JP4183858B2 - カラーハーフトーン画像生成方法及びシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック(”CMYK”)色域のカラーを用いてスポットカラーを生成することに関する。本発明は、CMYK着色剤(colorant)セットを用いたパントーン(Pantone:登録商標)カラーの生成に関連する特定用途に用いることができ、特にこれに関連して記載される。但し、本発明は他の着色剤セットから他のカラーを生成する際などにも同様に適用可能であることを認識されたい。例えば、本発明の方法はCMYKO(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、オレンジ)着色剤セットを用いたカラーの生成にも同様に用いることができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
スポットカラーはカラー(例えば、パントーンカラー)のソリッドエリアであり、このエリアは通常種々のインクを特定量混合させることにより形成される。一般的には、スポットカラーの生成には2つの方法が用いられてきた。
【0003】
第1の方法では、ハーフトーニング(halftoning)を行わずにスポットカラーを生成する。ハーフトーニングを行わない代わりに、プリント用の1つの特別なカラーインクを供給するために、プリンタ内部に特別なハウジングが取り付けられている。ハウジング内で異なるカラーインクがプレミックスされ、所望のカラーが得られる。この方法で得られるスポットカラーの外観は、そのカラーが色域のどの位置にあっても平滑なソリッドカラーとなる。しかしこの方法には、プリンタ内部に追加的なハウジングが必要になるという明らかな欠点がある。また、所望のカラーを得るためには、この追加ハウジングが満たされる前に、異なるカラーインクを正確な比率で混合しなくてはならない。
【0004】
他方、第2の方法では、ハーフトーニングを用いてスポットカラーを生成する。より詳細には、CMYK着色剤セットの4つの着色剤の量を変化させて数多くのサブスポットを生成する。サブスポットは、離れたところから見るとスポットカラーとなる。ハーフトーン画像は複数のハーフトーンドットからなっており、ハーフトーンドットは多数の着色された画素からなっている。スポットカラーがシアンX1%、マゼンタX2%、イエローX3%、及びブラックX4%をプリントして生成される場合、各カラー毎に各ドット内の画素がそれぞれの割合でプリントされる。
【0005】
ハーフトーン画像は、原稿の連続階調画像の画素の各々をハーフトーンスクリーンの対応する位置の値と対照することにより生成される。図1は1つのハーフトーンスクリーンの一例を示す。ハーフトーンスクリーンは閾値2のセットで構成されている。閾値2の1つがページの各位置に対応している。典型的に、ハーフトーンスクリーンは、ハーフトーンセルとして知られているより小さい閾値アレイをページ全体にわたってタイル状に配列することにより構成される。画像における値がスクリーンにおける値よりも大きい場合、ハーフトーン画像において各着色剤のための値が設定される。これらの値はその位置にその着色剤が用いられることを示す。画像における値がスクリーンにおける値よりも大きくない場合、その位置に着色剤が用いられないことを示す値が設定される。この設定は、典型的には別々のスクリーンを使用するC、M、Y、及びKの区別毎に別々に行われる。
【0006】
クラスタドットスクリーンでは、個々のセルは比較的低い閾値を有する隣接する画素の1つまたは複数のグループを含む。あらゆるこれらのクラスタの中心はドットの中心であり、この中心は対応する最終画像におけるダーク領域の中心に対応する。
【0007】
図2は、図1に示されたハーフトーンスクリーンを用いて生成された画像を示す。ここでは68乃至74のレベルが選択されている。ダーク画素が周期的に繰り返される画素のクラスタにグループ化されていることに留意されたい。画像の明度が一定でない場合でも、クラスタの中心は一定の周期パターンに従っている。
【0008】
各ハーフトーンセルは特定数の画素からなっており、それらは行と列とに配置されている。図1の例では、1つのハーフトーンセルは3行×6列に編成された18のサブセルを含んでいる。このような構成を3×6ハーフトーンセルとよぶ。
【0009】
ハーフトーンスクリーンの1つの特徴は頻度(frequency)である。ハーフトーンスクリーンの頻度とは、スクリーン内の単位長さ当たりのハーフトーンドット数(例えば、dpi)をさす。図1のスクリーンでは、ドットの中心は閾値’3’を有する。これらのドットの中心は約4.24画素で分離されている(即ち、中心に最も近い’3’は中心から横方向に3画素、垂直方向に3画素離れた位置にある)。このスクリーンが、例えばインチ当たり600画素のプリントに使用される場合、スクリーン頻度は600画素/インチ×1スポット/4.24画素=インチ当たり141スポットとなる。
【0010】
スクリーンは頻度に加えて角度と関連付けられている。セルの角度は、セルがある行から次の行までシフトされる量、及びセル内の閾値の集合に依存する。図1及び図2の例では45度のスクリーンが示されている。これは、主たる反復パターンが横方向に対し45度(及び135度)の角度で発生しているので、45度スクリーンとよばれる。
【0011】
原稿の連続階調(コントーン("contone"))画像は、ハーフトーンスクリーン中の対応するセルを形成しているドットを個別にオンまたはオフにすることによりハーフトーン化される。より詳細には、原稿の画像は別々に4度(例えば、CMYKカラーモデルの4色をそれぞれ1度ずつ)走査される。各走査は、例えば画像の上部の左端から開始されてもよい。走査の間、原稿のコントーン画像の各ラインはセグメントに分割されており、各セグメントが1つのサンプルエリア(画素ともいう)を表すようになっている。各サンプルエリアはハーフトーン画像の1つのセルに相当する。
【0012】
各区分毎に4つのスクリーンが別々に用いられる。スクリーンは典型的にはマニュアルで設計されるかコンピュータの援助により設計される。一般的に、任意の4つのスクリーンのセットでは品質の良い画像が生成されないため、4つのスクリーンが1セットとして設計されることが重要である。このことは図1及び図2の例にあるような小さいセルを有するスクリーンに特に当てはまる。区分毎に1つのスクリーンと互換性を有するよう設計されたスクリーンの集合は「ドットセット」とよばれている。
【0013】
上記のプロセスを通じて、原稿のコントーン画像はプリント、ディスプレイ及び/またはビューイング(viewing)に適した2値画像となる。
【0014】
より高頻度のハーフトーンスクリーンは、定義上、定義領域内により多くのハーフトーンセルを有するため、これらのスクリーンはより細密な解像度を有するハーフトーン画像となる。より細密な解像度により、より平滑でよりソリッドなスポットカラーが形成される。人間の視覚系(ビジュアルシステム)では、最適条件下にあっても1度当たり約60サイクル以上の空間周波数を解像することはできない。通常のビューイング条件下では、1度当たり20乃至30サイクルを解像できるのみである。近距離(例えば、6インチ)から見てスクリーン頻度がインチ当たり240スポットであるハーフトーンスクリーンは1度当たり24サイクルの反復パターンを有し、最適条件下では完全に平滑となる。他方、より低頻度のスクリーンではより粒状性が高く見え、故にハーフトーンスクリーンがハーフトーン画像中で可視化している。従って、ハーフトーンを用いてスポットカラーを生成する場合、高頻度のハーフトーンスクリーンを画像に組み込むことが望ましいと考えられる。
【0015】
しかしながら、高頻度のハーフトーンスクリーンを用いたスポットカラーの生成には、少なくとも1つの欠点がある。つまり、ハーフトーンスクリーンの頻度と生成され得るカラーレベル数とは逆の関係である点である。従って、高頻度のハーフトーンスクリーンを組み込んだハーフトーンセルは、より少ないカラーレベルしか生成できない。非常に低いカラーレベルを生成可能なハーフトーンセルを用いて滑らかな階調がプリントされる場合、カラーレベルのシェード(shade)間の増分は視覚的に認識可能となり、これはコンチュリング(contouring)といわれる。
【0016】
スポットカラープリントでは、階調度を満たすことは必要ではないため、コンチュリングそのものは問題とはならない。しかしながら、スポットカラープリントはロゴカラーなどの特定のカラーを生成するために一般的に用いられている。従って、低いレベル数のみが利用可能である場合、マッチングを行った結果最も近いとされたカラーであっても所望のカラーとは大きくかけ離れていることもあり、ほぼ正確なカラーマッチングを必要とする用途においては不都合である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、1つのカラーハーフトーン画像を生成する方法であって、複数のハーフトーンスクリーンの集合を表すドットセットから少なくとも1つの基準に基づいてドットセットを選択し、該ドットセットからハーフトーン画像を生成する、ことを含む、1つのカラーハーフトーン画像の生成方法である。
請求項1記載の発明によれば、少なくとも1つの基準に基づいて複数のドットセットから1つのドットセットを選択する。各ドットセットはハーフトーンスクリーンの集合を表している。次いで、そのドットセットからハーフトーン画像が生成される。
【0018】
請求項2に記載の発明は、ドットセットにより生成された各特徴を識別する情報を、表中の各位置にマッピングし、該特徴に関連する情報を表から検索する、ことを更に含む、請求項1記載の1つのカラーハーフトーン画像の生成方法である。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、ドットセットにより生成された個々の特徴を識別しながら、更に情報を表中のそれぞれの位置にマッピングする。次いで、その特徴に関連する情報が表から検索される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3は、高頻度のハーフトーンスクリーンに用いられた2×4ハーフトーンセル10を示している。2×4ハーフトーンセル10は、異なるレベルのカラー(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー及び/またはブラック)を生成するために個別にオンにすることのできる8つのドット12(即ち、サブセル)を含む。サブセル12は8つあるので、9つ(即ち、オンにされるサブセル数が0から8までの範囲)の異なるカラーレベルを生成することができる。
【0020】
図4は、図3に示された2×4ハーフトーンセル10の入力カラーに対する出力カラーを示すステップ関数を示す。例示目的のために入力カラーに対する出力カラーの関数マッピングは線形として扱っている。つまり、各画素が更にオンにされる毎に、同様の明度の変更が更に生じる。128の異なる(再現)可能なカラーレベル(0から127までの範囲)があるとすると、2×4ハーフトーンセル10から得られる9つの出力カラーレベルは0.0、15.9、31.8、47.6、63.5、79.4、95.3、111.1、及び127.0である。従って、所望のカラー(即ち入力カラー)が例えば15.0である場合は、出力カラーレベルは0.0である。同様に、所望のカラーが125である場合は、出力カラーレベルは111.1である。所望のカラーが得られる出力カラーレベルの1つに非常に近い場合には正確な色再現が可能であるが、このケースはまれである。
【0021】
図5は、高頻度のハーフトーンスクリーンに用いられる2×3ハーフトーンセル14を示す。2×3ハーフトーンセル14は、異なるレベルのカラーを生成するために個別にオンにすることのできる6つのドット16(即ち、サブセル)を含む。6つのサブセル16があるため、7つの異なるカラーレベルを生成することができる。
【0022】
図6は、図5に示された2×3ハーフトーンセル14の入力カラーに対する出力カラーを示すステップ関数を示す。128の異なる可能なカラーレベル(0から127までの範囲)があるとすると、2×3ハーフトーンセルから得られる7つの出力カラーレベルは0.0、21.0、42.5、63.5、84.5、106.0及び127.0である。注目すべきことに、図4と図6の組合せで13の可能な異なる出力カラーレベル(即ち、0.0、15.9、21.0、31.8、42.5、47.6、63.5、79.4、84.5、95.3、106.0、111.1及び127.0)が得られる。従って、2×4ハーフトーンセル10と2×3ハーフトーンセル14を共に用いて、所望のレベルにより近い方の1つを選択することにより、2×4ハーフトーンセル10だけを用いた場合よりも4つ多いカラーレベルが生成され、また2×3ハーフトーンセル14だけを用いた場合よりも6つ多いカラーレベルが生成される。
【0023】
図7は、高頻度のハーフトーンスクリーンで用いられる3×4ハーフトーンセル18を示す。3×4ハーフトーンセル18は、異なるカラーレベルを生成するために個別にオンにすることのできる12個のサブセル20を含む。12個のサブセル20があるため、13の異なるカラーレベルを生成することができる。
【0024】
図8は、図7に示された3×4ハーフトーンセル18の入力カラーに対する出力カラーを示すステップ関数を示す。128の異なる可能なカラーレベルがあるとすると、3×4ハーフトーンセル18から得られる13の出力カラーレベルは0.0、10.6、21.2、31.8、42.3、52.9、63.5、74.1、84.7、95.3、105.8、116.4及び127.0である。図4、図6及び図8の組合せで21の可能な異なる出力カラーレベル(即ち、0.0、10.6、15.9、21.0、21.2、31.8、42.3、42.5、47.6、52.9、63.5、74.1、79.4、84.5、84.7、95.3、105.8、106.0、111.1、116.4及び127.0)が得られる。従って、2×4ハーフトーンセル10、2×3ハーフトーンセル14及び3×4ハーフトーンセル18を用いれば、2×4ハーフトーンセル10と2×3ハーフトーンセル14との組合せのみを用いた場合よりも7つ多いカラーレベルが生成される。
【0025】
図9は、高頻度のハーフトーンスクリーンで用いられる3×5ハーフトーンセル22を示す。3×5ハーフトーンセル22は、異なるカラーレベルを生成するために個別にオンにすることのできる15個のサブセル24を含む。15個のサブセル24があるため、16の異なるカラーレベルを生成することができる。
【0026】
図10は、図9に示された3×5ハーフトーンセル22の入力カラーに対する出力カラーを示すステップ関数を示す。128の異なる可能なカラーレベルがあるとすると、3×5ハーフトーンセル22から得られる16の出力カラーレベルは0.0、8.5、16.9、25.4、33.9、42.3、50.8、59.3、67.7、76.2、84.7、93.1、101.6、110.1、118.5及び127.0である。図4、図6、図8及び図10の組合せで33の異なる可能な出力カラーレベル(即ち、0.0、8.5、10.6、15.9、16.9、21.0、21.2、25.4、31.8、33.9、42.3、42.5、47.6、50.8、52.9、59.3、63.5、67.7、74.1、76.2、79.4、84.5、84.7、93.1、95.3、101.6、105.8、106.0、110.1、111.1、116.4、118.5及び127.0)が得られる。従って、2×4ハーフトーンセル10、2×3ハーフトーンセル14、3×4ハーフトーンセル18及び3×5ハーフトーンセル22を用いれば、2×4ハーフトーンセル10を2×3ハーフトーンセル14及び3×4ハーフトーンセル18のみと組み合せて用いた場合よりも12多いカラーレベルが生成される。
【0027】
実際の使用では、レベルは上述のように均等な間隔を保ってはおらず、また同一の曲線上にあるわけでもない。つまり、多数のセルを用いた場合には0及び127.0以外のレベルは同時に起こり得ないが、1つの高頻度セルを用いた場合、上述したものよりもよりレベル間の間隔の大きい幾つかのレベルが生成される。
【0028】
図3、図5、図7及び図9に示された4つのハーフトーンセルは相互に組み合わされて、複合(合成)ドットセット26(図11参照)の1つの区分(separation)を形成する。図示されたセルは1つのカラー区分のためだけのものである。完全なドットセットには他のカラー区分毎の(恐らく異なる寸法の)セルも含まれる。本発明では、複合ドットセットとしてはプリントのための少なくとも2つの完全なドットセットが用いられる。図示の簡略化のために、図11には2×4ハーフトーンセル10及び2×3ハーフトーンセル14を含む複合ドットセット26の一部のみが示されている。しかしながら、複合ドットセット26全体には、2×4ハーフトーンセル、2×3ハーフトーンセル、3×4ハーフトーンセル及び3×5ハーフトーンセルが含まれ、また他の区分のための対応するセルも同様に含まれることを理解されたい。
【0029】
上記で概略を示したように、2×4ハーフトーンセル、2×3ハーフトーンセル、3×4ハーフトーンセル及び3×5ハーフトーンセルを用いて形成される複合ドットセット26は、これらののセルのセットが用いられる区分のための33の異なる出力レベルを生成することができる。また、CMYKカラーモデルの他の区分においても同様の数の出力レベルを生成することができる。従って、CMYKカラーモデルの4つの区分の約33の異なるレベルから得られる異なるカラーの総数はかなり大きい。例えば、図11に示された複合ドットセットは100万以上の異なるカラーを生成することができる。可能なカラー数を増加させるために、多数のドットセットが形成され、相互に関連して用いられる。パントーンカラーセットの中の色域内の1000未満のカラーを許容範囲内の正確性をもって形成するには、種々の数のハーフトーンセルを含む4つの異なるドットセットで十分であることがわかっている。
【0030】
複合ドットセットを用いて所望のソリッドカラーハーフトーン画像を形成する場合、カラーモデル(例えば、CMYKカラーモデル)を定義する各構成カラー(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)毎の所望のカラーレベルは、所望の最終カラー(即ち、プリントされるカラー)において識別される。
【0031】
次いで、各ドットセットの各ハーフトーンスクリーンからいずれのカラーレベルが得られるかが決定される。例えば、図3、図5、図7及び図9のハーフトーンセルより生成されるドットセットから、カラーモデルの各構成カラー毎に33の可能なカラーレベルが得られる。
【0032】
次いで、各ドットセット毎に、所望の構成カラーレベルのそれぞれに最も近い可能なカラーレベルが識別される。次に、ドットセット内の最も近い可能なカラーレベルが組み合わされた場合に各ドットセット毎にいずれのカラーが得られるかを予測することにより最も近い可能な最終カラーが決定される。更に、最も近い最終カラーを生成するドットセットが識別され、それを用いて最終の1つのカラーハーフトーン画像が生成される。最終の1つのカラーハーフトーン画像は典型的にはカラープリントデバイス28(例えば、カラープリンタまたはカラーファクシミリ機)を用いて形成される。
【0033】
より詳細には、複合ドットセット内のドットセット毎に最も近いカラーが選択され、次いでこれらのカラーの中からプリント可能なカラーと所望のカラーとの色差が算出される。色差が最小であるドットセットが選択され、そのドットセットを用いてカラープリントが行われる。
【0034】
理論上は、最終カラーの形成のために選択されたドットセット内の異なるハーフトーンセルが最終画像の各構成カラーを形成するために用いられてもよいことに留意されたい。実際の使用においては、2つまたは3つの構成カラーのみが実際にプリントされている。
【0035】
好適な実施形態において、図12のステップAで表が作成される。例えば、パントーンカラーセット中の各カラーが表中のそれぞれの位置にマッピングされる。次いで、ステップBで、ハーフトーンスクリーン中で、着色剤セット、即ち最終的にはドットセットの中の各カラー毎にオンにされる必要のあるセルの割合が各パントーンカラー毎に識別される。着色剤セットの中の各カラー毎のセルの割合は表中の各々の位置に記憶される。
【0036】
複数のドットセットがステップCで生成される。各ドットセットに対しまずステップDで公知の技術を用いてキャリブレーションを行う。このようなキャリブレーションにより、ドットセットが標準的なキャリブレーションされた色空間(例えば、L*a*b*)から装置に依存する色空間(例えば、CMYK)にマッピングされる。次いで、ステップEで各ドットセット毎に各パントーンカラーがドットセットキャリブレーションからのマッピングを用いてL*a*b*色空間からCMYK色空間へマッピングされる。従って、1つの複合ドットセットが4つのドットセットを含む場合、各パントーンカラーは4度マッピングされる。
【0037】
典型的には、マッピングにより、ドットセットからは正確には得られない必要な着色剤が多数生じる。従って、ステップFで各ドットセット毎に3つの最も近い可能なカラーが識別され、ステップGでプリントされる。1つの複合ドットセットにおいて4つのドットセット毎に3つのカラーがプリントされるため、各パントーンカラーを生成するために12のカラーがプリントされる。このケースでは、パントーンカラーのほぼ2分の1が各ドットセット毎の色域外にある。それにも関わらず、約6000(即ち、色域内の500カラー×1カラー当たり12の近似カラー)のプリント可能なカラーが得られる。別の実施形態では、各ドットセット毎に最も近いカラーのみが識別され、プリントされる。
【0038】
次いで、ステップHで、複合ドットセットの少なくとも1つに対し、プリントされた最も近いカラーの全てつまり色域内にあるものが、パントーンカラーのそれぞれに対して測色される。ステップIで、各パントーンカラー毎に最も近いプリントされたカラーが選択される。ステップJで、各ドットセットを表すインデックスは各区分毎にカバレージレベル(即ち、オンにされたドットの割合)と共に、表中のパントーンカラーに対応する位置に記憶される。
【0039】
ステップKで特定のパントーンカラーが要求された場合、そのパントーンカラーに対応する表中の位置へのアクセスが行われ、要求されたカラーに対応するドットセット及びカラーレベルが識別される。次いでステップLで、現在のシステムドットが識別されたドットセット中の対応するドットに設定される。この方法により、ユーザがパントーンカラーそのものを要求せずに、そのパントーンカラーを生成するためのドットセット及びドットの割合を要求したかのように、要求されたパントーンカラーがステップMでプリントされる。
【0040】
他の実施形態では、4つのドットセット(例えばドットセット#1、ドットセット#2、ドットセット#3、ドットセット#4)のそれぞれにおける各ハーフトーンセル毎の出力カラーレベルを含むデータベース30が作成される。データベース30はプロセッサ34を介してスキャナ32に電気的に接続されている(図13参照)。スキャナ32は原稿画像を走査し、所望の最終カラーに含まれる構成カラーの量を決定するために用いられる。カラープリンタ28もプロセッサ34に接続されている。
【0041】
ハーフトーンセルの可能なカラーレベルはデータベース30から検索され、例えばパントーンカラーセットの中の所望のカラーを生成することが要求されたそれぞれの構成カラーを、各ドットセットがどの程度正確に生成するかが決定される。
【0042】
例えば、パントーンカラー#74を生成することが望まれている場合、まずCMYKカラーモデルの4つのカラーのそれぞれがどの程度必要とされているかが決定される。より詳細には、パントーンカラー#74はシアンX1%、マゼンタX2%、イエローX3%、及びブラックX4%を含む。次いで、4つのカラー区分のそれぞれの割合が、CMYKモデルの4つのカラーのそれぞれの所望のカラーレベルに変換される。換言すると、シアンX1%、マゼンタX2%、イエローX3%、及びブラックX4%はそれぞれシアン45、マゼンタ120、イエロー67及びブラック10に変換される。
【0043】
次いで、4つのドットセットのそれぞれのハーフトーンセルから得られる最も近いカラーレベルを決定するためにデータベース30に対するアクセスが行われる。例えば、シアン45が所望のカラーの生成のために要求されている場合、データベースにアクセスすることにより、ドットセット#1は、第1のハーフトーンセルから47.6のカラーレベルを生成することができ、第2のハーフトーンセルから42.5のカラーレベルを生成することができ、第3のハーフトーンセルから42.3のカラーレベルを生成することができ、第4のハーフトーンセルから42.3のカラーレベルを生成することができることが決定される。従って、ドットセット#1から得られる、シアン45に最も近いシアンカラーレベルは、そのドットセット中の第2のハーフトーンセルを用いて生成されたシアン42.5である。CMYKカラーモデル中の4つのカラーのそれぞれの各ドットセットにおいて同様の計算が行われる。よって、4つのドットセットの各々から4つの最も近い可能なカラー出力レベル(即ち、4つのそれぞれのカラー区分毎に1つ)を表す16の値が得られる。
【0044】
次いで、4つのドットセットの各々から得られる4つの出力カラーが組み合わされ、4つの可能な最終出力カラーが生成される。より詳細には、4つの可能な最終出力カラーの各々はそれぞれのドットセットを用いて生成される。次いで、4つの可能な最終出力カラーが所望の出力カラーと対照され、可能な出力カラーのうちのいずれが所望の出力カラーに最もマッチングするか(即ち、いずれのドットセットが所望の出力カラーに最もマッチングする出力カラーを生成するか)が決定される。この決定がなされると、ドットセットのうちの1つの4つの最も近い可能なカラー出力レベルを用いて、カラープリントデバイス28で最終カラーがプリントされる。
【0045】
本発明をCMYKカラーモデルを用いたパントーンカラーの生成に関連して記述したが、他のカラーモデルを用いて他のカラーを生成することも意図されていることを理解されたい。同様に、頻度もしくはマニュアルで選択される重みなどの他の基準を用いたスポットカラーの生成も意図されていることを理解されたい。
【0046】
本発明を好適な実施形態に関連して記述した。前記した詳細な記述を読み、理解することで、他の人々によっても変更及び改変がなされ得ることは明白であろう。従って、本発明は、前記請求項の範囲から逸脱しない限りにおいて、これらの変更及び改変並びに本発明と同等のものを全て包含するものとして解釈されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】3×6ハーフトーンセルをタイル状に配列したものからなるハーフトーンスクリーンの一部を示す図である。
【図2】図1のスクリーンを用いて形成された2値画像とした図である。
【図3】2×4ハーフトーンセルを示す図である。
【図4】図3に示されたハーフトーンセルのための出力カラーに対する入力カラーを示す階段関数である。
【図5】2×3ハーフトーンセルを示す図である。
【図6】図5に示されたハーフトーンセルのための出力カラーに対する入力カラーを示す階段関数である。
【図7】3×4ハーフトーンセルを示す図である。
【図8】図7に示されたハーフトーンセルのための出力カラーに対する入力カラーを示す階段関数である。
【図9】3×5ハーフトーンセルを示す図である。
【図10】図9に示されたハーフトーンセルのための出力カラーに対する入力カラーを示す階段関数である。
【図11】複合ドットセットを示す図である。
【図12】本発明の好適な実施形態で開示されたステップを示すフローチャートである。
【図13】本発明に従ってハーフトーンカラー画像を生成するシステムを示す図である。
【符号の説明】
2 閾値
10 2×4ハーフトーンセル
12、16、20、24 ドット(サブセル)
14 2×3ハーフトーンセル
18 3×4ハーフトーンセル
22 3×5ハーフトーンセル
26 複合ドットセット

Claims (2)

  1. 複数の色の着色剤の各々に関連した複数のドットセットを組み合わせて、1つのカラーハーフトーン画像を生成する方法であって、
    各ドットセットは、複数の異なるハーフトーンスクリーンを組み合わせて形成され、
    複数の異なるハーフトーンスクリーンは、異なる数のサブセルを有し、
    各ハーフトーンスクリーンは、有しているサブセルを個々にオンすることにより異なるカラーレベルを生成することができ、
    各ドットセットは、組み合わされた複数の異なるハーフトーンスクリーンによって生成される異なるカラーレベルを生成することができ、
    1つのカラーハーフトーン画像に対応する、複数の色の着色剤の各色毎のカラーレベルを決定し、
    各ドットセットにおいて、複数の異なるハーフトーンスクリーンの内から、前記決定されたカラーレベルに対応する所望のカラーレベルを生成する1つのハーフトーンスクリーンが選択され、
    各ドットセットにおいて所望のカラーレベルを生成している1つのハーフトーンスクリーンが選択された、複数の色の着色剤の各々に関連した複数のドットセットの色を組み合わせて、1つのカラーハーフトーン画像を生成する、
    ことを特徴とする方法。
  2. 複数の色の着色剤の各々に関連した複数のドットセットを組み合わせて、1つのカラーハーフトーン画像を生成するシステムであって、該システムはカラーハーフトーン画像を生成する手段を含み、該カラーハーフトーン画像を生成する手段は、複数の色の着色剤の各々に関連した複数のドットセットを含み、
    各ドットセットは、複数の異なるハーフトーンスクリーンを組み合わせて形成され、
    複数の異なるハーフトーンスクリーンは、異なる数のサブセルを有し、
    各ハーフトーンスクリーンは、有しているサブセルを個々にオンすることにより異なるカラーレベルを生成することができ、
    各ドットセットは、組み合わされた複数の異なるハーフトーンスクリーンによって生成される異なるカラーレベルを生成することができ、
    1つのカラーハーフトーン画像に対応する、複数の色の着色剤の各色毎のカラーレベルを決定し、
    各ドットセットにおいて、複数の異なるハーフトーンスクリーンの内から、前記決定されたカラーレベルに対応する所望のカラーレベルを生成する1つのハーフトーンスクリーンが選択され、
    各ドットセットにおいて所望のカラーレベルを生成している1つのハーフトーンスクリーンが選択された、複数の色の着色剤の各々に関連した複数のドットセットの色を組み合わせて、1つのカラーハーフトーン画像を生成する
    システム。
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