JP3821001B2 - Vehicle weight estimation device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速段の決定などに利用される車両重量(質量)を推定する車両重量推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動変速機の変速制御装置は、アクセルペダル操作量(スロットル開度)と車速とに基づいて達成すべき変速段を決定するようになっている。また、このような変速制御において、搭乗者の人数や積載量などにより変動する車両重量を推定するとともに、推定された車両重量を変速段の決定等に用いることで、降板路走行時にエンジンブレーキを有効に発揮させたり、登板路走行時の加速性能を向上させることも知られている。
【0003】
このような車両重量推定装置は、特開2000−213981号公報に開示されている。この開示された装置は、走行路面の勾配の影響が車両の駆動力及び加速度に低周波成分として表れる点に鑑み、検出された駆動力及び加速度をハイパスフィルタでフィルタ処理し、フィルタ処理後の駆動力及び加速度と運動方程式とに基づいて車両重量を推定するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記従来の技術にも示されるように、車両の駆動力と加速度との関係は、運動方程式((車両の駆動力)=(車両の重量)×(車両の加速度))で表すことができるから、駆動力と加速度がわかれば車両重量を推定することができる。
【0005】
車両が発進する直前においては、ブレーキ装置(ブレーキペダルの操作によって車両を制動するサービスブレーキ装置、パーキングブレーキ部材の操作によって車両を制動するパーキングブレーキ装置等)の作動により車両は停止状態となっているので、原動機が駆動しているにも拘らず車両の速度はゼロであり、車両の加速度はゼロである。しかしながら、車速がゼロであっても原動機が駆動していれば原動機自体の駆動力が発生しているため、駆動力取得手段によって取得される駆動力はゼロにはならない。そのため上述した従来の技術では、車両が発進する直前において、上記運動方程式に矛盾が生じて車両重量を精度良く推定できなくなってしまい、車両重量の推定精度が良好でない場合がある、という問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その特徴は、請求項1に記載されるように、車両の前後方向の加速度を取得する加速度取得手段と、前記車両に搭載された原動機の駆動に基づき同車両の駆動力を取得する駆動力取得手段と、前記取得された加速度の低周波成分を除去して処理後加速度を取得する加速度処理手段と、前記取得された駆動力の低周波成分を除去して処理後駆動力を取得する駆動力処理手段と、前記加速度処理手段と駆動力処理手段とに基づき前記車両の重量を推定する車両重量推定手段とを備えた車両重量推定装置において、前記車両のブレーキ装置の作動状態を検知するブレーキ作動検知手段と、前記車両の速度を検知する車両速度検知手段と、前記ブレーキ作動検知手段により前記ブレーキ装置が作動状態であることを検知し、且つ前記車両速度検知手段により前記車両の速度がゼロであることを検知した時には、前記車両の駆動力をゼロとする駆動力設定手段とを備えたことにある。
【0007】
請求項1の車両重量推定装置では、駆動力設定手段により、車両の速度がゼロであるとともにブレーキ装置が作動している間、すなわち車両の発進前の状態では駆動力をゼロに設定しているので、車両の発進直前における駆動力と加速度との関係を示す運動方程式((処理後駆動力)=(車両の重量)×(処理後加速度))に矛盾が生じることなく、車両の発進直前から発進後において上記の運動方程式が成立するので、車両重量の推定を精度良く行うことができる。
【0008】
更に具体的には、請求項2に示すように、請求項1の車両重量推定装置において、前記車両が発進状態にあるか否かを判定する発進状態判定手段と、前記発進状態判定手段により前記車両が発進状態にあることを検知すると前記車両重量推定手段による車両重量の推定を許容する推定許容手段とを備えることが考えられる。これによると、請求項1における作用に加え、比較的大きな加速度及び駆動力が発生する車両の発進時に車両重量が推定されるので、処理後加速度及び処理後駆動力に含まれるノイズ成分の影響が小さくなり、車両重量の推定精度の低下が抑制され、好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両重量推定装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、同車両重量推定装置を含む変速制御装置を車両に搭載した例を概略的に示す図である。この車両は、原動機としてのエンジン10と、ロックアップクラッチ付トルクコンバータ20と、2乃至3組の遊星歯車ユニットなどから構成された有段(本実施形態においては前進4段、後進1段)の自動変速機30と、トルクコンバータ20及び自動変速機30に供給される油圧を制御するための油圧制御回路40と、油圧制御回路40に制御信号を与える電気制御装置50とを含んでいて、図示しないアクセルペダルの操作により増減されるエンジン10の駆動トルクを、ロックアップクラッチ付トルクコンバータ20、自動変速機30、及び差動歯車装置33を介して駆動輪34へ伝達するようになっている。
【0010】
ロックアップ付トルクコンバータ20は、エンジン10が発生する動力を流体(作動油)を介して自動変速機30に伝達する流体式伝達機構21と、この流体式伝達機構21に対して並列に連結されたロックアップクラッチ機構22とからなる。流体式伝達機構21は、エンジン10のクランク軸と一体回転するトルクコンバータ入力軸12に連結されたポンプ羽根車21aと、同ポンプ羽根車21aが発生する作動油の流れにより回転されるとともに自動変速機30の入力軸31に連結されたタービン羽根車21bと、図示しないステータ羽根車とを含んでいる。ロックアップクラッチ機構22は、ロックアップクラッチを含んで構成され、接続された油圧制御回路40による作動油の給排によって、トルクコンバータ入力軸12と自動変速機30の入力軸31とを同ロックアップクラッチにより機械的に結合してこれらを一体的に回転させる係合状態と、同ロックアップクラッチによる機械的な結合を解除してエンジン10の駆動トルクを自動変速機30に直接伝達しない非係合状態とを達成し得るようになっている。
【0011】
自動変速機30は、入力軸31と、車両の駆動輪34に連結される差動歯車装置33を介して連結される出力軸32とを備えていて、接続された油圧制御回路40による作動油の給排により作動される複数の油圧式摩擦係合装置の組合せに応じ、複数の変速段(前進段)又は後進段のいずれか1つを選択的に成立させ、選択された変速段を介して入力軸31と出力軸32とを一体的に回転させる周知の有段式遊星歯車装置として構成されている。この自動変速機30は、1速及び2速を除く変速段(3速、4速)において駆動輪34側からエンジン10を駆動する逆駆動状態(エンジンブレーキ状態)が達成されるように構成されている。一方、1速及び2速においては、図示しないワンウェイクラッチの作動により逆駆動状態が達成されない状態と、図示しない油圧式摩擦係合装置を係合させてワンウェイクラッチの機能を非作動とすることで逆駆動状態が達成される状態とに制御され得るようになっている。
【0012】
油圧制御回路40は、電気制御装置50からの信号によりON−OFF駆動される図示しない複数の電磁弁を含んでいて、同電磁弁の作動の組合せに応じてロックアップクラッチ機構22及び自動変速機30に対する作動油の給排を行うようになっている。
【0013】
電気制御装置50は、何れも図示しないCPU、メモリ、及びインターフェースなどから成るマイクロコンピュータであって、スロットル開度センサ61、エンジン回転速度センサ62、タービン回転速度センサ63、出力軸回転速度センサ64、ブレーキスイッチ65、パーキングブレーキスイッチ66と接続されていて、これらのセンサ及びスイッチが発生する信号を入力するようになっている。
【0014】
スロットル開度センサ61は、エンジン10の吸気通路に設けられ図示しないアクセルペダルの踏込み操作に応じて開閉されるスロットルバルブ11の開度を検出し、スロットル開度センサthrを表す信号を発生するようになっている。エンジン回転速度センサ62は、エンジン10の回転速度を検出し、同エンジン回転速度neを表す信号を発生するようになっている。タービン回転速度センサ63は、自動変速機30の入力軸31の回転速度を検出し、同タービン速度ntを表す信号を発生するようになっている。出力軸回転速度センサ64は、自動変速機30の出力軸32の回転速度を検出し、同出力軸回転速度(車速に相当)noを表す信号を発生するようになっている。ブレーキスイッチ65は、サービスブレーキ用のブレーキペダル70の操作・非操作に応じて、ハイレベル(「1」)信号とローレベル(「0」)信号にそれぞれ変化するブレーキ作動信号STOPを出力するようになっている。パーキングブレーキスイッチ66は、パーキングブレーキ部材であるパーキングレバー80の操作・非操作に応じて、ハイレベル(「1」)信号とローレベル(「0」)信号にそれぞれ変化するパーキングブレーキ作動信号PKBを出力するようになっている。パーキングブレーキ部材としてパーキングレバー80以外にペダル式であってもよい。尚、出力軸回転速度センサ64が車両速度検知手段を構成し、ブレーキスイッチ65、パーキングブレーキスイッチ66が、ブレーキ作動検知手段を構成している。
【0015】
以下、上記自動変速機の変速制御装置の作動について説明する。電気制御装置50は、出力軸回転速度noとスロットル開度thrとで構成される図2(A)に示した変速マップをメモリ内に記憶しており、検出された出力軸回転速度noと検出されたスロットル開度thrが変速マップに示された変速線を横切るとき、この変速線に基づく変速を行うように変速要求信号shiftを発生し、これに基づいて油圧制御回路40内に設けられた図示しない電磁弁を制御する。同様に、電気制御装置50は、出力軸回転速度noとスロットル開度thrとで構成される図3に示したロックアップ作動マップをメモリ内に記憶しており、検出された出力軸回転速度noとスロットル開度thrとがロックアップ作動マップのロックアップ領域にあるとき、油圧制御回路40の電磁弁を制御してロックアップクラッチ機構22を係合状態とする。更に、電気制御装置50は、搭乗人数や積載量に応じて変化する車両重量Mを推定しており、同車両重量Mが所定値M0以上のときには、変速マップを図2(A)から図2(B)に示したマップに切換えて達成される低速段領域を拡大するとともに、1速及び2速におけるワンウェイクラッチを非作動としてエンジンブレーキ効果を発揮させる。
【0016】
次に、電気制御装置50が実行する、車両重量Mの推定方法について説明する。車両の運動方程式は、車両重量をM、車両の加速度をα、車両の駆動輪34に働く力のうち、道路勾配を除いたものをF、道路勾配をΘ、重力加速度をgとすれば、数1に示したとおりとなる。
【0017】
【数1】
上記数1における力Fは、エンジン10により駆動される駆動輪34の駆動力F1から走行抵抗F2を差し引くことで求められる。以下、F1からF2を差し引いた力を実質駆動力Fという。
【0018】
エンジン10による駆動輪34の駆動力F1は、ロックアップクラッチが非係合状態にある場合、即ち、流体式伝達装置21にてトルク伝達を行っている場合には、エンジン10の出力トルクTを下記数2に基づき求めることができる。下記数2はエンジン10の過渡的な運転状態であっても成立するので、同数2を用いることでエンジン10の出力トルクTを精度良く求めることができる。車両の発進前から発進直後への移行に際しては、車速が0から増大していくので、図3の作動マップからもわかるようにロックアップクラッチが非係合状態である。したがって、車両の発進時では、同数2を用いて出力トルクTを求め、駆動力Fを算出する。尚、下記数2において、Cpは流体式伝達機構21の容量係数であって、一例が図4に示される。また、λは流体式伝達機構21のトルク増幅率であって、一例が図5に示されている。
【0019】
【数2】
一方、走行抵抗F2は、ころがり抵抗などの摩擦抵抗R1と空気抵抗R2の和である。摩擦抵抗R1は車両固有の一定値であるから、予め測定などにより求めておき、電気制御装置50のメモリ内に記憶しておくことができる。空気抵抗R2は、車両の速度の二乗に比例して変化する値であるが、ある車両について車両の速度と空気抵抗R2との関係を予め測定などにより求めて電気制御装置50のメモリ内に記憶するとともに実際の車両の速度を検出するように構成しておけば、実際の空気抵抗R2を求めることができる。
【0020】
車両の加速度αは、車両の速度の微分値であるから、車両速度を表す出力軸回転速度noを時間微分することで算出され得る。尚、加速度αは、車両に搭載された加速度センサによって直接的に求めることもできる。
【0021】
上記数1における車両重量Mは、搭乗人数、積載量などの変化を考慮して、車両の初期重量mに対して変化する値として捉えることができる。そこで、車両重量変動パラメータをθとすると、車両重量Mは下記数3により表され、数2及び数3から下記数4が得られる。
【0022】
【数3】
【数4】
今、車両が道路勾配が一定の道路を走行していれば、Θは一定であるから、上記数4において道路勾配に係る項(gsinΘ)は一定である。即ち、道路勾配の影響は加速度αにおいてその直流成分として現れているはずである。したがって、加速度αを表す信号から直流成分を除去すれば、道路勾配の影響を除いた運動方程式を得ることができる。
【0023】
実際には、道路勾配Θは比較的緩やかに変化し、同道路勾配Θの影響は加速度αにおいて低周波成分(1〜2Hz以下)として現れる。したがって、加速度α及び実質駆動力Fをあらわす信号から所定周波数を除けば、同時に直流成分も除去され、道路勾配の影響を除いた下記数5に示す運動方程式を得ることができる。尚、数5においては、加速度αを表す信号から所定周波数以下の信号を除いた信号をα0、実質駆動力Fから所定周波数以下の信号を除いた信号をF0としている。
【0024】
【数5】
上記数5において、errorは除去しきれなかった勾配抵抗、又は加速度α及び実質駆動力Fの測定誤差に起因する値である。このように式の中に誤差を含む場合には、例えば、逐次最小二乗法によって真値を求めることができる。また、逐次最小二乗法により車両重量変動パラメータθを求め、車両重量Mを推定することができる。
【0025】
次に、電気制御装置50が上記原理に基づいて車両重量Mを推定する際の作動について説明する。図6は、電気制御装置50のCPUが実行する車両重量Mの推定プログラムを機能ブロックにより示した図である。このCPUは、変速段及び駆動力を推定するブロックB1に係るプログラムと、車両重量Mを推定するブロックB2係るプログラムと、車両重量Mの推定を許可する(及び推定を禁止する)許可信号enableを生成しブロックB2に供給するブロックB3に係るプログラムとを主として実行する。尚、ブロックB2は車両重量推定手段を構成し、ブロックB3は推定許容手段、発進状態判定手段を構成している。
【0026】
CPUは、ブロックB1において、上述した各センサからの信号や、図示しない変速制御プログラムの実行により発生される上述の変速要求信号shiftを入力し、実際の変速段を推定するとともにエンジン10の駆動力Fを推定する。より具体的に述べると、CPUは現在認識している変速段と入力される変速要求信号shiftとから新たに達成される変速段shを推定する。例えば、現在認識している変速段が3速であり、変速要求信号shiftが3速から4速へのシフトアップ要求である場合には、CPUは変速段が4速になると推定し、認識している変速段を4速に変更する。この推定された変速段shは、許可信号生成ブロックB3に供給される。
【0027】
実質駆動力Fの推定においては、先ず、現在のタービン回転速度ntとエンジン回転速度neとを入力してトルクコンバータ20の速度比(nt/ne)を算出し、算出した速度比(nt/ne)と図4及び図5に示したマップから流体式伝達機構21の容量係数Cp及びトルク増幅率λをそれぞれ求める。そして、現在のエンジン回転速度neと上記数2とに基づいてエンジン10の出力トルクTを求める。その後、CPUは認識している変速段から総変速比を求め、出力トルクTに総変速比と差動歯車装置33の減速比とを乗じ、更に駆動輪34の半径で割ることで実質駆動力(駆動輪34に与えられる駆動力)Fを算出する。尚、上述の走行抵抗R2が無視できない場合には、ころがり抵抗などの車速に影響を受けない摩擦抵抗R1と出力軸回転速度noから求められる空気抵抗R2との和を、実質駆動力Fから減じた値を駆動力Fとしてもよい。尚、ブロックB1が駆動力取得手段を構成する。
【0028】
次いで、CPUは、ブロックB4において実質駆動力Fから高周波成分(高周波ノイズ)をローパスフィルタ処理により除去し、ブロックB5において低周波成分をハイパスフィルタ処理により除去して道路勾配Θの影響が除去された実質駆動力F0(処理後駆動力)を算出する。ここで、ブロックB5が駆動力処理手段を構成する。
【0029】
同時に、CPUは、ブロックB6により、検出された出力軸回転速度noから高周波成分(高周波ノイズ)をローパスフィルタ処理により除去し、ブロックB7にて時間微分して加速度αを求める。尚、ブロックB7が加速度取得手段を構成する、次いで、CPUはブロックB8により、求められたαから低周波成分を除去して道路勾配Θの影響を除去した加速度α0(処理後加速度)を算出する。ここで、ブロックB8が加速度処理手段を構成する。
【0030】
この実質駆動力F0及び加速度α0は、所定時間の経過毎に更新されるようになっていて、CPUは逐次最小二乗法を用いて車両重量Mを推定する。
【0031】
ここで、ブロックB1にて実行される駆動力Fの推定に際して、ブレーキ装置が作動状態(ブレーキ装置により車両に制動力を与えている状態)であり、なおかつ出力軸回転速度no(車両の速度に相当)が0のときには、上記数2で示されるトルクコンバータ特性から得られる駆動力Fと加速度αの運動方程式に矛盾が生じる。この矛盾について具体的に説明する。車両の速度が0であっても、エンジン10が駆動していれば流体式伝達機構21のポンプ羽根車21aとタービン羽根車21bとは相対回転しているので、流体式伝達機構21内にストールトルクが発生する。つまり、上記数2にて得られるエンジン10の出力トルクTは0ではなく、この出力トルクTに自動変速機30の総変速比、差動歯車装置33の減速比を乗じ、駆動輪34の半径で割ることによって得られる駆動力Fも0ではなく正の値をとる。しかしながら、車速が0の場合には出力軸回転速度noが0であるため、出力軸回転速度noの時間微分によって得られる加速度αも0になる。したがって、ブレーキ装置の作動が解除される(ブレーキ装置が操作されている状態から操作されずに車両に制動力が加えられない状態への移行される)ことで車速が0から0以外の値に変移しなければ加速度αは0以外の値にはならない。上記数2を用いてトルクコンバータ特性から得られる駆動力Fと、加速度α×(車両重量変動パラメータθ×初期質量m)により演算される駆動力の時間との関係を図7に示す。図7では、理解しやすくするために走行抵抗や道路勾配による影響を無視した駆動力として示すものとする。図7において、トルクコンバータ特性から得られる駆動力Fは実線、加速度α×(θ×m)により演算される駆動力は点線でそれぞれ示される。図7に示されるように、ブレーキ装置により駆動力が吸収されて車速が0となっている時間(t0〜t1)では、上述した理由によりトルクコンバータ特性から得られる駆動力Fは正の値F1をとっているが、加速度α×(θ×m)により演算される駆動力は、加速度αが0であるので0となっている。そのため、時間(t0〜t1)では駆動力Fと加速度α×(θ×m)とが全く異なる値をとる。そして、時間t1でブレーキ装置の作動が解除されると、車速が変化して出力軸回転速度noの時間微分である加速度αは正の値をとり、加速度α×(θ×m)は駆動力Fと略同一の値となる。
【0032】
図8は、図7に示した関係において、フィルタ処理により低周波成分及び高周波成分が除去された後の処理後駆動力F0と処理後加速度α0×(θ×m)の時間との関係を示す図である。図8の時間(t0〜t1)における両駆動力の値の差による影響で、時間t1の経過後(特に時間t1の経過直後)における処理後駆動力F0と処理後加速度α0×(θ×m)との値は一致しなくなってしまい、このままでは精度良く車両重量Mを推定できなくなってしまう。
【0033】
そこで本実施例では、ブロックB1においてエンジン10の駆動力Fを推定する際に、ブレーキ装置が作動状態であることが検知されるとともに車両の速度がゼロであることが検知される間は、エンジン10の出力トルクTの大きさに拘らず駆動力Fをゼロに設定し、上記数2から算出される駆動力Fを採用しないようにした。このように設定された駆動力Fと、加速度α×(θ×m)により演算される駆動力との関係を図9にそれぞれ示す。図9からわかるように、時間(t0〜t1)では駆動力Fは0に設定されているので、全ての時間において、駆動力Fと加速度α×(θ×m)により演算される駆動力とが略一致する。したがって、図10に示す、フィルタにより低周波成分及び高周波成分が除去された後の処理後駆動力F0と処理後加速度α0×(θ×m)も略一致し、車両重量Mの推定精度の低下が抑えられるものである。尚、ブロックB1が駆動力設定手段を構成する。
【0034】
上述した駆動力の設定に関するブロックB1の作動について、図11に示したCPUが所定時間の経過毎に実行するプログラムを参照しながら説明する。所定のタイミングになると、CPUは図11に示したステップ600から処理を開始し、ステップ605に進んで出力回転速度noが「0」であるか否かを判定し、「Yes」と判定される場合にはステップ610に進んでブレーキ装置が作動状態であるか否かを判定し、「No」と判定される場合にはステップ620に進んで、上記数2に従ってエンジン10の出力トルクTを推定する。次に、ステップ625に進み、ステップ620で推定した出力トルクTに自動変速機30の総変速比と差動歯車装置33の減速比とを乗じ、更に駆動輪34の半径で割ることで駆動力Fを算出し、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0035】
CPUは、ステップ610に進んだ場合には、ブレーキ装置が作動状態であるか否かを判定する。このステップ610では、具体的にはブレーキスイッチ65及びパーキングブレーキスイッチ66の少なくとも1つがオン状態であればブレーキ装置が作動状態である「Yes」とし、ブレーキスイッチ65及びパーキングブレーキスイッチ66がともにオフ状態であればブレーキ装置が作動状態でない「No」と判定しており、「No」と判定される場合にはステップ620に進み、「Yes」と判定される場合にはステップ615に進んで駆動力Fを0に設定し、ステップ695に進んで本ルーチンを一旦終了する。
【0036】
ここで、ステップ605における出力回転速度noが「0」であるか否かの判定に際して、同ステップ605の判定において出力回転速度noが完全に「0」であるときにのみ「Yes」とする必要はなく、車両の速度が実質的に「0」であると判断される微小な速度の範囲内であれば「Yes」と判定するようにしてもよい。
【0037】
次に、ブロックB3に示した許可信号生成の作動について説明する。許可信号enableは、下記の(1)から(7)の条件が全て満たされたときに成立し、その値が「1」とされることでブロックB2による車両重量Mの推定が許可される。換言すると、下記(1)から(7)の何れかの条件が不成立のとき、許可信号enableの値が「0」とされることでブロックB2による車両重量Mの推定が禁止される。尚、車両重量Mの推定が禁止されるとは、CPUにより車両重量Mの推定演算動作そのものが禁止される他に、車両重量Mの推定演算動作を行うがその結果を車両重量Mに採用しないことが含まれる。また、ブロックB2は、車両重量Mの推定が許可されている状態から禁止される状態となったとき、その時点で推定されている車両重量Mの推定値をその後の変速制御に使用する。
【0038】
(1)車両の発進時であること。具体的には、停車時間(車速を示す出力軸回転速度no=「0」の状態である時間)が所定時間(例えば2秒)以上継続した後に、加速度(又は車速)が「0」でなくなった場合であること。上述したように、車両重量Mは駆動力Fと加速度αに基づいて推定されるので、同駆動力Fと同加速度αが十分に大きくないとこれらに含まれるノイズの影響が大きく、推定精度が良好でない。一方、車両の発進時においては、その他の走行時よりも大きな駆動力F及び加速度αが得られる。そこで、車両の発進時に車両重量Mを推定することとしたのである。また、上記数2によれば、エンジン10の出力トルクTを精度良く求めることができる。この場合ロックアップクラッチが非係合でなければならないが、発進時であれば車速は小さいので、図3からも明らかなようにロックアップクラッチは非係合である。この意味においても、発進時に車両重量Mの推定を行うことは推定の精度向上にとって有利である。
【0039】
(2)変速中でないこと。変速中には駆動力Fが変動するため、精度良く車両重量Mを推定することができないからである。
【0040】
(3)出力軸回転速度noが0より大きい(即ち、車速が0ではない)、且つスロットル開度thrが所定の基準スロットル開度thr0より大きいこと。車両重量Mの推定原理が上記数4の車両前後方向運動方程式を基礎としているため、推定には加速度αと駆動力Fとを必要とするところ、理論的には加速度αと駆動力Fとの位相が一致していることが前提となる(好ましい)。しかしながら、実際には上述したエンジントルク特性又はトルクコンバータ特性から求める駆動力Fと、出力軸回転速度noの時間微分(所定時間に対する変化量、即ち差分)から求める加速度αには、動力伝達系の遅れなどにより位相差が発生する。
【0041】
より具体的には、出力軸回転速度noを検出する出力軸回転速度センサ64には分解能があるため、実際に発進が行われても同発進を検出できず(極低速車速では出力を検出できない)、加速度αの検出精度が低下する。一方、駆動力Fは車両が停止状態にある場合でもトルクコンバータ20のストールトルクがあるので発進前から「0」ではない。更に、駆動力Fは、自動変速機30の出力軸32よりも駆動系の上流に位置するエンジン10の回転速度neが変化することで変化する。以上のことから、駆動力Fは加速度αよりも位相が早い信号となる。
【0042】
したがって、上記「出力軸回転速度noが0より大きい」という条件を加えることで、駆動力Fと加速度αとの位相差が大きい場合(アクセルペダルが操作されてスロットル開度thrが「0」でなくなった後で出力軸回転速度noが「0」のとき)では車両重量Mの推定を避け、同車両重量Mの推定精度の低下を回避する。
【0043】
また、上記逐次最小二乗法により車両重量Mを推定するには、推定に使用する信号にある程度のパワーがなければならない。ここでのパワーとは、信号の変化の大きさであり、この場合には駆動力F及び加速度αの変化の大きさである。一般的に、駆動力F及び加速度αの変化の大きさは、スロットル開度thrが小さいときには小さくなる。
【0044】
したがって、上記「スロットル開度thrが所定の基準スロットル開度thr0より大きい」という条件を加えることで、加速度α及び駆動力Fの変化の大きさが小さい時には車両重量Mの推定を避け、同車両重量Mの推定精度の低下を回避する。
【0045】
尚、上記(1)の条件及び(2)の条件から、車両重量Mが推定される時間は車両の発進後から初めての変速までの間に限られ、しかも、逐次最小二乗法などの推定方法によって精度良く算出するためには、ある程度の時間(多くのサンプル数)が必要である。このため、発進後においてできるだけ早期の段階で車両重量Mの推定を開始する必要がある場合には、出力軸回転速度noが0より大きくなるか、或いはスロットル開度thrが基準スロットル開度thr0より大きくなるかのいずれかが成立したときに車両重量Mの推定を開始するようにしてもよい。
【0046】
(4)変速段が1速又は2速であること。2速から発進した場合であっても、車両重量Mの推定を可能にするため。
【0047】
(5)ブレーキ装置の作動中でないこと。このブレーキ装置には、ブレーキペダル70の操作に基づいて車両を減速或いは停止させるサービスブレーキと、パーキングブレーキレバー80の操作に基づいて車両を停車状態とするパーキングブレーキとを含んでいる。サービスブレーキ又はパーキングブレーキが作動して車両が制動状態になると、駆動力Fの推定が困難となるためである。
【0048】
(6)加速度αが所定の基準加速度Aよりも大きいこと。加速度αが小さい場合には同加速度αにノイズの影響が大きく現れるので、車両重量Mの推定精度が低下するからである。尚、(1)の条件に加えて(2)の条件を加えているので、登板路を走行する際には、発進時であっても加速度αが小さい場合があるからである。
【0049】
(7)エンジン10逆駆動状態にないこと。駆動輪34側からエンジン10を駆動させる逆駆動状態では、トルクコンバータ20の流体式伝達機構21内における作動油の流れが乱れるため、駆動力Fを精度良く推定することが困難となるからである。
【0050】
以下、上記(1)から(7)の条件が成立したか否かを判定する上記ブロックB3の作動について、図12及び図13に示したCPUが所定時間の経過毎に実行するプログラムを参照しながら説明する。
【0051】
所定のタイミングになると、CPUは図12に示したステップ700から処理を開始し、ステップ705に進んで出力回転速度noが「0」より大きいか否かを判定し、「Yes」と判定される場合にはステップ710に進み、「No」と判定される場合にはステップ715に進んでスロットル開度が所定の基準スロットル開度thr0より大きいか否かを判定する。そして、ステップ715にて「Yes」と判定される場合にはステップ710に進み、「No」と判定される場合にはステップ720に進んで許可信号enableの値を「0」とし、車両重量Mの推定を禁止した後にステップ795にて本ルーチンを一旦終了する。このように、ステップ710、715は、上記(3)の尚書きにて記載した条件が成立しているか否かを判定するステップである。
【0052】
CPUは、ステップ710に進んだ場合には、現在認識している変速段、即ち図6に示したブロックB1にて形成される変速段shが1速であるか否かを判定し、「Yes」と判定される場合にはステップ725に進み、「No」と判定される場合(1速でない場合)にはステップ730に進んで現在認識している変速段が2速であるか否かを判定する。そして、ステップ730にて「Yes」と判定される場合にはステップ725に進み、「No」と判定される場合(2速でない場合)には上記ステップ720を実行して車両重量Mの推定を禁止し、ステップ795にて本ルーチンを一旦終了する。このように、ステップ710、730は、上記(4)の条件が成立しているか否かを判定するステップである。
【0053】
CPUは、ステップ725に進んだ場合には、現在変速中であるか否かを、上記変速段shの変化から判定し、現在変速中でなければステップ735に進み、現在変速中であれば上記ステップ720を実行して車両重量Mの推定を禁止し、ステップ795にて本ルーチンを一旦終了する。このように、ステップ725は、上記(2)の条件が成立しているか否かを判定するステップである。
【0054】
CPUは、ステップ735に進んだ場合には、現在ブレーキ中(ブレーキ装置の作動中)であるか否かを、ブレーキスイッチ65からのブレーキ作動信号STOP、及びパーキングブレーキスイッチ66からのパーキングブレーキ信号PKBに基づいて判定し、現在ブレーキ中でなければステップ740に進み、現在ブレーキ中であれば上記ステップ720を実行して車両重量Mの推定を禁止し、ステップ795にて本ルーチンを一旦終了する。このように、ステップ735は、上記(5)の条件が成立しているか否かを判定するステップである。
【0055】
CPUは、ステップ740に進んで場合には、図6のブロックB7にて得られた現在の加速度αが所定の基準加速度Aより大きいか否かを判定し、加速度αが基準加速度Aより大きければステップ745に進み、加速度αが基準加速度A以下であれば上記ステップ720を実行して車両重量Mの推定を禁止し、ステップ795にて本ルーチンを一旦終了する。このように、ステップ740は、上記(6)の条件が成立しているか否かを判定するステップである。
【0056】
CPUは、ステップ745に進んだ場合には、エンジン10が駆動輪34側から逆駆動されているか否かを判定する。具体的には、自動変速機30内のワンウェイクラッチの作動があれば逆駆動状態であると判定できるので、CPUはタービン回転速度ntと出力軸回転速度noとから求められる変速比が、現在認識している変速段の変速比の±5%以外(0.95から1.05倍の範囲外)の場合に逆駆動状態と判定する。そして、ステップ745にて逆駆動状態でないと判定されるとステップ750に進み、逆駆動状態であると判定されると上記ステップ720を実行して車両重量Mの推定を禁止し、ステップ795にて本ルーチンを一旦終了する。このように、ステップ745は、上記(7)の条件が成立しているか否かを判定するステップである。
【0057】
CPUは、ステップ750に進んだ場合には、フラグFの値が「1」であるか否かを判定する。このフラグFの値は、後述する図13に示したプログラムにより操作される値であって、許可信号enableの値が「1」から「0」に変化したとき「0」に設定され、その後に所定時間(例えば2秒)以上の停車状態が継続したときに「1」に設定される。
【0058】
いま、許可信号enableの値が「0」とされた後に停車状態が所定時間以上継続しているとすると、フラグFの値は「1」である。この場合、CPUはステップ755に進んで許可信号enableの値を「1」とし、ステップ795に進んで本ルーチンを一旦終了する。即ち、ステップ750に到達したということは、先のステップ740にて「Yes」と判定されていて、更にステップ705とステップ715の少なくとも1つのステップにて「Yes」と判定されている場合であるから、車両が発進状態にあると判定することができるので、許可信号enableの値を「1」として車両重量Mの推定を許可するのである。
【0059】
他方、ステップ750に進んだ段階でフラグFの値が「1」でないとすると、CPUは同ステップ750にて「No」と判定してステップ720に進み、同ステップ720にて許可信号enableの値を「0」として車両重量Mの推定を禁止した後にステップ795に進む。このように、ステップ750は、上記(1)の条件が成立しているか否かを判定する為のステップである。
【0060】
次に、上記フラグFの操作について説明する。フラグFの値は、図示しない車両のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に変更されたときに図示しないイニシャルルーチンが実行されて「1」とされている。このため、上記車両重量の推定を許可するための上記(2)から(7)の条件が成立すると、CPUはステップ750に進み、同ステップ750にて「Yes」と判定してステップ755に進んで許可信号enableの値を「1」に設定し、車両重量Mの推定を実行する。
【0061】
一方、CPUは所定時間の経過毎に図13で示したプログラムの処理をステップ800から開始し、ステップ805にて許可信号enableの値が「1」から「0」に変更されたか否かを判定する。イグニッションスイッチがオフ状態からオン状態へと変更された後に上記(2)から(7)の条件が継続して成立している場合には、許可信号enableの値は「1」に維持されるから、CPUはステップ805にて「No」と判定し、ステップ810及びステップ815にて出力軸回転速度noが「0」のとき、即ち停車中にタイマTの値を「1」だけ増大する。次いで、ステップ820及びステップ825により、タイマTの値が最大値TMAXより大きくならないように最大値TMAXでガードし、ステップ830にて同タイマTの値が所定時間(2秒)に対応する所定の基準値TKより大きいか否かを判定する。そして、CPUはタイマTの値が基準値TKより大きいと判定すると、ステップ835にてフラグFの値を「1」としてステップ895にて本ルーチンを一旦終了する。一方、CPUはステップ830にてタイマTの値が所定時間に対応する基準値TKより小さいと判定すると、直接ステップ895に進んで本ルーチンを一旦終了する。従って、この場合においては、タイマTの値に拘らずフラグFの値は「1」に維持される。
【0062】
この状態において、上記(2)から(7)の条件の何れかが不成立になるとCPUはステップ720を実行して許可信号enableの値を「0」に設定する。この結果、CPUが図13のステップ805を実行するとき、同ステップ805にて「Yes」と判定してステップ840に進み、同ステップ840にてタイマTの値を「0」にクリアする。次いで、CPUはステップ845に進みフラグFの値を「0」に設定する。この結果、次にフラグFの値が「1」に変更されるまでは、上記車両重量推定許可のための(2)から(7)の全ての条件が成立したとしても、図12のステップ750にて「No」と判定されてステップ720が実行され、車両重量Mの推定は禁止される。
【0063】
以降においては、許可信号enableの値は「0」に維持されるので、CPUはステップ805にて「No」と判定し、ステップ810以降に進むようになる。このため、停車状態(出力軸回転速度no=0)となるとステップ815が実行されてタイマTの値が次第に増大し、停車状態が所定の時間以上継続するとタイマTの値は基準値TKより大きくなる。この結果、CPUは所定のタイミングにてステップ830に進んだとき、同ステップ830にて「Yes」と判定してステップ835に進み、同ステップ835にてフラグFの値を「1」に設定する。
【0064】
これにより、上記(2)から(7)の全ての条件が成立したときには、CPUは図12のステップ750にて「Yes」と判定してステップ755に進み、許可信号enableの値を「1」として車両重量Mの推定を許可する。以降、上記作動が繰り返されて上記(2)から(7)の条件の何れか1つが不成立となると、許可信号enableの値が「0」とされ、これに伴ってタイマT及びフラグFの値が「0」に設定される。そして、停車状態が所定時間以上継続すると、再びフラグFの値が「1」に設定され、この状態にて上記(2)から(7)の条件が全て成立すると許可信号enableの値が「1」とされる。
【0065】
このように、本実施形態によれば、ともに路面勾配の影響をフィルタ処理にて除去した処理後駆動力F0及び処理後加速度α0とから車両重量Mを推定するときには、車両重量Mを正確に推定できない状況を上記(1)から(7)の条件により除去するとともに、ブレーキ装置が作動状態であることが検知されるとともに車両の速度がゼロであることが検知される間はエンジン10の出力トルクTの大きさに拘らず駆動力Fをゼロに設定するようにしたことで、車両の発進直前において、トルクコンバータ特性から求める駆動力Fと出力軸回転速度から求める加速度αとの関係に矛盾が生じることがなく、車両重量の推定を精度良く行うことができる。
【0066】
【発明の効果】
請求項1の発明によると、駆動力設定手段により、車両の発進時において車両の速度がゼロであるとともにブレーキ装置が作動している間は、駆動力をゼロに設定しているので、車両の発進直前における車両の駆動力に関する運動方程式((処理後駆動力)=(車両の重量)×(処理後加速度))に矛盾が生じることなく、車両の発進直前から発進後において上記運動方程式が成立するので、車両重量の推定を精度良く行うことができる。
【0067】
また、請求項2によると、請求項1における作用に加え、比較的大きな加速度及び駆動力が発生する車両の発進時に車両重量が推定されるので、処理後加速度及び処理後駆動力に含まれるノイズ成分の影響が小さくなり、車両重量の推定精度の低下が抑制され、好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両重量推定装置を含む変速制御装置を車両に搭載した場合のシステム構成図である。
【図2】(A)及び(B)は図1に示した電気制御装置が変速制御に使用する変速線図である。
【図3】図1に示した電気制御装置がロックアップ機構の制御に使用するマップである。
【図4】図1に示した流体式伝達機構の容量係数マッである。
【図5】図1に示した流体式伝達機構のトルク増幅率マップである。
【図6】図1に示した電気制御装置が実行する車両重量推定のプログラムを機能ブロッ別に表した図である。
【図7】駆動力設定手段による駆動力の設定を行わない場合における駆動力と時間との関係を示す図である。
【図8】駆動力設定手段による駆動力の設定を行わない場合における処理後駆動力と時間との関係を示す図である。
【図9】駆動力設定手段による駆動力の設定が行われた場合における駆動力と時間との関係を示す図である。
【図10】駆動力設定手段による駆動力の設定が行われた場合における処理後駆動力と時間との関係を示す図である。
【図11】図6に示した駆動力の推定及び設定機能ブロックを達成するためのプログラムを示すフローチャートである。
【図12】図6に示した許可信号生成機能ブロックを達成するためのプログラムを示すフローチャートである。
【図13】図6に示した許可信号生成機能ブロックを達成するためのプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10・・・エンジン(原動機)、11・・・スロットルバルブ、12・・・トルクコンバータ入力軸、20・・・ロックアップクラッチ付トルクコンバータ、21・・・流体式伝達機構、22・・・ロックアップクラッチ機構、30・・・自動変速機、31・・・自動変速機入力軸、32・・・自動変速機出力軸、40・・・油圧制御装置、50・・・電気制御装置(加速度取得手段、駆動力取得手段、加速度処理手段、駆動力処理手段、車両重量推定手段、発進状態判定手段、推定許容手段、駆動力設定手段)、61・・・スロットル開度センサ、62・・・エンジン回転速度センサ、63・・・タービン回転速度センサ、64・・・出力軸回転速度センサ(車両速度検知手段)、65・・・ブレーキスイッチ(ブレーキ作動検知手段)、66・・・パーキングブレーキスイッチ(ブレーキ作動検知手段)、70・・・ブレーキペダル(サービスブレーキ用)、80・・・パーキングレバー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle weight estimation device for estimating a vehicle weight (mass) used for determining a gear position of an automatic transmission.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, a shift control device for an automatic transmission determines a shift stage to be achieved based on an accelerator pedal operation amount (throttle opening) and a vehicle speed. Further, in such shift control, the vehicle weight that varies depending on the number of passengers, the loading capacity, etc. is estimated, and the estimated vehicle weight is used for determining the gear position, etc. It is also known to make effective use and improve acceleration performance when traveling on a climbing road.
[0003]
Such a vehicle weight estimation apparatus is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-213981. In view of the fact that the influence of the road surface gradient appears as a low-frequency component in the driving force and acceleration of the vehicle, the disclosed device filters the detected driving force and acceleration with a high-pass filter, and drives after the filtering process. The vehicle weight is estimated based on the force and acceleration and the equation of motion.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Here, as also shown in the conventional technique, the relationship between the driving force and the acceleration of the vehicle is expressed by an equation of motion ((vehicle driving force) = (vehicle weight) × (vehicle acceleration)). Therefore, if the driving force and acceleration are known, the vehicle weight can be estimated.
[0005]
Immediately before starting the vehicle, the vehicle is stopped by the operation of a brake device (a service brake device that brakes the vehicle by operating a brake pedal, a parking brake device that brakes the vehicle by operating a parking brake member, etc.). Therefore, the speed of the vehicle is zero and the acceleration of the vehicle is zero even though the prime mover is driving. However, even if the vehicle speed is zero, if the prime mover is driving, the drive force of the prime mover itself is generated, so the drive force acquired by the drive force acquisition means does not become zero. For this reason, the conventional technique described above has a problem that immediately before the vehicle starts moving, the equation of motion is inconsistent and the vehicle weight cannot be accurately estimated, and the vehicle weight estimation accuracy may not be good. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems, and the feature thereof is that the acceleration acquisition means for acquiring the longitudinal acceleration of the vehicle and the vehicle are mounted on the vehicle as described in
[0007]
In the vehicle weight estimation device according to the first aspect, the driving force is set to zero by the driving force setting means while the vehicle speed is zero and the brake device is operating, that is, before the vehicle starts. Therefore, the motion equation ((processed driving force) = (vehicle weight) × (processed acceleration)) indicating the relationship between the driving force and acceleration immediately before the start of the vehicle does not contradict, and immediately before the start of the vehicle. Since the above equation of motion is established after the vehicle starts, the vehicle weight can be estimated with high accuracy.
[0008]
More specifically, as shown in
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of a vehicle weight estimation apparatus of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a diagram schematically showing an example in which a shift control device including the vehicle weight estimation device is mounted on a vehicle. This vehicle has an
[0010]
The torque converter with
[0011]
The
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
The operation of the shift control device for the automatic transmission will be described below. The
[0016]
Next, a method for estimating the vehicle weight M performed by the
[0017]
[Expression 1]
The force F in the
[0018]
The driving force F1 of the
[0019]
[Expression 2]
On the other hand, running resistance F2 is the sum of frictional resistance R1 such as rolling resistance and air resistance R2. Since the frictional resistance R1 is a constant value unique to the vehicle, it can be obtained in advance by measurement or the like and stored in the memory of the
[0020]
Since the vehicle acceleration α is a differential value of the vehicle speed, it can be calculated by differentiating the output shaft rotational speed no representing the vehicle speed with respect to time. The acceleration α can also be directly obtained by an acceleration sensor mounted on the vehicle.
[0021]
The vehicle weight M in the
[0022]
[Equation 3]
[Expression 4]
Now, if the vehicle is traveling on a road having a constant road gradient, Θ is constant, and therefore the term relating to the road gradient (gsin Θ) in
[0023]
Actually, the road gradient Θ changes relatively slowly, and the influence of the road gradient Θ appears as a low-frequency component (1 to 2 Hz or less) in the acceleration α. Therefore, if the predetermined frequency is removed from the signal representing the acceleration α and the actual driving force F, the DC component is removed at the same time, and the equation of motion shown in the following equation 5 excluding the influence of the road gradient can be obtained. In Equation 5, a signal obtained by removing a signal having a predetermined frequency or less from a signal representing the acceleration α is α0, and a signal obtained by removing a signal having a predetermined frequency or less from the actual driving force F is F0.
[0024]
[Equation 5]
In Equation 5, error is a value resulting from a measurement error of the gradient resistance that cannot be removed or the acceleration α and the actual driving force F. Thus, when an error is included in the formula, for example, the true value can be obtained by the successive least square method. Further, the vehicle weight variation parameter θ can be obtained by the successive least square method, and the vehicle weight M can be estimated.
[0025]
Next, the operation when the
[0026]
In block B1, the CPU inputs signals from the above-described sensors and the above-described shift request signal shift generated by execution of a shift control program (not shown) to estimate the actual shift stage and drive power of the
[0027]
In the estimation of the actual driving force F, first, the current turbine rotational speed nt and the engine rotational speed ne are input to calculate the speed ratio (nt / ne) of the
[0028]
Next, the CPU removes the high-frequency component (high-frequency noise) from the substantial driving force F in the block B4 by low-pass filter processing, and removes the low-frequency component by the high-pass filter processing in block B5 to remove the influence of the road gradient Θ. A substantial driving force F0 (post-processing driving force) is calculated. Here, the block B5 constitutes a driving force processing means.
[0029]
At the same time, the CPU removes high-frequency components (high-frequency noise) from the detected output shaft rotational speed no by the low-pass filter processing in block B6, and obtains the acceleration α by time differentiation in block B7. The block B7 constitutes an acceleration acquisition means, and then the CPU calculates an acceleration α0 (post-processing acceleration) by removing the low-frequency component from the obtained α and removing the influence of the road gradient Θ by the block B8. . Here, the block B8 constitutes an acceleration processing means.
[0030]
The substantial driving force F0 and the acceleration α0 are updated every elapse of a predetermined time, and the CPU sequentially estimates the vehicle weight M using the least square method.
[0031]
Here, in estimating the driving force F executed in the block B1, the brake device is in an operating state (a state in which a braking force is applied to the vehicle by the brake device), and the output shaft rotational speed no (the vehicle speed is set). When Equivalent) is 0, there is a contradiction in the equation of motion of the driving force F and the acceleration α obtained from the torque converter characteristic expressed by the
[0032]
FIG. 8 shows the relationship between the post-processing driving force F0 and the post-processing acceleration α0 × (θ × m) after the low frequency component and the high frequency component are removed by the filter processing in the relationship shown in FIG. FIG. The post-processing driving force F0 and the post-processing acceleration α0 × (θ × m) after the elapse of time t1 (especially immediately after the elapse of time t1) due to the influence of the difference between the values of both driving forces at the time (t0 to t1) in FIG. ) Do not match, and the vehicle weight M cannot be estimated with high accuracy as it is.
[0033]
Therefore, in this embodiment, when the driving force F of the
[0034]
The operation of the block B1 relating to the setting of the driving force described above will be described with reference to a program executed by the CPU shown in FIG. 11 every elapse of a predetermined time. When the predetermined timing is reached, the CPU starts processing from
[0035]
When the CPU proceeds to step 610, the CPU determines whether or not the brake device is in an operating state. In this
[0036]
Here, when determining whether or not the output rotation speed no is “0” in
[0037]
Next, the operation for generating the permission signal shown in the block B3 will be described. The permission signal “enable” is satisfied when the following conditions (1) to (7) are all satisfied, and when the value is set to “1”, the estimation of the vehicle weight M by the block B2 is permitted. In other words, when any of the following conditions (1) to (7) is not satisfied, the value of the permission signal “enable” is set to “0”, thereby prohibiting the estimation of the vehicle weight M by the block B2. The estimation of the vehicle weight M is prohibited. In addition to prohibiting the estimation operation of the vehicle weight M itself by the CPU, the estimation calculation operation of the vehicle weight M is performed, but the result is not adopted as the vehicle weight M. It is included. Further, the block B2 uses the estimated value of the vehicle weight M estimated at that time for the subsequent shift control when the estimated state of the vehicle weight M changes from the permitted state to the prohibited state.
[0038]
(1) The vehicle is starting. Specifically, the acceleration (or vehicle speed) is no longer “0” after the stop time (the time when the output shaft rotational speed no = “0” indicating the vehicle speed is in a state of “0”) continues for a predetermined time (for example, 2 seconds). If it is. As described above, since the vehicle weight M is estimated based on the driving force F and the acceleration α, if the driving force F and the acceleration α are not sufficiently large, the influence of noise included in these is large, and the estimation accuracy is high. Not good. On the other hand, when the vehicle starts, a larger driving force F and acceleration α are obtained than when the vehicle is traveling. Therefore, the vehicle weight M is estimated when the vehicle starts. Further, according to the
[0039]
(2) The gear is not being changed. This is because the driving force F fluctuates during shifting, and therefore the vehicle weight M cannot be estimated with high accuracy.
[0040]
(3) The output shaft rotational speed no is larger than 0 (that is, the vehicle speed is not 0), and the throttle opening degree thr is larger than a predetermined reference throttle opening degree thr0. Since the estimation principle of the vehicle weight M is based on the equation of motion in the longitudinal direction of the vehicle of
[0041]
More specifically, since the output shaft
[0042]
Therefore, by adding the condition that “the output shaft rotational speed no is greater than 0”, the phase difference between the driving force F and the acceleration α is large (the accelerator pedal is operated and the throttle opening degree thr is “0”). When the output shaft rotational speed no is “0” after the loss, the estimation of the vehicle weight M is avoided, and the estimation accuracy of the vehicle weight M is prevented from being lowered.
[0043]
Further, in order to estimate the vehicle weight M by the successive least square method, a signal used for the estimation must have a certain level of power. The power here is the magnitude of the change in the signal, and in this case, the magnitude of the change in the driving force F and the acceleration α. In general, the magnitudes of changes in the driving force F and the acceleration α are small when the throttle opening degree thr is small.
[0044]
Therefore, by adding the condition that “the throttle opening degree thr is larger than the predetermined reference throttle opening degree thr0”, the estimation of the vehicle weight M is avoided when the magnitude of the change in the acceleration α and the driving force F is small. A decrease in the estimation accuracy of the weight M is avoided.
[0045]
Note that, from the conditions (1) and (2) above, the time for which the vehicle weight M is estimated is limited to the time between the start of the vehicle and the first gear shift, and an estimation method such as a sequential least square method. Therefore, a certain amount of time (a large number of samples) is required to calculate with high accuracy. For this reason, when it is necessary to start the estimation of the vehicle weight M at the earliest possible stage after the start, the output shaft rotational speed no becomes larger than 0 or the throttle opening thr is larger than the reference throttle opening thr0. The estimation of the vehicle weight M may be started when either of the two increases.
[0046]
(4) The gear position is 1st speed or 2nd speed. To enable estimation of the vehicle weight M even when starting from the second speed.
[0047]
(5) The brake device is not operating. The brake device includes a service brake that decelerates or stops the vehicle based on the operation of the
[0048]
(6) The acceleration α is larger than a predetermined reference acceleration A. This is because when the acceleration α is small, noise is greatly affected by the acceleration α, and the estimation accuracy of the vehicle weight M is lowered. In addition, since the condition (2) is added in addition to the condition (1), the acceleration α may be small even at the time of starting when traveling on a climbing road.
[0049]
(7) The
[0050]
Hereinafter, with respect to the operation of the block B3 for determining whether or not the conditions (1) to (7) are satisfied, refer to a program executed by the CPU shown in FIGS. 12 and 13 every elapse of a predetermined time. While explaining.
[0051]
When the predetermined timing is reached, the CPU starts processing from
[0052]
When the CPU proceeds to step 710, the CPU determines whether or not the currently recognized shift stage, that is, the shift stage sh formed in the block B1 shown in FIG. ”Is determined, the process proceeds to step 725. If“ No ”is determined (not the first speed), the process proceeds to step 730 to determine whether the currently recognized shift speed is the second speed. judge. If “Yes” is determined in
[0053]
When the CPU proceeds to step 725, the CPU determines from the change in the shift speed sh whether or not the current gear shift is in progress. Step 720 is executed to prohibit the estimation of the vehicle weight M, and in
[0054]
When the CPU proceeds to step 735, the CPU determines whether the brake is currently being applied (the brake device is being operated), the brake operation signal STOP from the
[0055]
When the CPU proceeds to step 740, the CPU determines whether or not the current acceleration α obtained in block B7 in FIG. 6 is larger than a predetermined reference acceleration A. If the acceleration α is larger than the reference acceleration A, Proceeding to step 745, if the acceleration α is equal to or less than the reference acceleration A,
[0056]
When the CPU proceeds to step 745, the CPU determines whether or not the
[0057]
When the CPU proceeds to step 750, the CPU determines whether or not the value of the flag F is “1”. The value of the flag F is a value operated by the program shown in FIG. 13 to be described later, and is set to “0” when the value of the enable signal enable changes from “1” to “0”. It is set to “1” when the vehicle stops for a predetermined time (for example, 2 seconds) or longer.
[0058]
Now, assuming that the stop state continues for a predetermined time or more after the value of the permission signal enable is set to “0”, the value of the flag F is “1”. In this case, the CPU proceeds to step 755 to set the value of the enable signal “enable” to “1”, proceeds to step 795, and once ends this routine. That is, reaching
[0059]
On the other hand, if the value of the flag F is not “1” at the stage of proceeding to step 750, the CPU makes a “No” determination at
[0060]
Next, the operation of the flag F will be described. The value of the flag F is set to “1” by executing an initial routine (not shown) when an ignition switch (not shown) of the vehicle is changed from an off state to an on state. Therefore, when the conditions (2) to (7) for permitting the estimation of the vehicle weight are satisfied, the CPU proceeds to step 750, determines “Yes” at
[0061]
On the other hand, the CPU starts the processing of the program shown in FIG. 13 from
[0062]
In this state, if any of the above conditions (2) to (7) is not satisfied, the CPU executes
[0063]
Thereafter, since the value of the enable signal enable is maintained at “0”, the CPU makes a “No” determination at
[0064]
Thus, when all the above conditions (2) to (7) are satisfied, the CPU makes a “Yes” determination at
[0065]
As described above, according to the present embodiment, when the vehicle weight M is estimated from the post-processing driving force F0 and the post-processing acceleration α0, both of which remove the influence of the road surface gradient by the filter processing, the vehicle weight M is accurately estimated. While the incapable situation is removed under the above conditions (1) to (7), the output torque of the
[0066]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, since the driving force is set to zero while the vehicle speed is zero and the brake device is operating when the vehicle starts, the driving force setting means sets the driving force to zero. There is no contradiction in the equation of motion related to the driving force of the vehicle immediately before starting ((processing driving force) = (vehicle weight) x (processing acceleration)), and the above equation of motion is established immediately before starting the vehicle and after starting. Therefore, the vehicle weight can be estimated with high accuracy.
[0067]
Further, according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a system configuration diagram when a shift control device including a vehicle weight estimation device according to the present invention is mounted on a vehicle.
2A and 2B are shift diagrams used by the electric control device shown in FIG. 1 for shift control.
FIG. 3 is a map used by the electric control device shown in FIG. 1 for controlling the lockup mechanism.
4 is a capacity coefficient map of the fluid transmission mechanism shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is a torque gain map of the fluid transmission mechanism shown in FIG. 1;
6 is a diagram showing a vehicle weight estimation program executed by the electric control device shown in FIG. 1 for each function block. FIG.
FIG. 7 is a diagram showing the relationship between the driving force and time when the driving force is not set by the driving force setting means.
FIG. 8 is a diagram showing a relationship between post-processing driving force and time when the driving force is not set by the driving force setting means.
FIG. 9 is a diagram showing the relationship between the driving force and time when the driving force is set by the driving force setting means.
FIG. 10 is a diagram showing a relationship between post-processing driving force and time when driving force is set by the driving force setting means.
FIG. 11 is a flowchart showing a program for achieving the driving force estimation and setting function block shown in FIG. 6;
12 is a flowchart showing a program for achieving the permission signal generation functional block shown in FIG. 6;
FIG. 13 is a flowchart showing a program for achieving the permission signal generation function block shown in FIG. 6;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記車両に搭載された原動機の駆動に基づき同車両の駆動力を取得する駆動力取得手段と、
前記取得された加速度の低周波成分を除去して処理後加速度を取得する加速度処理手段と、
前記取得された駆動力の低周波成分を除去して処理後駆動力を取得する駆動力処理手段と、
前記加速度処理手段と駆動力処理手段とに基づき前記車両の重量を推定する車両重量推定手段とを備えた車両重量推定装置において、
前記車両のブレーキ装置の作動状態を検知するブレーキ作動検知手段と、
前記車両の速度を検知する車両速度検知手段と、
前記ブレーキ作動検知手段により前記ブレーキ装置が作動状態であることが検知されるとともに前記車両速度検知手段により前記車両の速度がゼロであることが検知される間は、前記車両の駆動力をゼロに設定する駆動力設定手段を備えることを特徴とする車両重量推定装置。Acceleration acquisition means for acquiring acceleration in the longitudinal direction of the vehicle;
Driving force acquisition means for acquiring the driving force of the vehicle based on driving of a prime mover mounted on the vehicle;
Acceleration processing means for removing the low-frequency component of the acquired acceleration and acquiring post-processing acceleration;
Driving force processing means for removing the low frequency component of the acquired driving force and acquiring the processed driving force;
In a vehicle weight estimation device comprising vehicle weight estimation means for estimating the weight of the vehicle based on the acceleration processing means and the driving force processing means,
Brake operation detection means for detecting an operation state of the brake device of the vehicle;
Vehicle speed detecting means for detecting the speed of the vehicle;
While the brake operation detecting means detects that the brake device is in an operating state and the vehicle speed detecting means detects that the speed of the vehicle is zero, the driving force of the vehicle is set to zero. A vehicle weight estimation device comprising driving force setting means for setting.
前記発進状態判定手段により前記車両が発進状態にあることを検知すると前記車両重量推定手段による車両重量の推定を許容する推定許容手段と、
を備えることを特徴とする、請求項1に記載の車両重量推定装置。Starting state determining means for determining whether or not the vehicle is in a starting state;
Estimation permission means for allowing the vehicle weight estimation means to estimate the vehicle weight when the start state determination means detects that the vehicle is in a start state;
The vehicle weight estimation apparatus according to claim 1, comprising:
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