JP4184389B2 - 動きベクトル復号装置および復号方法 - Google Patents
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Description
上述のフレーム間予測符号化方法は、ITU-T H.261 、ITU-T H.263 、ISO/IEC MPEG-1、ISO/IEC MPEG-2などの標準方式において採用されている。また、これらの標準方式では、動きベクトルデータを符号化する方法として、予測符号が用いられている。以下、一例としてITU-T H.263 を採り上げて、動きベクトルデータを符号化する方法を説明する。
差分ベクトルデータ(y) = MVy - Median(PMV1y, PMV2y, PMV3y)
各差分ベクトルデータは、図14に示す可変長符号を用いて符号化される。図14に示す符号は、ITU-T H.263 において使用されている符号である。
予測ベクトル(y) = Median(0,0,0)=0
したがって、「予測ベクトル=(0,0)」が得られる。
差分ベクトル=符号化対象ブロックの実際の動きベクトル−予測ベクトル
=(1,0)−(0,0)
=(1,0)
ここで、「差分ベクトルデータ(差分ベクトルの成分)=1」のときは、図14に示す符号を使用する場合、符号化動きベクトルデータとして「0010」が得られる。また、「差分ベクトルデータ=0」のときは、符号化動きベクトルデータとして「1」が得られる。したがって、このブロックについて伝送すべき符号化動きベクトルデータは、5ビットである。
図15(b) は、画像の変化がほぼ均一なシーンの動きベクトルの例である。ここでは、符号化対象ブロックの実際の動きベクトルが(10,−9)であり、また、符号化対象ブロックの近傍のブロックB1 〜B3 の動きベクトルが(10,−10)、(9,−9)、(9,−9)であるものとしている。この場合、「差分ベクトル=(1,0)」が得られる。したがって、画像の変化が均一なシーンにおいても、差分ベクトルデータが小さくなり、伝送すべき符号化動きベクトルデータの情報量が小さくなる。
予測ベクトル(y) = Median(4,−10,−10)=−10
したがって、
予測ベクトル=(−10,−10)
また、符号化対象ブロックの差分ベクトルは下式により得られる。
=(4,2)−(−10,−10)
=(14,12)
ここで、「差分ベクトルデータ=12」のときは、図14に示す符号を使用する場合、伝送すべき動きベクトルデータとして「00000001000」が得られる。同様に、「差分ベクトルデータ=14」のときは、伝送すべき動きベクトルデータとして「000000001000」が得られる。従って、このブロックについて伝送すべき符号化動きベクトルデータは、23ビットである。このように、画像の動きが乱雑なシーンでは、差分ベクトルデータが大きくなってしまう、伝送すべき符号化動きベクトルデータの情報量も大きくなってしまう。
本発明の課題は、予測符号を用いて動画像データを符号化する際の効率を向上させることである。
本実施形態の動きベクトル符号化装置50は、既存の符号化装置と同様に、符号化対象ブロックの動きベクトルを符号化する際には、(1) 符号化対象ブロックの近傍のブロックの動きベクトルからその符号化対象ブロックの予測ベクトルを作成し、(2) 符号化対象ブロックの実際の動きベクトルと予測ベクトルとの差分ベクトルを求め、(3) 差分ベクトルの各成分を符号化することにより符号化動きベクトルデータを生成する。
可変長符号化部63aおよび63bは、互いに異なる可変長符号を利用して予測誤差生成部62によって生成された予測誤差データを符号化する。可変長符号化部63aは、図6に示す「可変長符号1」を用いる。「可変長符号1」は、ITU-T H.263 等において使用されている符号であり、小さい予測誤差(差分値)に対してデータ長の短いデータ列が割り当てられ、大きい予測誤差に対してデータ長の長いデータ列が割り当てられている。従って、複数の近傍ブロックの動きベクトルが一様であるときは、予測誤差が小さくなる可能性が高いので、この「可変長符号1」を用いれば、符号化結果のデータ長が短くなる。すなわち、画像の変化が少ないとき、或いは画像の変化が均一なときは、「可変長符号1」を用いれば、符号化結果の平均データ長が短くなり、符号化効率が向上する。
|PMV1x−PMV3x|>閾値1 且つ
|PMV2x−PMV3x|>閾値1
条件2:|PMV1y−PMV2y|>閾値1 且つ
|PMV1y−PMV3y|>閾値1 且つ
|PMV2y−PMV3y|>閾値1
上記アルゴリズムによれば、近傍ブロックの動きベクトルのX成分またはY成分のいずれか一方が一様でなかったときに「乱雑」と判定される。なお、「閾値1」は、シミュレーションまたは実験などにより決定される。
|PMV1x−PMV3x|>閾値1 且つ
|PMV2x−PMV3x|>閾値1
条件2:|PMV1y−PMV2y|>閾値1 且つ
|PMV1y−PMV3y|>閾値1 且つ
|PMV2y−PMV3y|>閾値1
条件3:|MVx −Median(PMV1x,PMV2x,PMV3x)|>閾値2
第3の条件において、「Median(PMV1x,PMV2x,PMV3x)」は、予測ベクトルのX成分を求める演算である。すなわち、第3の条件は、符号化対象動きベクトルのX成分が予測値から大きく外れているか否かを判定するためのものである。ここで、予測値は、近傍ブロックの動きベクトルから算出される。したがって、第3の条件は、「近傍ブロックの動きベクトルが均一である状態において、符号化対象の動きベクトルだけがそれら近傍ブロックの動きベクトルから大きく異なっている」を検出するために使用される。
ステップS1〜S5は、X成分についての符号化処理である。ステップS1では、先に符号化したベクトルに基づいて対象ベクトルのX成分の符号化方法を決定する。この処理は、第1の判定部61により実行される。
図10は、動きベクトル復号装置の一実施例のブロック図である。動きベクトル復号装置70は、第1の判定部61、第1の選択部64、第2の判定部65、および第2の選択部68を備える。これらの各ユニット61、64、65、68は、動きベクトル符号化装置60に設けられているものと同じである。また、可変長復号部71a、71b、73a、73bは、それぞれ動きベクトル符号化装置60に設けられている可変長復号部63a、63b、67a、67bに対応する復号処理を行う。すなわち、可変長復号部71aおよび73aは、「可変長符号1」を用いて符号化動きベクトルデータを復号し、可変長復号部71bおよび73bは、「可変長符号2」を用いて符号化動きベクトルデータを復号する。
11 係数符号化ユニット
12 動きベクトル符号化ユニット
20 フレーム間予測復号装置
21 係数復号ユニット
22 動きベクトル復号ユニット
37 動きベクトル計算回路
41 ベクトルエントロピー符号化回路
51 判定部
52a〜52n 符号化部
53 選択部
61 第1の判定部
62、66 予測誤差生成部
63a、63b 可変長符号化部
64 第1の選択部
65 第2の判定部
67a、67b 可変長符号化部
68 第2の選択部
71a、71b 可変長復号部
72、74 ベクトル再生部
73a、73b 可変長復号部
Claims (2)
- 動画像データの各フレームを分割することによって得られる各ブロックの動きベクトルを近傍ブロックの動きベクトルを用いて予測符号化することによって得られる符号化結果を復号する動きベクトル復号装置であって、
対象ブロックの近傍の複数のブロックの動きベクトルに基づいてその対象ブロックの動きベクトルを予測する予測手段と、
対象ブロックの近傍の複数のブロックの動きベクトル間の差分絶対値を基準として対象ブロックの動きベクトルの予測値の精度を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、予測値の精度により、符号化時に選ばれた複数のエントロピー符号化方法のうちの動きベクトルの符号化結果として得られる動きベクトルデータの情報量が少なくなることが期待されるエントロピー符号化方法に対応するエントロピー復号方法で対象ブロックの動きベクトルを前記予測手段による予測結果を利用して復号する復号手段と、
を有する動きベクトル復号装置。 - 動画像データの各フレームを分割することによって得られる各ブロックの動きベクトルを近傍ブロックの動きベクトルを用いて予測符号化することによって得られる符号化結果を復号する動きベクトル復号方法であって、
対象ブロックの近傍の複数のブロックの動きベクトルに基づいてその対象ブロックの動きベクトルを予測するステップと、
対象ブロックの近傍の複数のブロックの動きベクトル間の差分絶対値に基づいて対象ブロックの動きベクトルの予測値の精度を判定するステップと、
判定ステップにて判定した動きベクトルの予測値の精度により、符号化時に選ばれた複数のエントロピー符号化方法のうちの動きベクトルの符号化結果として得られる動きベクトルデータの情報量が少なくなることが期待されるエントロピー符号化方法に対応するエントロピー復号方法で対象ブロックの動きベクトルを上記予測ステップで予測した結果を利用して復号するステップと、
を有する動きベクトル復号方法。
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