JP4180229B2 - 食用ペプチドの分画・濃縮法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品に使用可能なもしくは添加可能なペプチドの分離・分画・濃縮に関するものであり、特に、大量のペプチドを効率的に処理することを可能にするものである。
【0002】
【従来の技術】
タンパク質の酵素分解によって生成するペプチドは多種多様であって、この中から目的の活性ペプチドを分離することは容易なことではなく、特に工業的に大量処理することは困難なことである。従来より分離方法として各種の方法が提案されているが、いずれも実験室レベルの方法であるうえ、食用ペプチド、あるいは大量処理という面で、各種の問題点を有している。
【0003】
例えば、ペプチドの分離に多用されている高速液体クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーは、精度は高いものの、本来、微量の成分を分離するようにデザインされており、食品への応用を目的とした多量の成分の分離には、装置及び分離用カラムが高価であり、溶離液として食品衛生上問題があるメタノールやアセトニトリル等の有機溶媒や塩類の添加が必要であり、微粒子等を含有するサンプルについてはこれらを除去するための前処理が必要である等の問題は避けられない。
【0004】
また、分取クロマトグラフィー、等電点電気泳動も行われているが、これらの方法も分画を厳密に行うことを目的としており、試料負荷可能な支持体を極力小さくしたり、あるいは高価な親水性の化学合成両極性担体を使用したりする必要があるため、分画物を食品へ利用する場合には、前述と同じく、コスト面、安全面、法制面における問題点は避けられない。
【0005】
これに対して、食品に使用することを目的としたプチドについては、食品への工業的利用という面から、分離精度は医薬品レベルのように高純度に精製分離する必要はないが、その反面、食品製造に認められている薬剤のみを用いて大量に分離、濃縮できることが必要である。
【0006】
そこで、本発明者らは、上記した課題を解決するために各方面から検討の結果、食用タンパク質をタンパク質分解酵素で処理したときに生じるペプチドや遊離アミノ酸がプラスの電荷とマイナスの電荷を有する両極性電解質であることに着目し、これを化学合成両極性担体の代わりに用いてペプチド混合物から特定のペプチドを単離、濃縮、あるいは除去することが可能であろうと推定し、これを用いた食用ペプチドの単離、濃縮、あるいは除去を試みた。更に、本分画法で用いる試薬等はすべて食品製造に使用が認められているもののみを使用することで、前述の種々の問題を解決することを試み、調製用等電点電気泳動装置をスケールアップすることにはじめて成功した。
【0007】
すなわち本発明者らは、タンパク質を加水分解して生じるペプチドの混合溶液が調製用等電点電気泳動において両性担体として機能し、その結果、各ペプチドがそれぞれの等電点へ泳動される現象を見出し、これをオートフォーカシング(Autofocusing)と命名した。この手法によれば、溶媒として水を用いて分画ができるため、安全な食品ペプチドの分画に応用することが可能となり、この新知見に基づき、本発明者らは新規な食用ペプチドの分画・濃縮法を開発するのに成功し、既に特許出願を終了している(特開平11−75706号、特許査定平成12年7月19日)。その骨子は次のとおりである。
【0008】
導電性ハイドロゲルを設けた複数の導管によって、複数の分離室を直鎖状に結合し、この中にタンパク質をタンパク質分解酵素で分解した溶液を満たし、一端にアルカリ溶液を満たして透析膜で仕切った電極を接合し(又は透析膜で包んだ電極を入れ)、他の一端に酸溶液を満たして透析膜で仕切った電極を接合し(又は透析膜で包んだ電極を入れ)、両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分解室中に留まったペプチドを回収する食用ペプチドの分画・濃縮法。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らが先に開発した上記方法は、サンプルセルの間を薄い(例えば1〜2mm)のアガロースゲル等の導電性ハイドロゲル膜で仕切り、この膜において分画を生じさせるため、一種のアガロースゲル電気泳動と考えることができ、簡便にして有害な成分を使用することなく効率的にペプチドの分画が可能であるという点で優れたものである。しかしながら、本発明者らは、これに満足することなく、更に検討を行い、このシステムをスケールアップして、効率的に大量処理するシステムを新たに開発する目的でなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであって、先に本発明者らが見出したオートフォーカシングの理論は応用するものの、それを実施するに当っては、先に提案した分画・濃縮システムとは全く発想を転換して、新しいタイプの分画・濃縮システムを開発する目的でなされたものであって、大きな水槽を用意し、アガロースゲル膜を有する仕切りを用いることにより、大量のサンプルをオートフォーカシングで分画が可能であるという有用な新知見を得、更に研究の結果遂に本発明の完成に至ったものである。
【0011】
本発明を実施するのに好適な食用ペプチドの分画・濃縮装置について、その1例を図示した図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る装置をなす泳動槽を図示したものである。泳動槽は次の構成からなる。すなわち、水槽1には、ガイドレール2を1以上設けて分離室3を2以上形成し、両端は電極槽4、5とする。電極槽は、図示するようにガイドレール2と水槽1の端部とによって形成される区分、すなわち分離室(セル)3と一体化した構成としてもよいし、水槽1とは別体に形成し、導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた隔壁や導管等で両者を連結してもよい。
【0012】
図1に今回の装置の概要を示した(図を見やすくするため各図の長さは実際の値に比例していない)。アクリル板を用いて長さ1m、高さ25cm、奥行き20cmの水槽(Tank)を作成した(約50Lの水溶液を加えることが可能)。両端から10cmの場所にアクリル製の仕切を挿入できるようにガイドレール(Guide rail)を作成した。ガイドレールは両端のものからさらに20cmごとに図1、図2に示すように作成した。
【0013】
図2及び図3、つまり泳動槽の上面図及び断面図に示すように、仕切6を取り付けるために、ガイドレール2を水槽1に設ける。ガイドレールの設置方法としては、図示するように、水槽の底部及び両側部に設置するほか、両側部のみ、底部のみ、片側部と底部等適宜位置に適宜数設置する。ガイドレールには、仕切6を取り付けるため、溝部を設ける等必要な取り付け部を適宜設置する。仕切6を固定ないし着脱自在に設ける。後者の場合、分離室(セル)3の大きさ及び/又は数を適宜調節できるという利点がある。
【0014】
図4に示すように、アクリルその他の適宜の材料からなる仕切(セパレータ)6(例えば20cm×25cm)には窓部(ウインドウ)7を設ける。図4において、窓部7は、仕切6の上方中央部を10cm×10cm切欠いて形成しているが、その大きさ、位置、数について格別の限定はなく、円形や三角形の窓部を仕切6の中央部に1又はそれ以上設けてもよい。
【0015】
窓部7には導電性ハイドロゲル8を設ける。導電性ハイドロゲルは、そのままでよいが、ナイロン製その他適宜の材料からなるメッシュ等の支持部材で支持、サポートしておくのが好適である。導電性ハイドロゲルとしては、本技術分野で常用されるハイドロゲルがすべて使用可能であるが、例えば寒天、もしくは寒天の純化物であるアガロース等が例示される。なお、本実施例においては、導電性ハイドロゲルとして、ナイロンメツシュで支持したアガロースゲル(1〜1.5%)を使用した。ナイロンメッシュは、10〜1000メッシュ、好ましくは50〜500メッシュ程度であり(本実施例では100メッシュ)、これを窓部7に耐水性セロテープ(登録商標)等適宜の手段で固定する。更に、ナイロンメッシュを加熱溶解したアガロースゲル溶液に浸して、メッシュ上にアガロース膜を形成する。
【0016】
分離室(セル)3と電極槽(4、5)とを区分する仕切6の窓部7には分離室(セル)3間の仕切6の窓部7と同様の方法で導電性ハイドロゲル8を設けた。導電性ハイドロゲルのほかに透析膜を用いてもよい。透析膜としては、セルローズなどのすべての透析膜が使用可能である。電極槽(4、5)にはそれぞれ電極液を収容した。電極液としては、常用される電極液がすべて使用可能であるが、陰極には0.1MのNaOH、陽極には0.1MのH3PO4を用いた。そして、アノードセル4及びカソードセル5には、プラチナ電極その他常用される電極をそれぞれ挿入した。
【0017】
本発明の装置の構造は、基本的には、上記したように電極槽−分離室−電極槽からなるものであって、この基本的技術思想に包含される構造がすべて本発明の範ちゆうに入るものであり、各種の態様が広く包含される.
【0018】
例えば、図5、図1に示すように、上記の方法により作成したアガロース膜を持つ仕切をペプチド水溶液を加えた泳動槽のガイドレールにそって挿入する。その結果、両端に2ヶの約4Lのセルが形成され、その間にも5ヶの8Lのセルが形成される。両側のセルには濃リン酸または水酸化ナトリウムペレットを終濃度で0.1Mになるように加え、リン酸側を陽極、水酸化ナトリウム側を陰極として用いる。電極には白金を用いた。陰極および陽極セル間の8Lセルはサンプルセルとして用い、陽極側から画分1とした。サンプルの冷却のため水道水を1cm内径のシリコンチューブに通し、クーラーで冷却した後、サンプルセル中にコイル状に固定した(図示せず)。
【0019】
上記に例示した水その他適宜の冷媒を循環させたチューブは、コイル状、直線状、円形状その他適宜の形状、大きさに整形し、分離室の内部及び/又は外部に固定ないし着脱自在に配置する。配置場所としては適宜でよいが、アガロース膜の近接位置とすると、冷却効果が向上し、効果的である。なお、冷媒はチューブその他適当な空間部内に収容及び/又は流通させ、外部は外套部を設け、その中に冷媒を収容及び/又は流通させてもよい。
【0020】
本発明を実施するには、分離室(セル)内にタンパク質をタンパク質分解酵素で加水分解した溶液を入れ、両電極に直流電流を通電することにより、ペプチドを分画することができ、しかも大量処理が可能である。
以下、本発明の実施例について述べる。
【0021】
【実施例1】
上記した本分画装置を用い、下記する泳動条件にて乳清ペプチドのオートフォーカシングを行い、分析は次のようにして行った。
【0022】
(泳動条件)
1%ホエイペプチド水溶液をサンプルとして用いた。市販の分析用電気泳動装置(Max 3000V,300mA,300W)を用いて100Wで泳動した。約18時間までは冷却せずに泳動し、その後は前述の方法で冷却した。18時間後には約40度まで加熱されていたが、その後は25度前後であった。
【0023】
(分析)
pH、電圧、電流を適時測定した。ペプチドの分離はCosmosil AR5C18カラム(50×4.6mm)を用いて0.1%TFA存在で10から45%のアセトニトリルの50分のグラジエントにより行った。214nmの吸収をモニターした。
【0024】
分析の結果、次のような結果が得られた。
【0025】
(電圧の変化)
図6に今回の装置を用いて40Lの1%ホエイペプチドに100W定電力をかけた時に生じた電流と電圧を示している。通常、等電点電気泳動およびAutofocusingでは泳動の進行により電圧の上昇がみられるが、最初の数時間ではむしろ電圧は低下した。しかし、冷却後は電圧の上昇がみられた。そのため、初期の電圧減少は加熱による影響であると考えた。今回は分析用電源を用いたため100Wまでしか電圧を上げれなかった(300Wまで可能であるが電流が300mA以上となるため)。100Wでは1%カゼインペプチド1Lを分画するのに6時間かかっている。そのため40Lを分画するのに約240時間、約10日かかる計算になるが、その半分以下の時間でも一部分画が生じていたため、今回は90時間まで泳動を行った。40時間まで電圧は上昇し、その後も緩やかに上昇する傾向がみられた。
【0026】
(pHの変化)
図7に1%ホエイペプチドを100Wで泳動した時の各画分のpHの経時変化を示した。約40時間まで各セルのpHは変化していた。その後はほぼ一定の値となった。1〜3までのセルはpH3から5の間の値を示し、4、5は中性とかなりのアルカリ性を示した。電圧上昇が緩やかとなる40時間で安定なpH勾配が生じていることが確認できた。
【0027】
(ペプチドの分画)
各セル中に泳動されたペプチドを逆相HPLCで分画した結果を図8、9に示す。26時間の泳動では各画分のパターンはほぼ同じでそれほど分画は生じていないが、画分1、5は他と若干異なるパターンが観察される。セルごとのパターンの変化は泳動時間が増すにつれて大きくなる。この結果から本装置により分画が生じることは明らかとなった。
【0028】
【発明の効果】
本発明装置に用いる装置・機械には耐圧装置や精密工作の必要はなく、類似した原理に基づく電気透析法は食品製造分野で既に実用化されており、容易に生産規模への拡大が可能と考えられる。また、本発明による装置を用いて単離・濃縮、あるいは特定の成分が除去されたペプチド混合物が食品に利用可能となれば、機能性を有する食品の開発にとっても有利であり、消費者にとっても十分な利益があると考えられる。
【0029】
分画装置に用いる溶媒は水と試料とはほとんど混合しない希酸および希アルカリ性の電極液であり、いずれも食品製造に使用が認められている。また、泳動中に等電点沈殿が生じる場合があるが、本分画装置は沈殿した試料も回収可能である。
【0030】
また、本発明によれば、水槽にあらかじめサンプル溶液を加え、その後でアガロース膜を形成した仕切を泳動槽内に1以上設置する新規システムを採用したことにより、多量のサンプルを用いても、その水圧にアガロース膜が耐えられなくなるという欠点が回避され、多量のサンプルの処理が可能となった。更に、冷媒を循環させたチューブを分離槽、特にアガロース膜の近傍に配置したことにより、冷却が効率的に行われ、上記した水圧の影響の低減効果と相まって、多量のペプチドを効率的に分画することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分画装置に使用する泳動槽を示す。
【図2】泳動槽の上面図である。
【図3】泳動槽の横断面を示す。
【図4】アガロース膜の形成図である。
【図5】泳動槽の組立図である。
【図6】乳清ペプチドのオートフォーカシングによる電流、電圧の経時変化を示す。
【図7】同上pH勾配の形成を示す。
【図8】実施例1によって分画された各分画セル内の試料の逆相HPLCの溶出パターンを示す。
【図9】同上続きを示す。
Claims (11)
- 水槽にあらかじめタンパク質をタンパク質分解酵素で分解した液体を入れ、その後で支持部材で支持した導電性ハイドロゲルを形成した仕切を1又はそれ以上用いて2以上の分離室を形成し、一端にアルカリ溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、他の一端に酸溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分離室中に留まったペプチドを回収すること、を特徴とする食用ペプチドの分画・濃縮法。
- 水槽に支持部材で支持した導電性ハイドロゲルを形成した仕切を1又はそれ以上用いて2以上の分離室を形成し、タンパク質をタンパク質分解酵素で分解した液体を入れ、一端にアルカリ溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、他の一端に酸溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分離室中に留まったペプチドを回収すること、を特徴とする食用ペプチドの分画・濃縮法。
- 大きな1の水槽を設け、あらかじめこれにタンパク質をタンパク質分解酵素で分解した液体を入れ、その後で当該水槽には1又は2以上の仕切を用いて2以上の分離室を形成し、且つ当該仕切には支持部材で支持された導電性ハイドロゲルを設けた窓部を設け、一端にアルカリ溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、他の一端に酸溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分離室中に留まったペプチドを回収すること、を特徴とする多量の食用ペプチドの効率的分画・濃縮法。
- 大きな1の水槽を設け、当該水槽には1又は2以上の仕切を用いて2以上の分離室を形成し、且つ当該仕切には支持部材で支持された導電性ハイドロゲルを設けた窓部を設け、これにタンパク質をタンパク質分解酵素で分解した液体を入れ、一端にアルカリ溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、他の一端に酸溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分離室中に留まったペプチドを回収すること、を特徴とする多量の食用ペプチドの効率的分画・濃縮法。
- 導電性ハイドロゲルはメッシュで支持されること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の食用ペプチドの分画・濃縮法。
- 導電性ハイドロゲルが寒天もしくは寒天の純化物であるアガロースであること、を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食用ペプチドの分画・濃縮法。
- 分離室を外部及び/又は内部から冷却すること、を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の分画・濃縮法。
- タンパク質をタンパク質分解酵素で分解した液体を入れるための水槽を設け、該水槽には支持部材で支持した導電性ハイドロゲルを形成した仕切を1又はそれ以上用いて2以上の分離室を形成し、一端にアルカリ溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、他の一端に酸溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分離室中に留まったペプチドを回収するようにしてなること、を特徴とする食用ペプチドの分画・濃縮装置。
- 次の構成からなる大量の食用ペプチドの分画・濃縮装置。
(a)大きな1の水槽を設け、これにタンパク質をタンパク質分解酵素で分解した液体を入れる。
(b)当該水槽には1又は2以上の仕切を用いて2以上の分離室を形成し、且つ当該仕切には支持部材で支持された導電性ハイドロゲルを設けた窓部を設ける。
(c)一端にアルカリ溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、他の一端に酸溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成する。
(d)両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分離室中に留まったペプチドを回収する。 - 次の構成からなる大量の食用ペプチドの分画・濃縮装置。
(a)大きな1の水槽を設け、当該水槽には1又は2以上の仕切を用いて2以上の分離室を形成し、且つ当該仕切には支持部材で支持された導電性ハイドロゲルを設けた窓部を設ける。
(b)当該水槽にタンパク質をタンパク質分解酵素で分解した液体を入れる。
(c)一端にアルカリ溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成し、他の一端に酸溶液を満たし且つ導電性ハイドロゲル又は透析膜を設けた電極部を形成する。
(d)両電極に直流電流を定電力で電圧の上昇がなくなるまで通電し、タンパク質分解物中のペプチドが移動しなくなった時点で各々の分離室中に留まったペプチドを回収する。 - 分離室の内部及び/又は外部に冷媒用の空間部を配してなること、を特徴とする請求項9又は10に記載の食用ペプチドの分画・濃縮装置。
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