像処理システム。 - 請求項2に記載の画像処理システムにおいて、
前記分割手段は、前記親フレームを4個の子フレームに分割するものであって、親フレームにおいて隣接する4画素を単位として、当該4画素がそれぞれ別の子フレームに属するように分割されるものであり、
前記復号化記憶手段の容量は、親フレーム1枚分に必要な容量より少ない、
ことを特徴とする画像処理システム。 - 請求項3に記載の画像処理システムにおいて、
前記画像符号化装置は、画像を符号化する場合に、1つのフレームを分割して生成される複数のフレームの中の1つのフレームを更に分割することを1回以上繰り返して行って、子フレームより小さいサイズのフレームを生成して符号化し、
前記画像復号化装置は、画像を復号化する場合に、所定のサイズ以下のフレームのみを復号化する、
ことを特徴とする画像処理システム。 - 請求項2に記載の画像処理システムにおいて、
前記符号化手段は、1つの親フレームを符号化する際に、最初に前記平均画像のフレームが符号化ストリームに出力されるように符号化し、
前記親フレームの符号化処理が、所定の長さの時間であるフレームリフレッシュ間隔を超過したときに、符号化打ち切り信号を受けて、超過した残りの子フレームの符号化処理を中止する、
ことを特徴とする画像処理システム。 - 動画像を符号化し、当該符号化された動画像を復号化する画像処理方法において、
処理対象となる動画像を入力する符号化入力ステップと、
前記符号化入力ステップにより入力された動画像を構成するフレームを親フレームとして、分割後のフレーム間に高い相関性が保たれるように当該親フレームを複数個に分割したフレームを子フレームとして生成する分割ステップと、
前記分割ステップにより1つの親フレームから分割された複数個の子フレームについて平均画像のフレームを生成し、当該平均画像のフレームについてはフレーム内符号化方式を使用するとともに、前記複数個から1個を除いた子フレームについては当該平均画像のフレーム又は1つ前の子フレームを参照フレームとして予測符号化方式を使用して、これらのフレームを符号化する符号化ステップと、
前記予測符号化方式による符号化に用いる参照フレームを記憶する符号化記憶ステップと、
前記符号化ステップにより符号化された画像を出力する符号化出力ステップと、
符号化された画像を入力する復号化入力ステップと、
前記復号化入力ステップにより入力された符号化された画像から、前記1つの親フレームに対応する前記平均画像のフレーム及び前記複数個から1個を除いた子フレームを復号化するとともに、前記複数個から除かれた1個の子フレームを復元する復号化ステップと、
復号化された参照フレームを記憶する復号化記憶ステップと、
前記復号化ステップにより復号化された子フレーム及び復元された子フレームを結合して親フレームを生成する結合ステップと、
前記結合ステップにより生成された親フレームの画像を出力する復号化出力ステップと、
を有することを特徴とする画像処理方法。
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