JP4182831B2 - Vehicle mass estimation device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両質量を推定する車両質量推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の変速段の決定などに利用される車両質量の推定装置は、車両の駆動力及び加速度を推定し、これに基づき車両質量の推定を行っている。
【0003】
車両の駆動力の推定にあたっては、例えば非特許文献1に記載された手法を応用することが一般的に行われている。すなわち、トルクコンバータの速度比eに応じた特性値であるトルク容量係数Cp(e)と、トルク比t(e)と、エンジン回転速度neの2乗との積によって下式によりトルクコンバータの出力トルクTtを求める。
【0004】
Tt=Cp(e)×t(e)×ne^2
次に、この出力トルクTtと、推定時のミッションギヤ比Gと、動力の伝達効率ηと、デファレンシャルギヤ比diffと、タイヤ半径tireの逆数との積により下式により推定駆動力Fを求める。
【0005】
F=Tt×G×η×diff/tire
そして、この推定駆動力Fを加速度dvで除することで車両質量の推定を行っている。
【0006】
【非特許文献1】
尾崎紀男著「自動車工学改訂版」森北出版、1999年3月5日、p.63,191
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、非特許文献1の手法では、推定駆動力Fの算出にあたって、動力の伝達効率ηを一定値として捉えている。従って、推定時の車両状態によっては、この伝達効率ηからの逸脱が著しくなって、推定される駆動力即ち車両質量の信頼性を損なうことがある。
【0008】
本発明の目的は、車両質量の推定精度を向上させることができる車両質量推定装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、エンジン回転速度とタービン回転速度との比を演算する速度比演算手段と、前記演算された速度比に基づき、トルクコンバータのトルク容量係数とトルク比との積値を演算する積値演算手段と、前記演算された積値に基づき、自動変速機の基準駆動トルクを演算する駆動トルク演算手段と、エンジンが発生する動力を自動変速機に伝達する作動油の粘性抵抗によって自動変速機内の湿式多板クラッチに作用する摩擦力を演算する摩擦力演算手段と、前記摩擦力に基づき前記演算された基準駆動トルクを補正する補正手段と、前記補正された基準駆動トルクに基づく推定駆動力と、車両の加速度とに基づき車両質量を推定する推定手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両質量推定装置において、前記摩擦力演算手段は、前記タービン回転速度に比例する摩擦力成分を演算する第1摩擦力演算手段と、前記タービン回転速度に無関係な摩擦力成分を演算する第2摩擦力演算手段とから構成されることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両質量推定装置において、前記第1摩擦力演算手段は、その演算した前記摩擦力成分にタービン回転速度を乗算した演算値を演算することを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の車両質量推定装置において、前記自動変速機の作動油温度に応じて、前記第1摩擦力演算手段にて演算した摩擦力成分及び前記第2摩擦力演算手段にて演算した摩擦力成分の少なくとも一方を補正する温度補正手段を備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両質量推定装置において、前記推定手段は、所定期間内における前記推定駆動力の積分値と、前記加速度の積分値とに基づき車両質量を推定することを要旨とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両質量推定装置において、前記推定駆動力及び前記加速度を、ブレーキ操作状態において零に設定する推定解除手段を備えたことを要旨とする。
【0013】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、トルクコンバータ特性(トルク容量係数とトルク比との積値)に基づく自動変速機の基準駆動トルクを同自動変速機内の湿式多板クラッチに作用する摩擦力に基づき補正したことで、自動変速機が出力する駆動トルクがより正確に取得され、ひいては車両質量の推定精度も向上される。
請求項2に記載の発明によれば、特に、タービン回転速度に比例する摩擦力によって上記基準駆動トルクを補正したことで、車両質量の推定にあたって車両発進時などタービン回転速度の小さいときの影響も緩和される。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、自動変速機の作動油温度に応じて、前記第1摩擦力演算手段にて演算した摩擦力成分及び前記第2摩擦力演算手段にて演算した摩擦力成分の少なくとも一方を補正し、これを介して更に自動変速機の基準駆動トルクを補正したことで、車両質量の推定にあたって作動油温度の影響が緩和される。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、所定期間内における前記推定駆動力の積分値と、前記加速度の積分値とに基づき車両質量が推定されることで、これら推定駆動力及び加速度の一時的な変動による車両質量の誤推定が回避される。
【0016】
請求項6に記載の発明によれば、駆動力(駆動トルク)に及ぼす影響が不明であるブレーキ操作状態では、推定駆動力及び加速度を零に設定して上記各積分値に反映されないようにすることで、車両質量の推定精度が向上される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した車両質量推定装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、車両質量推定装置を含む変速制御装置を車両に搭載した例を概略的に示している。この車両は、エンジン10と、ロックアップクラッチ付のトルクコンバータ20と、2乃至3組の遊星歯車ユニットなどから構成された有段(ここでは、前進4段、後進1段)の自動変速機30と、同トルクコンバータ20及び自動変速機30に供給される油圧を制御するための油圧制御回路40と、油圧制御回路40に制御指示信号を与える電気制御装置50とを含んでいて、図示しないアクセルペダルの操作により増減されるエンジン10の駆動トルクを、トルクコンバータ20、自動変速機30、及び図示しない差動歯車装置(デファレンシャルギヤ)などを介して駆動輪のタイヤへ伝達するようになっている。
【0018】
トルクコンバータ20は、エンジン10が発生する動力を流体(作動油)を介して自動変速機30に伝達する流体式伝達機構21と、この流体式伝達機構21に対して並列に連結されたロックアップクラッチ機構22とからなっている。流体式伝達機構21は、エンジン10のクランク軸と一体的に回転するトルクコンバータ入力軸12に連結されたポンプ羽根車21aと、同ポンプ羽根車21aが発生する作動油の流れにより回転されるとともに自動変速機30の入力軸31に連結されたタービン羽根車21bとを含んでいる。ロックアップクラッチ機構22は、ロックアップクラッチを含んで構成されている。ロックアップクラッチ機構22は、これと接続された油圧制御回路40による作動油の給排により、トルクコンバータ入力軸12と自動変速機30の入力軸31とを同ロックアップクラッチにより機械的に結合してこれらを一体的に回転させる係合状態を達成し得るようになっている。また、ロックアップクラッチ機構22は、これと接続された油圧制御回路40による作動油の給排により、前記ロックアップクラッチによる機械的な結合を解除してエンジン10の駆動トルクを自動変速機30に伝達しない非係合状態を達成し得るようになっている。
【0019】
自動変速機30は、入力軸31と、図示を省略した車両の駆動輪に差動歯車装置などを介して連結された出力軸32とを備えている。自動変速機30は、これと接続された油圧制御回路40による作動油の給排により作動される複数の油圧式摩擦係合装置の組合わせに応じ、複数の前進変速段(前進ギヤ段)及び後進ギヤ段のうちの1つを選択的に成立させる。自動変速機30は、選択されたギヤ段を介して入力軸31と出力軸32とを一体的に回転させる周知の有段式遊星歯車装置として構成されている。この自動変速機30は、1速及び2速を除く変速段(3速,4速)において駆動輪側からエンジン10を駆動する逆駆動状態(エンジンブレーキ状態)が達成されるようになっている。一方、1速及び2速においては、図示しないワンウェイクラッチの作動により前記逆駆動状態が達成されない状態と、図示しない摩擦係合部材を係合させて前記ワンウェイクラッチの機能を非作動とすることで前記逆駆動状態が達成される状態とに制御され得るようになっている。
【0020】
油圧制御回路40は、電気制御装置50からの信号によりON−OFF駆動される複数の電磁弁(図示省略)を含んでいて、前記電磁弁の作動の組み合わせに基づいてロックアップクラッチ機構22及び自動変速機30に対する作動油の給排を行うようになっている。
【0021】
電気制御装置50は、何れも図示を省略したCPU、メモリ(ROM、RAMなど)及びインタフェースなどから成るマイクロコンピュータである。この電気制御装置50は、スロットル開度センサ61、エンジン回転速度センサ62、タービン回転速度センサ63、出力軸回転速度センサ64、ブレーキスイッチ65、油温センサ66と接続されていて、これらのセンサ及びスイッチが発生する信号を入力するようになっている。
【0022】
スロットル開度センサ61は、エンジン10の吸気通路に設けられ図示しないアクセルペダルの操作に応じて開閉されるスロットルバルブ11の開度を検出し、同スロットル開度thrmを表す信号を発生するようになっている。エンジン回転速度センサ62は、エンジン10の回転速度を検出し、同エンジン回転速度neを表す信号を発生するようになっている。タービン回転速度センサ63は、自動変速機の入力軸31の回転速度を検出し、タービン回転速度ntを表す信号を発生するようになっている。出力軸回転速度センサ64は、自動変速機の出力軸32の回転速度を検出し、同出力軸回転速度noを表す信号を発生するようになっている。この出力軸回転速度noは、車両速度を求めるために利用されるもので、出力軸回転速度センサ64はこのために一般的な車両に搭載される既存のセンサである。ブレーキスイッチ65は、サービスブレーキ用のブレーキペダル70の操作・非操作に応じて、ハイレベル(「1」)及びローレベル(「0」)にそれぞれ変化するストップ信号STOPを出力するようになっている。油温センサ66は、自動変速機30のオイルパン内に溜まった作動油の温度(油温)を検出し、油温toilを表す信号を発生するようになっている。
【0023】
次に、上記自動変速機の変速制御の作動について説明する。電気制御装置50は、出力軸回転速度noから求めた車両速度とスロットル開度thrmとに基づく変速マップをメモリ(ROM)内に予め記憶している。電気制御装置50は、そのときの車両速度及び検出されたスロットル開度thrmが変速マップに示された変速線を横切るとき、同変速線に基づく変速段を達成するように変速要求信号を発生し、これに基づいて油圧制御回路40の電磁バルブを制御する。なお、この変速要求信号は、実際の変速段の推定にも供される。
【0024】
同様に、電気制御装置50は、出力軸回転速度noから求めた車両速度とスロットル開度thrmとに基づくロックアップクラッチ作動マップをメモリ(ROM)内に予め記憶している。電気制御装置50は、そのときの車両速度及び検出されたスロットル開度thrmとがロックアップクラッチ作動マップのロックアップ領域にあるとき、油圧制御回路40の電磁バルブを制御し、これによりロックアップクラッチ機構22を係合状態とする。
【0025】
更に、電気制御装置50は、搭乗人数や荷物の実積載量に応じて変化する車両質量mを推定していて、同車両質量mが所定値M0以上のとき、上記とは別の変速マップに切換えて、達成される低速段領域を拡大するとともに、1速及び2速におけるワンウェイクラッチを非作動としてエンジンブレーキを有効に発揮させる。
【0026】
次に、電気制御装置50が実行する車両質量mの推定方法について説明する。
車両の運動方程式は、車両質量をm、加速度をdv、車両に働く力のうち道路勾配による力を除いたもの即ちエンジン10による駆動輪での駆動力(推定駆動力)をF、道路勾配をθ、重力加速度をgとすれば、(1)式に示したようになる。
【0027】
F=m(dv+g・sinθ) …(1)
本実施形態では、ロックアップクラッチが非係合状態にある場合、即ち、流体式伝達機構21にてトルク伝達を行っている場合において、下記(2)式に基づき推定駆動力Fを求める。これは、ロックアップクラッチが係合状態にある場合、推定駆動力Fを求めるためにエンジン10が静的状態(定常状態)で運転される必要があるのに対し、下記(2)式は、過渡的な運転状態にあっても成立することによる。
【0028】
Tt=Cpr(e)×ne^2
T=Tt×G−B(toil)×nt−C(toil)…(2)
F=T×η×diff/tire
上記(2)式において、Ttはトルクコンバータ20(流体式伝達機構21)の出力トルクTtである。eはタービン回転速度ntとエンジン回転速度neとの比(nt/ne)を表す速度比eであり、Cpr(e)は当該速度比eにおけるトルク容量係数(Cp(e))とトルク比(t(e))との積値である。
【0029】
トルク容量係数Cp(e)及びトルク比t(e)は、当該トルクコンバータ20単体の状態において上記速度比eの関数(マップ)としてそれぞれ実験的に求められるもので、積値Cpr(e)のマップはその積としてこれらマップを一本化したものである。この積値Cpr(e)のマップは、上記速度比eに応じた図2に示す特性を有している。いうまでもなく、この積値Cpr(e)のマップは、トルクコンバータ20単体の状態において工場出荷検査で取得・管理することができる。
【0030】
また、Tは自動変速機30の出力軸32における推定駆動トルクTである。この推定駆動トルクTは、上記出力トルクTtに推定時の自動変速機30のギヤ比(ここでは1速ギヤ比)Gを乗じた値(以下、自動変速機の基準駆動トルクTt・Gという)から自動変速機30内での以下の摩擦損失を減算した駆動トルクである。これら摩擦損失は、自動変速機30に多数のギヤと変速を行うための摩擦係合装置(クラッチ、ブレーキなど)とが高密度に実装されていることなどで生じるものである。クラッチ、ブレーキなどの摩擦係合装置は湿式多板クラッチを使っているが、これに対して作動油が粘性抵抗となって伝達効率の低下原因となっている。例えば、湿式多板クラッチの解放時であっても作動油が粘性抵抗となってトルク伝達が完全に零にはならない。このような自動変速機30の摩擦損失を考慮することで、自動変速機30の出力軸32における駆動トルク(推定駆動トルクT)がより厳密に推定される。
【0031】
B(toil)は、第1摩擦力に対応する摩擦損失としてタービン回転速度ntの比例項となるものである。つまり、自動変速機30本体は、ギヤセット、クラッチ、ブレーキなどで構成されており、トルク伝達と解放は湿式多板クラッチを介して行われる。湿式多板クラッチに対して作動油は粘性抵抗となって引きずり摩擦を生じるが、この粘性抵抗は一般にタービン回転速度ntに比例する。従って、比例項B(toil)は引きずり摩擦のタービン回転速度nt依存度(比例度)を示し、これにタービン回転速度ntを乗じたものは自動変速機30本体の引きずり摩擦を表す。
【0032】
なお、作動油の粘性は温度(油温toil)の関数となる。従って、比例項B(toil)も油温toilの関数となっており、図3(a)は実験に基づくこれらの関係を最適化したマップを示している。このマップに示されるように、比例項B(toil)は、油温toilの低温側では一定値に設定されており、所定温度Tb以上の高温側では温度上昇に伴い比例的に減少するように設定されている。
【0033】
一方、C(toil)は、タービン回転速度ntに無関係で一定となる第2摩擦力に対応する摩擦損失の定数項である。この定数項C(toil)も油温toilの関数となっており、図3(b)は実験に基づくこれらの関係を最適化したマップを示している。このマップに示されるように、定数項C(toil)は、油温toilの低温側では一定値に設定されており、所定温度Tc以上の高温側では温度上昇に伴い比例的に減少するように設定されている。
【0034】
いうまでもなく、これらB(toil)のマップ及びC(toil)のマップは、自動変速機30単体の状態において評価することができる。
以上により、推定駆動トルクTは、前記基準駆動トルクTt・Gから図3(a)のマップに基づき求めた比例項B(toil)にタービン回転速度ntを乗じたものと、図3(b)のマップに基づき求めた定数項C(toil)とを減ずることで求められる。
【0035】
推定駆動力Fの算出にあたって、ηは自動変速機30の出力から駆動輪までの伝達効率ηである。この伝達効率ηには、デファレンシャルギヤでの損失(デフ損失)及びタイヤ損失が反映されるが、デフ損失は相対的に小さいためタイヤ損失に包含されている。diffはデファレンシャルギヤ比diffであり、tireはタイヤ半径tireである。
【0036】
そして、推定駆動力Fは、上記推定駆動トルクTに上記伝達効率ηと、デファレンシャルギヤ比/タイヤ半径diff/tireとを乗ずることで求められる。
【0037】
図4(a)は、上記摩擦損失を考慮しない従来手法での積値Cpr(e)のグラフを示し、図4(b)は、摩擦損失(B,C項)を考慮したときの積値Cpr(e)のグラフを示す。なお、ここでの従来手法では、車両搭載状態での動力損失はミッション損失、デフ損失、タイヤ損失など複雑で分離が困難であると仮定して、これらの要因をトルクコンバータのばらつきに含めて積値Cpr(e)に畳み込んでいる。図4(a)(b)において、斜線で示される範囲は車両搭載状態における実際の駆動力から複数回同定した各積値Cpr(e)のグラフのばらつきを概略的に示す範囲であり、太実線はこれら同定された各積値Cpr(e)を平均したグラフである。これら積値Cpr(e)は、車両搭載状態での標準的発進を複数回行うことで同定されたものである。同図には、トルクコンバータ20単体での積値Cpr(e)をプロット点にて併せて図示している。
【0038】
同図から明らかなように、摩擦損失を考慮しない従来手法では、上記平均(太実線)を求めた各積値Cpr(e)に著しいばらつきが生じることが確認される。すなわち、駆動力の推定では、平均に対して各積値Cpr(e)のばらつきが大きい分、その信頼性が劣ることになる。一方、摩擦損失を考慮した場合、上記平均(太実線)を求めた各積値Cpr(e)のばらつきが抑制されていることが確認される。そして、上記平均は、トルクコンバータ20単体での積値Cpr(e)にほぼ一致していることも確認される。換言すると、トルクコンバータ20単体での積値Cpr(e)及び自動変速機30の摩擦損失(B,C項)を用いることで、(2)式に基づき実際の駆動トルクに近い高精度な推定駆動トルクTが求められる。そして、この推定駆動トルクTに基づき、推定駆動力Fも高精度に求められることになる。
【0039】
図5(a)は、摩擦損失を考慮しない従来手法での駆動力の推移を示し、図5(b)は、摩擦損失(B,C項)を考慮したときの駆動力の推移を示す。この駆動力の推移は、ブレーキ踏み込み状態(ブレーキ操作状態)からこれを解放したときに相当するものである。図5(a)(b)において、実線は実際の駆動トルクの推移を示し、破線は推定駆動力Fの推移を示す。同図から明らかなように、摩擦損失を考慮しない従来手法では実際の駆動トルクと推定駆動力Fとの差が大きくなるが、摩擦損失を考慮することでこれらの差が低減されていることが確認される。従って、従来に比べて実際の駆動トルクにより近い推定駆動力Fが求められる。
【0040】
車両の加速度dvは、車両速度の微分値であるから、車両速度を表す出力軸回転速度noを微分(時間微分)することで算出される。
上記(1)式における車両質量mは、搭乗者数、荷物等の積載量などの変化により車両の初期質量に対して変化する。この車両質量mを推定駆動力F及び加速度dvにより表すと(3)式が得られる。
【0041】
F=m(dv+g・sinθ) …(3)
今、車両が道路勾配一定の道路を走行していればθは一定であるから、上記(3)式において道路勾配に係る項(−g・sinθ)は一定である。即ち、道路勾配の影響は加速度dvにおいてその直流成分として現れているはずである。従って、加速度dvを表す信号から直流成分を除けば、道路勾配の影響を除いた運動方程式を得ることができる。
【0042】
実際には、道路勾配θは比較的緩やかに変化し、同道路勾配θの影響は加速度dvにおいて低周波数成分(1〜2Hz以下)として現れる。従って、加速度dv及び推定駆動力Fを表す各信号から所定周波数以下の信号を除けば、同時に直流成分も除去され、道路勾配の影響を除いた下記(4)式に示す車両運動方程式を得ることができる。
【0043】
hF=m・hdv …(4)
そして、(4)式に基づき車両質量mは下記(5)式で表される。
m=hF/hdv …(5)
なお、加速度dv及び推定駆動力Fを表す各信号には、道路勾配成分に加えてセンサノイズ、サスペンションやパワートレインなどの駆動系の振動成分が含まれることになる。そこで、加速度dv及び推定駆動力Fを表す各信号に含まれる道路勾配成分、センサノイズ及び駆動系の振動成分をそれぞれハイパスフィルタ、ローパスフィルタ及びノッチフィルタ(バンドストップフィルタ)にて除去するようにしている。上記(4)式及び(5)式においては、加速度dv及び推定駆動力Fを表す信号からこうした周波数成分を除いた信号をそれぞれ処理後加速度としてhdv、処理後駆動力としてhFと表している。センサノイズ及び駆動系の振動成分をそれぞれ除去するためのローパスフィルタ及びノッチフィルタは割愛してもよい。
【0044】
上記(5)式では、車両質量mが時間の関数で表されており、位相差を有している。従って、これを解消するために積分区間を設定してこれらフィルタ処理後の加速度hdv及び駆動力hFの各積分値∫hdvdt、∫hFdtを求める。この積分区間は、後述する車両質量の推定に好適な所定の区間に設定されるものである。これにより、車両質量mは下記(6)式で表される。
【0045】
m=∫hFdt/∫hdvdt …(6)
実際には、これら積分値∫hdvdt、∫hFdtは、当該積分区間において所定時間の経過ごとに連続して求められた複数個(例えば、10個)のフィルタ処理後の加速度hdv及び駆動力hFをそれぞれ加算することで求められる。
【0046】
なお、本実施形態では、上記加速度dv及び推定駆動力Fの算出に不適切な車両状態では、これら加速度dv及び推定駆動力Fを零に設定して積分値∫hdvdt及び∫hFdtに反映されないようにしている。
【0047】
例えば、速度比eが値「1」を超える状態は、nt>neの関係が成り立つので、逆駆動状態(エンジンブレーキ状態)を表す。この状態で駆動力を推定するのは好ましくないため、この場合には速度比eを値「1」に設定することで積値Cpr(e)を零に設定し(図2参照)、これにより実質的に積分値∫hFdtに反映されないようにしている。これに合わせて、このときの加速度も積分値∫hdvdtに反映されないようにしている。
【0048】
また、ブレーキオン時のブレーキ操作状態では、ブレーキトルクが不明であるため、ブレーキ操作の強弱に関わらず上記加速度dv及び推定駆動力Fを零に設定し、積分値∫hdvdt、∫hFdtに反映されないようにしている。
【0049】
さらに、これら積分値∫hdvdt、∫hFdtの算出にあたっては、当該積分区間において正数となる加速度hdv及び駆動力hFのみを抽出する(以下、「正則処理」という)。また、当該積分区間における複数個の加速度hdv及び駆動力hFに重み付けをして加算し、積分値∫hdvdt、∫hFdtを求める。
【0050】
なお、特に積分値∫hdvdtを加速度面積Saという。この加速度面積Saには、加速度検出に係る出力軸回転速度センサ64の分解能や駆動輪のタイヤスリップ等による位相差といった精度悪化要因がある。従って、これら精度悪化要因の対策として加速度面積Saに対し分解能補正及び位相補正を行っている。
【0051】
次に、電気制御装置50が上記原理に基づいて車両質量mを推定する際の作動について説明する。図6は、電気制御装置50のCPUが実行する車両質量mの推定プログラムを機能ブロックにより示したものである。このCPUは、駆動力計算に係るブロックB1のプログラムと、駆動力フィルタに係るブロックB2のプログラムと、加速度計算に係るブロックB3のプログラムと、加速度フィルタに係るブロックB4のプログラムと、推定許可に係るブロックB5のプログラムと、面積法に係るブロックB6のプログラムとを主として実行する。
【0052】
CPUは、ブロックB1において、タービン回転速度nt、エンジン回転速度ne、ストップ信号STOP及び油温toilを入力し、前記(2)式に基づいて推定駆動力Fを求める。より具体的に述べると、CPUは図7に詳細に示したブロックB1のプログラムを実行し、駆動力を推定する。すなわち、CPUはブロック110にてタービン回転速度ntを、ブロック111の零割回避処理を介したエンジン回転速度neで除して、実際の速度比e(=nt/ne)を求める。なお、ブロック111の零割回避処理は、エンジン回転速度neが零になることで計算不能になることを避けるためのものである。
【0053】
次いで、CPUはブロック112にて、速度比eに対する制限処理を行う。具体的には、速度比eに対して、0≦e≦1の範囲制限を加え、速度比eが値「1」を超えた場合にはこれを値「1」に設定する。これは、エンジンブレーキ状態での駆動力推定を実質的に行わないようにするためである。そして、CPUはブロック113にて図2に示した速度比eと積値Cpr(e)との関係を示すマップ(ルックアップテーブル、以下「Cprマップ」という)から、上記算出された速度比eに対する積値Cprを算出する。このCprマップは、予め実験に基づいて作成され、電気制御装置50のROMに記憶されている。
【0054】
次に、CPUはブロック114にて上記ブロック113で求めた積値Cprにギヤ比Gを乗じ、更にブロック115にてエンジン回転速度neの2乗ne^2を乗じて積(Cpr・G・ne^2)を求める。この積(Cpr・G・ne^2)は、トルクコンバータ20単体の特性値及び自動変速機30でのギヤ比を考慮した自動変速機30の基準駆動トルクである。なお、ここでは便宜的に積値Cprにギヤ比Gを乗じてからエンジン回転速度neの2乗ne^2を乗じて基準駆動トルクを求めているが、積値Cprにエンジン回転速度neの2乗ne^2を乗じたものは、トルクコンバータ20単体での出力トルクTtに相当する。
【0055】
一方、CPUはブロック116にて図3(a)に示した油温toilと比例項B(toil)との関係を示すマップ(ルックアップテーブル、以下「Bマップ」という)から、油温toilに対する比例項Bを算出する。このBマップは、予め実験に基づいて作成され、電気制御装置50のROMに記憶されている。そして、CPUはブロック117にて上記ブロック116で求めた比例項Bにタービン回転速度ntを乗じて同タービン回転速度ntに依存する摩擦損失(B・nt)を求める。この摩擦損失は、自動変速機30内の作動油による粘性抵抗によるもので、油温toilによる影響を含めて算出される。
【0056】
また、CPUはブロック118にて図3(b)に示した油温toilと定数項C(toil)との関係を示すマップ(ルックアップテーブル、以下「Cマップ」という)から、油温toilに対する定数項Cを算出する。このCマップは、予め実験に基づいて作成され、電気制御装置50のROMに記憶されている。定数項Cは、タービン回転速度ntに無関係な自動変速機30内の摩擦損失に相当するもので、油温toilによる影響を含めて算出される。
【0057】
次いでCPUはブロック119にて、ブロック115で求めた積(Cpr・G・ne^2)からブロック117,118で求めた各摩擦損失(B・nt,C)を減算して推定駆動トルクTを算出する。一方、CPUはブロック123にて、ストップ信号STOPのオン・オフに応じて零又は値「1」を設定する。そして、CPUはブロック120にて、ブロック119で求めた推定駆動トルクTと、ブロック123で設定した値とを乗ずる。従って、ブロック120では、ブレーキオン時には推定駆動トルクTとして零が出力され、ブレーキオフ時にはブロック119で求めた推定駆動トルクTがそのまま出力される。ブレーキオン時においてブロック120からの出力を零にするのは、推定駆動力Fを零にして積分値∫hFdtに反映されないようにするためである。
【0058】
次にCPUは、ブロック121にて上記推定駆動トルクTにデファレンシャルギヤ比/タイヤ半径diff/tireを乗じ、更にブロック122にて伝達効率ηを乗ずることで推定駆動力Fを求める。なお、伝達効率ηは、主としてタイヤ損失を考慮するためのものである。
【0059】
CPUは、図6のブロックB2において、ブロックB1からの推定駆動力Fを入力し、これをフィルタ処理する。詳述すると、ブロックB2にはハイパスフィルタ、ローパスフィルタ及びノッチフィルタ(バンドストップフィルタ)が設定されており、CPUはそれぞれによって上記推定駆動力Fに含まれる道路勾配成分、センサノイズ(高周波ノイズ)及び駆動系の振動成分を除去した駆動力hFを算出する。いうまでもなく、この駆動力hFからは道路勾配(θ)の影響が除去されている。
【0060】
一方、CPUは、ブロックB3において出力軸回転速度noを入力し、これを時間微分して加速度dvを求める。より具体的に述べると、CPUは現在の出力軸回転速度noと所定時間前の出力軸回転速度との差分を求め、これに定数を乗じることで車両の加速度dvを演算する。なお、CPUは、ブロックB3においてストップ信号STOPを併せて入力しており、ブレーキオン時には加速度dvとして零が出力されるようになっている。
【0061】
次いで、CPUは、ブロックB4において、ブロックB3からの加速度dvを入力し、これをフィルタ処理する。詳述すると、ブロックB4にはハイパスフィルタ、ローパスフィルタ及びノッチフィルタ(バンドストップフィルタ)が設定されており、CPUはそれぞれによって上記加速度dvに含まれる道路勾配成分、センサノイズ(高周波ノイズ)及び駆動系の振動成分を除去した加速度hdvを算出する。いうまでもなく、この加速度hdvからは道路勾配(θ)の影響が除去されている。
【0062】
CPUは、ブロックB5において前述の各センサからの信号及び前記変速要求信号に基づき推定される実際の変速段を表すシフト信号sift等を入力し、これにより推定許可信号enを生成してブロックB6に出力する。詳述すると、ブロックB5(推定許可信号en)はブロックB6における車両質量の推定許可・禁止等を規定するもので、CPUは推定に好ましい各種条件が総て満たされたときに推定許可信号enをハイレベル(「1」)にし、何れかの条件が不成立のときに推定許可信号enをローレベル(「0」)にする。後述するようにCPUは、ブロックB6においてハイレベルの推定許可信号enが入力されることで車両質量の推定を行う。一方、CPUは、ブロックB6においてローレベルの推定許可信号enが入力されることで車両質量の推定を行わない。なお、推定に好ましい各種条件としては、車両の発進時であること。変速中でないこと。出力軸回転速度noが零より大きく、且つスロットル開度thrmが所定値を超えて(スロットルオンして)から所定時間(遅延時間)経過していること。変速段が1速又は2速であること。ブレーキ作動中でないこと。加速度(dv)が所定の基準加速度より大きいこと。エンジン10が逆駆動状態にないことである。CPUは、上記全ての条件が満たされるときに所定の積分区間を設定し、当該積分区間に対応させて推定許可信号enをハイレベルに設定する。
【0063】
CPUは、ブロックB6において各ブロックからの信号F,hF,hdv,enなどを入力し、これらに基づき車両質量mを推定する。すなわち、CPUは推定許可信号enがハイレベルの期間(積分区間)においてフィルタ処理後の駆動力hFを積分し、駆動力積分値SFを求める。具体的には、CPUは当該積分区間において所定時間の経過ごとに連続して求められた複数個(例えば、10個)の駆動力hFを加算することで駆動力積分値SFを求める。このとき、CPUは当該積分区間において正数となる駆動力hFのみを抽出する(正則処理する)。また、CPUは当該積分区間における複数個の駆動力hFに重み付けをして加算する。
【0064】
また、CPUは推定許可信号enがハイレベルの期間(積分区間)においてフィルタ処理後の加速度hdvを積分し、加速度面積Saを求める。具体的には、CPUは当該積分区間において所定時間の経過ごとに連続して求められた複数個(例えば、10個)の加速度hdvを加算することで加速度面積Saを求める。このとき、CPUは当該積分区間において正数となる加速度hdvのみを抽出する(正則処理する)。また、CPUは当該積分区間における複数個の加速度hdvに重み付けをして加算する。
【0065】
さらに、CPUはスロットルオン時の車両速度に対応する出力軸回転速度に基づき加速度面積Saに対する分解能補正を行う。さらにまた、CPUは推定許可信号enがハイレベルの期間(積分区間)における推定駆動力Fの勾配に基づき加速度面積Saに対する位相補正を行う。すなわち、CPUは分解能及び位相の影響を吸収すべく加速度面積Saを補正する。
【0066】
そして、CPUは、駆動力積分値SFを補正された加速度面積Saにて除することで車両質量mを推定する。
図8は、上述したCPUによる処理内容を総括的に示すフローチャートである。同図に示すように、CPUはステップS101において出力軸回転速度no、タービン回転速度nt、エンジン回転速度neなどの入力処理を行う。そして、ステップS102において加速度dvを算出し、ステップS103において推定駆動力Fを算出する。この推定駆動力Fを算出にあたって前述の摩擦損失が考慮され、更に油温toilに対する温度補償が行われるのは既述のとおりである。そして、CPUはステップS104において加速度dv及び推定駆動力Fをフィルタ処理し、駆動系振動、勾配(θ)及びセンサノイズを除去した加速度hdv及び駆動力hFを求める。
【0067】
次に、ステップS105においてCPUは、推定開始判定にて推定許可信号enをハイレベルに設定する。このとき、CPUは推定開始判定から所定の遅延時間を設定して推定許可信号enをハイレベルに設定する。また、ステップS106においてCPUは、推定終了判定にて推定許可信号enをローレベルに設定する。
【0068】
次に、ステップS107においてCPUは、推定許可信号enのレベルに応じて推定許可か禁止かを判断する。そして、推定許可状態の場合のみCPUは、加速度hdv及び駆動力hFに対してステップS108の正則処理、ステップS109における重み付け積分を行う。
【0069】
そして、CPUは、ステップS109で算出された加速度面積Saに対しステップS110の分解能補正及びステップS111の位相補正を行う。そして、CPUは、ステップS109で算出された駆動力積分値SFを補正された加速度面積Saで除して車両質量mを算出する。一方、推定禁止状態の場合には車両質量mの算出(推定)を行わない。
【0070】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、トルクコンバータ20の特性(積値Cpr(e))に基づく自動変速機30の基準駆動トルクTt・Gから各摩擦損失B・nt,Cを減算したことで、自動変速機30が出力する駆動トルク(推定駆動トルクT)がより正確に取得され、ひいては車両質量の推定精度も向上させることができる。特に、タービン回転速度ntに比例する摩擦損失B・ntによって上記基準駆動トルクTt・Gを補正したことで、車両質量mの推定にあたって車両発進時などタービン回転速度ntの小さいときの影響も緩和することができる。
【0071】
また、例えばこうした自動変速機30の摩擦損失を含めた車両全体の特性(動力伝達特性)を予め取得しておいて駆動力を推定する場合のように、実車での走行試験(発進試験)工程を行う必要がない。すなわち、トルクコンバータ20単体での特性(積値Cpr(e))及び自動変速機30単体での摩擦損失特性(B,C項)を取得すればよいため、実車での走行試験工程を不要にすることができる。特に、車両発進時を利用して上記動力伝達特性を取得する場合、速度比eはそのときのアクセル開度や車両質量などの条件によって同一にすることが困難なために数回の発進試験を繰り返すことになるが、このような煩わしさも解消することができる。
【0072】
(2)本実施形態では、油温toilに応じて、摩擦損失の比例項B及び定数項Cを補正し、これを介して更に自動変速機30の基準駆動トルクTt・Gを補正したことで、車両質量mの推定にあたって油温toilの影響も緩和することができる。特に、発進初期など油温toilが低いときにも推定駆動力F(推定駆動トルクT)の信頼性が増すことで、車両質量mの推定回数を増やすこともできる。また、作動油の粘性変化に対応するために、これをCprマップに畳み込んだり、油温toilに応じて異なる複数のCprマップを用意したりするといった煩わしさも解消することができる。
【0073】
(3)本実施形態では、所定期間内における推定駆動力(hF)の積分値∫hFdtと、加速度(hdv)の積分値∫hdvdtとに基づき車両質量mが推定されることで、これら推定駆動力及び加速度の一時的な変動による車両質量の誤推定を回避することができる。
【0074】
(4)本実施形態では、駆動力(駆動トルク)に及ぼす影響が不明であるブレーキ操作状態では、推定駆動力(F)及び加速度(dv)を零に設定して上記各積分値∫hFdt,∫hdvdtに反映されないようにすることで、車両質量mの推定精度を向上させることができる。
【0075】
(5)本実施形態では、デフ損失を含むタイヤ損失を考慮したより正確な駆動力(F)が推定され、ひいては車両質量mの推定精度を向上させることができる。
【0076】
(6)本実施形態では、搭載車両の種類等に左右されることなくほぼ同一の仕様で車両質量mを推定することができる。特に、車両質量の推定に係るプログラム及びデータを容易に他車種に水平展開させることができ、その汎用性を向上することができる。
【0077】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態では、自動変速機30での摩擦損失を表す比例項B及び定数項Cにギヤ比Gの係数を含めて基準駆動トルクTt・Gを補正したが、ギヤ比Gの係数を含めずに出力トルクTtを補正してもよい。この場合、推定駆動トルクTは、
T=(Tt−B(toil)×nt−C(toil))×G
により求められる。このような係数の設定の違いは、推定駆動トルクTと比例項B及び定数項Cとの対応関係の相違に過ぎず、本発明を何ら逸脱するものではない。要は、比例項B及び定数項Cが自動変速機30の摩擦損失特性を表すものであればよい。
【0078】
・前記実施形態では、比例項B及び定数項Cに対してともに油温toilによる温度補正を行ったが、いずれか一方にのみ同温度補正を行うようにしてもよい。
【0079】
・前記実施形態において、推定された車両質量mを複数回分記憶しておき、それらの平均(加重平均など)値を最終的な車両質量としてもよい。
・前記実施形態においては、推定駆動力F及び加速度dvをフィルタ処理することで道路勾配θの影響を除去して車両質量mを推定した。これに対して、例えば車両の駆動力及び加速度の変化がある2点間で差分を取って道路勾配θの影響を除去する、いわゆる2点差分方式を採用して車両質量を推定してもよい。
【0080】
・前記実施形態におけるCPUによる各機能ブロック(プログラム)をハードウェア的に構成してもよい。
・前記実施形態では、推定された車両質量mに応じて変速マップを切り替える場合について説明したが、例えば車両質量mに応じて制動装置で発生する制動力を切り替えるようにしてもよい。具体的には、車両質量mが所定値よりも大きい場合には、制動装置で発生する制動力が大きくなるように切り替えて、ブレーキの利きを増加させる。
【0081】
・前記実施形態において、エンジン10はガソリンエンジン又はディーゼルエンジンの何れであってもよい。
次に、以上の実施形態から把握することができる技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
【0082】
(イ)デファレンシャルギヤ損失及びタイヤ損失の少なくとも一方に基づき前記推定駆動力を補正する伝達効率補正手段を備えたことを特徴とする。同構成によれば、デファレンシャルギヤ損失及びタイヤ損失の少なくとも一方を考慮したより正確な駆動力が推定され、ひいては車両質量の推定精度を向上させることができる。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述したように、各請求項に記載の発明によれば、車両質量の推定精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両質量推定装置を含む変速制御装置を車両に搭載した場合のシステム構成図。
【図2】図1に示した流体伝達機構のトルク容量係数とトルク比との積値マップ。
【図3】(a)(b)は、図1に示した自動変速機の摩擦損失の比例項マップ及び定数項マップ。
【図4】(a)(b)は、速度比と、トルク容量係数及びトルク比の積値との関係を実験的に求めたグラフ。
【図5】(a)(b)は、実際の駆動力の推移と、推定駆動力の推移を比較して示すグラフ。
【図6】図1に示した電気制御装置が実行する車両質量推定のプログラムを機能ブロック別に表した図。
【図7】図1に示した電気制御装置が実行する車両質量推定のプログラムを機能ブロック別に表した図。
【図8】図1に示した電気制御装置が実行する車両質量推定の処理内容を総括的に示すフローチャート。
【符号の説明】
20…トルクコンバータ、30…自動変速機、50…速度比演算手段、積値演算手段、駆動トルク演算手段、第1摩擦力演算手段、第2摩擦力設定手段、補正手段、推定手段、温度補正手段、推定解除手段を構成する電気制御装置、62…エンジン回転速度センサ、63…タービン回転速度センサ、64…出力軸回転速度センサ、65…ブレーキスイッチ、66…油温センサ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle mass estimation device that estimates vehicle mass.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a vehicle mass estimation device used for determining a shift stage of an automatic transmission estimates a vehicle driving force and acceleration, and estimates vehicle mass based on the estimation.
[0003]
In estimating the driving force of a vehicle, for example, a technique described in Non-Patent
[0004]
Tt = Cp (e) × t (e) × ne ^ 2
Next, the estimated driving force F is obtained by the following equation by the product of the output torque Tt, the estimated transmission gear ratio G, the power transmission efficiency η, the differential gear ratio diff, and the inverse of the tire radius tire.
[0005]
F = Tt × G × η × diff / tire
Then, the vehicle mass is estimated by dividing the estimated driving force F by the acceleration dv.
[0006]
[Non-Patent Document 1]
Norio Ozaki "Automotive Engineering Revised Edition" Morikita Publishing, March 5, 1999, p. 63,191
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the method of Non-Patent
[0008]
The objective of this invention is providing the vehicle mass estimation apparatus which can improve the estimation precision of vehicle mass.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the invention according to
[0010]
According to a second aspect of the present invention, in the vehicle mass estimation device according to the first aspect, the frictional force calculating means includes first frictional force calculating means for calculating a frictional force component proportional to the turbine rotational speed, The gist of the invention is that the second frictional force calculating means calculates a frictional force component irrelevant to the turbine rotational speed.
According to a third aspect of the present invention, in the vehicle mass estimation device according to the second aspect, the first frictional force calculating means calculates a calculated value obtained by multiplying the calculated frictional force component by a turbine rotational speed. Is the gist.
Claim4The invention described in claim2 or 3In the vehicle mass estimation device according to
[0011]
Claim5The invention described in claim 1Any one of -4The gist of the vehicle mass estimation device according to
[0012]
Claim6The invention described in claim5The vehicle mass estimation device according to
[0013]
(Function)
According to the first aspect of the present invention, the reference transmission torque of the automatic transmission based on the torque converter characteristic (the product of the torque capacity coefficient and the torque ratio) is used as the automatic transmission.InsideofBased on friction force acting on wet multi-plate clutchAs a result of the correction, the driving torque output from the automatic transmission is acquired more accurately, and the estimation accuracy of the vehicle mass is also improved.
According to invention of Claim 2,Especially for turbine rotation speedProportionalYouRumaSince the reference driving torque is corrected by the rubbing force, the influence when the turbine rotational speed is low, such as when the vehicle starts, is reduced in estimating the vehicle mass.
[0014]
Claim4According to the invention described in (1), the first frictional force depends on the hydraulic oil temperature of the automatic transmission.Friction force component calculated by calculation meansas well asAboveSecond friction forceFriction force component calculated by calculation meansBy correcting at least one of these and further correcting the reference drive torque of the automatic transmission via this, the influence of the hydraulic oil temperature is reduced in estimating the vehicle mass.
[0015]
Claim5According to the invention described in (4), the vehicle mass is estimated based on the integral value of the estimated driving force and the integral value of the acceleration within a predetermined period, so that the estimated driving force and the acceleration are temporarily changed. Incorrect estimation of vehicle mass is avoided.
[0016]
Claim6In the brake operation state in which the influence on the driving force (driving torque) is unknown, the estimated driving force and acceleration are set to zero so that they are not reflected in the integrated values. The estimation accuracy of the vehicle mass is improved.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a vehicle mass estimation apparatus embodying the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 schematically shows an example in which a shift control device including a vehicle mass estimation device is mounted on a vehicle. This vehicle has an
[0018]
The
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
The
[0023]
Next, the operation of the shift control of the automatic transmission will be described. The
[0024]
Similarly, the
[0025]
Furthermore, the
[0026]
Next, a vehicle mass m estimation method executed by the
The equation of motion of the vehicle is that the vehicle mass is m, the acceleration is dv, the force acting on the vehicle excluding the force due to the road gradient, that is, the driving force (estimated driving force) on the driving wheels by the
[0027]
F = m (dv + g · sin θ) (1)
In the present embodiment, when the lockup clutch is in a non-engaged state, that is, when torque transmission is performed by the
[0028]
Tt = Cpr (e) × ne ^ 2
T = Tt × GB (toil) × nt-C (toil) (2)
F = T × η × diff / tire
In the above equation (2), Tt is the output torque Tt of the torque converter 20 (fluid transmission mechanism 21). e is a speed ratio e representing a ratio (nt / ne) between the turbine rotational speed nt and the engine rotational speed ne, and Cpr (e) is a torque capacity coefficient (Cp (e)) and a torque ratio ( t (e)).
[0029]
The torque capacity coefficient Cp (e) and the torque ratio t (e) are obtained experimentally as a function (map) of the speed ratio e in the state of the
[0030]
T is an estimated driving torque T at the
[0031]
B (toil) is a proportional term of the turbine rotational speed nt as a friction loss corresponding to the first frictional force. That is, the main body of the
[0032]
The viscosity of the hydraulic oil is a function of temperature (oil temperature toil). Accordingly, the proportional term B (toil) is also a function of the oil temperature toil, and FIG. 3A shows a map that optimizes these relationships based on experiments. As shown in this map, the proportional term B (toil) is set to a constant value on the low temperature side of the oil temperature toil, and decreases proportionally as the temperature rises on the high temperature side above the predetermined temperature Tb. Is set.
[0033]
On the other hand, C (toil) is a constant term of friction loss corresponding to the second friction force that is constant regardless of the turbine rotational speed nt. This constant term C (toil) is also a function of the oil temperature toil, and FIG. 3B shows a map in which these relationships are optimized based on experiments. As shown in this map, the constant term C (toil) is set to a constant value on the low temperature side of the oil temperature toil, and decreases proportionally as the temperature rises on the high temperature side above the predetermined temperature Tc. Is set.
[0034]
Needless to say, these B (toil) map and C (toil) map can be evaluated in the state of the
As described above, the estimated drive torque T is obtained by multiplying the proportional term B (toil) obtained from the reference drive torque Tt · G based on the map of FIG. 3A by the turbine rotational speed nt, and FIG. This is obtained by subtracting the constant term C (toil) obtained based on the map.
[0035]
In calculating the estimated driving force F, η is the transmission efficiency η from the output of the
[0036]
The estimated driving force F is obtained by multiplying the estimated driving torque T by the transmission efficiency η and the differential gear ratio / tire radius diff / tire.
[0037]
FIG. 4A shows a graph of the product value Cpr (e) in the conventional method not considering the friction loss, and FIG. 4B shows the product value when the friction loss (B, C terms) is considered. The graph of Cpr (e) is shown. In the conventional method here, assuming that the power loss in the vehicle mounted state is complicated and difficult to separate, such as mission loss, differential loss, tire loss, etc., these factors are included in the variation of the torque converter. It is convolved with the value Cpr (e). 4 (a) and 4 (b), the hatched range is a range schematically showing the variation of the graph of each product value Cpr (e) identified multiple times from the actual driving force in the vehicle mounted state. The solid line is a graph obtained by averaging the identified product values Cpr (e). These product values Cpr (e) are identified by performing a standard start in a vehicle-mounted state a plurality of times. In the figure, the product value Cpr (e) of the
[0038]
As can be seen from the figure, it is confirmed that in the conventional method in which the friction loss is not taken into account, the product values Cpr (e) obtained from the above average (thick solid line) are significantly varied. That is, in the estimation of the driving force, the reliability of the product value Cpr (e) is inferior because the variation of each product value Cpr (e) is larger than the average. On the other hand, when the friction loss is taken into account, it is confirmed that the variation of each product value Cpr (e) obtained from the above average (thick solid line) is suppressed. It is also confirmed that the above average substantially matches the product value Cpr (e) of the
[0039]
FIG. 5A shows the transition of the driving force in the conventional method that does not consider the friction loss, and FIG. 5B shows the transition of the driving force when the friction loss (B, C terms) is considered. The transition of the driving force corresponds to when the brake is released from the brake depression state (brake operation state). 5A and 5B, the solid line indicates the actual driving torque transition, and the broken line indicates the estimated driving force F transition. As is clear from the figure, the difference between the actual driving torque and the estimated driving force F is large in the conventional method that does not consider the friction loss, but these differences are reduced by considering the friction loss. It is confirmed. Accordingly, an estimated driving force F that is closer to the actual driving torque than the conventional driving torque is required.
[0040]
Since the vehicle acceleration dv is a differential value of the vehicle speed, it is calculated by differentiating (time differentiation) the output shaft rotational speed no representing the vehicle speed.
The vehicle mass m in the above equation (1) changes with respect to the initial mass of the vehicle due to changes in the number of passengers, the load amount of luggage, and the like. When this vehicle mass m is expressed by the estimated driving force F and acceleration dv, equation (3) is obtained.
[0041]
F = m (dv + g · sin θ) (3)
Now, if the vehicle is traveling on a road with a constant road gradient, θ is constant, so the term (−g · sin θ) relating to the road gradient is constant in the above equation (3). That is, the influence of the road gradient should appear as its DC component in the acceleration dv. Therefore, by removing the direct current component from the signal representing the acceleration dv, an equation of motion excluding the influence of the road gradient can be obtained.
[0042]
In practice, the road gradient θ changes relatively slowly, and the influence of the road gradient θ appears as a low frequency component (1 to 2 Hz or less) in the acceleration dv. Therefore, if a signal having a predetermined frequency or less is removed from each signal representing the acceleration dv and the estimated driving force F, the DC component is also removed at the same time, and the vehicle motion equation shown in the following equation (4) excluding the influence of the road gradient is obtained. Can do.
[0043]
hF = m · hdv (4)
And vehicle mass m is represented by the following (5) Formula based on (4) Formula.
m = hF / hdv (5)
Each signal representing the acceleration dv and the estimated driving force F includes sensor noise, a vibration component of the driving system such as a suspension and a power train, in addition to the road gradient component. Therefore, the road gradient component, the sensor noise, and the vibration component of the drive system included in each signal representing the acceleration dv and the estimated driving force F are removed by a high-pass filter, a low-pass filter, and a notch filter (band stop filter), respectively. Yes. In the above equations (4) and (5), signals obtained by removing these frequency components from the signals representing the acceleration dv and the estimated driving force F are represented as hdv as post-processing acceleration and hF as post-processing driving force, respectively. A low-pass filter and a notch filter for removing sensor noise and vibration components of the drive system may be omitted.
[0044]
In the above equation (5), the vehicle mass m is expressed as a function of time and has a phase difference. Therefore, in order to eliminate this, an integration interval is set, and the integrated values ∫hdvdt and ∫hFdt of the acceleration hdv and the driving force hF after the filter processing are obtained. This integration interval is set to a predetermined interval suitable for vehicle mass estimation described later. Thereby, the vehicle mass m is expressed by the following equation (6).
[0045]
m = ∫hFdt / ∫hdvdt (6)
Actually, these integral values ∫hdvdt and ∫hFdt are obtained by multiplying the acceleration hdv and the driving force hF after a plurality of (for example, ten) filter processes obtained continuously every predetermined time in the integration interval. It is obtained by adding each.
[0046]
In the present embodiment, in a vehicle state inappropriate for the calculation of the acceleration dv and the estimated driving force F, the acceleration dv and the estimated driving force F are set to zero so that they are not reflected in the integrated values ∫hdvdt and ∫hFdt. I have to.
[0047]
For example, a state where the speed ratio e exceeds the value “1” indicates a reverse drive state (engine brake state) because the relationship of nt> ne is established. Since it is not preferable to estimate the driving force in this state, in this case, the product value Cpr (e) is set to zero by setting the speed ratio e to the value “1” (see FIG. 2), thereby The integral value ∫hFdt is not substantially reflected. In accordance with this, the acceleration at this time is also not reflected in the integral value ∫hdvdt.
[0048]
In addition, since the brake torque is unknown in the brake operation state when the brake is on, the acceleration dv and the estimated driving force F are set to zero regardless of the strength of the brake operation and are not reflected in the integral values ∫hdvdt and ∫hFdt. I am doing so.
[0049]
Furthermore, in calculating the integral values ∫hdvdt and ∫hFdt, only the acceleration hdv and the driving force hF that are positive numbers in the integration interval are extracted (hereinafter referred to as “regular processing”). In addition, a plurality of accelerations hdv and driving force hF in the integration interval are weighted and added to obtain integrated values ∫hdvdt and ∫hFdt.
[0050]
In particular, the integral value ∫hdvdt is referred to as an acceleration area Sa. This acceleration area Sa has factors that deteriorate accuracy, such as the resolution of the output shaft rotation speed sensor 64 related to acceleration detection and the phase difference due to tire slip of the drive wheels. Therefore, resolution correction and phase correction are performed on the acceleration area Sa as a countermeasure for these factors of deterioration in accuracy.
[0051]
Next, the operation when the
[0052]
In block B1, the CPU inputs the turbine rotational speed nt, the engine rotational speed ne, the stop signal STOP, and the oil temperature toil, and obtains the estimated driving force F based on the equation (2). More specifically, the CPU executes the program of the block B1 shown in detail in FIG. 7 and estimates the driving force. That is, the CPU obtains an actual speed ratio e (= nt / ne) by dividing the turbine rotational speed nt by the engine rotational speed ne through the zero-separation avoiding process of the
[0053]
Next, in
[0054]
Next, in
[0055]
On the other hand, in
[0056]
Further, in
[0057]
Next, in
[0058]
Next, the CPU obtains the estimated driving force F by multiplying the estimated driving torque T by the differential gear ratio / tire radius diff / tire at
[0059]
In block B2 of FIG. 6, the CPU inputs the estimated driving force F from block B1 and filters this. More specifically, a high-pass filter, a low-pass filter, and a notch filter (band stop filter) are set in the block B2, and the CPU is configured so that the road gradient component, sensor noise (high-frequency noise), and A driving force hF from which the vibration component of the driving system is removed is calculated. Needless to say, the influence of the road gradient (θ) is removed from the driving force hF.
[0060]
On the other hand, the CPU inputs the output shaft rotational speed no in the block B3, and obtains the acceleration dv by differentiating it. More specifically, the CPU calculates the difference between the current output shaft rotational speed no and the output shaft rotational speed before a predetermined time, and multiplies this by a constant to calculate the vehicle acceleration dv. The CPU also inputs a stop signal STOP in block B3, and outputs zero as the acceleration dv when the brake is on.
[0061]
Next, in block B4, the CPU inputs the acceleration dv from block B3 and filters this. More specifically, a high-pass filter, a low-pass filter, and a notch filter (band stop filter) are set in the block B4, and the CPU respectively determines the road gradient component, sensor noise (high-frequency noise), and drive system included in the acceleration dv. The acceleration hdv from which the vibration component is removed is calculated. Needless to say, the influence of the road gradient (θ) is removed from the acceleration hdv.
[0062]
In block B5, the CPU inputs a signal from each of the sensors described above and a shift signal sift representing an actual shift stage estimated based on the shift request signal, etc., thereby generating an estimation permission signal en to block B6. Output. More specifically, the block B5 (estimation permission signal en) prescribes vehicle mass estimation permission / inhibition in the block B6, and the CPU outputs the estimation permission signal en when all the various conditions preferable for estimation are satisfied. The high level (“1”) is set, and the estimation permission signal en is set to the low level (“0”) when any of the conditions is not satisfied. As will be described later, the CPU estimates the vehicle mass when a high-level estimation permission signal en is input in block B6. On the other hand, the CPU does not estimate the vehicle mass when the low-level estimation permission signal en is input in block B6. Note that various conditions preferable for estimation are when the vehicle starts. The gear is not being changed. The output shaft rotational speed no is greater than zero, and a predetermined time (delay time) has elapsed since the throttle opening degree thrm exceeded a predetermined value (throttle-on). The gear stage is 1st or 2nd. The brake is not operating. The acceleration (dv) is larger than a predetermined reference acceleration. The
[0063]
In block B6, the CPU inputs signals F, hF, hdv, en, etc. from each block, and estimates the vehicle mass m based on these signals. That is, the CPU integrates the driving force hF after the filtering process in a period (integration interval) where the estimation permission signal en is at a high level to obtain the driving force integrated value SF. Specifically, the CPU obtains the driving force integral value SF by adding a plurality (for example, ten) of driving forces hF obtained continuously every predetermined time in the integration interval. At this time, the CPU extracts only the driving force hF that is a positive number in the integration interval (regular processing). Further, the CPU weights and adds a plurality of driving forces hF in the integration interval.
[0064]
In addition, the CPU integrates the acceleration hdv after the filtering process in a period (integration section) in which the estimation permission signal en is at a high level to obtain the acceleration area Sa. Specifically, the CPU obtains the acceleration area Sa by adding a plurality of (for example, 10) accelerations hdv obtained continuously every predetermined time in the integration interval. At this time, the CPU extracts only the acceleration hdv that is a positive number in the integration interval (regular processing). In addition, the CPU weights and adds a plurality of accelerations hdv in the integration interval.
[0065]
Further, the CPU corrects the resolution for the acceleration area Sa based on the output shaft rotation speed corresponding to the vehicle speed when the throttle is on. Furthermore, the CPU performs phase correction on the acceleration area Sa based on the gradient of the estimated driving force F during the period (integration period) when the estimation permission signal en is at a high level. That is, the CPU corrects the acceleration area Sa to absorb the influence of resolution and phase.
[0066]
Then, the CPU estimates the vehicle mass m by dividing the driving force integral value SF by the corrected acceleration area Sa.
FIG. 8 is a flowchart generally showing the processing contents by the CPU described above. As shown in the figure, the CPU performs input processing such as output shaft rotation speed no, turbine rotation speed nt, engine rotation speed ne in step S101. In step S102, the acceleration dv is calculated, and in step S103, the estimated driving force F is calculated. As described above, the friction loss described above is taken into account in calculating the estimated driving force F, and temperature compensation for the oil temperature toil is performed. In step S104, the CPU filters the acceleration dv and the estimated driving force F to obtain the acceleration hdv and the driving force hF from which the drive system vibration, gradient (θ), and sensor noise are removed.
[0067]
Next, in step S105, the CPU sets the estimation permission signal en to a high level in the estimation start determination. At this time, the CPU sets a predetermined delay time from the estimation start determination and sets the estimation permission signal en to a high level. In step S106, the CPU sets the estimation permission signal en to a low level in the estimation end determination.
[0068]
Next, in step S107, the CPU determines whether the estimation is permitted or prohibited according to the level of the estimation permission signal en. Only in the estimation permission state, the CPU performs regular processing in step S108 and weighted integration in step S109 for the acceleration hdv and the driving force hF.
[0069]
Then, the CPU performs resolution correction in step S110 and phase correction in step S111 on the acceleration area Sa calculated in step S109. Then, the CPU calculates the vehicle mass m by dividing the driving force integral value SF calculated in step S109 by the corrected acceleration area Sa. On the other hand, when the estimation is prohibited, the vehicle mass m is not calculated (estimated).
[0070]
As described above in detail, according to the present embodiment, the following effects can be obtained.
(1) In the present embodiment, each friction loss B · nt, C is subtracted from the reference drive torque Tt · G of the
[0071]
Further, for example, a driving test (starting test) process in an actual vehicle is performed, as in the case where the characteristics (power transmission characteristics) of the entire vehicle including the friction loss of the
[0072]
(2) In this embodiment, the proportional term B and the constant term C of the friction loss are corrected according to the oil temperature toil, and the reference drive torque Tt · G of the
[0073]
(3) In the present embodiment, the vehicle mass m is estimated on the basis of the integral value ∫hFdt of the estimated driving force (hF) and the integral value ∫hdvdt of the acceleration (hdv) within a predetermined period. An erroneous estimation of vehicle mass due to temporary fluctuations in force and acceleration can be avoided.
[0074]
(4) In the present embodiment, in the brake operation state where the influence on the driving force (driving torque) is unknown, the estimated driving force (F) and the acceleration (dv) are set to zero and the integrated values ∫hFdt, By making it not reflected in ∫hdvdt, it is possible to improve the estimation accuracy of the vehicle mass m.
[0075]
(5) In the present embodiment, more accurate driving force (F) is estimated in consideration of tire loss including differential loss, and as a result, the estimation accuracy of the vehicle mass m can be improved.
[0076]
(6) In the present embodiment, the vehicle mass m can be estimated with substantially the same specifications without being influenced by the type of the mounted vehicle. In particular, the program and data relating to the estimation of the vehicle mass can be easily horizontally deployed to other vehicle types, and its versatility can be improved.
[0077]
In addition, embodiment of this invention is not limited to the said embodiment, You may change as follows.
In the embodiment, the reference drive torque Tt · G is corrected by including the coefficient of the gear ratio G in the proportional term B and the constant term C representing the friction loss in the
T = (Tt−B (toil) × nt−C (toil)) × G
Is required. Such a difference in the coefficient setting is merely a difference in correspondence between the estimated driving torque T and the proportional term B and the constant term C, and does not depart from the present invention. In short, it is sufficient that the proportional term B and the constant term C represent the friction loss characteristics of the
[0078]
In the embodiment described above, the temperature correction by the oil temperature toil is performed on both the proportional term B and the constant term C, but the temperature correction may be performed on only one of them.
[0079]
In the above-described embodiment, the estimated vehicle mass m may be stored a plurality of times, and an average (such as a weighted average) value may be used as the final vehicle mass.
In the above embodiment, the vehicle mass m is estimated by filtering the estimated driving force F and acceleration dv to remove the influence of the road gradient θ. On the other hand, for example, the vehicle mass may be estimated by adopting a so-called two-point difference method that removes the influence of the road gradient θ by taking a difference between two points where the driving force and acceleration of the vehicle change. .
[0080]
In the embodiment, each functional block (program) by the CPU may be configured in hardware.
In the above-described embodiment, the case where the shift map is switched according to the estimated vehicle mass m has been described. However, for example, the braking force generated by the braking device may be switched according to the vehicle mass m. Specifically, when the vehicle mass m is larger than a predetermined value, switching is performed so that the braking force generated by the braking device is increased to increase the braking effectiveness.
[0081]
In the embodiment, the
Next, technical ideas that can be grasped from the above embodiments are described below together with the effects thereof.
[0082]
(I) DeA transmission efficiency correction means for correcting the estimated driving force based on at least one of a gear loss and a tire loss is provided.TheAccording to this configuration, it is possible to estimate a more accurate driving force in consideration of at least one of differential gear loss and tire loss, and thus improve the estimation accuracy of the vehicle mass.
[0083]
【The invention's effect】
As detailed above,eachClaimIn termsAccording to the described invention, it is possible to improve the estimation accuracy of the vehicle mass.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a system configuration diagram when a shift control device including a vehicle mass estimation device according to the present invention is mounted on a vehicle.
2 is a product value map of a torque capacity coefficient and a torque ratio of the fluid transmission mechanism shown in FIG. 1;
FIGS. 3A and 3B are a proportional term map and a constant term map of friction loss of the automatic transmission shown in FIG. 1;
FIGS. 4A and 4B are graphs obtained by experimentally determining the relationship between the speed ratio and the product of the torque capacity coefficient and the torque ratio.
FIGS. 5A and 5B are graphs showing a comparison between an actual driving force transition and an estimated driving force transition. FIG.
6 is a diagram showing a vehicle mass estimation program executed by the electric control device shown in FIG. 1 according to functional blocks.
7 is a diagram showing a vehicle mass estimation program executed by the electric control device shown in FIG. 1 according to functional blocks.
FIG. 8 is a flowchart generally showing the processing contents of vehicle mass estimation executed by the electric control device shown in FIG. 1;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記演算された速度比に基づき、トルクコンバータのトルク容量係数とトルク比との積値を演算する積値演算手段と、
前記演算された積値に基づき、自動変速機の基準駆動トルクを演算する駆動トルク演算手段と、
エンジンが発生する動力を自動変速機に伝達する作動油の粘性抵抗によって自動変速機内の湿式多板クラッチに作用する摩擦力を演算する摩擦力演算手段と、
前記摩擦力に基づき前記演算された基準駆動トルクを補正する補正手段と、
前記補正された基準駆動トルクに基づく推定駆動力と、車両の加速度とに基づき車両質量を推定する推定手段とを備えたことを特徴とする車両質量推定装置。Speed ratio calculating means for calculating a ratio between the engine rotation speed and the turbine rotation speed;
Product value calculating means for calculating a product value of a torque capacity coefficient and a torque ratio of the torque converter based on the calculated speed ratio;
Driving torque calculating means for calculating a reference driving torque of the automatic transmission based on the calculated product value;
Friction force calculating means for calculating the friction force acting on the wet multi-plate clutch in the automatic transmission by the viscous resistance of the hydraulic oil that transmits the power generated by the engine to the automatic transmission;
And correcting means for correcting the computed reference drive torque based on the prior SL friction force,
A vehicle mass estimation apparatus comprising: an estimation driving unit configured to estimate a vehicle mass based on the estimated driving force based on the corrected reference driving torque and the acceleration of the vehicle.
前記摩擦力演算手段は、前記タービン回転速度に比例する摩擦力成分を演算する第1摩擦力演算手段と、前記タービン回転速度に無関係な摩擦力成分を演算する第2摩擦力演算手段とから構成されることを特徴とする車両質量推定装置。The vehicle mass estimation apparatus according to claim 1,
The frictional force calculating means includes first frictional force calculating means for calculating a frictional force component proportional to the turbine rotational speed, and second frictional force calculating means for calculating a frictional force component unrelated to the turbine rotational speed. vehicle mass estimation apparatus characterized in that it is.
前記第1摩擦力演算手段は、その演算した前記摩擦力成分にタービン回転速度を乗算した演算値を演算することを特徴とする車両質量推定装置。The vehicle mass estimation apparatus according to claim 2 ,
The vehicle mass estimation device, wherein the first frictional force calculating means calculates a calculated value obtained by multiplying the calculated frictional force component by a turbine rotational speed .
前記自動変速機の作動油温度に応じて、前記第1摩擦力演算手段にて演算した摩擦力成分及び前記第2摩擦力演算手段にて演算した摩擦力成分の少なくとも一方を補正する温度補正手段を備えたことを特徴とする車両質量推定装置。The vehicle mass estimation apparatus according to claim 2 or 3,
Temperature correcting means for correcting at least one of the frictional force component calculated by the first frictional force calculating means and the frictional force component calculated by the second frictional force calculating means in accordance with the hydraulic oil temperature of the automatic transmission. vehicle mass estimation apparatus comprising the.
前記推定手段は、所定期間内における前記推定駆動力の積分値と、前記加速度の積分値とに基づき車両質量を推定することを特徴とする車両質量推定装置。The estimation unit estimates a vehicle mass based on an integral value of the estimated driving force and an integral value of the acceleration within a predetermined period.
前記推定駆動力及び前記加速度を、ブレーキ操作状態において零に設定する推定解除手段を備えたことを特徴とする車両質量推定装置。A vehicle mass estimation apparatus comprising: an estimation canceling means for setting the estimated driving force and the acceleration to zero in a brake operation state.
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